この世界は…物凄く僕に都合が良い!

クラス一の美少女をおもちゃにした日
僕は今クラス一(僕視点)の美少女を犯している。

嫌がる、彼女を無理やり押さえつけ、やりたい放題オモチャにしていた。

手足を押さえつけ服に手を掛け、脱がした。

「辞めて、お願い!」

彼女の悲痛な叫び声が上がるが僕は辞めない。

彼女のその体を触りまくった。。

「お願いだから、許して、ねぇ本当に!」

《そんな事をいっているけど、本当は違うんだろう…喜んでいるくせに》

とうとう、涙目になってきた。

「私、私、こんなの嫌だから..本当に嫌だから」

制服がはだけ…スカートが捲れあがり、下着に手を突っ込んだ所で彼女が悲鳴をあげた。

「やめてって言っているでしょう!」

僕は突き飛ばされた。

嫌がる、彼女を尻目に僕は、最後までやった。

彼女は泣きながら、僕を睨め付けていた。

実は….真実
「省吾君酷いよ」

泣きながら、僕から見たら、クラス一の美少女霧島裕子が文句を言ってきた。

「だって、きょうはハードプレイがしたいってリクエストしてたよね!」

「だからって、何で私が犯されるの? 普通、ハードプレイって言ったら女の子が男の子を激しく犯すのが普通だよね…男の子が犯すなんて…どんな痴男なの…」

《あれっそうか、勘違いしてた》

「あっそうか?」

「そうかじゃないよ! 幾ら私が小柄な女だからって、男に押さえつけられて犯られたなんて知られたら..他の女に馬鹿にされちゃうよ!」

「ごめんね! だったら今日の分はお金は要らないよ…うん、サービスにしてあげる」

「良いの?」

「うん、裕子ちゃんは僕の好みだからサービス、はいもう一つサービス チュッ!」

「あ、ありがとう! ただにしてくれるなんて…だったらそのお金で今日、何か奢るよ…省吾君が嫌じゃ無ければだけど…駄目?」

「良いよ、ファミレスで何か奢って」

「うん!」

僕が何をしていたかって!

大した事してないよ、売春していただけだよ!

しかし、失敗してしまった、そうだよね、実はこの世界は、男女が逆転していて、しかも男女比が凄く男性側に偏った世界なんだ。

具体的に言うと男女比が1対30位。

つまり、男にとっては凄く「都合の良い世界なんだ」

しかし、今日は失敗しちゃったな…男女が逆なら…うん、僕が嫌がって裕子ちゃんが犯す方なんだ..

うん、失敗、失敗…

家族の反応と可笑しな世界。
僕は気が付いたら、この世界に迷いこんでいた。

元の世界では普通の男子だ。

自分ではクラスで中の上位の容姿だと思う。

それ程モテる訳でなく、バレンタインには友達の女の子から義理チョコが幾つか貰える…その程度の存在。

そんな僕がある日、交通事故にあった。

交通事故っていっても入院するような感じではなく、ただバイクを避けたら転んで頭を打っただけ。

バイクの人も心配そうにこちらを見てた。

綺麗なお姉さんだったので、手をひらひら振って「大丈夫ですよ!」と笑顔で返した。

すると、お姉さんは安心したかのようにバイクで立ち去った。

家に帰ると誰も居なかったのでそのまま眠りについた。

たんこぶが出来てたのか…頭が痛い。

気が付くと朝が来ていた。

扉を開けると、何故か豪華な朝食が置かれていた。

《あれっ、何でこんな所に朝食が置かれているんだ? しかもどう見てもホテルのモーニングメニュー位に豪華だ》

近くに妹がいたので挨拶した。

「おはようサーヤ」

「えっ..お兄ちゃん…えっ えっ….お母さーん」

《僕、何かやったのかな…》

「待って、サーヤ僕が何かしたなら謝るからさぁ、ねぇ」

「嘘、お兄ちゃんが、お兄ちゃんが…喋っている!」

妹は走るように下に降りて行った。

僕は、さっきの朝食を持って下に降りて行った。

下に降りると、母さんがサーヤの頭を撫でていた。

正直気まずい…母さんにサーヤを虐めたと思われ怒られる。

「おはよう母さん…サーヤが急に可笑しくなって」

「嘘、嘘、嘘…省吾が母さんって…」

「あの、母さん落ち着いて、僕が何かしたなら謝るから..ねぇ」

《何が何だか解らないけど、母さんやサーヤが泣きそうな顔をしている..謝らなくちゃ》

「何で、省吾が謝るの…男の子が頭なんて下げちゃ駄目よ」

「そうだよ、お兄ちゃん…男でしょう」

《何が何だか解らない》

「そう、解ったよ…これから朝食とるんでしょう、だったら俺も一緒に食べて良いかな」

「一緒に食べてくれるの? …そう、だけど本当に良いの…母さんも沙也も誕生日でも無いのに」

「嫌じゃ無いなら..」

「嫌な訳ない..そんな嬉しい事嫌がる訳が無い」

「そう..じゃぁ一緒に食べよう」

凄く気まずい…これは何かの罰ゲームかな? 二人がトーストとスープ目玉焼きなのに…俺だけあの朝食だ。

うん、切り分けて、あげよう。

「サーヤはお肉好きだったよね? はい、これあげる」

《また、おかしい、サーヤが固まっている..いつもなら何も言わないでおかずを奪っていくのに、仕方ない…これなら何か反応するかな》

「サーヤ…ほら、あーん」

《最近、こいつ色気づいてきたから怒るだろうな…多分 子供扱いするなと怒鳴るよねこれなら》

だが、妹は顔を真っ赤にして震えながら口を開けて顔を前に出してきた。

妹ながら、まるでキスでもするかのような仕草は見ていて気まずい。

僕はそのままフォークに刺さった肉を口に入れてあげた。

「省吾、何をしているの?」

母さんが不機嫌そうにこっちを睨んでいた。

《怒られるのかな?》

「沙也にだけズルいわ…私にも」

そうだ、母さんの朝食も質素だった。

「はい、母さん」

僕は肉を母さんの皿に移したら。

「省吾、酷いわ、母さんにはしてくれないんだ…」

「えーと、これで良いの、母さん あーん」

「省吾…ありがとう…」

さっきから気まずい…本当に気まずい…妹も母さんも顔が真っ赤だ。

気まずいまま食事は終わり母さんは仕事に、妹のサーヤは学校に行こうとした。

僕も身支度をして出ようとすると

「お兄ちゃんは危ないから外に出ちゃ駄目」

「男の子なんだから気を付けて、ちゃんと直ぐにカギを掛けるのよ」

学校にいっちゃ不味そうなので、そのまま家に入った。

暇なので、テレビをつけた…可笑しい。

ネットを見た…可笑しい。

ここでようやく、僕は他の世界に来てしまった事に気が付いた。

この世界は本当に男性に優しかった
学校にいってはいけないらしいので、仕方なく、家でネット検索やテレビを見て過ごした。

しかし、ひどいなこの世界。

まず、テレビに男が殆どでていない。

一番組で1人から2人出ていればよい方…場合によっては男が誰もいない番組もある。

しかも出ている番組は、不細工な男が司会を無視して話してもアップになるし、大物の演歌歌手をどついても文句言われない…なんだこれ。

ネットで調べると….男女比が1対30らしい..その位なら、もう少しは男が居てもよい気がするんだけどな。

調べる事更に3分、この世界の男の多くは女嫌いらしい。

その為、引き籠りが多く余り外に出ない。

だから、余りテレビやネットでも見かけないのか….

アイドルや芸能人は…殆ど、男が居ない。

女のアイドルは、うん、知っている人は殆ど居た。

あれっ、エロサイトが何処にもない。

男が引き籠りだから、男の写真が無いのは解る。

女のヌード写真も殆どない…しいて言えばプログとかにたまに水着写真がある程度だ。

男が見たがらないから…存在しないのか。

僕は…普通に性欲があるぞ..まずく無いか? 

朝だって、普通に立っていた…

そうだ、ベットの下の本は…ない..何でBLの同人誌になっているんだ、嫌がらせか?

よく、ライトノベルで僕と同じような世界に迷い込む話はあるけどさ…よく我慢しているよね。

我慢できる気がしない。

更にこの世界について調べてみた。

なんだ、これ、「男性側からのSEXは美徳であり、施しである」 真面目にこんな事が法律に書いてある。

逆に「女性側からのSEXは浅ましく穢れた行為であり、男性に強要したら場合によっては懲役50年もしくは5千万円以下の罰金」
こんなんでまともに恋愛なんて出来るのかな。

まだ、時間も10時だし…案外、男性が危ない目にあう事もなさそうだ…ちょっと出かけてみようかな…

アイドルは別格…じゃなかった
出かける前に下調べをネットでした。

以前、見に行きたくても人気がありすぎてチケットが取れなかったコンサートのチケットがあった事を思い出した。

「えーと、SEKK64のコンサートとは」

あれっ可笑しいな、会場は秋葉原のいつもの場所だけど…何で時間や日時が随時なんだ。

しかもネット予約でなく、電話でしか受け付けていない。

「あのSEKK事務局ですか?」

「はい、こちらSEKK事務局です!」

「SEKK64のコンサートに行きたいのですが何時やっていますか?」

「あの、男性の方ですよね! 逆にいつが宜しいのでしょうか?」

「早い方がよいですね..」

「それなら、2時間あとで如何でしょうか?」

「そんな時間のコンサートが取れるのですか?」

「勿論です…金額は申し訳ございませんが3万円になりますが」

《少し高いけど…仕方ないかな》

「はい、お願いいたします」

「畏まりました。 あの聞きづらいのですが、推しの女の子とかいますか?」

「星野洋子ちゃんが推しです」

「宜しければ、握手会に参加しませんか? 本当に申し訳ないのですが5千円なんです」

《洋子ちゃんの為だ…その位なら良いかな》

「それじゃ、お願いします」

「本当に良いんですか?」

「はい」

「ありがとうございます…ではお待ちしております」

《3万5千円か…ちょっと痛いな》

余り目立つのもいけないので中性的な恰好で出かけた。

これなら、女性に見えなくもない…男性が一人で滅多に出歩かない世界なら大丈夫だろう。

秋葉原は近いのでタクシーに乗った。

電車は男性用車両とかあるので逆にすぐに解って危ないらしい。

SEKK会館についた。

「先ほど、予約しました、水野省吾ですが!」

「はい、水野様ですね確認しました。すいませんボディチェックさせていただきます」

《本物の男だ、男が本当に来た》

「もう良いですか?」

「はい、確認させて頂きました…間違いなく男性ですね..これは約束の3万円になります!」

「えっ、払うんじゃなくて貰えるんですか?」

「女性アイドルのコンサートに来たんですよ、お金位貰えます…常識じゃないですか!もしかしてからかってます?」

《ここまで男って優遇されるのか…》

「そうでしたね..からかってすいません。」

「いえいえ、寧ろ男性とのコミュニケーションはご褒美です」

コンサート会場には大きなソファが一つしかなかった。

その周りには、ドリンクバーがあって、その横には軽食のブッフェまである、それが全部無料。

まるでVIP待遇だった。

歌やショーは前の世界とほぼ同じだった。

アンコールをお願いしたら幾らでも歌ってくれた。

何時までも際限なくやってくれそうなので10回で止めた。

そして、コンサートが終わってから暫(しばら)くすると…握手会へと移った。

「ごめんね…男の子が来てくれるなら、もう少しは用意したんだけど…金欠でごめんなさい、はい5千円!」

《やっぱりここでもくれるんだ、あれっ何時までたっても手を握ってこない、神対応で有名だったのに》

「あの、握手は?」

「嘘、しても良いの?5千円しか出さなかったから怒ってしてくれないのかと思った…ところで時間はどの位良いの? 5分位は良いのかな?」

僕は前の世界で彼女がしていたように両手で握手をした。

「嘘、両手で握手..こんなサービス、男性からされたの初めてだよ…夢みたい」

《嘘みたいだ..SEKKのセンターの洋子ちゃんが僕の手を握って涙ぐむなんて》

「あの、洋子ちゃん..君なら握手なんてし放題じゃないの?」

「えっ、そりゃ普通の女の子よりはチャンスがあるし、モテるとは思うよ? 少なくともお金さえ出せば男の子によっては…うん、おしゃべり位はして貰えるかな…人によっては嫌々握手位はしてくれるよ?」

《星野洋子ちゃんだよ、僕は前の世界でこの子と握手がしたくてCD10枚買ったんだけど》

「僕が握手するだけで、そんなにうれしいの?」

「うん、もうこの手は一生洗わないよ!」

《大げさだな、だけど確か僕も同じ事いったよ..うん》

「洗わないと汚いよ…汚い手だと握手できないからちゃんと洗ってね」

《うん、確かこう、いわれてにこっとされたんだよな..それからファンになったんだ》

「えっ、また握手してくれるの? 本当に?」

「うん、だから手はちゃんと洗ってね?」

「解った…その時間だけど、どの位一緒にいてくれるの? たった5千円だからもう行っちゃうよね?」

「逆に、洋子ちゃんは何時まで居られるの?」

「えっ、そんなのずうっとに決まっているよ、居てくれるなら2日間でも3日間でも…当たり前じゃん」

《まるで、僕のファンみたいだ》

「そうだね2時間位で良いなら一緒に居れるよ? 色々お話ししようか?」

《本当はもっといたいけど、妹や母さんが帰ってくるし、心配しそうだからなー》

「そんなに居てくれるんだ、君みたいな美形と過ごせるならもっとお金用意しておくべきだったよ…ごめんね…アイドル活動ってお金が掛かるから..案外、貧乏なんだ..本当に5千円しか出してないのに厚かましいね」

