勇者撲滅! 勇者や女神様はズルいと思うので罰を与えます。

異世界召喚 (残酷な描写あり)
僕の名前はハルフミ…ライトノベルが好きな普通の男の子だった。

だが、ある時いじめが元で不登校になった。

そんな、僕が久しぶりに外出をして新しいゲームを買いに行ったら…妹が歩いていた。

妹の後ろから、車が迫ってきた…妹はそれに気が付いていない。

僕は走って妹を突き飛ばした…だが、僕はそのまま車に轢かれて死んだ。

白い部屋で目を覚ました。

「ハルフミさん、気が付かれましたか?」

綺麗な人が僕を見ていた…女神様のように綺麗だった。

「ここは何処ですか?」

「ここは世界と世界の間です」

「貴方はいったい…私はルーシア…貴方の知っている言葉で言うなら女神です」

「あの、女神様、僕は何でここに居るのですか?」

「貴方にお願いがあります…」

「お願いですか?」

「はい」

「何でしょうか?」

「異世界に行って、勇者として魔王と戦って貰いたいのです」

「僕がですか?」

《あれっ、これは夢なのかな…僕、眠くなってきた》

「ハルフミ..どうしたのですか?」

後ろから、黒い男が現れた。

「おい、ルーシア、ズルばっかりしているんじゃねえよ!」

「貴方は何者ですか? 女神である私への無礼..」

「煩いよ」

俺はルーシアの顔面に蹴りをいれた。

ルーシアは鼻血を出していた、鼻が少し曲がった…

「ハハハハハ..美しい女神も型無しだー鼻血だしてださい、ださい」

「おのれ、人の分際で、女神ルーシアが祈ります…天罰神法 光の刃」

光の刃が飛んできた。

だが、俺には効かない。

「うん、何かしたのか?」

「そんな、女神の私の力がきかないなんて」

「お前は本当にムカつくな!」

俺はルーシアを押し倒し、馬乗りになり顔をぶん殴った。

「ちょっと辞めて、辞めて!」

「うるせーなやめる訳ないだろう!」

顔が変わるまで殴り続けた、美しかった女神の面影は何処にもない。

顔は三倍に膨れ上がり…血だらけになっていた。

骨も割れて、皮もむくれている…悲惨きまわれる。

「うっうっうっ」

顔が腫れ、口の中も切れて、歯もおれているから、満足に喋れず、うめき声しかだせない。

さてと、俺はルーシアの額に「豚女神」とナイフで彫った。

さてと、俺は女神の胸に手を伸ばすとそのまま手を差し込んだ..そして引き抜くと俺の手には宝石が握られていた。

「うっうっ」

「これをとっても女神って死なないんだよな..だが、もう、何の力もふるえないんだろう、違うかな? 
その醜い顔だって癒しの力を使えないから治せない…醜い姿で永遠にここで引き籠っているんだな」

そのまま、俺は女神をひきづり、別の空間に閉じ込めた。

「ハルフミ..気が付いたか」

「あれっ僕は、女神様は?」

「女神様は急に忙しくなって代わりに僕が引き継いだんだ…君には二つの道があるよ!」

「二つの道?」

「そう、元の世界で生き返って元のように暮らす道、妹に会いたいだろう?」

「あのもう一つの道は」

《やっぱり聞いてきたか…ゴミ》

「異世界に行って勇者として生きる道だよ」

「異世界に行っても僕じゃ直ぐに死んでしまうと思うんですが」

「そうならないように、生き返った方が良くないですか?」

「あの、勇者になるなら、何かその力とか貰えないんですか?」

《やっぱり駄女神が呼んだクズだな》

「貰えるよ、ランダムだけどね」

「やります、僕勇者になります」

「そうかい、家族は良いのか?」

「大丈夫です」

「解かった、お前を勇者にしてやろう」

さぁ、その扉をあけて行くが良い。

「はい」

さてと、願いは叶えてやろうな….お前は異世界で「ブレイブゴブリン」にしてやるよ!

