勇者殺し ~普通の人間が勇者を殺す方法~

非道勇者の死
「えへへ..勇者様、私を犯して下さいよ..楽しませますよ..えへへへ」

「もうお前にも飽きたんだが..仕方ない抱いてやるよ、その代わり朝まで..楽しませろよ..」

「はい、レイラ..頑張っちゃいますよえへへっ」

「可哀想にレイラさん、頭が狂っちゃんたんだな、あんなに可笑しくなって」

「あの服、娼婦どころかほぼ裸じゃない..」

「可哀想だから見ないでおやり、それがせめてもの情けだ」

「そりゃ、頭も可笑しくなるだろうよ..新婚だったのに、旦那が殺されて、目の前で子供まで殺されちゃ」

「その挙句に犯されたんだろう..旦那や子供の死体の傍で」

「ああなっても仕方ない..」

「しかし、頭が可笑しくなったとはいえ良く、ああも自分の家族を殺した相手に懸想するよな..」

「余程の事だったんだろうよ、感情が可笑しくなる位な..見ないであげる..それしか無いよ」

「そうだな」

勇者支援法、この世界は勇者には凄く優しい。

勇者であれば基本、何でも許される。

文句を言えるのも、貴族階級以上だけだ。

その貴族階級も文句が言えるだけで勇者が従う義務が無い。

だから、勇者はやりたい放題出来る。

衛士も、騎士さえも見ないふりしている。

いや、見ないふりしか出来ない。

魔王すら単独で倒した勇者ケビン、騎士だろうと衛士だろうと敵う訳が無い。

少し前に、犯罪ギルドに「暗殺」の依頼があった。

沢山の人間がお金を集め、最強の暗殺者に依頼した。

犯罪ギルドのSランク、「闇の帝王」が引き受けてくれたが..

