【あらすじ】
主人公の志賀直哉(源氏名)は50歳でホストに憧れ、知り合いのオーナーに頼み込んでホストになった。
本来はホストになんて成れる歳では無かったが面白がったオーナーの一言でホストになる事になる。
流石にナンバーワンには成れなかったが、ギリギリ一流にはなれた。
60歳の引退記念パーティの後、急に頭に痛みを覚え意識を失った。
そして目が覚めた時には…違う世界…
その世界は…男女比が著しく偏った世界だった。
女性に厳しく男性に優しいその世界で元ホストだった直哉はどう生きるのか…
話が進みR15の枠を超える可能性が出てきたのでR18に変更します。
宜しくお願いいたします。
第1話 じじいホスト誕生
私の名前は志賀直哉、まぁこれは源氏名だな。
私の青春時代は真っ暗だった。
世界が可笑しかった。
硬派なんて物を流行らせた馬鹿がいたせいか…基本男女交際が出来なかった。
時代に踊らされ、長ラン、短ラン、ボンタン等の改造制服を着て女と付き合わない事が流行った時代。
しかも、周りに女が居ても口がシンナー臭くて歯が無くて、くるくるパーマの髪型に長いスカートを履いて言葉遣いが悪い…
もし、私が頭が良ければ変わったのかも知れない。
だが、当時は余程頭が良い学校に行かなければこんなものだった。
そして、硬派を引き摺りながら私は大学に進学。
そこも武道と硬派で有名な大学でパンフレットにも立て詰めの学ランが表紙に使われる程の大学だった。
世の中はルーズソックスを履いた黒ギャルの全盛期。
そんな楽しい時代なのに…私は硬派を気どり、男女交際をする者を『軟派者』と罵っていた。
もし、この時に周りを見る事が出来たらきっと、まだ楽しい生活を送れたのかも知れない。
だが『硬派』という言葉に洗脳された私は実に30過ぎまで男女交際をしない日々を過ごしたのだ。
ここから正気になり、女性と交際をしようと思ったが手遅れだった。
有名会社で出世をしこの齢で部長まで上り詰めた私だが…
OLを含む女性に対し『男尊女卑』の様になっていた私を好きになる女性はいない。
男の後輩に好かれるなか、女性からは嫌いな上司ナンバーワンになっていた。
お見合いや結婚相談所を使ってもお金をとられるだけで成果は出ないまま40代後半になった。
何時しか私は…ホストに憧れた。
繁華街で酔いつぶれて私に『女性を侍らせて楽しそうに笑っている彼等』はまさに最高の人間に思えた。
私の飲み仲間に水木と言う水商売を経営している人間が居た。
良く話を聞いてみれば新宿でも老舗『ラブ』を経営している事が解ったのでホストに成れないか聴いてみた。
「あのさぁ、水野さん(私の本当の苗字)さぁ、殆どのホストは20代から始めて30代には引退する業界だぜ、あんた50近いんだろう?無理だぜ」
まぁ当たり前だな、こんな老いぼれに金なんて払う奴はいないだろう。
「解っている、どう見ても無理なのはな、だがもしホストに成れるなら何でもする覚悟はあるんだが無理か?」
水木さんが悪い笑顔をした気がした。
「本当に何でもするのか? なら今勤めている会社を辞めてでもやる気はあるのか?」
これは覚悟を試しているんだな…
「ある」
「なら採用してやろう…会社を辞めてすぐに来い、そうしたら見習いホストな」
「水木さん…」
「たった今から友人でも何でもねー、お前は見習いホストだ水木オーナーと呼びな」
こうして新宿初の50歳のホストが誕生した。
第2話 私の死
ラブに入店して暫くは可笑しな目で見られた。
しかも水木オーナーが面白がって『志賀直哉』と昔の文豪の源氏名がつけられた。
このホストクラブで苗字がついた源氏名は私だけだった。
これは何故か解らない。
多くのホストからは『じじい』と怒鳴られる日々が続いた。
この齢になって一番下は結構辛かったが、トイレ掃除に客のゲロの掃除を頑張り…便器を舐めても良い位ピカピカに磨く私に、皆が心開いてくれた。
「じじい」と馬鹿にする声が「じいさん頑張っているな」に代わり…
今は『直哉』もしくは『直哉さん』に代わった。
楽しい時間は過ぎるのは早い。
流石はこの齢だからナンバーワンには成れず、ナンバー3~ナンバー6位を行ったり来たりしていた。
まぁ、このお店ではそこそこ注目されるレベルに迄はなった。
凄いもんだな…
あの『嫌われ者ナンバー1』の私が今や女を侍らす様な生活になれるなんてな。
太客は掴めなかったが、こんな私が女子大生やキャバ嬢に風俗嬢まで侍らせられる人間になるなんて、思わなかったな。
こんな私にお金を使ってくれる女性が出来るなんて…幸せだ。
※注意、この辺りは昭和の設定です。
楽しい時間は本当に早い、気が付くと私は60歳になっていた。
指名は未だに貰え、ホスト仲間からは『父さん』と慕われる様になっていた。
だが、この商売は大量にお酒を飲まないとならない。
齢のせいか、ドンペリ、ヘネシー、マーテル…ボトルを入れて貰っても、余り一緒に飲めない。
飲み役の新人がヘルプに入り飲んでくれて、年齢を気にしたお客は「無りしないでウーロン茶で良いよ」と言われる始末。
もう終わりが近いな。
◆◆◆
「なぁ、志賀直哉…もうそろそろ無理なんじゃないか? この間トイレで倒れたろう」
確かにもう無理だな。
「ああっ、水木オーナーもうすぐ私も60歳、気持ちがあっても体が無理そうですね」
「なぁ志賀直哉…お前は経営側に来る気は無いんだよな?」
「そうだな、それは止めて置くよ」
水木さんはタバコに火をつけた。
「それでお前どうするんだ?」
「そうですね、今までしっかり年金を払ってきたから、年金でも貰いながら自由気ままに恋愛して楽しく暮らします」
※ 昭和の設定ですので60歳からしっかり年金が貰えました。
「そうか…すっかり忘れていたがおまえは『じじい』だったな」
「はい」
「それじゃ次のお前の誕生日で卒業でどうだ」
「はい、宜しくお願い致します」
◆◆◆
誕生日は凄く楽しかった。
貸し切りにして貰い、シャンパンタワーに大きなケーキ。
仲間やお客さんに見送らて…花束を貰い引退。
10年間の想いが募り思わず涙した。
そして、店を出て夜風を浴びて歩いていると急に心臓が苦しくなって更に頭痛が私を襲った。
嘘…このタイミングで発作か…
自分の体の事は自分で解る…多分もう死ぬんだな。
『楽しかった』
私は路地裏で静かに息を引き取った。
第3話 解らない
可笑しいな…私は死んだはずなのに。
何故生きているんだ。
此処は病院でも無いし、歌舞伎町でもない。
本当にどこか解らない。
体の痛みはもうない。
気のせいかかなり若返った気がする。
まぁ、そんな事あるわけがないか。
こんな所に居ても仕方が無い。
少し歩けば此処がどこか解る場所に出るだろう。
どう見ても此処は日本だ。
だが、此処がどこか解らない。
繁華街なのに見覚えが無い…新宿、渋谷、六本木、何処とも違う。
標識を見ても似ている様で違う。
なんだ此処『ニュー新宿』『ニュー東京』
私が知っている場所じゃない。
「こんな遅くに一体何をしているんだ」
婦警さんだ…
「あの…どうやら私は記憶が可笑しくなったみたいなんです」
「え~と家出じゃなくて…嘘、少年…男の子だよ、これは大変ですね、すぐに保護します。すぐに本庁の方に行きましょう」
男の子…嘘だ、私は60歳の老人の筈だ…だが、ミラーに写った姿は、どう見ても子供にしか見えない。
来た車はパトカーではあるがリムジンだった。
「パトカーのリムジンなんて初めてみました」
「何を言っているのですか? 貴重な男の子ですよ! この位は当たり前ですよ!」
『貴重な男の子』だって…そう言えば、今の今まで女性しか見ていない。
リムジンに乗ると、お菓子やジュースがこれでもかとあって、更にテレビにはゲーム機までついていた。
「すごいですね」
私がそう言うと…
「はぁ? もしかして、そこ迄深刻な記憶喪失なんですか? 男性なんですからこの位当たり前じゃないですか?」
う~んよくわからない。
本当に私は可笑しくなってしまったようだ。
「そうですね、なんだか記憶が混乱しているみたいです…すみません」
「あの…ごめんなさい、男性に頭を下げさせるなんて、酷いことを本当に申し訳ないわ」
謝るのは私の方なのに…逆に頭を下げられてしまった。
「いえ」
私はリムジンのパトカーに乗って警察に…行かなかった。
何だこれ、凄い厳重な警備の建物。
凄い数のミニスカポリス風の女性が立っている。
建物についているプレートには『男性保護施設』と書いてあった。
此処は絶対に私が知っている日本ではない…それだけは解った。
第4話 男性保護施設
「此処は一体どんな場所なんですか?」
保護した人間が婦警さんだと思っていたけど、少し違って見える。
ミニスカポリスなんて本当の警察にはいないよな。
「やはり、相当記憶の混乱があるみたいですね…此処は男性保護施設…通称ダンキです」
男性保護?
「女性や子供なら兎も角、男性を保護する施設なんてあるんでしょうか?」
なんだか随分怪訝そうな顔をしている…
「やはり、相当混乱していますね!男性に比べたら女性の価値なんてあって無いような物ですよ…子供は兎も角、強い女性なんて誰も保護なんてしません」
女性に価値が無い? 強い女性なんて誰も保護しない?
なんだか様子がおかしいな。
「本当に? それで私はこれからどうなるのですか?」
「はい、暫くはこの施設で過ごして貰います…貴重な男性ですからきっと家族も死ぬ気で探していると思いますよ」
私の家族は全員死んでいるから居ない。
「あの、もし家族が見つからなければどうなるのですか?」
「男性なので見つからない可能性はまず無いですが、貴重な男性ですので自由にして貰って結構です『全寮制の学校に入るも』『里親を探す』も自由です」
さっぱり解らないけど自由にしていいならそれに越したことは無い。
「あの…それでそろそろ、お話しをさせて頂いて宜しいでしょうか?」
「ああっすいません」
私は、自分の本当の名前…水野正平とだけ伝え、その他の事は誤魔化した。
第5話 この世界は
第5話 この世界は
男性保護施設で調べて貰ったが、私の身元は解らなかった。
『頭が可笑しくなった』そうでなければ、間違いなく私は他の世界の人間だ。
此処に来てまだ男に私は会っていない。
まさかと思うが男女の比率が違う可能性がある気がする。
正確には生物…生身の男に会っていない。
流石にテレビやWEBには偶に男が映るが皆がブサイクで、しかも凄く横柄な態度をとっていた。
それでも女性がフォローして…話を纏めていた。
テレビに出てお笑いで無く、アイドルをしているという事は、まさかあの手の顔が美形という事なのか?
だとしたら不味いな。
まさか…この世界、美醜が逆転していたりしないよな?
自分の顔を鏡で見る限り結構なイケメンだ。
黒髪に黒目…自分で言うのもなんだが、顔だちが、大人っぽくなかなかのイケメンだ。
だが、このイケメン顔がこの世界でブサイク扱いだったら悲しい。
体の大きさからして多分10歳から12歳。
小学生で高学年…恐らくは小5から小6位だ。
自分がこの子に乗り移ってしまったのか?
それとも、何だかの原因でこの子になってしまったのかは解らない。
だが、もし何だかの原因で人様の体を奪ってしまったのなら、相手に大変申し訳ない事をした事になる。
身元が解らないという事は、身内を探せなかった事になる。
これで人様の体を奪って無さそうだ、良かった。
◆◆◆
私がこの施設にきた次の日に面談があった。
施設長、川島和美さんから呼び出しがあった。
ちなみ、川島さん以外の女性は名前でなく数字で呼ぶように言われた。
「失礼します」
「入りなさい! そんな緊張しないで良いからね? お菓子を食べてジュースを飲みながらお話しましょう」
そう言われてテーブルを見るとジュースとショートケーキが置かれていた。
「はい」
しかし、川島さんを含みこの施設は凄く綺麗な人が多い。
川島さんは背が高くスタイルが凄く良い。
髪の毛は茶色でロングでソバージュ、ゴージャスな女性という感じだ。
「緊張しないで良いわ、それで率直に言うとね、正平くんの身元がね完全に解らないのよ、昨日は国内だけだったけど、今日は世界中の男性のデーターが入っているデーターベースで調べたけど出てこないし、指紋も登録が無かったのよ」
やはり私はこの世界の人間じゃない可能性が高い。
不味い事になったな。
「それってやはり不味いですよね」
「それは気にしなくていいわ、正平くんは貴重な男性だから、今後の生活は国が保証するわ、だから気軽に考えて良いわよ、それでねこの後正平くんがどうしたいかって事よ」
「どうしたいかって?」
「例えば『家族が欲しいなぁ~』と正平くんが言うなら里親を探すわ、まぁ数千から数万の応募があるから、その中から好きな母親や家族をを選べるわね、逆に『女と極力接したくない』そう言うなら男性専用マンションで生活しても良いわよ」
なんだか、凄く美味しすぎる気がする。
「あの、何故そこ迄の事をしてくれるのですか?」
「ああっそう言えば正平さんは記憶が一部無くなっているのでしたね」
あの名前も知らないお姉さんが話をしておいてくれたんだな。
「はい」
「そうね、男性が貴重だって話は解るかな?」
「車の中で聞いたのとネットやテレビで何となくは」
「そう、そこから始めないと駄目なのね、昔大きな戦争があってね第三次世界大戦っていうんだけど…そこでね大国が核兵器を使ったのよ」
第三次世界大戦は本当に起こったのか…
「第三次世界大戦は起こってしまったのですね」
「そこも解らないんですか、可哀そうに!ええっ話を続けるわね、それでね、その後が問題で放射能の影響で男女の比率が狂ってきたのよ!」
「比率がですか?」
「そこも解らないのですか? どんどん女性が多くなって男性が少なくなっていったのよ! 今では男女比1対20迄進んでしまったわ」
だからか?
だから『男性が貴重』そう言うことになるのか。
「話は解りましたが、男女比20対1ならもう少し男性が居ても良いんじゃないですか?」
「それも問題になっているの、ただでさえ男性が少ないのに、かなり多くの男性が、造精機能障害(精子がたくさん作れない)で他にも性機能障害(性行為が出来ない)も抱えているのよ、だから実際に活動している男性はさらに少ないわ、ひきこもりも多いし、中には女性に触れるのも嫌だという者や、酷い者になると女性を見るのも嫌という男性も多いのよ」
私からしたら信じられないな。
「そうなんですか? 私は別に女性が嫌いって事は無いですよ」
「本当にいい子ね、此処は男性を保護する施設ですから、好きなだけ居て構わないわ、どうしたいか決まるまで何時までも居て構わないからね、だけど、確かに凄いわね、此処の職員や隊員とも普通に話しているし、良く考えたら私と二人で普通に話していますね、今度検査させて貰って構いませんか?」
「ええっ構いません」
「そう、ありがとうね、それじゃもうゆっくりしてて良いわ」
「はい、ありがとうございます」
私は挨拶をして川島さんの執務室を後にした。
第6話 ランク
8号さんという優しそうな笑顔のお姉さんに連れられて敷地内の病院の様な施設にきた。
「出来たら、本当の名前を教えて貰えませんか?」
「それは此処の決まりで出来ないんです…ごめんなさい! ただもしこの施設を出て行くときに関わり合いを私と持ちたい、そう思って頂けたらもう一度聞いてくださいね、その時は喜んでお教えしますから」
8号さんは優しい笑顔の黒髪の綺麗なショートヘアの可愛いらしいお姉さんだ。
胸が大きくおっとり癒し系美人、そんな感じに見える。
「名前を教えて貰えない理由って何かあるのですか?」
「そういえば正平さんは記憶が無いんですよね、これは男性保護施設の人間が男性に対して有利にならないように決まったルールなんです『男性に名前を憶えて貰えるなんてズルい』そういう話から決まってしまったんですよ…うふふっ折角名前を憶えて貰えるチャンスなのに残念ですが」
折角、美人と知り合えるチャンスなのに勿体ないな。
「残念です」
「私も、残念です!ここで暫く待っていて下さいね、あとこれ渡しておくから、もし好みの子が居たら選らんでおいてください」
「解りました」
貰ったファイルを見てみたら…
なにこれ!
簡単には言えばロリコン写真集だ。
小学生の女の子が色々なポーズをとった写真が自己紹介と一緒に大量に載っていた。
「正平さん、こちらの方へどうぞ」
「はい」
普通に診療室だな。
「そんな緊張しないで良いわ、私は此処の医師をしています13号と言います…宜しくお願いしますね、正平さん」
「はい、宜しくお願い致します」
しかし、この世界、目のやり場に困るな。
8号さんもこの13号さんも、川島さんも全員が超ミニスカートだ。
勿論、下着も丸見え状態。
「正平さん、何で目を逸らすんですか?」
「下着が見えるので、目のやり場に困っています」
「ああっ、こう言うの駄目でしたか? 気持ち悪いという事であればズボンを履きますが、正平さんはかなりランクに期待できそうだと聞いたので大丈夫だと思ったのですが、不愉快な思いをさせて申し訳ございません、早速」
「違います、そのつい目が言ってしまうので困るだけです」
「それって女性に興味があるって事ですか?」
「普通にあります」
「貴方が言う普通が解りませんが、女性二人と密室で普通に会話が出来るなんて、かなりの大物だわ、将来が楽しみだわね、8号さん、この子、この時点でBランク以上の素質があるわ、凄いわね、こんな子が居るなんて」
「確かに凄いですよね、私こんな風に男性と話すの生まれて初めてです」
「ランクって何でしょうか?」
「ランクとはね」
13号さんが簡単に説明してくれた。
生足で足を組み替えるとチラチラと奥から赤い下着が見える。
それがかなり気になる。
体が若返った事で、そちらや精神も若返ってしまったようだ。
話に集中して聞くと…
Aランク 女性に対して興味を持ち、自発的に勃起が可能。定期的に発情して週1単位で性行為が可能。(現在は0)
Bランク 女性に対して興味は薄いが、介助する事で勃起が可能。月1単位で性行為が可能。(現在は希少)
Cランク 女性に対して興味は無いが嫌悪感も少ない。勃起は稀にするが性行為はまず難しい。機械の力を借りて精液の採取は可能
Dランク 女性に対してわずかな嫌悪感がある。精液の搾取は可能だがそれは機械を使ってのみ可能で受精着床率がやや低い。
Eランク 女性に対して明らかに強い嫌悪感があり、体を触られたりすると暴力行動や引き篭もり行動にでる。精液の搾取は可能だが受精着床率は大幅に低くなる。
Fランク いわゆる不能者(インポテンツ)
こんな感じだった。
「こんな感じかしら? ランクによって待遇はかなり違うわよ?だけど安心して良いわ、一番低いFランクでも月25万円+住む場所の提供は保証されているわ、貴方の場合は施設の支援も成人まであるから、とは言っても、もうB+ランク(Bランクの上位者)の素質はありそうね」
精子については解らないが、普通にAランクになれそうだな。
「私は女性に対して確かに嫌悪感はありません」
「でしょうね? さっきから目を逸らさずに普通に話しているんだから…それで聞きづらいんだけど、精通はもうあるのかしら?」
困ったな。
この体に変わってから、そういう事は解らない。
「すみません、解りません」
「そう、それじゃそれも含んでこちらで検査しますね」
「宜しくお願い致します」
「それで検査をするパートナーは決まった」
「パートナーですか、ああっ、この写真から選ぶのですね」
「そうね…少しでも好みの子の方が良いわよ」
体に引っ張られて若いとはいえ、心は60歳のじじい、流石に小学生はちょっとな、とはいえもうこの年齢で過ごさないといけないのだから慣れるしかない。
適当にページをパラパラして指を差した。
「それじゃ、この子でお願いします」
「え~と本当にこの子で大丈夫なの?」
「すごいですね~、流石は正平くんという事ですね」
え~と、確かに凄いな。
小学生なのに濃い亜麻色の髪のツインテール
白いキャミソールに超がつく水色のミニスカートに白と水色の縞々のパンツに水色の縞々の二―ソックス。
ギャルをそのまま小学生にするとこんな感じになる。
そんな感じだ。
名前は上條麻里奈と書かれていた。
「この資料には名前が普通に書いてあるんですね」
「その子たちは一般人ですから、普通に出会いを探している子たちですから」
まだ小学生なのに出会い?
「小学生なのにですか?」
「記憶が無いからですかね、そこ迄努力しないと一生男性と付き合う可能性なんて貰えませんよ」
そういう8号さんは何処か遠くを見る目をしていた。
「
第7話 麻里奈
ヘリコプターの羽の音が聞こえてきた。
その音が消えてから暫くすると廊下から走ってくる足音が聞こえてきた。
ガチャっと音と同時にドアが開いた。
「ハァハァ~ゼィゼィ…ハァハァ、上條麻里奈いそいできましたぁ~うわぁ~凄く綺麗ね、うん凄く二枚目、こんな子が私を指名してくれるなんて、嘘信じられない」
「これは余りに酷いな、これじゃトラウマになりかねない、パートナーチェンジした方が良いんじゃないか?」
「13号さんの言う通りですね正平さんチェンジした方が無難です」
「そんな男機(だんき)のヘリが来たから凄く嬉しかったのに…初めて男の子と遊べると思ったのに…うええええー――ん」
座りこんで泣き出してしまった。
写真の通り、何処からどう見ても派手な子だ。
ロリコン漫画やエロゲーのいわゆるロリビッチに見える。
さっきの資料に他にはこんな派手な子は居なかった。
清楚な子しか居ない中、ただ一人こんな派手な子が居たから、つい選んでしまったのかも知れないし…
前の世界のコギャルや孫ギャルに見えたから選んだのかも知れない。
とは言え…私はホストだったんだ。
女の子を泣かせちゃいけない。
あと…今は子供だ『私』も辞めた方が良いだろう。
「折角きてくれたんです、何をするか解らないけどチェンジはしないよ、ごめんね…心配させちゃって、この子でお願いします」
「本当に? 始まったらもうチェンジ出来ないんだぞ」
「多分、他の子の方が良い結果がでますよ」
「ひく、ぐすっすんすん…本当? 麻里奈チェンジじゃないの? 帰らなくて良いの?」
「勿論だよ!麻里奈ちゃん」
大人目線で見る必要は無いな。
自分が小学生の時に彼女みたいな女の子が居たら楽しいかどうかだ。
硬派なんて物をアホな奴らが流行らしたから灰色の青春を送っていた。
もし、こんなロリビッチみたいな女友達が居たら…きっとバカップルみたいになって楽しい性春、いや青春が送れたのかも知れない。
「ひくっすんすん、ありがとぅー-麻里奈頑張るからね」
「それで僕と麻里奈ちゃんで何をすれば良いんですか?」
「ああっ簡単だ一緒の部屋で1時間30分間過ごして遊んで貰うだけだ」
「それだけですか?」
「それだけって…結構大変な事だと思うけど、人によっては泣き叫ぶ男性もいるのよ」
「あの、さっき迄と違ってドアも閉めるんですよ」
「多分大丈夫ですよ、行こう麻里奈ちゃん、はいっ」
僕は手を差し出してみた。
「あああっ、あのこれって」
多分、これって女の子とコミュニケーションをとるテストだ。
まだ始まって無いかも知れないけど、この位しても問題ないだろう。
「麻里奈ちゃん、僕と手を繋ぐの嫌?」
首をぶんぶん振っている。
そしてオズオズと手を差し出してきた。
俺の方から手を差し出して恋人繋ぎで手を握った。
そして少し強めに手を引っ張った。
麻里奈は少し躓いて前に倒れ込み僕が麻里奈を抱きしめた感じになった。
「嫌じゃ無ければこのまま行かない?」
「はぁはうはうはぁ~はい」
顔が赤いな…上手くいったな。
「13号、過剰なスキンシップです今すぐ止めるべきです」
「8号、何を言っているんだ、あれは正平さんが自ら仕掛けたんだから問題ない麻里奈はそれを受けただけだ、正平さん突き当りの部屋だ、そこで二人で過ごして欲しい」
「解った」
麻里奈は顔を赤くして黙っていた。
失敗したな。
麻里奈はかがみこんで無理やり俺の胸に顔を当てている。
良く考えたら小学生だと女の子の方が発育が良い。
俺のやりたかった事は男の方が背が高く無いとカッコ良くない。
これじゃ、緩めのヘッドロックを掛けたみたいでカッコ悪い。
外そうとすると麻里奈の顔が凄く残念そうな顔に変わるので仕方なく、ヘッドロックを掛けたような状態で部屋まで歩いた。
「凄い部屋だね」
「これが女の子の憧れラブスなんだ、凄いね正平くん麻里奈も見れる日が来るなんて思わなかったよ」
おもちゃにゲームに漫画にPCに大型TVにカラオケ、なんでもあるけど…それ以外にダブルサイズのベッドにお風呂にトイレ冷蔵庫がある。
確かに子供様になっているが、これはまるでラブホテルだ。
そう言えば今麻里奈がラブスって言っていたな。
「麻里奈ちゃんラブスってなに?」
「ラブスって言えば男の子と女の子が愛を確かめ会う場所だよ、街中に沢山あって男性同伴じゃ無いと入れないんだよ、だけど男性同伴なら無料なんだよ」
やっぱりこれはラブホだ、しかも高級な奴だ。
暫くするとアナウンスが流れてきた。
「あ~あっそちらはラブスに似せた施設だけど、本物じゃない、あちこちにカメラがあって様子はこちらで把握している、これは女の子とどの位迄一緒に過ごせるかのテストだ、麻里奈ちゃんからは過度なスキンシップは禁止です、場合によっては中断もありうるから気を付けて下さい」
「了解」
「わかりました」
さて、何をすれば良いのかな。
昔みたいにすれば良いか。
戸棚を探してみた。
やっぱりお菓子があった。
お菓子をテーブルに置いて、冷蔵庫から缶ジュースを取り出した。
勿論、グラスも用意して氷もいれる。
「麻里奈ちゃんはコーラとオレンジジュースどっちが良いかな?」
「え~と麻里奈はオレンジジュース」
「そう」
俺は缶ジュースの蓋をあけてあらかじめ用意した氷の入ったグラスに注いだ。
麻里奈がジュースだから僕はコーラだ。
「はい、麻里奈ちゃん」
「ありがとう…」
「それじゃ麻里奈ちゃんにかんぱーい!」
「かんぱーい」
何だか盛り上がって無い気がする。
「あれっ麻里奈ちゃん面白くない? それなら麻里奈ちゃんが好きな事しようか?」
「そんな事ないよ、凄く楽しい! ちょっと驚いただけだよ…本当だよ」
そうか、恰好がロリビッチだから慣れていると勘違いしてしまうけど、この世界じゃそんな訳ないよな、緊張しているんだ。
「本当? それなら良かった、それで麻里奈ちゃんは何が良い? カラオケ?ゲーム? 何でもOKだよ」
「あの…カラオケをしたいって言ったら、正平くんも歌ってくれたりはしないよね?」
なんだか話し方が少し可笑しいな。
緊張しているのかな?
「えっ、麻里奈ちゃんが歌って欲しいなら歌うけど?」
「ほんと…それならカラオケが良いな」
「うん、それじゃカラオケにしようか?」
「うん、それでお願いがあるんだけど良いかな?」
「どんなお願い?」
「正平くんの歌を録音したいなぁ~なんて無理だよね?」
この体になって初めて歌うんだけどな、まぁ良いか?
「下手かも知れないけど、それで良いなら良いよ」
「うわぁぁぁ、ありがとう」
じゃんけんをして僕から先に歌う事になった。
やはり此処はラブソングが良いよな。
此処は僕が知っている世界じゃないんだ。
自分が歌いなれた曲が全くない。
しかも、男が歌うラブソングらしい歌詞の歌が見つからない。
仕方ない、こんな変な曲歌う位なら伴奏無しで歌った方が良いな。
「麻里奈ちゃん、カラオケの曲の中に良い曲が無いから伴奏無しで歌って良い」
「正平くんが歌ってくれるならそれでもいいよ」
「それじゃ歌うね…君だけに、麻里奈だけに巡り合う為に~」
相手の目を見つめながら、思いを込めて歌う。
ホストだったら普通にやる事だ。
「正平くん、凄く歌が上手いんだね…歌手みたい」
「いつも麻里奈の傍に居るよ、世界で誰よりも愛しているよ~瞳を閉じて思いだせば麻里奈しか見えない~」
「…ハァハァ凄い」
歌詞の君やお前をよくお客の名前に変えて歌ったな。
「もしも二人に子供ができたらね…世界で2番目に好きだと伝えるよ~だって世界で一番好きなのは、君のまま麻里奈だからねー―――っ」
「…」
あれっ麻里奈の様子が可笑しい。
「麻里奈…おい麻里奈大丈夫か?」
嘘だろう、完全に気絶している。
まさか持病持ちだったのか…
「おいしっかりしてくれよ…頼むから、おい、死ぬなよ」
いきなりブザーが鳴り 13号と8号が入ってきた。
「良い所に…麻里奈が大変なんです」
「そうですね…大丈夫ですから安心して下さい」
「ああっ大丈夫だ、安心して良いですよ」
そう言うと二人はバケツの水を麻里奈にぶっかけた。
「冷たいなー-っ、あっ正平くん、麻里奈感動しちゃったよ、麻里奈もね正平くんの事が世界で」
「「はいはいテストは終わり…帰ってね」」
「そんな、正平くー-ん、麻里奈は麻里奈は勉強して偉くなるからー-っまた呼んでー-っそして将来は結婚して妻にー-っ」
僕が何か言おうとしたら止められて麻里奈はそのまま引き摺られていった。
後で13号さんに話を聞いたら。
感動して気を失っていただけなので特に問題は無いそうだ。
第8話 精通テスト
「正平さん、貴方何者ですか?」
「男機の医者になって初めての経験だ、此処迄女性に積極的だった男性は過去にはないな」
13号さんと8号さんに訝し気な目で見られている。
確かに状況を考える限りやりすぎた気がする。
だが、幾ら何でも可笑しすぎるだろう?
歌だけで気絶? あり得ない。
「いや、あの位で可笑しいでしょう?」
「あの位、正平くんは常識を覚えた方が良い」
「記憶喪失だから仕方が無いのかも知れないけど…あんな歌を近くで歌われたら可笑しくなるのは当たり前ですよ! どこであんな凄い歌を覚えたんですか? まるで大昔にあったラブソングみたいですけど」
「兎も角だ『歌』を歌うのはもう暫く常識を覚えてからにして欲しい」
「解りました」
それしかいう事は出来ないな。
「所で上條麻里奈さんから連絡先交換の申請が来ていますが、どうしますか? 勿論却下ですよね?」
「いや、折角来てくれたんだしOKで良いですよ」
「本当ですか?」
「そんな神対応した男性は初めてだな」
「それじゃ、これをどうぞ?」
「8号さん、これはスマホで合っていますか?」
見た感じほぼスマホだが、少し大きめでゴツイ気がする。
「はい、ただこの端末はスマホだけじゃなく身分証明や各種特権を使う時の身分証明書も兼ねています。無くさない様に気を付けてください。それでは上條麻里奈さんのデーターを登録しますが、本当に気を付けてくださいね、本当に危なっかしくて見てられません! 基本は女は狼、その位に思ってくださいね」
「8号さんもですか?」
「私はそんな事ないですよ、人畜無害な珍しい女性です」
「嘘だな、正平くん気を付けた方が良い! 此奴の持っている本やDVDを見たら驚く程の変態だ、大人しそうなふりしているが此奴の持っている本の多くはアブノーマルだ『鬼畜王子と豚女の奴隷契約』だっけ、あんなのノーマルは読まん」
「13号、ばらす事無いじゃないないですか? 正平くん違いますからね、その本は友達から借りた本です」
こんなおっとりした綺麗な女性が『奴隷』になりたい。
前の世界だったら何千人が群がる事になるだろう。
「え~と『奴隷』になりたいんですか?」
「勿論、男性限定ですが! なりたいって思っていますよ? 当たり前じゃないですか?」
「子供の前でなに言っているんだ8号、正平くんもそんな風に真面に聞くことはないから」
8号さんは黒髪のショートヘアで綺麗な女性だ。
言っている内容からしてSMみたいだが、メイド喫茶とかで勤めたら人気が出そうな気がする位の美貌はある。
「相手が子供で良いなら此処を出る時に考えて見るよ」
「正平さん?本当ですか? 信じていますからね? 今から私を豚と」
「8号、お前はここでは8号以外の何者でもない、それが守れないなら、部署替えだぞ…それと正平くん、君はもう少し自重しようか? まさかこの8号を本当に奴隷にして傍に置きたい訳じゃないだろう?」
普通に置いても良いけど、言うとまた可笑しくなりそうだ。
「そうですね、自重します」
「そんな、私に関しては自重しないで良いですからね」
なんだか思った以上にこの世界は凄いのかも知れない。
◆◆◆
その他、身長や体重を計り、CRTを取り、口の中からDNAをとった。
まるで人間ドッグだな。
そして最後の検査は
「はい、後は精通検査で終わりですね、それでどうしますか? また新しい子を呼ぶのもありだな」
いや、一緒に遊ぶ位なら兎も角、流石にそれはな。
「それは止めて置きます」
「それじゃ自分でするしかないな」
それもなんだか嫌だな。
「それじゃ、折角だから8号さんに頼もうかな」
「えっ、私ですか? 本当に良いんですか? 男性の性器に触れられるなんて」
「あの正平さん、君成人した女性に触られて大丈夫なのか?」
「多分、大丈夫だと思います」
「そうか、それなら問題ないが随分強者だな…それじゃまた個室に入って休んでいてくれ」
「解りました」
◆◆◆
さっきとは違う個室に入った。
ラブスと違い医務室に近い。
暫くすると8号さんが来たが、なんだこれ。
「あの、なんで宇宙服みたいな物着ているんですか?」
「男性は女性に体を触れられるのも、触らるのも嫌な方が多いのでこれ着ているんです」
こんな物見て勃つ男は居ないと思うがこの世界は違うのか。
「あの、それじゃ全然興奮しないんですが、もう少し薄着にはなって貰えないんでしょうか?」
「あの、それってどの位が良いんですかね? 男性側が望むなら大丈夫ですが、気持ち悪くなったり吐いたりしませんか?」
この世界の男は吐くのか?
そんな素晴らしいシュチエーションで。
「可能なら裸でお願いします」
「そうですか、それが正平さんの望みなら仕方がないですね、では…」
そう言って服を脱ごうとしたが、ブザーが鳴った。
『あーあっ8号、裸は駄目だ、職員規定に引っかかる、我々はあくまでも男性の保護が目的だ、それは越権行為だ』
結局、妥協案でガラス越しに下着姿の8号さんを見ながら、自分でオナホの様な物に出して提出した。
目の前に本物の女性が居るのに触れないってなんだこれ。
「嘘…凄いな正平さん、君たったの30分で出せるなんて」
「こんな早いの初めてですね…正平さんもしかして私、ドストライクなんですか?」
話を聞くと、この世界でAランクは表向き存在はしてなく、Bランクが最高ランクらしい。
そしてBランクの殆どの男性が半日掛かりで勃たせてようやく『出せるとこ』まで漕ぎつけるのだとか。
それですら月一できれば良い方らしい。
この世界の殆どは、この搾精によって成り立っているらしい。
搾精した精子を女性は買い取って妊娠するそういう仕組みすらできていて『優秀な男性の精子』には高値で買い取とられるんだとか。
「それで自然に妊娠することは無いんですか?」
「男女比が合わないからなかなか、無いですよ稀にセレブの方の方であるだけですね」
なんだか凄い世界だな。
◆◆◆
「13号、その正平くんはやはり」
「8号も気がついたか? この世界で未だ見つかってなかったAランク、それすら超える『正常な男性』だ」
「確かに、同年代の子から私みたいな大人の女性まで普通に接しているし、私の下着姿で発情して射精ができる、あり得ないよね」
「女性を拒絶しないで自ら、裸を見たがる、そんな男は居ないな」
「それでどうするのですか? Aランクともなれば上への報告義務がありますよ」
「そうよね、だけどそんな事になったらきっとあの子は真面な人生が送れなくなるわ、だから私は正平さんをBかCランクとして報告しようと思うの、どうだろうか?」
「それって不味いんじゃないかな」
「だけど、私は見てみたいのよ『正常な男子』がどう過ごしていくのか、何かあったら私が責任をとるわ」
「そうね、それで良いかもしれませんね…モルモット扱いじゃ可哀そうですよ、良い子だから。まぁ望まれたら私もついていってフォローしようかな」
「そうね、それじゃ正平さんはCランクという事にしましょう」
「Bランクじゃ不味いんですか?」
「Bでも国内に6人しか居ないから目立つわ、Cなら100人以上居るし、そこ迄目立たたないから」
「それじゃCランクで登録申請、これで決まりですね」
「そうだな」
こうして正平はCランクとして登録される事がきまった。
第9話 仲間
「正平くんのランクは本当はAなのだけど、その後の人生で困るから私の独断でCにしようと思うんだがどうだろうか?」
「私もその方が良いとおもうな」
13号さんと8号さんからそう勧められた。
「何かAランクにすると問題があるのでしょうか?」
「ああっ、多分Aランクになると自由が無くなる筈だよ、少なくともAランクなんて存在は私は見たことが無い、世界中に注目されるのは勿論、最悪、研究機関や権力者に囲われる事すらある、Bランクですら大変なんだよ、それでもAランクになりたいかい?」
「それならCランクで充分です、ちなみにCランクでどの位の特典があるのですか?」
「そうだな、まずDランク以上の男性には死刑および懲役が無い、どんな犯罪を犯しても、その殆どの刑が搾精で許される。それは国家転覆や女王の暗殺であっても同じだ。まぁそこ迄の大罪を犯せば20年間は免れないな」
凄いなこの世界は。
簡単に言えば20年間SEXする覚悟があればどんな事をしても許される。
そういう事だ。
「他には?」
「他はそうはないな、毎月生活費として300万円、護衛や送迎車の支給、住宅の支給に、色々な機関の無料使用、そんな感じ…ちなみに女性とデートしたり種付けをするなら、支援機関からお金が貰える、そんな感じだな、沢山の特典がありすぎて、あとで資料を渡すから読んでくれ」
「そうだね、沢山ありすぎて驚く程あるよ」
「色々と配慮ありがとうございます」
「別に良いわ、それで正平くんはどうする? ランクを偽る以上は此処を離れた方が良いだろう」
「そうだね、ランクの認定に精通検査は終わったから、此処からはどうしたいか決める時だよ」
「決めるって何を決めれば良いのか、解らないよ」
「それは住むところとか、学校に通いたいとかだな」
「そうか? そこから決めるんだな、解ったよ」
◆◆◆
結局僕はマンションを借りて、そこから小学校に通う事を選んだ。
一緒に暮らす人数を増やせば、マンションではなく豪邸らしいが余り人数は増やさず、最低限の三人を選んだ。
琴美さんに話を聞いたら、数は増やす事は可能だけど一旦増やしたら減らす事は出来ないらしい。
だから、堅実に少人数から始める事にした。
「琴美さん、これからどうすれば良いの?」
「そうですね~まずは、部屋をどれにするか決めましょう? 住んでみたい街や、通いたい場所はありますか?」
「田舎より都心の方が良いですね、特に希望は無いかな」
「欲望とかもないんですね、他の男性は欲まみれなのに素晴らしいですね~流石私のご主人さまですね、それじゃこの琴美にお任せ下さいね」
「任せた」
今、話しているのは桜木琴美さん。
8号さんだ。
奴隷になりたい、なんて言っていたから、そのまま『お世話係』として仕えて貰う事にした。
気心は知れているし、13号さんや川島さん曰く暴走するけど優秀のお墨付きだからそのまま採用した。
言葉使いが変わっているのは、正式に僕に仕える為、素に戻したかららしい。
あんまり変わってない気もするけどね。
「それじゃ、住む場所は私が決めるとして、後は護衛の2名を決めて下さい、今リストをお見せしますから」
しかし、前回もそうだけど、なんで紙の資料なんだろう?
「前から不思議に思ったんだけど、なんで紙の資料なんだ、パソコンやPADの方が楽じゃない」
「何をいっているんです、正平さん。そんな事したら沢山の女性ハッカーが自分の情報を入れ込んできますよ。それを防ぐ為にですね、紙の資料の方が安全なんです」
「そういう事だったんだ、やっと解った」
妙に未来の様な感じがするのに、可笑しいと思っていたらそういう事だったのか。
「記憶が一部無い正平さんのアシスタントをするのも私の役目ですから気にしないで良いですよ」
僕はパラパラと資料をめくった。
どの女性も軍人っぽい人ばかりな気がする。
「あれっ、この子外人なのかな?」
「外人は居ない筈ですよ、何処の国も自国の女性を優先しますから…あらっ確かに外人みたいな方ですね、ああっハーフみたいですね、こういう子好みなんですね! 1人目はこの子で良いですか?」
他の人は個性がないから同じように見えちゃうな。
この子で良いんじゃないかな?