《これは前の世界に直すとCDの枚数を買わないファンみたいな感じなのかな》

「何で、そんな悲しい事いうのかな? 僕は洋子推しだから握手会に参加しているのに…洋子ちゃんがくれる5千円の方が他の人のくれる100万円よりうれしいよ」

《たしか、要らないというのはフアンに言っちゃいけないって何かで聞いた気がする》

「嘘、本当にそう思ってくれるの? 洋子推しなんて言葉初めて聞いたよ…推し..私にも居たんだね…驚くよ、本当に、君は私を..ううん、何でもない」

「そう、所でさ、アイドルグッズとかはどこで手に入るの? CD以外、なかなか見つからなくてさぁ」

《アリゾンにも無かった、本人に聞いてみるしかないよね》

「アイドルグッズ? 何それ?」

「写真集とかグッズとか」

「写真集?….あハハハハハ可笑しいの! 君みたいな美形の写真ならともかく女の子の写真なんて誰がお金出して買うの?」

「えっ、普通に洋子ちゃんの写真集なら欲しいんだけど」

《というか前の世界で6千円で買った》

「本気?」

「うん、真面目に欲しい」

「そうだ、だったら、ポーズ取ってあげるから好きなだけとって良いよ! その代わり私も1枚君の写真が欲しいな…なんてね」

「良いの?」

「うん!」

《本気かー、男の子が写真撮らせるなんて…普通はないんだけど..良いのかな?》

僕は、僕が持っていた写真集のポーズを思い出して30枚位写真を撮らせて貰った

「ありがとう!」

「じゃぁ..本当に写真とるよ..ダメとか言わないよね!」

「言わないよ..どんなポーズが良い!」

《本気か! どうしよう…》

「そのままで良いよ!」

「そう! じゃぁこんな感じでいいの?」

「うん」

洋子ちゃんは写真を撮った。

「そんなに僕の写真が欲しいの? 1枚で良いの?少なくない?」

「うん1枚で十分だよ!」

《流石に男の子に何枚も写真をねだるわけにいかないよね》

「あの、スマホ貸してくれる?」

《やっぱり嫌だったんだ…消されるのかな?》

「せっかくだから、こうしてと」

《ななななななに、顔が近いよ..こんな近くに男の子が迫ってくるなんてあるの?、なにこれ、良い匂いがしてくるよ》

「はい、返すね」

「う、うん、なにしたのかな? えっ何するの?」

「今度は僕の番、このアングルが良いかな?」

《またきたー、まずい心臓がドキドキして止まらない、まさかキス..なわけないか?》

「はい、終わり」

「な、何したの?」

「スマホを見てみれば?」

「えっ..これって」

《嘘だ、嘘だ 嘘だ…ツーショット写真、こんなの幾ら払えば撮影できるの? メンバーでも知り合いでもこんな写真持っている人なんかいないよ..見方によってはキス直前にも見える…恋人同士でも、いや専属契約した状態でも人によっては撮らしてなんて貰えないと思う…》

「嫌だった?」

「嫌じゃない..こんなうれしい事なんて生まれて初めてだよ…ところで君も撮っていたよね? どうするのそれ!」

「うん、スマホの待ち受けにしようと思ってさ」

「待ち受け! 私の写真が君のスマホの待ち受けになるの?」

「うん、嫌だった?」

「嫌なわけないよ..うれしくて仕方ない…思わず泣きそうになっちゃった」

《本当に大げさだな》

「ところでグッズが欲しいんだよね、写真以外に何が欲しいの? なんでもあげるよ!」

《困ったな、ボールペンとかノートとか売ってないし、下敷きもTシャツも無い》

「えーと、要らない衣装とか?」

《他、何もないんだよね…だけど衣装は流石にくれるわけないか》

「そそそそんなの欲しいの? あげたらどうするのかな?」

「部屋に飾っておくよ..うん」

《流石に僕は変態じゃないから匂いを嗅いだりしない》

「本当に飾ってくれるの? 本当に..じゃぁちょっと待ってて」

洋子ちゃんはしばらくするとTシャツとジーンズに着替えてきた。

「はい、あげるよ..だけど、本当に飾ってくれるのかな? 捨てたりしない?」

「しないよ..宝物にするよ」

「そう、えへへ..そう」

《前の世界じゃ抽選で1名に10万人が応募したんだけど…良いのかな》

「あの、せっかくだから、省吾くんへってサインくれる」

「えっサイン..入れてよいの?」

「うん」

そのあとも沢山話した。

信じられないくらい何でも話してくれた。

憧れのアイドルにこんなに喜ばれるなんて…思わなかった。

「あのさ、優しくされて思ったんだけど、勘違い女って思われるのもつらいから、言うのも勇気がいるんだけど..私って君の友達になれたのかな?」

「友達になってくれるの? 星野洋子ちゃんが」

「ごめん、まだ早かったよねごめんね」

「何で、寧ろ嬉しくてしょうがないんだけど!」

「本当? 本当に友達になってくれる?」

「うん」

「半年に一回で良いからデートしてくれる」

「いいの?」

「良いにきまっているじゃん、そんなの!」

「洋子ちゃんがよいなら」

「そう、ありがとう…じゃぁSEKK脱退してくるから、連絡先教えて」

「何それ..はい」

「嘘 LINENEじゃなくて携帯番号.アドレス..掛けても良いの?」

「構わないけど..」

「ありがとう…それじゃまたね」

もしかして、僕のせいで星野洋子がSEKK脱退しちゃうの?

僕が思った以上にこの世界は可笑しいのかも知れない。

アイドルの真実
僕は部屋に帰ってきた。

洋子ちゃんから聞いた話だと、アイドルの意味が違っていた。

前の世界のアイドルとは違い、愛を探す活動らしい、ドルはお金の事だとか。

どういう事かといえば、彼女達が歌を歌ったりドラマを頑張っているのは、「男が欲しいから」だそうだ。

つまり、お金を事務所に払って、「自分を売り込む」のが目的で、お金は貰うのではなく払うのだそうだ。

そして、テレビやマスコミを使い露出を高める..そうする事で引きこもりがちな男性の目にとまる事になる。

その結果、運が良ければ男性と知り合える…そういう仕組みらしい。

ドラマに出るにもCDを出すのにも少なからず、アイドルが事務所にお金を払うのだそうだ。

凄く、世知辛い気がする。

それが女性アイドルだった。

逆に、男性アイドルは前以上に高嶺の花なのだそうだ。

洋子ちゃんは、バイトを頑張り、そのお金を全部アイドル活動に突っ込んでいたけど…今迄出会いが無かったそうだ…そろそろアイドル活動をするお金が無くなってきたから引退しようと考えていたそうだ。

聞くと悲しくなった。

だって、前の世界で、彼女とつき合えるなら死んでも良い…そこまで思っていた存在だったから。

まだ、僕はこの世界の事は知らないけど、せめて僕だけは優しい男になりたい、そう思った。

とりあえず、僕はせっかく貰ったので、制服をクローゼットを整理して飾った。

本当は部屋に飾りたかったが良く考えると母さんや妹に何を言われるか解らない。

写真を何枚かPCでプリントして、それもクローゼットの内側に貼る。

うん、昔の僕の部屋に近くなった。

その写真を撮ってメールに添付して《飾ったよ》とメールを送った。

すると、直ぐに返信が返ってきた。

《マジか? これ、スマホを手で持っていなければこんなに早くは返って来ないだろう》

しかも、物凄く長文だ。

出来るだけ、内容を選び返した。

すると沢山のハートを使った絵文字が返ってきた。

もっとメールをしていたいけど、母さんや妹がそろそろ帰ってくるだろう。

その旨を伝えて、「また明日!」

とメールを送った。

さてと、これから夕飯を作らないといけないな。

うちは母子家庭だから、先に家に帰った方が夕飯を作るのがルールだった。

《冷蔵庫、冷蔵庫っと》

《うん、これならシチューとパンとサラダかな…ルーはあるから楽が出来る》

適当に野菜を切って、肉を軽く炒めて後から加える…本当に適当な作り方だ。

後はゆっくりと野菜が柔らかくなるまで煮て、ルーを足して軽く煮直して出来上がり。

まぁ良くも悪くも普通のつくり方だ。

暫く待つと…あれっ、何で先に母さんが帰ってきたんだろう?

家族の反応が可笑しい
「あれっ母さん、今日は仕事が早く終わったの?」

「だって、大事な息子が…朝から凄く優しいんだもの、直ぐに帰るに決まっているわよ」

「そう?だけど大丈夫なの?」

「あら?母さんなら大丈夫よ、会社の経営をしているけど、母さんは優良母体だし、省吾の一時金や沙也の一時金もあるから…会社は趣味でやっているだけよ…何なら潰したって構わないわ」

「そう、なら良いんだけどさぁ」

《あれっ可笑しいな、前の世界だと母さんはただのパートをしていた筈なんだけどな、それに優良母体、一時金って何だろう》

バン、凄い勢いでドアが開いた。

「お兄ちゃん…只今って何でお母さんが帰って来てるのよ!」

「そりゃ、省吾が何故か優しいんだもん、お母さんだって急いで帰ってくるわよ! 沙也だって同じでしょう?」

「うん」

《前の僕ってもしかして性格が凄く悪かったのかな…》

「あのさぁ、一応ご飯を作っておいたんだけど…食べる?」

「えっ、ご飯ってお兄ちゃんが作ってくれたの?」

「そうだけど?」

「省吾の手作り..食べるに決まっているわ、すぐに準備して」

僕は用意して置いたシチューをよそって持ってきた。

まるで犬がお預け食らったみたいにお皿を見ている。

サラダを用意して、パンを焼いて..はい出来上がり。

「あり合わせで作ったから、これだけだけど…」

「うん、凄くうまそう、お兄ちゃん食べて良い?」

「省吾、省吾…母さんも待てない」

「どうぞ…」

《ただのシチューなのに何でさ…この反応》

「おいしいよ! おいしいよ! お兄ちゃんの手作りなんて生まれてはじめて食べた」

《うん? 生まれて初めて食べた》

「母さんだって、男の手作り何て会社の接待で食べる事が稀にあるだけだよ…贅沢だわ」

《この世界の男って本当に何もしないのかな?》

凄い勢いで食べ終わった。

僕も早食いの筈だけど、2人には全然敵わないよ..うん。

「「「ごちそうさまでした」」」

「所で、省吾..何が欲しいのかしら?」

「お兄ちゃん、あたしはお小遣い3万円しか持ってないけど..ゲーム機位なら買ってあげるよ!」

「沙也はお金を出す必要はないわ…子供なんだから…お母さんが省吾に買ってあげるのよ? 幾ら位の物なの100万円かしら、いえ食事まで作ってくれたんだから1千万位?」

「嫌だ..お兄ちゃんには沙也が買ってあげるの、お母さん」

「沙也ちゃん、お兄ちゃんが欲しがるような物が3万円で買えるような物だと思う?」

「…..」

「あの、さぁ何を言っているのかな? 僕は何も要らないよ? 二人が美味しく食べてくれたならそれだけで満足だから」

「「えっ」」

「だから、2人が喜んでくれたならそれで良いの…お金は要らないよ」

「「本当に!」」

「うん」

「「省吾が(お兄ちゃんが)可笑しくなった!」」

この世界の制度はぶっ飛んでた!
二人がどうしても何かしたいと言うので、「今度何かご馳走して欲しい」という事で終わらせ部屋に逃げた。

まずい、…だって要らないって言うと、泣きそうになるんだもの。

また色々と解らない事が出て来たのでネットで調べた。

優良母体
優良母体とは子供を作る事に適した健康な体を現す。
実際に子供を問題無く妊娠して出産した女性を政府が認定した者。
これに認定されている女性は社会において「優先権」がある。

一時金
子供を妊娠した事により働けなくなる為に政府が支給するお金。
別名を出産祝い金と言い、男性を出産時に5億円、女性を出産時に2千万円支給される。

継続支給金
男性を出産した女性にはその後、月120万円を子供が成人するまで、
(20歳の誕生日の月まで)支払われる。

男性家族優遇制度
男性を家族に持つ者は、病院代がその家族(三親等)まで無料となる。
又、国立や都営、及び市の病院への優先的な通院、入院が出来る。
交通機関の無料制度
各種公共施設の無料使用等

《なるほどね…この世界で妊娠するという事は一種のステータスなんだ…優良母体の登録に莫大な一時金に優遇制度…》

男性レベル制度
ランクにより社会的地位の向上が見込める男性用制度。
男性は任意によりセンターにてランク試験を受ける事が出来る。
また、妊娠した女性からの事実関係から認定される事もある。

Sランク…1週間に一度の周期以上で性的な衝動がある男性。
     女性に対して恐怖心もなく、関心をみせ、普通に過ごす事が出来、スキンシップの拒絶もない。
     精子に問題が無く、通常の性行為が可能な者

Aランク…月に一度の周期以上で性的な衝動がある男性。
     女性に対して無関心だが、普通に過ごす事が出来る、軽いスキンシップが可能。
     精子に問題が無く、通常の性行為が可能な者。

Bランク…年に数回程度の性的な衝動がある男性。
     女性に対して軽い拒絶反応があるもの、軽く触れる事は可能。
     精子に問題が無いが、性行為には一部抵抗を示すが軽い改善策で性行為が可能な者。

Cランク…性的な衝動が無い男性。
     女性に対して完全に拒否反応がある。接触すると拒絶し暴力的になる。
     精子に問題が無いが、性行為自体を拒絶する、もしくは性行為不能な者。
     但し、人工的な方法で精子搾取な可能な者。

Dランク…性的な衝動が一切無い男性。
     女性に対して完全拒否、敵対反応がある。
     精子に多少の異常が見られて、精子を搾取しても妊娠率が低い者。

Eランク…無能力者
     いわゆる、性不適合者。

Bランクですら数が少なく、我が国における大多数の男性はCランク以下である。
S、Aについてはここ数年で認定された者はいない。

各種特典についてはランク獲得時に説明。

そうだよね、良くライトノベルで男女比物を読んだけどさ…

あんなに甘い訳ないよね…男女比30対1とかさ..下手すれば人類存亡の危機だ。

童貞でいること自体が国としては損失なんだろうからさ。

やっぱりただ「SEXは美徳」という事が掲げてある以上に

性的上位者には特典があった。

《男女比…性的な問題、人口問題…密接な関係…当たり前だな..》

閑話 母、美津子…奇跡がおきた。
私は美津子、政府にも優良母体として登録されている。

所謂、勝ち組の女だ…とは言うけど実際の男性経験は無い。

22才まで一生懸命働いた私は、貯めていた貯金で Cランクの男性の精子を精子バンクで買った。

えっBランクの男性との一夜?