瞬殺された。話によると闇の帝王は、剣すら抜けなかったようだ。

その結果..誰もが手を出せなくなった。

表では「勇者支援法」があり、勇者は何をしても許される。

裏で処分しようにも、強すぎて相手にならない…最早手が付けられない。

「最早、お前など勇者ではない..死ね」

「勝てる訳ないだろう..聖騎士とはいえな、勇者に手を挙げたんだ死ぬが良い」

聖騎士、ゾットの首が飛んだ。

「可哀想に、聖騎士様の娘さんも犯されて殺されたんだろう」

「いや、自殺だと聞いたぞ」

「婚約が決まったのに、犯されたから話が流れたんだ..それで自殺したんだよ..殺されたような物だ」

「今、思えば、レイラさん、頭が可笑しいなりに街を守ってくれてたのかもな..」

「あの人、正義感が強いからな..あり得る」

「勇者に変態呼ばわりされても、懸想して相手してた..あれはもしかしたら、他に犠牲を出さないように頑張っていたのかもな」

「そう言えばレイラさん見ないな」

「頭が可笑しくなる位、毎日犯されていたんだ..死んだんじゃないか?」

「そうか、可哀想に」

それから15年が経った。

勇者ケビンは侯爵の地位を貰った。

勇者には地位は関係ない、ただ名前がついただけだ。

意外な事に、侯爵家の娘に心底惚れあれ程、女を犯したり非道をしていた勇者が真面になっていった。

最初、侯爵家は警戒していたが、「真面になる」そう誓った勇者を様子見する事にした。

しかも、令嬢とは恋愛で結婚するまで指一本触れなかった。

過去の汚名を晴らすべく、国の為につくす、勇者の姿に侯爵家は警戒を解き結婚を許した。

愛する妻を貰い、落ち着いたのか本当に「良い人間」になった。

侯爵になった、勇者は過去の非道を恥じ..自分の記憶にある家に充分すぎるほどの見舞金を払い詫びた。

二人の間には女の子が生まれ、目に入れても痛くない程可愛がっていた。

そんな、ある日の事…勇者ケビンが、死体で発見された。

ケビンは片目が潰され、両手、両足を切断されていた、舌もかみ切られていた。

だが、ケビンの死因は..それでは無い..自ら頭を打ち付けて死んでいた。

頭はひびが入り砕けている。

そして、その横で、妻も、娘も犯され死んでいた。

当初、魔族による報復を疑ったが..違っていた。

勇者を殺したのは…

レイラに何が起こったのか?
私の名前はレイラ。

夫と二人で定食屋兼居酒屋をしている。

そして、最近生まれたばかりの赤ちゃんがいる。

結婚2年目、今私達は幸せ..いや幸せだった。

この幸せが崩れるなんてあの時は気が付かなかった。

いつもの様に夕方になり、お酒を飲む客が増えてきた。

この日が何時もと違ったのは、お客の女性に絡んでいる男が居たことだ。

直ぐに正体がわかった、知らない人は居ない勇者ケビンだ。

勇者の女癖の悪さは知っている。

このままではこの女の子が酷い目にあってしまう。

旦那は買い出しで居ないし、お店の者として助けなくちゃいけない..

私は間に入った、

「勇者様、どうかしましたか?」

私は後ろ手で女の子に行くように合図をだした。

女の子はほっとした顔になり逃げていった。

「あっ、お前、女を逃がしたな..てめぇ..何だ、お前の方が良い女じゃないか? お前付き合え!」

「嫌です、私には夫も子供もいます…お許し下さい」

まがいなりにも勇者だ余り無体な事はしないだろう..それが甘かった

私が土下座をして謝っていると、旦那が帰ってきた、しかも子供を抱きかかえて。

「お前が相手をしないなら、良い、この子を殺すぞ」

「子供、子供だけは許して下さい」

「だったら、どうすれば良いか解るだろう?」

「勇者様、お許し下さい..」

「駄目だな..」

このままでは子供が、場合によっては旦那まで殺されてしまう。

「解りました、奥に..来て..下さい」

「駄目だ、此処でするんだよ..服を脱げ」

「嫌、嫌、こんな所はいや」

「なら、子供は諦めるんだな..」

私は服を脱ぐしか無かった..

「めんどくさいのは嫌いだから、自分からやれよ」

自分から相手するしか無かった、自分からまたがるしか無かった。

大勢のお客がいる前で勇者の相手をした。

散々パラ、私を弄んだ後、勇者は去っていった。

惨めだ、これ以上ない位惨めだ..

ようやく子供の命が助かった事が解った私は今の自分の状態がが解った。

沢山の人の前で裸でいる。

しかも、あんな事までさせられて、全部見られた。

「嫌、嫌、嫌いやややややあああああああああああああああああっ」

「相手が勇者じゃ仕方ないさぁ..犬にでも噛まれたちょ思って諦めるしかないさ..」

「うん、解かっているわ、夜の商売しているんだから..仕方ないわ」

勇者に犯された女は山ほどいる。

大商人の娘から貴族の娘迄..だから夫も世間も暖かかった。

犯された私にも普通に接してくれていた。

「あれは事故だわ、カウントしないで良いんだよ」

「そうそう、事故にあっただけさ」

だが、それで終わらなかった。

次の日も、勇者は来た。

「お前、良いわ..今日も相手してくれよ」

「いや..です」

「じゃぁ..旦那と子供がどうなっても良いんだな..」

「いや」

助けが入った..常連客のS級冒険者のエルダさん..彼女ならきっと..

「勇者、いや、ケインやめてやんな」

「お前は誰だ? あん!」

「エルダ..S級冒険者のな..もう彼女は地獄を味わった、気もすんだだろう」

「なんだ、女だけどブスじゃんか..お前は抱く価値も無い..死ね」

「えっ」

私が見えないなんて..

「だったら..」

「だったら何て無い..お前は死んでいるからな」

エルダさんの首が、そのまま落ちた。

「それでどうするんだ?」

「お相手..します」

「そうそう、最初からそうやって素直なら、そのブスも死ななかったのにな」

相手をするしか無かった、エルダさんでも無理なら、もう誰も助けられない..

絶望しかない…

エルダさん..ごめんなさい..

助けようとしたために..

「今日はこれで良い..俺に逆らった罰だ、明日から1週間、服着るの禁止な..あっ引き籠るのも駄目だ」

「そんな、あんまりです」

「勇者様..幾ら何でも妻が可哀想です、お許し下さい」

「駄目だな…そうだ、子供の命で服着る権利をやる」

私は裸のまま居るしか無かった。

夜の居酒屋で裸でいる..男性から嫌らしい目で見られるけど..我慢するしかない。

「もう逃げよう」

「でもお店が..」

「お店も大事だが、お前の方が大事だ」

「そうよね、何処か田舎でやり直せば良いわ..コゼキ商会も娘さんつれて逃げたんだかそれが良いわ」

「今夜でも行こう」

「ええっ、貴方」

三人で逃げようとした。

だが..