ゴブリンの勇者だ…約束は守った…ハハハハハ

女神 ルーシアを空間から出した。

「喋れるようにしてやるよ..ゴッドヒール」

「貴方は何で…こんな事しているのですか? 」

「お前らに罰を与えに来た…その醜い顔で死ぬこと無く、一人ぼっちでここから出られない…それが罰だ」

「私が一体、何をしたというのですか..」

「自分の胸に聞くんだな」

ルーシアは何か言っていたが俺は無視してこの空間を後にした。

俺の死
俺の名はロべス。

由緒あるハトトギス家の長男に生まれた。

ハトトギス家と言えば勇猛果敢な家で有名で先々代が頑張ったおかげで公爵家だ。

だが、我がハトトギス家は汚い仕事も沢山引き受けている。

世間一般では王家を白薔薇と花に例え、我がハトトギスは黒薔薇と例えられる事が多い。

だが、仕方の無い事だ、世の中、特に政治の世界では汚れ役は必要なんだ…

そして、その汚れ役を引き受けていて、さらに強さを身に着けているからこそ、王家を守る事が出来るのだ。

それこそ、ハトトギス家が目を光らせてなければ、お気楽な王家等直ぐに滅びてしまう。

俺が子供の頃に父親のバルトは良く謝っていた。

「すまないな..お前は光の中では生かしてあげれない..生まれつきの闇、悪人としての人生しか無い」

それこそ、何回も言われた。

そんな父上を俺は尊敬していた。

子供ながら理解したんだ、この国を外から内から守るのには必要な事だ。

その、誰もが嫌がる仕事を引き受けている父上は誰よりも立派だ…そう思うようになった。

俺は父上の姿に憧れ、毎日死ぬ程つらい修行をしていた。

子供の頃から才能の無い俺は暇さえあれば剣を振っていた。

無理を通すには力が必要だ…ハトトギスの家名を持つ俺は強くならなければならない…誰にも負けてはいけない。 王家をさらに言うなら国を守るハトトギス家には弱い子供は要らないのだ。

そして、剣を振らないときはひたすら勉強だ、政治に経済ありとあらゆる知識、これもハトトギスには必要だ。 敵に騙されないようにし敵を騙すには知識が必要なのだ。
特に法律には疎くては駄目だ、俺は6歳の時にはこの国の法律書の全てを暗記していた。