そんなの買える訳無いじゃない?

そんなランクの男性と触れ合えるなんて一部の特権階級に生まれた女が、これまた凄い幸運に恵まれなければ無理。

私には縁が無い物だわ。

まぁ話は戻すけど、私は高校時代~大学卒業までバイトに明け暮れて、1000万お金を貯めた。

そして、その1000万を精子バンクにぶち込んだ。

男性の精子を買って、それを使う。

もし、妊娠できれば、政府に優良母体として認定される。

更に、そこで妊娠したのが男性なら、もう一生働かなくても良いだけのお金が貰える。

まぁ、女の子でも妊娠出来れば、家族が出来る。

大多数の女が過ごす様な孤独な人生では無くなる。

まぁ、だけどこれは宝くじを買う様な物だ…同じ様に挑戦して何人もの女が負けていく。

だが、私はついていた。

人生に勝った。

「妊娠してます…しかも男の子です」

その先生の一言でもう有頂天になった。

だって、政府の優良母体登録に莫大な一時金、もう働く必要なんてない。

しかも、男の子の居る生活…私の人生は薔薇色だ。

目に入れても痛くない…嫌…本当に目を抉られたって笑ってすましちゃう..うん、それ程可愛い。

省吾は本当に可愛い。

だけど5歳になった頃から…省吾は変わってしまった。

仕方ない事だ…大体の男の子は5才位から徐々に女が嫌いになっていく。

その症状が、省吾にも現れた。

今迄、ママと呼んでくれていたのがババアに変わった。

一緒にお風呂に入っていたのが、服も着替えさせてくれなくなり、うっかり裸を見ようものなら

「変態」「キモい」「死ね」のオンパレードだ。

寂しくなった私は、もう一人作る事にした。

残念な事に今度産まれた子は女の子だった…沙也と名前をつけた。

沙也も充分可愛い…だけどやっぱり私は女だ..どうしても省吾を優先してしまう。

明るい沙也と暗い省吾…それでも省吾に目が行ってしまう。

だが、省吾は、どんどん、女が嫌いになっていった。

私にはまだ、省吾が小さい頃の楽しい日々がある。

だが、沙也にはない。

何も喋らず、ただ食事をして部屋から出て来ない省吾。

それでも沙也は「お兄ちゃん」と話しかける事を辞めない。

凄く可愛そうだ。

だけど、これを人に話しても「何、自慢しているの? 正直ムカつくわ」と言われるだろう。

実際にカウンセラーに相談しても「C~Dランクの息子さんを持つなんて幸運ですよ」と言われた。

まぁ、最近では諦めた。

だが、ある日奇跡が起こった。

朝から沙也が煩い…

一体どうしたのかな? この子が騒ぐなんて。

何があったのかな?

沙也が走ってくる。

「お兄ちゃんが、お兄ちゃんが」

はいはい、また無視されたのね…いつもの事だ。

「お兄ちゃんが喋ったの! おはようって」

《えっ 今何て言った…聞き間違いだ..これは》

「本当なの…何かの間違いじゃない!」

階段からドタバタと音がする…この家にはもう一人しかいない。

頭の中がパニックになった。

「おはよう母さん…サーヤが急に可笑しくなって」

「嘘、嘘、嘘…省吾が母さんって…」

旨く喋れなくなった。

これは夢を見ているんだ…そうとしか思えない。

《何が何だか解らない》

そして、私達と食事をしてくれるそうだ…夢としか思えない。

暫くすると省吾は自分の食事と自分達の食事を見比べていた。

男の子の料理が豪華なのは当たり前の事だ。

おもむろに省吾は肉を切り分けて沙也にあげようとした。

「サーヤはお肉好きだったよね? はい、これあげる」

沙也は固まっている..当たり前だ..男から親切にされるなんて経験は沙也にも私にも無い。

だが、それだけじゃなかった。

「サーヤ…ほら、あーん」

沙也が真っ赤になって口を出していた。

多分、頭はついて行ってない。

だけど、ずるいわ、そんな経験、私でも経験したこと無い…

「省吾、何をしているの?」

「沙也にだけズルいわ…私にも」

つい不機嫌になってしまう。

省吾は肉を分けようとしたが…それでも嬉しいはずだけど…違う..私のして欲しいのは「あーん」だ。

「省吾、酷いわ、母さんにはしてくれないんだ…」

思わず口に出た。

「えーと、これで良いの、母さん あーん」

恥ずかしそうに肉を差し出してきた…何て可愛いんだろう。

「省吾…ありがとう…」

どうにか言えた。

こんな夢の様な話し語った所で誰も信じてくれないだろう。

「何夢でも見たんですか? 」絶対に誰も信じないと思う、私だって信じられない。

仕事に行かなくちゃ…何でこんな日に会議なのかな..正直すっぽかそうか迷うが、沙也の教育上良くないから行く事にした…さっさと仕事を終われせて帰って来よう。

だが、これは夢の始まりだった。

もし、夢なら覚めないで欲しい。

閑話 アイドル引退
「コンサートの予約が入りましたよ!」

マネージャーの言葉が待合室に響き渡る。

SEKKの私を含む64人に戦慄が走った。

久々のコンサートだ。

あれだけ、テレビやCD等、露出を増やしているのに男性と触れあえる事など滅多にない。

少なくとも、コンサートなら64人の中の誰かに興味があって問い合わせてきたという事だ。

「コンサートは何時ですか?」

血走った目で紺野愛子が叫んでいた。

マネージャーは、にこやかに話す!

「何と2時間後よ、凄い仕事でしょう!」

凄い何て物じゃない..今迄ポンコツだと思っていたのに..コンサートをとるなんて有能なのかも知れない。

今度は獣のように愛野静流が叫んだ。

「握手会..握手会のオプションは取れたのですか?」

《うん、知っている…この子の親は凄く金持ちだ….オプションの握手会に300万円突っ込んでいた…そう、彼女と握手するだけで男は300万貰えるんだ…多分、彼女を含むGOD 11辺りだろう…ちなみにGOD 11のレベルは握手会に最低でも100万円は突っ込んでいる》

「うん、採れたよ…何と..星野洋子..1名」

「えっ、私、本当に私なの?…私お金が無いから5千円しか突っ込んでないのに..」

凄い形相で愛野静流が睨んできた。

「マネージャー、何かの間違いじゃないんですか? 洋子、たったの5千円ですよ!」

「可笑しいですよ! 静流さんみたいに300万の設定をしている人ならともかく、たったの5千円で男が握手してくれるなんて」

「でも仕方ないわ..お客様の要望だもの..星野、貴方はもうお金も続かないんでしょう?契約金ではここに居られるのは後1週間位かしら 最後に男と握手が出来て良かったじゃない?」

「はい、頑張ります」

周りの反応は..怖い..ぐぬぬぬぬぬうという怨嗟の声が聞こえてくる。

多分錯覚だと思うが。

「ふん、何処かの爺がボランティア気分で申し込んだんでしょう…じゃなきゃ5千円なんてありえないわ」

「だけど、まだ枯れてない60歳の爺なら5千円位なら払っても良いんじゃないかな?」

「60歳以下でまだ精力のある男が5千円の握手会…あり得ないわ」

「まぁ良いわ、2年ぶりのコンサートだもの頑張りましょう!」

コンサートの準備を終えて貴重な男性を迎える準備が終わった。

音楽に合わせて飛び出した。

《嘘っ…どう見ても少年だわ!》

「愛らぶゆー.会いにいくー」×64

《嘘よね…同い年の男の子が見に来てくれるなんて》

《あり得ない、あり得ない..私、あの子との握手会なら500万積んでも良いわ》

《あの子との握手が5千円なの…高級マンションが1円で売っている方がまだ信じられるわ》

《嘘だ、飲み物以外..手を付けないで見てくれるの..よし頑張ろう》

《あの子…踊りだしたよ..本気!》

《やばい、こっちが目が釘付けになるんだけど》

《どう見ても、あり得ないんですけど…美形だよね》

《もっと見ていたいな..あの子》

《もう終わっちゃうよー》

「アンコール、アンコール」

「アンコール、有難う! ここは私、愛野静流がシングル曲..ピンクのマーメイドを歌っちゃいます!」

《ぬかった…男の子からアンコールなんて普通貰えないから出遅れたわ》

《静流許すまじ..》

「聞いてくれてありがとう ! ここは2曲目 愛野静流の」

「静流ちゃん..冗談は終わり..終わり..此処からは私本田玲子が歌います! ピンクのバナナ..ひっ!違います…全員で少年に捧げる愛を歌います…さぁ皆んな再度集合ですよ!」

「「「「「「はーい」」」」」」

結局、この凄く綺麗な少年は10回もアンコールした。

楽屋にて

「あの子…凄く良いな..こんなに楽しく歌ったの初めて..」

「うん、凄い..勘違い女って言われそうで怖いけど..マジでSEKK64が好きなんじゃないかと勘違いしちゃうよ」

「本当だよね…64人全員で専属契約申し込んだら..受けてくれそうな気がした..怖いわ本当に」

「多分、暫く..もしかしたら一生..寝たら彼の顔が出てきそう..」

「それ解かる..抜く時もう彼の事しか想像できないかも」

「本当に悔しいですわ…あんな子が来るんなら握手会に1億つぎ込みましたのに」

「ですよね..静流さん程、お金ないけど…私だって全財産つぎこみますよ」

「だけど、彼違うんじゃないかな…洋子ちゃんの5千円を選んだんだから…お金が欲しいなら静流の300万選ぶと思うよ…」

「確かに、可笑しいよね…よりによって一番低い洋子を選ぶんだから」

「まさか..男なのに、本気で洋子を好きになったとか?」

「ないない…漫画やドラマじゃないんだから」

「そうだよね、現実社会で女を嫌わない男なんかまず、いないんだから!」

「だけど、彼、親や姉妹を連れずに一人できたんだから…Bランク確定でしょう!」

「やばい、それって超VIPじゃない..Bランクの男なんて日本に何人いるのかな」

「10人以下とか聞いた事があるよ、下手すりゃ1桁しか居ないかも知れないよね」

「そうすると、何、Bランクの男性で、洋子が欠格事項をクリアできる何かを持っていた…そういう事?」

「解らないわ…そんな夢物語…あったら奇跡ですわ」

「あのさぁ、もう2分以上経つけど洋子戻ってこないよ…」

「嘘ですわ..前、金目当てのオジサンですら3分で帰ったのに..」

「それでも300万円で3分..粘った方だよね静流も」

「まぁ、これ以上握るなら訴えるって言われましたわね」

「だけど、余りに遅くない?..まさか性犯罪とかして無いかな..やばいよ」

「これは仕方なくですわ…モニターで見てみましょう」

この世界では男性と女性が二人きりになるような場所は特定施設以外は全てカメラが設置されている。
勿論、法的に問題になる前に覗くのは男性保護の観点から違法行為である。

「必要悪、必要悪っと」

《嘘だ..男性がにこやかに洋子と話しているよ..》

《静かに、余り大きい声を出すとマネージャーに聞こえますわ》

《なっ、何これあり得ないんですけど…男の方から手を握っているんですけど…しかも両手で》

《なんなのかしら、あの神対応…》

《何で、そんなに洋子の手を握れるわけ?…本当に洋子が欠格事項をクリア出来ている…そういう事なの..羨ましすぎるんだけど》

《もう、5分握りっぱなしなんですけど…あり得ない》

《まるでドラマ Bランクのプリンス様みたい..羨ましい》

《えっ2時間ですって…何それ、たった5千円で2時間..あたしなら500万は出すわ》

《そんなこと言われたら、直ぐに銀行に行って、即金で5千万払いますわ》

「貴方達..何をやっているのかしら? これは犯罪よ、犯罪!」

「その、私達は洋子が変なことしないように見張っていただけです!」

「私はマネージャーとして貴方達が変な事しないように見張る義務があります! あれっだけどまだ続いているの握手会!」

「はい」

「長いわね…カメラじゃ音声は余り聞こえないわね…直視しちゃ駄目だけど..様子見位には見張りましょうか?」

「そうです、それは必要なことですわよ」

「確かに、問題起こされても困りますからね…」

《嘘でしょう..マジであの少年..洋子が好きなのかな..写真撮ってるよ》

《スマホを持って話していますわね》

《嘘…男が写真を撮るのを許すなんて…初めてみた》

《うぬぬぬぬ..何であれが私で無いのかしら》

《あっ..くっついて写真を撮っている…しかも、嘘待ち受けにするの?》

《あそこまで出来るのってBランクでも上位..限りなくAランクに近いんじゃないかな》

「さぁさ此処までです、駄目です..仲良くやっているのは解りましたから..ここからは見る事は許しませんよ」

「少し位良いじゃん」

「男性プライベート法上の犯罪者になりたいのですか?」

「確かに引っかかりそうだよ」

「仕方ない」

……………………………………

……….. 