「何処に行こうって言うんだ?」

「ひぃ..ケイン」

「1週間裸でいる約束なのに服着ているな? 約束を破ったな、これは殺すしかないな?」

「謝ります、今直ぐ服を脱ぎます、気が済むまで相手しますから..」

「約束は約束だ..」

ケインは、あっさりと旦那と赤ちゃんを切り捨てた。

「赤ちゃん、私の赤ちゃん..貴方、貴方..貴方ぁああああああああああ!」

「面白れぇ..その死体の傍で抱いてやるぜ」

「誰が、誰が、あんたなんかの相手なんかするもんですか、私も殺せ、殺しなさい」

「バーカ、それじゃ楽しめないじゃんか」

ケインは、私が動けなくなるまで殴り倒すと、旦那と子供の死体の傍で犯した。

「あなた、あ.あ.なた..赤ちゃん..わたしの…」

道端には、旦那と赤ちゃんの死体..そして顔が腫れあがった私..

「自慢の面が、化け物だな..服は勘弁してやる..顔の腫れが治るまで抱きたくねぇな..他の奴でもあたるか」

うああああああああああああん、ひくひくっ..

流石に此処までの話だ事件になった。

流石に、冒険者ギルドのS級冒険者を殺した挙句、女を犯した挙句無抵抗な旦那と子供を殺した。

これは問題になるだろう、そう思われた。

だが結果は、勇者ではなく国王が頭を下げた。

正確には、謝罪文と金貨5枚のお見舞い。

これは私の為ではなく、恐らくエルダさんのついでだ、流石にS級冒険者を殺されたんだギルドだって黙っていない..だから、私への侘びでなく、ついでだ…その証拠に、こんな話は私だけだ。

他の家族は全員、泣き寝入りだ。

勇者に対抗できるのは魔王しか居ない..

だが、魔王はいない..

(ねぇ、貴方..勇者相手だとどうしようもないのね)

(私の赤ちゃん..育ててあげれなくてごめんね.)

もう、私には何も無いわ..死のう..死ねば..楽になれるから。

そのまま川に飛び込んだ..

苦しい、苦しい..だけど

あはははははははっ、何で死ねないのよ..

魔王でも悪魔でも良い..勇者を殺してくれるなら、魂でも何でもあげるわ。

殺してくれるなら..

