ギャルゲーの母親に恋い焦がれて…

二次の世界の母親がドストライク!
俺の名前は田中一郎。

やや引き籠り気味のギャルゲーが好きな男だ。

もう20年以上ギャルゲーをやっているが…最近になって実は熱が冷めている。

最初にギャルゲーを手にしたのは12才の時、今に比べれば粗い画面の少女に恋い焦がれていた。

だが、自分が歳を重ねていくに連れ相手の女性に求める物が違ってきた。

自分の年齢がとうとう38歳になった時に惰性で続けているギャルゲーにも無理を感じるようになった。

《はぁ..流石にもう無理だわ、この歳になって中学生や高校生を口説いても全然面白くないわ(ゲームの世界です!)》

《よく考えたら、此処に最初出てくる母親の方が俺に齢が近いんだよな…》

そんな事を考えてギャルゲーを見ていたら…母親のキャラクターが気になり始めた。

見た目も凄く若く見えるし、巨乳で妖艶だ、しかも主人公が辛い時や苦しい時には必ず助言をくれる。

作品によっては傷ついた主人公を抱きしめるシーンもある。

《ヒロインよりこっちの方がいいわー》

綺麗で包容力があって優しい母親、そしてどう見ても包み込むようなその愛は絶対にヒロインより上だ。

この歳になって俺は「二次限定マザコン」になってしまったようだ。

ちなみに俺の母親は俺が18歳の時に死んでいるが…ただのおばさんだから対象ではない。

勿論、親父が俺が10歳の時に死んだあと育ててくれたから嫌いじゃないが恋愛対象じゃない。

そう、俺は二次限定のマザコンなんだ。

「だったら、エロゲー買えば良いじゃん? 今熟女系のエロゲーってあるんだぜ..」

「そうなのか!」

俺は5万円程のお金を持って秋葉原に行った。

中古品から新品迄合わせて15本買ってきて遊んだ…結果。

駄目だな、これじゃ、ヒロインの女性が肉食だったり、最初は俺の好みだったのに急に変態になる。

作品的に仕方ないと思うが…可愛い女性だったのに一回SEXしたら肉食に早変わり…その後はSEXだけ。

可愛くて好みの女性だったのに服を脱いだら…ぽっちゃりで腋毛がボーボーだったり…

非エロの熟女とは全く違っていた。

確かに絵は好みの物があるけど…綺麗で包容力があって優しい母親とはどこか違う気がする。

それからはどうしても自分の好みの熟女を見つけたくて、エロ漫画から普通の漫画、エロゲーは懲りたからゲームやアニメまで買い漁った。

だが、好みの熟女、主に母親が出てくる作品はその全部が非エロだった。

こんな生活を送っていたら、抜くのが二次の母親だけになった。

しかも、エロの肉食系は駄目なので、非エロの漫画や非エロのエロゲーの母親のエロイ姿を思い浮かべて抜く毎日だった。

そんな事じゃいけない、そう思い熟女系のソープランドで32歳の可愛らしい写真の女の子を指名して遊びに行った。

《なんなんだこの生物は…おばちゃんじゃないか..修正も此処までくるとアートだな》

年下にも関わらず、しかも熟女系の高級店なのに…おばちゃんだった。

どうにか勿体ないから時間内で理想の二次母を思い浮かべて何とか抜いたけど…虚しさしか残らなかった。

落胆しながら…歩いていた。

溜息をついてぼーっとして歩いているのが悪かったんだろう…車が来ているのに気が付かなかった。

車に跳ねられそうなそうな瞬間、俺は光に包まれた。

「私は貴方の命の恩人ですよ? お願いを聞いてくれますね?」

俺の好みとはかけ離れた美幼女が俺の前で腕を組んで立っていた。

ゲームの世界へ やっぱり母さんは美人だった。
車に轢かれて..あれっ俺は何で生きているんだ!

「それは私が助けたからだよ! 鈍いわ、まわり見てみなよ!」

「何もない…ここは何処でしょうか?」

「ここは私の空間、貴方は死に掛けている…そんな所かな?」

目の前の可愛い幼女が言っている…だけど、こんな空間に居るんだから普通の人間ではないだろう。

「確かに、私は車に轢かれる瞬間だったようですね…それで、なんで此処に居るんでしょうか?」

「それはね、私がこの空間に連れ込んだから…お願いがあるの、それを聞いてくれたら生きれるよ!」

「どんなお願いなのでしょうか?」

「それはね、ギャルゲーの主人公になって欲しいの!」

正直、この娘が何を言っているのか解らない…だけど人間で無いのは解る。

「どういう事?」

「実は紙様が作ったギャルゲーの主人公が逃げ出したんだけど…代役が見つからないの…お願い出来ない?」

「えっ神様でなく紙様? ギャルゲーの主人公..」

「やっぱり、そこから教えないと駄目なのね…実は貴方の世界のゲームや小説の半分は紙様が作った物なのよ、簡単に言うと紙様が新しい世界を作るの、そこの光景を一生懸命頑張っているクリエーターの人に夢という形で見せる訳よ!」

「と言うと半分くらいのゲームや漫画のアイディアはその紙様が作った世界が反映されている…そういう訳ですか?」

「ええっ、そういう事です…それで、今回の話しなんだけど、今作っている世界の主人公が逃げ出したのよ…」

「そんな良い話しから逃げる人が居るのかな?」

「確かに良い話しだけど…そこまでの過程で努力が大変なのよね…それを聞いた彼は逃げ出したの?」

「そうなのですか? 勿体ないですね…それでその主人公に俺がなれる…そういう事ですか?」

「ええっ、君が望めばだけどね…そのまま死ぬのと、別の世界で生きるのどっちが良い? しかもその世界に行くなら高校生からスタートだから人生も20年分得するけど…どうかな?」

「家庭環境はどうですか?」

「ギャルゲーの世界なのに家庭?…えーとお父さんは死んでいるわね、34歳のお母さんと二人暮らしで家庭は円満みたいですよ」

「それじゃ行かさせて頂きます」

「そう、ありがとう…小説や漫画じゃなくゲームだから自由に暮らして良いからね..それじゃ送るわよ」

俺は気を失った…そして目を開けると全く違う部屋に居た。

うん、本当に別の世界に来たみたいだ。

ベットがあってパソコンがあって机がある。

良くゲームに出てくるような典型的な部屋だ。

とりあえず、今の季節は春休みらしい、ゲームのスタートは4月の入学式からスタートだろうから、今はゲームスタートの一日前、そんな所かな。

カレンダーと時計を見たら今日は4月2日だった。

入学式が4月5日みたいだからスタートまで3日間ある。

さてとどうするかな…俺の名前の一郎はそのまま、苗字もそのままだ。

そして、俺の母さんの名前は「茜さん」だ。

この辺りは、此処に来た時に自動的に記憶に刻まれたのだろう。

とりあえず、母さんに好かれる為に…

部屋を出てしたに降りた..家自体が結構汚い。

これは仕方ないと思う…母子家庭で茜さんは働いているんだから…

よし、まずは綺麗にしようか?