「マネージャー只今、あれっ何で皆んな居るの?」

「星野さん、最後に楽しめて良かったじゃないですか? 流石に一般人が3年もアイドル活動を続けるのは辛いでしょう? 残す所1週間、実質引退ですね、アルバイト掛け持ちしてまで、良く頑張りましたね..何処かできっと良い出会いもあるでしょう..引退しても頑張って下さい」

《そうか、星野さん、もうすぐ引退だったんだ》

《確かに一般人の洋子ちゃんが活動費、月60万は辛いよね》

《彼女、ここに入る為にマグロ漁船に乗って汚物清掃のバイトまでしたんだよな》

《まぁ最後位は楽しい事があっても良いですわね…まぁ幸運すぎる気もしますが》

《洋子で良かったんじゃないかな》

「「「「「「「「「「「星野さん(先輩)(ちゃん)引退しても頑張って下さい!」」」」」」」」」」

「えっ、私? 引退しないよ?」

「だけど、もうお金が続かないでしょう..そうかまだ1週間あるから最後まで粘るのね、それも良いわ」

「違います…卒業するんです! 卒業! 水野省吾君、美少年の連絡先…です」

「そ、そ、そ、卒業!…凄い、とうとう、このSEKK64から初めての卒業生がでたんですね..おめでとう洋子さん」

「ありがとうございます! マネージャーさん」

「「「「「「「「「「「嘘っ!引退じゃ無くて卒業」」」」」」」」」」

「そうだよ、だって男の子の友達ができたんだから、卒業でしょう? そうだ、家に帰ったら早速、メールしようかな、それとも電話しちゃおうかな…楽しみ..皆んなもアイドル活動頑張ってね応援してるから」

「ぐぬぬぬぬぬぬっ 星野さんなんか消えてなくなっちゃえ」

「あの子、絶対にBランク..それもAに近いんじゃないかな..勝ち組だわ洋子..お幸せになんて言うか!ボケ!」

「ずるい、ずるいずるい…私なんてもう億近いお金突っ込んだのに..えぐえぐえぐっ」

「はいはい、皆さん、卒業できないのは会社やSEKKが悪い訳じゃない事は解りましたね? アイドル活動をちゃんと頑張ればしっかり、卒業できるんです..星野さんのように頑張りましょうね! おめでとう星野さん」

「ありがとうマネージャー、皆んな私 SEKKの皆んなの事忘れないよ..お元気で!」

「貴方の番号3番は永久欠番にしておくわ《凄い宣伝になるわね》卒業しても頑張るのよ」

「友達から彼女になれるように頑張ります!」

こうして星野洋子は卒業した。

数日後、新聞や雑誌の表紙の一面に「星野洋子ついにアイドル卒業」という見出しの記事が書かれていた、「お相手は若き美少年」内容は星野洋子の芸能活動を惜しむのでなく「羨ましい」ただそれ一択の記事だった。

閑話 私は殺されるかも知れない
私の名前は水野沙也…凄くラッキーな事にお兄ちゃんがいます。

しかも、家族で暮らせるギリギリランクのC…これは凄くついています。

だって同じ家の中に男性がいるんだもん。

だけど、お兄ちゃんがいる事は嬉しいんだけど..まともに話をしてくれません。

おはようと挨拶しても「うざい」

廊下ですれ違うだけで「視界から消えろ」

用事があって呼ばれていくと「おい、ブス、ジュース買って来い」

です。

ですが、その事を友人に話すと必ず「沙也…それは惚気話か..ムカつく」だそうです。

確かになかには暴力を振るうレベルのDやFでも良いから家族に男が欲しいと思う人が山ほどいるから当たり前です。

だけど、何時かはドラマのようにならないかな..そういう夢を見ます。

夢の中のお兄ちゃんはとても優しく私に「おはようって」挨拶をしてくれて..私も普通に「おはようって」返す..そこから毎日が始まる..そんなささやかな夢です。

友達に話すと….「それはささやかじゃないからね..すべての女の夢の一つだからだそうです」

そう考えて見ると、私は恵まれている…だから、夢や妄想も他の子より大きいのか..そう思います。

ですが、ある日とんでもない事がおきます。

朝、お兄ちゃんの姿を一目見ようと隠れていました。

お兄ちゃんの姿を見たいけど…罵倒を浴びたり、叩かれたくない…何とも言えない気持ちから隠れて見ています。
だけど、その日は見つかってしまいました。

「おはよう サーヤ」

《サーヤって…あっワタ、ワタ私だ》

「えっ..お兄ちゃん…えっ えっ….お母さーん」

頭の中がパニックになって何すれば良いのか解らなくなった私は走って逃げました。

そんな私をお兄ちゃんが走って追いかけてきます。

「待って、サーヤ僕が何かしたなら謝るからさぁ、ねぇ」

「嘘、お兄ちゃんが、お兄ちゃんが…喋っている!」

これ、夢なんじゃないかな? もしくは私可笑しくなったのかな?

とりあえず、お母さんを見つけた私は息を切らせながら状況を話そうと思った。

そしたらお兄ちゃんが来た。

絶対にありえない。

「おはよう母さん…サーヤが急に可笑しくなって」

「嘘、嘘、嘘…省吾が母さんって…」

「あの、母さん落ち着いて、僕が何かしたなら謝るから..ねぇ」

とにかく男のお兄ちゃんに謝らしちゃ駄目だお母さんと一緒に止めた。

可笑しい….お母さんも信じられない…そんな顔をしている。

「これから朝食とるんでしょう、だったら俺も一緒に食べて良いかな」

幻聴じゃないかな? 

うちのお兄ちゃんは男の中では優しい方だと思う。

だけど、誰かの誕生日でも無いのに..そんな事は言わない。

チャンスとみたお母さんは流石だ、、、「一緒に食べてくれるの? …そう、だけど本当に良いの…母さんも沙也も誕生日でも無いのに」

一緒に朝食をとりだした..

そしたら、お兄ちゃんが肉を持って…あーんって..可笑しいな、こんな事起きる訳が無い。

私もしかしたら..まだ寝ているのかな?

私は学校に行ったけど…授業に身が入らない…早退しようかな..

「あのさぁ..「お兄ちゃんが毎日おはようっていってくれて一緒にご飯食べてくれる..そんな事があったらどうする?」

「そんなの絶対に無いから考えるだけ無駄だって..だけど..」

「だけど?」

「そんな女が実際に居たら憎しみで殺せる自信がある…」

《まずい..知られちゃまずい》

私は授業が終わるとすぐに走って帰った…多分自己新記録だろう..

「お兄ちゃん只今..」何でお母さんが居るんだろう

やっぱり夢じゃない…

しかも、ご飯があるって…手作りだよね…それ…

確か駅前でじじいが握る握り飯が「男飯」とか言って1個1500円..それでも売れているし、私も買った。

それ幾らの価値があるのかな…ブタさんの貯金箱に3万円位はある…持ってこよう。

《嘘だ..よそってくれるの? …嘘だ》

つい注視してしまう..口からよだれが垂れて来た。

おいしいよ、おいしいよ おいしいよ……夢中で食べた。

女としてこの料理には値段がつけられないよ…

えっ…無料なのおかしいよ..

こんなのあり得ない…

この事は学校では言えないな..絶対に誰も信じないと思う。

だけど、こんな事周りに知られたら..本当に呪いで殺されちゃうかも知れない。

学校へ行こう 登校
僕は今日から学校へ通う事にした。

最初、母さんにもサーヤにも反対されたが、どうしてもと言うと渋々OKしてくれた。

「いい、気分が悪くなったら直ぐに連絡するのよ、車で迎へに行くからね」

「お兄ちゃん、悪い女に引っかからないでね」

まるで女の子になった気分だ…まぁここでは逆なんだけど。

僕には凄く気になっていた事があった。

それはクラスメイトがどうなっているかだ…

《多分、雄途や哲也はいないんだろうな》

そんな事を考えながらタクシーに乗り込んだ。

勿論、タクシー代もただ…本当にこの世界の男は恵まれすぎていると思う。

前の世界の記憶があるせいか《ここまで恵まれているんだから義務を果たせよ…そう思ってしまう》

約15分で学校につく、母さんやサーヤを送り出してから来たから遅刻ギリギリだ。

「門を閉めるぞ…遅刻したくない奴は急げよ」

金城先生だ懐かしいな..うん、綺麗だけど凄く厳しい人だった..相変わらず変わらないな。

僕は、タクシーから降りて走った。

「嘘、あの制服は男子じゃない..」

「本当だ..初めて見た..とうとう来たんだ」

何処か見覚えのある女の子が僕の方をみた、その瞬間、今迄以上にダッシュして走り出した。

「足が速いな、良かったな..お前たちはセーフだ」

だが一人の女の子が金城先生を羽交い絞めして、もう一人の女の子が門を開いた。

「そこの男の子、私達が門を押さえているから早く入って」

《そうか、僕が遅刻しない様に押さえてくれているんだ》

「ありがとう..」

僕は急いで門をくぐった。

「お前達..何をしているんだ…馬鹿か..はしゃぎすぎだ..そこの男子も一応お待ちください」

金城先生は女の子を振りほどきげんこつを落としていた。

「お前ら、そこに正座だ」

僕が二人の横に正座しようとすると

「男性が正座なんかするもんじゃありません..貴方はしなくて良いのよ」

《うわっ笑顔の金城先生なんて初めて見たぞ…》

「はい」

「あのね、男性の為に何かしてあげたい…その行動は立派です、だけどねよーく考えて男子生徒に遅刻はあったのかしら?」

1人の女の子が思い出したように答える。

「ありません…」

「そうよね、そもそも出席自体が自由の男子に遅刻何てある訳ないでしょう?」

「うっかりしてました」

「そう、だったら…コホン..その水野くんを教室まで案内してあげなさい..不慣れでしょうから」

「えっ良いの?」

「本当に?」

「良いから行きなさい..ホームルームに遅れるわよ」

こんな世界でも金城先生は金城先生なんだな..1回も学校に来てない僕の名前も知っているし、きつい事言った後に必ずフォローする流石だ。

「どうしたのですか…早く教室に行きなさい」

「はい」

二人が固まったような状態で無言で歩いている。

まるで、軍隊の歩兵をみているようだ。

「あの、もうちょっと普通に歩かない?」

「私達、何か可笑しいですか?」

「可笑しくは無いけど..すこし喋りながら歩こうよ」

「えっ喋って良いの?」

「普通に良いけど..何で?」

「なんでって..ねぇ」

「そうそう…男って女から話しかけられるのは嫌なんでしょう?」

「他の人は解らないけど..僕は嫌じゃないよ!」

「そうなの..うざったいとか感じないんだ」

「別に感じないよ! 寧ろ話したい位かな」

「本当に?」

「どうしてそんな事を聞くの?」

「前に困ってそうなオジサンが居て、声を掛けたら..いきなり怒鳴られたからさぁ」

《本当にこの世界の男って…横柄だな》

「だったら残念だったな..男の子と話すチャンスだったのに」

「そうそう、一生の不覚だわ」

「また何時でも話掛けてくれば良いじゃない?」

「「良いの?」」

「うん、構わないよ..はい」

「どうしたの手なんか出して..」

「良いから二人とも手を出して」

オズオズと手を前に出してきた。

そのまま僕は両手で包む様に握手した..前の世界で洋子ちゃんがしていた、神対応握手だ。

「嘘、何、何、何..これ」

「私の手を..男子が握っているの?」

「教室まで送ってくれてありがとう! またね」

「「またね」」

勘違いとはいえ先生を押さえつけて、門まで押さえてくれたんだものこの位のご褒美は当たり前だと思う。
僕だったら、相手が美少女でも怒られるのが怖くて出来ないと思うから。

「「女に生まれてきて良かった」」

そんな声が聞こえてきたけど..ホームルームが始まるといけないからドアを開け教室に入った。

学校へ行こう 教室にて
教室につきドアを開けた。

《やっぱり、男の友達は誰も居なかった..解ってはいたんだ..解ってはいたんだ》

だけど、誰も居ないなんて..僕は前の世界での時間の大半は家族でも無く女の子でも無く..悪友とも言える男友達と過ごした。

親に隠れてエロDVDを見たり、好きな女の子の名前を言い合ったり、そんなあいつ等が誰も居ない..哲也..雄途..どこに行ったんだ。

考えると涙が出て来た。

「水野くん..具合が悪いなら保健室で休んでいても良いんですよ」

先生の声が聞こえてきた..だけど、体が寒い。

立つのが辛い..いや立っていられない

あれっ.あっ..京子ちゃん..君なら…そのまま僕は京子ちゃんを抱きしめた。

「ちょっと、待って、待って..凄く嬉しいけど、ななななな何なの..私、私..こんなの」

「ちょと京子何で男子に抱きしめられているの..羨ましいんですけど..」

「知らない、知らない、しらないよー..はぁはぁ..あの、その、嬉しいけど..恥ずかしいからねぇねぇって」

「京子ちゃん…ごめんね..ほんの少しで良いから….」

「ししししししし仕方ないな..理由は解らないけど..良いよ…まかせて、あはははははは..うん、大丈夫、私は大丈夫だから…そのままで良いよ..良いよ」

「私、多分、今なら京子を呪い殺せそうな気がする…」

《知ってる、京子ちゃん君にはね、哲也という双子の兄が居たんだよ..そして、雄途と一緒に4人で遊んだんだ…小さい時からずっと一緒にね…今の君は知らないと思うけど…》