俺は才能がある方では無い…だから寝る間も惜しんで鍛え学んだ。

そして8歳の時に初めて人を殺した。

殺した相手は12歳の綺麗な令嬢だった。

俺を弟のように可愛がってくれていた人…そして初恋の人だった。

正直殺したくはなかった。

だが、彼女の父親が謀反を企んでいた、だから助ける事は出来なかった。

ハトトギスの家に産まれたからには冷酷で無ければならない。

「お前なんか、地獄に落ちれば良い..悪党の手先」

それが初恋の彼女の俺に対する最後の言葉だった。

俺に出来るのは苦しまずに殺してあげる事だった。

築き上げた剣技は一瞬で彼女の首を斬り落とした。

「お前の初めての殺す相手に彼女を選んだ父を恨め…今日一日は泣く事を許す」

「何を言うのですか? はっ父上らしくない、ハトトギスの男がこの程度で無く訳がありません」

多分、この時から俺には女は一生愛すことは無いのだろう…そう思うようになった。

そして、月日は流れ、魔王が復活し、国で勇者召喚を行った。

呼ばれた勇者は「聖(ひじり)」と名乗っていた。

勇者聖は王宮で鍛え上げられ、正義感の強い勇者へと育て上げられた。

そして、魔王討伐に旅立つ前に、事もあろうに我がハトトギスを悪と決めつけた。

勇者は絶対、正義の象徴だ…それに悪と言われればもう逃げ場はない。

守っていた国に王家に見放され…ハトトギスは滅びるしかなかった。

父上が処刑され家臣も死んで行った..もう終わりだ。

だけど、ただでは死なない…せめて死に際位は..そう思い勇者と戦った。

鍛え上げた剣技は通用しない..あっさりと俺は倒された。

これ程の相手に殺されるなら悔いは無い..ハトトギスは黒だ、白には敵わない…

「勇者…お前は凄いよ…そのまま綺麗なままで生きろ」

「俺は勇者だ絶対にお前の様な悪には染まらない」

「そうか、なら安心だ」

目の前が暗くなり、俺は死んだ…いや死んだはずだった。

「可哀想に」

真っ暗な空間で、澄んだ男の声が聞こえてきた。

憐れな俺
「可哀想にだと!」

「あぁ君は本当に可哀想だね!」

「ハトトギスである、俺を憐れむ事は許さん!….その前に何で俺は生きている?」

「君は、死んでいるよ? 生きてはいない、ただ死んだ瞬間僕の空間の招待しただけさ」

「そうか..貴方は神なのだな…だけど、神は女では無かったか?」

「まぁ、君達の世界を管理している神はたしかに女神だね…僕は違う神さぁ」

「そうなのか? その神が一体俺になんのようだ?」

「君は神に対して不敬だね、まぁ良いけどさ…君が可哀想だから…真実を見せに来たんだ」

「真実だと…俺たち、ハトトギスは黒である事は間違いない…戦って白い、何処までも正義な勇者に負けたんだ..あれ程の人間に殺されたんだ..悔いはない、闇は光に負ける…仕方ない事だ」

「ハハハハハッ…それが茶番だとしたら? 君が見た、勇者が偽りだとしたら? やっぱり君は可愛そうだ」

勇者の真実と契約
俺は急に眠気に襲われた。

そして気が付くと視界が変わっていた。

すると、凄い醜い男が見えた。

《なんだ、この男は?》

「気が付いたかな..それが君の世界に召喚される前の勇者聖(ひじり)だ」

「何だ、昔は随分..醜かったんだな..」

「で、勇者聖は一体…何をしているんだ」

「引き籠りだ」

「それは何かの修行なのか?」

「まぁ見てればよいさ」

俺は信じられない者を見た。

勇者聖は弱者だった。
学校でいじめられ、何一つ反撃できない。
クラス、嫌学校で誰1人友達も居ない。
いけすかない連中にいいようにされ下に見られ馬鹿にされる
…..正直、見たくはなかった。

《これは、誰か別人では無いのか..どう考えても同じ人物とは思えない》

だが、俺はワクワクしてきた。
この様な底辺からどの様にして成り上がったのか気になった。

その後も、彼はどんどん落ちて行った。
学校にも行かなくなり…家に閉じこもり、親や妹に手を挙げるゲスな男にしか見えない。

《随分、この世界は平和なんだな》

「そんな事は無いぞ….ほら」

《なんだこれは、世界を震撼させる大量破壊兵器…権力を持った悪人、そして暴れる子悪党》

馬鹿な奴らだ…こんな悪人..あの正義に熱い..勇者聖が放っておかないだろう。

さぁ、勇者聖..俺様を葬ったように戦うんだ。

何をしているんだ…何で家で娯楽を楽しんでいるんだ…

何で戦いに行かないんだ

此奴は何時立ち上がったんだ

なぁいつ修行を始めるんだ…

剣聖並みと言われた俺ですら通用しなかった…剣技…見せてくれ

《此奴はいったい何時になったら..変わるんだ、変わるきっかけを見せてくれ》

聖は結局何もしなかった。

最後の最後で犬を助けて…死んだ、それだけの人間だった。

《これが本当に 勇者聖の前世なのか》

「間違いないよ…それは僕が保証してあげる」

《なぁ、あの美しさは?》

「女神 セリナが与えたもんだね」

《あの剣技は?》

「女神 セリナが与えたもんだね」

《あの魔法は》

「女神 セリナがあげたもんだね」

《じゃぁ..彼奴の能力は何も努力をせずに全部貰ったものなのか?》

「その通り、それなのに君は妙にアイツの言葉を受け入れて死んで行った..うん滑稽で本当に哀れだね」

《何で何故だ..何故女神は彼奴に力なんかあげたんだ》

「うん、犬を助けたからね」

《それだけか…それだけで、あのゴミにあんな力を渡したのか?》

「そうだね..理不尽だろう?」

「ああ理不尽だ」

「僕は思うんだよ..ゴブリンがどれ程努力してホブゴブリンになれるのかな? 毎日死に物狂いで生きて数年だ…ゴブリンキングになるにはそれこそ、毎日死ぬ思いで生きて数十年かかる」