「それじゃ1人目はこの子で決定と…あと一人か、誰にしようかな? あっこの子が良いや」
「2人目はこの子ですね、これでとりあえず決まりましたね、早速、護衛部に行って貰い受けにいきましょう」
これから一緒に暮らす三人は雇うと言うより『仕える』というのが正しくなる。
所属は、男性保護施設、男性保護機関になるが守相手は自分を選んだ主人になる。
簡単に言えば自分を選んだ主人の派閥に入る感じだ。
そこ迄厳しくは無いが武士の士官に近い。
実際に仕える男性同士が仲が悪いと同じ組織なのに、この仕えた女性同士顔を合わせても挨拶すらしない事も少なくない。
ちなみにこの仕事は琴美さんから聞いた話では倍率は500倍を超えるとの事だ。
男性に選んで貰えれば一緒に暮らす事が出来、運が良ければお手付き…夢のような職業なのだとか。
「僕みたいな子供で良いのかな、凄い倍率で採用された人達なんでしょう?」
「大丈夫ですよ! 500倍の倍率で試験に受かっても、その中から男性に選ばれるのは物凄く低いんですよ!絶対に凄く喜びますから安心ですよ!」
「だけど琴美さんもそうだけど、この二人も物凄い美人ですよ」
「あの、この際だから正平さんに少しお話をしますね。正平さんは記憶が無いから解らないと思いますが、女の子に生まれると大変なんですよ?一生懸命努力しないと男性に会う事すらできないんです。
頭の良い学校じゃないとクラスに1人男性が居れば良い方、その1人も引き篭もりで学校に来ない。一生懸命勉強して頭の良い学校に入ってようやく男性との接点が持てる、でもクラス40名に対し男子は多くて5人、だから男の子は王様気どりです。性格も悪い人間も少なくありません…それでもですね、それでもですね男性と触れ合えただけ幸せなんです…実際に私は研究職だから、少しは触れ合いはありますが、性格の良い男性なんて正平さんが初めてですよ」
凄いなこの世界…琴美さんもこれから会う二人の女性も凄い美人だ。
そんな美人が努力しないと恋愛すら出来ない世界なんだ、此処は。
◆◆◆
「正平さんお待ちしておりました、先程、琴美様から連絡を頂いたご指名の二人は準備が出来ております…どうぞこちらでお待ちください! あと琴美さんはすみませんが別室の方でお待ちを」
「解りました、正平さん良い人だと良いですね」
「うん」
僕は本来はかなり年配の精神を持っている筈なのだが、どうも体の影響か子供みたいな思考になる。
個室で待っていると1人目の女性が入ってきた。
◆◆◆
「北条エルミナですわ、貴方は凄くお目が高いですわね…護衛の一人は私で決まりですわね! 絶対に後悔させませんわ!」
写真で見た通りだ。
プラチナブランドの綺麗な髪でシャギーの髪型。
お姫様みたいに写真では見えた。
「気になった事があるのですが聞いても宜しいですか?」
「何でも聞いて欲しいのですわ」
肌も白くてシミも無い、凄く綺麗に見える。
「髪が凄く綺麗ですね、え~と」
「大丈夫ですわ、私はそのスエーデン人とのハーフですの…やはり此の髪じゃ嫌ですわよね、目もこんな色ですし…昔から男の子には嫌われまして、老婆みたいと…不愉快にして申し訳ございませんでしたわ」
「そんな事ありませんよ! 風で流れるような美しい髪、プラチナブロンドですよね…綺麗だ」
「あの…平気ですの?ああっそんな急に」
「ごめんなさい、余りに綺麗な髪なのでつい触ってしまいました女性の大切な髪に触るなんて」
「そんな事ありませんわ、お好きならそのまま触って頂いて構いませんわ」
「ありがとう、やはりサラサラして綺麗だ、目だってグリーンアイって言うんですよね、まるで宝石みたい」
「あの正平様、顔が近いですわ…その私は男性に免疫がありませんのですわ」
こんな綺麗なのに…まるで人形が人間になったらこうなる。
そういう感じにしか見えない。
「僕はこの通り、只の子供です、本当に貴方を選んでも良いですか?」
「あの…それって私が仕えて良い、そういう事ですの?」
「エルミナさんさえ良かったらですが」
エルミナさんは急に僕の前に片膝をついた。
「私の祖先はスエーデンの貴族らしいですわ、貴族が王に仕えるように精神誠意仕えさせていただきますわ! 獲物は拳銃を使いますの…正平様の敵は全て撃ち殺して差し上げますわ」
SPみたいな物だから拳銃が必要なのか。
「ありがとうございます」
「こちらの方こそ、末永く宜しくお願いいたしますわ」
凄く綺麗な笑顔でエルミナさんは去っていった。
◆◆◆
「千葉千鶴ともうします。宜しくお願いします」
写真の通り剣道少女だ。
軍服みたいな服の写真の中で剣道着を着ていたから目に入ってきたんだ。
黒髪でポニーテール、黒目、彼女も凛として綺麗だ。
「侍みたいでカッコ良いですね」
「あははっ良く、汗臭そうって言われるよ、無理しなくても良いんだよ」
「剣道って僕から見たらカッコ良いいですよ」
「えっ君って剣道やっている子に嫌悪感がないの?そんな子滅多に居ないよ」
「一生懸命竹刀を振る姿は凄く綺麗だと思います…本当に、特に千鶴さんみたいな綺麗な方が振るなら余計です」
「きみ変わっているね、そんな事言われたのは初めてだよ」
「初めてという事は前にも話があったんですね」
「まぁね、ほら私って黒髪、黒目だし、無難だから、前に1回声が掛かったんだ…ただその時の条件が『汗臭いから剣道を辞める事』だったから血の涙を流して諦めたよ…まぁ性格も悪そうだったのもあるけどね」
剣道少女から剣道とったら…意味がないな。
「剣道小町から剣道とったら美しさ半減なのに馬鹿だなその男は、カラス髪の綺麗な美少女が刀を振るう…最高なのに」
「あああっ、正平様は、本当にそう思うの…汗臭いとかむさいとか言ったりしない?」
「本当に凛々しく思えますよ…もし僕みたいな子供で良いなら護衛になって貰えませんか」
「私で良いのか…今更駄目とかなしだよ、解った一生正平様を守ろう、この刀に掛けてな…命を掛けて…約束します」
「お願いします」
「こちらこそ宜しくお願いします」
こうして、僕の新しい生活を一緒に歩む仲間ができた。
第10話 徳永美香
移動の車はレクススのリムジンだった。
運転は琴美さんがしている。
僕の前に右側にエルミナさん、左側に千鶴さんが座っている。
偶に足を組み替えるとパンツがチラチラ見えるのが悩ましい。
「琴美さん、凄い車だね」
「記憶がないからそう思うだけですよ、この車は正平さんに支給された物です…これからの移動で使う事が多いと思います」
「そうですわ、男性なのですからこの位は当たり前なのですわ、男性と言うのは世界の宝なのです、まして正平様はCランク、本物の男です、当たり前ですわ」
「私もそう思います。まさかCランクなんて夢にも思いませんでした。もう少し自信をもたれた方が良いと思います」
「Cランクってそんなに凄いの?」
「凄いなんて物ではないですわ! Aランクも形上ありますが、今この世界での最高ランクはBランクなのですわ、そのBランクの片もかなりの時間を掛けてようやく勃つのですわ、その為B-ランクと言われていますわね、正平様はCランク、その価値は世界の宝なのですわ」
「そんなに大した者かな」
「大した物だよ! 精通した途端にCランク、だけど可笑しいよね?本当のCランクは女性にたいして無関心嫌悪感もないけど関心もない筈、それなのに正平様は、話てくれて私達に興味が有る様に見えるよ!」
「千鶴、正平様の詮索は止めて下さい」
「琴美、これだけで良い、今答えて欲しい『わけあり』か」
「私も薄々は感づいていますわ、こんなに話をしてくれる男性がCランクな訳ありませんわよね?」
「『わけあり』ですよ!貴方達は運命共同体です。だからマンションに付いたら説明します」
「解った、正平様、どんな理由があろうと、この千鶴の忠誠は変わりません、絶対にお守りしますから、ご安心下さい」
「エルミナも同じですわ。私の世界は正平様を中心に回ってますのでご安心くださいませですわ」
「感謝します! 詳しくは後でお話しますね」
僕の事に関しては琴美さんに任せた方が良いだろう。
「記憶が無いから…僕は常識に欠けているんだ、それで聞きたいんだけど、何で女性はミニスカートが多いのでしょうか?」
「ああっ!だから正平さんは良くスカートを見ていたのですね」
「それはですね、男性が『犯りたい』そう思った時に直ぐに出来る様にですわ」
「だけど正平様、それは昔の話だよ! 今じゃもう女性に興奮する男は居ないし、寧ろ嫌われる可能性も高いんだ、だから最早ただのファッションだよ」
「そうなんだ…凄いね」
昔は犯りたくなったら、直ぐに脱がして…そういう事だろう。
だったら今はそれ以上。
そういう事だろうな。
「正平様、なんでしたら捲ってもらっても構いませんわ」
「興味あるなら私も良いよ」
スカートでも下着でもなく、その下に興味があると話したら、驚くだろうな。
◆◆◆
「着きましたよ、私は車を駐車場にまわしてきますから、護衛お願いしますね」
「「はっ心得た(ましたわ)」」
二人の表情が変わった。
エルミナさんが外に周りドアを開いた、千鶴さんが僕の前に立つ。
素晴らしい。
僕はこの体になる前はホストだった。
古くからの風習があるお店で立ち方からエスコートの仕方まで事細かに習った。
綺麗な立ち振舞だ。
エルミナさんは銃のホルスターに千鶴さんは腰にさしている刀に手を掛けている。
「護衛の皆さん、そんなに緊張する事はありませんよ」
「貴方は誰ですの?」
「申し遅れました、男性専用宿泊施設統合管理者、徳永美香と申します、この施設は男性およびその関係者のみしか入れません、ですからこの中では如何に貴重な男性でも普通に過ごせますから、ご安心を」
「他の男性付き方に襲われる可能性はゼロでは有りませんわ」
「もしそうなったら、困るので警護します」
「この施設の中には400名を超える男機の警備員が待機、常に死角が無いようにカメラで監視、この命に掛けて安全を保証いたします、警護の方も一緒に寛いで構いませんよ」
「ここまで言ってくれるんだから寛ごうよ」
「正平様がそう言うんなら仕方ありませんわね」
「そうだね」
「随分と打ち解けていらっしゃいますね」
「二人は特別だからね」
「「!」」
「流石はCランク、普通に女性と話せるのですね」
「全員ではありませんが、話しやすそうな方なら、美香さんとも話せそうですね」
「そうですか…」
「はい、この建物、凄く高いですが何階位あるんですか?」
「…80階建てになります、中にはレストランにスパにプール遊園地も入っています、ショッピングも出来ますよ」
「凄いね」
「…凄いでしょう! 此処の施設の中であれば、男性も安心して生活が出来ますよ」
「ありがとうございます」
「ああああっ…ありがとう…生まれて初めて男性に感謝されました…素晴らしい言葉ありがとうございます…」
えっ…なに?
「正平様、不味いよ」
「ええっ不味いですわ」
「どういう事?」
「美香さん、此処だけの話です、他言したら何処にいても殺しますわ」
「そうだ、必ず殺す」
「何を物騒な事を…警備員を」
「正平様C+ランクなのですわ、限りなくBランクに近いCランク
なのですわ」
「この重要性は解りますよね?」
「確かに凄い情報ですね、解りましたこの徳永美香、この命にかえても他言しません、その代り偶にで良いのでお声掛け下さい」
「別に良いよ」
「ありがとうございます! 私も正平様が毎日楽しんで生活出来るように及ばずながら頑張らせて頂きます」
「ありがとうございます」
多分かなり偉い人の筈なのに美香さんは部屋まで案内してくれた。
部屋は7LDK しかもリビングダイニングは40畳もあり個室は一番小さい物で12畳 お風呂にはジャグジーがある。
ホストだからお客様のタワマンに招待された事もあったが、そのどの部屋より見晴らしが良く広い。
確かあの部屋で6億円と聞いていたが、これは一体幾らなんだろうか?
想像もつかないな。
「美香さん、ありがとうこれからお世話になるね」
「そんな、優しい言葉生まれて初めてです…何でも言って下さいね、欲しい物は何でも調達させて頂きますから」
「ありがとう」
「あああー――っ人生で最高の日です」
「さぁ正平様、入りますわ…流石に部屋は困りますわ」
「正平様、入ろう、疲れたよね? 休もうか?」
二人と一緒に入りドアが閉まる迄美香さんはずうっと見送ってくれた。
第11話 アイドルでも別格じゃない。
7LDKの部屋のうち、お風呂、キッチン、トイレ等全部がついている部屋が僕の部屋と決まっていた。
殆どの男性は引き篭もりだから、この部屋で全部の生活が出来るようになっていた。
ドリンクバーにネットもあり…確かにそういう人にとっては最高の部屋だろう。
だが、僕にとっては確かに快適だけど少し寂しい物がある。
約30畳の部屋に一人、お風呂にはジャグジーバスがついているが、こんなの1人で入っても楽しくもなんともない。
水着姿の女性と入るから楽しいんだよ。
なんで好き好んでボッチにならなくちゃならないんだ。
とは言え、記憶喪失で誤魔化しているが、ちゃんと世間の常識を知る必要がある…ネットで調べてみるか?
なんだこれ…何処にも女の裸や水着姿も無い。
男女比が偏っているからなのか?
興味はないが、男の裸も無い。
『女 裸』でくぐってみたら『男性は女性の裸に嫌悪感を抱くので気をつけましょう』そんな文章ばかりだ。
この世界にBランクが居る以上発情させる方法がある筈だ。
だが、裸や性の話が何処にも無い。
そう思って適当に調べていたら。
全身コンドームというのがあった。
写真をみてみたらモザイクは掛かっていたが顔と股間だけに穴が空いたゴムのスーツの写真があった。
『男性は女性の全てを嫌います、もしもの為に必ず用意しましょう』
こんなんじゃ胸もお尻もゴムスーツ越しにしか触れない。
此処迄、この世界の男性は女が嫌いなのか?
それにしても、こんなゴムスーツ着ている女に僕は絶対反応しないな。
結局調べた結果『女の裸は男が嫌悪感を抱くからNG』『男の裸は男が脱がないからNG』とネットはおろかTVにも出てこない。
アダルトDVDも無い。
こんなんで性処理を他の男はどうしているんだ?
調べていくと『発情薬』という物があり…Bランクですらそれを使う事も多く、自分から女性を求めるなんてほぼないらしい。
ネットで見る限り、映画やドラマも不細工な主人公が多く、しかも横柄だ。
本当に可笑しい。
ヒロインが命がけで組織と戦ったり、仕事を頑張って出世するサクセスストーリーなのに男性は凄く横柄だ。
「俺の為に命がけで戦う?当たり前だな!仕方ない俺専用のパシリにしてやる」
「ありがとう、私凄く幸せだよ!」
「貧乏だった私が女帝と言われるまで頑張ったんだよ、今や帝グループの総帥なんだ…生涯かけて幸せにします」
「お前凄く頑張ったんだな、解った君を僕のATMにしてあげるよ」
「嬉しい、頑張って良かったよ、こんな幸せな事ないよ…」
何かの冗談かと思ったけど。
これで恋愛が成立しているみたいだ。
凄く可笑しい。
お笑い番組でも不細工な男が綺麗なアイドル?の女の子に
「此処の子嫌いだからチェンジしてくれる」
なんて馬鹿な事いっていたと思ったら、その子は次の瞬間消えていた…冗談みたいな話だ。
しかし、さっきから気になるのが、女の子が出るたびに出てくる電話付きのテロップだ。
何か意味があるのかな?
洋画とか外国の女性の画像は一切見れないようだ。
これは事前に琴美さんから聞いた話だが、何処の国も自国の男の流出を恐れて海外の女性を男に見せない様にしているらしい。
男女比が此処迄偏っているのに金髪のお姉さんはまず無理、そういう事だ。
琴美さんに小学校に通いたいと言ったら…
「凄いですね~」と驚かれた。
名門小学校ですら一クラスに男子は5人居たら良い方で、試験は一切なしで入れる…更に数は5人だが不登校が多く、出席率の多い男子の教室は成績優秀者の女の子が優先して入るらしい。
普通の小学校には男の子は1クラスに1人はいるらしいがランクも低く不登校状態だそうだ。
◆◆◆
小学校に通うとして…凄く気になった事がある。
前の世界では『可愛すぎる』『日本一可愛い』そんな小学生がいた。
『可愛すぎる中学生』もいた。
この世界に居るような気はする。
流石に『日本一可愛い』そんな子なら、恋愛勝者、いわゆる勝ち組だから、男に飢えて無いんじゃないだろうか?
そう思った。
ネットで調べると『綾瀬 亜美』(あやせ あみ)という女の子がヒットした。
確かに凄く可愛い。
黒い髪に綺麗な瞳、手足はすらっとしていてバレエでもやってそうな感じだ。
前の世界に皆の妹っていわれたアイドルが居たけど、それすら比べ者にならないな。
しかも、子役に歌にアニメの声優までこなすか…凄いた。
流石にこんな子は別格だろうな。
サイトにファンクラブの募集まであるんだから。
しかも『月会費3万円安くてゴメン』ってどう考えても高い。
『今すぐ入会! これで亜美ちゃんは君の物だ』
『ここでは言えない凄い特典あり』
そんな記載もあった。
どんな子か更に調べたら、歌もうまいし演技も上手い…
3万円か、少し高いけど良いか…
入会してあまりよく無かったら退会すれば良い。
思い切って僕は綾瀬亜美のファンクラブに電話をしてみた。
「はい、こちらは綾瀬亜美ファンクラブ、あっ青ランプ男の子だ」
「はい男です、もしかして男じゃ不味かったですか?」
「いえ、そんな事ありませんよ、アイドルは男性が目当てですから」
◆◆◆
『亜美ちゃん、本当に男の子だ』
『嘘、だけどどうせブサイクよね』
『そんな事言わないの、ようやくかかってきた男の子の電話なんだから』
『解っているわ、ブサイクでもラッキーなのは間違い無いもんね』
◆◆◆
「そうなんですか?」
アイドルが男性目当て?
「はい、今直ぐに変わりますね」
「変わりますって誰にです?」
「亜美ちゃんに決まっているじゃないですか?」
「本当に? 綾瀬亜美と喋れるんですか? まだ入会もお金もまだなのに?」
「はい、もし亜美が見たいならテレビ電話モードでも大丈夫ですよ」
「本当に?」
「はい」
◆◆◆
「亜美、テレビ電話でも大丈夫だって」
「本当? 普通レベルの子かな、緊張しちゃうよ…どうしよう」
「良いから切られる前にでなさい…良いわね」
「はい」
◆◆◆
「初めまして…皆のアイ…ううん貴方のアイドル綾瀬亜美です、宜しくね」
「こちらこそ宜しくお願いします」
「名前教えて貰えるかな?」
「水野正平って言います」
「正平くんっていうんだ! 正平くんって凄くカッコ良いよね、何歳?」
「11歳だよ」
本当の所は解らないけど、この年齢に決まったんだよな。
「そうなんだ、そうしたら亜美と同い年だね、えへへ嬉しいな」
「亜美ちゃんってアイドルなんだよね凄いね」
「そうかな、ただ亜美は一生懸命なだけだよ! 頑張らないと男の子と仲良くなれないから」
「亜美ちゃんは可愛いから大丈夫だよ、歌も上手いし演技も上手いよね、しかもアニメの声優まで凄いよね」
「本当にそう思う? 嬉しいな、凄く頑張っているの…それより可愛いって本当? 正平くんはそう思ってくれるの?」
「うん、本当にそう思うよ? そう言えば入会したら『これで亜美ちゃんは君の物だ』『ここでは言えない凄い特典あり』って書いてあったけどプロモーションDVDとか貰えたりするの?」
「下に小さく『※気にいって貰えたら』とかいてあるよね」
「ああっ本当だ、じゃぁ駄目か、残念」
「ううん、違うよ、亜美は凄く正平くん気にいったよ」
アイドルって凄いな子役でもこんな表情ができるんだ。
「それじゃ何か貰えるの?」
「うん、亜美をあげるって言いたいけど子供だから残念ながら『友達』かな、大人だったら結婚前提なのに残念だよね」
「はい?」
「勿論、亜美を受け入れてくれたんだもん、特典として私のギャラでもなんでも欲しい物全部あげるよ、CDなんか買わなくても私が目の前で歌ってあげる」
「はい?」
「それじゃサインしてくれる?」
なんだこれ?
気がついたらサイト越しにサインしてしまった。
「それじゃ正平くんまた後でね! 大好きだよ、愛しているよ」
そのままビデオ通話は切れた。
◆◆◆
「正平さん、今徳永さんから連絡がありまして、綾瀬亜美の事務所から『友達』になったからと『ご学友スペース』の受け入れ要請がありましたけど、本当ですか?」
「琴美さんこれ…」
「契約しちゃってますね」
「あの子、日本一のアイドルだよね…こんな事ってあるの?」
「記憶喪失だから仕方ありませんがアイドルを他の文字に直すと愛ドル、つまりは愛をお金で買うそういう人達ですよ、男性に見て貰う為にTVやWEBにお金を払って露出して、高いお金を払ってプロダクションに売り出して貰うんです」
あっ『月会費3万円安くてゴメン』..よく考えれば貰えるお金じゃないか…亜美ちゃんが僕に払うのか?
「はいはい…解りました、はい、少しお待ちを、正平さん明日、綾瀬亜美が引退記者会見を開いて明後日からこちらへ来るそうです、キャンセルしますか?」
頑張っているよな…亜美ちゃんは…
歌に踊りに演技に声優…努力家だよ…
『友達』なら良いや。
「OKって伝えといて」
「正平さん解りました…はいOKです、但しこちらの身元は絶対にばれない様にして下さい…はい、はいお願いします」
「なんだかゴメン」
「いえ…ですが常識が身に着くまで、スマホもネットも制限を掛けますね」
「了解」
「とはいえ、Cランクなんで交際義務が発生するまえに自分から交際相手を探してしまうのも悪くは無いですよ」
「あとで詳しく教えて」
「それも解らないんですね」
本当に解らない事ばかりだ。
第12話 引退発表
凄いな、新聞を見たら『綾瀬亜美 引退』の記事ばかりだ。
しかもテレビも同じ。
流石『日本一可愛い小学生』なだけある。
だが、このインタビューもやはり可笑しい。
「綾瀬 亜美さん、男性と『友達』になるって本当ですか?」
「はい、素晴らしい男の子が私を気にいってくれて友達にしてくれたんです」
「その男性はどんな方ですか?」
「一般人なので詳しくは言えませんが、テレビのトップ男優なんか目じゃない位の美少年です…世の中の男は馬鹿ですよね、さっさと私を選ばないから…もう私は1人だけの者です」
「その発言は男性に嫌われますよ」
「もう私は1人の男の子の者です、私を選ばなかった男なんてどうでも良いのよ」
確かに…亜美の言う通りだ。
なんで『日本一可愛い』そんな子を野放しにするのだろう。
琴美さんから交際義務の話を聞いた。
女の子と絶対に付き合わなければならないなら…可愛い方が良いのに…
「そんな『美少年がアイドルと付き合うわけが無い』そういう意見が多いですがどう思いますか?」
「言わせて置けば良いですよ…私明日から『男性専用宿泊施設』の『ご学友スペース』で暮らしますから…これが証拠になりませんか?」
ただの友達になる…それだけなのに…こんな騒ぎに何でなるんだ。
「そんな…学生の憧れ『ご学友スペース』に入られるんですか?」
「凄いでしょう?『これで亜美ちゃんは君の物だ』これをね気にいってくれたみたいなんです…テレビ見てくれているかな…もう亜美は髪の毛からつま先まで全部、君の物だよー-っ」
「そんな積極的な方、居ませんよ…ランクはなんなんでしょう?」
「マネージャーさん、これ教えて良いの?駄目なんだ…個人情報で駄目なんだって…ですが凄いランク、うふっそれだけ伝えておきますね」
「あのジャクシャープロの社長さん、コメントを」
「大体、芸能人になっても男なんてゲットできない!アイドルや女優になっても縁が無いから芸能プロが悪い…そんな事ばかり言うじゃない…うちの亜美見てよ、頑張ったから小学生なのにもう男に気にいって貰って『ご学友』だよ…きっと彼女なら2年以内に絶対にガールフレンドに成れる、そこ迄私達は教えた、誰が悪いか? これで誰が悪いか解ったでしょう…努力しないお前らが悪い、それだけだ」
「今回のお話で、在籍したいという方が押し掛けたとの事ですが」
「もし本気で頑張るなら、第二の亜美に成れる、ジャクシャープロはやる気のある子は大歓迎するわ」
「はい、ありがとうございます…亜美ちゃんに戻します」
「見てくれているかな! 明日から亜美は君だけの者だよ…「クリ亜美」も「スターライト亜美」「亜美の空」も全部打ち切りにしたからね、この続きはもう君しか見れない…君だけに生で見せてあげる」
「ちょっと待って下さい、あの番組全部辞めるんですか?」
「だって亜美は一人の者だもん…」
「男性視聴率がある少ない番組ですよ」
「さっさと交際をしないからこうなるのよ…知らないよ…それじゃさようなら」
◆◆◆
琴美さんにエルミナさんに千鶴さんと一緒にご飯を食べている。
琴美さんにお願いしてステーキにして貰った。
「もう驚きませんが、正平さんは女の手料理を食べられるんですね」
「普通に食べるでしょう?」
「正平様、普通は女の手料理なんて男は食べませんよ? まさか私が握り飯を作ったら食べてくれたりしますか?」
「千鶴さんが握ってくれるの? 勿論食べるよ」
「それじゃ、お昼に私が作ってあげるよ」
「本当…楽しみだな」
「正平様、握り飯よりサンドウィッチは如何でしょうか? このエルミナが腕によりを掛けて作りますわ」
「待て、私が先約だ遠慮して欲しい」
「順番なんて関係ないですわ」
「待って、両方とも食べるから喧嘩は止めて」
「「はい」」
「琴美さん、たかがご飯を食べるだけでなんでこんなに喜ばれるの?」
「本当に大変ですね…男性で手料理を食べる人なんて僅かですよ…誰でも喜びます…この際だからお二人にはこの間話さなかった事を話しますね…深くは聞かないで下さい…正平さんはAランクです、誤魔化してCランクにしていますが…」
「やっぱりそうだったのですわ、流石正平様ですわ」
「やはりな、そうじゃ無いと説明がつかない」
「余り驚かないのですね」
「目を見て話す少年がCランクな訳ありませんわよ」
「そうだよ…最初から可笑しいとは思っていたよ…Aなのには少し驚いたけどね」
「これは他言無用でお願いしますね」
「死んでも言いませんわ」
「私もそうだよ…安心して」
「お願いしますね」
「僕からも頼むね」
「はい、正平様の秘密は死んでも言いませんわ」
「うんうん、喋る位なら切腹するから」
「ありがとう」
そこ迄言わなくても良いのにな…
◆◆◆
「さっき亜美ちゃんの引退のインタビューがテレビでやっていたけど『友達』位でなんで騒ぐのかな」
「騒ぐに決まっていますよ、男性が必要として友達になる凄い事じゃ無いですか?」
「そうかな…だけど麻里奈なんて連絡先を教えたのに電話も来ないよ」
「あの…正平様知りませんの? 基本的に電話は男からしか掛けれませんわ、友達でも同じですわよ」
「本当に?」
「そんなの常識だよ」
「不味いな、麻里奈と連絡先交換したのに一回も連絡してないや」
「放って置いて問題無いですよ」
「子供から甘やかすと碌な者になりませんわ」
「私もそう思うな」
いや、俺だって子供なんだけどな。
仕方ない、後で連絡してあげよう。
放置は可哀そうだ。
第13話 麻里奈のルーツ
「酷いよ~正平くん…麻里奈は麻里奈はもう連絡が来ないと思っていたよ~」
完全に泣く寸前の顔だ。
知らなかったとは言え傷つけてしまったようだ。
「ゴメン、僕記憶が曖昧だから、まさか女の子から連絡が出来ないなんて思わなかったんだ」
「そう…だけど『ご学友』決まったんだよね…綾瀬亜美ちゃん…凄く可愛いよね」
「そりゃ日本一だから可愛いのは当たり前だよ」
「グスッ、すんすんグスッ…麻里奈だってもっと美人に生まれたかったよスンスン…でも生まれつきなんだから、仕方ないよグスッグスッうええぇぇぇぇぇぇー-ん」
最初に言っておくが麻里奈はブスじゃない。
はっきり言えば美少女だ…但し系統が亜美とは違いエロ本系。
昔のロリコン写真集の表紙を飾るか、大人になったらアダルトDVDの単独AV嬢になるような感じに見える。
この世界にはビッチは居ない。
だが、どう見てもロリビッチにしか見えない恰好をして雰囲気までそれだ。
「泣いている所悪いが…麻里奈のその服装に拘りがあったりするのか?」
「すんすん、これ…これは麻里奈のご先祖様が着ていて …凄くモテた服を模して作って貰ったのグスッグスッ…今じゃ変態みたいに思われるけどねぇ…麻里奈は…」
上條麻里奈?…まさかな…
だが、言われてみれば似てなくもない。
あの子を子供にしたらこんな感じかも知れない。
「なぁ麻里奈…ちょっとお願いして良い」
「グスッ…良いよ、麻里奈、正平くんがしたいなら、何でもしてあげるよ」
「人差し指と中指を口の中に入れて咥えてみてくれるかな?」
「うん、こふっ」
見れば見る程似ている。
麻里奈の着ているあの服…あれだ。
有名な…そうだ…あれだよ、あれ
「正平くん…グスッ、もう麻里奈に飽きちゃったんだぁぁぁぁー-」
「何でもするから、お金だって稼いでちゃんと貢から…ねぇ」
ダメだ、後少しなのに思い出せない。
「大人になったら、お金稼いで全部上げるからグスッグスッ捨てないでよ…怖いよなにか話して…」
思い出した…上條まみ
有名なAV女優じゃないか?
「あのさぁ、もしかして麻里奈のご先祖様って上條まみじゃないのか?」
「嘘、正平くんが何でしっているの? グスっすんすん」
知っているも何も…散々お世話になった方だ。
まだDVDも無くVHSかベータ―というビデオがようやく普及された時代、今みたいなアダルト作品が安く無いからレンタルビデオで良く借りたわ。
1000人斬り、日本一裸でいる時間が長い女…そしてロリビッチの女王(本当は20歳だが中学生に見える)と呼ばれた伝説のAV嬢、そして俺のホスト時代の客でもあった…まぁ来たときはおばさんだったが、その子孫だから、そう見えるのか…まぁ良いや。
「所で麻里奈はなんで泣いているの」
「だって、正平くんに『ご学友』が出来たらもう、その子と将来決めちゃったんでしょう…良いよもうグスっさようなら…」
「何でそうなるんだ?」
「だって男の子は女の子が嫌いなんだもん…だから義務の女の子1人決めたら…もう女の子なんてうえぇぇぇぇぇー-ん」
泣いている麻里奈から時間を掛けて、ようやく聞けば『ご学友』の義務は1人だけ…2人目を望む男は少ないらしい。
だから泣いているのか?
「麻里奈、何でもするって約束忘れるなよ…ほら申請してやるから出せ」
「グスッ 出せってなにを…」
「ご学友の申請画面だよ…サインしてあげるから」
「嘘…本当」
「急がないと気が変わるかもな」
「急ぐから、急ぐからー-っ切らないで…お願い」
「どうしようかなー-っ」
「嫌だ嫌だー-っ出したよ、麻里奈だしたよ」
凄いなMの才能があるのか、何故か虐めたくなる。
「約束だ、サインしてやるよ…」
この後、琴美さんに「いい加減自重してくださいね」とやんわり怒られた。
第14話 水商売ゴッコ
「たったこれだけの間に『ご学友』が二人…流石はAランクな事ありますね…ですが本当に気を付けてくださいね」
「何か不味いですか?」
「社会という意味なら素晴らしいですよ…沢山の女性と恋愛して子作り…それは男性の鏡です…ですが、そんな男性は世の中に居ないんです!」
「恋人や結婚ならまだしも、只の『ご学友』友達になっただけ…大げさだよ」
「本当に価値が解ってないんですね…公立の普通の小学校だと1クラス40人の中に男子は1人しかいません…それで5クラスあったとして200人に5人、しかもその5人は引き篭もりの可能性が高い」
「まさか…誰も登校すらしないんですか?」
「公立は籍だけ置いてくれれば良い…そう思っているからその通りです…私立はお小遣いとして登校してくれば1日50万円払ったりしています…それでも毎日は登校しない…これがどういう事か解りますか?」
なんだ、それ…
「つまり、頭が良くて頑張っている女の子で、男性に会えたらその日はラッキー…ブサイクな男にでも話せたら超幸せ…それがこの世界の常識ですよ…」
「それ琴美さんも該当しているの?」
「私は…研究員でしたから、少しは余裕が…あっ」
僕は琴美の髪に手を触れてみた。
「琴美の髪って凄く綺麗だ…いつも輝いていて宝石みたいだよ」
「なっなっなぁぁぁぁぁー-」
「瞳はまるで綺麗な湖みたいで見ているだけで吸い込まれそうだ」
「あのあのあの…正平さん…私どうすればいいんですか? 何か」
「これでどうかな? 琴美さんは今日1日幸せでいられるの?」
「あはははっ冗談ですよね…私は耐性があるから大丈夫ですが…そのセリフ言われたら、大抵の事はしてくれますよ」
「そういう冗談は止めよう…本気にするから」
「冗談じゃないんです…本当に気をつけて下さいね」
◆◆◆
確かに男女比が偏った世界だから男性が優位なのは解る。
だけど、見かけたり、話すだけで、そこ迄幸せを感じるのは少し可笑しい気がする。
本当なのか今一実感が沸かない。
警護してくれている二人だって僕が容姿で選んでいるから『凄い美少女』だ。
こんな綺麗な少女がモテない…本当か?
考え事をしていると千鶴と目が合った。
恥ずかしそうに目を逸らした。
千鶴は、僕が住んでいた世界なら剣道少女に見える。
多分だが、あの世界に居たら『美しすぎる剣道少女』とか言われそうだ。
「千鶴さん…少し良い…」
「はい何でしょう? 私になんて気を使わないで良いんです…態々聞かなくても『おい』とか『すぐ来い』で充分です」
僕の知っている『オラオラ系のホスト』じゃないんだから。
前世も含んで僕には言えないな。
「この施設にはお酒も飲めるラウンジがあるらしいから行ってみない? 最も僕も千鶴さんもまだお酒は飲めないから、ジュースを飲むだけだけど? どうかな?」
あれ、駄目なのか…ほらやっぱり…
「うれしい…」
「えっ…」
「うれしい…私、男性から誘われた事なんて生まれてから一度も無い…一緒に飲み物を飲んでくれるなんて夢みたい…良いんですよね?本当に私で良いんですよね?」
「勿論」
あれ…なんで柱からエルミナがこっちを見ているんだ。
しかも泣きそうな目で…
「エルミナさん…どうかしたの?」
「羨ましい…ですわ…正平様はそんなにも千鶴が好きなのですね…」
うわ…歯を食いしばりながら唇を噛んでいるから、血が出ているよ。
琴美さんの言っている事は本当なんだな…今度からしっかり話を聞こう。
「それじゃエルミナさんも行こうか? お互いお酒は飲めないけど、雰囲気だけでも味わおう」
「嬉しいですわ…私殿方と一緒に飲食をともにするなんて初めてですわ…こんな日が、こんな日がくるんて…幸せですわー――っ」
たかが一緒にジュースを飲むだけでこれ?
小学生の僕でも…すぐにホストに成れそうだ。
「それじゃ…はい…」
「これは…?」
「これは何を意味しますの?」
「折角だから、腕組んでいこう…その方が楽しそうでしょう」
「あぁぁぁぁっ良いの? 本当に良いの?」
「宜しんですの? あの私お金払いましょうか?」
「別に良いよ…この位」
僕は前の世界でホストになったのは女性にモテたいからだ。
その頂点がホストそう思ったから…
可愛い子に何もしないでモテるなら…お金も要らないな。
こんな事言ったら水木オーナーに説教されそうだが…
まだ躊躇している。
「それじゃ行こうか」
「ああっあそんな、これ」
「こんなの私小説でしかしりませんわ」
二人の手を強引にとり、廊下へと出た。
◆◆◆
騒ぐ、騒ぐ…前の世界なら同伴出勤、しかも両手に花、これぞホストの花道。
最も、腕を組んでいたけど、僕が子供で背が低いから、見栄えが悪い、だから手繋ぎに変えた。
最もただ手を繋ぐだけじゃない…恋人繋ぎだ。
「嘘…同じ男でもランクが違うとこうも、違うの?」
「私なんか、口も真面に聞いて貰えないのに…」
「Cランクって…手まで繋いでくれるんだ…Fランクとは大違い」
「変わって欲しい…変わってくれるなら全財産差し出す」
「あの環境がたかが数千万で手に入るわけないわ…金よ、金」
「なら幾らなのかな?10億円?」
騒いでいるのが聞こえてくるけど…凄く勿体ないな。
二人には見劣るけど…全員がそこそこ美人だ。
誘っても良いけど、他の男性に付いている女性に声を掛けるのはマナー違反だしトラブルの元と琴美さんが言っていた。
『絶対に守って下さいね』そう言っていたから…諦めよう。
「此処がラウンジか…なかなか良い雰囲気だ…」
ああっ懐かしいな…こういう場所は変わらない。
水商売の雰囲気…棚に並んだお酒。
最高だ…
「いらっしゃいませ…身分証明書を…あらやだ未成年」
「雰囲気だけでも味わいたくて、いけませんか?」
「そうね…アルコールは駄目だけど…他のメニューなら良いわ」
「ありがとう」
「….」
「どうかしました?」
「C級って凄いのね、女性と話せてお礼まで言えるなんて…」
「正平様は限りなくBに近いC+なんですわ」
「C+ですって、Cですら凄いのにその上位者…流石ですね」
ボックスシートに案内されて三人で座った。
コーラを飲みながら、ナッツとキスチョコを食べているけど…なんか違うな。
二人とも目が合うと嬉しそうだが…盛り上がらない。
流石にコーラじゃな…少しだけ雰囲気変えるかな…
「お姉さん、ちょっとお願いして良い?」
「はい、何でもおっしゃって下さい」
僕は、コーラとジュースのペットボトルと氷とレモンの輪切りとグラスを貰った。
「千鶴さん…グラスが空いているよ…」
「うん、喉が渇いてつい飲んじゃった」
「そう、それじゃお代わりつくるね」
僕は新しいグラスに氷をいれレモンを入れた。
「千鶴さん、ジュースとコーラどっちが良い?」
「…ジュース…」
僕はジュースを注ぎ軽くマドラーでかき混ぜて、素早くコースターの上に差し出しだ。
「どうぞ…」
完全に錆錆だ。
体が子供になったせいか…気の利いたセリフや歯の浮くセリフも出ない。
所作も駄目だ…見習いホストにすら及ばないな。
「あれ…飲まないの?」
千鶴は顔を真っ赤にしてジュースを見つめている。
「男の子が…正平様の手作りのジュースなんて飲めません…持ち帰って凍らせて宝物にします」
駄目だな…
これじゃ、面白くないな…
「千鶴ちゃんの良い所…カッコ良い所見てみたい…それいっき、いっき、いっき」
「正平様? 私はどうすれば…」
「それを僕のリズムに合わせていっき飲みして…そうしたら次をすぐ作るから」
ドンッ
「飲みましたわ」
僕はさっきと同じように素早く飲み物をつくりに掛かる。
「エルミナちゃんはジュースとコーラどっちが良いですか?」
「こコーラでお願い致しますわ」
「了解…はいどうぞ…それじゃ…エルミナちゃんの良い所、カッコ良い所みてみたい…それいっき、いっき、いっき…どうもでした~」
「正平様…次をお願いしますわ…今度はジュースで…」
「待って、今度は私の番です」
「そうだね…それじゃエルミナさんも僕の真似をしてくれる?」
「解りましたわ」
ちょっと違う気もするが…楽しんで飲んでいるから良いか。
しかし僕はダメダメだな…昔学んだ事が何も出来ない。
体が子供だからか…精神まで子供になった気がする。
◆◆◆
「ゲプッ…正平様…聞かないで欲しいですわ」
「ゲプッゲプッ お願いします」
「気にしないで良いよ…炭酸をあんなに飲んだらそうなるって」
二人して1.5リットルのペットボトル5本も空ければそうなるよ。
第15話 歓迎会
明日には、亜美が此処に来る。
『日本一可愛い小学生』
確かに凄く可愛いし、将来も絶対に楽しみだ。
前の世界だったら、小学生でナンバー1の女の子。
同級生は勿論、大きなお友達まで何万もの人間を虜にするに違いないな。
それがたった1人の男を射止めるのも難しい。
しかも、その1人は同年代の俺位の人間から老人まで含んでだ。
つまり、80代の老人でも小学生と付き合える。
恐ろしい世界だ。
琴美さんに怖いと思いながら聞いてみたら…
『80歳の老人ですか? 流石にお金がある可愛い子は躊躇するかもしれませんが…普通の子なら受け入れると思いますよ』
マジかこの世界…すげーな。
老人は兎も角、40歳位であれば、普通にアイドルやグラビアアイドルが結婚を迫ってくる…しかもブサイクであっても。
なんて凄い世界なんだ。
諸事情で麻里奈が此処に来るのは1週間位は後になる、琴美さんの話では、アイドルでありプロダクションに所属している亜美は全ての手続きをプロダクションがしているから早い…そういう事らしい。
俺は今、パーティルームを借りて飾りつけをしている。
私→僕→俺と目まぐるしいが、琴美さんからの強い勧めで亜美が来る前に『俺』に変える事にした。
この世界の男は横暴で『僕』『私』を使うような男は居ないそうだ。
女の子の名前すら覚えない男が居るらしい。
エルミナさんも千鶴さんにも目立つと言われたので…『俺』にするしかなさそうだ。
「それで正平さんは、なんでそんな飾り付けをしているんですか?」
「明日から亜美が此処にくるんだから、歓迎会位してあげても良いんじゃないか?」
「「「歓迎会?」」」
あれ、可笑しいな? 歓迎会が解らないのかな。
「歓迎会、解らないのかな?」
「いえ、男性がくるならいざ知らず、女が来るのに歓迎会ですか?」
「え~と、そんな必要ありますか?」
「そうですわ、女に歓迎会なんて無駄ですわ」
どうやらこの世界じゃ歓迎会は男にしか開かないようだ…
「いいんだ、それでも新しい子が仲間になった時にはこう言う事をしてあげたい…それにこれは遅れたけど、琴美さんやエルミナさんや千鶴さんの歓迎会も兼ねているんだ」
「そんな、私も、なのですか?」
「わ私も?」
「私もなのですか?」
「そうだよ…あっ準備は手伝わないで良いからね、俺が全部用意するから」
手伝いたくてこっちを見ている三人を追い出した。
◆◆◆
こう言う準備はお手の物だ。
やれ先輩ホストの誕生日だ、なんだと新人時代は随分とやらされた。
シャンパンタワーは無理だから同じようにグラスを並べて…炭酸シャワーだな。
本当に此処は楽だ、買い出しは徳永さんに言えば何でも調達してくれる。
クラッカーに飲み物、料理の材料。
俺がその場で作っても良いんだが…そうしたら会話を楽しめない。
だから立食式で良い。
ケーキは作れないから頼んだ。
パスタにチキン料理…フライパンを使ったら思うように扱えない。
だが…これは…俺が作る…なんでだ。
俺はこの世界の人間じゃない。
焦がした…子供だからと甘えない。
俺がもてなすと決めた。
女だから『歓迎しない』それはこの世界のルールだ。
俺のルールじゃない…
なんで俺はむきになる。
そんな事しなくても…モテるだろう。
そうか…本当にそうか?
違う…俺が見たいのは…違う。
俺が見たかったのは…なんだ。
たかが、おままごとみたいな水商売。
それでも二人は笑っていた…あの笑顔が見たい。
そうだ…俺は…俺はホストだから…
女を喜ばせる事…それが俺の誇りだからな。
じじいになって迄追った夢だからだ。
なんだ…気合を込めたら、どうにかなったな。
飾り付けOK。
カラオケOK…
食事に飲み物OK…
準備は完璧だ。
◆◆◆
三人に亜美を迎えにいって貰った。
もうすぐ…此処に亜美がくる。
ドアが開いた。
「正平くん、貴方の亜美が来ました~」
「亜美ちゃん、君を歓迎するよ…君の為に歌を作ったんだ、伴奏も無いけどね…」
残念な事にこの歌はこの世界に無かった。
本当はパクリだ…だがない以上はしょうがない。
「曲は『悲しい男 頑張って歌うね』」
「ううっ嘘…正平くんが歌ってくれるの?」
『悲しい男』とはホストが歌う定番の曲で…好きな女の子にキャバクラを辞めて欲しい…傍に居て欲しいと切に願う歌だ…ただこの曲は男の弱さを歌った歌で…ひたすら縋るような歌だ。
このキャバクラや水商売の歌詞をアイドルに変えて歌ってみた。
「君といたいんだー-っ」
「なんて歌、歌うんですか…悲しくて、悲しくてあああー-っ」
「こんな馬鹿な女が居たら斬る、殺す」
「こんなの悲しすぎますわ…こんなの…涙が止まりませんわー-っ」
「正平くんグスッグスッ…言われなくても亜美、アイドル引退してきたんだよ…もう正平くんだけの者なの…だから悲しまなくて良いんだよ…傍から離れないから…ずうっと..スンスン…傍にいるからね…悲しまないで良いんだから…」
確かに、気持ちを込めたけど…歌だよ。
麻里奈の時と違って亜美ちゃん…プロだよね…歌っているじゃん、ラブソング。
どうしよう?これ。
◆◆◆
「正平さん…歌は禁止します! 流石にこれは心臓に悪いです…人によっては死人がでます」
「真面目に気をつけよう…死人がでる」
「確かに怖いですわね、ですが私は正平様の歌好きですわ、他の方が嫌なら嫌なら嫌ならわたわた…私が聞きますわ」
「エルミナ、お前呂律が可笑しい」
「私は可笑しくありませんわ、ことよ」
「驚いたぁ~まさか男の子が、私の為にラブソングを歌うなんて思わないよ!ありがとう正平くん、私をご学友に選んでくれて、捨てられるまで、正平くんが楽しい人生を歩めるよう頑張るね」
「なんで捨てるのが前提なの…そんな事するわけないじゃない」
「嘘…凄く嬉しい…11年生きてきた中でこんな事が起きるなんて…何でも亜美してあげるよ」
「あの…今捨てないと言いました? 私もそうなのですか?」
「私もそうなのかな…嘘じゃ無くて」
「私もそうなのですか? 嘘とか言いませんわよね?」
「え~と普通そう言うもんじゃ無いの?」
「正平くん…凄く嬉しい…何が欲しいの? お金、それとも…」
この環境で、他に何が欲しいんだ…他の男は。
「それじゃ、亜美ちゃんに歌って欲しい」
「うん! 解ったわ、亜美、正平くんの為に歌うね…」
凄い…これが小学生とはいえアイドルの力なんだ…
俺とは全然違う…
歌に合わせて手拍子をするだけなのに…3曲も連続して歌ってくれた。
「流石、元アイドル凄い…」
「正平くんが喜んでくれるなら、幾らでも歌うよ」
俺はクラッカーを使った。
パンッという音に合わせて…
「亜美ちゃん、これからもよろしくねー-っ」
ただ、それだけの事なのに泣き出した。
炭酸ジュースのタワーに料理が手作りだと言っただけで泣き出す。
俺は女の子の笑顔が見たい。
こんなに喜んでくれるなら…
この程度毎日したっていいんだ…
本当にそう思った。
第16話 キスマーク
歓迎会は面白かったな。
麻里奈がくるまで6日間。
二人と話しあって、そこから小学生としての俺の生活が始まる。
そう言えば、俺はホスト時代に枕営業をしていない。
折角ホストになったのに…もう枯れていてそう言うことをしなかった。
やろうと思えばできたが…老人ホストにそんな物を求める人間は居ない。
ただ、ただ安らぎを求めてくるだけだ。
折角だから…少しだけでも雰囲気を味わってみるか?
少しはだけたシャツを着て…誰の所に行こうか?
亜美は幾ら大人びていてもまだ子供だ。
琴美さんは…反応が薄い。
そう考えたらやるのはエルミナさんか千鶴だ。
どちらか考えた末、俺はエルミナさんにいたずらをする事にした。
まだ、朝は早いから寝ている。
同じ部屋で鍵も掛かってないから、こっそりと部屋に入り少し毛布をずらした。
傍で見たらやはり凄く綺麗だ。
綺麗な銀髪に整った顔立ち、まるで人形みたいだ。
それが僅かな光に輝いて綺麗だ。
こんな綺麗な子がこの世界ではモテない…凄いな。
俺は着ているネグリジェに手を掛け、少しずらした。
これ以上はしない。
そして気がつかれない様に毛布に潜り込み、エルミナが起きるのを待った。
なかなか起きないな…
可愛らしく綺麗な顔を見つめていると…目があった。
「う~ん正平さん…ですわね…えっ、えー―――っ」
「エルミナ、昨日は凄く楽しかったよ…じゃぁ」
そう言いながら首に手をまわし…首筋にキスマークをつけるようにしてキスをしてその場を立ち去った。
「正平様…嘘ですわ、そんな夢の様な体験をしたのに…記憶が、記憶がないのですわー――っ」
後ろから叫び声がしてきた。
面白そうだから、暫く様子を見ていた。
こういう反応いいな…
「ごめん、嘘をついた…本当は何もしていない」
「そうなんですの? だけど…凄いですわね、これがA級…凄いですわ…」
「俺は何もしていないぞ…ただ同じ布団に入って暫く様子を見ていただけだ」
「それが凄いのですわ…普通の男は、そんな事できません、多分ほとんどの男は同じ状況で吐きだしますわ」
そんな勿体ない…女性の良い匂いがして最高なのに…
「そんな、エルミナさんは凄く綺麗だし、いつまでも見ていられるよ…それに匂いもうん良い匂いだ」
「そんな、そんな事言ってくれた人は居ませんでしたわ…嬉しいですわ」
「そう、そんな事で喜んでくれるなら、今度は本当に泊まりにこようかな?」
「本当ですの…本当だったら、凄くうれしいですわ」
この状態になるまで前の世界ではどれだけ大変だったか。
しかもこの世界…此処から体の関係に簡単になれる。
すごいな。
「そう言えば…正平様、先程、私の首筋に何かされましたわね…」
「あれはキスしただけだよ」
「きききききききききキス…キス…あれがキスなのですわの事」
壊れた。
まさか、この世界、キスすら女が知らない…訳ないな。
「あの、エルミナさんキスの経験がない? あと知らないの?」
「キスなんて経験あるわけありませんわー-っ、そそそそそんな夢みたいな話…あれ、確かにキスですわー-っ」
俺は手鏡を渡した…
「一応、キスマークを付けたよ…それじゃ、朝食に先に行っているね」
「キスマーク…嘘、嘘、こんな凄い….あー-あっ凄いですわ」
うっとりとした表情で首筋に手をあてて喜んでいる。
本当に前の世界じゃ信じられないな。
第 17話 キスマーク?