「ごめんね..驚いたよね..ちょっと思い出しちゃって」

「別に構わないよ..男の子に抱きつかれるなんて役得、役得..もう一回抱きしめますか?」

「もう、落ち着いたから大丈夫だよ…ありがとう」

「そう、ちょっと残念かな..」

《顔も同じ、声も同じだけど…記憶だけは違うんだね…前の京子ちゃんなら..多分、今頃グーパンされて蹴りが入っている》

《此処は同じような世界…それでも違う世界なんだ》

結局、僕の行動は沢山の女性を見た為に起きた衝動的な発作ととられた。

この世界では良くある事らしい。

結局、僕は1時限の間は保健室で休む様に言われて、教室には2時限目から出る事になった。

学校へ行こう 下着品評会
一時間ゆっくりと休んだ後、僕は教室に戻った。

数学の授業を受け、今は休み時間。

寂しい事に女の子は話しかけて来ない。

だけど、遠巻きに僕を見ている。

知っている、ある程度仲良くなるまで女子は男子に話しかけてはいけないそういうルールがあるから話しかけてこれないんだ..だから僕から話しかけた。

「あの皆んな..僕は大丈夫だから..普通に話してくれない?」

「「「「「「「「「「「本当に良いの」」」」」」」」」

凄い勢いでクラスの皆んなが寄ってきた。

良く考えたらこの決まりは、自由勝手に女に話しかけられると..男が外を歩く事も出来ないから出来たきまりだった。

まぁ全員しっている顔だから恐怖も無いし問題はないんだけど…

「凄いね、省吾君って女子と普通に喋れるんだね」

「そうだね、普通に喋れるよ」

「あの、もしかして省吾くんってBランクなんじゃないのかな..違う」

急に周りが静かになった。

《あれっ僕のランクって何なんだろう?》

「それは..」

「それは秘密です」

「「「「「えー」」」」」

「そのうち教えてあげる」

「そう、じゃぁ今度教えてね..」

「所で僕以外に男子って居ないの?」

「一応ここは共学だから一クラスに1人は居るんだけど..見た事無いよ」

「男子って基本は引き籠りなんでしょう? だって省吾くんだって初めて登校してきたんじゃない?」

「そういえばそうだね」

「うん、せっかく一生懸命頑張って共学に受かったのに男子が居ないんだもの..何の詐欺かと思った」

「そうか…毎日来れるか解らないけど…極力来るようにするよ」

「「「「「本当に」」」」

「うん」

次は英語の授業だった。

そして、次が体育の授業だ。

目のやり場に困る..彼女達はただ着替えているだけ..

だけど、これストリップじゃないか..目のやり場に困る。

僕はこの世界の男じゃない…ちゃんと下半身が反応する。

《まずいまずいまずい..どうしよう》

見ちゃいけない..嫌この世界なら見ても問題無いんだけど。

ついつい僕は見てしまう。

霧島さんと目が合った…凄く色白で綺麗な女の子がブラジャーにブルマ姿でいるんだ目が離せなくなるよね。

「水野くん、気が付かなくてごめんね..こんな女の子の体見るの嫌だったよね…気が付かなくてごめんね」

《いや違うよ..凄く目の保養をさせて貰っている…何て言えないよね》

「大丈夫だよ、霧島さん…僕は妹がいるから耐性があるから気にしないで..」

「嘘…そうなの..女性の下着姿を見ても大丈夫なんだ..」

「寧ろ、可愛くて綺麗だと…ぜぇぜぇ..思います」

「本当に..私ピンクの下着好きなんだよね..可愛いならうん、嬉しいな」

「嘘、水野くん..下着やブルマ姿に理解があるんだ..凄いね..うちの弟なんて見せたら最後、死ねブスだもん…所で私の紫の下着はどう..かな」

《まずいよ、これ下着の品評会じゃない..はっきり言ってやばい》

「セクシーだと…思います..」

「そう、セクシーなんだありがとう」

その後もクラスの子達は全員が僕の所に下着姿を見せに来た。

しかも、途中からはパンティを褒めてしまったら、ブルマも脱いで下着姿で見せに来た。

この世界には男性用のエロ本は無い…ネットにエロ画像も無い…だから最近抜いていなかった。

限界が近いかも知れない..

「貴方達何やっているの」

金城先生が通りかかった。

「ごめんね水野くん…男子は専用の更衣室があるからそっちで着替えて..」

更衣室は結構広くて水飲み場もあった..僕は汚れたパンツを簡単に洗ってバックにしまった。

今度からは替えの下着が必要かもしれない。

他の男子はどうしているのか聞きたかったけど..何処にも居ないから聞けない..

体育の授業が楽しみだ…せっかくだから..男らしさを見せたい。

僕は頭を使うより体を使う方が得意だ…

学校に行こう 実情
「度肝を抜いてやる」

僕だって男だから女の子の前でかっこつけたい。

「まずは軽く校庭5周!」

僕は足が速い..チャンスだ。

何で、僕が文学少女だった文ちゃんに勝てないんだ。

「はぁはぁぜいぜい..」

「水野くん、男子にしては頑張ったな..後は休んで見学してて良いよ」

《凄いな..絶対にこの世界の女の子は体力がケタ違いにあるよ》

《そして、ナニコレ? 》

凄いわ、休もうとしたら牛革貼りの椅子があって横にお茶菓子がある..そしてその横にはクーラーボックスがあり数種類のジュースがある。

これはどっちかと言えば…あそこで一生懸命体動かしている彼女たちにあげた方が良いと思う。

《あっ手を振っている》

僕も軽く手を振り返した。

「あー水野君が手を振ってくれた~」

「ちょっと..あれは私に振ってくれたんですよ…勘違いしないで」

「なんでそうなるかなーあれは私によ!」

《喧嘩しそうになっているよ..不味いな》

「皆んなー頑張ってね!(これで良いはずだ)」

「「「「頑張るねー」」」」

しかし、この世界の男って何もしないんだな…

その後の授業もそつなくこなし、一日が終わった。

「水野くん、悪いけどこれから校長室に行ってくれないかな?」

「解りました」

…………..

「失礼します」

「水野くん..よくぞ登校してくれました…本当に有難うございます..これからもたまにで良いから顔出してくれませんか?」

《何で、顔を出しただけでこんなに感謝されるんだろう》

「あのそれは構いませんが..他の男子生徒はこないんですか?」

「ええ、4月からで男子生徒で登校してきたのは水野くんが初めてです」

「毎年、そうなんですか?」

「毎年、男子生徒はきませんね…正直いいますと私が校長になってから登校してきた生徒は水野くんだけです」

「そうですか、それは大変ですね」

「そうなんですよ…在籍だけでもして欲しくてお金を使って入って貰うのに誰も来てくれません..それが現実です」

「お金払っているなら強制的に来てもらうとか」

「貴重な男性に強制なんて出来ません」

《そうなのか..本当にこの世界の男って何もしないんだな》

「そうなんですね..僕で良いなら出来るだけ来るようにします」

「本当に有難うございます…一生懸命頑張って勉強して、数十倍の倍率に受かって、高い学費を払って共学に通っているのに…三年間..一度も男子学生に会えないなんて可愛そうです、殆どの女性が男性と出会いが無いのは仕方ない、だけど少しで良いから楽しい思い出を作ってあげたいのです」

《確かに可哀想だ》

「僕で良ければ協力しますよ」

「有難うございます…所で聞きづらいのですが水野くんのランクは何でしょうか?..国内に数人しかいないBランクのような気がするのですが違いますか?」

「すいません解らないんです」

「そうだったんですか? 確かに男性にはランク認定を嫌がる方がいますね..だけど水野くんならかなり高ランクな気がします…正直、当校にはBランクの方様の特殊設備がありません..認定される様な事があればご用意しますので..受けてみては如何ですか?」

「解りました..明日にでも受けてみます」

「そうですか…頑張って下さい..もし高ランクだったら優遇させて頂きますからね」

《ランクかー そろそろ向き合わないといけないのかな》

ランク試験 その?
さてと、今日も僕は朝食を作っている。

どこぞのライトノベルの主人公の様に僕は料理が得意じゃない..だから作れる物は大した物じゃない。

今日の朝食はベーコンエッグにご飯とみそ汁とサラダだ。

誰にでも作れる簡単ご飯…それなのに..

「ご飯できたよ!」

ダダダダダダだダダン!

ダダだダダだダダン!

「おはよう省吾..今日のご飯も美味しそう…母さん本当に幸せだわ」

「おはようお兄ちゃん、お兄ちゃんがご飯作ってくれるなんて夢みたいだよ」

これじゃ..作らない訳に行かないじゃないか。

少なくとも前の世界じゃ二人とも凄く低血圧で朝は弱かった。

それなのに…これだ…「ご飯できたよ!」から5秒も掛からず走ってくるんだよ、これじゃ流石に作らない訳にいかないと思う。

そしてこれだ

「省吾は料理が旨いわね…将来はコックになれるわよ..そして多分ミシェランから星3つは固いわ」

「おいしい..お兄ちゃんのご飯を食べる度に凄く幸せを感じちゃう..幸せ」

ただの簡単な誰でも作れる料理で、これなんだ、此処まで喜ばれるなら作ってあげたくなる…今度ネットで調べてちゃんとした物を作ってあげようと….

又お金を渡そうとする二人を笑顔で躱して送り出す。

とうとう母さんは札束を5個近く出して来るし、妹のサーヤは貯金箱を壊そうとする。

貰わないと本当に悲しそうだから…渋々 母さんから10万円、サーヤから500円貰う。

笑顔で二人を送りだして、友達になった洋子ちゃんに電話で「おはよう」の挨拶をして5分話す。

5分と時間を決めたのは洋子ちゃんからは決して電話を切らないからだ..何時まで話してくれるのか話続けたら…気が付いたら2時だった…だから5分で切る癖をつけた。

そしてそれが終わると..僕の自由時間だ。

今日は学校を休んで、国際男性能力審査機構、通称KDNSKに行く事にした。

ネットで調べると、予約なく行っても良い物らしい。

皆んなからランクを聞かれるのと、かなりの優遇特典がある様なので認定して貰って損はないと思う。

タクシーに乗って20分で着いた。

男性ってだけで殆どの乗り物が無料なんだけど…どんな特典なんだろう。

「おはようございます..ランク認定をしたいのですが受付はこちらで良いでしょうか?」

「はい、こちらで大丈夫ですよ..ご家族の方はあちらの待合室で..あれご家族の方はどちらに居ますか?」

「いえ、今日は1人で来ました」

「嘘っ一人ですか? 失礼しました! Bランクの方とは知らずに申し訳ございませんでした」

「いえ、僕はこれから認定試験を受けるのでBランクじゃないですよ!」

「Bランクじゃない..良かった…それじゃこちらの用紙に記載をお願いします..嘘を書いても駄目ですよ…すべての男性のデーターは政府のデーターベースと照合しますから」

「解りました」

「それでは準備しますので、待合室にてお待ちください」

僕は待合室に入った…やっぱり。

ここも凄い、ドリンクバーと軽食バーがついていて高級なソファーがある。

一番近い物だと空港のVIP専用のラウンジだと思う..まぁ行った事は無いけど…

「さぁ、準備が出来ました」

さぁランク試験の始まりだ..頑張ろう!

ランク試験 その?
「ランクについて説明しますね、ランクは上からS A B C D Eまであります、勘違いしないで下さいね例えランクがEだとしても最低限の男性としての保証は得られますから安心して下さい」

これは何となく解っていた…何故なら僕は何も身分証明書を持っていない…だけどタクシーは無料だしコンサートも無料だった。

「はい、安心しました」

「実はDランクやEランクは実質、今の生活となんら変わりは無いと思います。ただランク証があれば多少のお金が融通される程度です」

「多少とはどの位ですか?」

「月に23万円程ですね…男性の方の多くは引き籠りたい方が多いので、これだけあればどうにか何もしないで生活ができるでしょう」

「何もしないで月に23万円..すごい特典だと思いますが…」

「確かにですが、男性であるのならそれは当然の権利です」

「あのネットで調べたのですが男性のランクはこれで合っていますか?」

Sランク…1週間に一度の周期以上で性的な衝動がある男性。
     女性に対して恐怖心もなく、関心をみせ、普通に過ごす事が出来、スキンシップの拒絶もない。
     精子に問題が無く、通常の性行為が可能な者

Aランク…月に一度の周期以上で性的な衝動がある男性。
     女性に対して無関心だが、普通に過ごす事が出来る、軽いスキンシップが可能。
     精子に問題が無く、通常の性行為が可能な者。

Bランク…年に数回程度の性的な衝動がある男性。
     女性に対して軽い拒絶反応があるもの、軽く触れる事は可能。
     精子に問題が無いが、性行為には一部抵抗を示すが軽い改善策で性行為が可能な者。

Cランク…性的な衝動が無い男性。
     女性に対して完全に拒否反応がある。接触すると拒絶し暴力的になる。
     精子に問題が無いが、性行為自体を拒絶する、もしくは性行為不能な者。
     但し、人工的な方法で精子搾取な可能な者。

Dランク…性的な衝動が一切無い男性。
     女性に対して完全拒否、敵対反応がある。
     精子に多少の異常が見られて、精子を搾取しても妊娠率が低い者。

Eランク…無能力者
     いわゆる、性不適合者。

「合ってますね…水野さんは勉強家ですね」

「質問して良いですか?」

「良いですよ、何でも聞いて下さい!」

「これだと、EランクとDランクはどうしてお金が融通されるのですか? はっきり言って何も社会貢献してないと思いますが」

「そうですね、ですがそのランクの男性は…死んでから貢献します。その男性には言いにくいですが…何故、そういう男性が生まれてくるのかその調査に…すいません必要なんです」