洗濯機に洗い物を突っ込み洗濯機を回した…下着はおばさんようのでなく紫とかセクシーな物が多く結構生々しい。

俺は変態では無いので柔軟剤と洗剤を入れてまわした。

その間に、部屋を掃除機をかけてまわり、簡単に拭き掃除をする。

これで少しは綺麗になった。

さてと次は洗い物だ…結構、溜まっているな、片っ端から洗い物をして綺麗に磨く。

終わった洗濯ものを室内干しにして風呂掃除…ようやく終わった。

さてと、後は料理だな…冷蔵庫にある物だと、カレーしか作れそうもないな…

仕方ない、今日はカレーとサラダを作って完成。

気分は見た目からとランチョンマットを敷いて茜さん用にワイングラスを置いて完成と。

ついでにお風呂も沸かして置くか。

これで良し。

「ただいま、一郎、今日も疲れたわ..おや、おやおや..今日はどういう風の吹き回し?」

「茜さん、お帰りなさい、疲れたでしょう? お風呂と食事、どっちが良い?」

「もしかして、何か欲しい物でもあるのかな?」

やっぱり、凄く綺麗だ…34歳には到底見えない、どう見ても20代後半下手すればもっと若く見える。

ヒロイン級の女の子が綺麗に年齢を重ねていけばこうなる…そういう俺の理想の女性が目の前に居る。

体は高校生でも精神年齢は38歳…会ってみないと解らないけど…多分、茜さんの方が俺の好みだと思う。

「別に欲しい物なんてないよ! いつも頑張っている、茜さんになにか返してあげたくて…」

「そう? だけど、どうしたの? 何時もは「母さん」…機嫌が悪いと「おばさん」なんて言うくせに「茜さん」ってどういう風の吹き回し?」

「いや、それは…ちょっと反省したからかな..」

「反省? どういう事?」

「一生懸命働いて、家事迄やってくれて..本当に茜さんに世話になりっぱなしだなと思って…これからは少しは協力しようって」

「そう、有難う..だけど「茜さん」ってどうして他人行儀に呼ぶのかな?」

《やばい、目が涙ぐんでいる》

「あの..母さんって、よく見ると凄く美人だなと思って…そう考えたら「母さん」って呼ぶよりしっくりくるかなって思って」

「それならいいわ..ようやく一郎も、母さんの魅力に気が付いたのね!」

そう言いながら、茜さんが抱き着いてきた。

香水と汗の混じった良い匂いがした。

「それで、茜さん、お風呂と食事どっちを先にするの?」

「それじゃ一郎にしようかな?」

「….」

「嘘よ、お風呂に先に入っちゃうわ…驚かされたお返し!」

《まずい、若返ったせいか体が反応して立ってしまったよ》

お風呂に入っている間にカレーを温め直した。

出てくるまでの間にどうしてもいけない妄想をしてしまう。

いつも茜さんはワインを飲むから準備した方が良いだろう。

俺も本当は飲みたい所だけど…この世界では未成年だから我慢だ。

「一郎、今上がったわ..いいお湯だった…態々、掃除してお湯をはり直してくれたのね…ありがとう!」

《しかし、目のやり場に困る…なんでギャルゲーの母親って寝間着じゃなくバスローブを羽織っているんだろう…教育上良くないよな》

「そう…それは良かった、ご飯も温めて置いたから食べて..と言ってもカレーライスだけど..」

「本当に貴方どうしたの? ここまでして貰った事、今迄無かったわ…それに二つあるって事は一緒に食べるって事よね..まぁいいわ、早く食べましょう!」

「うん!」

一緒に食事をした。

茜さんは俺が話すとコロコロと可愛らしい笑顔で笑ってくれる。

笑顔も可愛いいし、凄い美人だ..今はとりあえず、「良い息子」と思われるように頑張ろう。

こんなに綺麗な母親がいたら、誰だってマザコンになるに違いない…正直言って、ヒロインや他の女の子の事なんか考えられないな。

二日目
俺の二日目が始まった。

まだ、学校は始まっていないから家の事が出来る。

中身は38歳のおじさんだ、だから早く起きるのも辛くないし簡単な料理なら出来る。

目覚ましを6時に合わせて鳴ると同時に起きた。

茜さんはまだ寝ている..早くから仕事だったらどうしようかと思ったが大丈夫な様だ。

手早く、みそ汁を作った、残念ながら食材は無いから目玉焼きを焼いて付け合わせにキャベツを千切りにしただけの簡単な物だ。

本来ならこれにベーコンか焼き魚を追加したいが無い物は無いのだ。

戸棚にのりを見つけたのでご飯はおにぎりを握った。

みそ汁と目玉焼きとおにぎり…今日はこんな物で勘弁して貰おう。

前の習慣でテレビを見ながら茜さんが起きるのを待った。

「あーあ良く寝たわ…一郎、おは.よ.う? 嘘、朝ごはん作ってくれたの?」

正直、目のやり場に困る、流石にエロゲーじゃないからスケスケではないが、丈が短いネグリジェだ。

綺麗な足が良く見えて、椅子に座れば下手すれば下着が見える、何でゲームの母親って(画像があるタイプは)

パジャマやジャージじゃないんだろう。

「うん、親孝行の一環としてね…あり合わせで作ったから簡単な物だけどね」

「それでも嬉しいわ、先に歯を磨いて着替えてくるね!」

これ位の事で喜んで貰えるなら毎日だって苦にならないな。

「あれっ、待っててくれたの? 先に食べていても良かったのに…」

「今は休みだからね」

「そう? 何、企んでいるのかな? さては新しいゲーム機でも欲しくなったのかな..いいわ買ってあげるわよ!」

「別に要らないよ!それより食べようよ..頂きます!」

「いっいただきます…」

正直見惚れてしまった、よくよく考えたら女性と食事なんてそんなにした記憶が無い。

誰かと食事した記憶はむさい同僚と飲みに行った記憶しかない。

それが二連ちゃんで食事しているんだ、そう思うと顔が赤くなった。

「ご馳走様でした」

「お粗末さまでした、そうだ茜さん、お願いがあるんだけど良いかな?」

「ほら、やっぱりお願いがあるんじゃない? いいわよ聞いてあげる!」

「冷蔵庫に食材が無いから買ってこようと思うんだけどお金くれる?」

「えっ、おねだりじゃないんだ..どうしたの本当に!」

「内緒!」

「そう、食材を買って来るのね? 解かったわ..はい!」

茜さんは財布の中から2万円を抜き取ると渡してくれた。

まだ、サイフの中には10万円以上はあるから案外裕福なのかも知れない。

「これで何日持たせれば良いの?」

「そうね1日か2日間持たせてくれれば良いわ…残りはお小遣いにして良いわよ!」

マジか? 思ったより裕福そうだ..だけどよく考えたらギャルゲーの主人公って旅行に行ったり、プレゼントしていたから、そこそこ裕福なのかな!