「エルミナさん、虫に刺されて痒いんですか? お薬持ってきましょうか?」
「これは…駄目ですわ、治らない方が良いんですわ」
「なんか怪しいな? あれやはり痣じゃないか…まぁ大した事じゃなさそうだけど」
「違いますわ…これは、キスマークなのですわ…その正平様につけて頂いたのですわ」
何だか、二人とも怖そうな、泣きそうな顔でこちらを睨みつけてくる。
首筋にキスマークつけただけだよ?
口にキスしたわけじゃないし…そこ迄の事じゃ…
もう良い、解った。
この世界じゃ『そこ迄の事』なんだよな。
何となく、解っている。
前の世界じゃホストとはいえ爺ちゃんホスト。
話術と落ち着いた雰囲気、それを醸し出すしかなかった。
若いホストが気軽に抱きしめたりキスしたりするのが凄く羨ましかった。
幾らカッコよく振舞っても、爺さんは爺さん、お客は癒しを求めてくるから、それは出来ない。
流石にあの年齢では、それは出来ないな。
だが、今なら普通に出来る。
「千鶴さん、そんなに羨ましいの?」
「羨ましいに決まっています…当たり前じゃ…ああっ嘘」
俺は千鶴のブラウスのボタンを二つ開けた。
するとピンクの可愛らしいブラが見えた。
『きゃぁ~』とか期待していたのだけど…駄目だ。
この世界じゃこの行為位は嬉しいだけ、だから悲鳴は上がらない。
鎖骨の下ブラの上の部分に俺は口をつけた。
「正平様…そんな、ああっ」
驚くどころか嬉しそうだ。
よく考えたら…この世界では完全にご褒美だ。
驚いたり、悲鳴なんて上げたりしないな。
「うぐっハァハァ、はいっ! ちゃんとつけたから…これで良いかな」
「正平様~ 心から、心からお慕い申しあげますふう~」
何だか目が随分うつろいでいる気がする。
呂律も少し変だし。
胸のすぐ上のキスマーク。
結構見方によってはエロいかも知れない。
琴美さんが直ぐに反応してきた…来ると思った。
だから…
「正平さん! 何をして…ああっそんなあああっ」
エルミナな千鶴にした位じゃ琴美は驚かない。
だからしゃがみ込みミニスカートから見える、太腿の内側に口をつけた、そのまま強く吸った。
此処なら流石に驚くだろう…
「そんな正平さんあああっ、そんな」
しっかりとキスマークがつくと、琴美さんはそのまま腰を抜かし、ソファに崩れ落ちた。
ピンポーン、ピンポーン。
玄関のチャイムがなった。
「正平くん、貴方の亜美が遊びに…」
よく考えたら、亜美は小学生とはいえ『ご学友』
将来は結婚する可能性もある…
それなら…良いよな…キスマーク位。
「亜美、今日も可愛いね」
「そんな正平くん…凄く嬉しい」
顔が真っ赤だ…だが流石はアイドルかなり耐性がある。
そう言いながら腰に手をまわして引き寄せる。
そのまま抱きしめて、顔を耳の後ろに近づける 耳の後ろ側に口を近づけて甘く囁く。
「本当…食べてしまいたい」
そのまま、力強く口ををつける。
「嘘、嘘、嘘…これは…これはキスなのでは…えっキス…正平くん嘘、キス…あああっああ…きゅうううっ」
嘘だろう。
目をまわして、そのまま気を失っちゃったよ。
ヤバいなこれ…
琴美さんも千鶴さんも様子が可笑しい。
可笑しいな。
この世界にはAランクは居なくてもBランクは居る。
Bランクは確か…
Bランク 女性に対して興味は薄いが、介助する事で勃起が可能。月1単位で性行為が可能。(現在は希少)
確かにBランクの男性と接する事は無くても、性行為をしている女性が居る…そう言うことだ。
なら、こんなに驚く事は無いだろう。
◆◆◆
「はぁはぁ、正平さん、流石にこれは私も驚きました…確かに嬉しいですが…」
「はぁはぁ…これは嬉しいけど、流石に驚いたよ、他じゃ不味いよ」
「ああっ、確かにこれは不味いですわ…」
「正平くん…ハァハァ…凄い…これがAランク…」
歓迎会の後に、亜美に琴美さんが俺がAランクである事を伝えたそうだ。
「だけどBランクの男性なら同じ事するんじゃない?」
「正平さん、記憶が無いから仕方ないのかも知れませんがBランクの男性はこんな事しません」
「そうなのか」
「「「「絶対にしない(ですわ)(よ)」」」
話を聞くと、Bランクの月一と言うのは、かなり時間を掛けて、それこそ半日近く掛けて刺激してようやく大きくなり性行為が可能になるらしい。
自発的な物じゃ無いみたいだ。
そんなに男が性に消極的だとは思わなかった。
第18話 グラビアアイドルはいない。
『アイドルやグラビアアイドル』そんな事を言っていた俺は…凄い馬鹿だ。
この世界に『グラビアアイドル』は居なかった。
よく考えたら、男性が女性を嫌いSEXに興味が無い世界で、グラビア写真集やAV等、あるわけが無い。
幾らPCにしがみついて調べても何処にも無かった。
逆にパンチラ写真は普通にプログなどを見ていたら普通に転がっている。
水着を期待して見て見たら…ほぼ前の世界の囚人服みたいな物しか無かった。
下着姿も男性が嫌うからか少ない。
簡単に言うと、パンチラや胸チラは無防備だから山程あるが…故意に肌を晒す写真や動画などは無い。
最も、普通にミニスカを履いている女性も多くいるが、これは運よく『もようした男性が萎む前に相手にする為』の昔の風習が残っている、そんな感じだ。
まだ、此処迄ひどくなる前は、勃起した男を見つけたら、そのまま連れ込んでやっていた…そこからミニスカ紐パンの服が一部で流行っている。
ちなみに琴美さんもエルミナ、千鶴、亜美もミニスカートに紐パン。
男性に選ばれた人間はこの服装に憧れるらしいが、現実は厳しく『見たくない』そう言われ長ズボンが多い。
男性関係の機関は、万が一を夢見てミニスカも多いようだ。
実に勿体ない世界だ。
俺がWEBに噛り付いているのには意味がある。
それは『この世界はほぼ早い者勝ちで女性が選べるから』だ。
この世界には、男性にはノルマが存在する。
例えば、小学生の時点で『ご学友1人以上』こんな感じのノルマがあり、歳に合わせて関わる女性が増えていく。
最も、男性は女性を嫌う傾向があるから『登録だけして一切会わない』そんな話も多くあるらしい。
それでも女にとっては『男の者になっている』そういうステータスは捨てがたいらしく、最初からそういう契約でも構わないからと望む女性も多い。
しかし…アイドルも結構辛いんだな。
亜美の報道が、未だにネットニュースで上位だ。
しかも『男を手にした事』で嫌われたみたいで好感度は物凄く下がっている。
昭和の頃のアイドルが結婚したらファンが離れていくから結婚は出来ない。
それに似ている気がする。
話は戻るが、この世界の女性は、男の誘いをまず断らない。
そして他の男性の者になったら、もうその女性と付き合う事は出来ない。
だからこそ、好みの女性が居たら速攻でアタックした方が良い。
最も、引き篭もりで女嫌いの男ばかりだから…あまり気にしなくても良いのかも知れないが…
麻里奈が有名なAV嬢の子孫だから未来なのか?
そう思っていたが…そうでもないらしい。
不思議な事に有名人の中に名前を知っている人間も居るし、知らない人間もいたし、歴史も違っていた。
『パラレルワールド』
それが一番近いのかも知れない。
しかし、ネットからテレビ、そこに出ている女の子が全部付き合える可能性がある…そう思えると目移りして困る。
もう既に二人は確保しているがもう一人位なら考えても良いんじゃないか…
あくまで小学生の中でだが…
麻里奈は偽物とはいえこの時代には珍しいエロい感じだ。
亜美は小学生のトップアイドル。
あと1人どんなタイプを選ぶべきか悩むな。
◆◆◆
良く考えて見れば、俺には既に芸能人のご学友が居る。
亜美に聞いて見れば良いじゃないか?
「芸能人でお勧めの子ですか…嘘、いや…もう亜美に飽きちゃったの…それで他の子を探すの?」
「そんなことは無いよ! 亜美ちゃんより可愛い子なんて居ない、ただ亜美でご学友は2人目なんだけど、あと一人位ご学友が欲しいなと思って…」
「そういう事…良かったぁぁぁー-、あっごめんなさい」
「別に良いよ、それで亜美ちゃんの仲の良かった子とかお勧めの子とか居る?」
「難しいよ…アイドル同士は表向け仲良くしているけど、本当は男性に選んで欲しくて足の引っ張り合いですから…実はちゃんとした付き合いが無いんです…お勧めと言えば『声優』とかどうかな?」
「だけど、声優なら亜美もしていたんじゃない?」
「うんしていたよ!『亜美お兄ちゃんだぁい好き』『亜美お兄ちゃんの事考えるとね眠れなくなっちゃうの』こんな感じかな」
凄い、普段の亜美もカワイイけど…この声は更に凄く可愛い。
「凄い、凄く可愛い」
「本当? だったら幾らでもやってあげるよ」
「ありがとう…だけど亜美がそこ迄出来るのになぜ『声優』がお勧めなのかな?」
「亜美が得意なのは『妹キャラ』『お姉ちゃんキャラ』だから、他のキャラは出来ないから…どうかなと思って」
「どうだろう」
「正平くんは男の子だから、お金が貰えるからコンサートとかイベントに行ってみるのもありかも…だけどね」
「どうした?」
「亜美が1番じゃなくちゃ嫌だよ」
そう言うと亜美は顔を赤くして部屋から出て行ってしまった。
取り敢えずは…ゆっくりで良いか?
今の生活でも充分楽しいから…
第19話 コンサート
亜美から話を聞いたから、コンサートやイベントが、やたら気になってきた。
無料どころかお金まで貰えるなんて凄い話だ。
何時もの様にネット検索で『日本一の声優』『小学生』で検索してみたら『森沢みう』という名前が出てきた。
緑色の髪にポニーテールに赤いリボン、顔は幼い感じだがスレンダーな感じの美少女だ…なにより驚いたのは、その報酬…コンサート握手付きで500万円。
これ、貰う方なんだから凄いよな…
しかし、他の女の子でも50万~100万は居るけど、この金額は凄すぎる。
俺は興味半分にスマホで連絡をとった。
◆◆◆
嘘でしょう…電話の青いランプが点灯した。
これは、男性からの直通電話だ。
「はい、お電話ありがとうございます、こちらムーンプロダクションです」
「森沢みうさんの問い合わせは…」
「こちらですが、どういったご用向きでしょうか? クレームですか?」
「いえ、握手つきコンサートの件です」
「握手つきコンサート…森沢みうで間違いないですか?」
「はい」
「あの..本当にみうで良いんですか?」
「はい」
「あの…男性ですよね」
「はい、男性です」
おかしいな…みうは完全に男性に嫌われているのに…
「ちょっと待って下さい! 今、みうに変わりますね」
「はい、お願いします」
「みう、男性から電話…コンサートの申し込みだって」
「どうせお金目当てのお爺ちゃんかなんかかな?」
「それでも貴重な男性ですよ」
「そうね、仕方ないわ」
「森沢みうです、私のコンサートの申し込みありがとう!」
「いえ、こちらこそ」
嘘、凄く若い気がする…絶対にこれお爺ちゃんじゃない。
「あのね、みうは12歳なんだけど、その幾つかな?」
「多分11歳だよ、ごめん名前を名乗ってなかったね、水野正平って言います」
「水野正平くんって言うんだ…私より1つ下なんだね、凄く澄んだ声している…素敵!」
「そんな、本業の子に言われるなんて照れちゃうよ、それでコンサートの予約なんだけど何時なら取れるのかな?」
「え~みうの方は何時でも大丈夫だよ? でも早い方が良いよね? 正平くんが良いなら…今からでもどう? 会場も直ぐ手配するから」
「会場手配って大変じゃないの?」
「ううん、正平くんが私のコンサートを見たいって、言ってくれたんだもん! みう頑張るよ!」
「だけど、良く考えたら俺、1人じゃ自由に出歩けないから、今日は無理だ、ごめん」
「そんなぁ…グスっ、みう…ようやく男の子の手が握れると思ったのに…ごめんね..つい…そういえば正平くん、何処に居るの?」
「男性専用宿泊施設だけど?」
「DSSSだね…なら大丈夫だよ、そこコンサートホールが幾つもあるから、そこに行くから」
「それなら大丈夫だね…それじゃ待っているから」
「うん、会えるのを楽しみにしてるからね」
まさか今の私に、こんな話がくるなんて…信じられないよ。
◆◆◆
凄いな…声優の女の子が…俺と会うのを楽しみにしている。
多分、前の世界なら、この子のライブやコンサートのチケットを取るのに凄く苦労して良い席を取るのには万単位のお金を払らう…そんな感じの筈だ。
しかし、なんで500万なんだ?
結婚を前提にした付き合いなら、確かにこの世のものとは思えない設定があったけど…コンサートの設定としては金額の桁が違う。
結局、俺はその理由を聞けなかった。
暫くすると徳永さんから『イベントコンサートを行うと電話が掛かってきているけど、本当ですか?』と確認の電話があった。
本当だと伝えると驚かれた。
そこから僅か1時間でコンサートの準備が出来たと連絡があり、会場に行ってみると…
なんだこれ…
席は1つしかない…だが、その席は電動リクライニングチェアだった。
しかも前の世界で言うなら大企業の社長が座るような…まるで『巧巣鴨』で見た数百万していた椅子に見える。
その近くに冷蔵庫があり、そこには沢山のジュースがあって、その横には沢山の料理がブッフェ式に並んでいた。
更に、その横には森沢みうグッズが大量に置かれていた。
「凄く待遇が良いんですね…」
思わず声に出してしまったら…
「そりゃもう、大きなイベントですから力も入りますよ! 会場がDSSS何です! 武道館でもドームでもなくDSSS…しかもあの『森沢みう』のイベントですから気合も入ります! 万が一あの傷者が『顔見知り』にでもなったら、日本が震撼しま…あっすみません、つい…そろそろ始まりますよ」
傷者ってなんだ?
ライトが暗くなり、スポットに照らされたみうが現れた。
「正平くー-ん! 今日は私のコンサートを頼んでくれてありがとう! 頑張って楽しませるから…宜しくねー-っ」
『来てくれてありがとう』のセリフはこの世界じゃ聞く事はないんだろうな…
「宜しくねー―――っ!」
「嘘でしょう…掛け声に答えた…脈ありなの(ボソッ)」
近くのスタッフのお姉さんの声が聞こえた。
ステージの上では…なんでだ『森沢みう』が泣いていた。
「みうのイベントで、グスッ…声を返してくれるなんて…正平くんありがとう…みう、頑張るね!」
声優がメインの筈なのに…歌も上手い。
亜美と比べるとロリ系声優特有の舌ったらずに聞こえる幼ない声で歌ったり話したりしている。
やはり、アイドルとかスターは凄い。
歌が上手いのは当たり前だけど、聞いていて心が揺すぶられ引き込まれる。
亜美もそうだったが、スターと言うのは例えどれ程沢山の人が居ても、その子の方に目が行く…こういう存在を言うんだ。
それが良く解る。
本気でナンバー1ホストが喋りだすと、女が彼しか見えなくなる。
それを複数に行えるのがきっとアイドルなんだと思う。
「ううっう、みうも男性相手にこんなイベントが開けるなんて…良かった、最後にこんな良い思い出が出来るなんて、もう寿命が…」
凄く気になる…まさか病気なのか?
寿命が…もう、嘘だろう。
『あの…すみません、寿命って何ですか?』
『もう、寿命が…みうにはありません…これが多分、最後のコンサートです…』
あんなに明るく歌って踊っているのに…もうすぐ死ぬのか…
「ハァハァ…正平くん、今日は本当に…ハァハァありがとう、此処からはリクエストに応えるよ、なにか、みうにして欲しい事はあるかな?」
彼女は声優だけど…歌や踊りしか見てないな…
そう言えば前の世界の声優は劇をやっていた気がする。
「もし…体が辛く無かったらだけど、劇かアニメの1シーンがみたいな…必ず目に焼き付けて置くから…」
「みうとしてはそれだと、他の子を呼ばなくちゃならないから…少し残念なんだけど…真田さん、だれか直ぐに呼べる子居るかな?」
「え~と釘宮ゆかりなら、土下座して頼まれたから車に居ますが…」
「大丈夫かな? 正平くん、釘宮ゆかりしか居ないけど大丈夫?」
何で確認とるんだろう?
「大丈夫です」
「凄いですね~それじゃ連れてきます」
「お願いします」
この世界のアイドルとか声優より男性の方が価値が高いんだな…
こんな状態なのに、みうの周りには誰も居ない。
どちらかと言えば、みうから俺を守るような立ち位置に警備関係の人間が数名いる。
間が持たない。
沢山、たのしましてくれたんだ…少し位なにかしてあげても良いだろう。
「みうちゃん…ゆかりちゃんが来るまで良かったら、こっちに来ない?」
「えっ良いの?」
凄く驚いた顔をしている。
「すみません、警備の都合上、余りお勧めできません」
「構わないよ…俺は問題ない」
そう言うと、みうはステージから降りてこっちに来たが、少し手前で止まってしまった。
「あの…みう、今凄く汗くさいから…此処で良いよ…」
「そんなの気にしないから…来なよ」
「うん..解ったよ…だけど、本当に嫌いになったりしない?」
これズルいよな、可愛い子が上目遣いでお願いする…亜美も良くやるけど…こんな事されたら普通に断れない。
「しないから、大丈夫…ほら」
そう言うと俺はみうを手招きした。
「みうちゃん…疲れたでしょう? 座って」
「あの…ここ正平くんが座っていた…場所」
「俺は良いから…座ってよ」
「あの…本当に良いの?」
なかなか座ろうとしないから、ちょっとだけ押した。
そのまま、みゆは椅子の上にもたれかかった。
病気なのに頑張ってくれたんだ…少し位何かしてあげたい。
そう思った。
「座っちゃった…正平くんが座っていた椅子に…嬉しいな、正平くんに包まれたみたいで…うん嬉しい」
俺は冷蔵庫から飲み物を出し、コップに注いだ。
多分、汗をかいたからスポーツドリンクが良いか…
「はい、どうぞ」
「嘘、嘘、正平くんの手作りドリンク…本当に良いの?」
ただコップに注いだだけで…それが手作り…本当にこの世界の男は何もしないのな。
「はい…どうぞ! みうちゃんは好きなな食べ物、嫌いな食べ物はある?」
「特にないけど、みうはお肉が好き」
「そう…それじゃこんな物かな」
沢山食事があるから、そこから適当にみうが好きそうな物を選んで皿にとり、みうに差し出した。
「待っている間、少し食べない」
「あの…ディナーショーの分って幾ら払えば良いのかな…」
「これは一生懸命頑張ってくれたサービス…はいあーん」
「あーんって、何をすれば…良いの…うそ…それ食べて良いの?」
「そうだよ…口をあけてほら…」
「あ~ん…凄く美味しい…これ幾ら払えば良いの…」
「お金は要らないよ…ほら」
おずおずと口をあけて目を瞑るみうが可愛い。
これ、見方によってはキスする前の顔に見える。
「ハァハァ、時間かかってすみません…釘宮ゆかり、ただいま…きゃぁっ…凄い…」
え~と、ただ軽食を『あ~ん』しているだけで何で驚くんだ。
みうやゆかりみたいな子供なら兎も角、警備の女性からマネージャーまで…
第20話 声優と『知り合い』
釘宮ゆかり、この子も凄く綺麗だ、茶色い髪で腰まで届くロングヘア―、人形の様に整った顔立ちにスレンダーな体、但し胸が貧乳と言うかほぼ少年の様に無い、そして背が低く140センチも無いかも知れない。
だが、この子は…ネットでは出てこなかった。
「時間が掛かってすいません、ほら、みう、ゆかり…すぐに劇の準備に入って」
「「はい」」
良かった…さっきの空気は引き摺っていない。
流石はプロ…直ぐに…
「みうは正平くんとこのままお話をしたいけど…駄目かな?」
上目遣い話しかけてきた。
これ、凄く困る。
目を潤ませて今にも泣きそうな目で、縋る様に声を出す。
「それなら、ステージに戻らなくても良いよ、だけど俺、みうちゃんの声優としての声が聞きたいから、ゆかりちゃんと、座ったままで良いから、幾つかのシーン演じてくれない?」
「あの…あ~んはもう終わりなの?」
「そんなに気にいってくれたなら終わった後に続きをしてあげる…でも今は声優としてのプロのみうちゃんが見てみたい」
「解った…ゆかり…『子猫ちゃんの魔法使い』出来る!」
「出来ない訳ないじゃない! 私が出ていた作品だよ」
「それじゃ、やるわよ」
「了解」
◆◆◆
「あんた馬鹿~やれば出来る子なんだから、ちゃんとやりなさいよ!」
「え~みう出来ないよ…そんな…そんなのってないよ…」
「出来ないなんて言わせないわ…貴方は魔法使い…出来ないなんて言わせないよ」
「グスっスン、スン…解ったよ…みうが…みうがやれば良いんでしょう…魔法使いなんだから…」
「そうよ魔法使いなんだから…」
「解ったよ…みう頑張るよ..」
凄いな…役に入った途端急に変わる。
まるで、そこにアニメのキャラクターが居るみたい思える。
目を瞑ると…そこは、そうアニメの世界に迷い込んだみたいだ。
「あんた馬鹿! そそそそそんな事言っているんじゃないわ? 貴方の事、嫌いじゃないわよ…そんな事も解らないの?」
ゆかりは…ツンデレなキャラクターや強情で素直に慣れない役が多いみたいだ…
みうは…素直で健気な女の子や、少しやんちゃで元気な感じの女の子のキャラが多い気がする。
気がつくと1時間近く『声だけの演技』と言える物を続けていてくれていた。
2人とも台本も無いのに凄いな。
「流石に…喉がかわいたよ」
「私も…」
俺は直ぐにコップにスポーツドリンクを注ぎ、二人に手渡した。
「ありがとう…そのみう、凄く嬉しい…さっきから嬉しいことばかりだよ…今日のステージは…うん、凄く最高…だよ」
「あの私も良いの? そんな…男性の手作りドリンクなんて夢みたい…いたいたいただきます」
完璧に演じきっていた、二人がしどろもどろに成るのは、見ていて凄く面白い。
いいなぁこう言うの。
「あの、正平くん、そろそろ握手会良いかな?」
「正平くん、呼んでくれて嬉しかった…さようなら…グスッ」
ゆかりが帰り支度を始めた。
「あれっゆかりちゃんは握手会に参加しないの?」
「ゆかり…もうお金が無いんだ…今迄頑張ったけど…もう無いの…元からお金儲けが下手だから『ツンデレ』みたいな男性に嫌われるキャラばかりしか無いの…正平くんに最後に会えて嬉しかった…今日もね…お金が無いから何でもしますって…マネージャーの真田さんに頼み込んで連れて来て貰ったんだ…グスっ」
「なら…握手会に参加しなよ」
女を泣かすのはホストじゃない。
泣かせて良いのは嬉し泣きの時だけだ。
「そんな…正平くん、私、正平くんに沢山のお金を払って…」
「みうちゃん…今日は俺のおごりで良い…金を貢ぐ必要は無い…それに握手会以上の事をしてあげるからね…納得して」
俺はお金が欲しいからホストをしていたわけじゃ無い。
あれこそがモテる男の頂点に見えたからだ。
彼女達はそれに充分俺に貢いでいる。
プロの声優二人を貸し切ったステージ…充分すぎる報酬だ。
「正平くん…あの握手以上って…えっえっ…そんな顔が凄く近いよ…」
「嫌なのかな?」
「ううん、嫌じゃない、嫌じゃないけど…奇跡みたいで信じられない…」
「みう、君は、凄く可愛くて素敵だね食べてしまいたい」
そのまま抱きよせた。
「嘘…おじさん、みう…おじさん大好き、世界で一番…ううん、宇宙で1番大好きだよ…愛しています…お金でも何でも」
おじさん…そうか『Bランクのおじさん』この世界の人気小説のシーンに似ているかも知れない。
「みう…俺は正平…おじさんじゃ無いよ? 酷いよみう…俺はこれでも11歳なんだよ」
「だけど、みう知らない、知らないんだもん、あれ以上カッコ良い人なんて…」
「そう…俺、あんなのに負けちゃうの? 悔しいから止めてあげない…何処が良い? 額が良いかな、それともその薔薇のような唇が良いかい?」
「正平くん…何を言っているのか、みう解らない…解らないよ…幸せ過ぎて解らないよ…おじさんじゃないよ…みうが好きなのは、ううん大好きなのは正平くんだよ…だけど、解らないよ…」
「残念時間切れ…だから僕が決めるね…その湖の様に透き通る瞳に決めた」
「決めるって何を…ええっえええええー――っ」
チュッ…俺はみうの瞳に軽いキスをした。
「キキキ、キス…そんな…キュウウウウ」
気を失ったみたいだ…
まぁ大丈夫だよな…俺は耳を胸にあてた。
心臓の音はしっかりしているから問題ない。
「あんた馬鹿ぁぁぁぁー――女の子にこんな事して獣じゃない」
ゆかりのこのセリフは確か「お嬢様と下僕」というこの世界の女の子向きアニメのセリフだ。
だが、そのアニメ…余り面白くない、下僕側がなっていない。
「ゆかり姫、貴方のその美貌の前にはすべての男は下僕みたいな者ですよ」
「しょしょしょ正平くん…ななななっ、あんたなんか好きじゃないんだからー――っ」
「ゆかり姫…これはアニメでも小説でもありません…そして俺は下僕でもありませんよ?」
「私は、私は…握手で満足…満足なの…こんな事して貰っても、もう何も無いの…明日から」
「何言っているんですか? これはゆかり姫を楽しませるだけじゃなく俺が楽しみたいだけですよ?」
俺はゆかりの手をとり引き寄せた。
自然と後ろからゆかりを抱きしめる形になる。
「あの正平くん…私、私もう何もないの…何も無いのよー-ヒクッグス、スンスンうえぇぇぇぇー-ん」
泣かれてしまった。
だが、止めない…
「貢物なら、まだあるでしょう…」
「スンスン…もう何も何もないの…何も…無い」
「まだ、ゆかりが残っているよ…髪の毛からつま先まで全部貢いで…ゆかり…」
俺はそのままゆかりの首筋にバンパイヤの様に吸い付いた。
「あああっ、貢よ貢いじゃう…こんな私で良いなら受け取ってくだ…キュウウウウウッー-」
しかし、この世界の女の子は、何でこんなに気絶するんだろう。
前の世界だったら、お持ち帰りできちゃう位まずい…でもこの世界じゃ、それもご褒美か。
◆◆◆
「正平くん…今日はありがとうもう思い残すことは無いよ、最後に良い思い出が出来たよ」
「私も、もう思い残すことは無いわ…正平くんの事一生忘れない」
まさか、ゆかりも病気なのか…
このまま見捨てて良いのか…
「マネージャーさん、あの二人とも何か病気だったりするんですか?」
「至って健康ですが!」
「嘘、言わないで下さい、さっき寿命とか言っていたじゃないですか?」
「ああっ…それですね」
何てことは無かった。
この世界の男性は基本的に女性を好まないが、一部例外がある。
それは少女…大人の女性は受け付けないが、胸が膨らんでない男に近い体型のうちなら受け入れられる男が僅かだが居るらしい。
俺から見たらロリコンにしか思えないが…
そんな男性にモテる事を目的にしていたのが、みうみたいなタイプという事だった。。
「もう、みうも12歳そういう男性からも嫌われる年齢、いい加減、気持ち悪いから声優を辞めさせろって連絡が沢山の男からくるのです…他の路線変更も無理、12歳位までが勝負だったんですが…ロリ系アイドルとして寿命ですね」
この世界は可笑しい…
ロリコンも…可笑しいのか?
前の世界なら『みうちゃん…ハァハァ』とか言ってもうとっくに誰かの者になっている筈だ。
「あの…それじゃ傷者とは…」
「みう…此処迄してくれたんだから、見せるべきだよ」
「そうね…少し気持ち悪いけど…ごめんね」
そう言うとみうは上着を脱いだ…
前の世界と違い女性の体に価値が無いからか脱ぎっぷりが良いな。
確かに大きな傷がある…
「確かに傷があるね」
「私、胃ガンに掛かって、胃の半分を摘出したの…その時に実は50歳の男性から告白受けて『顔見知り』になれそうだったの…でも腹腔鏡で取れない大きさだったから大きくお腹を切らなくちゃならなくて…これがその手術の後…話は勿論流れちゃった…だから、両方の意味で傷者なんだよ…きっと誰ももう、相手にしてくれない」
「そんな事は…」
「あるよね真田さん…今日のコンサートも、間違いだと思っていた位だよね」
「私は嘘は言わない主義です…その通りです」
「あの…ゆかりちゃんが人気が無いって言うのは」
「この子も同じ12歳…もう難しい歳なんです…それよりこの子はお金が無いから、アイドル活動なんてもう出来ない…今でも他の子が男性に嫌われるからやらない『ツンデレ』みたいなお金が掛からない役しかしていません…まぁ男性に貢げない貧乏人ですから」
なんだか聞いていてせつなくなってきた。
今、俺の『ご学友』は2人。
それですら琴美さんは目立つと言っていた。
そういえば…
「『顔見知り』ってなんですか?」
「あはははっご冗談を男性が付き合う、最低レベルじゃないですか? 嫌だな…説明いります?」
説明を聞いた。
そうか…『ご学友』って言うのは未成年レベルだと最高のレベルなのか…
だから、あれ程の話題になったんだな。
実際にはその下に 『友達』『知り合い』『顔見知り』と下のランクがあったんだ。
流石にこの世界の常識をこれ以上聞くのは不味いな。
『友達』はなんだか、ご学友のその下でまた、何か大変な事になると思う。
『顔見知り』は怪我をしなかった場合のみうの待遇だから何だか嫌だな。
『知り合い』うん、これなら響きからして大した事が無い気がするし『顔見知り』より上だ。
「みう、ゆかり…俺は二人を気に入った、体の傷だって別に何とも思わないし、凄く可愛いと思う」
「「正平くん…」」
「俺には既にご学友が2人居て、余り増やさない様に言われているんだ」
「あなた、何を言っているんですか…11歳の少年が?2人のご学友なんて…」
「真田さん、静かにして!」
「黙って下さい!真田さん」
「それで、差をつけるようで悪いけど『知り合い』で良いかな? それで良いなら二人を迎えたい」
「嘘…そんな、傷者なのに…良いの? 本当に良いの?正平くん…グスッ、私頑張って良かったよー――っ最後まで、本当に最後まで頑張って良かったよー-っ」
「私、貧乏だったのに…奇跡みたい…貧乏でも…幸せになれるんだ…ありがとう…神様って、神様って本当に居るんだね…うわぁぁぁぁん、ありがとう、正平さんありがとう…臓器でも何でもあげるからねー-っ」
その後マネージャーの真田さんが、お互いのスマホを使って『知り合い』申請をした…間違えるといけないからか申請ページが違うのか…申請方法がよく解らなかった。
「これでみうは正平くんの者だよ、何でもしてあげるから24時間何時でも連絡して」
「私は髪の毛一本からつま先まで正平さんの者だから…何でもするから、何時でも電話して下さい…待ってます」
二人は手をぶんぶん振りながら…去っていった。
「正平様…」
「真田さん、え~と」
「この度はうちの声優タレント二人との『知り合い』登録ありがとうございます。こんな嬉しい事はマネージャーとしてありません…これはお約束のお金です…受け取って下さい」
「俺は要らないと言いましたので受け取れません」
「みうはあれでもプロです、受け取って下さい、アイドル最後に最高のチャンスを貰い成功したのですから受け取るべきですよ」
どうあっても引っ込めないから仕方なく受け取った。
「解りました」
「マネージャー生活32年、此処迄素晴らしい事はありません、まさか私の担当したアイドル2人が男性の傍にいる権利を手に入れしかも『知り合い』になるなんて、こんな事初めての経験です…それでは私もこれで失礼します」
嘘だろう…『知り合い』になっただけで…これ…
不味い、また琴美さんに怒られる…
第21話 搾精と記者会見
「凄いですね…引退ですか?」
「はい、この前のお話みたいな老人じゃなく、凄く綺麗な美少年なんですよ…しかも年下…本当に可愛くて写真を見せられないのが残念です…」
「あの…本当ですか?」
「これはプロダクションの公式発表ですよ、嘘は無いです、本当に目に入れても、目をくり抜かれても笑っていられる位、素敵な男の子なんです…しかも私の傷を見ても…気にしないなんて…凄い愛ですよね…本当あんなFランクの糞爺で妥協何てしなくて良かったです」
「あの、みうさん、今迄の作品は…」
「私がヒロインの作品は、もう全部引き上げます…私を愛してくれるたった1人の人だけしか…見せません…すべてのキャラクターも全部一緒に捧げるつもりです」
「そんな、中には名作も沢山あるのに…」
「『ミサミサ』も『綾波玲子』も『キューティ美羽』を全部彼一人だけの者です…当たり前でしょう?わたしはもう彼だけの者なんだもん」
「ゆかりさん、貴方も引退なんですよね」
「はい…信じられません…あんな天使の様な男のが居たなんてしかも『知り合い』からスタートなんです…生きててよかったって、本当に思いました」
「ですが…貴方はツンデレの女王…嫌われ者ばかりの役をしている声優ですよね」
「それでも良いって…信じられません」
「それでは皆さんに一言」
「どんな仕事でも頑張ればきっと誰かが見ていてくれる…皆も頑張って下さい!」
「此処で、ムーンプロダクションの真田マネージャーに代わります」
「芸能人になっても男なんて縁が無い? だれが言ったんですかね…他の事務所の、綾瀬亜美さんもうちの二人も、男性に見初められて引退ですよ…この後二人はDSSSで暮らします…皆の憧れDSSSでの暮らしが待っています…もし貴方が真剣に頑張るなら道は必ず開けます…やる気があるなら我々は手を貸す準備があります」
「凄いですね…それで相手の方は?」
「相手は一般人…しかも貴重な男性、守秘義務がありますから…ですが、前の森沢の相手の様な爺じゃなく、若くて高ランク…それだけ言わせて頂きます…ではこの辺で」
「以上、ムーンプロダクションからでした」
◆◆◆
「正平さん、自重して下さいって言いましたよね?」
やはり琴美さんに怒られてしまった。
「だけど…ただの『知り合い』の登録だよ」
琴美さんの顔があきれ顔になった。
「あのですね…『知り合い』でも…DSSS、まぁ此処に部屋を一室貰えて暮らす事が許されます…そして男性の者、正式に正平さんのパートナーとして国にも登録されます…個人の身分証にも記載されるんです…その栄誉をどれだけの女性が欲しがるか」
「だけど『ご学友』なら兎も角『知り合い』だよ」
「知り合いとご学友の大きな違いは、面会の機会があるかどうかです…ご学友で月に2回、友達で月に1回、男性と会う権利があります、その権利が無いのと国からの支給が少ないのを除けば…後は大差ありません」
国からの支給…
「国からお金が出るんだ…」
「最も、殆どの女性は、お金を男性に貢ぎたいから、小さい頃から、お金儲けの手段を勉強しますから、余り意味はありません」
凄いな…お金を貢ぐのが当たり前の世界…
「そんなにお金なんて必要ない気がするけど」
元からこんな施設がほぼ無料で使えるし、お金を支給して貰える男に何で貢必要があるんだ。
「ハァ~そんな事迄記憶が無いんですね、男にお金やプレゼントをするのは女の甲斐です…皆、プレゼントしたいって思っているのに…」
「そうなんだ…琴美さん、今度は本当に自重するよ」
「そうですね…ハァ…私が頑張りますから、大丈夫です」
プレゼントか…何か考えて見よう。
「あと、来週あたり、搾精に行かないと行けませんから…苦痛かと思いますが、覚悟して下さい」
搾精? なんだそれ…
「搾精ってなに?」
「その…男性に唯一強制される義務です…苦痛だと思いますが頑張って下さいね…あの施設だけは、私やエルミナ、千鶴は入れませんから」
搾精…名前から言うと『精子を搾り取る』多分、そう言う意味だ。
そんなに苦痛だとは思えないな。
第22話 搾精
搾精施設に来た。
男性は定期的に、この施設に来ないといけない。
DSSSの中でもその奥にあり、此処にはいれるのは専門スタッフと男性だけ。
近くに部屋があり、そこで友人、護衛、関係者は待つことになる。
大体、やる事は解っているが…なんでこんなメンドクサイ事しなくちゃいけないんだ。
そんな事しなくても…直にやれば良いだけなのに。
「いや…男性の方かい?」
この世界で初めてみる男だ…中年くらいかな。
「はい、そう言えば此処ではどんな事が…」
「此処は地獄だ…僕は、僕はこんなシステムなんて無くなれば良いと思うよー――っ! うわぁぁぁぁぁぁー―――ん」
なんだ?
ヨロヨロしながら、泣いて走っていってしまった。
◆◆◆
「記憶が一部無い…そう聞いておりますから、説明しますがこの施設では搾精…精子を搾り取らせて頂きます…個室に入ると専用の器具がありますので、その中に精子をお出しください…これは義務なので出すまで退室は認められておりません…貴重な男性の方に苦痛を与えて申し訳ございませんが、宜しくお願い致します」
そう言って通された部屋は…ラブホテルと病院の個室を合わせた様な部屋だった。
ただ違うのが…テーブルの上にオナホの様な物が3本置いてある事だ。
意味が解った…このオナホを使って精子を出せ…そう言うことだ。
ただ、問題が…何処にも『ネタ』が無い。
前の世界なら、抜くのにアダルトDVDやらエロ本がある筈だが、この部屋には全くない。
インターホンを鳴らした。
「はい、どうかされましたか?」
流石に『ネタをくれ』とは言いにくい。
「普通は…そのこういう事をする時は女性をイメージする物を使わないと出来ないんじゃないかな…」
「はぁ~心細いのは解りますが、混乱しないで下さい、女が傍に居ると出る物も出ませんよ」
嘘だろう…じゃあこの世界の男は、何をイメージして抜くんだよ。
俺の常識では女の裸やエロい事を考えて抜くんだろう?
ネタが全くない状態で…どうしろと言うんだ。
「そうだ、スマホ…スマホを持ち込ませてくれないか?」
「この施設は、集中して貰う為の施設ですから、通信機器の持ち込みは一切禁止です」
この世界の男は可笑しいのか…
女性をイメージしないで、どう発情しろと言うんだ。
いや可笑しいのは解っていたが、此処迄なのか?
「解った…了解した」
何だか凄く虚しいな…本当なら女性が幾らでもいる世界で…なんで想像しながら…抜かなくちゃならないんだ。
テレビだけ辛うじてあったから、音声を消して…想像しながら…本当に虚しいな。
◆◆◆
「ご苦労様でした…凄いですね2時間でこの部屋から出られた、なんて最短記録です」
なんだか早漏と言われているみたいで、嫌だな。
「そうですか…あれ、3本…嘘…」
「どうかしましたか?」
「いえ、普通は12時間掛けて、1本採取出来るか出来ないかなのに…貴方、出たいからって不正しましたね」
「俺はそんな事していない」
「それをこれから調べるから!一旦部屋にお戻りください!」
まぁ、不正はしていないから…問題ないか。
「解ったよ」
◆◆◆
「「本当に申し訳ございません」」
明らかに、偉そうな感じの人が目の前に居て、さっきのお姉さんを土下座させて、頭を踏んでいた。
「本当にスミマセンでした…だけど、あんな早さで3回も搾精できる人間なんて…知らなかったので…許して下さい」
「貴方ね…男性に無実の罪を着させたあげく、男性の抜いている姿を録画とはいえ見たのよ…これは重罪よ…重罪…場合によっては死罪もあり得るわ」
「そんな…仕方ありません…迷惑かけました…死んで償います」
「ちょっと待って、そこ迄大げさにしなくても良いですから!」
「いいえ、正平様、あなたの年齢ならまだ、ご学友にもそういった姿を見せて居ない筈です…それを職員が事もあろうに寝れ衣を着せて見てしまった…これは重罪です」
「正平様…もう良いんです…庇ってくれてありがとう…死んで償いますから」
そんな事されたらトラウマになるぞ。
「そんな事されたら、搾精の度に貴方の顔が浮かんで出る物も出なくなります…今回の事は『無かった』そうして貰えませんか?」
「男性の貴方がそう言うなら…ほら良かったわね、正平様に感謝しなさいよ」
「ありがとうございます…ありがとうございます」
ふぅ…良かった。
「それで正平様、義務は1つだけですので2つ分は買い取りさせて頂きます、1本600万、合計1200万…後日正平様の口座に振り込んでおきます」
「そう…なんですか?」
「はい…流石に2本目以降が買い取りになると言うのは知らない方が多いので驚かれたでしょうが、1回に2つ以上提出しても次回が免除にはなりません…お許し下さい」
「もしかして、何か免除になる方法とかってあるの?」
「形上はありますが、これは絶対に出来ませんよ」
「ある事はあるんですね」
「確かにありますが…無理ですね『だって1か月に1回女性とSEXをして中出しをする』そんなの伝説のAランクじゃなくちゃ出来ませんから…」
その方が遥かに楽だが…言えないな。
◆◆◆
「正平さん、なんで私達から目を逸らすのですか?」
「正平様…辛かったのですか?」
「正平様、大変でしたのね…」
「正平くん…」
流石に目が見れない…さっき迄抜きネタにしていたんだから…
「いや、何でもない」
顔が赤くなり、これしか言えなかった。
第23話 俺には理解が出来ないな
明日には麻里奈、みう、ゆかりが来る。
どんな部屋に住むのか美香さんに見せて貰ったら、ちょっと広い1LDKの部屋だった。
基本的に『ご学友』でも『知り合い』でも設備は一緒でただ、ご学友の方が男性の部屋により近い場所にある…それだけしか差は無い。
今回も全部自分で用意しようと思ったが…
『男性の為に働いてこそのDSSS(男性専用宿泊施設)です』
そう言われたので設営は任せる事にした。
ただ、食事だけは手作りの物を食べさせてあげたいから、当日作る旨を伝えた。
しかし、プロダクションの力は凄い…
亜美は直ぐに此処に来たし…後から受け入れした二人と麻里奈が同時だ。
これで関係者が4人になったから、明日の歓迎会後に、小学校についてどうするか…話しあった方が良いかも知れないな。
◆◆◆
この世界について最近、凄く気になった事がある。
この世界の家族はどうなっているんだろうか?