居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの居ないの

勇者を殺してくれる存在..何で居ないのよ。

勇者殺しの真相
永かった。

本当にこの15年が地獄だった。

だけど、これから勇者が殺せるかと思えば、凄く嬉しい。

しかも、あの馬鹿勇者、家族までいるのね..凄く良いわ..これで同じ目に遭わせてあげる。

「ほら、行くよルディウス」

「はい、お母さま」

丘の上の大きな屋敷、これが愛する妻と娘の為に勇者ケビンが用意した屋敷だった。

「見ていたら凄く腹がたったわ、街の人もこの15年間で勇者が行った事を全て忘れていた」

「本当にそうですよね、母さま…」

「勇者は今の時間はいない筈だわ..先に家族からかたずけちゃいましょう」

「はい」

勇者であり、現侯爵の屋敷は勿論、騎士で固められていた。

だが、ルディウスは難なく殺してゆく…騎士すら圧倒するほどルディウスは強かった。

「何者です、此処が侯爵家の邸宅と解っての侵入ですか?」

「侯爵家だから来たのよ? ルディウス!」

「はい、母さま」

「そんな娘の娘のマリアに何をしようと言うのですか?」

「するかしないかは貴方次第、そうね..勇者がした事と同じような事を、貴方にはして貰おうかしら?」

「何をしろというのです」

「そうね、ルディウスに跨って、満足させて頂けるかしら?」

「まさか..そのような破廉恥な真似を..」

「そうよ!」

「そのような事私は出来ません」

「ならば、娘の命は無いわ..」

私は、マリアという娘の耳を切り落とし、母親に投げ捨てた。

「痛い、痛いいたあああああい、お母さま助けて」

まさか直ぐに此処までするとは思っていなかったのだろう、顔色が変わった。

「貴方は人間として恥ずかしく無いのですか?」

「アンタの旦那に比べれば優しいわよ?」

「ケビンが何かしたのですか..確かに昔は酷い人間でしたが今は立派に更生しました」

「そう、解ったわ..それで良いなら、貴方達を殺してから私達は、そうねボランティアでもするわ..それで良いのよね?」

「待って」

「待たないわ、貴方のケビンも待たなかったから..そうね次は目を貰おうかな!」

「解りました、やります」

「やります? 違うんじゃないかな?」

「やらして貰います」

目から涙ながしているわね..

「ちゃんと全裸になってやりなさい」

「お母さん…痛い痛いの、耳が凄く痛い..助けて、助けて」

「お願いです、娘を娘を他の部屋に..」

「駄目ね、勇者は家族のいる前や大通りでも平気で犯していたのよ..私は酒場で30人位のお客の前で犯された..娘しかいない貴方はまだましよ! 私の時は更に旦那や子供までいたのだから」