《確かに…そういう調査も必要な事だな》

「確かに必要ですね」

「はい、男女比30対1ですから..何か手を打たないと…国も真剣なんです」

《そりゃそうか…》

「そうですね」

「ですが、Cランクからは凄いですよ!」

「解ります…本当に国から必要とされているのは此処からですよね」

「言いにくいですが、その通りです、ですからCランクから待遇のレベルが違います」

「それはどの位違うのでしょうか?」

「Cランクになればその精子を提出するだけで1回につき80万円支給されます」

「1回につき80万円ですか…凄い」

《僕なんてその気になれば毎日でも出来るぞ…一か月20日で1600万じゃないか》

「それでも、提出する男性は余り居ないんですよ!ここ三か月で10本です…それもお金に困ったから仕方なくらしいです」

《人生の中で1年間だけ毎日だすだけで1億6千万..いや僕はその気になれば数回出来るから3億は軽く超えると思う》

「そうなんですか..実に勿体ないですね!」

《あれっこの子私と普通に喋っているわね…しかもここに1人できたんだっけ…まさか》

「それでBランク以上の特典は公表して無いんですよ..ですが、その特典の前にはCランクの特典なんて霞んでしまいます..頑張って下さい」

「はい」

「そしてもう一度ここで会いましょう」

「解りました」

ランク試験 その?
【本文】
「さぁこれからテストの始まりですよ、まずはバディをこちらのタブレットで探して下さい」

「バディって何ですか?」

「これから受けるテストは性的衝動のテストです、このテストは1回で受からなくても大丈夫というか1回で受かる必要はありません..Bランクであっても年に数回..性的衝動があれば良いのですから…何回でも諦めない限りチャレンジできます。 バディと言うのはその相手をする女性です。少しでも可能性を上げるためにはこのバディの選択も重要なのです…このタブレットで出来るだけご自身の好みの女性を選ぶのが良い結果を出すコツとも言えます」

「はい」

「時間をゆっくりかけて良いのでまずはバディを選んでください…あっ実際にはVRSという仮想空間システムを使いますので、相手から男性は見えませんし、触られる事はありませんので安心して下さい、また、今回好みのバディがいなかった場合は次回の予約時に好みの女性をリクエストする事も可能です..ではごゆっくりどうぞ」

凄い登録がされているよ..三千人って普通なら好みに困らないよな

しかし、これは凄い、前の世界なら犯罪者扱いされるような少女から40歳位の女性まで本当に網羅していた。

《うん、決めた》

「すいません良いですか」 カメラ付きインターホンを鳴らした

「決まりましたか? 直ぐにお伺いさせて頂きます」

10分ほど待つと全身スーツにヘルメットをもって女性やってきた。

「それでどの子にしますか?」

「その前に質問良いですか?」

「はい、何でも聞いて下さい」

「あの、バディに明らかに小さい子が居るのですが..」

「Bランクの中の方には大人は駄目だけど、子供なら大丈夫って人も居ます..その為です」

「それは犯罪ではないですか? 確か未成年は保護されていると思います」

「それは男性だけですよ…子供だからって男性とのふれあいのチャンスを奪ったら可哀想じゃないですか?」

《マジかこれ..》

「子供がその…そういった行為に興味があるとは思えないのですが…」

「はぁー…水野さんは余り世間を知らないのですね?」

「何かおかしかったですか?」

「子供だから汚れていないとか考えるのは一部の男性の妄想です…そうですね…例えば、水野さんが小学校に行ったとします」

「はい」

「「冗談んで誰か僕の相手してくれないかな」と言ったとしましょう…その瞬間周りの女の子は直ぐに服を脱ぎ捨てて水野さんを押し倒しますよ…」

「冗談ですよね…」

「本当ですよ…少し前にBランクで大人の女性は駄目だけど幼女なら大丈夫という強者がいたんですが…カッコつけてさっき言ったような感じの事を言って、廃人になってしまいました….今では精神病にかかり「幼女怖い、幼女怖いって繰り返しているそうです」子供の方が自制心が弱いから大人の女性より本当は怖いんですよ..絶対に気を付けて下さいね!」

「ですが、幼女は妊娠しないですよね?」

「はい、ですから..勿論最後まで相手はできません..ですがBランクの精子ともなればかなり良質な精子です..持ってくれば数百万で買います…又、男性を満足させたという事で施設に履歴が残ります..結構な特典なんですよ」

《怖いなこの世界…ロリコンが廃人になる位..凄いのか》

「水野さんのお好みは..そちらですか?」

「違います..年上のこのお姉さん…仮想ネーム エミーさんでお願い致します」

「畏まりました…ではスーツを着て、ヘルメットを被ってお待ちください」

ランク試験 その?
言われた通り、ヘルメットを被ってスーツを着た。

その途端にまるで他の空間に行ったような感じに包まれた。

今、僕は全く知らない部屋にいる。

もし、眠らされてこの装置を使ったら..恐らく違和感に気が付かないかも知れない。

「初めまして水野さん…バディを務めさせて頂きます、エミーです、宜しくお願いします」

「宜しくお願いします」

見た感じがグラビアアイドルなんだよな..しかも結構な薄着だ..目のやり場に困る。

【威嚇行動無し、脈拍異常..やや体温の上昇あり..目線は嘘だろう..胸と太腿だって…】

「こちらこそ宜しくお願いします!」

「ところでこれって何をすれば良いんですか?」

「別に何もしなくても良いですよ、普段、女の子に接するようにすれば良いんです!」

「そうですか、解りました」

【あれ、この人…普通にしゃべれているわ..これは高ランク間違いない…しかも僅かながら脈も速い】

「それでは、まずお互いを知る為に喫茶店かファミレスにでも行きませんか?」

「えっ..はい」

【嘘だろう…男が誘っているのか? …こんな話なんてあるの】

部屋から出るとちゃんと街になっている..このシステム凄いな..何処か良いお店無いかな..

そうだ…これはテストなんだよな。

「はい」

僕は手を差し出した。

「どうしたんですか? 手なんか出して..」

「はぐれるといけないから手を繋ぎませんか?」

「….はい、有難うございます《これ、何? まるで女性の妄想から産まれたような対応だわ》」

【こんな対応する男が居るの? 自分から手を繋ごうなんて】

しかし、もう少し考えて欲しいな..知らない街で店を探すの大変じゃん..そうだ。

「すいません、ちょっと道を教えてくれませんか?」

「…..私ですか?..はい良いですよ..」

【おい、現実社会で男に声を掛けられてそんな対応する女なんて居ないだろう…仕方ないじゃない、いきなり女性の通行人に話し掛ける男なんて居ないよ..プログラムに無いんだから..】

「この辺りにファミレスか喫茶店ありませんか?」

「それでしたら、この信号の先にあります」

「有難うございました」

「はい」

【男がお礼を言ったんだ..こんな対応ないだろう..だって部屋から出たのもイレギュラーなんですよ..急いで街のMAPをSCスーパーコンピューターに作らせたんだから仕方ないじゃないですか?】

凄いな、あそこにファミレスが出て来た。

「ねぇエミーさん、あそこのファミレスで良いですか?」

「良いですね..行きましょう!《まだ手を握ってくれてるんだ..顔にモザイクが掛かって見えないのが残念だけど..こんな男性初めてだわ》」

「転ばない様に気をつけてね」

「はい、ありがとうございます」

【これ、本当の事なのよね..SCが作り出した架空の男って訳じゃないのよね?】

それから二人してお茶をしながら二人で談笑しながら話した。

「これから、どうしますか? 良かったら散歩でもしませんか?」

「良いですね..行きましょう! 今度は私がエスコートしますね《私はプロなんです動揺なんてしませんよ》」

「それじゃ..今度は違う感じが良いですよね?」

「ええっ《これって、恋人繋ぎって奴じゃない..お金が取れるわよ》ありがとう」

【あり得ないんですけど、更に言うなら彼..立っていますよさっきから完全に…これってもう、最低でもAランク…場合によってはSランクなんじゃないですか?】

二人で話しながら歩くと突然公園が現れた。

「へぇー綺麗な公園ですね..都心なのに海に面しているなんて」

「ここの夜景が好きなんですよ..うふふ私のとっておきの場所なんですよ《流石に公園に連れ込まれるのは嫌でしょう》」

「さぁ行きましょう! そうだせっかくだから今度は腕組みませんか?」

「それってどうするの?《何、何、何、これマニュアルに無いわ》」

「こうするんです!」

「あの、これ嫌じゃ無いの? 顔がこんなに近いんだよ? しかも男性が嫌がる胸を押し付ける形になるんだけど..大丈夫なの?《あり得ない、こんな事を出来る人がいるなら..人じゃない》」

「僕は逆に嬉しいけど..嫌なら」

「嫌じゃありません..《顔も見えないのに、仮想空間なのに魅了ちゃうよ..これなら顔がどれだけ不細工でも好きになっちゃうよ》」

【女性の数値過去にない位に上昇、心拍異常最大、 男性の数値、過去最大..現況、持続力、維持..最大..データー上最高レベル確定..これ以上は測定不能…やっぱりこれはSランクです…待てまだ精子検査が済んでいない..ぬか喜びに終わっては困る】

いきなり暗転して暗くなった。

「あれ、もう終わりなんですか?」

「ご苦労様でした…ドリンクをどうぞ」

「有難うございます」

「暫く休んだら、2次テストです。 充分休んでから行いますので、疲れが取れたら又呼んで下さい」

「全然疲れていないので直ぐにでも大丈夫です」

《嘘、この子..全くダウン症がないの..最高ランクのBだって 立った状態の後は疲れ切っていたのに》

「そうなのですか? それなら10分後にスタートします、バディは使いますか? 使いませんか? 」

《解らないけど、..使う事にしよう》

「使います、先程のエミーさんでお願いします」

「解りました」

《頑張って下さい..バディつきの2次検査は..過去に受かった人はいません。すべての男性がバディ無しで受けました…精神が壊れないと良いのですが..貴方ならクリアすると期待しています》

ランク試験 その?
今度は違う部屋に入った。

部屋には豪華なベットと俗に言うオナホみたいな物がある…その先にはホースみたいな物が繋がれている機械があった。

そして、その横にはゴーグルがあった。

そして、傍にはピンクの看護師の服を着た女の子がいた。

「一次テストお疲れ様です。凄い成績だそうですね、次は生殖テストを行います」

「生殖テストですか?」

「そうです、女性に優しかったり、紳士的な対応をクリアする者自体が少ないですが..ですが、それだけでは困るんです…実際に精子が正常で受精可能でなければ価値はありません」

「確かに子供を作る能力が無いと意味が無いですね」

「その通り、女性に優しくて低ランクより..多少横柄でも受精できる精子を持っている男性の方が遙かに価値はあります… そういう意味では一次テストを好成績でクリアしても..二次テストの成績が悪ければDやEになる可能性があります…その点はご了承下さい」

「確かにその通りですね」

「ご理解頂きありがとうございます」

「それで、僕は何をすれば良いのですか?」

「そこで寝て貰って、ゴーグルをつけて下さい、バディを選ばなければ自分で自家発電して精子を出して頂くのですが…水野様は..バディを選ばれました、こんな勇者は見た事はありません」

「勇者って何ですか?」

《何か不味い事をしてしまったのだろうか?》

「女性を嫌う男性が多く、なかには男性の体をイメージして抜いても記録は記録ですのに..水野様は最難関のコースを選びました」

《僕はホモじゃない..男じゃ抜けないぞ》

「それはどんなコースなんですか?」

「女性とのバーチャルSEXです..これは難しいですよ…実際に女性の体を見ながら生殖器をたたせて精子を出さなければならない…過去には嘔吐した者や鬱に掛かった者もいます…辞めるなら今のうちです」

《自分でしこしこ悲しくする位なら..こっちの方が良いな》

「やります」

「そうですか…クリアした者が居ない茨の道を行くなんて…多分、クリアは出来ないと思います、ですが、貴方のその勇姿を私は忘れません」

「頑張ります!」

僕は手術着の様な物に着替えた…女性の指示でパンツははいていない。

「では、まずはそのホールをお持ちください…そしてゴーグルをお掛け下さい」

「はい」

「暫くすると映像がバディと繋がります..バディの映像は正に..女性と性行為をしているような錯覚を覚える位精工な映像です…気持ち悪くなったり我慢できなくなったら叫んで下さい..接続を切ります」

「はい」

《マジか? これはこの世界で初めておかずが見れる、そういう事か》

「もし、生殖器をそんな悪環境でも立てれたらホールに挿入してください」

「はい」

《この説明を聞くのが無茶苦茶恥ずかしいな》

「ホールの感触は女性その物です、此処でも気持ち悪く感じたり、おぞましさを感じたら遠慮なく叫んでください..直ぐに解除します..良いですか手遅れになる前に必ず叫んで下さいね」

「解りました」

「それでホール挿入後に精子を無事、発射出来ればまずはクリアです..時間も短ければ短い程、成績は上がります..まぁ4時間以内に立って…そこから1時間で発射出来れば…凄い成績だと思います」

「解りました」

それでは私は部屋から出ますので頑張って下さい。

………………….

……..