亜美は年齢で言うなら子供だし、千鶴も多分未成年、エルミナも怪しい…完全に大人と言えるのは琴美さん位だ。
前の世界なら青少年育成条例に引っかかる。
だが、普通に『俺の者』になっているのに親からは何の反応も無い。
普通なら『娘を頼みます』とか『うちの娘に何をしているんだ』と何だかの反応がある筈だ。
そんな事を考えているとエルミナと目があった。
「どうかされたのですか? 難しい顔をしていますわ」
「いや、皆の家族について知らないなと思って」
良く考えて見たら一緒に暮らしているのに、皆のプライベートについて何も知らない…特に家族については話題にも上がっていない。
「私の家族について知りたいのですか? こちらですわ?」
そう言うとエルミナはスマホみたいな端末の画面を見せてきた。
親の名前や祖父や祖母の名前が書いてある。
「これ、何?」
「血統証ですわ?」
血統証? まるで犬みたいだな。
「いや、俺が聞きたいのは、家族と、どういう風に付き合っていたのかな?そう思って」
「え~と…あっ男性だからですわね…基本的に女に愛情を持つ親はいませんわ、正確には5歳までは我慢して手元に置きますが、余程の事が無ければそこ迄、大体がその後は施設送りですわ」
「だけど小学校はあるんだよね」
「ほぼ全寮制ですわね」
「そうすると何でそんなに愛情が無いの?」
「殆どの親は精子を高いお金を払って買うのですわ…男の子の妊娠を夢見て買って、妊娠したのが女だと解った瞬間、憎しみさえ覚える方も多いのですわね、昔はお腹の子が女だと解ると堕胎する女性が多く居たので、法律で堕胎を禁止したのですわ」
「もしかして親が居る子の多くは男の子…そういう事?」
「稀に手元に女の子を置いて、義理の息子の獲得を狙ったりする方もいますが…少数ですわね」
「もしかしてエルミナさんも?」
「うちは、特殊な事情で…本来ならあり得ない国際結婚なのですわ、まぁ、スエーデンの権力者の母親が日本の男性に恋をして莫大なお金で買った…そう言うことらしいのですが、私は5歳待たずして赤ん坊の頃から日本の施設に居たので、施設の方から聞いた話なのですわ」
なんだか凄い話だな…それじゃ、どうやってお金を得るんだ。
亜美とかはアイドルでお金を使ってそうだし、皆が『貢ぐ』を連呼しているし…ゆかり以外はそこそこ余裕がありそうだ。
「親が居ない状態で…その、どうやってお金を得ているんだ…聞きにくいけど…」
「それは、小さい頃から働いて、男性に貢ぐ夢を見て…投資をしたり、商売をしたり、独自にお金を貯める方が多いですわね、私や千鶴みたいに警護を狙う人間は資産は少な目ですわね、亜美さんを始め芸能人もそうですわ…多分琴美さんは二桁億円はため込んでいるかも知れませんわね」
子供の頃から、貢ぐために生きている。
それに答える男性は少なく、答えた男性も雑に扱う相手ばかりか…
何だか報われないな…
「エルミナさん…何時も守ってくれてありがとう」
俺はエルミナをそっと抱きしめた。
「しょしょしょ正平様…そんな嬉しいですわ…」
こんなに、この世界の女性は可愛いのに…嫌うなんて俺には理解できないな。
第24話 涙の歓迎会
今日は早起きして料理に取り掛かった。
とは言っても、今回は少し趣向を凝らして鉄板焼きにしたから、用意してくれた食材を自分が調理しやすい様に並べただけだ。
目の前で焼いて出す…
この世界は氷を入れたジュースを出すだけで、男の手作りと喜ぶんだから…きっと気にいってくれると思う。
美香さんの話では、昔、男性が握るおにぎりやさんがあったらしいが、おにぎり1個1万円だったらしい…しかもこのおにぎり具の無いただの塩にぎりだった、それなのに連日長蛇の列が出来る程の行列が出来ていたらしいがある日…
『めんどくさいから辞める』と辞めてしまったらしい。
とある上場企業の社長の旦那さんは、偶にレトルトの味噌汁を入れてあげるのだそうだ…それだけで『心の支え』となり、この会社が大きくなったのは夫のおかげと週刊誌に書かれていた。
しかも…おにぎりのお店の店主も件の社長の旦那さんも、凄くブサイクだ。
この世界ではブサイクな男でも、何かしたら喜ばれる位に男性に優しく甘い世界…だが俺は妥協はしたくない。
歓迎会の話は三人にはしていない。
本当は、またカラオケで歌を歌いたかったが…
『死人が出るからやめましょう!』
と琴美さんに怖い笑顔で言われたので今回はカラオケは用意していない。
その代りのサプライズが『鉄板焼き』目の前で俺がステーキを焼いて切り分ける。
これだ…
「正平さん、これは一体…」
「想像がつきましたわ…凄すぎますわ…これ…」
「こんな事考えるのは正平様位だよ…幸せ過ぎて怖いよ」
「あの…正平くん、今日は何をするんですか?」
「今日は新しく三人が仲間になるから、その歓迎会だよ…前回の事を反省して少し自重したんだ…」
「絶対に自重していませんよね! 前にも話しましたが女性に歓迎会を開く男性は居ないんですよ…」
「琴美さん、諦めが肝心ですわ、それに既に歓迎会をして貰った私達としては止める権利はありませんわよ」
「そうだよ…結局私ら恩恵に預かっているんだから…」
「そうよね、またこれから楽しい一時が始まるのね、亜美凄く楽しみ!」
先に席について貰い3人を待った。
◆◆◆
今日の俺はシェフの恰好をしている。
「正平く~ん貴方の麻里奈が…ナニコレ?」
「正平くん…あれっ綾瀬亜美がいる…」
「綾瀬亜美だ…」
「みうにゆかり、お久しぶり! それに麻里奈は初めまして、これからは仲間ですから宜しくね」
「あの亜美…これから何が始まるの、みう解かんない」
「亜美さん、何かのイベントですか? 何かゆかりも手伝いましょうか?」
「麻里奈もなにかお手伝いした方が良いかな…」
驚いている、驚いている…掴みはばっちりだ。
「今日は、三人の歓迎会、君たちが主役だよ! 可愛らしい俺のお姫様…座って、座って」
「えっ…みうの歓迎会…」
「みうちゃん違う、三人の歓迎会だよ」
「麻里奈を歓迎してくれるの…そんなうわぁぁ」
顔が泣きそうになり涙が溜まってきている。
この世界は凄く…大げさだな。
「涙ぐむのは止めてね…折角の歓迎会なんだから、ほら立ってないで早く座って…始めるからね」
「「「うん…」」」
自己紹介は後回しで、すぐに料理からスタートだ。
俺は全員のグラスにジュースを注いだ。
それだけで、皆の表情が変わり、にやけているのが解る。
琴美さんや亜美たちは慣れているから驚かないが、三人は驚いた顔で俺を見つめてくる…これが凄く面白い。
「正平くんが注いでくれるの? みう…男性の手作り初めて」
「こんなサービス初めて、正平くん、ゆかり一生忘れないよ」
「やっぱり、正平くんは凄いね、前もそうだったけど、こんな経験普通は滅多に無いよ」
ただグラスにジュースを注いだだけでこれだ…
本当にこの世界の男は何もしないのな…
「こちらは山梨産の白ぶどうジュースです、どうぞお召し上がり下さい…皆様には今回コースを用意しましたから、出来るだけ静かにお願い致します」
「「「「「「「わかりました」」」」」」」
わざと高級料理店風に話してみた。
「前菜は、A5松坂牛と北海道産ウニの握りです、是非堪能下さい」
俺は半生の松坂牛で寿司を握り、その上にウニを乗せた物を作っていき、それぞれの前に置いた。
「どうぞ」
『出来るだけ静かに』
これのせいか誰も喋らないが…手が震えていたり、泣きそうな顔になったり大変だ。
「続いての前菜は伊勢海老とホタテの黒酢ジェレです…どうぞ」
流石にこれを人数分、この場で作るのは大変だから予め作っておいて冷蔵庫に入れて置いた。
更に体を震わせて手が震えている…泣きそうにして食べている。
「続いては 季節の野菜のサラダ、ゆずドレシッングを添えて、それと焼き野菜です…トウモロコシが美味いですよ」
「あの…正平さん…少し自重をした方が…」
「これ幾ら払えば良いですの…」
「一品10万円以上は必要だよね…」
「男性の料理なんて…1万円のおにぎり以来…あれと全然違うよ」
「こんなの幾ら払って良いか解らないよ…オークションなら1000万円以下にならないよ…」
「「…どうしよう…」」
しかし、この貢ぎ体質…凄すぎるな。
「今日は歓迎会…お金なんて要りませんよ、次はメインA5 松坂のステーキです」
「正平さん、自らが焼いて切るのですか?」
「嘘だ…これ凄すぎるよ…こんなのは聞いたことが無いよ」
「私の為に肉を焼いて切り分けてくれるなんて信じられませんわ」
「亜美は…勿体なくて食べられないよ…」
「みうは、みうは…こんな物が食べられるなんて」
「美味しいよ、美味しいよー――っ」
「うまいよー-っ、うまいー-っ」
「喜んで貰えて嬉しいよ…次はデザート、季節のアイスの盛り合わせです…これで終わり…後は自己紹介でもして、少し、皆で遊ぼうか? え~と…どうしたの?」
「正平さん、あれ程…自重してと言ったのに…うっうううっ…嬉しくて涙が…涙が止まりません」
「今日、今死んでしまってもうっうっ、悔いはないよ」
「こんな素敵な事が人生であるなんて、信じられませんわ…感動で、感動で涙が止まりませんわー-っ」
「アイドル頑張っていて良かった…正平くんに選ばれて…本当に良かった…主演女優賞よりも…なによりも今が幸せです…ありがとう、正平くん…本当にありがとう、すんすん」
「お兄ちゃん、本当にありがとう…みうはみうは…人生で1番幸せだよ!あるうぃがうとー―――」
「最高の料理だったわ…この私を唸らせるなんて信じられないわ…これからも精進なさい、スンスン…グスッ」
流石は声優…自分の看板キャラを使ってきたな。
「正平くん…グスッ、グスッ麻里奈、生きててよかったよ…うえぇぇぇぇー-ん」
「「「「「「うぇぇぇぇー-ん」」」」」」
「え~と…」
「あれ程自重して下さいと言ったのに…ハァハァ、この世界で男性が…作るコース料理なんて大統領でも食べれません」
結局、全員が泣き止むまで3時間かかり、歓迎会は一時中断せざるを得なくなった。
第25話 腹を括る
「本当に小学校に通うんですか?」
琴美さんが驚いていた。
この世界で小学校に通う男の子は凄く少ないらしい。
亜美や麻里奈、みう、ゆかりに相談したが…
俺の自由で良いそうだ。
何でも『ご学友』や『知り合い』はもう既に上がりだから一緒の小学校には行けないらしい。
通うとしたら、別の小学校に通わないといけないらしい。
そう言えば…小学校は義務教育だと思っていたが、既に違うらしい。
『希望をすれば無料で通える学校』それだけだ。
自立出来てお金が稼げるなら、女として既に1人前。
男を得るために動き出すので、出席は自由。
アイドルや声優の活動でお金を貯め…男を得るために動いている亜美、みう、ゆかりは殆ど通ってないらしい。
僅かなお金を投資など膨らましていき、そのお金を運用しつつアイドルや声優の活動をしていた。
ちなみにゆかりがお金が無いのは投資が下手で一回は大きく儲けたが溶かしてしまったらしい。
それでも、ゆかりで50万円、亜美やみうに至っては数千万の財産があるのだから…驚きだ。
ちなみに麻里奈は一般人…普通の小学生だから寮に入り小学校に通っていた。
ただ『俺のご学友』になったので実質、卒業扱いになったそうだ。
元いた小学校には怖くて通えないそうだ。
「卒業しなくて良いのか?」
「正平くん、もう怖くて通えないよ…ほら」
そう言う麻里奈の腕には小さな傷があった。
話を聞くと麻里奈が『ご学友』になったと聞いたクラスの女子数人に襲われたのだそうだ。
「大丈夫だったのか?」
「本当に馬鹿だと思うよ『ご学友』なんだから学校側がしっかり警備員をつけているのに襲うんだもん…その場で全員捕まっちゃったよ…可哀そうにこれから強制収容所できっと長い事働かされちゃう…一応は軽くしてあげてと頼んだんだけど…無理みたい」
男性の者になった女性を襲うのは重犯罪になり、もし男性と婚姻関係にある者を襲ったら…場合により死刑になるらしい。
「結構凄いんだな」
「だけど、つい自慢しちゃった麻里奈が悪いんだよ…だけど危ないから校長先生が来ない方が良い…そう言うからもう行かないかな? 」
俺は前の世界で小学生の頃に働いたりしていない。
親に甘えて生きていた。
この世界では女の子に生まれたら、施設で生活しながら、お金を手にする方法を考えなければならない。
父親も母親も女の子には冷たく愛情を注がない。
逆に男に生まれたら母親はそれこそすべての愛情を注ぎ、父親も嫌わない。
「麻里奈はこれからどうするんだ?」
「私は元から勉強好きじゃ無いからもういいや…それに『ご学友』になったから国からお金も貰えるしぃ~DSSSは全部無料だから、正平くんの事だけ考えて毎日過ごすよ…うん、凄く楽しそう」
麻里奈の話を聞いただけで解った。
本当に自分の者にしてしまった。
この世界で自分の者にしてしまったという事は…俺が全てになってしまう…その事に初めて気がついた。
前の世界とは違う…
前の世界の女性は『愛している』とは言っても、趣味ややりたい事を他にも持っていた。
だが、この世界の女性は『すべてが男中心』なんだ。
男の為なら、トップアイドルの座、売れっ子声優の座も捨ててしまう。
この世界の男は、その見返りを返さない。
此処迄、完璧に愛されているのにだ…
小学校に通うとして…そろそろ腹を少しは括ろうか…
俺は美香さんに相談をしてみる事にした。
第26話 自重を辞める
腹を括った。
この世界の女性は男性に飢えている。
男性が何をしても喜んでくれるが恐らく、最終的に望むのはSEXからの妊娠なのかも知れない。
だが、そんな物手に入らないから、高いお金を払い精子を購入して使う。
男の子以外の女の子は雑に扱われ…捨てられる様に施設行きになるが…それは母子の愛情が薄いからだ。
好きでもない、ただ購入しただけの精子で出来た子供…だから『愛』が無いのかも知れない。
愛された事も無い…だから愛し方も知らない…
『男性からの愛情に飢えた世界』
それが恐らくこの世界だと思う。
恐らく『愛情ある付き合い』と『愛情あるSEX』それが必要だが…
今のこの世界でSEXをし妊娠をさせてしまったら…大きな問題が起きそうだ。
だから『腹を括った』
手を抜かずに『最後の一線を越えない』そこまでの恋愛をしよう。
◆◆◆
小学校には週に3回通う事にし1日は休み、残りの3日間を皆に使う事にした。
最も小学校から帰ったあとも…その3日間も…もう躊躇しない。
「美香さん、お願いがあるんだけど…」
「はい、どのようなお願いでしょうか? 男性の願いを聞くのがDSSSですから、出来る事なら、何でもしますよ」
もう躊躇は止める。
「1人部屋が欲しい」
「ハァ~やはり正平様でも、無理でしたか? その歳で此処迄の女性と交際した人物は聞いた事も無かったのですが…無理していたんですね…直ぐにご用意いたします…ご学友や知り合いの解任も必要でしょうか?」
「違う!違う! 皆とは仲良くやっているよ…ただ更に仲良くする為に自分の部屋が必要なんだ」
「そう…なのですか? まぁどちらでも構いませんが…その部屋はどの様な部屋がご希望ですか?」
「そうですね…ベッドはキングサイズ1個で可能なら丸い感じで、スイッチを入れるとゆっくり回ると良いですね…あと、その周りと天井の一部は鏡を貼って下さい」
「はい…なんだか凄いですね」
「お風呂の浴槽は2人浴で、タイルも浴槽もワインレッド、ジャグジーもお願いします…広さは4畳半くらいが希望です」
「え~と2人浴槽と」
「他は、ダイニングとリビングは大理石張りで…大き目のソファに大型テレビ…後は…可能なら小さめのプールにディスコスペースがあると良いかも」
「あの…正平様…その…それはまるでラブスみたいに思えるのですが…」
そう言えばこの世界ではラブホに似た施設でラブスと言うのがあったんだっけ。
「うん、それに近い物が欲しいんだ…あとお風呂にはビーチマットに搾精カップ(オナホに似た物の正式名称)を幾つかに…リビングには冷蔵庫や必要な物を宜しく」
簡単に言えばラブホテルにキッチンをつけた様な部屋だ。
「あの…本当にこれに住むんですか?」
「可能なら、今の部屋を維持しつつ、その部屋を追加で貰いたい…景色が良ければ、なお良いんだけど…」
「可能ですよ…こんな搾精する事を前提としたような部屋…組織として喜ばれます…出来たら少しで良いんで成果を出してくれたら助かります…勿論失敗しても、努力しようとしたその姿はきっと全ての女性が称賛するでしょう」
凄いな…話をしたら、明後日にはもう用意してくれるみたいだ。
◆◆◆
皆にお願いして集まって貰った。
「皆にお話があります…明後日から俺は部屋を移ります…あと皆とは…」
「嘘、正平さん、嘘ですよね…私、私捨てられちゃうの…うわぁぁぁぁー――ん」
「嘘だよな、嘘だよ正平様…私…もう生きて行きたくないよ…あははは…死のう…」
「正平様、嘘だと言って下さい…嘘ですわね…何でもしますから、本当になんでもしますから…捨てないで…お願いしますわ」
「正平くん、亜美凄く幸せだったんだよ…この幸せはまだまだ続くって思っていたの…すんすん…解った…亜美死ぬね…正平くんとの思いで抱えて…この夢の中で死ぬ、死んじゃう…うわぁぁぁぁー-ん」
「みうは短い間ですが…幸せでした…正平くんの知り合いになれて…本当に幸せだよ…ありがとう…みうなんて忘れ良いからね…うわぁぁぁぁん」
「ゆかりは…ゆかりは凄く幸せでした…この夢だけを抱えて強く生きていきます…さようなら…うわぁぁぁぁぁー――ん」
「やっぱり、麻里奈なんて幸せになれないんだ…施設に居るような女の子は、グスグスッスンスン…幸せになれないんだよね…良いよ、麻里奈も麻里奈も死んじゃうから…もう忘れていいよ」
怖い…これだけで死ぬとか言い出して…そしてあながち嘘じゃないのが怖い。
これが愛の裏返しだと思えば凄く嬉しいけど…
「勘違いだよ…これからは順番で1人ずつ半日から1日一緒に過ごす日をつくる事にしたんだ」
「あの…すんすん、正平さん、それはどういう事なのでしょうか?」
「「「「「「どういうこと(なの)(ですの)」」」」」」
「考えてみたんだ、俺は皆の事を愛しているし、皆も俺の事を愛してくれている…なら将来は『嫁』になるんだから、その練習として交代交代で2人きりで一緒に過ごせる日を作ろうと思ってね、学校に行く日は学校から帰ってきてから次の日の朝まで、学校が無い日は朝から次の日の朝まで二人っきりで過ごす時間を作りたいんだ…このDSSSは安全だから護衛も要らないみたいだし…勿論、全員で遊ぶ日とか、ご飯を食べる日とかもちゃんと入れるよ」
「あの…正平さん、それ交代交代で正平さんを独り占め出来る日が貰える…そう聞こえるのですが?」
「そういう事だけど? 流石に皆が居る前で1人とイチャイチャ出来ないからね」
「正平様…それは月に何回か、わわわ私と二人っきりの日が貰える…そう言うことなのか…聞き間違いじゃないよね」
「そういう事だけど?」
「それはわたわた私も正平様と一晩中二人っきりで居られる日が貰えるって事ですですですの事です」
「エルミナさん呂律が可笑しいけどそうだよ」
「亜美は亜美は…幸せ過ぎて…もうどうして良いか解らないよ…うん凄く幸せ…まさか一晩中時間が貰える日が来るなんて…夢みたい」
「みう…幸せ過ぎて怖い位だよ…こんなにこんなに幸せで良いのかな…」
「あははっ夢じゃないし…良いんじゃない?」
「ゆかりは、ゆかりは…ああっ本当に幸せだと言葉に出来ないのかも知れません…ありがとう正平くん」
「麻里奈は麻里奈は嬉しいよー――っうえぇぇぇー-ん」
ゆかりはツンデレを忘れているし…麻里奈は泣き出した。
「それじゃ明々後日からスタートだからね…今日はそうだな…皆で今日は夜通し遊ぼうか? 遊びについては、俺が何か考えてみるよ」
「正平さん、自重を…」
「琴美さん…ゴメン、俺自重を辞めるよ…皆が好きだし喜んで貰いたいから」
「…仕方ないですね、その好きな人の中に私が入っているんじゃ仕方が無いですね…思う存分どうぞ!」
「うん…あと過ごす部屋はラブス仕様だからね…俺は少し休むから」
「「「「「「「ラブス――――ッ」」」」」」」
驚いている…うん面白い。
第27話 【閑話】上條麻里奈の伝説
私の名前は麻里奈…11歳の女の子。
私のお母さんは少し変わった人だった。
何でも…先祖に凄まじいビッチの『上條まみ』という人が居て…
それを血統書見せて自慢していたのよ。
1000人の男に抱かれた女。
男とSEXしまくりで、それを映像にして売っていたとか…
凄い話だよね。
なんでもAVギャルっていうらしいの。
最も戦争の前…更に凄く大昔…
まだ男女の人数が今みたいになる前の話…
私のお母さんはそれが…それだけが自慢だった。
危ない妄想おばさん…そう思った。
だけど、こんなに信じているって事はきっと、お母さんのお母さんに騙されているんだろうな…そう思っていたんだけど…
凄い映像を見せられちゃった…
凄かったよ~女1人に男3人とか、あり得ないよね…
しかも、貪りつくようにしているんだもん…
凄いよ。
普通に…良い母親だったかも知れないよ…よくある虐待とかも無かったし…きっちり5歳まで育ててくれたし…
「それじゃ、義務の5年間が終わったから小学校にいってね…私は新しい精子をまた買って、当たりの男の子引けるように頑張るから」
それがお母さんだった人の最後の言葉…
よく考えたら友人みたいに話していたけど…名前…聞かなかったよ。
もしかしたら聞いたのかも知れないけど…忘れちゃった。
◆◆◆
小学校に入ったの…お金が無いから公立。
もう…私はこの時点で負け組なのよ…稼げる子はこの時点で私立に入ったり…もっと凄い子はアイドルとかになる…5歳の時点の私は資産が殆どないから…公立の小学校に入るしかなかったのよ…
そこからは…もう惨めな毎日…男の子はクラスに1名は居る筈なんだけど…出会ったことは無い。
上級生のお姉さん曰く…
『公立に来る男なんてFランクの引き篭もりだから6年間1度も来ないよ…名前だけ』
なんだって…
実際にはこの6年間は学校の授業よりもお金儲けを覚えて…男に貢お金を作る時間なのよ…
でも、公立レベルだと凄い子でも6年間で1千万位のお金を手に入れられたら良い方なのよ…
公立やアイドルを目指す子とは差がもうありすぎ…
あちらは最低でも億単位はため込んでいたりするのに…
まぁ中には溶かしちゃう子もいるらしいけど。
基本的には天と地位の差があるのよ…
麻里奈も一緒…貰ったお小遣いや肉体労働で稼いだお金も溶かしちゃって…支給品だけで暮らす生活…
男の子に会う事もない…実質、もう大人になって精子を買って、産むしか方法が無い…本当に悲しい人生しかない…
だから、私は…私のご先祖様とお母さんに聞いた伝説のAVギャル『上條まみ』が着ていた様な服をオーダーしたのよ。
髪をツインテールにして白いキャミソールに超がつく水色のミニスカートに白と水色の縞々のパンツに水色の縞々の二―ソックス。
どうせ…選んで貰えないんだもん…だったらこれで過ごそう…そう思ったの。
「麻里奈…貴方ね、その服装は男性が嫌悪感を感じる服じゃないの…人生を諦めたのかな」
「これは、そう私のアイデンティよ! 伝説のロリビッチなんだから」
「まぁ良いわ…此処にいる時点で男性との出会いなんて無い…好きにしなさい」
まぁ匙を投げたのよ…
「麻里奈…幾ら何でもそれは無いんじゃない」
「まぁ…うちらじゃ男性に選ばれるわけが無いから好き勝手もありかな」
うん…そんなの麻里奈も解っている。
資産がゼロ…男に貢ぐお金もゼロ…
世の中の男は…麻里奈が此処に居る事なんか誰も知らない。
唯一の男性との接触は…男性保護施設の資料に登録がしてあるだけなのよ。
こんなの…宝くじで5億円が当たる可能性より、男性との出会いは低いよ。
人生は終わり…これが麻里奈の人生。
死ぬまでに一度で良いから…男と話したいな…
◆◆◆
そんなある日…校長から呼び出しがあったのよ…
『嘘、上條麻里奈ですか? わが校始まっての問題児…えっ男性が指名したんですか…あのキモイ服装なのに…』
廊下迄電話の声が聞こえてきたのよ。
私に指名が入った。
「麻里奈…指名が入ったわ…多分、貴方には最初で最後のチャンスよ…言ってらっしゃい」
「はい」
男性保護施設からの迎いのヘリが来た…
態々ヘリが来ると言うという事は…急ぎ私が必要だという事だ。
ヘリに乗り込み男性保護施設に向かったの…
「ハァハァ~ゼィゼィ…ハァハァ、上條麻里奈いそいできましたぁ~うわぁ~凄く綺麗ね、うん凄く二枚目、こんな子が私を指名してくれるなんて、嘘信じられない」
信じられる訳がないよ…麻里奈の目の前に居たのは…天使の様に可愛い同じ位の男の子なんだから…
麻里奈の暗い未来がね…輝ける未来になった瞬間なの…
でも、この天使の様な男の子が…天使どころか神様みたいな子なのに…更に驚いたんだけどね…
◆◆◆
凄い物ね…公立の小学校から『ご学友』なんて快挙、恐らく初めてだわね。
しかも資産が全くない子が選ばれたなんて、知ったせいか、連日マスコミがこの小学校に押しかける始末。
上條麻里奈は…己を貫き通した結果、奇跡を手にした。
『伝説のビッチ 上條麻里奈』
それがこの小学校での彼女の呼び名。
後輩の女の子たちは羨ましそうに彼女を見ていたし…彼女は聞いてきた者には惜しげなく自分の話をした…
その結果、この小学校は…
『ビッチ』のファッションが流行ってしまった。
だが、2人目の麻里奈になれる人は無いわ。
男性保護施設から…
『上條さんを好んだ男性は特別なんです! 複数の男性から吐き気がするからそのファッション止めて欲しい』
とクレームが来た。
だが…我が小学校はもう駄目だわ…
目の前で上條麻里奈を見ていたんだから…
男性に嫌われるはずのロリビッチが成功を収める瞬間を見てしまった。
上條麻里奈…多分、貴方はわが校一の問題児だわよ。
第28話 ゲーム
この世界には…人生ゲームが無かったので…簡単に作ってみた…まぁ、双六とカードを合わせた、似て異なるものだけど。
後は飲み物や…お菓子を用意して、まぁこんな物だろうな。
最初、王様ゲームも考えたが…結構皆、シャイなので盛り上がらないかも知れないので…こんな物にしてみた。
◆◆◆
「正平さん、そう言えばこれから何をするんですか?」
「ちょっとゲームを作ってみたんだ、やってみない?」
「ゲームですか…面白そう」
「双六ですわね…少し変わっていますが…」
「それ、正平くんが作ったの凄い…」
「男の子が作ったゲームで遊べるんなんてみう…うん信じられない」
「一緒に遊んで良いの…男の子と遊べるなんて、ゆかり…感動です」
「麻里奈も遊んで良いの…凄い」
このゲームは…思った以上に良くできたと思っている…きっと驚くだろうな…
『人生ゲーム…天国と地獄』
「俺はカードマンと言う役をするから、皆がこのゲームで遊んで…まずは順番を決めてね」
「カードマン、それって正平くんが何かするの?」
「麻里奈…俺はカードの内容を実行する役、それより順番を決めて」
「「「「「「「うん」」」」」」」
じゃんけんで順番を決めてルーレットを回す順番は次のようになった。
森沢みう
北条エルミナ
千葉千鶴
上條麻里奈
桜木琴美
綾瀬亜美
釘宮ゆかり
「みうからで良いんだ…このルーレットを回せば良いんだよね? え~と5」
「恋愛マスだね、 それじゃ恋愛カードから1枚引くよ、では…みう、その緑の髪は凄く綺麗だね…その赤いリボンも凄く似合っているよ!」
俺はみうの髪を触りながら耳元で囁いた。
「正平くん…みうはみうは…ハァハァ幸せです…大好きだよ」
「みうちゃん、違うよ…ほらこれ」
「あっカードの内容なんだ、だけど、これ凄いよ」
「「「「「「そういうゲームなんだ」」」」」」
「じゃぁ今度は私の番ですわね、私も頑張って恋愛マスを引きますわ、3えっ失恋マス…」
もう、ルールは解っているみたいだな。
俺は失恋カードから1枚引いて実行をした。
「エルミナ、お前みたいな女、好きになれないから二度と顔をみせるな!」
軽くエルミナを突き飛ばした。
「うそですわ、うそ、うそですわよね…正平様に嫌われたら私生きていけない…ですわ」
放心状態でふらふらとエルミナが立ち上がった。
「違うよ、エルミナ、これ、これ、このカードの内容だから」
「そうですわね、ゲームですわね…」
「俺がエルミナを嫌いになるなんて無いから安心してよ」
「でも、これ凄いゲームですわね、地獄か天国かまさにルーレット次第…次は絶対に恋愛マスに止まらないと心が持ちませんわ」
「はい、はい、次は私の番ですね、やった5だよ」
「千鶴、いつもありがとう、君が居るから俺は生きていけるんだ」
俺は千鶴を抱きしめた。
「そんな、千鶴の全ては正平様の物…だよ」
「はい、はい、これはゲームですから、千鶴さん、次は麻里奈の番よ 6 …そんな」
「麻里奈…君にはもう飽きた、二度と俺の前に顔出すな!」
「嘘っ麻里奈…もう要らないの…これっゲームだとしても心が痛たいよグスッグスッうえぇぇぇー-ん」
「次は私の番ですね…4 何も書いてない…」
「これは何もイベントが起きないマスだよ」
「何も起きないのが案外、一番面白くないですね」
確かにこれは失敗した。
「そうかもな」
「次は亜美の番だぁー-っ楽しみ、7ハプニングマス?」
「この場合はハプニングというカードを引くんだよ」
ハプニングカード
隣の人とじゃんけんして勝ったら俺に10秒間ハグして貰って好きなセリフを言って貰える。
負けたら、踏みつけられながら周りから罵られる。
「じゃぁゆかりちゃん、じゃんけんお願い…やった…勝ったよ」
「じゃぁ…このセリフでおおおお願いしますううう」
噛むという事は結構際どいセリフなのかな。
「うん…解った、亜美ちゃん、世界で一番愛している…俺と結婚してくれないか?」
流石アイドル…ここぞとばかりにぶっこんできたな、10秒感勿論抱きしめながら…
「亜美で良かったらお嫁さんにして下さい」
周りの顔が殺気だっている…
「なんなんですか? そんなカードがあるなんて、私の番になったら絶対に引きますわよ」
「いいなぁ…ゆかりも引きたい、恋愛マスかハプニングマス…お願いだから…やったぁー――ハプニングますだ!」
ハプニングカード 隣の人と睨めっこして勝ったら 壁ドンから頬っぺたにキスして貰い、好きなセリフを言って貰える。逆に負けたら、失恋カード3枚引く事になる。
「みうちゃん、勝負です」
「あははは…みうちゃん、仲間なんだから、少しは手加減してくれても…酷い…」
「みうは絶対に嫌!あんなの美味しい思い、ゆかりにされてたまりますか…さぁ敗者は失恋カードだよ」
「お前みたいな女大嫌いだ、一生俺の前に現れるな…」
「くすん…ゆかりグスッ…」
「何でお前みたいな女がいるんだ、俺の前から消えてくれないか」
「うぐ、嫌…嫌だ…嘘だよね…」
心が痛いけど仕方ないよ…これはルールだから
「まだ、俺の前に居るのか、とっとと消えろよ!」
「うえぇぇぇぇぇぇー――ん、正平くんごめんね、ゆかりすぐに居なくなるからー―――」
「違うよ、ゆかりちゃん、これゲーム…ゲームだからね」
「これゲームだよね、本当に正平くんは、ゆかりの事嫌いにならないよね?」
「ならないよ」
「正平くん、頭は撫でちゃ駄目だと思う…それじゃゲームにならないから」
「みうちゃん」
「ゆかりちゃん、今はゲーム中だから仲間でも敵だからね」
そんなに真剣にならなくてもいいんじゃないかな。
「次はみうの番だぁ…3恋愛マスだ…やったぁ」
「みう、俺はを離したくない」
俺はみうを後ろから抱きしめた。
「これ、解っているけど…凄いよね…、みう…凄く幸せ」
「次は私の番ですわね…告白マス 何ですの?」
「告白カードを引いて」
告白カード
好きな人に壁ドンをして愛を囁く
まぁ、相手は俺しかいないんだけどね…
「しょ正平様、好きでしゅ、愛してますわ」
あっ噛んで赤くなった。
「ありがとう、エルミナ」
「暫く私は見ないでくださいですわ、汗が止まりませんの…ハァハァ」
「解った」
「次は私ですね…白マス…つまらないな」
「次は麻里奈の番と…恋愛マスだぁー-やったぁー-」
恋愛カード 膝枕をして頭を撫でることが出来る。
「さぁ 正平くん…ほらほら…どうぞ…」
ゲームは2時間続いた。
皆んなが泣きながら笑っていた。
このゲーム、精神に良くないかもな…
毎日続けたら心が壊れるかも知れない…
これも歌に続いて…封印かな…
第29話 初登校
小学校を決めなくちゃならない。
正直言えば、何処でも良いと思うんだが…
違いと言えば
お嬢様学校…金儲けの上手い小学生が居る。
公立小学校…普通の小学生が居る。
それだけだ…この世界では女性は女の子の育児はしないので代々の財産は無いから…お嬢様モドキは居てもお嬢様は居ない。
お金は充分に男に生まれたからある。
だから、どちらでも良いんだ。
だが…ふと考えてみた。
確か琴美さんは私立はクラスに5人位は男の子がいて、偶には学校に来る。
それに対して公立の小学校は1クラスに1人しか居ないし、その男性もFランクで学校に来ない引き篭もり。
それなら…公立の方が面白そうだ。
俺は琴美さんに公立の小学校に通う事を伝えた。
「あ~っやっぱり、そちらを選ばれるんですね…相当目立ちますよ!」
「目立っていても構わない」
俺はもう自重は辞める事にしたんだ。
だから、気にしない。
琴美さんから近くの小学校に連絡して貰ったら、すぐにでも来て欲しいという事で、明日から通う事にした。
折角なので、ブラックスーツを用意して貰った。
実は俺が前世でいた『ラブ』でももうホストでもカジュアルが許され、スーツを着なくても良い、そんな状態だった。
だが、俺が憧れたホストはスーツ姿だったので爺だった事もあり、スーツを着続けていた。
◆◆◆
「正平様お車の準備が出来ました」
「さぁ、行きましょうですわ」
エルミナと千鶴と一緒に車で学校に通った。
「正平様、それではお時間になりましたら、お迎えに参ります」
「それじゃ、正平様また後で、ですわ」
小学校の敷地内は男性が通うのを前提にカメラがあちこちに設置してあるし、問題が起きたら教師が数人飛んでくるそうだ。
更に『武装教師』という者まで居て銃も持っているらしい。
女子高ではなく共学は最低でもこの設備が無いと男子の受け入れが出来ない。
来もしない男性の為に…馬鹿らしい。
「正平様には、当校、文教第3小学校を選んで頂きありがとうございます」
校長にいきなり挨拶された。
しかも、この部屋はなんだ…大型テレビに高級ソファー、ドリンクバーに最新式ゲーム機、そしてシャワールームにベッド。
入れ口には『正平様VIPルーム』と書いてある。
「それにしても、凄い設備ですね」
「此処は公立だからこんな物です…ですがVIPルームを使える日が来るなんて感動です」
言われてみれば同じような部屋が9つ位ある。
その部屋に名札があったが…使われている様子は無かった。
「もしかして、他の部屋は使われた事は無いんですか?」
「ええっ…一度も無いですね…入口の所の『武装教師』もただ座っているだけです」
此処に繋がる道には銃を持った『武装教師』が2名居たけど俺を見て驚いていたなぁ。
「そうですか…」
「それじゃぁ、欲しい物があったら、そちらのボタンを押してください…授業は男性は自由参加ですので、気が向いたら参加して下さいね」
「解りました」
◆◆◆
「喜べ女子ども~このクラスに男子が転校してくるぞ~」
「小松先生~そんな事言ってもどうせ、名前だけで来ないんでしょう?」
「そうだよ、このクラスの1名の男の子は幽霊学生で通ってもこないし」
「「「「「「「「「「そうだ、そうだ~」」」」」」」」」」
「ううっ、先生だって、先生だって男の子に勉強教えたいわよ…あんた達はまだ、男の子に会うチャンスあるじゃない…先生なんて、先生なんて26年間男の子に会う事すら、殆ど無かったんだから、うえぇぇぇぇー-ん」
「あ~あっ小松先生泣いちゃったじゃない…可哀そうに」
「公立の先生じゃ精子も真面に買えないもんね」
「ゴメンね先生…ほら泣かないの」
「うん、グスッ、先生なんてきっと。きっと男になんて会えないんだぁー―――っ」
「先生…煩い黙って」
「どうせ、先生なんて…先生なんて…」
「良いから黙れ!小松ちゃん…私は今幻覚を見ているのかな?」
「これは夢、夢に違いないわ….こんな奇跡あり得ない」
嘘でしょう…生徒達が急に静かになったわ。
「痛い…夢じゃない」
私は信じられなくてほっぺたにグーパンしたけど…痛い。
「まだ、解らないわ…お鍋、お鍋の確率もある…夢なんて見ちゃダメ」
「あの…私は、このクラスのクラス委員をしています 胸元美瑠加と言います…貴方は男性ですか? もしかして転校生の水野正平様ですか?」
「はい、俺の名前は水野正平です! 正真正銘の男です…今日から宜しくお願い致します」
「「「「「「「「「「男…男の子来たぁぁぁぁぁー―――――っ」」」」」」」」」」
「たまりません、たまりませんわー-っ」
「男の子に会えるなんて、会えるなんて生きてて良かったよー――っ」
「嘘…凄く可愛いし綺麗…こんな子がこんな子がクラスメイト」
不味い…こんな暴走した女の子を見せたら、もう来てくれなくなる。
「皆さん、男の子を怖がらせたらいけません、静かにして席に着きなさい…居なくなっても良いんですか?」
「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」
「正平くん、このクラスへようこそ! 歓迎しますよ」
「宜しくお願いします」
まさか、生きているうちに生身の男の子に授業出来るチャンスが来る、なんて思えませんでした。
◆◆◆
凄いな…これハーレムどころじゃない…まるで大奥で将軍にでもなったみたいだ。
第30話 Cランクの王子様
「すみません…流石に机は皆と同じにして下さい」
「ですが、正平くん、これが男の子の普通の机と椅子ですよ」
教室の真ん中にまるで代議士の座るような椅子と机があり…机の横にはドリンクバーとお菓子バーの様な物がある。
同じ教室の中で1人だけ特別なのは…なんだか仲間外れみたいで嫌だな。
「ですが…」
「正平さん、お願いします、そのままにして頂けないでしょうか? そうでもしないと…」
言いたい事が解った気がした。
多分、普通の配置にすると俺の近くの席の取り合いで大喧嘩が起こる、そういう事だ。
「あっやっぱり、このままで良いです」
「助かります」
しかし、此処迄の中で、女の子が未だにこちらに話かけてこない。
多分、何かのルールがあるんだろうな。
教室をぐっと見回す…なんだか嬉しい。
前の世界で俺は人生を凄く損した。
大人になって、本宮ひろしきや宮下あきらめるを本当に嫌いになった。
あの漫画の影響のせいか…世間は硬派ブーム。
女と付き合うと『軟弱者』と罵られ…女の子と付き合いたい等、言おうものなら…男の友達全員からハブられる。
恐ろしい時代だった…自分が大人になった時…手を繋いで歩いている男女の小学生を見た時に…凄く不毛な青春を送ったと死ぬ程後悔した。
今なら確実にあの時に過ごせなかった、楽しい日々がやり直せる。
いや、それ以上だな。
このまま、授業が受けられるかと思ったら…教師数名が焦った様に走ってきた。
◆◆◆
折角、自己紹介したのに、一回VIPルームに戻された。
「ごめんなさい、まさか本当に授業を受けようとするなんて思っていなかったんです」
どういう事だ…
「どういう事でしょうか?」
「まさか、本当に教室に行かれるなんて…」
話を聞くと、殆どの男性は小学校に在籍登録をして、そのまま。
つまり小学校に通って来ないという事だった。
その為、クラスから担任まですべて適当に割り振っただけ…本当に通ってくれるなら、要望を取り入れたいとの事だ。
「それで要望とはどの様な事ですか?」
「正直申し上げまして公立だから本来は予算が少ないのですが…ここ数十年男性の方で登校してきた方が少ないので、結構な予算があります、かなり予算が掛かる事でも可能です」
さてどうしよう?
今の待遇で何も問題は無いんだけどな…
「例えば、どのような事をお願いすれば良いのか解りません」
「それではこちらから、お聞きしたい事から話し合っていきましょう? まずはクラスの女の子の服装についてです」
服装? 制服も無い小学生で?
「それはどういう事でしょうか?」
「こちらとしてはスカートが好ましいのですが、男性の方によっては女性の素肌を見るのも嫌だと言う方も多いので、私立学校では長袖長ズボンと決めている学校も多くあります、水野様はどちらがご希望ですか?」
正平くんじゃなくて水野様…これは真剣な話、そういう事だ。
「個人的にはスカート、ミニスカートが好みですね…ですが個性があった方が良いので、皆が自由に好きな服を着てお洒落をして貰いたいですね」
「本当に? それで良いんですか?」
「ハイ」
この世界の男は女性の肌を嫌う傾向にあるけど、俺は逆だ。
普通の環境で充分だし、子供とはいえスカートの方が可愛いと思う。
「あと報酬の方ですが公立の規定で1日に10万円以下と決まっているので申し訳ないですが上限の10万円で宜しいでしょうか?」
それで充分だよな…3日間で前の世界のサラリーマンの月収だ。
それに基からの生活その物が恵まれている。
「勿論、大丈夫ですよ」
「そうですか、有難うございます! 授業についてですが体育や水泳のご見学も可能でしょうか?」
「参加という選択は無いのでしょうか?」
「それは無理です…貴重な男性に危ない事はさせられません…それに水野様に群がる様になりますから正常な授業が出来なくなります」
「残念です…それでは見学をお願いします」
「本当に? 凄いですね…後は肝心な事なのですが、どの位の頻度で登校はなさいますか?」
少な目に言って置いた方が良いな。
「今現在は週1日以上の登校を考えています」
「週1日ですか? ありがとうございます…他に何かご要望はありますか?」
「これも縁だと思っています…可能なら、さっき俺が編入する予定だったクラスにそのまま入れて下さい…途中からの入れ替えは仕方ないですが…最初のスタートはあそこからお願いします」
「あの…あのクラスはこの学校の落ちこぼれFクラスですよ、可能であればAクラスに代えて貰えませんか?」
成績順になっているのか?
「そこは出来たら変えたくないですね…あの時俺に向けてくれた笑顔は凄く嬉しかったです…暫くしてからの交代は構いませんが、最初はあのクラスと、あの担任の先生でスタートお願い致します」
「あの…その…他のクラスの方が優秀で、特にAクラスは…」
「私のご学友の一人は『綾瀬亜美』というアイドルです…ですがもう一人のご学友は一般人です…俺は優秀なだけでなく『一緒に居て楽しい人間』を望みます、成績=仲良くしたい、なんて事は考えていません…だから可能ならそのままFクラスからスタートにお願いします」
「綾瀬亜美をご学友…貴方が、あのCランクの王子様だったのですね…」
なんだCランクの王子様って?
「なんですか…そのCランクの王子様って」
「あくまで都市伝説でしたが…この世の中に本当に女性を愛するCランクの男性が居るという噂です…綾瀬さんが嬉しそうに記者会見を開いたからこそなのですが…まさか水野様が…そうだったとは…解りましたFクラスからで大丈夫です…但しFクラスをAクラスに名前を変えまして…成績の悪い者は入れ替える…それは認めて頂けますか?」
これは…仕方ないか?
「解りました…それでお願いします」
結局、今日は授業にならなかったな。
第31話 握手会
結局その日の午前中は話し合いで終わり、午後からなんとか授業への参加が決まった。
個人的には給食を一緒に食べたいと思ったのに…
「さてそろそろお昼ですね、我々は此処で退室させて頂きます…お好きな物を自由にケータリング下さい」
そう言い出て行ってしまった。
なんでも好きな物を自由に頼んで良いそうだ…
仕方なくジョジョジョ園の焼肉弁当を頼んだ。
どういう仕組みか解らないが15分も待たずに届き…ドリンクバーのウーロン茶を飲みながら食べた。
確かにこの部屋には何でもあるが…この時代の引き篭もりで無い俺には1人は寂しく思えた。
さてどうしようか?