「何が言いたい」

「ゴブリンや他のモンスターが可哀想だ..君だってそうだ、ハトトギス家での過酷な生き方の末ようやくその境地になれたんだ…」

「そうだな、不公平だ」

「そう思うよね! 努力もしないであの能力…ズルだよね」

「あぁ…あいつ等を殺すチャンスをくれるのか?」

「それは無理だよ….あの世界は既に女神と勇者が勝った世界だからね」

「じゃぁ、俺は何の為に呼ばれた」

「僕は公平じゃなきゃいけないと思うんだ…あの世界は駄目だけど…僕と契約をしてズルする勇者と女神を倒さないかい?」

「あぁ面白そうだな!」

俺は口が笑いでつり上がった。

ゴブリン勇者 誕生
僕は洞窟で目を覚ました。

《ここは何処だ…》

暗い、臭い。

僕は…そうだ、女神様とその使いに会って…勇者になったんだ。

だけど、此処はいったい何処だ…暗くて見えないな。

暫く、目を凝らす…周りが少し見えるようになった。

枕元には焼いた肉と水があった。

そして暫く、すると人影が近づいてきた。

「勇者様…」

《そうか…僕は勇者だ》

体中が痛いが歩けそうだ…

体を起こし、立ち上がった…

「勇者様、お体の加減はいかがですか?」

《ごごごゴブリンだ..》

「ゴブ…リン」

「まだ、混同されているのですか…我々がどうかしましたか?」

《えっ…俺も…俺もゴブリンなのか..》

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ….」

「勇者様はまだ混同されている..」

「だが、放ってなどおけるか…勇者様」

僕は叫びながら暴れまわった、ひとしきり暴れ終わると少し気分が落ち着いた。

「正気に戻られましたか?」

「ごめん…落ち着いた」

「それは良かった」

《暴れた僕を..何で咎めないんだ..怪我しているじゃないか》

「本当に、ごめんなさい」

「勇者様に謝られては..恐縮してしまいます..頭はもう下げないで下さい」

「はい」

《ゴブリンってこんなに、知性があるのか》

「もし、お体が大丈夫であれば、王にお会いして下さい。 王も心配しております」

《この体は傷だらけだ、、、ボロキレが巻いてある..多分手当をしてくれたんだな…挨拶くらいはしないと..》

「解りました」

僕はゴブリンの王の間に通された。

大きい、通常のゴブリンの何倍あるんだ…これが、恐らくゴブリンキング、もしくはカイザーか。

「面をあげよ」

僕は直接目を併せた。

「して、其方はどこのゴブリンの群れの者だ、そして勇者たるブレイブゴブリンの其方がそこまで傷ついた経緯を教えて貰えぬか?」

《流石に元は人間だったとは言えないな》

「それが、解らない..解らないのです」

「記憶がないのか…そうか、なら暫くはここに滞在するが良い..其方はブレイブゴブリンだ、それなりの対応をさせて貰う..良いか」

「はい」

《ここを出ても行くとこなど無い》

その日から僕にはおつきのゴブリンが出来た。

何でもブレイブゴブリン程になると世話係がいるらしい。

「なぁ、ゴブリンについて教えてくれないか?」

「何でです、勇者様?」

「すっかり、記憶がなくなってしまってな」

「そうですか?…それなら」

ゴブ三郎(おつきの名前)はゴブリンについて色々教えてくれた。

何故、苗床が必要なのか…ゴブリンは基本なかなか女が産まれない…だから仕方なく別の種類の女を苗床にするのだそうだ…人間の女とゴブリンの女どちらが良いか聞いたら、変な顔された。

「ゴブリンの女に決まっているでしょう…まさか勇者様は、人間の女の方が好きとかいう変態なのですか?」

「あぁ、僕は変態だ」

《とりあえず、こう言わないと不味いかも知れない…一応勇者扱いされているからゴブリンの女をあてがわれたら目も当てられない》

「まぁその気持ちはわかります..ゴブリンの女は高嶺の花だから…他種族の女を抱いているうちにゴブリンの女が抱けなくなる…そういう人が居るって聞いた事があります…見たのは初めてだけど…」