「そう、こんだけくれるなら腕によりを掛けて頑張るよ!」

「そう、だったら母さん楽しみにしているわ…今日は早目に帰ってくるわね!」

「うん、楽しみにしている!」

「…それじゃ行ってきまーす」

「いってらっしゃい!」

あの子どうしちゃったのかな!…何、あの神対応..別人みたい。

まぁ、飽きっぽいあの子だから直ぐに飽きるでしょう…多分今日の夕飯辺りでメッキが剥がれるわ..きっと。

料理と母の思い
俺は今、近所のスーパーのニコマートに来ている。

ニコマートは地域密着型の大型スーパーで規模で言うならデパート並みに大きい。

2万円もお金があるから、食材以外にも色々買いたい。

「しかし、ゲームの世界は凄いな、この街には此処しか大きなお店は無いけど..何でもあるじゃん此処…」

まず、俺は数日分の食材を購入した、1人暮らしが長かったからメニューを考えたら食材を揃える事は簡単だった。

お金に余裕があったから、洗剤や柔軟剤、入浴剤を購入した。

他に何かないか見ていたら、何とタイムセールで圧力鍋が2980円で出ていた、少々小ぶりだが二人の生活なら充分だ。

《何だか新婚の嫁さんになった気分だな…主夫って奴はこんな感じなのか》

必要な物は全部揃えたので自転車に乗って家に帰る。

さぁ、今日は何を作ろうか? 昨日はカレーだったから今日はシチューでも作ろうかな

色々考えて、結局俺はビーフシチューを作る事にした。

ビーフシチューに、ローストビーフを使ったサラダ、それにご飯でなくパンで良いだろう。

茜さんにとって俺は子供だ、社会に出て働いても居ない…まず最初の一歩は胃袋を掴む事からスタートだ。

「ただいま…うーん良い匂い…本当に作ってくれたんだね!」

「そりゃ約束だからね、昨日と違い充分に食材が用意出来たから、今日はビーフシチューにしたよ? ローストビーフのサラダはワインのあてににもいけると思う…それで、今日はお風呂と食事どっちを先にする? 一郎は無しで!」

「そうね、美味しそうだけど、さっぱりしたいからお風呂から先にするわ」

「そう? それじゃせっかくだから温め直しておくよ」

あの子…本当にどうしちゃったんだろう?

さっき、チラっと見たけど..料理はかなり手の込んだ物だった気がする。

私が思い出す限りでは、あの子が料理が旨かったそんな記憶はない、父親と一緒で苦手だったはずだ。

このお風呂だって私が帰って来て直ぐに温め直して、疲労回復と美肌の入浴剤が入っている。

しかも、私と余り時間を共有するような子じゃ無かったはずだ。

簡単な会話をしたら直ぐに部屋に帰ってしまうそんな息子だった。

夫が亡くなってからの生活は正直虚しかった。

「家族がいるのは幸せか?」

そう誰かに聞かれたら幸せって答える自信は無かった。

朝から晩まで働いて、家事まで全部やってそれでも息子には邪魔者みたいな扱われる。

男の子ってそんな物だ、母親はそういう物だ、そう言い聞かせて頑張ってきた。

これがこれからもずうっと続くのか?

そう思ったら虚しさしかない…

それがどうだろうか?

昨日と今日の一郎は可笑しな位、理想の息子だ。

私の事を考え、家事を完ぺきにこなしている…あの汚かった家が見違えるほど綺麗になっていた…

しかも、今迄、私には無関心な目を向けていたのに…今の一郎の目は違う。

話す時はしっかりと私の目を覗き込むように話すし…逆にあそこまで見つめられるとこっちの方が照れてしまう。

晩酌の時も傍に居てそんな目で見られるながら話すから、一瞬、息子では無く、好きな人と話してるような錯覚を覚えてしまう。

はっきり言って私はかなりの面食いだ、それなりにモテた私が認めた唯一の男性が一郎の父親、つまり死んでしまった私の旦那、光秀さんだった。

余りに私の理想だったから未成年なのに積極的にアプローチして自分が大人になるのを待たずして既成事実を作り結婚までした位だ。

息子の名前が一郎なのは旦那との間に沢山子供が欲しかったからだし…全てにおいて理想の男性だった。

そんなだから到底、私は次の恋なんて出来ない、だって光秀さんより素敵な人なんて現れないし居ないと思っていたから。

だけど…今の一郎を見ていると…若い頃の光秀さんを思い出してしまう。

残念な事に光秀さんは私より年上だったから、一郎位の年齢の時の事は写真でしか知らない。

だからこそ、怖い、今の一郎は私が見る事が無かった光秀さんの若い頃そのままの姿だし…

しかも、この二日間はまるで、自分の理想を反映した「理想の男性」に近い…

多分、一時的な物だと思うけど…この状態が続いたら、きっと私は子離れできなくなるかも知れない。

一郎に彼女でも出来たらきっと意地悪な事をしてしまう様な気がする。

「きっと三日坊主で終わる..何も考える必要も無いわ」

そう考え湯船を出た。

なりゆきでデート!
お風呂から出て、一郎を見た。

なんでか解らないけど、凄く魅力的に見える。

食事も品数は少ないけど、凄く手が込んだ物なのが解る。

「これ一郎が作ったの? 凄いわね…」

思わず口から出てしまう程、美味しそうに見える。

「実はそうでも無いんだ…何とタイムセールで圧力鍋が2980円だったんだ、だからこのビーフシチューが何と40分で出来ちゃうんだ」

凄く嬉しそうに話すわね..だから料理の話を少し続けてみた。

「その割には凄く美味しそうだけど、何で?」

「それは隠し味に少しワイン入れたから..そんな事より冷める前に食べて、食べて」

「頂きます..」

この子がこんな楽しそうな顔で私に話しかけて来ることってあったかしら? 無いわね。

「どうかな?」

「凄く美味しいわよ! ビーフシチューってワインに凄く合うわね、それにこのサラダも凄く良いわね…」

この料理は…私の事を考え、私の為に作った料理だわ。

「良かった、口に合わなかったらどうしようかと思ったよ」

「どうかしたの? この間から急に変わった気がするんだけど…どうかしたの?」

絶対に可笑しい、これは夢なのかしら…だってどう考えても此処にいるのは理想の息子..いや下手したら理想の男性なんだから…

《もしかして、俺になる前の此奴は親不孝者だったのかな?》

「いや、俺って今迄、茜さんに対して酷い事していたのかな、と思ってさ…」

「どういう事なのかしら?」

「いや、親父が亡くなってから、茜さんが働いて養ってくれるのに..家事迄全部やらせて、最低だなって思ってさ..」

「そうなんだ…そんな事考えていたのね..だけど、それだけ?」

絶対にそれだけじゃないわ..何がと言われれば解らないけど、私の直感がそれだけじゃない、そう思わせる。

《本当の事は言えないしな》

「恥ずかしいから、余り言いたくないけど、茜さんって理想の女性だなって!」

「あらっそれは母さんが理想の女性って事かしら?」

そうかー、そう来たか、不味いわねこれは..顔が赤くなってしまう..こんな気持ちになるのは久しぶりだわね!