この世界では男に生まれれば勝ち組。
勉強なんてしないでも、生活が出来る。
まして俺は前の世界ではもう老人と言っても可笑しくない年齢まで生きた。
勉強という意味なら小学校で習う必要は無い。
あくまでコミュニケーションの為の通学だ。
午後からの授業は2時間かギリギリ間に合うか…
俺はタブレットでクッキーと小袋、メッセージカードを頼み注文した
◆◆◆
「小松先生…正平くんはこのクラスの転入で良いんですよね?」
「はい、その通りです」
「それで何時から通うんですか?」
「え~と今日から通うと先生は聞いていますよ…ですが、先程のは恐らく奇跡で…手続きだけしてそのまま帰るか…転入はAクラスに変更になると思います」
「なんで…酷い、人生で初めてあった男の子なのに…」
「それは、貴方達が悪いのよ…Fランクなんだからね…努力もしないで公立…しかも馬鹿なクラスなんだから…先生は努力したのに…グスッ…男の子に会えない…あんた達と違って努力したのに…死ぬ程、努力したのに…グスッ、うわぁぁぁぁー-ん」
「あ~あっ小松っちゃん泣いちゃったじゃん…泣きたいのはこっちだよ…こんなチャンスがあるなら、死ぬ程勉強したのに…Aクラスに取られちゃうのかな」
「違うよ…多分もう学校に来ないよ…」
「来ませんよ…普通は」
「先生、ちょっとトイレ」
「あっ、私も行く」
「あっ、私も行かせてください…」
「今は授業中ですよ…我慢できないんですか?」
「小松先生可愛いー-っ、おぼこぶって、先生、皆、トイレにオナニーしに行くんですよ…折角生身の男の子が見れたんだから…抜きにいきたいだけです…そっちじゃありません」
ハァ~この子たちが男性に会えるチャンスなんて確かにそうは有りませんね…
まして話せたんだから…そうなりますね。
「解りました…行くなら静かに移動して下さい…他の教室の人に迷惑かけないようにね…出来るだけ早く終わらせて帰ってきてください」
どうせ、生身の男性と触れ合う機会なんて滅多にないですからこの位許してあげても良いでしょう…ばれても校長だってモテない女…見過ごしてくれるでしょう。
結局、耳を澄ませて聞いていてもAクラスも静かなものです…やはり只の転入手続きだけで登校はもうしてこないのでしょう…
理由は解りませんが、男の子と会って話せただけこのクラスの子は幸せです。
しかも、あんなイケメンの子が話してくれたのですから…
「そこ、にやけてないでしっかりして下さい」
「先生だって、同じ問題2個書いているよ…」
「あっごめんなさい…まぁ仕方ないわ、今日は自習にしますから…静かにして下さい」
「「「「「「「「「「はぁーい」」」」」」」」」」
◆◆◆
クッキーは3枚ずつ詰めて…カードを添える。
『よろしくね』
時間が無いからシンプルだけどしょうがない…
しかし、凄いな男性用アルゾン…頼むと30分で配達されてくるんだから…女の子は翌日なのに…どれだけ優遇されているんだ。
授業が終わる迄あと20分どうにか間に合った。
VIPルームから出ると…
「正平くん、授業に行かれるのですか?」
武装教師に声を掛けられたので、早速クッキーの袋を2つ手渡した。
「はい…あとこれ」
「これは何ですか?」
「クッキーです」
「ありがとう…男性から…えぇぇぇぇー――っ、メッセージカード付…そんな、こんな物が頂けるなんて…ありがとうございます」
「これからもよろしくね…はい」
「あの…これは…」
「はい、握手…」
「嘘…手を握って貰えるなんて…嬉しい」
顔が真っ赤だ…まぁ良いや。
「それじゃ行ってきます…もう一人の方にも渡して置いて下さいね」
「必ず渡しておきます、行ってらっしゃい」
二人いた筈なのに…まぁ良いか。
再びFクラスに行きドアを開けた。
「嘘…正平君、私の授業を受けにきてくれたのですか? 今日はあれ…自習です」
「それなら、丁度良かった…」
俺は教壇の上にクッキーの小袋を置き、黒板に大きく書いた。
『水野正平 握手会』
「正平君、これは一体…」
「先生、折角皆と知り合えたから、皆と仲良くなろうと思って…駄目ですか?」
「駄目じゃないですが…本当に…大丈夫なの…倒れたりしない?」
「平気です…それじゃ、ほら皆並んで…1人20秒ね」
「嘘…正平くん戻ってきた」
「握手会…涙で目がかすんで見えないよー――っ」
「こんな夢のような話…嘘みたい…ううん嘘でも良いあの手に触れられるなら…幾らでも払うよ」
「夢だよね…こんな都合が良い事が起きるなんて」
「今なら私、神様、信じる」
「こんな奇跡の様な事は滅多におきませんからね、他のクラスに聞こえない様に静かに1列に並びなさい…ばれたら邪魔されますからね」
「「「「「「「「「「は~い」」」」」」」」」」
凄いな、騒ぐことなく静かに並んでいる。
「それじゃ、最初は先生から…はい」
「あの…私も良いの?」
「はい…先生、これからもよろしくね…」
俺は手を伸ばし、担任の手を握った。
「よよ…宜しくお願い致します…」
アイドルの亜美ですら握手がなかなか出来ないんだ…
ならばこれで凄く喜ばれる筈だ。
「はい、先生これ」
「これは何ですか…嘘、直筆のメッセージカードまで…先生、先生…凄く嬉しい…卒業までオール5にしちゃいますよ…ありがとう、ありがとう…」
このあと、先生に時計で20秒を計って貰い握手会をスタートした。
「美瑠加ちゃんだっけ、宜しくね」
「そんな、握手して貰えるなんて…信じられない…もうこの手は死ぬまで洗わないよ…」
「汚いからちゃんと洗って…握手位またしてあげるから…」
「本当に? 嬉しいな…ありがとう」
「はい、これ」
「嘘、直筆のメッセージカードが入っている…正平くん私…キャッ痛い」
「委員長、後がつかえているの…こういう時は素早く終わらせて遠慮する物よ…正平くん宜しく」
「宜しくね」
まるで俺がアイドルにでもなったみたいだ。
握手する度にクラスの子が顔を真っ赤にして喜んでくれる。
こんなに喜んでくれるなら…握手位何時でもしてあげるよ…思わずそう口から出そうになった。
第32話 麻里奈と一晩中
今日から1人と一緒に夜を過ごす。
自重しない…そう決めて言ってしまった事だしやるしかないな。
「そういえばエルミナさん、今日から…その一人と一晩過ごすんだけど…順番って決まった」
なんだか少し顔が曇った気がした。
「ええっ決まりましたわ…今日は麻里奈ちゃんなのですわ…ですが凄く卑怯なのですわ」
「そうそう、じゃんけんで順番を決めたんだけどさぁ、アイドルってじゃんけんすら勝つ様に練習しているんだって」
「へぇ~って…麻里奈はアイドルじゃ無いよな?」
「麻里奈ちゃんは変則過ぎて亜美ちゃん達にも読めないみたいですわ」
「それじゃ順番は決まったんだ」
「はい、これですわ」
上條麻里奈
森沢みう
綾瀬亜美
釘宮ゆかり
北条エルミナ
千葉千鶴
桜木琴美
綺麗さっぱりアイドル組が上に来ている…だが亜美達にも予測させない麻里奈…凄いな。
◆◆◆
今日からは1人部屋…特別にお願いして作った『ラブス仕様+前世の俺の記憶のラブホテル仕様』の部屋で交代交代で過ごす事になる。
暫くしたら麻里奈を呼ぶとしてこの部屋を俺が見るのも初めてだ…どんな風に出来たのだろう…
すげーな…注文通りだ。
ベッドは円形の回転ベッド…注文通り天井と片側の壁は鏡張り。
近くにテッシュと搾精カップ(オナホの様な物の正式名称)がある。まぁこの世界は妊娠は正義だからコンドーさんは無い。
大型テレビが少し離れた所にあり、傍に高級なソファがある。
ドリンク用の小さな冷蔵庫もある。
お風呂もワインレッドで注文通りの2人浴槽でジャグジー付き、洗い場は畳三枚分位あり、ビニールマットもあるし、ボディソープやシャンプーにリンスもある…ローションは取り敢えず無いな…この世界に無いのかも知れない。
その横が同じくワインレッドのトイレでシャワートイレつき。
プールは大体5メートル×10メートル位、小さな滑り台がついている、その横にはディスコスペースがある。
後は高価なキッチンスペースにリビングがある
ほぼ注文通りだ。
◆◆◆
麻里奈にスマホで連絡をしてきて貰った。
ドアのベルが鳴ったのでドアを開けた。
「麻里奈いらっしゃい」
「正平くん、麻里奈きたよ」
俺は両手を広げて待っていたが…
「麻里奈…ほら、麻里奈」
「え~となにかな?」
この世界と俺が居た世界のギャップだ。
普通はこの状況なら『胸に飛び込んでくる』が正解だ。
少し前なら、麻里奈にあわせていたが『自重は辞めた』
そのまま麻里奈を抱き寄せ…キスをした。
「正平くん、なにうぐっううんううんっぷはっ、正平くん..うぐぅぅぅうん…ぷはっ…ちょっと待って、ハァハァうんぐうんうん」
軽いキスじゃない、キスをしながら舌を絡める、いわゆるディープキスだ。
麻里奈の歯が少し当たる。
「ぷはっほら麻里奈…ちゃんと口を開いて舌を絡めてほら、うんぐううん…ぷはぁぁ固いな、あれっ…」
嘘だろう…麻里奈は鼻血をだして…泡を吹いて気絶していた。
仕方ないな…俺は麻里奈をそのまま、お姫様抱っこしてソファに運んだ。
しかし、相変わらず凄い格好だな。
寝ている麻里奈をしっかり覗いてみた。
白いキャミソールに超がつく水色のミニスカートに白と水色の縞々のパンツに水色の縞々の二―ソックス。
パンチラ処かほぼパンモロ…キャミソールの横からは乳首が覗ける。
ビッチに憧れて、此処迄の恰好をしている…前世なら恐らく小学生なのに沢山の経験を積んでそうな『ロリビッチ』にしか見えない。
この世界では無理だとしても…AV女優の血を引いていて、それに憧れる少女が…ディープキスとはいえ、キスだけで鼻血を出して泡ふいて気絶…まるで前世とは違う生き物にすら思える。
それは、そうと…俺は自重しない、そう決めた。
それに俺が目指すのは前世の時に出来なかった『楽しい青春』を凄くす事だ。
それには、相手もある程度、耐性がないと成立しない。
まぁ、麻里奈を見た感じ幸せそうだから良いだろう。
気絶している麻里奈から離れ…食事の用意に取り掛かった。
◆◆◆
「まぁーりーなー」
「ううん、えへへっう~ん、正平く~ん」
にこやかな笑顔で眠っている。
確かに可愛いい、少し前の俺ならこのまま可愛い笑顔を眺めて楽しんむだけにした…だが、俺はこれから自重を一切しないと決めた。
起きないなら仕方が無い。
「麻里奈~ちゃん、うぐっううっ」
俺はそのまま口を貪るようにキスをした。
勿論、遠慮など一切せずに舌を送り込む。
「うぐ?!うぐううんううんふぅー-うん?! うっ、ひょうへいくん?」
凄い驚いた顔…口を離した瞬間に口と口の間に涎の糸が出来るのが、少しエロい。
「麻里奈はお寝坊さんだな、全く」
麻里奈は驚いた顔でまるで金魚の様に口をパクパクしている。
「麻里奈…鼻血、拭き拭きしようね! はい」
俺は麻里奈に近づいてハンカチで鼻血を拭き取った。
「正平くん…嘘キス…正平くんがキス」
顔を真っ赤にしているけど敢えて無視した。
実は、口へのキスはこの世界で初めて…ファーストキスだったりするが、それは敢えて今は言わない。
「なに赤くなっているの? ほら麻里奈が寝ている間にご飯作っておいたよ…食べようか?」
「嘘…ごはん作ってくれたんだ…正平くんありがとう!」
麻里奈が正常に戻っている。
もしかしたら頭の中で『夢』だと思っているのかも知れない。
唇を触りながら『夢だったのかな』とか言いながら首をかしげている。
「さぁ、良いから食べよう」
「あの…正平くん、麻里奈の…ナイフもフォークも箸も無いよ」
「麻里奈には必要ないでしょう、ほらうんっ」
「正平くん…解らないよ」
このポーズで、首を傾げられると恥ずかしいんだが…仕方ないな。
俺は咥えていたベーコンを一旦、そのまま口から離した。
「麻里奈…鈍感すぎ…口移しで食べよう…ほら、うん」
「本当に…食べて良いの?…うん..ううん、ハァハァありがとう」
これだけで茹で蛸の様に真っ赤になって…まるでキスをねだっているみたいで可愛い。
唇が少し俺の唇に触れた。
「またキスしちゃったね!麻里奈…」
「う~」
面白い位顔が真っ赤だ…ただ口が触れただけなのに…
まだこれだけじゃない…
「それじゃ、次行くね、クチャクチャクチャ、うんぐっううん」
俺はハンバーグを口に含み咀嚼すると麻里奈にキスをし、舌をつかいそのままハンバーグを麻里奈の口に押し込んだ。
「しょうへ、うぐうんうんうんうっ…ごくり…ぷはぁ」
麻里奈の顔が驚きに変わり…次の瞬間さっき以上に真っ赤になった。
「麻里奈…どう美味しかった?」
さっきと違って今回は気絶はしなかった。
その代り、折角止まった鼻血がまたつぅー-と垂れてきた。
仕方ないからまたハンカチで鼻血を拭いた。
「美味しくなかったのかな?」
「ううん…そんな事無い、こんな美味しいハンバーグ、麻里奈初めてだよ…うん」
「そう…それじゃ今度は麻里奈の番…同じように食べさせて」
「うっ嘘…そんな犯罪みたいなことして…良いのかな?」
「食べさせて!」
「解ったよ…うん、もぐもぐクチャっ、うううんうん?ううんうぐっぷはぁ」
「うん、うぐうんうんごくっ ぷはっ 麻里奈美味しかったよ」
「そそそ、そんな、正平くんが、正平くんが麻里奈の、麻里奈のハンバーグを…食べちゃった…飲み込んじゃった…麻里奈の涎が入っていたのに…」
麻里奈の鼻からさっきとは比べ物にならない鼻血が垂れてきた。
もう拭かなくて良いよな…
テーブルを鼻血だらけにしながら食事を続けていたら、麻里奈が途中で顔を真っ赤にして倒れた。
本当に耐性がないんだな…
仕方なくまた同じようにお姫様抱っこをしてソファに運んだ。
※これは1980年代に実際にあった事を基にしています。
◆◆◆
キャミソールとミニスカートが鼻血だらけになっている。
仕方ないな…キャミソールとスカートを脱がして、洗濯機に放り込んだ。
形の良い幼い可愛らしい胸がまるみえで二―ソックスと縞パンだけになった状態だ。
この世界の男はこの状態の女性を気持ち悪いというが…信じられない。
俺の子供の頃は、エロ本は本屋さんでは未成年では売って貰えなかった。
だから、夜こっそり家を抜け出して自販機で買った。
お風呂でも沸かすか。
「麻里奈っ」
「まーりーなー起きろーっ」
相変わらず、にへらと笑っている。
仕方ないから軽く太腿を叩いた。
「麻里奈…起きて…」
「う~ん正平く~ん…?!…あれっ私なんで裸なの」
「麻里奈…鼻血だらけだったから…脱がして洗濯機に入れておいたよ…体にもまだついているから沸かしたからお風呂に入ってきなよ」
「うん、そうだね入ってくる」
しかし、この世界じゃ女の裸に本当に価値が無い。
前世の男の裸みたいな物なんだよな…パンツと二―ソックスの姿なのに…何も気にしないんだからな。
勿論、これで終わらせない…
「麻里奈、お風呂どう?」
俺は麻里奈がお風呂に入ったのを見届けてから服を脱ぎ突入した。
麻里奈は体を洗おうとボディシャンプーをタオルにつけていた。
「嘘、嘘…正平くん、裸、裸…」
一応、俺は大きなバスタオルを巻いてはいる。
ちなみに麻里奈は目を手で隠している…だけど指の隙間からチラ見しているのが良く解る。
前の世界なら裸を隠すのは女だが、この世界では逆だ。
「あのさぁ…麻里奈はご学友で、将来は俺の『嫁』になるかも知れないんだよ…いい加減慣れようか」
「あああ、あの正平くん…だけど…その…」
めんどくさいな…
「ほら洗ってあげるから…」
俺は手にボディシャンプーをつけて麻里奈に迫った。
「正平くん..まさか…その…」
顔を真っ赤にして黙ってしまった。
俺はボディシャンプーをつけた手で麻里奈の背中に触った。
「しょしょしょうへいくん…何事…何事なの…ハァハァ」
「うん? どうした? 俺は麻里奈の背中を流してあげようと思った、だけだけど?」
「ああっ、正平くん、ハァハァ、そこ駄目だよ…うん、くんっハァハァ」
背中だけじゃ面白くないからお尻の割れ目に手を回す。
「駄目だよハァハァ、汚いから、そこ汚いから…嫌、いや」
「汚いから洗うんだよ?」
「そんなくっハァハァ…いや駄目」
こう言う反応は普通に女の子なんだよな。
そのまま手を前に滑らせて胸を洗う…
「嘘、前は良いよ、前は自分で洗えるから…」
「駄目…逃がしてあげない…」
「そんな、そこは良い、本当に汚いから、嫌、触らないで良いよ…洗わないで…良いから」
股間に手をまわし、手で洗った。
「はぁはぁ…正平くん…」
顔が真っ赤だ…ハァハァ言って発情しているのが解る。
俺は麻里奈の体をお湯で流してあげた。
「それじゃ、麻里奈…今度は麻里奈が洗って」
「ハァハァ良いの? 本当に良いの?」
此処迄、発情していれば、少しは期待できるかな。
「それじゃお願いしようかな」
俺は折角なので横にあったマットを敷いてうつ伏せに横たわった。
「正平くん、どうすれば良いの? ハァハァ」
「俺に跨って背中から洗ってくれれば良いよ…手が大変なら胸に…」
「ハァハァ…麻里奈頑張るよ…頑張るからね…」
凄いな、背中が温かい…体全部を押し付けてきて…なんだ…動かないな…
なんだこれ…血?
「麻里奈…おい…」
また鼻血だして倒れている…
仕方ないな…
俺は麻里奈をどかしてマットに寝かして体をバスタオルで拭き上げた。
そのままベッドに連れていき寝かした。
回転ベッドに寝ている姿はなかなかエロい。
さぁ此処からだな…
キスをしながら体を触った。
「うぐっううんうん…うん、正平くん、何を…」
「うん、麻里奈にエロい事をしているんだけど…」
「嘘、嘘…正平くん裸…嘘…そんな事…痴男みたいな事しないで良いよ…駄目、駄目だったら…あぁぁぁー-」
どうにかこうにか1回はいかせる事が出来たようだ。
「いや…正平くんハァハァ駄目だよ…ああああー-っ」
どうにかもう一回いかせたけど…また鼻血だらけで気絶しているし…
仕方が無いから、麻里奈をどかしてシーツを交換した。
このまま腕枕でもして麻里奈が起きるのを待つか。
◆◆◆
「よし麻里奈は出来る子だから、大丈夫」
掛け声は良いが、全然手を出そうとしない…
「よし、バッチ来い…大丈夫出来るから」
このセリフも何回も聞いた。
「うう~うっ大丈夫だから..」
これも聞いた…
手が震えて目が泳いでいる。
目を瞑って搾精カップを持ったり置いたりを繰り返している。
漫画にするならグルグルと目が回った状態だな。
顔を真っ赤にして搾精カップを持ってなかなか使ってこない。
結局、麻里奈が搾精カップを使うまで3時間近く掛かった。
この世界、男が劣化した世界だと聞いていたが、もしかしたら女も劣化している気がする…
かなり過激に思えるかもしれないが…殆どキスと体を触る事しかしてない…ビッチになりたいという麻里奈でこれだったら…他の子はどうなるんだ。
第33話 グラビア体型は不遇でした。
「それじゃ麻里奈、またね~」
「うん、正平くんまたね~ ハァ~」
溜息をつきながら、まるで日曜日が終わった月曜日のサラリーマンの様な死んだ目で麻里奈は去っていった。
朝起きれなかったので折角の朝食もふいにしていた。
朝8時まで…ルールだから仕方が無い。
昨日の内容は口止めをお願いした。
捨てられた猫の様に泣きそうな顔をしながら、何回も振返るのはやめて欲しい。
なんだか…悪い事した気になるからな…
◆◆◆
この世界の女性を手に入れるのは早い者勝ちだ。
基本的にこの世界の女性は男性の告白は断らない。
そして一旦男の者になった女は自分から離れない。
その状況で女が嫌いだからと引き篭もる…この世界の男は馬鹿だ。
率先して、可愛い子を手に入れた方が良いに決まっている。
やはりグラビア系の女の子が欲しい。
この世界にグラビアアイドルは居ない。
男が女を嫌う世界で、尚且つ女の裸を見たくない世界じゃ、そういう商売は存在しない…当たり前だ。
殆どの男は、胸が無く自分達(男)に近い体型を好むから、グラビア体型の女じたいがこの世界じゃ嫌われ者だから…まぁ恋愛弱者なんだろうな。
ネットで調べて出てこないなら、違うワードでくぐれば良い。
ヤグ―で『巨乳 少女』等、巨乳を中心にくぐってみた。
結果は酷いな…
簡単に言えば晒し物になっていた。
「キモイ」「こんな奴誰も相手にしない」「豚女」こんな誹謗中傷のオンパレード。
最も書き込んでいるのは女だ。
男はきっと…見もしない。
何しろこの世界の男が嫌う女性のナンバー1が『巨乳』ついで『デブ』『お尻がでかい』となる。
つまり、豊満な女性は…この世界では醜い…そういう事になる。
ネットに出てくる画像は、恐らく自分達が望んで載せている物じゃない…
この世界じゃ美少女ですら男を手に入れられない…だからその苛立ちを更に恋愛弱者にぶつけているのかも知れない。
だから『豚女w』 とか『これに比べたらまだまし(草)』とか『私がこれなら死ぬわ~』という辛辣な掲示板に笑いものとして画像掲載されている。
意地が悪いな。
目を皿のようにして見ていると…かなり沢山晒されている女の子がいた。
その中で、目についたのは『顔は可愛いのに、小学生でこの体じゃ台無し』そういう見出しがついていた。
そのままポチると…多分盗撮だと思うが…誹謗中傷が凄い。
『化け乳』とか書かれているけど…まさにグラビア体型だ。
胸が大きいけどデブじゃなく痩せていてスレンダー、しかもお尻も大きくない。
胸の大きさがFカップもある…
これ前の世界なら『奇跡の』とか『可愛い顔のFカップ』とか『Fカップ伝説』とかでイメージDVDや写真集が出そうな位だぞ!
顔は童顔で髪は黒毛、目が大きくて顔は凄く清楚そうに見える。
髪型はロングの髪型とおさげの髪型の写真があるがどちらも可愛い。
しかもこの世界、水着の上をつけるのが男女逆転しているから、トップレスの写真…きれいな美乳がちゃんと見れた。
『居るじゃんグラビア系』
一応は個人情報まで晒されているけど、名前と住所とバイト先だけだった。
◆◆◆
困ったときの美香さんだ、
DSSSって本当に素晴らしい組織だと思う。
「正平様、今日はどういったご用件でしょうか?」
ついでだから、これも渡しておこう…
少し恥ずかしいが、これは成果だ。
「まず…これ、成果です」
搾精カップを手渡した…
「これは、早速…出来たのですね…凄いですね、それなら報酬を」
「代金は上條麻里奈の口座に振り込んで下さい…彼女の頑張りが強いですから…」
「はははっ…女性と楽しみながら抜けた…凄いラブスに住みたいなんて言っていましたが…本当に驚きました」
「それで、お願いがあるのですが…ネットで見て気に入った子が居たので…お見合いをセッティングして貰えますか?」
「え~とネットなら連絡先が普通はある筈ですが…勿論いいですよ…どの子ですか?」
俺はPCの画像を直接見せた。
「この子です」
「豚女? え~と不愉快な者を見たから頭にきて直接罵倒をしたい、そう言うことですか? 可哀そうだからやめましょう…ねっねっ余りに残酷すぎます…正平様、慈悲の心、慈悲の心ですよ」
「いや、そうじゃ無くて…」
「まさか、腹が立つから殴りたい蹴りたい…そういう事ですか? 確かに男性は、それをしても罰されませんが、そう言うのは見たくありません」
違うのに…
「あの…真面目にお見合いしたいだけですよ? 気に入ったら『顔見知り』から交際をスタートしたい、そう思っています」
「本気ですか? ネットで評判の『キモイ体の豚女 五月美樹』ですよ」
別の意味で有名人なのか…
「お願いします」
「解りました…手配します」
この世界…やっぱりすごいな。
第34話 五月美樹
それから待つこと1時間…五月美樹が連れてこられた。
俺が待っている場所は、DSSSの中にあるお見合いルーム。
美香さんの話だと、パートナーの居ない存在には憧れの場所の筈なのに…
「嫌ぁぁぁぁぁー――もう嫌ぁぁぁぁー-謝るから、謝るから虐めないでぇー――っ」
泣き叫ぶ美樹が両方から腕を押さえられ連れて来られた。
「美樹さん、落ち着いて此処には貴方を虐める人は居ませんよ…今日はお見合いですからね」
ジャージ姿に穴のあいた靴…お風呂も多分かなり入っていないのか、少し匂う。
「嘘だぁー――、そんな事言って、また酷い事言うんでしょう? もう良いよ…どうせ豚だもん…だれも人間扱いしてくれないし…」
「美香さん、これは一体…」
「当たり前じゃないですか…この肥大した胸、男性が一番嫌うものでしょう…男性が嫌い=女性も嫌い…こういう子は生きるのも大変なんです」
マジか?
確かに今は浮浪者みたいに見えるけど、ジャージごしに見てもスタイル良いけどな。
「とりあえず美樹ちゃん…そうだ、ご飯と飲み物を奢るから暴れないで」
「えっ…ごはん…ぎゅるるるるー――っ、あの、悪口なら我慢しますから…殴ったり、蹴ったりは…許して下さい…痛いのは嫌なんです」
『虐待』『虐め』それが頭に浮かんだ。
「絶対にそれはしないから大丈夫…だから暴れないで、美香さん…食事をあげて…あとシャワーを貸してあげて…」
「食事は用意しますが、シャワーは無理です…ここはDSSS、男性の為の施設です…誰の者でも無い女性は此処の場所以外は入れません」
すっかり忘れていたが、此処は男性専用宿泊施設だ。
つまりは男の為の施設だ。
「あの、本当に虐めない? ぶったり、蹴ったりしないの? 悪口も言わない?」
「しないから安心して…お腹がすいているんでしょう? ご飯を食べてから…話しようか?」
「本当? それなら良いよ、もう2日間何も食べてないから…ありがとう」
しかし、外部の人間には凄く対応が悪いな。
もってきた食事が菓子パン2個に牛乳だけだ…
それでも美味しそうに頬張って食べている。
顔は童顔で髪はセミロングの黒毛、目が大きくて凄く清楚な感じに見える。
亜美やみうと同じ位に可愛いと思う。
その可愛さはこんな物乞いみたいに汚れていても解る。
一番の違いは胸だ…この世界『貧乳は正義』と言わんばかりにスレンダーな女性が美人と言われている。
彼女には胸に巨大な塊が二つぶら下がっている。
ジャージを着ていても解る…誹謗中傷で『でかい脂肪の塊』でFカップと書いてあったが…その通り…兎も角でかい。
小学生でこれ…そう考えたら将来はGHIJと大きくなっていくんじゃないか…
まぁ、この大きさでももう充分だけどな。
美樹の手がピタリと止まった。
「やはり、気持ち悪いですよね…自分ではどうする事も出来なくて嫌になるんですよ…身長が145センチなのにこんなに大きくなって、こんな胸のせいで私、友達もいなくて..ううっ」
写真よりもっと大きく見える。
「あの…凄く大きいけど、サイズって…」
「笑っちゃいますよねHカップで92センチですって…折角痩せているのにもう化け物ですよね…」
「あの、ネットだとFカップって書いてあった気が…」
「あの時は…そのFだったんですけど、成長しちゃって…ただでさえ気持ち悪いって友達も出来ないんですよ…それなのにまた大きくなっちゃったんです…見たいんですか…このお化けみたいな塊…気持ち悪いおっぱいみたいんですよね…良いですよ…ご飯くれたし…吐いても知りませんよ…好きなだけ見て…蔑んで馬鹿にすると良いですよー――っ」
美樹は泣きながらジャージを脱いだ。
『大きくて重力に負けて無い…凄い美乳だ』
「凄い…」
「何が凄いんですか…好きなだけ罵れば良いじゃないですかー―――っ、気持ち悪いって…目が腐るって…罵れー――っグスっグスッ」
正直言えば、お風呂にかなり入ってないせいか臭い。
だが、それでも…これは触りたい。
「触っても良い」
「あの、触ったら手が腐っちゃいますよ…気持ち悪いだけですよ…そんな馬鹿な事…吐き気がするでしょう」
「吐き気がするけど触りたい…」
俺はそう言いながら手を伸ばした…この世界では女の胸に価値は無い。
前の世界なら、男の胸に触る…それ以下だ。
ふよふよ、たぷたぷ…
「凄く触り心地が良い」
「嘘です…こんな気持ち悪いもの…醜い脂肪の塊ですよ…どうせそう言って帰った後馬鹿にするんですよね…どうせネットに『キモイ女のキモイ胸触った』とか書き込んで…手が腐るかと思ったって言うんですよね…うえぇぇぇー-ん、私だってペタンコに生まれたかったよー――っ 無い乳に生まれたかったよー――こんな胸嫌だよー――だけど、仕方ないじゃない、これが私の胸なんだからー――っスンスングスグス…もう気が済んだー-ぁ、馬鹿にして触って気が済んだぁぁぁー-」
「正平様、流石に残酷です…もうやめて返してあげましょう…」
「そうだな、それじゃ『顔見知り』から始めようか?」
「ええっ…あの、この胸を見て、そんな事言うのですか? 豚みたいな体なのに」
「美香さん、豚というのはデブを言うんですよ、彼女は巨乳、もしくは爆乳です! 全然豚とは違います…断じて違います」
「正平様…正気ですか…その本当に『顔見知り』に?」
「はい」
「凄いですね…さすがCランクの王子様は…これも救っちゃうんですか…解りました 美樹さんDSSSにようこそ!」
「え~と…なにかな今『顔見知り』と聞こえたけどグスッグスっ…本当?」
「本当だよ…これで美香さん、この子にも部屋が用意されるんですよね」
「はい、食事に衣類、生活費まで全部用意します」
「それじゃ、宜しくお願い致します…それじゃ美樹ちゃん宜しく」
「あの…こんな気持ち悪い女なのに、その『顔見知り』にして貰えるなんて…ありがとうございます…正平くんって…神様みたい…美樹がんばる…生きてて良かったよ…何度この胸えぐって死のうか考えていたんだよ、グスッ…だけどね、生きてて良かった…ありがとう」
「これから宜しくね…後は美香さん頼んだよ」
「はい」
本当は体を洗ってあげたいし…Hカップを触りたいけど…順番は守らないと大きな問題になる。
「それじゃ美樹ちゃん」
後ろ髪を惹かれつつ、美香さんに美樹を連れていった貰った。
第35話 すんなり
美樹について皆に話す事にした。
今迄と今回は事情が違う。
今迄の皆はこの世界では普通の子。
周りから嫌われていない…今回はちょっと事情が違う。
巨乳とか爆乳はこの世界では同性からも嫌われる。
仲良く出来るかどうか問題だ。
俺は美樹について皆に話した。
「正平さん、また増やしたんですか? まぁ仕方ないです…自重して下さいね」
「あのさぁ剣道少女って汗臭いとか言われて、巨乳とか程じゃないけど嫌われているからさぁ気にしないよ」
「正平様、ほら、私なんてハーフですわ、正平様は綺麗だといってくれますが…この国ではかなり嫌われていますわ、銀髪に緑目なんて綺麗なんていう男性は正平様だけですわ」
「麻里奈なんて…ほらビッチファッションしているし、凄く浮いていて友達もいないよ…まぁ開き直りもあるけどね…嫌われているという意味なら…同じだよ…美樹ちゃんが嫌じゃないなら、麻里奈遊びに行っても良いよ」
「亜美はアイドルだから…沢山の人と関りのある仕事をしているから気にならない…それに正平くんの『顔見知り』ならもう家族みたいな者だから…仲間みたいな者だもん」
「みうも気にならないよ…声優の子の中には容姿に自信が無い子も居るしね、もう仲間なんだから…うん私も麻里奈ちゃんと一緒に今度遊びに行ってみるよ」
「私はツンデレやっていた位だから美樹ちゃん程じゃないけど貧乏だったから友達になれると思う」
「それじゃ、皆いっそうの事これから押しかけちゃおうか?」
「「「「「「「そうね」」」」」」」
こうして俺を含む8人で美樹の所に押し掛けに行った。
「あの…正平くん、この人たちは?」
お風呂に入って着替えた美樹は…それだけでネットの写真以上に綺麗になっていた。
服も…凄くエロい…上半身は普通だがミニスカートだからか胸が大きいからか…兎も角凄い…麻里奈みたいな服を着たら…凄い事になるな。
「ああっ、全員俺の仲間だよ! 皆、美樹と友達になってくれるってさぁ」
「うそ…美樹と皆…友達になってくれるの? 嘘…信じられないよ…うんグスグスすんっ…正平くんの『顔見知り』になれて奇跡が起きたのに…今日は本当に奇跡ばかり….うわぇぇぇぇー-ん嬉しいよー――っ」
「美樹ちゃん、私は桜木琴美…まぁ正平さんのお世話係みたいな感じかな、男性保護施設出身だから、事務的な事や施設の事で解らなかったら何でも聞いて」
「グスッ…はい宜しくお願いします」
「護衛役の千葉千鶴…剣道が好きだ…宜しくな」
「…宜しくお願い致します…千鶴さん」
「同じく護衛役の北条エルミナですわ…宜しくですわ」
「グスッ 宜しくお願い致しますエルミナさん」
「私は上條麻里奈、宜しくね…私のご先祖様も胸が大きかったみたいだよ…宜しくね」
「宜しく麻里奈ちゃん」
「私は綾瀬…」
「嘘、亜美ちゃんだ…みうちゃんまで居る…ゆかりちゃんまで…凄い…」
「紹介は要らないみたいね、宜しく」
「みうも知っているんだ…宜しくね」
「ゆかりまで知っているんだ…凄い、アニメ好きなのか? 宜しくね」
「はい」
どうやら、仲良く出来そうだ…良かった。
これで歓迎会も出来るな…何時にしようかな。
第36話 みうと一晩中
今日の順番はみうだ。
少し休んだ後、スマホで連絡してみうに来てもらった。
暫く待っているとドアのベルが鳴ったので迎え入れた。
「みうちゃんいらっしゃい」
そう言えば俺、何で麻里奈だけ呼びつけなんだろう。
まぁ今はそれは気にしなくていいや。
「正平くん、みう来ました」
しかし、凄く可愛いいな。
緑色の髪のポニーテールに赤いリボン、顔は童顔でスレンダーな体。
まるで昔のロリコン漫画のヒロインみたいだ。
みうは声優だけどアイドルでもある。
そう考えたら麻里奈よりも耐性があるかも知れない。
俺は麻里奈にしたように両手を広げてみた。
「みうちゃん…ほら」
「わーい、お兄ちゃん、みう大好きー-っ」
そう言うとみうはしっかりと俺の胸に飛び込んできた。
流石はアイドル、此処迄は上手いな。
だが此処からはどうかな?
「みうちゃんて凄く良い匂いがするね、それに凄く可愛いよ…うぐうっううんうんうんっぷはっうううん」
みうを抱きしめ…そのままキスをした。
勿論軽いキスではなくディープキスだ。
「えっ? うぐうううんうぐっ、お兄ちゃんうぐっうううん」
やはりこの世界の女の子はアイドルでもキスにすら耐性が無い。
その証拠に、キスした瞬間みうは目を見開いて驚き、キスした瞬間から歯が少し当たっている。
「ほら、みうちゃんちゃんと口を開いて舌を絡めて受け入れてよ、うぐっううううんうん」
みうは顔を赤くしながら口を開いた。
「うん、正平おにいひゃん、うぐっうううんうん、ぷはっううんうんうんこう? こええうんぐっ?! こええいいかなうんぐっ」
流石はアイドル活動をしているだけの事はある。
男を喜ばせる事をしっかりと考えているのだろう。
拙いながらも、こちらが何を望むのか?
こちらがやった事を覚えて同じようにしてくる。
「うぐっうううん、うんぷはぁっうんぐうっ…ひょうへいおにいひゃん、こえ凄い…すごい…みう…しゅき、おにいひゃんしゅきうんぐっ」
凄いな…もう喜びながら自分から舌を絡めてくる。
なら…
「うんぐっくちゃくちゃうんぐっううん」
少し涎を貯めてからみうの口に送り込んだ。
「うん?!ううんっうん、ごくごくゴクリッ、しょうへいおにいひゃんの涎、すごくおいひいよ…もっともうとっ」
凄いな、もしかして耐性が出来たのか。
麻里奈と違って鼻血も出さないし気絶もしない。
「うんぐっ、ごくっううん、おにいひゃん、くちゃくちゃうんぐっ」
「うんぐううんゴクッううん」
本当に凄い、今度はみうが涎を貯めてから俺の口に流し込んできた。
気がつくともう一時間以上キスをしている。
このまま続けても良いが…他にもしたい事がある。
「ぷはぁ」
「ぷはぁ…ああっ」
唇を離すとみうが寂しそうに俺を見つめてきた。
◆◆◆
麻里奈にもしてあげたので同じようにお姫様抱っこをしてあげた。
「お兄ちゃん、わーい、凄くみう、嬉しい」
まるで無邪気に振舞っている。
みうの今日の恰好は赤いオーバーオールのスカート、ややミニ気味に白いシャツ…まるでそう、ロリコン漫画のヒロインみたいな恰好をしている。
俺の事をお兄ちゃんって呼ぶのはきっと、俺を喜ばせる為にみうが主人公の声を担当したアニメの人気キャラの真似かもしれない。
妹キャラと言えば前の世界なら男の憧れだが、この世界では女の憧れだ…妹に親切な男等、この世界には殆ど居ない。
そのまま、みうをソファに座らせた。
「それじゃ、ご飯を作ってあげるから、暫く待ってて」
「お兄ちゃん、みうも手伝うよ」
折角手伝ってくれるなら…これをして貰おうかな?
「みうちゃん、良かったら裸になってこれを身につけてくれるかな?」
「えっ、お兄ちゃん…凄いね、気持ち悪いとか思わないんだね…良いけど…だけど、お兄ちゃんも…してくれる?」
上目使いで見つめてきた。
俺が用意したのはエプロン…所謂、裸エプロンだ。
この世界じゃ、女の子の裸には価値が無い、そう思われているからか、みうの服の脱ぎっぷりが大胆だ…多分この世界じゃ嫌がったり、恥じらいながら服を脱ぐ光景は見る事は無いんだろうな。
男で裸エプロンをするのは恥ずかしいが、ああ言われたら仕方が無いな。
俺はパンツ1枚になりエプロンを身につけようとした。
「おおおおお兄ちゃん、冗談…冗談なのに裸ぁぁぁー-きゅうっ」
「みうちゃん、みうちゃー-ん」
これはキャパを超えているのか?
鼻血を出してみうは気絶した。
俺は気絶したみうをお姫様抱っこしてソファに寝かせた。
裸エプロンだから、色々な物が見えて凄いな。
胸チラからお尻までもろ見えだ。
この世界はこのまま犯ってしまっても、法律的には善行でさらに喜ばれる。
だけど…これで気絶するなら…本当にSEXしたら死ぬんじゃないか?
そう思えてならない。
このまま見続けていたいが…そこは我慢して料理に戻った。
今日はビーフストロガノフを作り、デザートにメロンを用意して生ハムを乗せる。
ワインは未成年なので代わりにぶどうのジュースを用意した。
まぁこんな物だろう。
「みう、みう起きて…」
「う~ん…正平くん…うそ、その恰好」
「みうが気絶するといけないから着替えた」
すると…目に涙が溜まっている。
「そんな、折角のチャンスだったのに…みう…」
まぁ放って置いて良いだろう…
「残念でした、それより食事が出来たから一緒に食べよう!」
「う…うん」
さてと…
「それじゃ、みうちゃん、はい、あーん」
みうにスプーンで掬ったビーフストロガノフを差し出した。
おずおずと小鳥の様に真っ赤な顔をして口を差し出すみうが可愛い。
「どう?美味しい?」
「うううん、美味しいよ」
「そう、それじゃ今度は俺に食べさせて」
「うん、解った」
おずおずとスプーンで掬っておれに差し出してきた。
「違うよ…俺は、こっちが食べたい…うぐっうううん、ぷはぁ、凄く美味しい」
みうに近づきキスをする。
そのまま舌を差し込み、みうの口の中のビーフストロガノフを舌で舐めとった。
「うっ!? ううん、うん? ぷはぁ…」
驚いている、驚いている。
「みうちゃん、量が少ない、もっと食べたいな…」
「ハァハァ、みう解らないよ…」
俺は自分の口元を指さした。
「もっと食べたいな」
流石は芸能人、意味が解ったのか口にハムスターの様にビーフストロガノフを含み、口を突き出した。
「うんぐっううんうんうん、うん、はぁはぁ」
「うんうぐっ、おにいひゃん、こええいうの」
「ぷはぁ、そうそれで良いよ」
こういう所は流石芸能人…結構貪欲だ。
すぐに口の中にスプーンで2口3口とみうは含んだ。
「正平お兄ちゃん…うぐうぐもぐ、たべへ…おにいしゃん」
俺はキスをしながら舌を差し込み、食べながらみうの口の感触を味わった。
「それじゃ交代、今度はみうが食べて…」
俺がビーフストロガノフを口に含むと、みうが口づけをしてきた。
拙いながらも舌を差し込みながら自分の口へと運び込む。
やはり、みうは覚えが良い。
「ハァハァうぐうんもぐ、ごくっ、ぷはぁ、美味しいうんぐうんうん..おいひいよ…」
貪欲に口の中の食事が無くなってもキスをし続けて舌を動かし続ける。
ひとつこちらがすれば、それ以上に自分からする。
多分、こういう才能が有るのかも知れない。
麻里奈と違い気絶したのも一回だ。
案外、普通に過ごせる。
「それじゃ、これからどうしようか?みうは何かしたい事ある?」
「正平お兄ちゃんに任せるよ!」
さっきから『正平くん』『正平お兄ちゃん』呼び方が変わるな。
さぁ、どうしよう…
眠るまで時間は結構ある。
遊ぶかそれともお風呂に入るか。
悩むな…
みうに選んで貰おうか?
「みうは遊ぶのとお風呂入るのどっちが良い?」
みうは顔を赤くしながら…
「みうは…両方が良いな!」
流石はアイドル…可愛い笑顔で貪欲なのかも知れない。
だが、それが可愛い。
可愛い美少女が貪欲…うん凄いな。
そう、それじゃ遊ぼうか?