すぐに繋がり画像が見えた、さっきと同じで本当に目の前にエミーさんがいるように見える。

「また会えましたね…まさか此処でもバディに選んでくれるなんて思いませんでした…では早速」

エミーさんはバスタオルをとった。

《不味い不味い不味い..溜まりすぎていた》

僕はすぐさまホールを手に取った。

「どうしたんですか..急に黙り込んで..やっぱり女性の裸は気持ち悪いですか?」

【嘘、立つまでたったの10秒これ可笑しくない?....異常だ、現在国内の最高レベルのBランク上位でも3時間近く頑張ってようやくたつのに】

「そんな事無いです..綺麗です《ヤバイ鼻血がでそうだ》」

「そう、君はすごいね! それじゃこれから」

【凄い、立って直ぐに挿入出来るなんて…あり得ないわ絶対】

《エミーさんがこっちに近づいてくる..不味い、せっかくのチャンスなのに》

いきなり暗転した。

《せっかくのチャンスだったのに…》

結局、僕が出してしまったから機械が停止した。

【タイムは…はい、立つまで10秒…そこから発射迄3分掛かっていません…ありえない記録だな、絶対に世界記録だろう】

「ご苦労様でしたおめでとうございます」

「…..」

「まさかこのコースをこんなに簡単にクリアするなんて信じられません」

「….」

「どうかしたんですか? これで精子検査をして結果が良ければ高ランク確定ですよ..嬉しくないんですか?」

「あの、すいません..消化不良です..」

「えっ、消化不良..どうしたんですか?」

「さっきのバーチャルSEXなんですが..途中で終わってしまったので..」

「それ真面目に言っていますか?《可笑しいな..男はSEXを死ぬ程嫌がる筈なのに》それなら続きをしますか? 別に構いませんよ..今度は叫ぶまで止めませんがよいですか?」

「お願いします!」

結局、僕は、この試験で3回も発射した。

この子..凄いわ..普通の男なら必ず持っているはずの女性への嫌悪感がまったくない。

それだけでも凄いのに..立つまでの早さ..持続..そして、全くダウンしないで数回..考えられない。

これで精子が正常ならSランク..いえSランクは週一回の性的衝動だし、関心とスキンシップまで…

そう考えたら、短期間で全くダウンしないで3回もこなし..女性に積極的な彼は…Sを超えているわ..

これは緊急会議が必要かも知れない。

ランク試験 終了 権利
「おめでとうございます..水野様のランクはSランクです!」

《まぁそうなるよね…この世界に迷い込む前は健全な男だから》

「ありがとうございます…正直まだ実感が湧きません!」

「そうだと思いますが、最初に言って置きますが..今、この世界で水野様は最重要人物になりましたのでご理解下さい」

《確かに、この世界で唯一の、多分完全な男性だもんな..そりゃそうか》

「正直言いましてSランクが誕生すること自体が想定外ですが..まさかそれを超える方が出るなんて考えていませんでした、Sランクすら形上存在するランクで実際に現れるとは思っていませんでした」

「そうなんですね!」

「その為、現状のSランクの権利と特典のみ今からお伝えします…他に欲しい物がありましたら何なりとご用命ください..その都度審議致します」

「はい」

「まず、Sランクになった方は法律による罰則が一部無くなります…簡単に言うと死刑が無くなります」

「何故ですか?」

「それは勿論貴重なSランクを死なせる位なら生殖行為を頑張って貰う方が良いからです、その為、死刑に相当する罪を犯した場合は3日間に1人以上と生殖行為をする..それが罰になります。 他の罪も生殖行為で殆どの罰が精算できます」

「あの、それってぶっちゃけ、どんな罪もSEXすれば許されるそういう事ですか?」

「ぶっちゃけすぎですが…そういう事です、次にいきますね」

《これって僕には何の罰則も無いに等しんじゃないかな》

「はい、宜しくお願い致します」

「次に重要な事は特別愛育施設ホーム、通称ラブホの使用権利です」

「ラブホ?」

「男性は余り知らないかも知れませんが…あちこちに生殖行為をする為の施設があります、その利用権です..中は高級ホテル以上の設備が整っています。 プールや露天風呂等の施設は勿論、メディカルチェックもしています、ドクターも一流の先生が待機しています..勿論、気に入ったなら住んで頂いても大丈夫です..生殖行為以外でも使って頂いて大丈夫です…またお相手の女性はここでチェックを受け申請しなくても数々に認定を受けれます」

「それは凄いですね」

「はい、凄いですよ..かなりの女性にとってはそこに行くのが夢ですから、小規模な物は水野様の学校にも設営しますよ」

《これは前の世界で言うラブホテルの究極系なのではないかな》

「…..」

「次の説明に行きますね…何といっても凄いのはもうお金が要らない事です」

「お金が要らない?」

「はい、一応カードは渡しますが Sランクは何の縛りも無く欲しい物が手に入ります」

「それはSランクカードがあれば何でも買える…そういう事?」

「近いですが…基本顔パスです。 カードは念の為に用意しただけで都心部なら顔パスで何でも貰えます..一応上限はありません」

「本当ですか?」

「本当ですよ」

「例えばですけど..六本木のマンション建物丸ごと欲しいっていったらどうしますか?」

「欲しいなら..手配しますよ..その代わり本当に頑張ってくださいね」

「冗談です」

「良かった、良識のある方で…規定上は余程の物じゃない限り用意しなくちゃならないんです..出来たら無茶は辞めて下さい」

「解りました」

「後は、各国VIPにアポイント無しで会える権利に、軍部、警察にお願いして自由に警護して貰える権利です」

「つまりは、それだけ厚遇するんだから、SE、いや生殖行為を頑張ってね…そういう事ですか?」

「正にそういう事ですね…此処までが現在考えていた権利です..ただ法整備して無いので..他にして貰いたい事があったら言って下さい、検討しますから」

「有難うございます」

《これ以上何を望めば良いんだ..何も思い浮かばないよ》

デート その?
「洋子ちゃんデートしない?」

僕は意を決して電話した。

「あの、それって..あのデートの事?」

「うん、明日どっか遊びに行こうよ..ただ夕方からは僕につき合って欲しいんだけど良いかな」

「あの、本当にデートしてくれるの…お金幾ら持っていけば良いのかな?」

「あの、お金は別に良いから..洋子ちゃんが楽しいと思う所に連れてって」

「うん、解かったよ…楽しみにしててね」

僕は電話して明日のデートの用意をした。

約束の時間より30分前に待ち合わせの銅像の前に着いた。

ところが先に洋子ちゃんがいた。

「あれ、約束の時間より随分早く来たつもりなんだけど…」

「えへへ、昨日から待ちどうしくて早く来ちゃいました」

《本当に考えられないよな..前の世界じゃどれだけ願っても手が届かない彼女が僕の傍に居るなんて》

「…」

「どうしたの水野くん、私の事見つめて..何かついている」

「いや、今日もすごく可愛いなと思ってさ…それより洋子ちゃん、出来たら、省吾って呼んで欲しいんだけど」

「えっ..本当に良いの..下の名前で呼んで本当に良いの?」

《これって、仲がよっぽど良くないと呼ばせて貰えないよね》

「勿論だよ..そう呼んで欲しいな」

「…っと省吾くん..これで良い?」

「うん、それじゃ行こうか洋子ちゃん」

「うん」

「それじゃエスコート宜しくね」

「任せておいて」

……………

…….

「へぇー遊園地か..最近来た事無かったな..それじゃ行こう..はい」

「えーとそれって…何かな?」

「洋子ちゃんって鈍感だよね…手を繋ごうって事だよ」

「えっ手を繋いで良いの? あのお金は幾ら? 私余りお金持って無いよ」

《この世界の女の子って何でもお金払いたがるよな..違うのに》

「お金なんて要らないって..僕がしたいからしているんだから..さぁいこう」

「うん、いこうか….」

《これって..私の事が本当に好きって言う事なのかな…信じられないな..男の子がタダで手を繋いでくれるなんて..夢みたい》

「最初は何にのる..ジェットコースターとか乗っちゃおうか?」

そのまま手を繋いで乗った。

《省吾くん、怖くて抱き着いてくれたりしないかな…》

「キャー、キャーこれ思ったより速いし高い..」

「うん、風が気持ち良いね僕は高い所は好きなんだ」

結局、省吾くんじゃなくて私が抱き着いちゃった..

「ごめんね、女の子なのにみっともない所みせちゃって」

「そうかな…僕は可愛い、洋子ちゃんを見られて満足だよ」

「もしかして私、変な顔とかしていた? 」

「ううん、普通に可愛かっただけだから気にしないで」

「なら、良いんだけど…しかし省吾くん、絶叫マシーンとか強いんだね」

「うん、大好きだからね..」

《これじゃ、しがみついて貰えないよ…どうしよう》

「そうだ、省吾くん、あれ、お化け屋敷とか入って見ない?」

「うん、別に良いけど」

………………..

……..

「あはははは、おかしいよね、お化け屋敷というより和んじゃうよね..これ」

「うん、そだね!」

《お化け屋敷の馬鹿っ、せっかくのチャンスだったのに..可愛いお化けばっかり…子供向けに怖くしてないのならそう書いておいてよ..もう》

「喉が渇かない?」

「少し乾いたかな」

「そう、じゃぁ僕が買って来るね」

《あっ、何で省吾くんに買いに行かせちゃうのかな..》

「はいっ、一緒に飲もうよ!」

「えっ一つしか無いよ..」

「一つしか買ってないもの…これはこうして飲むの」

僕は蓋をとってジュースにストローを2本刺した。

「こここここれって..本当に一緒に飲んで良いの? 嫌じゃ無いの? 夢みたい」

《ふふふ、驚いた顔…本当に可愛いな..夢みたいなのは僕の方なんだよ》

「嫌だったらこんな事しないよ..さぁ飲もう」

「うん」

「お母さん、私もあれやりたい」

「お母さんだってやりたいわよ…だけどあんな事したらお金が幾らあっても足りないわ」

「だけどあのお姉ちゃんお金払ってないよ」

「それは前もって渡しているんだって..」

「そうか..お金持ちってよ良いな…」

《何か聞いてて腹がたつな…この世界ではそれが常識なんだけど》

僕は洋子ちゃんの手を引きながら親子の前に行った。

「あのね、お嬢ちゃん、僕は彼女からお金なんて貰ってないよ?」

「本当に…じゃぁ何でその人に優しくしているの?」

「好きになる事にお金なんて関係ないんだよ..ほらね..ちゅっ」

「あっ、お兄ちゃん、お姉ちゃんの頬っぺたにキスした..」

「女の子だったら、お金よりも男の子に優しくすることを覚えた方が良いよ…そうしたらきっと良い事があるから」

「そうかな」

「うん、可愛いのに勿体ないよ」

「ほんとにそうかな…」

「じゃぁ..幸せのお裾分け..」

僕は彼女の頭を撫でてあげた。

「あの、これはお金は」

「お母さん..要りませんよ..僕にも妹がいますからね..」

「えへへお兄ちゃんありがとう」

「うん、じゃあね!」

「うん」

「ちょっとずるいわよ..なんであんたが頭撫でられたのよ」

「お母さんと違って私可愛いからじゃないかな」

「あの、本気にしちゃ駄目よ」

「解っているよ..だってうちのお兄ちゃんは私に優しくなんてないもん..あっちのお兄ちゃんがいいな」

「そうね..私もそう思うわ」

「どうしたの洋子ちゃん」

「……」

「おーい 洋子ちゃん」

「…..」

「洋子ちゃんったら、洋子ちゃん」

「はっ..省吾君..いきなり…キスされたら..流石に驚くよ..しかも好きに..好きになったらなんて」

「あのね、好きでも無い人をデートになんて誘うと思う? 」

「思わない..だけどそれだって普通はお金を取ると思う」

「あのね、僕は君からのお金なんて欲しくない」

「何で、欲しく無いの…省吾くんが喜ぶなら…アルバイト頑張るよ..朝から晩まで働いても良いの」

「それじゃ、僕がいやだよ..いつ洋子ちゃんに会えば良いの..あのね、お金なんて要らないよ? 」

「じゃぁ何を私は省吾くんにあげれば良いの」

「そうだね、僕が手を握ったら、同じ位強く握りしめて欲しい、キスをしたら同じ様にキスして欲しい..多分、洋子ちゃんが僕にされて嬉しいって事は僕がされても嬉しいって事だから」

「本当にそうなの..」

「本当にそうなんだ..だからはい」

「本当にして良いの?」

「うん」

洋子ちゃんの口が僕の頬っぺたに僅かに触れた….

洋子ちゃんが凄く恥ずかしそうに僕から目をそらした。

そんな洋子ちゃんの手を僕は強く握りしめた。

「さぁ、今度は僕がエスコートする番だね..」

「嘘…本当に省吾君がエスコートしてくれるの?」

省吾君はまるでビックリ箱みたいだ。

男性なのにただで手を握ってくれたり..デートに誘ってくれたり

凄く、私を楽しませてくれる…あんなジュースの飲み方なんて初めて知ったし

男性からのキスなんて幾らお金を積んでもまずしてくれないと思う。

気が付くと自分が凄くモテる女の子になった気がする…そんな訳無いのに…

夢のような日がずうっと続くと良いな…

エスコート先は教えてくれなかった…だけどきっと凄く楽しい所に違いないと思う。

凄く楽しみだな

デート その?
「えっ洋服屋さん? 省吾くん洋服が欲しいの? それ位なら買ってあげるよ…」

「違うよ..僕がプレゼントしたいんだ..だから貰ってくれる!」

《嘘だ..男の子がプレゼントしてくれるの…こんなの人に話したら..絶対に信じてくれないなぁ》

「えーと..そう、ありあがとう!《かんじゃったよ恥ずかしい》」

「どういたしまして!」

僕は店員さんにSランクカードを見せた

「大丈夫ですよ..当店は政府指定の優良店、Bランク以上の方は全員、顔で認識されていますから」

「本当にごめんなさい、無理いって1日でなんて」

「何をいっているんですか? 貴方はSランクの男性、全ての女性は貴方にかしづくために居るんです…これからも幾らでも無理いってください」

「ありがとうございます」

僕はオーダーで頼んでおいた服を受取った。

洋子ちゃんは店内の服を見て回っていた。

1枚のピンクのブラウスを手に持っていた。

《あれは、確か、前の世界で洋子ちゃんが着ていた服だ…うん、ブロマイドで見た気がする》

「店員さん、あれも下さい」

…………….