「綺麗だし、優しいし、母親って事を除けば、正にドストライク、そう思うよ!」

「あーあー、そう? 私が理想の女性ね、嘘でも嬉しいわ、ありがとね…でも一郎から見たらおばさんじゃないの? 前は随分おばさん扱いされていたと思うけどな?」

「嘘じゃないよ..髪は黒くて艶々しているし、スタイルも良いし、顔は小顔だし、ベビーファイスだから正直女子大生位にしか見えない、どう考えても美人だと思う…決しておばさんじゃないよ…前はまだその魅力に気が付かなかっただけだよ」

《というか…前は俺じゃない何かだしな..》

「そう、そんなに母さんが魅力的に思えるんだ…だったら今週の土曜日にでもデートしてみる?」

私と出かけるのは恥ずかしいから嫌だって散々言っていたんだから、流石にデートは出来ないでしょう?

流石にボロが出るわね、何の悪戯か解らないけど、34歳の私に高校生の一郎が恋する訳ないわ、ほら困りだした。

「本当にデートしてくれるんだ!ありがとう茜さん! 楽しみだな、それでデートコースは俺が考えた方が良い? それとも茜さんが考えるの?」

「あーあー、えーと、解かったわ…私も考えるけど、まだ日にちがあるから一郎も考えて…」

まさか、本当にデートする事になるなんて思わなかった…まさか一郎は母親の私が本当に好きだって言うのかしら?

ないない..あり得ないわ..まぁデートしてみれば解るわね。

「解かった、幾つか案を考えてみるよ!」

「そう、あのさぁ..本気?」

「何の事か解らないけど、デートは凄く楽しみだよ!」

「そう、ならいいんだけど..」

久々のデート..楽しみだわ..まぁ相手は息子なんだけど…

入学式とヒロイン決定
茜さんとのデートが土曜日。

その前に始業式を含み数日登校する日がある。

実際に、自分の実年齢と同じ学生と過ごす日が数日ある。

俺はこれがチャンスだと思っている。

今の俺は16歳の体に38歳の精神の状態だ、精神的には大人の女性の茜さんに惹かれる物があるが肉体的にはどうなのか検証しなくてはならない。

案外、肉体に左右されて若い子に惹かれるかも知れない。

その場合は、仲の良い親子としてこれからの人生を過ごせば良い、ここはギャルゲーの世界なのだから魅力的な女の子が沢山居る筈だ。

本来の筋書き通り、その中の一人を選べば良いだけだ。

だけど、そうで無かった場合は、真剣に茜さんを口説く、それしかない…少なくとも38歳の精神は彼女を物凄く綺麗な女性として捉えている。

入学式の日、茜さんは仕事で来れない事をしきりに謝っていたが、38歳の精神の俺にはどうでも良い..

「気にしないで良いよ! その分土曜日のデートは思いっきり楽しもう!」

そう伝えると爽やかな笑顔で学校へと出かけていった。

茜さんは後ろで顔を赤くしていたが、気にしない。

学校へ向かう途中で背の低い女の子がぶつかってきた。

その瞬間、頭の中にキラキラした物が一瞬ひらめいた…恐らく彼女が攻略対象のヒロインの一人なのだろう。

「ごめんなさい..急いでいた物で..もしかして貴方も新入生ですか?」

「そうだよ..だけど時間はまだ充分あるから急がないでも良いんじゃない?」

「えっ…ああ、時間間違えていた..本当だ!」

多分、ドジキャラのヒロインだと思う..そう考えて見れば普通の女の子より数段上の美少女だ。

だが、やはり、精神年齢が38歳の俺から見たら子供にしか思えない。

学校に着くまで話したが、親戚の姪っ子と話している感覚しかない。

この子と恋愛が出来るかと言えば…残念ながらノーだ、ロリコンという物が頭の上をよぎる。

「話し聞いてますか?」

「うん、聞いているよ! 歳より若く見られるのが悩みなんでしょう?」

「そう、なんですよ、私、背が低いから良く小学生に間違われて本当に頭に来ちゃいます」

「だけど、その分、可愛いから良いんじゃない?」

「えっ..」

「いや、年相応に見られて、可愛くなかったり不細工なよりよっぽど良くない?」

「それはそうですけど..」

「少なくとも、そんだけ美少女なんだから恵まれていると思うよ? 」

「私が美少女?」

「少なくとも俺にはそう思えるけどね…」

この世界がギャルゲーの世界、そして君はヒロインの多分一人、恋愛対象ではないが芸能人のロリっ娘以上に可愛い事はたしかだ。

「私、そんな事言われた事ないよ?」

「それは、周りが見る目が無いからだと思う..」

「流石に、照れるよ! そうだ、私、高橋恵、名前教えてよ!」

「俺は 田中一郎、凄く平凡な名前だけど..本当にそうなんだ!」

「本当に、絵に描いたような平凡な名前だね..」

「よく言われる」

学校について掲示板を見たら、高橋さんは隣のクラスだった。

「それじゃ此処でお別れだね」

「うん、だけど隣のクラスだから途中まで一緒に行こうよ!」

「それじゃ、そこまで一緒に行きますか?」

教室の前まで一緒に行って別れた。

クラスの中に入るとまだ、まばらで人数が少ない。

その中の一人の女の子がオロオロしていた。

「どうかしたの?」

やはり話しかけると、頭の中に一瞬キラキラした物が閃いた。

うん、この子も多分、ヒロインだ。

もし、自分が16歳だったら一目惚れしてしまうレベルの美少女だ。

「あっ! いやー、席って勝手に座っても良いのかなと思って..」

「まだ、席が決まって無いから適当に座っていても良いんじゃない? 後で担任が来たら、何か指示があると思うよ!」

「そうだよね、それじゃとりあえずここに座っておこうかな?」

態々、他の席まで歩くのも可笑しいので、俺は隣に座った。

「ありがとう」

「どういたしまして」

これで確定的だ、やはり俺の恋愛観は38歳で間違いない。

この横に座っている娘はどう見ても、自分の初恋の子など比べ物にならない美少女だ。

高橋さんはロリ系美少女だから触手が動かないのか、そう思ったけど、あきらかに同年齢の彼女に何も思わないならもう確定だろう。

その後、担任が来て席決めが終わった。

残念ながら担任は男だった。

ヒロインの1人なら良かったのに…

その後、体育館に移り、退屈な入学式が終わる迄ぼーっとしていた。

いや、実際には妄想していた。

俺は38歳だから恋愛についてはかなり先まで考えてしまう。

例えば、さっき、知り合った高橋さんや藤崎さん(さっき隣になった子)とSEXが出来るか?