◆◆◆
折角プールがあるのでプール遊びをする事にした。
「お兄ちゃん…水着どれが良いかな? 選んで」
この世界は男女比が1対20しかも前の世界の男の裸以上に女の裸に価値は無い…むしろ男性が嫌う可笑しな世界だ。
だから、女性用水着は…
囚人服みたいな長袖長ズボンの物、もしくは下だけだ。
だけど、何でサーフパンツみたいな物しか無いんだろう…
沢山ある水着を漁っていたら、Tバックが数枚あった。
赤いTバック…これが良い。
「それじゃ…これが良い」
「嘘、こういう恥ずかしいのは、みうじゃ無くて麻里奈ちゃんの方が…」
「これが良い…な」
みうは顔を真っ赤にし、着替え始めた。
「お兄ちゃん…本当に痴男みたい…結構これ恥ずかしい…殆どつけてないのと同じだよ…」
確かにこれは前側も紐みたいに面積が少ない。
この世界の事だから…純情な男の子にTバックを履かせたような感覚なんだろうな。
凄いな…ブラは保護の目的にしか過ぎないから…
水着の時にはつけない。
トップレス状態だ…みうの可愛いらしい少し膨らんだ胸がもろ見え状態だ。
俺も着替えないと…
多分、胸を隠すのがこの世界の男の常識みたいだが、違和感があるから俺はつけたくない。
だから、別室でサーフパンツみたいな水着を下だけ身に着けた。
「お待たせ、みう」
「しょしょしょ正平おにいちゃん..胸、胸…胸が胸のボッチが見えているよ」
なんだか慌てている。
「此処には、みうしか居ないから別に良いじゃない」
「うっ…うん、そうだね、うん、此処にはみうしか居ないから…良いんだよね…うん」
面白い位顔を真っ赤にして股間を手で押さえている。
面白いからみうの後ろ側に周り、そのまま抱き着いた。
「ひぃや…お兄ちゃん、当たっている、みうに当たっているよ…」
「いや、当てているんだから気にしないで…」
そう言いながら、俺はみうの胸を触りながら太腿に手をまわして触っているんだけど…みうはひたすら…
「胸が…お兄ちゃん…はぁはぁ気持ちよいよ…はぁはぁ、駄目、ああっあん、あん」
顔を赤くして涎を垂れ流しながら凄くエロい顔をしているんだけど…
ただ胸を押し付けて体を触っているだけだ。
しかし美樹みたいな巨乳なら兎も角、男の固い胸が当たっているだけで、良く興奮出来るな。
ゴツゴツしているだけなのに。
折角興奮しているんだから、このまました方が良いだろう。
俺はみうをお姫様抱っこしてそのままベッドに運んだ。
「うふっ正平お兄ちゃ~ん 抱っこしてくれるんだぁ」
甘い声でみうが囁いでくる。
回転ベッドに横たわり鏡にうつる、その姿は物凄くエロい。
相手がみうだからこその背徳感もある。
「はぁはぁ、お兄ちゃんはぁはぁ、うぐっうううんうん」
みうに口づけをするとそのまま舌を絡めてきた。
そのまま俺は搾精カップをみうに手渡した。
「正平おにいちゃん…良いの?」
顔を真っ赤にして震えながらカップを受け取った。
みうは俺を膝枕すると…搾精カップを使い始めた。
慣れている…そんな気がした。
確かにトップレスのロリータ少女に膝枕をされながらも良いけど…
なんだか、少し悔しい。
「みう…少し体制変えてよい?」
みうが驚いた表情になった。
「べつに良いけど…お兄ちゃんどうするの?」
「こうするの」
「ちょっ…お兄ちゃん、正平お兄ちゃん…これ凄く恥ずかしいよ…」
所謂69の体制にした。
「これも要らないよね」
「いや、嫌ぁぁー-恥ずかしい、それは…ハァハァ恥ずかしいよ」
俺はみうの水着を脱がしてみうに搾精をして貰った。
結局、みうはこんな状態なのに手を止めずに3本の搾精カップを満たした。
お礼として俺も全身リップやみうの色々な所を舐めた。
◆◆◆
「ハァハァお兄ちゃん…もう駄目」
流石のみうも疲れたみたいだ。
しかし、麻里奈と違って随分手慣れている…どうしてだ。
「みうは随分と上手い感じがしたけど、どうして?」
「お兄ちゃん、みうはこれでも声優系アイドルだったんだよ…アイドルのレッスンで教わったの…最もアレンジしてるけど…」
「だけど、なんで俺がお兄ちゃんなんだ」
「正平くん…もしかしてみうの作品の真似じゃなかったの?」
「えっ…それ、なに?」
「う~ん、みうの代表アニメ『子猫ちゃんのいる世界』女の子に人気のアダルトアニメなんだよ…小学生の女の子がお兄ちゃんとのエッチな暮らしを描いた人気作なんだ! ちなみにみうの服装はそのコスプレなの…」
だから、耐性があるのか…
だけど『子猫ちゃんのいる世界』ってどんなアニメなんだろう。
疲れたのかみうは横でスヤスヤ眠っている。
横で可愛らしく眠るみうを見ると、凄く可愛らしく思えた。
前の世界なら、こんな子が居たら、何人の男の子が群がるだろうか…
そんな子が努力しても男に手が届かない…
凄いな、この世界。
第37話 台無し
「お兄ちゃんまたね~うんっ」
軽くキスをしてみうは笑顔で帰っていった。
俺は、美香さんを呼んで搾精時カップ3本を提出した。
「3本、昨日も1本提出したのに…」
「ラブスの効果ですね」
「これは凄いですね…しかも提出された精子なんですが、非常に質が良いと評判なんです、買取値を600万円から800万に上げさせて頂くことが決定しました」
「そうですか…できれば搾精施設行きを辞める事は出来ないですか?」
「何故でしょうか?」
「俺にはラブスで女性と一緒に時間を掛けて搾りだす方が楽なんです」
「そうですね…確かにこの2日間で3本ですから、確実な成果が出ていますね、搾精は男の唯一の義務で月に出ない男性以外は1本納める事が決まっています。そうですね月2本以上納めると約束出来るなら、上に話してみますが大丈夫ですか? 通常の男性の倍以上の契約なら恐らく通ると思いますが結構きついですよ…まぁちゃんと2本目からは買い取りはします」
流石にネタ無しシコシコは辛い。
「それでお願い致します」
美香さんは端末を触ると連絡をしている様に見えた。
すぐに返事が来たようだ。
「正平様、毎月15日締めで2本以上でOKが取れました、宜しいですか?」
「お願いします」
「それじゃ、こちらにサインを」
美香さんは俺に端末を差し出した。
サインをし…今回の分はみうに3本分全部、振り込んでくれるようにお願いした。
この世界の女の子は貢ぐのが当たり前の世界だから、全部あげても結局は俺に帰ってくるし、DSSSで暮らすなら衣食住は完全無料で欲しい物も基本全部無料、税金も基本掛からないし、Cランクで基本月300万の支給がある。
何もしないでもお金が勝手に溜まっていく。
本当の所、何に使って良いか解らない。
◆◆◆
「正平くん、麻里奈の所に600万円振り込まれていたんだけど…」
「ああっ搾精のお金だよ…そのまま麻里奈が受けとって」
「麻里奈は確かに他の子みたいにお金を持っていないけど…男の子が稼いだお金を貰いたいとは思わないよ…だから、これは受け取れないよ」
そうはいっても、前の世界じゃ『性行為』をしたらお金を払うのは男の方だ…
まぁ、そこから外れるのはホストだが、俺は女性にモテたくてホストになっただけで…お金はさほど欲しいとは思わなかった。
そんな事言えばオーナーに怒られるが…じじいの俺を指名してくれる、選んでくれるそれだけで充分だった。
俺がホストになったのはじじい…ある意味凄く歪で『性的な魅力』は出せない…安心感と優しく信頼のある人間、そういう魅力しか出せなかった。
今は違う…
「麻~理~奈っ」
「正平くん、なに?うぐっ?!うんぷはぁハァハァ」
俺は麻里奈にキスをし、そのまま壁ドンをした。
「麻里奈、俺はお前が好きだ! だからこのお金は俺からのプレゼントだ…それでも受け取ってくれないのかい?」
「いや、だけど正平くん…」
「俺が麻里奈に貢ぎたいんだ…駄目なのか?」
目を真っすぐ見つめ、真剣な表情で語りかけた。
「しょしょしょ正平くんが麻里奈に貢ぐ…の、うわぁぁぁスンスングスグスッ…」
「なんで泣くんだ?」
「幸せ…幸せ過ぎて、麻里奈、麻里奈うえぇぇぇー――ん」
この世界で恐らく女に貢男は居ない筈だ。
以前は『お金を貰う』為に使った技をまさか『お金を渡す』為に使うとは思わなかったな。
俺は麻里奈を抱き寄せ…そのままそっと俺の胸に麻里奈の顔を引き寄せた。
「泣いている麻里奈も可愛いけど、麻里奈は笑っている方が可愛いよ」
「正平くん…」
はぁ~折角の良いシーンなのに、麻里奈の可愛らしい鼻から血が一筋流れ出し…その血がだらだらと多くなり俺のシャツを汚した。
ハァ~
「麻里奈、とりあえず鼻を拭き拭きしようか?」
ハンカチを取り出して鼻血を拭いてあげた。
「あの、正平くん」
「とりあえず、そのお金は麻里奈のものだから」
「うん」
鼻血を拭きながら、もう少し耐性が欲しいな…と心から思った。
第38話 Aランク、その価値は…
麻里奈も去ったし、今日はこれから小学校に行こうと思う。
支度し外に出ると…
「あの正平くん、今日は亜美の番なんだけど?リクエストありますか?」
リクエスト…そうだな。
「だったら、はい…」
俺は鍵を放り投げた。
「正平くん…鍵?」
「うん、今日は亜美が俺を部屋で待ってて、もてなして欲しい、あと手料理もあると嬉しいな」
亜美が不思議そうな顔をしていた。
「手料理? 嘘、それって亜美が作った物を正平くんが食べてくれるって事で間違い無いよね?」
なんで確認が必要なのかな。
「それで間違いないけど? なんでそんな事聞くの?」
「だって、亜美が作った物を正平くんが食べてくれるなんて…信じられないから…本当?」
流石はアイドルナンバー1、凄くしぐさがが可愛い。
「なんで信じられないの?」
「だって…」
話を聞くとこの世界の男は女をとことん嫌っている男性が多い。
他は大雑把でも、こと女に関しては潔癖症に近いらしい。
『女に触るのも嫌』『女から触られるのも嫌』そういう男性が殆どらしい。
それで握手会にあんなお金を払うのか。
そこから進んで『女が触った物は触りたくない』
そこまで進んでいる。
そんな状態だから『手料理』なんて食べて貰えない。
男の食べる食べ物はお弁当で作られる。
ほぼオートメーションで作られた弁当にシュリンクで包まれた状態。
それがランクの低い男性の食べ物。
個人的にはオートメーションで作ってもその機械は女が使っているのに…そこ迄拘る必要はないと思うな…
高ランクの男性は、男性シェフが作った物を食べるのだが…これは凄く不味い。
前の世界のシェフと違って本気で料理なんてしない。
野菜が生煮えなんて事も普通にある。
美香さんが食べていたので、一度少し分けて貰ったら…こんな物、前世なら1000円も払わないで食べられる位貧相な物だった。
お礼にパスタを作ってあげたら無記入の小切手を渡されそうになった。
それでも『女が触った物』は食べたくないらしく男性シェフは引っ張りだこなのだとか…
女にも男にも大人気らしい…こんな物前世のレストランで出てきたら絶対に俺はお説教して二度とそんな店行かない。
まぁ握り飯1個、男が握っただけで1万円で喜んで買う世界なんだから当たり前だな。
ちなみにこの世界の女のシェフの料理なら三ツ星クラスでコースで5万円位…男性なら無料どころか逆にお金が貰える。
凄いな…
「俺は亜美が作ってくれたご飯が食べたいんだ、ご飯を作って待ってくれている…ハンバーグが良いなぁ」
「正平くん、ハンバーグね、亜美頑張る!最高のハンバーグを作って待っているね…」
可愛いガッツポーズを作ると亜美は笑顔で手を振って去っていった。
◆◆◆
このまま小学校に出掛けようと思っていたんだが…出来なかった。
「あの正平様、いまお時間がありますか?」
美香さんに声を掛けられた、横に琴美さんも居る。
多分、重要な話になりそうな気がする。
「あの、正平様はSEXについてどう思います?」
「正平さん、ごめん、もう正平さんがAランク相当である事がDHS(男性保護施設)の責任者の川島さんにばれちゃった…ごめん」
まぁ、精子を提出するんだ、ばれるのは時間の問題だよな。
それより心配なのは13号さんだ8号事琴美さんは此処に居るから問題はないが13号さんは不味いんじゃないか?」
「その前に13号さんはどうなるんでしょうか?」
「その女性は…赤道下の収容所送りが決まっています」
「なら、スカウトします! 私の保護者に追加してください」
「犯罪者で…」
「申請します!」
「解りました…DSSSが責任を持ってその申請を通します…男性の意見を優先…それがこの世界のルールですから…少しお待ちを」
そう言うと美香さんは席を外した。
すぐに席に戻りニコリと笑いながら…
「話が通りました…正平様の保護者でいる間は罪の執行をしない、そういう話で話がつきました…要らなくなったら何時でもポイして下さいね」
13号さんの本当の名前は 青木律子というらしい。
手続きの関係で3週間位で此処に来るそうだ。
まぁポイなんてしないけどな。
「はい、お手数をかけました」
「それで問題はSEXですよ…精子の状態がほぼ正常なのは解っています…問題は心的要因です、此処暫く様子を見た感じ普通に女性に接しているようですが…どうでしょう?」
もう嘘を言っても仕方ないだろうな。
「多分、普通に出来ます」
流石に、実践をしていないから『出来る』と宣言はしない。
だが、今の自分の状態を考え出来ない、そんな事は無い筈だ。
「やはり、そうですか…ハァ~」
「どうかしたのですか?」
「この国、いやこの世界にはAランクは存在していません、Bランクですら国内には6人しか居ません、その6人でも半日以上の時間を掛けてようやく勃起をして挿入まで漕ぎつくのは至難なんです。その程度の性能力しかないんです…膣内に射精なんてそれこそ、Bランクでもそうは出来ません」
なんか可笑しい気がする。
「確か、Bランクは月1単位で性行為が可能だった気がしますが」
「こちらでいう性行為は『挿入』までです…すいません誤解しやすい表現で」
まじか…この世界の男って…まぁ良いや。
「そうですか」
「はい、しかも精子が正平様に比べるとかなり薄く、妊娠の可能性がかなり低いんです…それで正平様をAランクとして正式に登録する事が決まりました…ただこれは世界に影響を与えるとんでもない話なので、対外的にはBランク…各施設長クラスにはAランクという身分を公表します」
これ不味くないのかな。
「不味くないんですか?」
「ああっ13号、いや青木が勘違いしていたようだですが、特に今と生活は変わりませんよ…但し特典が破格に増えるだけです」
「そうなんですか?」
「はい…昔はAランクに対して色々と実験的な話がありましたが、その殆どはもうBランクの方で済みまして…その後国で話し合いを繰り返し『もしAランクの方が現れたら妊活を頑張って貰う』少なくともこの国はそう決まったのです」
何だか、随分話が違う気がする。
「あの琴美さん、随分話が違う気がしますが?」
「ごめんなさい、私も律子も学者コースだったので法律が苦手で…本当にごめんなさい」
「生活は基本、今と変わりません…寧ろ向上しますからご安心下さい」
「どう変わるのでしょうか?」
「それに関してこれから説明いたします」
話の内容はこうだった。
『他の男性が所有している女性も指名して自分の者に出来る』
一番凄いのはこれだ。
凄いなこれ…ある意味この国の女性は全部俺の者…そう取れる。
「これ本当に良いんですか? 揉めませんか?」
「どうせ、他の男性は女性に対して興味がありません、プライドから文句をいう者も居るかも知れませんが『何もしない相手』に考慮なんてする必要はありません…奪われる側の女性は相手がAランクだと解れば泣いて喜ぶと思います」
俺にとっては都合が良い話だ。
問題は無いな。
『お金に関しては月3000万支給、妊活で必要な物なら金額制限なし』
「今現在でも、お金が溜まる一方で使う事は無いんですが」
「DSSSで生活していればそうなりますよね…まぁこれはあくまで便宜上ですね…正平様であれば精子を売っただけで億万長者ですから一応権利がある…それだけですかね」
今の俺の生活にこれ以上お金は必要ないな。
「そうなんですか」
そうとしか言えないな。
「此処からは正平様ではなく女性側の権利ですね、まず正平様と肉体関係になった女性で『満足させられる』そう判断されれば、『優良母体』として登録します…恐らくそれは表には出せませんが女性として最高の名誉ですね」
え~と、そうなのか?
「正平様がもし、女性と体を重ねて『膣内射精』をしたなら『優良母体』登録は確定、女性にも正平様にも精子購入処じゃない金額を約束します」
「はい」
「それから女性が妊娠しましたら、その女性に『莫大な一時金』を支払います、最低でも1億円は予定しています…更にそこから生まれた子供に対し女の子なら1千万、男性だった場合3億の支援を予定しています…勿論他にも協力してくれるなら、その都度お金を払います」
なんだか凄い話だな。
「そうだ、子育てはどうするんだ?」
「そこは未定です…だってそんな事が出来る男性なんて存在しませんでしたから…ですが、そこは正平様とその相手の意思を尊重します」
凄いな…纏めると…
【俺の権利】が
全ての女性を自分の者に出来る権利。
事実上女性絡みのお金は使い放題。
【女性側の権利】が
『優良母体』という名誉が与えられる。
俺が俗にいう『中出し』をすればお金が貰える。
妊娠すれば、生涯遊んで暮らせるお金が手に入り、産んだ子供に対してのお金が支払われる。
良く考えれば…俺が選んだ時点でDSSSでの生活も手に入るから、多分かなりの幸せが手に入るんじゃないのか?
しかも、あの話なら育児をしなくても、しても良いみたいだ。
何か落とし穴はないか…
ある筈はない。
あるとすれば、俺から生まれた子はかなりの率でAランクだから、将来的にAランクの価値が下がっていくが…正直今のCランクの条件でも過分だから、問題は無いな。
「凄い話ですね…納得しました、2週間位後からで良ければ、宜しくお願い致します」
「即決…悩まないのですか?」
こんなエロ漫画みたいな話、悩む男は居ない…ああっ前の世界ならな。
「はい、本当なら今日からと言いたいのですが…今搾精を頑張る様にし始めたばかりですので…今迄頑張った子と、これからの子との差別をしたくないんで…すいません」
「いえ、寧ろそんなに早くから動いて貰えると思っていませんでした…本来は説得に半年は掛かると思っていましたので…すいません2週間ではこちらの準備が間に合いません…急がせますので1か月…そう1か月後からスタートしましょう」
「宜しくお願い致します」
「頑張りましょう」
結局話が終わる頃には2時を回っていた。
小学校は明日からで良いや…
第39話 君の名前は?
失敗した。
カギを亜美に渡して『待っていて欲しい』とリクエストしてしまった。
今の時間は2時…小学校から帰っていく時間で亜美が考えていたらもしサプライズや凝った料理を用意していたら邪魔をしてしまう。
困った…
しかし凄い話を聞いたものだ。
『この世界の女性が全て自分の者に出来る』
こんな事を言われたら見る女性全部が気になってしまう。
時間もあるしDSSSの中を見学してみるか。
しかし、DSSSと言いながらも、女性ばかりで男は殆ど居ない。
男は引き篭もり、ばかりだから仕方が無いのかも知れないな。
多分、部屋から一切出ない状態で暮らしているのだろうな。
DSSSは何でもある…映画館からプール、ゲームセンターまで本当に何でも…
これだけの施設なのに使っている人間がほぼ居ない。
折角なので最初は遊ぼうと思っていたが…遊びは何時でも出来る。
それより、少し気になった事がある。
他の男性がどんな女の子を好んでいるのかだ。
此処DSSSの施設にいる女性は二通り居る。
職員か誰かの男性の取り巻きの子か。
職員の制服を着ていない女性は当然他の男性の取り巻きだ。
勿論、他の男性の取り巻きをどうこうするつもりは無い。
彼女達は『男性にえらばれた幸せな女性』なんだからな…
それに…全員…まるで男の子みたいにしか見えなかった。
女性が嫌いな世界なのだとこれで良く解る。
胸が無い、お尻が小さいこれがほぼ共通。
後は背が高いか低い、両極端。
職員にはミニスカートを履いている存在がいるが、恐らく誰かの男性の取り巻きの子は長ズボン、長袖ばかりだ。
『本当に男にしか見えない子ばかりしか居ない』
男性に会う事も出来ない女の子が山ほどいるんだ、確かに可愛い子もいるけど相手がいる子を態々選ぶ必要は無いな。
男性が1人でベンチに座っているのが珍しいのかチラチラとこちらを見ている子が多く居る。
特に職員の方は結構気になっているようだ。
職員のミニスカートの丈は凄く短く、パンチラ処かパンモロなのは凄いと思ったし目の保養になる。
暫く周りを眺めていると…可笑しな者を見かけた。
観賞用の植木鉢の傍で隠れるように体育座りをしている女の子がいる。
髪型は歪なショートカット、一番近いのはおかっぱ頭を自分で切ったような感じで茶髪。
年齢は恐らく中学生位。
この世界の男性はボーイッシュでスレンダーを好むが彼女は更にあばらが浮かんでいた。
肌は褐色で可愛らしいが…驚く事に首輪をつけていて更に裸だった。
これは可笑しい…男は裸を嫌う…そうか痴女だ。
近くの職員に声を掛けた。
小さな声で「あそこに痴女がいます、逮捕して下さい」
そう言うと…
「ああっあれは満子ちゃん…痴女じゃ無いですよ」
「ここはDSSSですよね、俺は兎も角、他の男性の手前不味く無いですか?」
この世界の男性は女性の裸を嫌う、そんな中で裸でDSSSに居るなんて可笑しすぎる。
「そうなんですが…あの子には特別な事情がありまして…直接話してみますか? あの…バスタオルを一枚貸してあげる許可をお願いします」
「構いません」
まぁ丁度良い暇つぶしになるか。
◆◆◆
俺が絡んでいるせいか美香さん対応になった。
「貴方はもう下がって大丈夫だから」
「それでは後の対応、お願い致します」
「任せて…それで正平様、彼女ですが…簡単に言うと男性からの支援が完全に止められたからなんです…見苦しいという事ならこのまま捨てましょうか」
「そんな、ごめんなさい…ごめんなさい、許して下さい」
彼女はバスタオル1枚で寒いのか鳥肌がたっていてガタガタ震えていた。
「あの…状況を教えて貰えませんか?」
「実は…」
そう言うと美香さんは彼女について話始めた。
話を聞くと凄く胸糞悪い話だった。
彼女には知り合いの男性が居た。
ほぼ引き篭もりだった男性だったが、義務の関係でパートナーを探さないといけない時期がきた。その為名簿から彼女が指名されメールだけの付き合いが始まった。ただ、メールだけの付き合いだったが、長い付き合いになり、そろそろ義務で女性の登録が必要になった時期になった為彼女と『顔見知り』から付き合いをスタートするかどうかまで話が進んでいたそうだ。
だが、運が良いのか悪いのか、かなり高齢の男性から、同じく名簿から指名がはいった。
最初の男性が32歳、後の高齢の男性が65歳だった為、彼女は若い方32歳の男性をとった。
普通なら此処で32歳の彼と交際が始まる所だが、この65歳の男性はプライドの高い男だったので引かなかった。
その為間にDHC(男性保護施設)が間に入り、話し合いが行われ、そもそも、そこ迄好きじゃ無かった32歳の男性は『その方がそこ迄好きなら譲るよ』という話になり彼女から手を引いた。
普通に考えたら条件は悪くなるが男性との交際が始まる。
筈だったが…この男性は『プライドを傷つけられた復讐』の為に彼女を引き取っただけだった。
最初に彼女のお金を貢ぐだけ貢がせてて1文無しにし…更にDSSSの支給のお金を全部自分に渡すような書類にサインさせた…それだけじゃなく、最終的にはDSSSへの入居は許すけど、部屋は要らない…そんな風に依頼したらしい。
だが…それだけじゃ裸で生活している訳がわからない。
「あのそれじゃ裸で生活しているのは可笑しいじゃないですか?」
「あはははっ…『服は全部儂の支給金から出た物だから返せ』と脱がされちゃったんですよ」
「ですが、その首輪は…」
「これをしている条件で、ご飯を1日一回食べる権利とトイレを使える権利が貰えているんです」
「あの…これは本当ですか?」
「ええっ、概ね合っています」
「これは流石に法律違反じゃないんですか?」
「此処はDSSSです…男性の意見の方が優先されます…」
良く見ると彼女は体中に痣があり、口も切っていた。
「この傷は?」
「ううっ、偶に気が向くと手にグローブをつけてサンドバックゴッコとか言って殴ったり蹴ったりするんです」
「これは流石に暴行罪になるんじゃないですか?」
「すみません…男性にはそう言う趣味もある方もいますので、注意しか出来なくて」
何処までも女に厳しい世界だな。
「そうですか? それでこう言うクズみたいな男は結構いるんですか…」
「私の知る限りでは、殆どの男性は女性に興味はありません…女性を強く嫌悪するEランクでも基本は女性に関わらず、性的な行為を強要すると暴力を振るう位です、積極的に暴力を振るう人間はこの方位ですね」
仕方がないな…
これを放置したら人間として駄目だ。
「相手の男性のランクは?」
「Eランクです…」
「話を聞いてて目障りです、その65歳の男性どうにか出来ませんか?」
「正平様…そうですね、横柄な爺ですし、ただでさえEランクで精子は着床率が低く価値は低い、まして65歳じゃもうその精子に価値なんて無い…正平様の生活に支障がでる…そう言うのであれば『老人施設』送りに出来ますが…」
「老人施設?」
「はい、繁殖能力の無い男性が『女性』と関わらずに生きていける楽しい場所ですよ(笑)」
そう言いながら美香さんが黒い笑顔で笑った気がする。
多分この爺が嫌いだったけど『男性保護法』とかでどうにも出来なかったんだろうな…
「それじゃ、お願いします」
「畏まりました…それでその子はどうします?」
「どうしますって?」
「爺を処理するとDSSSの保護を外れます、このままの状態で叩きだす事になります」
はぁ~解ってて聞くんだな。
「君の名前は?」
「堀江満子(ほりえみつこ)です…不愉快な想いをさせてごめんなさい…だけど、私にはどうする事も出来なくて…グスッ、本当は嫌なのに…こんな家畜みたいな生活嫌なのに…どうする事も出来ないの…ごめんなさい…嫌な思いさせて…これで出て行けます…こんな状態で出て行けば警察に捕まりますが…グスッ、それでも今よりマシです…少女院に入れますから…うわぁぁぁぁぁー-ん、グスッ」
「それじゃ俺の『顔見知り』になりませんか? 嫌じゃ無ければですが…」
「あの…一旦男性に登録されたら…グスッ、出来ないんですよ変更なんて…私はもう終わりですよ…嬉しかった、年下の可愛い男の子にそう言われるなんて…夢みたいです…この思い出だけで強く生きていけます…ありがとうグスッ…本当にありがとう」
「その方は特殊な方なんです…世の中で唯一人、他の男から女性を奪える方なんです…さぁ堀江満子さん…この申し出を受けますか?」
「あの..グスッ本当ですか?」
「はい」
「それならお願いします…」
「それじゃ、すぐに変更します…勿論部屋や洋服、必要な物もすぐに支給しますね…」
「良いんですか?」
「はい…たった今から貴方は正平様の者です、頑張って下さいね」
「はい、ありがとうございます」
これ…きっと美香さんに嵌められた気がする。
まぁ自重は辞めるって決めたから…良いか…
第40話 【閑話】 老人施設
「大輔、お前のDSSSより追放が決まりました、連行します」
何で儂が乱暴に女に抱えられなければならんのじゃ。
「待て、儂は今でも搾精の義務を果たしておる、横暴じゃ」
一体何が起きたのじゃ…確かに儂は年齢的にはそろそろ終わりじゃが、まだ早すぎるし…此処から何故追い出されるのじゃ
「大輔、貴方はパートナー申請での虚偽がありますね…確かに人数は満たしていますが、面会などを行っていません」
「儂は確かに、そうじゃが…そんなの殆どの男がそうじゃろう…名前だけの申告等、全ての男が行っておる…それに儂は1人は老後の世話の為に此処にいれておる」
「その一人は理由は言いませんが、もう貴方の者じゃありません」
「何の権利があって、まさかあの32歳の糞野郎がごねたのか…お前ら散々儂を利用して…」
なんじゃ…何時もと様子が違うようじゃ。
「そうですね、その分のお金や待遇はしていました…それじゃ行きましょうか」
「待て、何処に行くのじゃ離せっ」
「老人施設ですよ…男しか居ない場所です」
◆◆◆
ヘリコプターに乗せられて儂は何処かに連れていかれた。
そして、突き飛ばされる様に落とされた。
「此処は何処じゃ…いい加減にしろ」
「そこは老人施設、貴方達にふさわしい住処です…では素晴らしい老後をお過ごしください」
なんなんじゃ此処は。
「おう、新入りが来たな」
「久々じゃな…お互い頑張ろうな」
どういう事じゃ…女ではなく男しか居ない…だが、何故皆はこんな貧乏そうなんじゃ。
「ここは何処じゃ」
「此処は老人施設…女が居ない世界じゃ」
老人施設?
「まぁ良い…休みたい…どこか休める場所に…」
周りを見渡すが、廃墟みたいな建物しかない。
近くの儂より年上の男がその廃墟みたいな建物を指さした。
「こんな所なのか…」
「あんたに説明してやるから、行こうぜ」
此処に居ても仕方が無いので儂はついていく事にした。
「それじゃ…説明してやる」
話を聞くと、この建物に儂は住まないとならないらしい…
エアコンもテレビも無い…暑い時は窓を開けるしかないそうだ…
しかも、無いだけじゃなく、電気、ガス、水道もなく、水は井戸に飲みに行くしかない。
調理をしたいなら、焚火をして焼かなくてはならない…しかも調味料も無く…洋服の支給も無いそうじゃ…
何もない…
どうしてこんな事になったんじゃ。
「どうしてこんな事になっておるんじゃ」
「そりゃ、あんたが義務を果たしてないか女性を大切にして無いかしたからこうなったんだ」
話を聞くとこうだった。
今やこの世界は女によって回っている。
この施設は『女を蔑ろにし大切にしなかった者』や『女と縁を結ばなかった者』のくる場所だという事じゃ。
女側の言い分では…
電気もガスも水道も『男は誰も携わらずに作られている』
洋服もスマホも家電も同じ…
建物も全部同じく女が作っている。
食料も99.999999パーセントは女が作った物だ。
つまり…この世の全ては『女』の物、そういう事らしい。
そして『女』は男を大切にし尽くし…幸せにしたい、そう考えている。
そこ迄尽くしても『女』を嫌う男性には男としての価値が無くなった時に此処に連れて来られるのだと。
「そんな話は聞いた事ない」
「確かにそうだ…だが良く考えてみれば『介護して貰っているネットの情報は個人の者ばかりだった』そう思わないか?」
たしかにいちいち調べたりしなかったが…
だが、言われてみれば、老人のサイトの多くは個人のサイトが多く、大概のサイトは妻に世話になっているサイトばかりだった。
儂は勘違いじていたのか…死ぬまでDSSSに居られる…そう思っていたのじゃ。
「死ぬまでDSSSに居られる、そう思っていたのじゃが…」
「ああっ、それには条件があって、後だしみたいで私も腹がたつがDSSSに自分を介護してくれ程愛してくれる女が居る…そういう条件らしいぜ…何でも歳をとって価値が無くなった男は要らない、だからDHSやDSSSの保護から外れる…だが男に囲われた女の多くは自分達も衣食住が無料だからとしっかりとお金を貯め込むらしい…そのお金を最後に使って『永代料金』を払うらしい」
「永代料金?」
「そうだ永代料金だ…ようは『自分と旦那を死ぬまで面倒見て下さい』そういうお金だそうだ幾らかは解らないがな、それをDSSSは受け取って生涯の面倒を見るんだそうだ…あそこで生涯暮らしている男は…そういう男か…もしくはそれに匹敵するお金を自分が払い込んだか、そういう奴だ」
「待て…それじゃ、支給金は貯めなくちゃならんかったのか?」
「そうだな…それだけじゃない足りないから、頑張って精子を2本以上提出してお金を貯めたり…もし関わり合いになりたくないなら、お前だって女に『ご学友』や『顔見知り』『愛人』の名前を売っただろう…そのお金を貯めて置く必要があったんだ」
「そうだったのか…」
「まぁ『女』にちやほやするようなキモイ男は居ない…ただ、我々はやりすぎた…それだけだ」
「それで儂は、これからどうすれば良いんじゃ」
「住む所は、大昔、戦争前に男が作った廃墟…さっき見ただろう、そこだ…食料は自給自足…トイレは無いから、その辺で済まして、川で尻は洗うんだな…この島は運が良く温泉があるから自由に入れる、あとは自由に…」
「コーラは?」
「無い…」
「自給自足とはどうすれば良いんじゃ」
「俺達の仲間に入るなら、食わせてやろう、その代り畑の世話や狩り、漁等を手伝って貰う」
「そんな事何故せねばならぬのじゃ」
「此処には世話をしてくれる女が居ないんだ、自分で全部やらなければならない…まぁ仲間になる、ならないは今直ぐでなくて良い…ゆっくり決めれば良いさぁ」
此処では、食べる事すら大変だった。
『女』が居ない…それだけで地獄だった。
こんな辛い思いをするなら…『女』に親切にするべきじゃった。
うん…待て、儂は『顔見知り』を1人置いていた筈じゃ…
次にヘリが来た時に申しだてをしたが…そんな登録は無いと言われた。
儂は誰かに嵌められた…
多分、そうじゃ。
いつ死ぬか解らないが…この地獄の中で生きていかなければならない。
医者も居ないし、薬も無いから病気や怪我は怖いし、重病や大怪我をしたら死ぬしかない。
死んだら…墓も作られずに…海に捨てるそうじゃ…
『コーラが飲みたい』
こんな小さな望みも敵わない…
馬鹿な事をしたもんじゃ…
幾ら後悔しても…もう遅い。
第41話 亜美と
はぁ~気がつくと10人か…
この世界では『理想』『推奨』『義務』とある。
『義務』と言うのはこの世界の男に課された義務。
出来る人間は搾精月1回。
子供の時には交友関係 『ご学友』『顔見知り』を家族を含み4人以上作る事
※女と違い男の場合は 母親が可愛がり手放さない 歳が近い姉や妹が居たら母親と大喧嘩しながら居座る傾向があります…他人の女は駄目でも身内ならOKという男性も存在して居て…その場合は交友関係に含む場合も多い。
大人になった場合は『顔見知り』以上を1人以上置く事。
DSSS等に入居しないなら『護衛』や『相談できる相手』を4人以上確保する事。
他にもあるが基本的な義務はこんな感じだ。
ちなみに搾精以外は義務と言いながら罰則はない。
『推奨』と『理想』は数が増えていくだけだ。
『理想』は大人の段階で10人以上。
そう考えるなら今の時点で、義務や推奨はおろか『理想』までの人数を確保した事になる。
この世界は望むなら幾らでも女の子が手に入る。
秋葉原に行って、それこそ踊っているアイドル50人全部欲しい。
そう望めば全部自分の者になってしまう。
だが、問題なのはそこから…小説や漫画じゃない。
今現在で俺の仲間は10人…1人1日と考えたら1回過ごしたら、次に会うのは10日間先…寂しい思いをさせてしまう。
それを打破できないなら…闇雲に数を増やすべきじゃ無いな。
◆◆◆
「亜美ちゃん~ただいま~」
「おかえりなさい、正平くん」
やはり待つより、待って貰った方が気持ちが良いな。
ドアを開いた瞬間の笑顔が凄く可愛い。
『幼妻』その感じが凄く可愛い。
今日の亜美は凄い…簡単に言うなら白い大き目のブラウスをミニスカートから出していて、よく見ないと白いブラウスしか着ていない様に見える。
さすがアイドルこういう演出もできるのか…
凄いな…可愛らしい目に熱を込めて見つめてくる。
これが前世なら、何人がこの眼差しに魅了される事だろう。
ふと思った事がある…
麻里奈やみうの時は俺がリードした。
だが『リード』させたらどうなるのか?
凄く気になる。
定番の言葉を言ってみた。
「亜美…食事にする?お風呂にする?それとも俺にする?」
これは本来は女が男にいうセリフだが、この世界じゃ絶対に言う女はいないよな。
言った瞬間に逃げられるだろうから。
亜美は顔を真っ赤にして…
「正平くんにする…」
俺が腕を開くと飛び込んできた。
俺はそのまま亜美を抱きしめるとそのまま横たわった。
当然、亜美が上で俺が下…亜美が俺を押し倒した様な感じになった。
亜美が少し体を起こす…所轄亜美が俺に馬乗りになった状態だ。
気がついた亜美が真っ青な顔になった。
「ごめん、正平くん…正平くんがあんな事言うから…ごめん、ごめんなさい…」
いきなりぽろぽろと涙を流しはじめた。
この世界の男性なら押し倒されたら、悲鳴をあげて暴れるだろうし、多分二度と会わないだろうが…俺は違う。
俺にはこれはご褒美だ。
「謝る必要はないよ…誘ったのは俺だしね…亜美…我慢しなくて良いよ、亜美がしたいようにして良いんだから」
亜美はさっき以上に真っ赤になり…
「本当? 本当に亜美の事嫌いにならない?」
こんな可愛い子…嫌いになるわけないな。
「うん、嫌いにならない…ちゅっ」
俺の返事が終わるといきなりキスしてきた。
「ちゅっ、ちゅっちゅっ…すぅちゅっちゅっ、亜美キスしちゃった…正平くんがあんな事いうから我慢が効かなくなっちゃったんだよ」
可愛らしい小鳥の様なキスだ…
まるで雨の様にキスしてくるけど…それ以上の事はしてこない。
「ちゅっちゅっ…正平くん、止まらない止まらないよぉ~」
この世界の男性は性的な事を嫌う。
だから『この程度のキス』ですらかなりエロい事をしている。
そういう事になるのかも知れない。
麻里奈もみうも…知識その物が無かったきがする。
確かにSEXその物をする経験がなく、想像に置いても搾精カップを使うのならこうなるのかもな。
「ちゅっちゅっハァハァ正平く~ん」
これはこれで良いけど…少し不完全燃焼だな。
俺は上下体制を入れ替え、亜美の両手を亜美の頭の上で交差させ押さえつけた。
「ハァハァ、いや、正平くん…亜美、もっと、もっとキスしたい」
「そうだね、今度は大人のキスをしようか? うぐっううんうん」
俺は口を貪るようにキスをし舌を滑り込ませた。
「うんうぐっ?!ううんうんっ、ぷはぁうん?!ハァハァ」
「亜美ちゃん、今度は大人なキスをしよう…口をあけて歯を当てない様にして」
「こう?あむうんうぐうんううんぷはぁ…しょうへいひゅん、こえすごうい」
少し荒々しく亜美の舌を求めるように舌を動かす。
「あうっうぐうううんうん?!ぷはぁハァハァうぐっ、しゅごういうんうん、ハァハァゴクリッ、ハァハァ…ごくごくっうぐうぐぅぅぅん」
亜美は凄いな…いつの間にか自分から舌を絡めてきて貪欲に唾を飲んでいる。
初めてした筈のディープキスでもう貪るように舌を動かしている。
軽く舌を噛んだ。
「正平くんハァハァ…これ凄いハァハァ亜美やみつきになっちゃうよ」
もう自重しないでよい
俺は首筋に唇をずらして首筋にキスをした。
ただのキスじゃない、強くすう。
「ああっ正平くん、これハァハァ少し痛い…ハァハァだけど、ああっ…正平くん…あっあっそこは汚いから、汚いからハァハァ嫌」
可愛らしい白いパンティの中に手を滑り込ませ優しく指で触った。
多分、こんな事する男はこの世界に居ない。
はだけたブラウスから見える可愛らしい乳首を軽く口に含んだ。
「ああっあああー――っ、そんな、亜美のそんな所までああっああー-っ」
ゆっくりとブラウスを脱がせると白いパンティ1枚の姿に亜美がなった。
「ハァハァ、恥ずかしい…恥ずかしいよ…」
俺は最後の1枚。
パンティに手を掛けたが、亜美が手で掴みいやいやをしている。
「正平くん嫌ぁー-正平くんいやぁぁぁー-」
そう言いながらも手にはそんな力が入っていない。
おへそから下に口をつけながら、そのままパンティに手を掛ける。
「正平くん嫌ぁいやぁぁぁー-っ正平くんいやぁぁぁー-っ」
そのままパンティを剥ぎ取り、股の間に口をつけた。
「正平くん嫌ぁぁぁ嫌ぁぁぁぁぁー-っハァハァ、汚いから…そこは汚いから…いやぁぁぁぁー-っ亜美、亜美シャワーも浴びてないハァハァ浴びてないから…大丈夫だから…そんな事しなくてもいいからハァハァ~いやぁぁぁー――っ」
そう言いながら俺の頭を押さえつけ亜美は股間を押し付けている。
「嫌いやいやぁぁぁぁぁー―――っ」
顔は泣いているような喜んでいるような、何とも言えない顔をしていた。
「いやぁぁぁぁぁー―――っああっ、いやぁぁぁぁー-」
ぷしゅぅぅチョロチョロ、しゃぁぁぁー――っ。
完全に逝って潮を吹いたようだ。
そして…
「酷いよ、ハァハァ正平くん、やめてっていったのに…グスっグスッ酷いよ、酷い…亜美ぃは亜美はこんなのってうえぇぇぇー-ん」
少しやりすぎた、潮を吹いたあと…そのまま亜美は勢いよく漏らした、それが俺の顔に掛かり、今に至る。
しかし、麻里奈でもみうもゆかりも泣くと子供になるのな…
当たり前だ。
「亜美、気にしないで良い…俺は亜美が気持ちよくなってくれて寧ろ嬉しいんだから」
「ヒクッグスッ…本当? グスっスンスン亜美の事嫌いにならない?」
「別にならないから、ほら行くよ…」
俺は泣いている亜美の手を引きお風呂場に向かった。
◆◆◆
まだ泣いている…
自重はしない…そう決めた。
俺は手早く自分を洗い流し…手にシャボンをタップリとつけた。
「ほら、亜美洗ってあげるから座って」
「スンスンっううっ正平くん」
まだ引き摺っている…
これからまた…似たような事をするのに…
このラブス仕様のお風呂は大きく、マット迄ある。
「あのグスッ正平くん…亜美を寝かせてどうするの? うぐっ?!」
「うぐっううん、こうすうの…」
俺は亜美にキスしながらシャボンがついた手で股の間に手を滑り込ました。
「うぐっ、ああっああ嫌ぁ嫌ぁうぐっううんううんぷはぁ…いや?!嫌ぁぁぁ、うんぐうんハァハァ」
「ぷはぁっ、亜美ちゃん、嫌がらなくて良いよ、潮ふいたり漏らしても問題ないから…最初に言っただろ?亜美がしたいようにして良いんだ…気持ち良くなっていんだから」
「グスッグスっ…本当? 嫌いにならない?本当に良いの?うんうんううっハァハァ」
此処迄言ってようやく亜美は体の力を抜いた。
俺は前世でホストだったがなったのは爺になってから。
だから、会話で楽しませるしか無かった。
売り専ホストや枕営業が出来る若いホストが逆に羨ましかった。
年齢的には若すぎるが…性行為で女性を満足させる。
それが凄く嬉しくて、楽しい。
「力を抜いて…ほら、恥ずかしいなら目を瞑ってても良いから」
「本当にいいのかなぁ…でも正平くんが言うなら…あっいや、そこは幾らなんでも…汚いよ、いやうんうんくすぐったい、あああんあん、あんあん」
まぁ驚くよな。
まさか、お尻の穴まで触られると思わなかっただろうから。
「正平くん、うんうんはぁはぁ、そこはいい、しなくていいから…いやぁいやぁぁぁぁー――っ」
指先で軽く触るだけで体がびくびくしている。
嫌と言いながら、体は赤くなり、股間からは愛液がトロりと流れてきて艶々している。
その愛液を指に擦り付けてお尻の穴に指を入れた。
「いや、そこはいやぁぁぁー――っだめ、うんうんハァハァああん、あああっー-あん」
股間に頭を埋めながらわざと音を立てるように舐めながら、力が緩むとゆっくりと指をお尻に押し込んでいった。
「ぴちゃぴちゃぴちゃうんぐごくっぷはぁぁぁぁ」
「正平くんハァハァ気持ち良い…気持ち良いようんうんうん…ハァハァいやぁぁぁー-」
顔を赤くしながら股間を自分から顔に押し付けてきている。
ほぼ69に近い状態で俺は口と指で亜美を責めている状態だ。
まだお尻に抵抗があるのか、お尻に入った指を動かす度に、亜美は腰を動かし嫌がるように腰を動かす。
だが…多分本当に嫌がっている訳じゃなさそうだ。
その証拠に顔は嬉しそうだし…体は正直で愛液は垂れ流し状態で、何より腰は動かすが…手を使って逃げたりしない。
本当に嫌なら…手でお尻を隠すかどうかする筈だ。
少し意地悪をする事にした。
俺は手と口を止めた。
「正平くん…?」
「亜美が嫌がるなら止めるよ…」
わざと口を離し、息が股間にあたる位置で止めた…
お尻に刺さっていた指もゆっくりと抜いた。
そうすると亜美の下半身が寂しそうにクネクネと動いている。
股間をもじもじと動かしている。
「正平くん…いやだせつないよ…いや…止めないでお願い…」
顔が凄くせつなそうで悲しい表情になっていた。
「だったら嫌って言うの禁止ね…ちゃんと素直にね…後は亜美からおねだりして欲しいな?」
亜美は顔を真っ赤にしながら…
「正平くん…お願い…お願いだから…して下さい…」
懇願してきた。
俺は黙って亜美の股間に口をつけ、お尻の穴に指を差し込んでいった。
「ああっあああー――凄い、ハァハァ凄い、気持ち良い…気持ち良いよー――っ」
もう亜美は、本能のままに腰を押し付けてきた。
お尻の方も力を抜いて…普通に動かしても嫌がらずに快楽を貪っている。
「ああっあああー――――んあー―――っいやぁぁぁー-っ」
ぷしゅっぷしゅゅー―――っ勢いよく潮を吹き、盛大に漏らした。
流石にこれは亜美も恥ずかしかったらしく、顔をいやいやしながら首を横に振っていた。
「はぁはぁはぁ…正平くん」
亜美はうつ伏せになり顔を真っ赤にしながら肩で息をしている。
亜美をお姫様抱っこをすると自分から首に手をまわしてキスをしてきた。
そのまま回転ベッドに連れていきゆっくり降ろした。
「正平くんうんぐっうんぷはぁ」
何も言わないでも自分からキスをし舌を絡めてくる。
「それじゃ、今度は亜美が気持ちよくして」
そう言いながら搾精カップを渡すと…
「うん…」
そう言いながら69の体制でカップを使い動かし始めた。
2本位抜いて貰うと、眠くなり亜美を抱きしめたまま…眠った。
◆◆◆
股間が凄く気持ち良い…
どうしたんだろう、搾精カップとはけた違いだ。
「あん、あん気持ち良いー-気持ち良いよー――っ」
何だか悩ましい声が聞こえてくる…
夢なのかな?
だが…それにしては余りにも快感が凄い。
寝ぼけ眼で目をこすりながら、目をあけると亜美と目が合った。
俺の目に映った亜美は俺に跨り一心不乱に腰を振っていた。
「嘘…正平くん…いやぁぁぁぁぁー―――――っ」
亜美の悲鳴を聞きながら俺は亜美の中に全てを吐きだした。
他のサイトでR15で同時投稿していたのですが…R18と指摘を受けました。
別サイトはR18が無いのでR18に変更して…アルファポリスオンリーにしました。
第42話 男を犯すのは犯罪です
亜美が狂ったように叫んでいる。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…亜美は犯罪者です…グスッグスッ…死んで償います…グスッ、優しい正平くんにこんな事するなんて…死ぬしかないもん…」
股から俺の精子が、つうっと太腿を伝って床に落ちた。
凄くエロいな…
泣いている亜美を宥めて、どうにか話を聞いた。
どうやら、亜美はつい性欲に流されて俺を犯した事を後悔しているみたいだった。
「亜美は許されない事をしました…搾精まで安心して任せてくれた正平くんを裏切って犯してしまって…あははは、もう死んで償うしかない…ごめんね…亜美死ぬから…許してね」
亜美の話では『男性を強姦した場合は基本死刑が当たり前』なのだとか。
「別に良いよ、俺も気持ち良かったし…ただ麻里奈とみうちゃんの時はまだ、SEXまではしていないんだ…もう一周してからしようと思っていたんだけど…うん仕方ないな…麻里奈とみうちゃんには何か埋め合わせするから良いや」
美少女が騎乗位で生でしてくれる…この世界の男じゃきっと大変なんだろうが…俺にはご褒美でしかない。
「だけど、亜美は亜美は正平くんを…汚しちゃった…こんなの女がして良い事じゃないよ…グスッグスッ…自分が許せないよ…」
「そう、汚したって言うなら、綺麗にしてくれれば良いよ」
俺は亜美の口に自分のペニスを突っ込んだ。
「えっ?! うんうぐっうううっううんぷはぁっ?! うごっううん」
亜美は驚いた顔をしていたが、そのまま舌を使い吸激を与え始めた。
嘘だろう…『汚くした』『汚した』そういうから俗にいうお掃除フェラで、すぐに口から抜いて、これでお相子…そうするつもりだったのに…
「どおう、しょうへいくおんきもひいい?うんうんぐっもごもごうんぷはぁうんうんごっううん」
苦しそうな顔をしながら俺の腰を押さえて口の奥まで咥えている。
先が喉に当たる位だから…亜美も相当苦しい筈だ。
「亜美、良いって…そこ迄しなくても」
「ううんぐきにしなやいでよいよ亜美がぅぷはぁうんぐんげほっぐぼっひたくてひいていうだけだかかあ」
「亜美、そんなにしたら駄目だって、ああっああー-」
亜美の中に盛大に吐きだした。
「うんぐっううんうん?!ううんげへっごほっうっううんげっ…ごくんっ、ぷはぁ…飲んじゃった…これで許してくれる!」
無理して飲んだせいか、むせたせいで鼻からも口からも精子が垂れていた。
「許すも何も元から怒ってないよ…次からはこういう事しようと思っていたから」
「そうなの…正平くんってかっこいいし、その優しいしエッチだって凄い…まるで王子様みたい、ううんぐっ」
亜美がキスしてきたが…流石に生臭い…だが、今の状況じゃ泣かれるからそれは言えないな…
◆◆◆
「美香さんに連絡しないとな…」
すっかり冷めてしまった亜美が作ったハンバーグを食べながら話すとまた亜美が泣きそうな顔になった。
「通報するんだよね…ごめんね」
「違うよ…実は美香さんや琴美さんと話して搾精だけじゃなく、自然なSEXを出来るなら挑戦して欲しい…そう言われたんだ…何でも相手にも特典があるらしいんだ…ただ本当はあと2週間後からだったんだけど…」
「そうなの…DSSSから依頼を受けるなんて凄い、流石だよ」
それはそうと、亜美には聞きたい事がある。
処女な筈なのに…痛みも無く普通に挿入して動いていた。
普通なら初めての時は痛くて出血もある筈だ。
「亜美に聞きたいんだけど、亜美は初めてだよな? なのに何で出血も無いし、痛がらなかったんだ」
亜美はきょとんとした顔でこちらを見ていた。
何を思ったのかポンと手を叩いた。
「正平くんは記憶が一部無いんだよね…えーと女の子は望むと処女膜の切除手術が受けられるんだよ…まぁ今となっちゃ搾精カップでしか普通はしないから関係ないんだけど、男女比がまだ1対5位の時に『いざ出来る』って状態なのに痛がって出来ないと困るからって事で行う事になったの…まぁ今じゃ過去の遺物みたいな物なんだけどね」
そうか…だから痛くないのか…
「凄いね…それじゃ美香さんにどうしたら良いか聞いてみるね」
「うん」
電話して暫くすると美香さんが来た。
「凄いですね~昨日の今日でこれですか?」
亜美が自慢気に精子がこびりついた股を見せていた。
流石にこれは恥ずかしい。
「あははっ」
俺は笑いながら頭を掻くしかなかった。
「とりあえずまだ施設が出来ていないので、外の産婦人科に連れていきます『優良母体』は確実ですね…まだ褒賞の金額は決まってませんが暫定でお二人には1千万ずつお支払いします…宜しいですか?」
「嘘『優良母体』凄い…亜美は良いよ」
「俺も構いません」
暫くすると亜美はDSSSの職員に連れられていった。
これから産婦人科に行くのだとか…
俺はDSSSの人に部屋を掃除して貰って…寝る事にした。
結局寝ないで…していたみたいだ…今は凄く眠い。
第43話 みうのいる世界
ピンポーン…ピンポーン。
煩いな…眠いよ…
多分数時間は眠っていた気がする。
亜美と朝方までしていたから疲れた。
なんだかんだで寝たのが7時過ぎ…今は11時か…
ピンポーン、ピンポーン…仕方がないでるか。
ドアホンから覗いた先には亜美、みう、麻里奈が居た。
大体、話は解る。
仕方ない、外で騒がれても困るから開けるしかないな。
「正平くん、ありがとう、これ貰えたよー-っ」
流石アイドル、凄く可愛らしい笑顔で亜美が飛びついてきた。
手には金色の免許証の様なカードを持っている。
「それがもしかして…」
「うん『優良母体証明書』だよ…これ貰ったの亜美が初めてなんだって」
可笑しいな…この間の話だとBランクでも稀に挿入が出来るって聞いた…その中には中出しがあっても可笑しく無いんじゃないか?