泣きながら跨っていった。

「うっうっ..これで満足ですか?..娘を娘を返して..」

「ルディウス満足した?」

「満足してない..こんなババア抱いても全然だめだね」

「それじゃ、片耳無いけど、こっちを使ったら..貴族だから間違いなく生娘だから」

「そうするか」

「嫌、嫌、嫌いやだああああああああああああっ」

「あのさぁ、静かにしないとお母さん殺すわよ..」

「いいわ、私を殺して気が済むなら..そうしなさい、それで娘に手を出さないで..」

「そんな、簡単に楽になれるわけ無いわよ? 私だってそうしたけど、家族皆殺しなんだから」

「解りました、奴隷になります、何でも言う事を聞きます、だから、だから娘だけは助けて下さい!」

「あのさ..虫が良いのよ…私は逆らえずに、玩具にされたの..何回もね..最後は何でもするからと言ったわよ..だけど、殺されちゃったわ」

「謝ります、謝ります、謝りますから..お願いです..」

「無理ね..殺さないだけ優しいと思うわ..」

嫌がるマリアを殴りながらルディウスは犯した。

「うっうっ..酷い、酷すぎるよ..私初めてだったのに..まだ婚約者も居ないのに..ううううううっ」

そのまま動けなくなる位まで暴力を振るい転がしておいた。

玄関から音がするわね

「これは何があったんだ…マリア..お前..」

ようやく来たわねケビン、この時を待っていたわ。

「貴方….マリアを助けて..」

「お前はレイラ!貴様がやったのか? 許さないぞ、許さない!」

「覚えていたのね..だったら、されても仕方ない、そう思わない?」

「確かに俺は酷い奴だった..それは認める、だが、妻や子供は悪い事はしていない..」

「私の旦那は誰からも慕われる定食屋の親父だった..そして子供は赤ん坊だった..違う」

「その事は謝る..だがその後、後悔して償いはしたんだ..今では皆んなが許してくれた」

「私は許してない..」

「そうか..謝罪はする、だが、家族に手を出すなら殺す..俺は貴族で勇者だ!」

「そう、何も変わってないし、反省もしてないんじゃない?やればいいわ!」

ケビンは剣を抜くと私に斬りかかってきた、普通ならこれで死ぬ..だがこれで良い。

私は賭けに勝った。

私から斬りに掛かったから、ルディウスの剣の方が先に届いた。

私にケビンの剣が届く前にルディウスの剣がケビンの腕を切り落とした、ケビンの右手が剣ごと宙に舞う。

そのまま、ルディウスの剣は左手をも切り落とした。

勇者は化け物だ、まだ安心が出来ない、それはルディウスに言ってある..だから油断せず、ルディウスはそのまま両足も切り落とした。

だが、これでも安心できない。

「ルディウス、焼くのよ」

「はい、母さん..フレイヤー」

「これで良いわ..流石は 勇者、手足が切り落とされても声を上げない何て」

本当に顔色は変わってない..多分勇者には痛みに対する耐性があるのかも知れない。

「馬鹿な、この俺が手も足も出ないだと..そいつはまさか魔王か..」

「ああ、本当につまらないわ、勇者って痛みに強いと聞いたけど本当なのね..手足を切り落としても痛がらないなんて」

「その化け物は何だ..俺より強い人間などいる訳が無い!」

「此処に居るじゃない? それより自分達の心配をしたら? 楽しい拷問の時間の始まりだわ!」

「俺には拷問など効かない..それに勇者に此処までの事をしたんだ、捕まったら楽には殺して貰えないな!」

「拷問はしないわ..貴方にはね..だから、この人達にするのよ!」

「やめろ、エリザベートに何をするんだ..やめろ」

家族が居て良かったわ、これで勇者を苦しめられるわ。

「こうするのよ..あははははっ」

私はケビンの妻のエリザベートの鼻に鉄串を2本突っ込んだ、そしてそのまま押し込んだ。

鉄串は鼻を突き破り飛び出した。

「うがややややややああああああああああっ痛い、いたたたたい」

「あらっ淑女の仮面がもう剥がれたわね..面白い顔になったわね」

「いやい、いやい..ひどい..なんでこんな事を」

「それはね、そこのケビンがこれ以上酷い事を私にしたからよ」

「けびゅいんが..そんな、そんな」

「お父さんが、そんな事をしたの..」

「ただ、犯した! 女癖が悪い、その程度に思った? 私は犯された後、旦那と子供を殺されたわ、しかも子供はまだ赤ん坊だった」

「俺は、そのあと後悔したんだ、だから償いの為に命がけで頑張ったんだ..」

「そう、だったら私も、貴方の家族を殺した後、反省して世の為に生きるわ..それで良いのよね!」

「やめてくれ、頼むよ..頼むから、俺は殺されても構わない..だからマリアとエリザベートだけは許してくれ..」

「そうね、こっちは1人生きているから..チャンスを上げるわ..貴方が自殺出来たら、2人は助けてあげるわ」

「約束は守れよ」

「私はアンタほどゴミじゃないわ」

「解った..だが、俺は手も足も無い..」

「知った事じゃないわ..舌でも噛んで死ぬか、頭でも打ち付けて死ねば」

「本当だな、それで本当に家族は助けてくれるんだな」

「命はね」

ケインは舌を噛みちぎった。

「馬鹿じゃ無いの? 舌を噛みちぎっても人は死なないのよ?」

「ややめうて、もうやめうて..ゆううひて、ゆうひてよ..お金でも、なうでもはらうから..ねねね..」

「許して下さい、お金が欲しいなら全部差し上げます..この事は言いません」

「そんな嘘、信じないわ..その男が何をしたか知っている? 散々、私を犯した挙句家族を殺したのよ?、そんな人間の家族の話し信じるわけ無いわ」

「もう、なひをいうてもむやや..おでが死ぬ..それでおわりにしてくれ」

「そう、早く死になさい..そうね5分、5分で死んだら、終わりにしてあげるわ」

「わかうるた..やくさおくだぞ」

ケビンは凄い勢いで頭を床に打ち付けた..流石勇者、3分待たずに脳をぶちまけ死んだわね。

「お父さん..お父さん..おとうさん」

「あうた、あうた…ああああああああああああっ」

こんな男を伴侶に選ぶからこうなるのよ!馬鹿じゃないの..

「お父さんは約束通り死にました..約束です」

「やうそくです」

生きるのに必死ね..あはははケビン、あんたの家族もゴミだわ。

「そうね、これで命は助けてあげるわ、だけど、この後貴方達は奴隷として売り飛ばすわ」

「そんな、約束が違います」

「やくそうくがちがう..」

「約束は命を助ける事だわ..私は貴方の家族のケビンに犯されて家族を殺されたの..死んだから殺された分は償ったとして犯された分はこれから貴方達に返してもらう..貧民街の場末の娼婦として客を取らせるわ」

「嫌、嫌いやだよ」

「むうねは、むうねはゆうして、わたしは」

話すのがめんどくさいから、ポーションを飲ませた。

「娘は許して下さい..まだ子供なんです」

「うちは赤ん坊でしたよ」

「それは..」

「私の家族は、簡単に殺された、だからチャンスを上げる..汚れて生きるか、楽に死ぬか」

「それは..どういう事でしょうか?」

「死にたくない」

「死ぬなら毒をあげる、すぐに死ねる毒よ..好きな方を選びなさい」

二人は話し合い、死ぬ方を選んだ。

貴族のプライドだけはあったのね..