《何か恥ずかしくなった》

「仕方ないだろう…」

「だったら、苗床の女を自由に使わして貰えば良いと思います..勇者様なら直ぐに許可が出ると思います…だけど勿体ないですね…ブレイブゴブリンの勇者様なら…ゴブリンの女だって相手してくれるのに…変態だなんて」

「はははは..ゴブリンの女は抱けないけど…変態は嫌だな」

「いえ..れっきとした変態です」

ゴブ三郎とは直ぐに打ち解けた。

前の世界のクラスの悪友以上の関係だ。

しかし、平和だな。

皆んなと打ち解け始めると、たまに小柄なゴブリンが木の実をくれるようになった。

食べてみると..旨くない。

「いいなぁ-メスのゴブリンから好かれて…勇者様が羨ましい」

「これくれたの…女のゴブリンなの?」

「はぁ..勇者様のいた巣には女のゴブリンが居なかったのですね…不憫です..だから変態に」

「変態っていうなよ」

「あぁ…ゴブ美ちゃんも可哀想に…あれ程可愛いのに..好きになった相手がよりによって変態勇者…ゴブリンより人間の女が好みのど変態とは…」

「いい加減怒るよ..」

「ごめんなさい..勇者様…何ていうか羨ましいぞこら..」

いきなりゴブ三郎に殴られた。

「ゴブ三郎ー待ちやがれ」

周りのゴブリンは生暖かい顔でこちらを見ていた。

《なんだ、ゴブリンも人も一緒じゃないか..》

それから数日後、これまでにない位、陽気なゴブ三郎が落ち込んでいた。

「どうしたんだ、ゴブ三郎..元気が無いな..」

「俺の兄弟が..殺された..」

「どうしてだ..」

「勇者様がボアの肉が食べたいって言っていただろう..それで弟が勇者様に献上するんだって狩に行ったんだ…そこで人間の冒険者に見つかって…」

「そうか…ゴブ三郎、悪いけどそこに連れていってくれないか?」

ゴブ三郎は黙って歩き始めた。

「酷いな..」

「仕方ない..ゴブリンは弱いからさ」

そこには無数のゴブリンの死骸があった。

その殆どの死体が胸を抉られていた。

《多分、魔石を撮られたんだな》

「ゴブ三郎…巣穴に帰ろう」

僕は巣穴に帰ると…そのまま苗床からエルフの女を自分の部屋に連れ帰った。

ゴブリン基準ではエルフの女は不細工らしく、他の女が居る時は基本放置だ。

僕は、ゴブリンなんでエルフの女が何を言っているのか解らない…だけど犯して犯して犯しまくった。

《ゴブリンの体は難儀だ..闘争本能が高くなると性欲が高くなるのか》

一しきり行為が終わった。ようやく性欲が収まった。

「ゴブ三郎…王様の所に連れて行ってくれないか?」

「解かった」

「どうしたのかな? 勇者どの?」

「僕は、ここのゴブリン達を守りたい…だから武器をくれないか?」

「勇者殿…それは本当か? なら正式に其方をこの巣穴の勇者と認め、儂の片腕としよう…それで良いか?」

「宜しくお願いします..王よ」

「うむ、さしずめそうしたら、名前が必要じゃな…そうじゃブレイブゴブリンだからブレイブ、勇者ブレイブ、それでどうじゃ」

「はい、今日より、勇者ブレイブ..そう名乗らせて貰います」

ゴブリンの勇者…

僕は…この力で…仲間を守ろう…

何処まで出来るか解らないけど…

褒美と魔王爆誕
あのガキどうなったかな?