「あれっ? だけどBランクの人のパートナーの中には居るような気がするんだけどな…」
「それも正平くんが気になると思って、聞いてきたBランクの人は『生挿入を凄く嫌がるからゴム使っているんだって』」
この世界の男ってなんだ…前世なら『ゴム無し』の風俗がどれ程高かったか…本当に…まぁ良いや。
「そのおめでとう…」
「うん、正平くん、ありがとう…正平くーん大好き!ちゅっ」
軽いキスをして亜美は満面の笑みで去っていった。
問題は残った2人だ。
「いいなぁ亜美ちゃんは…はぁ、みうの時は…搾精カップだけだったのに…グスッ、スンスン…みうより亜美ちゃんの方が好きなんだ…」
「みうちゃん…麻里奈なんて…それも1回だったんだよ…グスグスッ、うっうつ…」
確かに不公平感は有るけど…
不味いな…
こういう所は本当にズルいと思う。
普段は大人っぽいのに急に子供に戻って全力で泣くんだからな。
まるでデパートでおもちゃ欲しさに泣く子供みたいに…
「うわぁぁぁぁー――ん、みうなんて、みうなんてお兄ちゃん嫌いなんだー-っ」
「麻里奈なんて、麻里奈なんて…ヒクッグスッ、スンスンうぇうぇぇぇぇぇー――ん」
全速力で泣く、まるで怪獣だ…ハァ。
仕方が無い、夕方まで時間がある…
「そうだな、仕方ない…これからするか?」
「「えっいいの?」」
急に笑顔になった。
良く考えたら、みうは声優兼アイドルまさかウソ泣きじゃ無いよな?
俺はそのまま二人を招きいれた。
さて、どうしようか?
「それで、どうする?」
「麻里奈ちゃんどうしよう? みう解かんない」
「麻里奈だって解かんない」
まぁ良いや。
「そうだね、流石に今日はゆかりちゃんの番だから時間は夕方まで、少しは休みたいから時間は3時まで、今は11時だから1人2時間ずつな…流石に2人一緒は嫌だろうからじゃんけんで順番を決めて」
「じゃんけん…麻里奈ちゃん強いから、みう不利だよ」
「みうちゃん、早くしないと時間が無くなるよ…早くしようよ…」
「うん、みう…解ったよ」
二人して真剣にじゃんけんをし始めた…後ろに竜と虎が見えるのは気のせいだろうか…
「「じゃんけんぽいっ」」
何回もあいこを繰り返す…凄い。
「ふぅ…やったみうの勝ちー-っ、それじゃ麻里奈ちゃん後でねぇー-」
「嘘、なんで前はあっさり勝てたのに」
「みうはこれでもアイドルだったんだよ?麻里奈ちゃん攻略の為に頑張ったんだから」
「ううっ、それじゃ正平くん2時間後にくるからバイバイ」
麻里奈は悲しそうにその場を後にした。
◆◆◆
「それで、みうちゃんどうする?」
みうは真っ赤な顔をしながら、1本のDVDを差し出してきた。
「え~と何これ」
「『子猫ちゃんのいる世界の第一巻 お兄ちゃんと私』これと同じ事をしたいんだけど…駄目かな…」
可愛らしく上目遣いで頼まれたら仕方ないな。
時間が無いので早送りで内容を見た。
見た感じはまるで前の世界のエロDVDアニメしかもかなり初期の感じの作品だ。
「みゆちゃんSEXしようか?」
「お兄ちゃん何て言ったの? 聞き間違いだよね?」
「あれっ聞こえなかったのかな? それじゃもう一度言うね…SEXしないみうちゃん?」
これ完全に近親相姦物じゃないかな…なかなかディープな世界だな。
「お兄ちゃん!なに言っているの? いやらしい事言わないで、あっちいってよ!」
「好きだったんだよ、みうちゃん!ジュニアアイドルで可愛くて綺麗、それがみうちゃんの評判だよね…家に居る時だけがみうちゃんが俺だけの物だった時間だったんだ..だけど…これからはずうっと僕の物だよみう…」
スカートの中のパンティに手を突っ込みまさぐった。
「いや、いやぁぁぁー-お兄ちゃん、私達兄妹だよ…」
「うるさいな、うんぐっ ん…」
「ん…嫌ぁお兄ちゃん止めてっ…止めないならお母さんに言いつけてやる!」
「お母さんもお父さんも夜まで帰ってこないよ? 言いつけたいなら言いつければ?」
俺はみうのブラウスを引きちぎる様に破り方胸を揉みながら可愛らしい小さい胸に口をつけた。
「レロッ、はぁはぁ…みう可愛いよ」
「お兄ちゃん嫌ぁ、お兄ちゃん止めて…!いや、ん?!ううん、うんうぷっ、嫌ぁいやだぁぁぁー-」
そのまま力任せにスカートと白いパンティを引きちぎった。
みうは目には涙が溜まっている。
俺はみうを無視してみうの股間に頭を潜り込ませて舐め始めた。
「嫌ぁいやぁぁー-っ」
「ぺちゃくちゃうんぐっううんハァハァ、嫌って言う割にはこっちは随分と濡れてきているじゃない、どう?みうちゃんもその気になってきたんじゃない!?」
「嫌ぁ…嫌だよぉぉぉー-ハァハァ」
「みうちゃんばかりずるいよね…ほら俺のもしゃぶってよ」
みうの鼻をつまんで開いた口に無理やり突っ込んだ。
「いっ嫌ぁぁぁいっ…いや、うんぐ、嫌、やめて汚い、嫌だってお兄ちゃん..うんぐっ?!ぷはぁいやぁぁぁうんぐっ」
これ…現実に出来るのか?
このまま69の体制にして…立ち上がるなんて。
これ、漫画かアニメだから出来るんじゃないかな。
実際には嫌がり暴れる女の子に咥えさせたまま、股を舐めながら立つなんて出来ないよな。
だが、頑張るしか無いか…
みうは暴れないで逆に俺の頭をしっかり太腿でホールドしながらフェラした状態でどうにか立てた。
「ハァハァ、ぺちゃくちゃうんぐっあむっ、やめてじゃないんだよ?みうちゃん、逆らったらこのまま落とすからね」
しかし、この絵面凄いな、69の体制で立ち上がり、俺がみうの股間に顔をうずめながら舐めて、みうが嫌々フェラチオしながらしゃぶる…凄いな。
まぁ、みうのDVDではみうは狂ったように足をばたつかせるんだけど…そんな事したら大怪我するから流石にみうもやらないな。
「あぐぐっ…いや、いや…すうかあすうかあうんぐあむ、ううん」
「どうだい、兄さんのをしゃぶっている気分はどうかな? 直ぐに搾精もさせてやるからな…ほら…だけど、今は頑張れ」
「あむっうむむ…あっぶっぶっ」
俺はみうの口に盛大に精子を吐きだした。
「くっ..ごほごほっうんぐごふっごふっ」
俺はベッドにみうを放り投げた。
「うまいもんだねみうちゃん…もう経験があるんじゃないのかな」
「よくもこんな事して…お母さんにいいつけてやる!」
そう言いながらみうは泣き出した。
此処迄は良いんだ…此処迄はな…問題は此処から…
だってSEXって言っていたのに、搾精カップを無理やり持たせて性処理させるだけなんだ。
そうか…この世界じゃこうなるのか…
此処からはオリジナルにするしかないな。
「言いつけられないようにしてやるよ直ぐにな!」
泣いているみうを押し倒していきなり股間をまさぐった。
完全に濡れているな。
薄く生えている毛を触りながら穴に指を入れていった。
「やだっやめて! うんぐっううんうん、ぷはぁ」
泣いているみうの口を塞ぐように濃厚なキスをした。
「泣くなよほら」
俺はみうにわざと音が聞こえるようにくちゃくちゃとまさぐった。
「嫌ぁいやぁぁぁー-っあー-っ」
ぷしゅー-っチョロチョロぶぶぶしゃぁぁぁー-っ
「嘘、嘘、嘘、正平さん、うそ、みう…いやぁぁぁぁぁー―――っ」
さっき迄と違い…顔が真っ青だ。
何しろアニメでは、こんなシーンは無い。
搾精カップでのSEX…女をいかせるような男は想像の世界にも居ないのだろうな。
可愛らしい顔からは涙が流れ…大変な事になっている。
鼻水まで少し垂れてきていた。
「みう…みうグスッ、こんな事する気じゃなかったんだよ、汚いよね…グスッこんな汚いの…嫌いになるよね…えぇっうぇっ…うそっ、うそはんぐっ、嫌ぁハァハァ嫌、汚いよ…正平くんいやだ、嫌だよハァハァ駄目」
「ペロッうんぐぷはぁっくちゅくちゅ、えーをうんぐう」
みうの鼻水を口で吸い取り、そのまままた股間に頭を埋め舐め始めた。
「ちょっ、正平くん..ううんっううんくふっ嫌ぁいやぁぁぁー――っ」
ぷしゅーっチョロチョロしゃぁぁー-っ。
また盛大に潮を吹いて漏らした。
ベッドはもう黄色くみうの尿の色に染まっていた。
幸い、掛布団を放り投げると下までは通っていない。
「それじゃ、みういくよ…」
「うん」
もう、みうは設定なんて忘れているな…
ゆっくりと俺は腰を落としていき、挿入していった。
「あっ、うっああん、あっあがっああん、きもひぃ良いよぉぉぉー-」
入れた途端にすぐによがるし凄いな…
「正平くん…はぁはぁお願い抱き着かせて…はぁはぁお願い、うんぐううんっぷはぁううんうんハァハァ」
みうは手をまわして俺に抱き着いてきて、キスをしてきた。
「はぁはぁっ好きっ…正平くー-んだい好きー-っ」
みうは腰を自分から動かしている。
「ハァハァ…みういく、いっちゃうよー-っ」
同時にみうの中に俺は精子を吐きだした。
みうは疲れたの肩で息をしながら動かない。
◆◆◆
少し休んでから、俺は冷蔵庫からジュースを取り出した。
「俺はコーラを飲むけど、みうは何がよい」
「ウーロン茶が良いな」
此処は俺のこだわりで瓶のジュースを置いている。
栓抜きで開けてみうにウーロン茶を渡した。
「はい」
「正平くん…ありがとう」
しかし、可笑しいな亜美から『処女膜切除手術』については聞いたけど…膜がないだけで…少しは痛みがありそうなものだけど、全然ない様に思える…なんでだろう。
「あの…みうに聞きたい事があるんだけど…良いかな?」
「何でも聞いて」
「亜美から「処女膜切除手術」については聞いたんだけど…それにしても全く痛みがないとは思えないんだけど…」
「それね…恥ずかしいけど正平くんになら良いかな? もう凄く恥ずかしい所や汚い所も見られちゃったし」
そう言いながらみうは可愛らしいポシェットを持ってきた。
「何かあるのかな」
「恥ずかしいんだけど…これ」
大きさは前世で言うところのアダルトバイブに近い。
それにしてはイボイボも返しも無い…ただの棒にしか見えないし、随分と細い気がする。
「それって」
「シリコンポールって言うんだよ、男女比が1対5位の時代の名残であるの…男性がしたくなった時に痛くなく受け入れられるように使っていたらしいよ…今は、その…」
顔をみうは真っ赤にしていていた。
まぁオナニーに使うんだろうな…
「何となく解ったから良いや…それじゃ美香さんに連絡いれるね」
「うん…これでみうも『優良母体証明書』貰えるかな」
「多分、大丈夫だと思う」
それからすぐに美香さんが現れた。
「凄いですね…もう2人目ですか…まだ準備が出来てないので直ぐに産婦人科にお連れしますね」
みうは精子が漏れないように大切そうに両手で股間を押さえながらひょこひょこ歩きついていった。
「正平くん、またね…」
「またね」
SEXは嫌いじゃないけど…なんか後始末が恥ずかしいな。
第44話 麻里奈は処女
ピンポーン、ピンポーン…
俺がドアを開けると麻里奈が飛び込んできた。
「ハァハァ正平くん、麻里奈来たよー-っ」
凄いな、血走った目で走ってきたみたいだ。
時間は1時ちょうど…凄いなぁ~
「よく来たね麻里奈」
「それで正平くん…どうしよう?」
良く考えたら麻里奈は、あの上條まみの子孫なんだよな…まぁパラレルワードの可能性もあるけど…
「麻里奈さぁ、亜美もみうも自分がどうしたいか考えて、やっていたよ? 麻里奈も考えなきゃ…そうだご先祖様のDVDとか見た事ないの」
何だか悩んでいる顔をしている。
「あの…凄く過激な内容で…変態女にしか見えないんだけど…大丈夫なのかな…」
上條まみはロリータフェイスなのに過激だからこそ、売れた…
最初はソフトだったのに途中から過激になり、乱交は当たり前だし、セーラ服着ていた作品では『クラス全員と寝る女』なんて作品にも出ていたし…更に凄い作品では『ホームレスと寝る』なんて作品もあった。
果たして麻里奈はどの時期の作品を見ていたんだろう。
「別に驚いたりひいたりしないから、やってみて…」
麻里奈は驚いて真っ赤な顔をしていた。
「うん、解った、うん、うぐっうんぷはぁっ」
麻里奈はディープキスをして舌を絡めてきた。
そのまま麻里奈は俺のシャツを破る様に開き乳首を中心に胸を舐め始めた。
「うんくふペロッううんうんちゅっちゅっううんどおう、しょうほいくんペロペロッ」
前の時とは違って何かスイッチが入ったのか目つきからして怪しくなる。
そのまま麻里奈は俺のズボンを降ろしパンツを降ろすと、俺の物を咥えた。
「あ~む、あむあぶっじゅぶじゅぶううんうん、あぷっぷはぁぁしょむふぇいくん..どうかなあむ、うぐああっぷもぐむぐっハァハァうんぐっ」
凄いな…まさかの即フェラとは思わなかった。
俺を押し倒した状態で俺の股間に顔を埋めながら、更に激しく首すら振りながら口をで強くすっている。
「ううんじゅぼっじゅぼっううん、じゅぼっうぐ?!ううむじゅぼじゅぼっぷはぁ~エロエロうんぐっハァハァ」
凄い、先っぽが喉に当たるのもお構えなく一心不乱にしゃぶっている。
かなり苦しいのか、目からは涙を流しながらもやめない。
「うんぐううんうん、ゴクリうんうんうんぐもぐもぐ」
偶に飴玉の様に舌を使って頬に当てたり…まるでAVみたいなフェラだ。
麻里奈は縞々のパンティを片手でゆっくりと脱ぎ今迄両手で握りながらフェラしていたのを左手だけ離し自分の股をまさぐりだした。
指を使い擦っている、その指には愛液がついててらてらと光って艶やかに見える。
「うんぐくふっううんっうんあっあっううんああん」
麻里奈の声の中に喘ぎ声が入り、所謂ノーハンドフェラの状態で両手の指を使い自分の股をさすっていた。
「うんぐあっあっぷはぁあっあっああんうんぐぷはぁうんうん、こえくわいえいいかな…正平くん麻里奈が気持ち良くしてあげるね」
そう言うと麻里奈は俺の上に跨ってきた。
「ううんっ…うん入れるよ」
俺は黙ってうなずいた。
「うんぐっ….ああっあああ痛い、痛いよー-痛いっ」
麻里奈が凄く痛がっている。
「麻里奈大丈夫か」
「あああぁぁぁぁー-っ正平くん、痛い、痛いのー-っ」
「麻里奈、痛いならやめるか…」
どうしたんだろう…なかなか入っていかない、少し入った状態なのに、物凄く痛がっている。
「嫌だ、嫌だ、麻里奈やめないよ痛くても頑張るんだもんグスッグスッ痛い…痛いけどやめないよ、麻里奈も『優良母体』にグスっスンスンなりたいんだもん…痛い痛いよっ…」
麻里奈が体重をかけてきて3/2位は入った気がする…だがそこからが入らない。
「大丈夫か?」
「痛い、痛いけどやめないで、麻里奈は正平くんのご学友だからねっ…お願い正平くんも…」
麻里奈が言いたい事が解った。
俺は麻里奈の腰を持って、そのまま下から突き上げた。
「嫌ぁ痛い痛い痛いよー-うえぇぇぇぇー-ん」
「麻里奈抜こうか、抜こう」
「嫌だぁぁぁ抜かないで、痛くても良いの、大丈夫だから抜かないでー-」
何かを突き抜けた感じがして根元まで麻里奈の中に入った。
それと同時に麻里奈の股からピンク色の血が混じった愛駅が垂れてきた。
「麻里奈、それって」
「うんくふっ痛いっハァハァだけど大丈夫だよ…麻里奈動くからね」
動きは拙いけど絵面は凄い、一心不乱に見た目ロリビッチの子が泣きながら俺に跨り腰を振っている。
そのまま俺は麻里奈の中に吐きだした。
「はぁはぁえっ、んんっ熱い、麻里奈の中に何か入ってくるの、もしかして正平くん、麻里奈で満足してくれたのはぁはぁ」
麻里奈は自分の股間を見て満足したのか抜いて腰をどかして、俺の横に寝転がった。
「はぁはぁこれが破瓜の痛みなんだね…正平くん麻里奈の処女を貰えて嬉しいかな」
この世界じゃ処女に価値なんてない…処女膜切除とかしている筈だよな。
だけど、麻里奈は痛がったし…血も出ている。
「麻里奈はなんで手術やポールをしなかったんだ」
「ご先祖様のDVDだと処女を捧げると男の人は喜んでいたし、お礼を言っていたから、麻里奈は手術を受けなかったの…嫌だった」
「嫌じゃ無いよ…ありがとう麻里奈」
「ううん、まだヒリヒリして痛いけど…喜んで貰えて麻里奈も嬉しいよ…ありがとう」
「こっちこそありがとう」
みうの時恥ずかしかったのでしっかりとパンティは履いて貰った。
美香さんが迎えにくると麻里奈はVサインをして笑顔で去っていった。
1時間位休んだら、ゆかりの番だ。
SEXは確かに楽しいけど…もう少し違う事もしたいな…
前世を考えたら贅沢だな。
第45話 ゆかりと SEXだけじゃつまらない
2時間×2回…まるで風俗のはしごをしたみたいだ。
そしてこれから少し休んで、ゆかりとの一夜が始まる。
つい流されてハードな事をしてしまったが…これは無いな。
オレオレ系の肉体派ホストみたいな事が出来るのが楽しくてつい、やってしまったが…これは出張ホストや売り専ホストのする事で本来の俺のスタイルじゃない。
それに…この世界の女性の性を甘く見ちゃいけない気がする。
男に慣れていないだけで、性欲は前の世界の男より強いかも知れない。
よく考えてみれば…男が居ないから経験が無いだけだ。
その証拠に今日は…鼻血を出したり気絶したりしなかった。
男女を逆に考えてみれば『童貞を卒業』したばかりの男と同じでやりたい盛りだ。
下手すると体がもたなくなるかも知れない。
もう10人…ちゃんと考えたら破滅しかない。
確かにSEXは楽しいし嫌いじゃない。
だけど…本来はそこに行きつくまでの物語が好きなんだ。
一緒にデートして、楽しい時を過ごし結ばれる。
今更ながら、そういう工程を楽しみたい。
まだ、時間はある…美香さんに頼んで色々用意して貰った。
ジャグジーのバスタブにはバラの花びらをちりばめ、ライトアップした。
凄いなこれ…かなり高級なタイプだ。
簡単なパスタと肉料理…今日は料理から楽しもうか…
ピンポーン
「正平くん…ゆかり来ました」
「ゆかりちゃん出来たら『ツンデレ』やって欲しいな?」
「かかか、勘違いしないで! 別にあんたなんか好きじゃないんだからね!」
「そうか、ゆかりは俺の事なんか好きじゃないんだ…仕方ない」
「あわわっ違うよ…これは只のセリフなんだからね、違うから嫌いなんて言って無いじゃない!…嫌いじゃないわ」
なんだか、少しセリフが可笑しい気がする。
「それじゃ好きでもないんだ…」
「…嫌いと言ってないじゃない? 好きよ好き…悪い!…あの正平くん相手に言っていると悲しくなるからやめていい?」
「うん、良いよ…でも流石だね、凄く美味い」
これが、ゆかりーボイスか…前の世界なら沢山のファンが出来そうだな。
「正平くんって凄いね…ツンデレ嫌わないんだね」
「うん、聞いてて楽しいからね」
「それで正平くん…あのね…その」
顔を赤くしてもじもじしだした、多分3人から話を聞いているのかも知れない。
「それじゃ、これに着替えて」
俺はゆかりに赤いビキニを手渡した。
「水着?」
「そう…時間はたっぷりあるから…ね楽しく過ごそう」
なんだかガッカリした顔にゆかりがなった気がする。
男女逆転して考えるなら『童貞少年』がお預け食らっている状態だからそうなるか?
「うん、そうだね…あれっだけど、なんでゆかりの水着に胸当てがあるの?」
この世界じゃ女がトップレスで男性側に胸あてがある。
「良いじゃん…つけて欲しいな」
「まぁ正平くんが言うならつけるけど…変だよ」
「そう言わずに…」
「わかったよ、良いよ…しょしょしょしょ正平くん…それ」
確かに驚くよな…俺は普通にサーフパンツだけだ。
「俺は上はつけないから」
そう言いながらゆかりに後ろから抱き着いた。
「しょ正平くん..あの、そのあたっているよ…あたっちゃっているから、ああっ」
「はい、おしまい…お風呂とご飯どっちが良い?」
「あの…正平くん…正平くんは無いの?」
亜美から聞いているような気がする…黙って置くように言ったのに…
「残念ながら今日は正平くんは売り切れです」
「そんな…グスッ酷い…酷いよ…それじゃお風呂で…」
涙目になっている。
「はい…薔薇の花びらのジャグジーだよ」
「ううん…グスッ…」
さっきから泣きそうな顔をしている。
仕方がないな…
「それじゃ、ゆかりちゃん」
俺はゆかりに近づきキスをした。
「正平くん…うぐ?!っううんぷはぁうんぐハァハァ」
もう少しゆっくりと、するつもりだったんだけどな。
俺はゆかりを後ろから抱きしめるようにして座り左手を胸、右手を水着の横から股間へと滑りこませた。
「はぁはぁ正平くん、いきなりなんて…はぁはぁうんうんああっ恥ずかしい」
キスをしながら胸を揉みながら、指をゆっくりと挿入していくと、もう中は濡れていて簡単に受け入れた。
「凄いな、簡単に入っちゃった」
「ああっ、うんうんああっああっ、正平くんハァハァ気持ち良いよハァハァうんぐあんあんハァハァ」
ゆかりは濡れやすいのかも知れない。
多分、このまま挿入がすぐ出来そうな気がする。
ゆかりを反対側に向かせて対面座位のポーズで向き合った。
「ゆかりちゃん…入れたかったら良いよ」
今迄と違って自分から入れさせてみる。
「あっ、ゆかり恥ずかしい…あっうっううんハァハァうん…」
ゆっくりとゆかりが俺の物に手を添えて穴にあわせて腰を下ろしてきた。
ぬぷっぬぷっ…先は入るけど途中で止まっている気がする。
ここで腰に手を添えて突き上げれば一気に入るが敢えてしない。
もどかしそうに腰を動かしながら一生懸命入れようとしている姿が可愛い。
対面座位だから、顔が丸見えだし…
顔を赤くしながら…懸命に入れようとしている。
「うっううん、ハァハァううんうん?!ううん…正平くん入ったよ…ゆかり…動くねくぅんハァハァ、どう? 気持ちよいはぁはぁくっううん」
「ああっ気持ち良いよ…続けて」
「うん。続けるね…くっううんううんハァハァ」
敢えてキスをしないで恥ずかしそうなゆかりの顔を見ていた。
「あっあっくんうんうん恥ずかしー-正平くんこれ恥ずかしいううんうんあんあんあんあっあんあんハァ~あああー―――っ」
俺が行く前にゆかりが逝ってしまった。
「ハァハァハァ、凄い…あっうんぐっああっああっあ、待って正平くん、まってあああっああん」
ゆかりは逝ったけど俺はまだ逝ってないから動かし続けた。
「今度は俺が動くから」
下から突き上げるように腰を動かした。
「あっあああー-あんあん、正平くんあっあああー-あああっ」
俺はゆかりの顔を見ながら中に吐きだした。
「はぁはぁ、正平くんも逝ったんだね良かった…あっああんあああー-正平くん、もう良いから、もう良いよ…あああー-っ駄目くふっううんもう良いよ…ゆかりはもう良いから」
俺は抜いた後すぐに指を入れて素早く動かした。
勿論、豆もしっかりしながら。
「いやぁ、正平くん…もう良いよ、ゆかり満足したよ…ああっあああ嫌ぁ激しいのいやぁぁぁぁー―――っいやいやぁぁぁぁー-」
俺の手が水の中で暖かくなった、それと同時にゆかりの股の周りの水が黄色くなった。
「スングスッ ゆかり嫌っていったのにそれなのに…グスッスンスン、酷いよ..うえぇぇぇぇぇー-ん、こんなの酷いよ」
「気にしなくて良いよ…それは生理現象みたいなものだからね」
「グスッそうなの…」
「そうだよ…それより良かったね」
「ああっ、そう言えばさっきゆかりのお腹の中が凄く暖かくなった気がする…これって、精子」
態々穴を開いて確認しなくても良いのに。
本当なら此処で美香さんを呼ぶのが正しいけど…夜は長い。
「あとでもう一回中に出してあげるから…報告はまだ良い」
恥ずかしそうにゆかりは頷いた。
その後は水着のまま食事をしプールで遊んだ。
そして…ベッドに入り約束通り…
「ああっあんあんあんああー―――っ正平くー-んあああー-っ」
気がつくと1回処か6回もしていた。
◆◆◆
朝起きると横でゆかりがスヤスヤと寝ている。
下半身がガビガビで気持ち悪い…
シャワーを浴びてゆかりを起こした。
「う~んうっ正平くん」
「おはよう」
「おはよう」
朝食を食べたあと、ゆかりはスマホで美香さんに連絡をとっていた。
暫くすると職員の人が迎えにきて…
「正平くん…またね」
笑顔でゆかりは出て行った。
第46話 フリーハグ
今日は小学校に来た。
正直に言えば小学校で学ぶ事は無い。
余り勉強はしなかったとはいえ、爺まで生きて死んだんだ、流石に小学生の勉強など、おちゃのこさいさいだ。
だからレクリエーション的な物を頑張る事にした。
早目に登校してボードを作った。
書いた内容は『フリーハグ』
この世界はSEXの境界線が非常に低い。
自然なSEXがほぼ存在しないし、女性から拒むことは無い。
その為、男には強姦罪その物が存在しない。
また、産まれた時から『男性は貴重』でなにかすれば重罪になる。
そういう教えが刷り込まれているから男性に乱暴をしてくる女性はいない。
だからからか…性欲がかなり強い気がする。
自分が原因だが…恋愛から間をすっ飛ばしてSEX。
この世界じゃ、それが女性にとっては正に憧れの恋愛だ。
『優良母体証明書』があそこ迄価値があるのだから、間違いはない。
だが、なんか物足りない。
そこで折角小学校に通うのだから『ふれあい』みたいな物を感じたくなった。
それで考えたのが『フリーハグ』だった。
横に『フリーハグ』のボードを置いて入り口に立ってこれで準備OK。
「正平くん、何しているの?」
流石は学級委員の美瑠加ちゃん、登校も早いな。
「今日はフリーハグをしようと思って」
「フリーハグって何ですか?」
まさか、フリーハグを知らないのか?
「それなら、美瑠加ちゃん、やってみない?」
「あの…なにかしてくれるの?」
「ふん…ほら」
俺は大きく手を広げた。
「あの…正平くん、何すれば良いの?」
仕方ないな…
右方向に顔を背けて…
「目を瞑って…」
「はい…」
「それじゃハグしますね?」
「ええっー――っ」
そのまま美瑠加を抱きしめた。
目を瞑っていても、抱きしめているのは解るようだ。
「あああっあのあの…正平くん」
美瑠加もおずおずと俺を抱きしめ返してきた。
1…2…3
ゆっくりと手を離し後ろに下がっていく。
「あっ、あっ正平くん…その」
「はい、おしまいっと」
「嘘、正平君が美瑠加を抱いていて…羨ましい…先生なんて、先生なんて…」
凄い顔をしてこちらを睨んでいるし…
「先生…ほら、はい」
「嘘…先生も良いの?」
「はいどうぞ」
先生相手だと…胸の所に頭がくるけど良いのかな?
まぁ、役得だな。
「あっ…先生が、正平くんと抱き合っている…ううっ酷いよ担任の癖に」
「こういうのって生徒優先の筈なのに…グスッグスッ、酷い…酷いよー――――っ」
1…2….3
「はい…先生もうおしまい…」
「そんな…先生は延長をお願いします!」
担任なのにそれは無いでしょう。
「先生、こういう時は年長者なのだから、しっかり守るものでしょう?」
「小松ちゃん…先生でしょう…」
「そんな、先生は…」
「それより、正平くん…あのフリーハグって事は、誰でも抱きしめて貰えるってこと?」
「そうだよ…ほら並んで、並んで….」
「「「「「「「「「「うん」」」」」」」」」」
登校してきたクラスメイトが並んでいたのだけど…それを見た他のクラスの子や他の学年の子が加わって、1年生~6年生…教師から校長まで全員が並んでいた。
多分、普通に授業を受けるより、レクリエーション的な事をした方が良いのかも知れない。
ただ…やりすぎると授業の邪魔になるから気をつけないとな…
女子用トイレに籠り出てこない生徒が多発し…
この日は、学校中の生徒が興奮して授業にならなかった。
それなのに…校長は感謝していたから…不思議だ。
第47話 【閑話】美瑠加 偏差値68
お金が欲しい。
なんで私には投資の才能が無かったのかな…
まぁ公立の小学校に通っている時点で…弱者決定だよ。
お金は…今月は支給された5千円の小遣いしかない。
私は、文教第3小学校 胸元美瑠加 クラス委員をしている女の子だ。
公立なんかに入ったら最後、もう生涯男性に縁は無い。
名目上はクラスには1人居るけど不登校だから会うことは無い。
「男の子に会いたいな…」
「無理だよ、しっかり投資とかしてお金を稼いだ人がアイドルになるか…私立の名門にでも通わないと無理なんだから」
男の子と知り合う道は数少ない。
武芸を磨いて護衛の仕事に就く。
頭脳を磨いて政府で高官になるか、DSSSの職員になるか。
そして一番可能性が高いのは投資などでお金を儲けてアイドルになるか、私立に入るかしかない。
最も、特技も無く投資をしたらFXで溶かしてしまう私達には…公立に入って男の子に会えない人生しかない。
ある意味公立は…女の地獄だ。
そんな私達の教室に、男の子の転校生が来る。
そう言う話を担任の小松先生が言っていた。
『聞くだけ無駄』
だって幽霊男子が1人増えるだけ…会えないから意味が無い。
「喜べ女子ども~このクラスに男子が転校してくるぞ~」
「小松先生~そんな事言ってもどうせ、名前だけで来ないんでしょう?」
担任の小松先生は興奮しているけど…これが普通の反応だって。
だって、会えもしない男が増えても意味なんて無い。
だが、可笑しい…席の後ろの子が急に怒鳴った。
「良いから黙れ!小松ちゃん…私は今幻覚を見ているのかな?」
その目線の先には…男の子が居た。
「まだ、解らないわ…お鍋、お鍋の確率もある…夢なんて見ちゃダメ」
お鍋なのかな…
「あの…私は、このクラスのクラス委員をしています 胸元美瑠加と言います…貴方は男性ですか? もしかして転校生の水野正平様ですか?」
「はい、俺の名前は水野正平です! 正真正銘の男です…今日から宜しくお願い致します」
本物の男の子だ。
生まれて初めて出会った…本物の男の子。
思わず涙が出ちゃう。
「「「「「「「「「「男…男の子来たぁぁぁぁぁー―――――っ」」」」」」」」」」
「たまりません、たまりませんわー-っ」
「男の子に会えるなんて、会えるなんて生きてて良かったよー――っ」
「嘘…凄く可愛いし綺麗…こんな子がこんな子がクラスメイト」
皆が騒ぎ出した。
当たり前だよ…男の子、相手がブサイクでも会えてたら奇跡なのに、目の前の男の子は…どう見ても美少年だ。
「皆さん、男の子を怖がらせたらいけません、静かにして席に着きなさい…居なくなっても良いんですか?」
確かに男の子はすぐ不登校になる…慌てて小松先生が制するように窘めた。
「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」
美少年の名前は水野正平くん…
この子はただ美少年というだけじゃなく『心まで綺麗』な人だった。
アイドルがお金を払ってようやく出来る『握手』それが無料なんだって…普通は最低50万円~なのに…
しかも握手をした後は、メッセージカードのついたお菓子までくれた。
凄いよね…男性に会えたのも奇跡なのに、その男性が若くて優しい。
こんなの…まるで夢だよ。
正平くんは天使なのかな?
本当にそうとしか思えない。
正平くんが居るからかこのクラスはFから暫定でAクラスになった。
成績が悪くなるとこのクラスから他のクラスに移されるそうだ。
私もクラスの皆も死ぬ気で勉強し始めた。
こんな奇跡二度と起きない。
性格が悪くても、お爺ちゃんでも男性に関われるならラッキー。
なのに…同い年の美少年…絶対にない。
他のクラスにばれないように…そして何がなんでもこのクラスから移動させられないように死ぬ気で頑張るしかない。
◆◆◆
次の日正平くんは来なかった。
もう来ないのかな…そう思っていたら…朝正平くんが居た。
「今日はフリーハグをしようと思って」
「フリーハグって何ですか?」
驚いた顔で正平くんは見ているけど…意味なら知っているよ。
だが、多分私が知っている意味じゃない気がする。
「それなら、美瑠加ちゃん、やってみない?」
「あの…なにかしてくれるの?」
男の子が何かしてくれる…嬉しいな。
「ふん…ほら」
正平くんが大きく手を広げてきた。
「あの…正平くん、何すれば良いの?」
正平くんが優しく甘い声で言ってきた。
「目を瞑って…」
「はい…」
「それじゃハグしますね?」
「ええっー――っ」
本当のハグだ…まさか本当に抱きしめられるとは思わなかった。
「あああっあのあの…正平くん」
私も抱きしめて良いんだよね。
あっ凄い幸せ…だけどすぐに正平くんは離れてしまった。
「あっ、あっ正平くん…その」
「はい、おしまいっと」
楽しい時間は直ぐに終わっちゃった。
後ろには小松先生を始め…クラスメイトが並んでいた。
ハァ~死ぬ程勉強しないと…学校中に知れ渡ってしまったから…
死ぬ気で皆が勉強し始めた…今、この学校の偏差値は68…
此処迄上がってしまったの。
このクラスにしがみつく為に12時間の勉強は必要ね。
第48話 エルミナと…
今日はエルミナの番だ。
小学校から帰り、部屋で待つことした。
エルミナと千鶴は護衛だから帰りは一緒…
だから、帰宅後1時間間をあけて来てもらう事にした。
「正平様、参りました」
軽くノックしてエルミナが入ってきた。
エルミナは護衛なので合鍵を持っている。
「エルミナ、いつ見ても綺麗だな」
「そんな事いうのは正平様だけですわ」
プラチナブランドにシャギーの髪型。
スリムなスタイル。
透き通るような白い肌にグリーンアイ。
エルミナはハーフだが、見た感じはスエーデン人にしか見えない。
日本人が『綺麗』そう思う外人の要素が全部詰め込まれている。
他に何か言うのであれば…アニメのヒロイン。
耳がもし長ければエルフにすら見える。
だが、この魅力がこの世界の人間は解らない。
各国が男性を囲う為…今では国際結婚は無い。
エルミナは…何故かスエーデン人の旧貴族とのハーフだが、恐らくそこには大きな国際問題があったのかも知れない。
この事についてはエルミナも知らないらしい、ただスエーデン人の高貴な身分の女性が母親という事しか保護施設でも教えて貰えなかったそうだ。
幾らネットで調べてもハーフの子は他には何処にも居なかった。
日本で唯一のハーフかも知れない。
最もネットも国内だけで外国には繋がらないけどね。
「誰がなんて言おうとエルミナは綺麗だ…まるで人形のように綺麗だよ…」
「嘘でも嬉しいですわ…ですが人形は綺麗なのですか?」
そうか男性が女性を嫌うなら…女性のフィギュアやドールは無い。
人形はスルーしよう。
「本当に綺麗だ!本当にそう思うよ…それでこれからどうしたい? エルミナの要望に合うようにするけど?」
「私のしたい事ですか? そうですわね…私は正平様の傍に居られるだけで幸せですわ」
「それじゃ、俺にお任せで良い?」
「お任せしますわ」
折角、ラブス仕様でプールがあるから、水着に着替えてもらった。
「あの、何で私の水着にブラジャーの様な物があるのですか? 確かに擦れるからつけますが…水遊びなら…きゃぁ…正平様、なんで胸当てをつけませんの…その、破廉恥ですわ」
そう言いながら、エルミナの目が俺の胸に釘づけになっている。
この世界では水着だと男が上をつけて女がトップレスだ。
ただ、それじゃ味気ないから、敢えてブラつきの水着をエルミナに用意した。
最も下はTバックなんだけどね。
そのまま二人でプールで水遊びをしてあらかじめ用意して置いたバーベキューを食べながらジュースを飲んだ。
その後は夜景とジャグジーを楽しんだ…此処からだ。
「エルミナ…本当にこれだけで良いのかな…」
エルミナの白く陶磁器のような肌が赤く染まった。
「それは、その話には聞いていましたが、性的な事もして良い…そういう事ですの…」
「エルミナ、相手なら、それもありかな」
「解りましたわ、準備してまいりますわ」
暫く待っているとエルミナは口と目と股の間にだけ穴が空いたゴムのスーツを着てきた。
昔だとマスク付きのSMで使う全身レザースーツをゴムにした感じだ。
「エルミナ…なにしているの?」
「流石の正平様でも女性と肌が触れるのは嫌かと思いまして、50年前位、まだ性交があった時代の物をご用意して貰いましたわ」
いや、これじゃ胸も触れないし、お尻も触れない…
絶対に気持ち良くなんてならないだろう?
「エルミナ…それ要らないから脱いで」
「やはり…そうですわね…普通の方なら兎も角、私みたいに醜い女とは嫌ですわね」
昔、日本人が外人を見た時…鬼に見えたという事だ。
そういう事なのかな…
「いや、そうじゃ無くて、そう言う事するなら、しっかりとしたいから」
「あの…それってゴムスーツも要らないのですか?」
「いらない…ほら脱いじゃって」
「本当に?凄いですわ」
そう言いながらエルミナはゴムスーツを脱ぎ始めた。
やはり綺麗だ…肌なんて真っ白でシミ一つ無い。
乳首は薄いピンク。
この肌の綺麗さは白人独特の物だ。
下着一つつけてないエルミナは凄く綺麗に見えた。
そのまま手を引きベッドまできた。
此処暫くは相手任せ…エルミナはどうなのか…
「エルミナ…エルミナはどうしたい…自分が好きなようにして良いよ」
「本当に良いのですのですか?では…手順1ですわ…うんぐっううんうんぷハァ、うんぐ」
エルミナは口をぱくっと開くと咥え始めた。
なんだこれ…キスとか無しにいきなりフェラをし始めた。
「エルミナ?」
「うんぐううんぷはぁ、しょうふえいしゃまはうんぐ、うんしょのままでいいのでふわ」
激しく舌を使い、エルミナは攻めてくる。
凄く上手い…
「うんぐっ…そろそろですわね…それじゃ手順2行きますわ」
そう言うとエルミナは俺を押し倒して両手を添えて俺を迎え入れてきた。
「ううんハァハァ、少しきついですわね」
はっきり言えば、まだ濡れ足りていない気がする。
「エルミナもう少し」
見た感じ結構苦しそうに見える。
「ハァハァ…ううんハァハァ、大丈夫ですわ…お任せ下さいうんぐっはぁはぁ大丈夫ですわ…ほら全部入りましたわ」
そう言うとエルミナは腰を動かし始めた。
「エルミナ大丈夫か」
「ハァハァ大丈夫ですわ…あっあっハァハァ…」
腰を動かしているが…エルミナは辛そうに見える。
流石に動かし続けているから流石に濡れてきて俺の方は気持ち良くなってきて、そのまま吐きだした。
「ハァハァ凄い…正平様…満足されたようで嬉しいですわ」
確かに…俺は逝った。
だが、エルミナは逝って無い。
「エルミナ、変わろうか?」
俺は体制を入れ替えて エルミナの足を広げてキスをした。
「えっ正平様 うぐっ?あぶっううん、ハァハァううん」
俺は実はかなりキスが好きだ。
キスをした方が盛り上がる。
そのままキスをしながら太腿をまさぐり、そこから上に手を移し指を穴に入れた。
「うんぐ?! 嫌、いや…そこは汚いですわ…あぶっうんぐっぷはぁ…そこはああっ」
確かに、今のエルミナのそこには俺の精液が入っている。
だが、そんなのは気にしないで俺は激しく指を動かした。
「ああっ…いやぁ…あ…うん、恥ずかしいですわ…そんなあぶっ?! ハァハァうんぐ、ううん」
お構いなしにキスをしながらも激しく指で中をかき混ぜるように動かした。
さっきとは違い、明らかにエルミナの中が熱を帯びてかなり濡れた気がする。
指を入れるたびにグチャグチャと言うような音がして濡れているのが解る。
「それじゃ行くよ…」
そう言い腰に力を入れて挿入した。
「あっあっああああー――っ正平様ぁぁぁー-」
俺が腰を動かすと…
さっき迄と反応が違う気がする…顔も赤くしながら腰を自分から動かしている。
「…」
俺は無心で腰を動かしていると…
「ハァハァ、はぁはぁ正平様、正平様ぁぁぁぁー-っ、せつないのですわ…ハァハァ抱き着かせて、抱き着かせて欲しいのですわぁぁぁぁー-」
エルミナは手を俺の首に回して抱き着いてきた。
「うぐっううんうんハァハァぷはぁ正平様ぁぁぁー-ああっああっー-ああああー-っ」
どうやらエルミナも逝ったみたいだ。
だが、俺はまだ逝っていない。
「正平様..はぁはぁあああー-っもう良いですわ、私もうハァハァ逝ってます、逝ってますわー――はぁはぁ駄目、駄目もうあああっ駄目ですわー-ああああっあああ、いやあああっもうもうハァハァ」
どうやら逝ったあとのせいか、かなり敏感になっているようだ。
「はぁはぁああー――っあんあんあんあがっああー-」
エルミナが再度逝くのに合わせて…俺も逝った。
◆◆◆
今は二人してベッドで横たわっている。
「凄いですわね…正平様は、国は莫大なお金を掛けて自然なSEXを出来る方法を考え挫折したのに…」
そう言いながら指に着いた精子を嬉しそうに伸ばして見ていた。
「確かに」
「本当に凄い事ですわ」
暫くピロートークをした後エルミナは美香さんに連絡して去っていった。
「正平様、またですわ」
行為が終わると『優良母体』の事がありエルミナは去っていった。
なんだか、行為が終わって暫くすると去って行くのが少し寂しい。
今度、美香さんに相談してみよう。
第49話『Z』
「正常な男子が見つかった…それは本当なのですか?」
「はい、Aランク処かSランク、まるで第三次世界大戦前の男性が何の影響も無い状態で生き延びた、そんな感じの人間です」
「我々が今迄、欲していた『本物の男』がようやく見つかった、そう言う事だな」
「その通りです」
私事、泉澄子、日本国の大統領は常に悩んでいた。
女性は精神的にも、肉体的にもほぼ問題が無い。
それに比べて男は精神的にも肉体的にも問題ばかり、正常な男等殆ど存在しない。
働きもしない、横暴な男…それなのに数が少ないからと特権を与えて保護するしかない。
人口が減り続ける現在…搾精に頼るしか無かった。
自分の力で女を妊娠させる事も出来ない…そんな不完全な男。
簡単に言えばガラクタだわ。
正常な男が居たなら…全く価値が無い存在。
そして…今、私達の前に『本物の男』が現れた。
「傲慢な男を『男モドキ』と認定する時が来たのかも知れないな」
「『男モドキ』ですか?」
「そうだ『ガラクタ』から生まれた子供は所詮『ガラクタ』に過ぎない…男が生まれても、真面な男ではない」
「確かにそうですね」
ガラクタの分際で、女を拒絶し馬鹿にし横柄な態度の男モドキ。
今迄散々、我慢してきたが、いよいよ…要らなくなる時が来るかも知れない。
「水野正平を日本国における最重要人物と認定する…既に幾つもの特権を与えているが、望む限りの物を全て与えよ…彼に害なす存在が居たら…排除せよ」
「はっ!」
水野正平、彼の精子から生まれた男子が正常だった場合は…他の男の全ての価値は無くなる。
ようやく…ようやくだ…あの心が醜い『男モドキ』を地に落とせるかも知れないチャンスが来た。
「水野正平を『Z』とし…今迄の交際パターンから彼の好む女性を割り出せ…今現在のDSSSの建物をZだけの物にし、他の男は、何処かの施設に放り込めば良い、施設のみならず、その周りの住宅から学校、公共施設までZの好む女性で埋め尽くせ…Zの為の都市をつくるのだ」
「大統領、流石にやりすぎなのではないですか?」
「構わない…この計画は全ての大臣から野党を含む議員まで私の三代前の大統領が根回しして決めた事なのだ…誰も異議など唱えんよ」
「はっ、問題が無いのであれば、即実行させて頂きます」
「全ての案件を後回しにし、こちらを最優先だ…後は頼む」
水野正平がもし期待どおりなら、今後生まれてくる子供は全て彼の血縁者となる。
昔、全ての神の父をゼウスと呼んだ…そこから生まれた『Z』
もし水野正平がZなら…いよいよ新しい世界がやってくる。
第50話 律子と美樹と満子
凄いなDSSS…もう部屋の隣に施設が完成したそうだ。
話によると最先端の産婦人科の技術があるそうだ。
その横には内科、外科、歯科、耳鼻咽喉科まである。
確かこの隣は使ってはいないが、本来は男性用の部屋だった筈だ。
「正平様が余りにも早く行動されるので急いで作らせました、こじんまりした設備ですが、総合病院並みの設備が整っています…凄いでしょう? ここでも診療が難しい場合はヘリで日本屈指の大学病院に輸送します」
なんだか、凄すぎる…
「正平さん、お久しぶりです」
「あっ13号さん」
「あはははっ、もう大丈夫ですよ、私の名前は青木律子です、もうご存じですよね」
「はい」
「収容所送りから助けて頂きありがとうございました…こう見えても天才医師なのでご安心下さい、私に掛かれば膵臓がんのレベル4でも確実に治しますよ」
確か膵臓がんって前の世界じゃ死亡率が高い病の一つだ。
それのレベル4を治すってどれだけ凄いんだ。
「それ、本当ですか?」
「律子はこれでも、医者としては一流なんですよ! 医者としてはご安心ください」
「あの美香…まるで私が医者としてだけしか価値が無い…そう言っている様に聞こえるんだが」
「手術と論文…それだけしかして来なかった結果が先走りして正平様のランク偽造、世の中の事知らなすぎですよ…あと少しで収容所送りだったんですから…」
「あははっ面目ない…それで私は正平くんの…その相手に含まれるのかな? なわけないか?」
「え~とあと、4番ですかね」
「あっえ~と…4番」
流石に琴美さんを順番に入れているのに順番に入れない訳にはいかないよな。
「あの正平様…此奴化粧で誤魔化していますがなかなかのババアですよ?」
「まだギリ20代ですよ? 美香…失礼しちゃうわ」
「正平様…それなら私も…」
「あの美香…DSSSの責任者が1人の男性と関係持っちゃ不味いんじゃないのかな…」
「ううっ…そうですね…律子なんか死ねばいいのに」
「あはははっ、今日の私はそんな暴言気にしませんよ」
「畜生――っ」
なんだか美香さんが壊れている気がする。
「それで、この並びは確か男性用の部屋だった筈ですが」
「ああっ、それなら使わない部屋をいつまでもキープしておくのは勿体ないから、診療室にかえたのよ、とは言っても律子と琴美で殆どの事は出来てしまうから、設備しか無いんだけどね…あとお店も気にいったのがあれば入れるから…教えて」
可笑しいな…俺の部屋は男性専門のフロアの筈だ、男性が招かない限り、女性は立ち入り出来ない、そういうルールがあった筈だ。
まぁ良いか…
「あの…例えば、マグドと牛丼の吉太郎と焼肉の食べ放題の店が欲しいと言ったら入れて貰えますか?」
ホストと言えば金持ちに思える…だが売れないホストは牛丼やマグド、偶にお金が手に入ったら1980円の焼肉食べ放題…そんな生活だった。
確かに今は良い物を食べられる…だがソウルフードとも言えるそれを出来たら食べたい。
確かにチープだけど懐かしい…
「本当にそんな物が食べたいんですか?」
「はい」
「それなら手配しますが…男性なのに、そんな物何処で食べたのですかね」
「ははは記憶が無い時に食べたみたい」
「まぁ不思議ですが、ご要望なので用意します」
「ありがとうございます」
「それでは、今後膣内射精をしましたら、私ではなく律子の方にご連絡お願いします」
なんだか恥ずかしいけど仕方が無いな。
「解りました」
「それでは、打ち合わせがあるのでこれで失礼しますね」
そう言って美香さんは律子さんを連れて出て行った。
◆◆◆
時間がまだあるから美樹と満子を呼び出した。
二人とも色々問題があるから、少し位フォローした方が良いだろう。
「あのあの…私みたいな豚が本当にDSSSで暮らして良いんでしょうか? 顔見知りにして貰えるなんて本当に信じられません」
「あの、こんなに若い方の顔見知りにして貰えるなんて…信じられません…本当に良いのでしょうか?」
美樹は相変わらずオドオドしているが少しは真面になった気がする。
満子もちゃんと食事をしているのか血色がよく、少し肉付きが良くなった気がした。
「二人とも随分落ち着いたみたいだね、良かった」
「まさかDSSSに入れるなんて…私、豚女とか呼ばれて、グスッ男はおろか女性からも嫌われて生きていくしかないと思っていたのにありがとうございます」
美樹は決してデブじゃない…グラビア体型で凄くスタイルが良い。
だが、この世界じゃ…こんな凄い体型が…デブ扱いなんだよな。
「私みたいな家畜扱いされたお手付き女を…顔見知りにして頂いてありがとうございます」
満子だってスレンダーで愛嬌がある。
前の世界なら普通にクラスの人気者になれる位に可愛い。
それが爺ですら手に入れられる…相変わらずこの世界は凄いな。
「二人とも元気そうで良かった…美樹は明後日、満子は4日後、2人きりで1晩過ごすからね…宜しく」
「1晩って一緒に寝て良いって事ですか?」
「まさか二人っきりで過ごせるの?」
「そうだよ」
今は詳しい内容は話さないで良い。
その方がサプライズになるからね。
第51話 変わる世界
「なんで俺達がこんな事されないといけないんだ」
「そうだ、僕らは男だぞ! こんな事して只で済むと思うな!」
「煩い黙れ!『オトコモドキ』の分際で、人権があると思うな」
凄く愉快だ、今迄、男だからと偉そうにしていていた此奴らを今後は『人』として扱わないで良い事になるなんて最高だ。
「『オトコモドキ』とはなんだそれは僕は聞いてないぞ」
「こんな騙しうちで監禁などして男性特権が黙ってないぞ」
此奴らは馬鹿なのか?