「これで良かったのか母さん!」

「ええ、でもルディウスは良かったの?」

「あんなのは俺の父親じゃない」

「そう、なら良いわ」

親子で食事をした。

宿屋にとまった。

直ぐに捕らえられた。

当たり前だ、「敵はとったわ レイラ」としっかりと書置きを残したからね。

「貴様が勇者様を殺したのか..」

「そうよ、2人で殺したわ」

「なんて惨い事を、たしかにあの方は酷い事をしていたが、償いをしていたんだぞ!」

「だから?」

「家族まで殺す必要はないだろうが!」

「それは貴方が家族を殺された事が無いから言えるのよ..何だったら私たちがあなたの家族を殺してあげようか? それでも同じ事がいえるかな..言えたら認めてあげるわよ」

「それは…」

「自分が我慢できないなら知った口きかないで..本当に殺したくなるから」

「….」

そのまま、王の前に連れていかれた。

殺した相手は貴族で勇者だ。

王や貴族が裁く為だ。

「貴様がレイラとルディウスか..平民でありながら、貴族であり勇者のケビンとその家族を殺したというのは誠か?」

「はい」

「そなたの事は知っている..だが平民が貴族を殺したのだ死刑だ」

「そうはなりません..ルディウス…ここに居る王を除いて皆殺しにしなさい!」

「おのれ、そんな事は..」

ルディウスは鎖を引きちぎると、そのまま貴族を皆殺しにした。

そして、駆け付けてきた騎士も軽々殺した。

「貴様、こんな事が許されると思うのか! これだけ貴族を殺してただじゃすまんぞ!」

「済むわ..だってこの子は勇者だから」

「勇者?何を?言っておるのだ」

「私が勇者に犯され、家族が殺された後も勇者に抱かれ続けていたのはご存知かしら?」

「そのような話は聞いた事がある」

「勇者に勝てるのは、魔王しかいない..だが討伐されていない..」

「そうじゃな」

「だから、考えたのよ..勇者の子供なら勇者に勝てるんじゃないかってね」

「まさか…」

「そうよ、一切避妊をしないで妊娠するまで抱かれ続けたのはこの為..運よく男で勇者の力を受け継いだわ」

「それが..そいつか..あっ」

「王様ようやく気が付いたようね! そうこの子は勇者なのよ、だから勇者支援法が適応される、ケビンを殺せたのだから、その力は証明されたでしょう?」

「ならば..無罪じゃ..」

「そう、この子が手を出せないのは王、貴方だけ..最もこの子を繋ぎとめるなら、王女でも差し出すしかないんじゃないかしら?」

「どうしてじゃ」

「この子は、この国の勇者としてまだ登録されていない、他国に行くという事も出来るわよ!」

「解った…」

「そう、あとこの子の親はケビンだから、その財産も相続の権利はあるわね..違う!」

「そうじゃな…約束しよう」

こうしてこの物語は終わる。

エピローグ
ルディウスはそのまま、ケビンの領地と爵位を継いだ。

皆殺しにされた貴族の家族は特に問題にしなかった。

表向き、勇者支援法があり、逆らえないというのとケビンすら殺せる相手に逆らうなど皆殺しにされるだけだからだ。

王族の子供は、王女1人しか居ない為、自動的に次の国王はルディウスになる。

王女がルディウスを好きになるか気になったが問題は無かった。

これを言うとレイラは嫌がるかも知れないが、見目麗しいケビン(性格は最悪)と街で一番美しいというレイラの子供だ、綺麗でない訳が無い..そして勇者。

王女は一目惚れをして、ルディウスをいつも追いかけている。

ルディウスは母親から教育を受けていたから、民に優しく好かれた。

そしてレイラは、現侯爵、次期国王の母親なのに..食堂を経営している。

多分、この国で一番、安全な食堂だ。

ルディウスが母親に聞いたら。

「これも私が取り返したかった物の一つだから」と言っていた。

こうしてこの話は終わる。

魔王でも騎士でも無い..ただの平民が..勇者を倒した物語として語り継がれる事になる。