答えは「出来ないだ」

俺の体がどんなに若くても、精神はおっさんなんだ..38歳の親父が16歳の子供に手を出す..いや不味いだろう。

前の世界の姪っ子位の子には流石に手を出せない..

「年上好き」「熟女好き」そう言われても仕方ないが…精神年齢に合わせた恋愛をするしか無い本当にそう思った。

これで確定した…それと同時に腹を括った。

俺のヒロインは「茜さん」実の母親だ。

デート先は温泉
デート先は色々考えて、温泉に誘う事にした。

茜さんは土曜日、日曜日と休みなのだから一泊旅行にした方がチャンスは増えると思う。

「茜さん、土曜日のデートだけど、温泉に行かない?」

「そうね、いいわねそれ、最近は何処にも出かけて無かったわ! だけど一郎はそれで良いの?」

よいに決まっている、一緒に一晩それも解放的な場所の方がチャンスはある。

それに茜さんは今迄働き詰めで疲れているだろうから丁度良いと思う。

「うん、せっかくだから茜さんも休めて楽しめる場所が良いんじゃないかなと思って」

「そうかーなら良いわ..温泉に決定ね..お金は気にしないで良いから、一郎が良いと思う温泉と旅館を選んでね」

「解かった、予約をしておくよ」

「うん、任せたわ」

温泉ね、よく考えたわね…やっぱり、あの子は変わった気がするわね、此処まで私を労わる様な子じゃ無かったのに、どうしたのかしら?

俺はよく考えて家から車で2時間位の草場温泉に場所を決め予約する事にした。

車を運転するのが俺なら別に構わないが俺は未成年なので運転するのは茜さんだ。

だったら疲れない距離で、それでいて楽しめるような所を考えて此処に決めた。

後は出たとこ勝負…疲れを癒したい感じなら温泉に入って休んでれば良いし、余力があるなら観光をしても良いこれは茜さんしだいだ。

俺も精神年齢は38歳だ…充分、温泉を楽しめる。

そして、楽しみにしている、土曜日がやってきた。

「おはよう一郎!」

「おはよう茜さん!」

渋滞を考えて早目に家を出る予定..俺はかなり早く起きたのに茜さんはもう既に起きていた。

しかも、しっかりと支度をすましている。

白いブラウスにしっかり化粧した茜さん、いつもとメイクが違うのか凄く綺麗に見える。

「どうしたの一郎? 急に黙っちゃってさぁ」

「いや、綺麗だなって思ってさ..」

「あーあー、そうありがとう..」

茜さんの顔が赤い、ちょっと気まずい..まぁ気にしてもしょうがない。

「それじゃ、行こうか!」

「そそそそうね…」

僕が助手席に乗り込むと、茜さんが運転席に座り出発した。

茜さんのブラウスは清楚だけど胸元を見ると下着が見える…いわゆるブラチラっていう奴だ。

そして足元を見ると運転しやすい服のせいか綺麗な足が見える。

膝から下綺麗な足が見えるが、たまに少し捲れ上がるのをついつい見てしまう。

正直、この位は前の世界では 満員電車にのるご褒美に見慣れた景色だ…しかし今の俺の体は16歳、体が反応してテントが出来てしまいそうになる。

ばれないようにチラ見しながらも立たないように努力した。

茜さんを見ると運転に集中しているようだ…

「あの、もしかして茜さんって運転余り慣れていない!」

「そうでも無いのよ? だけど、ここ数年運転していなかったから慣れを取り戻さないとね!」

そういえば、この車、家にあったけど埃り被っていたな…

「そうだね、確かに久々だね…車で出かけるの!」

「そうよね..こうして誰かと一緒にドライブに出かけるの何時ぶりかな?」

余り話し掛けても運転の邪魔になるので適度に話し掛けた。

こうして近くで横顔を見ていると茜さんが凄く綺麗なのが解る。

俺が運転しているのなら肩に手を掛けたり、体を触わりたいが、残念ながら運転しているのは茜さんだ。

下手に触って事故を起こされても困る、だから残念な事に触れない。

やっぱり、茜さんは可愛い、年上に可愛いっていうのも可笑しいが..良くコロコロ笑う、その笑顔が凄く綺麗に見える。

俺は女の笑顔が凄く好きだ…そういう意味でもこの人は凄く素敵な人だ。

「さぁ 温泉街に入ったわ…あと少しで到着ね」

「思ったより早く着いたね..」

「流石に一郎は元気ね、着いたら私は一休みさせて貰うわ」

「そうだね、茜さんは昨日も仕事だったし、今日も運転お疲れ様、そうしたら今日は着いて少し休んだら温泉に入ってゆっくりしようか? 観光したいなら明日の午前中に疲れ無い程度に..なんてどうかな?」

《どうしちゃったのかな? 凄く気遣いが出来る子になっちゃったわね》

「そうね、そうさせて貰おうかな」

こうして、話している間に予約した宿についた。

旅先の夜 初めて一線を越えた夜

「ようやく着いたわね..」

「運転ご苦労様、茜さん疲れてない? 大丈夫?」

「久々の運転で疲れたわ..少し休んで」

「だったら、今日は温泉に浸かってゆっくりしようか? 」

「いいの? どこか行きたかったんじゃないの?」

「ここの温泉は結構有名だし露天風呂もあるからその辺りを楽しもうと思う、お腹が空いたら軽食のお店もあるからそこで食べて、夕食は6時30分からと早目だから良いんじゃないかな?」