もしそれが発動するなら死刑だ、こんな事はしない。
「黙れ! これから先、男性保護法で身分を守られるのはCランクまでだ! お前らの様に女性に養って貰える立場でありながら、女性を嫌悪し、感謝せず、また子作りにも参加出来ない者は男性保護だけではない『人権をはく奪』する」
「ふざけるな、そんな事許されない!」
ズドーーーン!
「嘘だろう…」
まぁ驚くだろうな目の前で『オトコモドキ』が射殺されたんだ。
「あ~あ勿体ない、おもちゃが1つ無くなった」
「『オトコモドキ』は沢山いるんだ、1匹殺すだけで、立場を解らせる事が出来たら安いもんだ」
「「「「「…」」」」」
「これで解って貰えたかな? もう一度言う、お前達には人権は無い」
「それでこれから我々はどうなるのでしょうか?」
少しは解ったか。
「お前達には3つの生活から選んで貰う」
私は、国が決めたプログラムを読み上げた。
1. 女のおもちゃになる事で今迄に近い生活を送る、その場合は薬品や電気を使い、強制的な性行為を行われる事を拒否できない。輪姦も当然ある。
2. 無人島で男同士で自給自足生活を送って貰う…但し、電気もガスも無い。水道は井戸水がある。
3. 収容施設に入り、単純な軽作業をして貰う。その場合は一切の外出は許されないが、代わりに衣食住は保証される
※いずれの場合も死んだ後は臓器の提供はして貰う。
「そんな、ふざけるな、お前…」
「馬鹿、やめるんだ…殺される」
「賢明ですね、すぐに決めろとは言いませんが1週間で決めて下さい!」
「「「「「…」」」」」
「なんですか? その目は? 散々世話をしてきたのに毛嫌いしていたのは貴方達『男』いや『オトコモドキ』ですよ? 犬だって飼ってあげたら恩義を忘れません…それが役たたずのゴミの癖に、私達を馬鹿にした結果がこれです…仕方ないですよね」
「そんな、我々だって」
「ハァ~、貴方達は五体満足じゃないでしょう? 子供を作れない体なのですから…だけど、数少ないからと温情で接してきました、女に生まれたら死ぬ程働かないと生活が出来ない…ですが男は別です…ですがよく考えたら、貴方達は『男』じゃなかったんですよね! 子供を作る力も無かったんですからー――っ、という訳で保護しない事に決まったんですよ」
私達がしている事は決して意地悪ではありません。
此処に居る男は皆、パートナーを作る努力をしない男です。
顔見知りを複数抱えたり、婚姻をしている男性など女性と親密な関係になっている男性は今回は除外です。
此処に居る人間はこの世界に要らない人間なのです。
生かしてあげるだけ…ありがたいと思って欲しいですね。
第52話 千鶴は凄い
凄いなDSSS、もうマグドと吉太郎と焼肉の食べ放題のお店が出来るなんて。
しかも、焼肉の食べ放題のお店が『焼肉クィーン』だ、この店は一番安いコースで1980円、一番高いプレミアコースは3980円、税金は別だ。
「どうですか? これ、一応注文通りに作りました、店のカウンターから食器まで全部同じ…更に言うと仕入先から全部同じで、店員も経験者から来てもらいました」
なんだか違和感があるのは何故だろうか?
「なんか、違和感があるのですが…」
「それなら、吉太郎は潰れてしまったので、食器からカウンターまで同じ物を用意して…店員も当時の店長を探しました…あとの二つは出店して貰いました」
「完全に赤字なのでは…」
「それは大丈夫です、DSSSの中に出店という話なので、店員がお金を払っていますから」
「店員が…払うの?」
「男性と出会える確率が高いのですから当たり前です」
そうか…この世界はそんな世界だよな。
「凄いですね」
「はい、他にも要望があれば、作りますよ」
「ラーメン屋はどうですか?」
「大丈夫ですよ…何処が良いですか?」
「それなら喜多方ラーメン」
「解りました、お任せ下さい」
凄いな美香さん…
◆◆◆
今日は千鶴の番だ。
来てもらう時間は11時にお願いした。
「正平様、約束の時間なので来ました」
「それじゃ出かけようか?」
今日の千鶴はいつものポニーテールに赤いリボン。
白いワンピースを着ている。
いつものボーイッシュな感じがしない。
「あの、正平様、何処へ行くんですか?」
「この間、焼肉の食べ放題を作って貰ったんだけど、付き合ってくれない」
「焼肉の食べ放題良いですね、沢山食べちゃおうかな?」
千鶴の年齢は17歳、剣道の腕を買われ護衛候補になった。
剣道少女だが、体を鍛える為なのか健康的に日焼けしているのでスポーツ少女に見える。
一緒に焼肉を食うなら、やっぱり千鶴が一番良い。
一緒に『焼肉クィーン』に向かった。
凄いなこれ…恐らく使うのは…あっそうか此処の女性職員や、他の男性付きの女の子も使えるのか…
だけど…最近、職員以外の女性が減った気がする。
元々偶にすれ違う男も、最近は更に減った気がするが気のせいか?
「そうだね、これからする事を考えるとスタミナつけなくちゃな」
「そんな正平様…」
千鶴は顔が真っ赤になった。
この世界の女の子は性的にガツガツしている割に、変な所純情なんだよな。
焼肉デートって言えば、前の世界では『深い付き合いのある男女』の定番だったな。
最も、健康スポーツ少女の千鶴にはそれは無縁だな。
どちらかと言えば、ガツガツと沢山の肉を食べる姿の方が似合いそうだ。
「いらっしゃいませ、焼肉クィーンへようこそ!」
牛のエプロンをつけたお姉さんが席に案内してくれた。
しかし凄いな。
席が20もある…4人席だから80名分だ。
多分利用者は少ないのに。
「システムはご存じですか?」
「はい」
「それでは、そちらのパネルからご注文お願いします」
本来は此処でコースを選ぶのだけど、無料だから一番高いプラチナコースにする。
そして、ドリンクバーを2つ。
「これで良い?」
「はい…」
「それじゃ、何を食べたい?」
「そうですねー-っ此処はやっぱりカルビかな?」
二人でしっかりと堪能した。
◆◆◆
俺の部屋に戻ってきた。
食欲を満たしたら、次は性欲だな…
なんて中年オヤジみたいな事を考えた。
二人して気にしないで大量のニンニクを入れて食べていたから、二人以外が此処に居たらさぞ臭いだろう。
「そう言えば、これってデートかな?」
「デートってなんでしょうか?」
この世界ではデートは無いようだ。
「デートって、そうだな好きな男女で出かける事だよ」
「それなら、デートですね」
そう言いながら笑う千鶴は凄く可愛く思えた。
だが、凄いな…
いきなり千鶴が無言でワンピースを脱ぎ始めた。
ワンピースの下からはピンクの可愛らしい下着が顔を出す。
女子高生位が身に着ける可愛らしいブラとパンティだ。
「ちょっと待って」
俺が声を掛けた時には既にブラを外しパンティに手を掛けた時だった。
「正平様? どうかしましたか…もしかして私、なにか間違ってますか? お付き合いってこういう事するんじゃ」
間違ってはいないけど…これじゃ味気ないな。
「確かに間違ってないけど…少し楽しまない?」
そう言うと俺は千鶴に軽くキスをしてお姫様抱っこした。
「ん?!ううん….正平様?」
さて、プールにするかジャグジーにするか…迷うな。
悩んだ末、俺はジャグジーにした。
「こっちで良いか?」
俺はジャグジーの手前で千鶴を降ろしてパンティを降ろした。
少し毛深いあそこが顔をだした。
多分、手入れとかしていない気がする。
「あの、正平様? ベッドに行かれるんじゃないんですか?」
「少し変わった事しない?」
そう言って俺は千鶴の手を引いて湯舟に浸かった。
千鶴とは向かい合う形で抱き合う、対面座位というのかな。
「あの…正平 ん?!ううん、あむうんハァハァ」
そのままキスをした…だが、口を離すと身長の差があるので直ぐに胸から首筋の辺りに俺の顔が来てしまう。
そのまま少し顔を落とすと、可愛らしい乳首が目の前に来たので、そのまま口に含み強くしゃぶった。
「あっあああっ、くすぐったいけど…ああっ気持ち良いです…ああっ駄目だよ…はぁはぁ、あんあん」
感度が良いのかそれだけで反応する。
しかし、鍛えている体って凄いな…腕から腰から贅肉が全然ない。
腹筋もしっかりと鍛えられていてそれが綺麗だ。
この体制で胸をしゃぶったり、舐めまわしているから、水はじゃぶじゃぶと音を立てている。
「ハァハァ、凄く切ない…せつないよ」
胸をしゃぶっている状態で対面座位の体制だから、下半身が当たっている。
その状態で、挿入されてないから、もどかしげに千鶴が腰を左右に振ったり、上下に動かしている。
「正平様…お願い、お願いです…ハァハァ…せつないです…下さい」
顔を赤くしながらジャバジャバと水音をたてて腰を振りながら、ハァハァ言いながら懇願された。
それなら…俺は千鶴の腰を持ち上げるとそのまま落とした。
千鶴の穴を押し広げるように俺の物が入っていく。
「はぅ?!ああああっああ、うんうん、ハァハァ正平様…ああっこれ良い…うんうん」
挿入された状態で暫くいたが…千鶴が自分から腰を振り始めた。
「ハァハァ、あああっあああ気持ち良い…ああ」
確かにこれでも気持ち良いけど…しっかり奥まで入っていない気がする。
「ああっあああん、正平様…はぁはぁ、あああっあん」
やはり奥まで入っていない気がする。
「千鶴…ちょっと良い?」
俺は千鶴の腰を掴み奥まで突き入れた。
「あっ?!はぁぁぁ、ハァハァ、正平様はぁはぁ…あっ?!はぁぁぁこれあん、あんあああー-っ凄い、これ凄いです、ああああー-っはぁぁぁぁん」
今迄と違い俺の物が根本まで入っていった。
「あっあっうんうんうんぐっハァハァ」
千鶴は貪るようにキスをしながら、腰を動かし続けた。
「はぁぁぁぁー―――っうん、うんnはぁぁぁぁっ」
どうやら逝ってしまったようだ…それに合わせて俺もどうにかいく事が出来た。
少し力が抜けた状態で千鶴が俺にしだれ掛かってきた。
「ハァハァ、抱き着かせて下さい…嘘、もう元気なの?」
体が此処迄密着しているとすぐに俺の体は反応してしまう。
結局、俺はジャグジーで2回した後、ベッドに行き3回お互いにいった。
体の相性が良いのか、同時に逝く事が出来た。
◆◆◆
「うんぐ、あむ、うんうんぷはぁうんぐ」
気がつくと寝ていたようだが…下半身が温かく心地よい。
「あっ千鶴…なにやって…」
見れば解かるな…
「うん、ふぇらひぃお…どおぅきもひいい? うんぐあーむ、ぷはぁ、あんぐ」
今思えば高校生くらいが一番やりたい盛りだったな。
勃起したのを確認すると千鶴は俺の股間に跨ってきた。
「ううううん、ハァハァはいちゃった…ハァハァ動くね、くふんっあああっあんあんあんあっハァハァ、凄いね気持ち良い、正平様も、ああっあん」
暫く腰を動かすと…俺と千鶴は一緒に逝った。
そのまま千鶴は俺に跨って逝っては、手や口を使ってたたせて跨るを繰り返し…まるでサルの様にやりまくった。
「はぁはぁきもひ良いよー――っきもひいいー-」
凄いな17歳。
結局、飯も食べずギリギリまでやりまくり…シャワーも浴びずに千鶴は笑顔で出て行った。
「正平様…最高です」
そう言いながら…
第53話 琴美は奴隷
目の前にブラウスとタイトスカートの女が転がっている。
「此処はどこなんですか?」
「チェッ、損したぜ、若い女を攫ったと思ったがBBAだった」
「えっ…何を言っているの?」
俺は、抱き着き、スカートを捲り上げ黒いパンティの横から手を入れた。
「なんだ、流石はBBAじゃないか? やる気満々なんじゃねー、こんなの履いて」
「いや、何をするの? いや、やめて、やめて下さい!」
「なにをするって解っているんだろう? SEXに決まっているじゃないか? それ以外何があるっていうんだよ」
「いま? なんて言ったの?」
「SEXするって言ったんだよBBA!」
「いや…何処でそんな言葉覚えてきたの?いやらしい、あっちに行きなさい」
「うるせいなBBA、なんだこの体? もう濡れ濡れじゃねーか? やりたくて仕方ないんじゃないか?」
「そんな事ないわ…正平くん、駄目」
俺はブラスを引きちぎった。
その下からは黒い透けたブラが丸見えだ。
「なんだBBA、こんなブラしていて、そんなこと無いなんてねーよな…男漁りしたいからつけているんだろう? とんだ変態BBAだぜ…じゃなきゃメス豚だな!」
「やめて、やめなさい んっ…」
俺は琴美にキスをした。
そして、そのまま勢いに任せてスカートとパンティをひきちぎった。
「何がやめなさいだ、淫乱変態BBA、もうその気になってんじゃねーか、毛深い股間がトロトロだぜ…ほら」
俺はそのまま股間に頭を埋めて舐めながら指を入れていった。
俺が上で跨っている…69の状態だ。
「いや…いや…ん、いやぁぁぁぁー――、そんなのやめて」
「嘘ばっかりいってんじゃねーよ…気持ち良くなって来たんじゃねーの? なぁBBAばかり気持ち良くなってんじゃねーよ…ほら俺のもしゃぶってよ叔母さん」
BBAの体を起こした。
「いや…」
俺はむりやり咥えさせようとした。
「いや…やめて汚い」
「いやじゃねーんだよ叔母さん…」
鼻を詰まんでいたら苦しいのか口をあけてきた。
無理やり俺は突っ込んだ。
「ぷはぁっ…あぐぐうっ、あむっ」
「どうだい? 甥っ子の物をしゃぶっている気分は、すぐに下の口にもぶっこんでやるからな!」
「あむっんぐんぐ」
諦めたのか舌を使い始めやがった。
「下にいれる前にじっくり…しゃぶれよメス豚…良い顔してんじゃん」
「あぶっ、ううんうん?!むっ、あぶあぶ」
俺は琴美の口の中にぶちまけた。
「くっゲホゲホっ…うん」
「なんだ上手いもんだな、流石はメス豚だ」
「馬鹿言わないで…あんたのお母さんに言いつけるわ」
馬鹿な奴…これで終わるわけねーじゃん。
「言いつけられないようにしてやるよ!」
俺は琴美を突き飛ばして覆いかぶさった。
「いやぁぁぁぁー―――っ」
そのまま俺は突き入れた…琴美はもう濡れ濡れ状態で簡単に俺を受け入れた。
「なんだ…此処迄の状態で良く言えたな、いやじゃねーじゃん、ほら喜んで股が咥えているじゃん」
「いや、いや…すぐ抜いて、お願い、お願いだから…姉さんに悪いはぁはぁ」
そう言いながら琴美は小刻みに腰を動かしている。
「変態の癖に…馬鹿じゃねーの、自分から腰が動いているぞ」
「いや、いや…いや…」
「うるせい、変態BBA」
琴美の目には悔しさから涙が流れていた。
「解ったわ…好きにしなさい…中は駄目よ…外にだしなさい」
此奴馬鹿じゃねーの、そう言いながら足でホールドしてんじゃん。
「あのなぁ…変態BBA、お前が抱え込んでいるんじゃねーか…嫌だね…ほら孕めよメス豚」
俺は、そのまま中出しをした。
「いやぁぁぁぁー―――――っ、そんな…」
「ふぅタップリ出してやったぜ…」
「赤ちゃん…赤ちゃんが出来たら…どうするの…」
「俺はしらねーよ…お前が育てるか、降ろすかすればいいんじゃねー」
「…」
その後は琴美は諦めたのか、何回中出ししても怒らなかった。
5回位、中だしした後は従順になり自ら咥えたり、騎乗位で腰を振り続けた。
「なんだBBA、お前やっぱり変態のメス豚じゃねーか」
「いや、いや…私は違う…違うわ…はぁはぁ…ああん、あんあん」
「お前、もう俺の専用の奴隷だな…なぁメス豚…俺の物になれよ」
「はぁはぁ…解ったわ…琴美は正平様の、あんあああっあん奴隷でメス豚です」
◆◆◆
たしかに『奴隷になりたい』そう言っていたけどさぁ…
これ小学生にリクエストするか…
「これで本当に琴美さん良かったの?」
「はぁはぁ…最高です…うんぐあむっ」
そう言いながら琴美さんは俺の足の指を舐めている。
まさか、本当に、此処迄だとは…思わなかったな。
第54話 美樹と大きな二つの胸
今日はとうとう美樹の番だ。
待ちに待った『完全グラビア体型』
ボンキュッボン…
ピンポーン。
来た。
「いらっしゃい」
「あの…本当に私で良いのでしょうか…触ったらばい菌がうつちゃぃますよ…豚ですから…汗も臭いし」
相変わらず、ネガティブだな。
服装は此処に住んでいるから随分と良くなった。
顔色もあった時に比べれば随分良くなった気がする。
服装は、何でトレーナーにミニスカなんだ。
しかもこのトレーナー『男命』とか書いてあるし…
あの日見た姿は、ボロなのは別にして服装は趣味だったのか?
「そんなこと無いよ、俺は美樹ちゃんのその体型好きだよ」
「嘘ですよ…こんな大きな豚みたいな胸、まるで見世物ですよーっ、今日測ったらまた大きくなっていて…測定をして貰ったら103センチですって…笑っちゃいますよね…100センチ超えちゃって、ブラの支給を頼んだらJカップでした、あはっDSSSの人も『こんなの初めてです』って笑われちゃいました…正平様も笑っていんですよ…あははっ」
そうか…あの時からまたデカくなったのか?
「凄いな…また大きくなったんだ…うん」
気のせいじゃ無かったのか…
「うふふっ笑えば良いですよ…大きくなった私の気持ち悪い乳をみて笑えばいいですよ…そして捨てちゃえば良いですよ…」
俺にとってやっと見つけた『グラビア体型の巨乳少女』まさにあの胸には夢と希望が詰まっている。
しかも胸が大きいのにお腹は細くて…お尻は少しでかい。
正に理想じゃないか。
しかも美樹は小学生…これから更にでかくなる。
「美樹ちゃん、前にも言ったけど俺は大きい胸の女の子好きだよ」
「嘘だよ…これ見てそんな事言えるの…」
美樹は俺の前でトレーナーをとった。
その下には巨大なブラに詰め込まれた巨大な胸が見える。
『兎も角でかい』
それしか言えないな…頭の中に小さめのスイカが浮かんだ。
「美樹ちゃん忘れているのかな? 俺前にも胸を見せて貰って触らして貰ったんだけど…忘れている?」
「あっ…そう言えば…だけど、あの時よりまた大きくなって、気持ち悪いですよ…これ」
幾ら言葉でいっても多分解らないな。
俺は後ろに手をまわしてブラのホックを外した。
ブラは弾けるように外れ下に落ちたぷんという音ともに大きな胸が飛び出した。
「いやぁぁぁー-見ないで、グスッ、いやいや」
手で美樹が胸を押さえる前に俺は、そのまま左の胸の乳首に吸い付き右の胸に手を掛けて揉み始めた。
凄いなこれ、こんな巨乳なのに乳輪は大きくなく乳首も大きすぎない。口に含んでも舌あたりが良く、揉んでも凄く揉み心地が最高だ。
「この胸うんぐっレロ、最高だよ…触っても口に含んでも、ハァハァ本当に…」
美樹は少し驚いたような顔をしたが、すぐにいつもの様にネガティブになった。
「嘘ですよ…こんな醜い塊…うん、あんあんあっ…よく触ったり舐められます…あっあっああっ」
巨乳は感度が悪いと言うが美樹は違うようだ。
「美樹ちゃん、他の誰がなんんと言おうと俺はこの胸が好きだ」
「嘘、嘘っああっあんあんあんあっ…そんなわけないよ」
ちょっとだけ意地悪がしたくなり、乳首を甘噛みした。
「痛いっ、あっあっあんまた」
胸が嫌い…そう言いながらも胸を舐めたり、触ったりするだけで感じている。
多分、胸が性感帯なのだろうな…
太腿から手を滑らせて股をまさぐった。
もう濡れている…
「あっああん、そんな胸が胸が、はぁはぁ熱いよぉー-」
これならもう入れても良いだろう。
ミニスカートをめくり、白いパンティを脱がした。
そのまま覆いかぶさるようにして先を入れた。
「いた…痛いよ…痛い」
嘘だろう…なんで痛がるんだ。
「美樹…痛いのか…処女膜除去手術は…」
「いたっ痛いよ…私、絶対こんな日が来ないと思ってたからね…受けていないの…でも良いよ…我慢するからそのまま続けて…」
「解った」
下手にゆっくりするより、一気にしてしまった方が良いだろう。
先っぽは入るけど…なかなか奥までは入らない。
「あっあっ痛い、ああっ」
腰に力を入れて一気に突き入れた。
ずぶずぶと音を立てて美樹のそこは俺を受け入れた。
横から血が少し流れている。
「うっうっ痛い、痛いよ…すんすんグスッ…あっあっ痛い」
涙をためて泣いている美樹を見ると心が痛むが…此処迄来たらやめられない。
「ごめん、痛いかもしれないけど、少し我慢してくれ」
美樹は泣きながら汗も浮かべている。
「いいよ、美樹の事なんか気にし…痛いっ良いからねあっあっああん! あん、痛っ痛いあん痛っ」
痛い中にも喘ぎ声が入ってきている。
そのまま体制を入れ替えて美樹の体を上にした。
所謂騎乗位だ…
「あんああああー-っ痛い」
多分、さっきよりも更に深く入った気がする。
目の前にある大きな胸が重量で俺の前でプルンプルン跳ねる。
それを触ったり、揉んだり掴んだりしゃぶったりした。
「ああっ痛い、痛いよあああんあっああん」
痛がりながらも美樹は止めようとしない…目からは涙が流れて汗がぽたぽたと落ちてきているのに…
多分、自分の中でも痛みと快感の両方を感じているのかも知れない。
美樹はそのまま俺の方を見るとキスをしてきた。
「うぐ?ううんうんぷはぁ、はぁはぁ痛いっ痛いよー-っ」
そう言いながらも腰をグラインドしている。
俺はとうとう、美樹の中に吐きだした。
だが…
「痛い、痛いよあんあんああっー-あん」
美樹は腰を止めない。
「美樹、もう俺いったから、抜いて大丈夫だから」
変なスイッチが入ったのか。
「痛いっいたっ…まだ大丈夫、まだ大丈夫だからね?」
そう言いながら美樹は腰を振っている。
萎んだ状態だから、抜けたり入ったりしているが…擦りつけられてまた大きくなってきた。
美樹は俺の物に手を添えてしっかりとまた挿入した。
「うんぐっ?! 正平くん…ほら痛っ入ったよ…」
そう言いながらまた腰を動かし始めた。
◆◆◆
「あっあんあんあんあっあっあー――ん」
もうどの位の時間が過ぎたのか解らない。
「これ、凄く気持ち良いよ~」
俺も美樹も何回いったかもう解らない。
騎乗位で腰を振り続ける美樹の大きな二つの胸を揉んだりしゃぶったりしながら…それを味わっていた。
「ああっいくいくいっちゃうよ…美樹いっちゃう」
美樹はもう何回もいっているが…今迄と違い体が痙攣したようになり…崩れ落ちた。
◆◆◆
「正平くん…うううんっちゅっ」
美樹にキスをされた。
気がつくと俺は眠ってしまっていたようだ。
「美樹…おはよう」
「はい、おはよう…しかし正平くん、本当にこれ好きなんだね…驚いた」
随分ポジティブになった気がする。
「触っていても気持ち良いし、口に含むのも…まぁ好きだよ」
「うふふっありがとう…最初痛かったけど、途中からは気持ち良かったよ…ありがとう…まさか私が男性とSEX出来る日が来るとは思わなかったよ…私…お金無いけど、ちゃんと尽くすから…ね、お金が無い分…正平くんがして欲しい事なんでもしてあげる」
何でも…目の前にある大きな胸に目がいった。
「それじゃ挟んで欲しいな」
「え~と何で何を挟むのかな」
俺は美樹の胸と自分のあそこを指さした。
「本当に正平くん…美樹の胸がすきなんだね…良いよ、これで良いの?」
大きな美樹の胸の谷間に俺のあそこが挟まれていて気持ちが良い。
「胸を外側から押さえて動かして欲しい…あと先を舐めてくれたら最高」
「こうかな?うんはぁはぁ、これえ良いのかなレロレロレロハァハァ」
「うん、気持ちよいよ」
「胸好きだねレロレロ…すごくうれふぃよ」
頼んでも無いのに自分から先を口に含んでいる。
パイズリ+フェラ…これで気持ち良くないわけが無い。
気がつくと俺はあれだけ満足したにも関わらず、3回も逝ってしまった。
「これが正平くんの…うんごくっ…ハァハァ凄いね」
胸の中に出した精子を拭い取り飲み込む美樹は…グラビア処はAVにさえ見えた。
こんな子が…気持ち悪いなんてこの世界の男は…本当に勿体ないな。
第55話 律子
「なんだか、気を使わせたみたいで悪いですね」
「そんな気にしないで下さい、元はと言えば俺の為にしてくれた事ですから」
「そうね…だけど、全部私の思い違いで勘違い…ハァ~本当に嫌になるわ…医術だけでなく少しは社会を知らないと駄目ね」
「そういう物ですかね」
「そういう物よ…それで正平くんはどうしたい?私にお任せで良いのかしら?」
最近自分からする事ばかりだから…お任せに出来るなら、それも良いかも知れない。
「それじゃお任せでお願いします」
「そう?解ったわ…それじゃシャワーを一緒に浴びましょう」
「はい」
一緒にシャワーと言いながら何もしてこない…やはりベッドに行ってからなのか?
しかし、大人の女ってのは…良いな。
10代には無い、何とも言えない色気がある。
しかも手足が長くてスタイルも良い…
任せると言った以上…今は我慢だ。
◆◆◆
「凄いわね…正平君もう勃起しているじゃない? 普通はBランクでも勃起するまで凄く時間が掛かるのに」
そう言われると少し恥ずかしい。
「それじゃ行きますね『手順1』あむ、うんぐうん、ハァどうお、きもひいい」
そう言うと律子さんはいきなり俺の物を咥えた。
なんて言えば良いんだろう?
口の熱さが感じられ、絡みついてくる舌が凄く気持ち良い。
律子さんのフェラは凄く上手い。
嘘だろう…こんなに早く出してしまうなんて。
「うん?! うんぐうん?!うんうんペッ…そんな口になんて勿体ない」
そう言うと律子さんは慌てて口から精子を手に吐きだした。
何をするのかあっけに見ていると…俺の精子を自分の性器を指で広げて指先につけ入れ込んでいた。
「律子さん、一体何をしているんですか?」
「射精なんてなかなか出来ないんです…口に出すなんてお金を…あれっ…」
「律子さん、俺は他の男性と違って、何回でも出せるんです…ほら」
「凄い、もう勃起している…Aって此処迄なのね…それ出来るの」
「はい」
「やり方は解る」
「もう経験済みですから」
「そう、解ったわ」
そう言うと律子さんはベッドに寝転がった。
「正平くん…きて」
あそこを触ってみたが…もうすっかり準備は出来ていた。
俺は、自分の物をあてがい一気に挿入した。
「あああっあんあん、凄いハァハァこれがSEXなのね、凄いわあんあんあああっあん…正平くん、もっと乱暴に扱っていいわ」
俺は腰を素早く動かすことにした。
「あん、あんあー-っ凄いわ、凄い、気持ちよい、気持ちよいわあんあんハァハァ、お願い正平くんしがみつかせて」
そう言うと律子さんは俺の首に手をまわしてきた。
そのまま、俺は律子さんにキスをして舌を入れた。
「うん?!あぐぐっうんうんハァハァぷはぁうんうんうんぐっハァハァ」
口と口から涎が糸を引くのがエロイ。
胸を揉んだりお尻を揉みながらも腰を動きは止めない。
お尻の穴を指先で触ったら…
「あっ、いや…そこは汚いわ、あんああんあっあっ」
流石に初めてのSEXで突っ込むのも気が引けたから…指で刺激を与える位で…
「あん、だからそこは嫌、いや…ハァハァうんぐ?!うんうんいやぁううん、うぐいやぁうんうん」
刺激を与えるだけで止めるつもりだったが、思ったより穴がこなれてきたので、そのまま指を突っ込んだ。
「うんぐっ?!あぐぐいやぁ…いやぁうんぐうんうん」
そう言いながらお尻に力を入れたのか俺の指を締め付ける。
入れる前なら兎も角入ってしまったから、それじゃ抜けない。
むしろ指を締め付ける感触が良い。
しかもその締め付けのせいか前の穴の締め付けも強くなって強く締め付ける。
「律子さんハァハァ」
俺は律子の中に精子をときはなった。
「はぁはぁ…体が熱い、凄い中に入り込んでくる…正平くん…はぁはぁ凄いね」
「そうかな…それじゃまだまだ頑張りますか?」
「嘘…もう勃起しているの…信じられない」
結局、その後7回もやりまくった。
◆◆◆
「本当に凄いね…私もうくたくただわ」
「そう言えば、律子さん『手順1』とかってなにかな」
「ああっ、あれはフェラチオの仕方だ…医者はその辺りも学ぶんだ、挿入の仕方もね」
医者がSEXを学ぶ…信じられないな。
「そんなのも学ぶの?」
「そりゃ学ぶよ、搾精技術の一つとしてね…ただ、今となっては昔と違ってフェラなんてさせてくれる男性は居ないからあくまで授業の一環として学ぶだけだけどね」
という事は…男女比が此処迄狂うまでの過程で病院に行けば女医や看護婦がフェラをする…そういう時代があった…そう言う事だな。
凄いな。
第56話 満子(みつこ)
トントン
「いらっしゃい! 待っていたよ!」
俺は出来るだけ笑顔で満子を迎えた。
「あの…本当に良いの…」
「ああっ、別に構わないよ、こういうのは縁だから」
少しは身ぎれいになったけど、ざく切りされたおかっぱ頭の髪の毛はまだ綺麗に生えそろって無い。
多分、髪の毛をある程度伸ばしてからじゃ無いと…綺麗にカットが出来ないんだろうな…
体は、まだ痩せている。
これは毎日美味しい物食べていれば治るよな。
奴隷以下の生活…
思い浮かべると涙が出そうになる。
「ありがとう…こんな私を引き取ってくれて、私なんでもします」
まだオドオドしている。
「それじゃ、一緒にご飯たべようか? カレーライスを作ってみたんだ、飲み物はジュースで良い」
もっと凝った物も考えたけど、満子は普通の女の子っぽい、なんとなくカレーやハンバーグが似合いそうだから…敢えてこれを選んだ」
「嘘…まさかと思うけど、それって正平くんの手料理」
「まぁね、ルーは市販の物だけど、具材は拘ったから美味しいと思うよ…ほら座って」
俺は椅子を引いてやった。
「うっううっグスッ、これ私が食べて良いんですか?」
「ああっ、満子ちゃんの為に作ったんだ、遠慮しないで食べて、食べて」
この世界で男性の手作り料理はまず食べられないから、少しは打ち解けて貰えるか。
今迄、酷い思いしていたんだ…少し位優しくしてあげても良いだろう。
「ありがとう…ありがとうございます…グスッ、美味い、美味いよー-っ」
泣きながら食べている。
鼻水までだして…まぁこれはこれで違った意味で可愛い。
「おいしいか?」
「凄く美味しい、美味しいよ…」
瞬く間にカレーは皿から無くなってしまった。
「お代わりいるかな」
「頂きます」
結局満子は、カレー4皿を30分位で完食してしまった。
「それで、満子は何がしたい?」
急に顔を真っ赤にしてモジモジしだした。
「SEX…SEXがしたい…です」
そう言うと満子は手早く服から下着まで全部脱いで裸になった。
前と体型は何も変わって無いのに…妙に色気がある。
「あの、満子ちゃん」
「大丈夫です…任せて下さい…聞いてますから…かぷっ、ちゅるあん、レロレロじゅぱ、ハァハァうぐっううんううん…ペロどうほきもひいい」
なんでこんな上手いんだ。
この世界の男は調教なんてしない…
そして満子はSEXの経験なんてない筈だ。
中古なんて前に口に出していたけど…それは他の男の所有物になっていただけだ…肉体関係があったわけじゃ無い。
ぬちゃぬちゃぬちゃ…指を使って自分の穴をまさぐっている。
「うんぐ?!うんううぐっううんハァハァぷはぁっ、うん、そろそろいくね」
そう言うと満子は俺を押し倒して騎乗位の体制で俺の物に手を添えた。
「うんぐっハァハァ少しきつい…ああっうぐっ、ハァハァ根元まで入ったよ…ハァハァ動くね、あん、あっああうわぁぁあん、あん」
凄いな、他の子も凄かったけど、此処迄欲望に忠実なのは無かったな。
「凄く気持ち良い、もっと締め付けて、早く動いても良いぞ」
「わかった…ハァハァ男の人に優しくハァハァ大切にされるのってあんあん…気持ち良い…」
ドクドク
俺は満子の中に思いっきり吐きだした。
「ハァハァ、正平くん逝っちゃったね…パクあ~むうんぐっああっうんうんハァハァ」
嘘だろう、今逝ったばかりの俺の物をすぐに口に含むなんて…
しかし、どうして此処迄エロいんだ。
ビッチを目指している麻里奈ですら比べ物にならない。
「大きくなったねハァハァ」
そう言うと満子は四つん這いになりお尻突き出してきた。
「挿入てぇ」
俺がそのまま腰を突き出し挿入していくとズブズブと音を立てて入っていく。
その状態で俺が腰を動かすと…
「ちんぽ! ちんぽ、気持ち良い!」
自分の腰も動かし始めた。
今迄のはなんだったのか? そう思える程過激な気がする。
流石に『ちんぽ』を連呼した人間は前世なら兎も角、この世界じゃ珍しい筈だ。
「そんなに気持ち良いのか?」
「ハァハァ、凄く気持ち良い…ください、精子、精子を沢山、満子にください」
凄いな…満子に求められるままに口に2回、中出し3回、更に言うならお尻の穴に2回も俺は出した。
「本当に凄いね正平くん…ハァハァ」
怪しい目で俺を見ながら満子は横になっていた。
「ちゅぼちゅぼ、ハァハァちゅるれろ、ぴちゃぴちゃ、どうほ、ふえらちお、うまいでひょう」
何で此処迄できるんだ…
あの後、裸のまま喉が渇いたのでコーラを飲んでいたら、すぐ傍にしゃがみ込み、満子はフェラを始めた。
まさか、前の男、本当は絶倫で『調教された』とかじゃないのか?
さっき散々出したのに…上手すぎる…俺は口の中にまた出した。
「うん?!うんううんゴクッ、正平くんまだ出せるんだ、本当に凄いね」
◆◆◆
「あの満子ちゃん…なんでそんなに手慣れているの?」
「やっぱり気になる? 男性経験は正平くんが初めてだよ、焼きもちやいた?にしししっ」
SEX前と違って随分明るくなった気がする。
「だけど…凄かったからな」
「私、ほら酷い目にあっていたし、食事とトイレしか権利が無かったから…トイレでオナニーばかりしていたから…恥ずかしいよ」
確かに人間らしい生活じゃ無かったし…あの状況で何かできるかと言えば…そうなるか。
「そうか…だからか」
「そう言う事…そう言えば此処ってコスプレ用の衣装とかもあるんだよね」
「ああっ、あるよ」
コスプレ用の衣装があるクローゼットを見せると…満子は目を丸くした。
「ごくっ…嘘、制服もある…着替えるから除かないでね」
さっき迄やっていたのに…なにいっているんだろう。
満子は制服に手早く着替えた。
しかも、ブラもパンティもつけないで靴下も履いてない。
それが妙に生々しくてエロイ。
「似合っているよ!満子ちゃん」
中学生くらいの歳だからドンピシャだ。
「そう…ねぇ私、正平くんの恋人になったんだよね?くちゃれろれろハァハァ」
そう言いながらディープキスをしてきた。
「まだ満足しないのか?」
「うん…あの、私にも口でしてくれると嬉しいな」
流石にこの状態でするのは…嫌だが、満子はさっき、これ以上の状態でしゃぶっていた。
仕方ないな…
俺は覚悟を決めて満子の股間に頭を埋めた。
「やだ、正平くん上手い、ハァハァあん、あんあっ」
凄い濃厚なSEX…
自分が快感を貪りながら、相手への手を止めない。
『淫乱』そういう言葉が頭に浮かぶ程に満子は感じている。
「ねぇ、正平くん、好き、好きって言ってハァハァ」
「好きだよ、満子」
俺がそう言うと俺の顔を首から離して、キスしてきた。
この状態からのキス。
汚い、なんて考えてないんだろうな…
「うれしい!うんうぷっ」
満子はキスをしながら、俺に跨り満子はそのまま腰を下ろしてきた。
ヌプヌプッ
「えへへっはいっちゃったね…あんあんあっ、ねえ正平くん、好きって、好きっていってあああー-っあんあん」
「ああっあああー―っいっちゃういっちゃうよー-っ」
満子は逝った状態でも俺の腰を足で挟み離してくれない。
だから、そのまま俺は腰を振り続けた。
「正平くん、中で、あっあっ強く、あっあっまたあん、正平くー――ん…好きっていって」
「好きだよ満子…」
◆◆◆
「おはよう正平くん」
「もう朝か…」
「うん…夢叶えてくれてありがとうね」
「夢?」
「そう、男性に愛されたい…そういう夢…相手はブサイクでも良かったんだけど…愛されて好きだって言って貰いながらSEXするのが私の夢だったんだ…叶っちゃった」
「そうだったんだ」
「そう、チュッ…好きだよ正平くん…またね」
そう言うと満子は部屋から去っていった。
他の子と違って偶然出会っただけのに…凄すぎるなこれ…もしかしてこの世界で一番、SEXが得意だと言っても信じるよ…
第57話 正平だけの街
「水野正平こと『Z』が完全体である事は間違い無いのですか?」
「はっ、まだ当人には伝えてないですが…全てのチェックにおいて、劣勢遺伝子がありません…体力においても女性を凌駕する程の数値を見せています」
「それでは『Z』は正常な男と言う事が確定したのですね」
「はっ」
「ならば、今度は粛正の時間だ日本国大統領 泉澄子の名の元に『人類正常化計画』を発動する…まずは『Z』以外の全ての男、BCランクの『男モドキ』の身分も奴隷とする」
「よいですね…今迄散々偉そうにしていた彼奴らが全員、奴隷ですか?」
「そうだな、人権が無いのだから『犯し放題』公衆便所につないで自由に使うのもありだ」
「まぁ、あいつ等ゴミですからね『Z』の生活を見ていれば解ります…女性を大切にして睦ましい生活していますね」
「監視役も、見ていて困るそうだ『男日照りの身であれは堪える』だそうです」
「はははっ、それならランクの低い『男モドキ』を専用にくれてやろう…いっそのこと脳下垂体に電極ぶち込んで勃起したまま使い放題が良いかもな」
「そうすれば、確かに子供は産めなくても楽しめますね」
「それでは早速、執行います」
◆◆◆
「お前達…何を考えているんだ、僕はCランク高位ランクだぞ」
「だから、何かな? 便器男…これから先は貴方達に人権は無いのよ? さぁ、皆、今日は犯し放題、好きなだけ使えって良いわ…ただ避妊だけはするのよ! 劣勢遺伝子はこの世に残せないからね」
「「「「「はっ」」」」」
今迄贅沢の限りを尽くしていた『男モドキ』の粛正は早かった。
以前は選択肢があったが今は無い。
収容所の『男モドキ』も同じ扱いになった。
無人島に居た『男モドキ』はハンティングと称して狩られ、手にした女の所有物となった。
この世の中に奴隷でない男の存在は『Z』こと水野正平だけとなった。
◆◆◆
「さぁ、今日は何をしようかな? 小学校にでも行くか」
「それじゃ護衛しますわ」
「それじゃ車回してくるね」
「頼むね」
Zこと水野正平が住む区画は閉鎖され、此処にはZが好む女性やお店設備が建てられた。
この街は選ばれた者しか入れない。
『正平だけの街』で正平はその事に気がつかないで生活している。
FIN
※最初は短編で終わる筈が気がついたら長編になってしまいました。
書くとしても似たような描写が沢山続くだけになりそうなので…此処で終わりとさせて頂きます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
男女比物、美醜逆転物は実は小説では凄く難しく、私が師匠と思っている人でも、出版が途中で止まる位です。
いつか、実力がついたら、また再度挑戦するつもりです。
今迄ありがとうございました。