勇者に成れると思って甘い事考えやがったからゴブリンにしてやった。

まぁ約束だから…勇者級のゴブリン…ブレイブゴブリンにしてやったが…

さぞかし…嘆き悔やんでいるだろうな…

俺はあのクズ..ハルフミの苦しむ姿を見てやろうと下界を見た。

《はぁ..彼奴しっかりやっていやがるな…ちゃんと運命を受け入れてゴブリンの為に立ち上がりやがった..チェ..クズじゃないのかよ…気分が悪い》

そして、俺は再びクズ女神の元に行った。

「よう、クズ」

「ヒィ..何をしに来たのですか?」

「おっ、良い物があるじゃんか..貰うぞ」

「わ、わたしの錫杖..まさかそれまで取り上げるっていうのですか…それをどうするのですか?」

女神は諦めた顔で見ていた。

俺はクズ女神の錫杖を力任せに叩きつけ装飾を壊した。

「わ、わたしの錫杖..やめて、やめて..せめて壊さないで」

「知らねーよ」

俺は、それに契約した謎の男から貰った力を注いだ。

すると黄金色の錫杖が溶け始め..暫くすると漆黒の剣になった。

「あぁあ..神器が私の錫杖が…」

「だから、知らねーよ…後は何か無いかな…良いもんみっけ..」

俺はクズ女神の衣に手を掛けて一気に破るように奪った。

「このケダモノ..私を犯し、辱める気ですか..」

「やらねーよ…どこの世界に、そんな醜い愉快な顔した女を抱く奴が居るんだ? まぁ体は良い体してそうだけどよ..その顔じゃ土下座されても抱きてぇー何て思う訳ないだろう」

うっうっうっ女神は嗚咽をもらし泣き始めた

「さてと、この服で防具を作って…まぁこんな物か」

「何をするのです…それは闇のマント」

「あぁ..お前が召喚したあいつな…今迄お前が召喚した奴と違いクズじゃなかったから..褒美をやりに行くんだ..そうだ、お前にも褒美をやるよ…そうだなその顔だけ元に戻してやるよ」

「顔だけ..」

俺はゴブリンの巣の真っただ中に勝手に降臨した。

ゴブリンは皆んながこちらを警戒している。

「お前は何者だ」

ゴブリンキングが聞いてきた。

《あれっ、俺様は何者だ..神なのかな?..聞いてなかったわ》

「その御方は神の使いです」

「おお、ブレイブ殿..神の使いなら殺さねばならん、天敵の人間を守護する者の使い..殺してやる」

「お待ちください…多分、その方はゴブリンの味方です..」

《ちゃんとやれるじゃないか..お前はやっぱりクズじゃねえ..お前がひざまづけば、王以外もひざまつく、やるな》

「よう、今はブレイブかしっかり勇者してるじゃないか…だからなお前に褒美をやりに来たんだ」

「褒美ですか?」

「勇者と言ったら聖剣だろう? …作ってやったんだ..はいこれ」

「有難うございます..でこの剣の名前は」

「名前か」

《ヤバイ…考えて無かった》

「そうだ、ブレイブ…ブレイブキラーだ」

「勇者殺し..勇者殺しの剣ですか?」

「あぁそうだ」

「あと、これなマントな」

「これは…」

「あぁ、女神からはぎ取って…いや頂いて作った防具だ、ありとあらゆる魔法を跳ね返す」

「闇のマント」

「そう、それだ…じゃぁな俺は帰る..頑張れ」

…………………………

………

「ブレイブ殿…先程の方は?」

「私も良く知りませんが、私をブレイブゴブリンにして下さった方です」

「それを見せて頂いて宜しいですか?」

「はい、闇の羽衣に似ていますな…だがそれ以上です…」

「はい、きっと女神様が下さったのだと」

「その方は伝説に伝わる邪神様に違いありません..そしてあの方は邪神様の使い」

「そうなのだと思います」

「ならば、貴方様はブレイブゴブリンじゃない…魔王様です」

「魔王!」

「闇のマントにブレイブキラー(勇者殺し)間違いありません。」

《大変な事になった》

「新たな魔王様の誕生だ}

「「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」」」」」」

歓声が洞窟にこだました。

僕は闇のマントとブレイブキラーを装備した。

恐ろしい程の高揚感..誰にも負ける気がしない…

体が熱い..性欲がまた抑えられなくなる…多分別の何かに進化する..