これは茜さんが疲れていそうだったら..そう考えて用意していた回答だ。

ちなみに疲れて無さそうだったら、温泉街の散策とイノブタ鍋のお店に行くつもりだった。

「それなら丁度良いわね、私は少し休んでから温泉を堪能するわ、一郎はどうするの?」

「そうだね、それじゃ先に温泉を堪能しようと思う」

「そう、行ってらっしゃい」

俺は浴衣に着替えて温泉巡りをした。

温泉巡り何ていったけど、全部この旅館の温泉だ。

打たせ湯にサウナ、大露天風呂に大浴場…別料金だが砂風呂やマッサージや垢すりもある。

残念ながら混浴のお風呂は無い。

俺の中身は38歳のおっさんだから充分に温泉も堪能できるのだ。

大浴場で体を洗い、打たせ湯にサウナを堪能してのぼせる前に前に露天風呂に行き半身浴を楽しんだ。

昔ならここからマッサージを堪能するのだが、16歳の体だからその必要は感じられない。

その代わりに自販機でパックの牛乳を買って堪能した。

「ふぅ、これで一通り堪能したな..」

時計を見ると18時だった、そろそろ部屋に帰っても良い頃だろう。

部屋に帰ると浴衣に着替えた茜さんが居た。

顔が赤い所を見ると同じ様に温泉を堪能してきたのだろう。

「随分、ゆっくり温泉に浸かってたのね」

「うん、久しぶりの温泉だからね」

「一郎が温泉好きだとは思わなかったわ…こんな事なら誘えば良かったわ」

「そう?」

「てっきり旅行とか嫌いかと思っていたわよ」

「だったらこれから先、たまには旅行に行くのも良いんじゃないかな?」

「そうね、うんそうしましょう」

やっぱり温泉に来て良かった…浴衣の下はブラジャーは付けていない。

流石に正座をしてないから綺麗な足も見えている、角度によってはその奥も見えるかもしれない。

「お食事の用意が出来ました」

仲居さんから声が掛かった。

あらかじめ、部屋で食べれるようにお願いしていたから食事が運ばれて来た。

「凄いごちそうね!」

「うん、船盛も頼んだからかなり豪華だよ..ちゃんと茜さんようにビールも頼んでおいたから」

残念ながら、俺は未成年なのでサイダーだけどね。

「随分、気が利くわね? 本当にどうしちゃったのかな?」

「これは茜さんへの愛だね..」

「また、そんな事言ってもう….余りそういう事ばかり言っていると本気にしちゃうわよ?」

「本気にして良いよ..」

「まったくもう!」

楽しい食事が始まった。

俺は茜さんに酌をした。

「はい、茜さん!」

「へぇー酌までしてくれるんだ、ありがとうね」

食事をしながら、ビールを茜さんに勧めた。

酔いが回るにつれ茜さんの顔が赤くなっていく、綺麗な女性って真っ赤にならないで何とも言えない桜色になっていくんだな、そう思った。

お酒の力は凄い..やはり茜さんなりに大変だったんだと思う。

俺は仕事の事から今迄の事、茜さんの愚痴を全部聞いた。

そりゃそうだ、専業主婦に近かった女が旦那が亡くなって息子と二人ボッチになったんだ…大変じゃない訳ない。

親類から何も連絡がない所を見ると親類との仲も良好では無いのだろう。

そんな状態からお金を貯めて会社の経営まで出来た茜さんは凄いと思う。

俺というお荷物を持ちながらなんだから…

話を聞くにつれ自分で無いとはいえ自己嫌悪に陥る、正直自分を殴りたくなる位に俺は冷たい人間だった様な気がした。

そんな俺でもしっかり母親として愛情を注いでくれた茜さんを本当に好きになった気がする。

本当なら「俺が養ってやる」その位の事を言いたいが残念ながら俺は16歳だそんな事は言えない。

38歳の俺なら言えることが16歳だから言えない…だから、話を聞いて相槌を打つ事しか出来ない。

茜さんの年齢は34歳だ、18歳で俺を産んで、親父を亡くした時が20代、そう考えると茜さんは凄く頑張ったんだと思う。

詳しい事までは解らない、だけど34歳の茜さんが家を持っていて、規模は解らないが会社を経営して、しかも俺を私立の高校に入れて、そこそこ裕福な生活が送れるまでになっている。

その苦労は精神年齢が38歳だからこそ解かる。

そして、その苦労は全て俺の為だったんだと思う。

やっぱり、この人は俺にとって外見だけじゃなく理想の人なんだ、本当にそう思った。

酔いが回ったのか茜さんはそのまま眠っていた。

俺は仲居さんに頼んでかたずけて貰い…布団を敷いて貰った。

流石にこの状態の茜さんを襲う程のクズでは無い..茜さんを抱き抱えて布団に寝かせた。

そして、自分も横の布団に潜ると寝る事にした。

しかし、眠れない、横で茜さんがいるんだから眠れるわけが無い。

さっき抱いて寝かせる時に胸とパンティまでチラッと見てしまった..16歳の体はそんな事で興奮しているようだ。

「一郎…起きている?」

「茜さん..うん、まだ起きているよ!」

「そう…だったら、私の裸直接みて見る? 最近よくチラチラ見てるでしょう? 解っているわ…そんなに見たいのなら見せてあげるわ」

和室だから電気を消す時に豆電球がついているから充分視界はある。

「本当に見るよ..良いの?」

「まぁ旅先だしいいわ…見たらもう、今迄みたいな気持ちは無くなるわよ..おばさんの体だからね…何だったら胸を触る位ならしても良いわよ…多分、一郎が思っているような良い物じゃないわ..」

俺はゆっくりと振り向いた、そこにはパンティ1枚で浴衣を脱いで座っている茜さんが居た。

確かに若い子と比べたらハリが無いのかも知れないが…ぜい肉も無く、かといって筋肉質でも無い柔らかそうな体だ。

そして、胸は大きくハリがしっかりとあった。

若い子から見たら違うのかも知れない、だが俺には凄く綺麗な体にしか見えなかった。

そのまま、胸に触った..凄くハリがあって触り心地が良い…

「…..」

「ねぇ、一郎解かったでしょう? 一郎が見たいような触りたいような体じゃないでしょう? 一郎はまだ若いんだから同い年位の女の子とちゃんとした恋愛をしなさい..」

駄目だ、手が止まらない..

「茜さん..凄く綺麗だ…」

俺は更に強く胸を揉んだ..凄くハリがあって触り心地が良い、これは多分若い子には無いと思う。

「嘘やお世辞は要らないわ..そんな訳ないから..私、貴方の母親でおばさんよ? 貴方とは18歳も違うの、そんな訳無いわ..うぐっううん」

我慢できずに俺は茜さんにキスをした。

「ぷはぁっ そんな事無いよ! やっぱり茜さんは凄く綺麗だよ..」

「ちょっと一郎、キスまでして良いなんて言ってないわ..私は母親なのよ..後で絶対に後悔するわ..こういう事は同い年位の可愛い子とした方が良いわ..よ」

そう言いながら完全に拒まれていないような気がした。

「茜さん..俺、茜さんの事が大好きだよ..他の誰よりも..本当に、他の人じゃ駄目みたいなんだ」

「だけど、齢も違うわ、貴方に比べたらおばさん過ぎるわ18歳も年上なのよ..そして母親なの..駄目よ..本当に..うぐっううん、うううんちゅぶ..うううん」

俺は口を塞ぐようにキスをした。

そして、そのまま方手をパンティの中に滑り込ませた。

俺は本当に茜さんを好きになっていた、だから本当に拒まれたらやめるつもりだった。

そうしたら家を出て寮にでも入れば良い..そう思っていたが..

濡れている..それに本当には拒まれていないような気がする。

口を離した、口と口の間から糸を引いたような涎がエロい。

「はぁ、はぁ、はぁ またいきなりキスして..話し聞いてなかったの?」

何となくだけど怒って無い気がする…そんな経験はない筈だが、茜さんは本当に怒ったら頬っぺた位ひっぱだくはずだ。

「聞いてたよ..年上でも母親でも全然関係ない..俺、茜さんがどうしようも無い程好きなんだ、ちゃんとこれが良くない事だって解っているよ…それにその先の事だってちゃんと俺なりには考えて責任は取るよ..だから受け入れて欲しい」

「一郎…仕方ないな…本当に貴方どうしちゃったの? 此処までマザコンになるなんて思って無かったわ…良いわ、一度だけ、一度だけ最後までしても良いわ、それで頭を冷やしなさい..その後でちゃんとお話ししましょう..」

《今は頭に血が上っているのよ…多分一度してしまえば、冷静になるわ、きっと後悔すると思うけど、それで元に戻るなら…》

パンティに潜り込ませた手を抜いてそのままその手でパンティを下した、これで茜さんは何も身に着けていない。

手にはしっかりと愛液がついている。

そのままもう一度キスをした、それと同時に浴衣を脱ぎながらパンツも脱いだ。

「うん、うぐうぐうぐぐぐぷはぁ..はぁはぁ、何処でこんなキスを覚えたのかしら..手慣れてない?」

「そんな事無いよ..俺は茜さんに自分がしたい事をしているだけだよ..」

「本当かしら…」

そしてキスした口をそのまま首に移してそのまま首筋を舐めた。

「あっああっあんああん」

そして、首筋をキスしながら強く吸った…これはキスマークをつける為だ。

「あっあああん、急に強く..ああんあっ」

更に下に唇を落として乳首を口に含んだ、転がすように乳首を舐めまわす。

「一郎、本当に…はぁはぁ、経験が無いの? はぁはぁはぁ…体が熱くなってくるの..」

そのまま乳房に口を移して強く吸った..此処にもキスマークがついた。

手を下に移しお尻を揉む。

「はぁはぁ、ああっああっ」

そして、口を太腿に移して舐めながら、強く吸ってキスマークをつけた。

「あっあっそんな所まで..」

《どうして、どうして私、息子相手に..こんなになんで乱れるの..母親なのに、駄目なのに、これじゃ私の方が望んでるみたいじゃない…》

そして、頭を股の間に挟んだ、勿論口で股の間を舐めている。

茜さんは足を閉じようとしているが、両手で太腿を押さえて閉じられないようにした。

茜さんの手が頭に伸びて来た。

「駄目、駄目、そんな所舐めちゃ汚い..駄目、私、私、そんな所、そんな所された事なんてないから..あっ、本当にああああっ駄目だったらああああああああああっあああー」

どうやら茜さんはいったみたいだ。

体がのけぞっていた。

「はぁはぁはぁはぁ..なにこれ..こんなになった事なんてない..」

《嘘、これがSEXなの..こんな感じになった事なんてないわ..気持ちよすぎる..今迄のとは違う..これがSEXだって言うなら、今迄、光秀さんとしていたのは何だったの..気持ちよすぎる、というか一郎が気持ち良い..」

「それじゃ、茜さん入れるよ」

茜さんの返事はない..流石に息子相手に言いにくいんだと思う。

だから、そのまま入れた、ここはラブホじゃない、だからゴムは無いから生で入れるしかない。

多分、ずうっと使ってなかったのだろう、最初はなかなか入らなかった。

だが、入り口だけ通り過ぎるとそのまま、ぬちゃという音と共に入っていった。

俺はそのまま腰を落としていった。

「一郎、私、久しぶりだから、ゆっくりしてね、優しくお願い」

その声で興奮したのか更に俺の息子は大きくなった。

「解かったよゆっくりするね」

そう言いながら俺は腰を動かし始めた。

《光秀さん、ごめんなさい、ごめんなさい、私、私、私..息子としちゃったわ》

よく見ると茜さんが涙ぐんでいた。

「ごめん、もしかして痛かった、もう少しゆっくりしようか?」

「ううん、違うのよ、久しぶりだからちょっとね、それより一郎は童貞でこれが初めてのSEXなんでしょう?」

「確かにそうだけど…」

この体では初めてだよな..

「だったら気にしないで動いて良いわ..多少なら強くしても..気持ちよくなりなさい..ほら」

「解かった、だけど、もし痛かったり辛かったら言って」

「うん、そうさせて貰うわ..あっああああっ、急に動かさないで…あああんああーっああああーっ」

茜さんはもしかして感度が良いのだろうか、またいってしまった。

そして

「あっあっあああん、あっあっ、一郎はまだあっあああんいかないの? なんで、あっあああー」

「勿体なくてなかなかいけないみたい..」

「そう、ああっなら良いわ、、うんうぐうううっううんうんうんあっぷは、うぐうんうん」

キスしながら腰を動かし続けた。

昔ならまだまだいけた筈だが..若いせいか俺はそのまま茜さんに中だしをした。

「はぁはぁはぁはぁ..ようやく一郎もいったのね..これで少しは冷静になれたでしょう? こんなおばさんとSEXしても面白くなかったでしょう? 冷静になった今ならちゃんと解るわよね? 今日の事はもう忘れてね? 明日からは..」

「そんな事無いよ..ますます好きになっちゃった..俺、茜さんを恋人にしたい..本当にそう思う..一生大切にするから俺の恋人になってよ」

「それは本気なの? 私は母親で貴方は子供なのよ? それでも一郎はそうしたいの? 後で絶対に後悔しないと言い切れる? 」

「言い切れるよ..絶対に後悔はしない」

「それは一時の気の迷いよ…駄目よ..」

「そんな事は絶対ない..絶対に一時の気の迷いなんかじゃない..約束するよ」

「本当に? 本当に本気なのね!」

「本気だよ!」

「そう、解ったわ…(光秀さん、ごめんなさい私、拒めそうにないわ..ごめんなさい)」

茜さんは薬指の指輪を外した。

「それって」

「だって一郎の恋人になるんだから、この指輪は嵌めていられないわ..今更取り消しは効かないわよ? もう後悔しても遅いからね!」

結局、その後、朝まで4回も体を重ねた。

もしかして、多分俺の父親は淡泊だったんだと思う。

茜さんは余りこっちの方の知識は無さそうだ。

この歳にして人妻だったのにまるで清純な女の子とするようなセックスだった。

気が付くと茜さんは寝ていた、すーすーと可愛い息をしながら。

俺の体も満足したのかそのまま眠りに落ちて行った。

「おはよう、茜さん!」

「はい、おはよう…それは良いけどこれどうするのよ? 思いっきりキスマークつけて..胸や太腿は良いけど 首筋はどうしようも無い位目立つわよ?」

「ごめん、つい..」

「つい、何かしら?」

「つい興奮して、あと独占欲にかられました」

「そう? それなら良いわ..まぁ仕方ないわ、だけど、目立つ場所は困るからこれからは気をつけてね」

「気を付けます」

「なら、良し..お互い汗をかいたから、さっさとお風呂に入っちゃおう..そして朝食食べたら早目にでましょうか?」

「何で?」

「布団、見てみなさい…」

「あっ凄い事になっているね」

「この状態を見られた後に居続ける神経は私には無いわよ..」

「確かに、夕べはお楽しみでしたね、とか言われそうだ..」

「そうよ、だから朝風呂入って朝食を食べたらすぐに出るわよ」

「解った」

仲居さんに茜さんはお金を余分に渡していた。

俺たちは、朝食を食べた後、そそくさと旅館を後にした。

これから…
温泉での一夜から、俺と茜さんの関係は変わった。

親子兼、恋人の様な感じに..