そんな気がした。

変わる女神
俺が戻ると..女神ルーシアが小躍りしていた。

しかも、ボンテージの服を着ていてしかもエロイ…

《なんだ此奴…頭が可笑しくなったのか..何処にも清楚さがない…痴女か?》

「何があったんだ…」

ルーシアは俺と目を合わせるといきなり謝りだした。

「ごめんなさい! 私が間違っていました、名もなき魔神様!」

《俺って魔神だったのか?》

「何があったんだ..」

「いやぁ…やっぱり…人間よりゴブリンですよね…さっきから感謝の祈りが続々届いています」

「そうなのか」

「はい、もう体が感じまくって感じまくって..この快感に比べたら、人間の祈りなんて微々たるものです」

「そうか…幸せそうで何よりだな」

「はい、正直、最初は貴方様を凄く恨みましたが…私にこの事を教える為の荒療治だったのですね」

「体は大丈夫なのか?」

「はい、それはもう神核も以前より大きくなって..」

「そうか..ではもう人間に好き勝手な加護は与えたりしないな」

「するわけないですよ…これからはゴブリンですね..人間と違って費用対効果が凄く高いです」

「そうか」

「勇者1人..聖剣1本..衣一つでこれ程の感謝の気持ちが届くなんて…どれだけ人間が薄情なのか解りました..もう人間になんて加護はあげません…魔王側のそれも弱い者を選んで助けようと思います」

《凄いなゴブリン…余程嬉しかったのか、神殿作って祭りはじめたよ…こうなるか》

「そうか…お前の気持ちは良く解った..じゃぁ行くぞ」

「また遊びに来てくださいね!」

《どうしてこういなったんだ、まぁ良いけど》

最終回 人類滅亡
「ゴブリンが最高なのよ…凄いわ」

「いや、意外とオークも効率い良いわよ? ただ女性を襲う事を許容すればだけど…」

「それはゴブリンも一緒ね…そう考えるとオーガが当たりかも」

「オーガそんなに良いの?」

「多分、初心者には最強じゃない?」

《何だ、これは..》

「あっ、来たわ 名無し様」

「名無し様ってなんだ? 俺の名前はロベスだぞ」

「そう、ロベス様って言うんだ…そのありがとう」

《何で顔を赤めるんだ》

「何で呼ばれたんだ!」

「あのね..あの後、他の神々にもゴブリンに加護を与える話しをね、したのよ」

「そうか…そしたら皆んなはじめちゃったの」

「はじめちゃったって何をだ..?」

「うん..人間に加護を上げるのを辞めちゃって…弱小モンスター中心にあげるように…そのね」

「そうか」

「多分、もう、人間に加護をあげている神は居ないかもしれないわ」

「そうなのか..女神セリナもそうなのか?」

「ええっ、あの子の所が、一番凄いわ…いきなり勇者聖から加護をとりあげて…そのまま魔族の幹部にあげたらしいわ..あそこの世界は 人類の守護者 聖で持っていたようだから…もう人類も終わりね、だけど、死ね死ね死ねって人が死ぬ度に喜んでいる姿は私でも引いたわよ」

《敵はとれた…そう思って良いのかな》

「あのさ、僕は公平が好きだと言ったよね?」

「言っていたな」

「これの何処が公平なのかな? 女神を味方にして人類を滅ぼして欲しいって言ってないよね?」

「言ってないな」

「さっき、最後の一人が死んで人類滅んじゃったよ」

「そうか」

「そうかじゃ無いよ…責任取って悪いけど世界一つ渡すから人類作ってよ」

「それどの位かかる」

「運が良くて3億年くらい」

「….」

「頑張ってね」

こうして、俺は永い時間退屈な日々を過ごす事になった。

あとがき
勇者と女神が人間に手を貸すのが不公平だ。

そこから、書いたのですが….旨く書ききれませんでした。

私の場合は気分で先を考えずに書く物が多いです。

最初、単純に勇者や女神を殺して行く話しを書こうとしていたのですが…途中から同じような話を何話も書く事になりそうな気がしました。

そこで話を変えようと少し弄ったら、どんどん面白くなくなってしまいました。

弄れば弄る程つまらない話に変わってきたので、ここで終わらせて頂く事にしました。

読んで頂き有難うございました。