「いってらっしゃい茜さん..チュッ」

「まったくもう、行ってきます、今日も早く帰ってくるから..そのね..」

「うん、俺も早く帰ってくるよ! 今日はシチューでも作って待っているよ」

「そう、楽しみだわ..じゃぁ今度こそ行ってきます..」

「行ってらっしゃい..」

こんな感じで家の中じゃ完全にバカップル状態だ…嬉しい反面精神年齢38歳のオッサンには恥ずかしい。

俺は茜さんに内緒で、高認(高等学校卒業程度認定試験)を受ける事にした。

正直、俺はそこそこ頭が良い、実際に前の人生では国立の四大を卒業したし、一時期塾の講師もしていた。

そして、

まだ、出願に間に合うし、俺には高校に入るメリットが考えられなかった。

高校で飛び級する事も考えたがこれは「ただ、頭が良いだけ」の俺じゃ無理だ。

前の人生では資格マニアと呼ばれるほど資格はとったから、9月に高認に受かってから茜さんに相談しようと思う。

何しろ、前の俺は掃除をしたら中学時代の通信簿が出て来たけど..良くこの高校に受かったなと思える程馬鹿だった。

今の俺が言った所で「何、馬鹿な事言っているの?」そう言われて一蹴されるだろう。

あれから、話をして茜さんに株の投資をやりたいと相談した。

「どうしたの?」と不思議な顔をされたが、

「社会勉強の一環としてやってみたい」と答えたら、「自分のお小遣いの範囲」という事でOKを貰い手続きをした。

これからの目標は、まずは高認を受かり、高校に行かなくても良いようにしてから、資格試験を受けまくり投資でお金を増やす。

そして18歳になって、茜さんが良いと言ってくれたら大学には行かないで、なし崩し的に社会人になる、そんな目標だ。

ただ、茜さんは俺を大学生にしたいみたいだから、大学には行かないといけないかも知れない。

正直、茜さんの会社は順調で、俺は普通に生活して、普通に大学に行って、茜さんの会社に入っても良いんだけど…

38歳のオッサンの精神が「主夫」で居る事を拒否るのだ。

せめて、共働き位はしたい、そう思う。

いい加減に学校に行かないとな…

俺は支度をして家を出ようとした瞬間..気を失った。

終わり
「ポロン、ポロンはおるかー」

「はい、紙様ここにおります」

「さっき見た感じだと、オリンポスオリオンソフトが潰れそうじゃった、だからこの前作った世界の様子をアイデアとして先出ししようと思うのじゃが様子を見せてくれぬかの?」

「あれですね、主人公役が逃げ出したので人間から代役を選出したあの世界ですね」

「そうじゃ、あの世界の話は、あのソフトメーカーの企画者に、与えようと思っていたのじゃ、良い企画があり希望があればもうひと踏ん張り頑張るじゃろうからな」

「そうですね、あの会社赤字なのに一生懸命ですものね」

「うむ、そうじゃ、これから様子を見るから準備してくれんか」

「はい只今..」

オーブの様な物に様子が映し出された..

「可笑しいな、何でこの男はヒロインの女の子達と挨拶しかしないのじゃ? ポロンちゃんと説明はしたのかの?」

「したと思います」

《あれっ、わたしどんな説明したんだっけ》

「流石に何かしらイベントは起こっているじゃろう..時間軸を巻き戻して見てみようかの」

…………

……

「何じゃこれは! 何と破廉恥な、近親相姦しているじゃないか? ポロンこれはどういう事なんじゃ? ちゃんと説明したんじゃろな!」

「ちゃんと説明しました、ゲームの主人公だと…」

「ええ、良いわ、儂から聞く..直ぐに召喚の呪文でここに呼ぶのじゃ..直ぐにじゃ」

「はい、ただ今」

………

……

「貴方、大変な事をしてくれたわね、何で主人公らしく過ごさないの? 」

ポロンの目は怒りでつり上がっていた。

「貴方は確か神様の使いですよね…その節は有難うございました」

「ふーん感謝はしているんだ! だったら何でこんな事をしたの?」

「こんな事って何でしょうか?」

「これよ、これ!」

そこには温泉での一夜が映し出されたオーブがあった。

「あの、感謝はしていますが、覗きはいけないと思いますよ、プライバシーの侵害です」

「貴方ね世界を滅茶苦茶にしておいて..覗きですって…本当にもう」

「良い、ポロン下がりなさい..」

「はい」

「所で、君はなぜこの様な事をしたのじゃ..こんな事はギャルゲーじゃしないじゃろ? これはエロゲーの世界じゃないかの?」

「言われて見ればそうですね」

「なら、なぜじゃ? 魅力的なヒロインを沢山用意したんじゃぞ! そのヒロイン相手ならエロイ事しても、その部分はカットしてアイデアとして送るから良い..だが、母親は不味いじゃろう? 何故じゃ?」

「俺、死んだの38歳ですよ…ヒロインより精神年齢は母親に近いですよ」

「だがギャルゲーの世界に行くと納得したのじゃないのか?」

「はい、その際に、自由にして良いと許可を頂きましたので」

「その様な事は無いと思うが、確かめてみようかの? 嘘だったら責任を取って貰う…最悪、消滅じゃ..」

オーブにこの世界に来る前の俺が映し出された。

「そう、ありがとう…小説や漫画じゃなくゲームだから自由に暮らして良いからね..それじゃ送るわよ」

「言ってますよね? 嘘じゃ無かったでしょう」

「そうじゃな! ポロンこの責任はお前にあるの…これじゃ責められんよ」

「そんな..」

「はっきり言っておるではないか..たわけが!」

「だからって、これは言葉のあやです」

「悪かったの..直ぐに送り返すからの..」

「紙様、一言よいですか?」

「なんじゃ、まぁ勘違いしたんじゃ文句位はいいじゃろ、言ってみよ..」

「有難うございました..茜さんみたいな魅力的な女性を作ってくれて、そしてあんなに楽しい世界を作ってくれて、一言お礼が言いたかったんです」

「そうか..儂の作ったキャラクター、茜はそんなに魅力的か?」

「はい」

「あの世界はそんなに素晴らしい世界か?」

「はい」

「なら、君は儂のファンじゃな? 直接の声を聴いたのは初めてじゃ..寿命が尽きるまで楽しむがよい..では次に会う時は多分、お主も儂みたいなじじいになっているじゃろうよ..その時にまた話そうぞ..それじゃしばしのお別れじゃ」

俺は再び目を覚ました。

今見た事が夢でない事は知っている。

俺は「紙様とその使い」に感謝しながら生きていこうと思う。

だって、最愛の茜さんとこの素晴らしい世界をくれたのだから…

FIN