…….

「もう、既にオーダーしていたのなら、教えてよ! 2着も服買って貰っちゃったじゃない..何か凄く悪い事した気がしちゃうよ」

《男性に物を貰うなんて…幸せ、いったい誰なら経験出来るのかな? 多分殆どの人がこんな幸せ経験できないと思うな》

その証拠に、周りの視線が怖い

「可笑しいよ..あれっ 何で高ランクの男性が女にプレゼントしている訳」

「お母さん…あれが伝説のリア充なのかな..」

「信じちゃいけません、あのお姉さんは先に沢山のお金を渡していたのよ..そこから買って貰ったのよ」

《あれが普通の反応だよ..私だってこんな光景見たらそう思うよ…だけど何で省吾くん..不機嫌なのかな》

「ちょっと洋子ちゃん待っててね!」

「うん、別に良いけど…」

省吾君はもう一度店内に入っていくと..リボンとハンカチを持って出て来た。

「ちょっと良いかな?」

「えっわたし..どうしたの..お兄ちゃん」

《何で、自分の娘にしっとした目をむけるのかな…怖いわ》

「あのね…お兄ちゃんはお姉ちゃんからお金なんて一切貰ってないからね」

「嘘だ..それで何でデートして、プレゼントまで貰えるの? 私は余りお金ないけど..同じ事してくれるならお小遣い全部あげちゃうよ」

「それはお兄ちゃんが、お姉ちゃんを好きだから...本当に好きな人ならお金なんてなくたって一緒にいるだけで楽しいよ….」

「本当?」

「うん、だからこれはお裾分け..ちょっと待っててね」

「嘘..リボン、つけてくれたの?…これ幾ら..」

「お金は要らないよ..そうだ..お兄ちゃん大好き..そう言って笑ってくれたらそれで良いよ」

「お兄ちゃん..大好きー」

《頑張って笑顔つくらなきゃ..うん》

「うん、ありがとう..」

《うん、このお兄ちゃんも笑ってくれた》

「お母さんには、これ、はい」

「これは何ですか?」

「ハンカチです」

「これを私に?」

「はい、僕にも母や妹がいますから、子育て大変でしょう? これからも頑張って下さいね」

「はい、頑張ります」

「じゃあね..バイバイ」

「バイバイ、お兄ちゃん」

「ありがとうございます..これ一生大事にしますね」

《あのお兄ちゃんみたいな人は他には居ないから信じちゃ駄目よ》

《うん、解かってるよ…だけどあのお兄ちゃんの妹が羨ましいな》

《そうね、お兄ちゃんは無理だけど…お母さんお金貯めて..もう一度がんばろうかな》

《うん、頑張って弟をお願い..お母さん》

…………………

………..

「省吾くんって..本当に優しいよね…本当は天使なんじゃないかな?」

「そんな事別に無いって」

《そんな事あるよ..あの子きっと、あのリボン大切にするよ..絶対に一生手放さないと思う》

「そうかな..まぁいいや」

「それより、ちゃんと前見て歩かないと転ぶよ!」

「転んでもいい!」

《服かってあげるだけで大喜びなんて嬉しいな…前の世界の洋子ちゃんはホワイトデーにはダンプカー4台分のプレゼントが届いたって話もあるのに…》

「そう、だけど、洋子ちゃんが転ぶと僕は悲しいから..ほら、手をつなごうか?」

「うん!」

…………………………

………

「今度は宝石屋さんか…まさかまた何か頼んであるの?」

「一つはね…それとは別に一個指輪を買ってあげる..好きなの選んで」

「あのさぁ..私、女なのに貰ってばかりだよ..何で服や指輪買ってくれるの?」

「実は…洋子ちゃんから貰いたい物があるからプレゼントしているだけだから気にしないで」

「あのさ..何が欲しいの? 省吾くんが欲しいっていうなら..命だってあげるよ..嘘じゃ無くて」

「それじゃ…耳貸して」

「うん」

「それは、後のお愉しみ..内緒です」

「えーそんな」

《充分お返しならして貰っているよ..君とのデートは僕の夢だったんだから》

「まずは指輪を選んじゃおうか?」

「じゃぁ一緒に選んでくれる?」

「喜んで」

結局、薔薇をモチーフにしたルビーの入った指輪を選んだ。

………………

…….

「ねぇ….指輪は省吾くんが持つんだね、私が持とうか!」

「これは僕が持つよ..」

「その理由も秘密なんだよね?」

「うん、そうだよ」

「ヒントだけでも教えてくれないかな…本当に気になっちゃうよ」

「あははは、絶対に内緒..」

「そう、だったら楽しみにしているよ..それでこれから何処に行くの?」

《まるで夢の連続..今度は何してくれるのかな? 私、どんどん贅沢な女の子になっちゃうよ》

「うん、あそこに行こうか…」

《あれっ何で省吾くん、顔が赤くなるのかな?》

「あれって、、ええっ本当に連れてってくれるの?」

「うん、嫌じゃ無かったらだけど?」

「嫌な訳ない..ううん、寧ろ嬉しくて涙がでちゃうよ..本当に良いの?」

「うん」

私の夢は終わらない…だって省吾くんの指さした先には…女の子全ての憧れ..特別愛育施設ホーム、通称ラブホがあったから…

これは夢なんじゃないかな…本当にそう思っちゃう。

体験物語 その?
特別愛育施設ホーム、通称ラブホを前に僕は躊躇していた。

この世界ではここに入る事は美徳..だけど、どう考えてもラブホにしか見えない建物に憧れのアイドルと手を繋いでいる…普通に恥ずかしい。

「何だか緊張するね?」

「…うん」

意を決して僕は洋子ちゃんの手を取った。

内心ドキドキしながら手を引いて入っていく…すると受付があった。

うん、ラブホじゃないなこれは…しいて言うなら五つ星ホテルだこれは。

「よくぞお越し下さいました、水野様..早速お部屋を使いますか?」

横を見ると洋子ちゃんは周りを見てキョロキョロしている。

《うん、これなら余裕があるかな》

「他に何がありますか?」

「多分、殆どの物はお部屋にあります..流石にメディカルルームは別ですが」

「そうですか..だったらまずは..部屋に行ってみます」

「洋子ちゃん..いこうか?」

「うん」

《これがラブホなんだ..凄い..一生もしかしたら縁がないと思っていたのに..だけど見れば見る程凄いなー》

顔が少し赤くなった洋子ちゃんの手を引きながら..部屋に向かった。

「省吾くん…これ凄いね..」

「僕も驚いたよ..まさか、部屋にプールや温泉まであるなんて思わなかった…凄く広いね」

「本当に凄いね ベットもフカフカだよ..凄い、凄い」

うわーベットで飛び跳ねる女の子..凄い..ドキドキするよ。

「あのさぁ…お願いがあるんだけど…」

「うん…やっぱり出来ない? 私はここに連れてきて貰っただけで嬉しいから気にしないで」

「いあ、それは大丈夫…だと思う」

「そう..なんだ..うん..何か緊張するね..」

「うん、それでね…お願いがあるんだけど、さっき買ってあげた服を着てきて欲しいんだけど..駄目?」

「そんな事? 直ぐに着替えてくるね」

僕は待ち遠しくてソワソワしていた。

恐らくはたったの数分位の事..それが僕には凄く永く感じた。

「着替えてきたよ、これ凄いドレスだね..物凄く高そう…」

僕が用意したのは前の世界で言うウェディングドレスだ。

「凄く、似合っているよ..うn、凄く綺麗だ」

「そうだよね、まるで王女様になったみたい…だけど本当にこんなドレス貰って良かったの?」

「うん、僕がさっき欲しい物があるって言ったの覚えている?」

「うん、覚えているよ、それがどうしたの?」

「このドレスを着た君が見たかったんだ」

「そうなの…服着る位で大げさだよ」

実は、この世界には結婚というシステムが無かった…そりゃそうだ、男女比30対1何て世界じゃ、そりゃ無理だろう。

一番近いシステムは専属契約システムと言うのがある。

これは、男性側が「この子は僕の物だ」と囲い込む制度だ。

だが、これは結婚の様に良いシステムではない。

この世界の男性は前の世界の潔癖症に近い..だから、一回旨く生殖行為まで出来た女性でも他の男性と生殖行為を行ったりすると、その途端に出来なくなる。

その為、男女で話しあい女性を囲いこむ事が出来るシステムだ。

ただ、このシステムは最初は男女の合意が無ければ出来ないが、契約をすると女性は他の男性との生殖行為は元よりスキンシップさえも基本出来なくなる…逆に男は何も誓約されない..一方的なシステムだ。

それでも、女性にとっては「男性に所有された」という事は名誉なことらしい。

中には高額なお金を払い、一回もあった事無い男と形だけの専属契約を結ぶ女性も居るらしい。

「そのドレスのデザインはね、僕が一番好きな女の子にプレゼントしたいって思っていたドレスなんだ」

《昔の僕の夢は君と結婚する事だったんだよ…》

「そうなの、そんな大切なドレスを私なんかに..本当に良いの?」

「うん、これは洋子ちゃんに用意したドレスだから」

《ウェディングドレスなんだけど..洋子ちゃんは知らないよね》

「本当に? 凄く嬉しい…ありがとう..」

《こんな事してくれる男の子なんて、絶対にこの世の中に居ない..絶対に居ない..どうしよう顔が赤くなっちゃう》

「それで、今度は左手を出してくれるかな?」

「こんな感じで良い?」

「うん、それでね、僕と専属契約をして欲しいんだ」

僕は左手の薬指に「前の世界で言う婚約指輪」をはめた。

「あの..凄く嬉しいんだけど..そのね、まだやる前から..そんな契約しちゃって良いの? 私は嬉しくて仕方ないけど..本当に良いの? 」

「うん、僕が君を嫌いになるなんて事は絶対にないから」

《だって僕は..前の世界じゃ君の大ファンだったんだ…それこそ結婚出来るなら死んでも良い..そこまで思っていたんだから》

「凄い自信だね…もう、嘘とか冗談とか言っても駄目なんだからね..本当に良いの?」

「もう一度手を出してくれる?」

「うん、」

僕は今度は「前の世界で言う結婚指輪」を薬指に嵌めた。

「私、水野省吾は星野洋子と専属契約を結ぶ事を誓います」

「嬉しい..私も」

「待って..はい」

僕は洋子ちゃんに指輪を渡した。

「あっそうか? この指輪は私が省吾くんに嵌めるんだね..凄くロマンチック」

「うん、じゃぁお願い」

「私、星野洋子は水野省吾の専属者になる事を誓います」

この世界には結婚という制度はない。

だけど、僕は彼女を大切にしよう、そう心に決めた。

「じゃぁ..正式に専属契約をしに行こうか?」

「うん..いこうか」

一旦下に行き..書類を書いて提出した。

洋子ちゃんは何やらプレートを貰ったみたいだ。

「それって何?」

「これはね…私は省吾くんの専属だと言う証明書なんだよ..まさかこれを持てる日が来るなんて..夢が叶っちゃった..うん、これで私は..省吾くんの物だよ..えへへ」

さっきの服処じゃない位、大切に抱えているな。

「転んじゃうよ」

「だったら、転ばないように手を繋いでくれる?」

「うん、喜んで」

……………………………

…………

部屋に帰ってきた。

「じゃぁ僕からシャワーを浴びて来るね?」

「うん..」

お互いに顔がこれでもかって位に赤い..

僕はシャワーを浴びた。

いつもより、清潔に細かい所まで綺麗に洗い上げた。

「洋子ちゃん、終わったよ..」

「今度は私の番だね..行って来るね..」

服の擦れる音が聞こえてきた。

続いてシャワーの音が聞こえてきた。

彼女が出した音だと解るからかただの布の音と水の音なのに凄く官能的に聞こえる。

「お待たせ..省吾くん」

僕はドキドキしながら彼女を見つめた…何でそんな恰好しているの?

体験物語 その?
「洋子ちゃん、何で服着ているの? そのスプレーと本は何?」

「あの、男の子にとって、女の子の体って気持ち悪いんじゃないの? 匂いも気持ち悪いって書いてあるよ」

「ちょっと、それ見せて…手順1. 男性は女性の体を嫌う傾向があるので肌が見えない様に服を着ましょう…手順2.女性の匂いを嫌う傾向があります..行為に及ぶ前に消毒液や消臭剤を使って匂いを消しましょう..」

「これ、間違ってないよね?」

「そのスプレーは要らないよ?」

「本当に要らないの?女の匂いとか私の匂い大丈夫なの?」

《この世界では本の方が当たり前なんだろうな..否定したいけど..》

「うん、洋子ちゃんの匂いは好きだよ..凄く良い匂いだよ..うん」

「本当..ありがとう..」

すごく可愛いな..顔を真っ赤にして…

「あの、その服も要らないよ?」

「だって、男の子は女の子の体って見るのも嫌なんじゃ無いの?」

「そうかも知れないけど…洋子ちゃんのなら見たいかな」

「そう、なんだ..じゃぁ脱ぐけど..目を瞑ってくれる..何だか恥ずかしい」

洋子ちゃんは裸になって毛布の中に潜り込んできた。

「えへへ..何だか緊張するね」

「僕も..」

いつまで経っても何も始まらない…よく考えたらさっきのが女性が手にするマニュアルなのかな。

そう考えたら…性欲が幾らあってもエロ本一つない無い世界じゃ何も知らないのが当たり前だよな。

ドキドキする気持ちを押さえながら…僕は口にした。

「あのさぁ..洋子ちゃん..僕からしても良い」

「えっ…」

僕は洋子ちゃんの口を塞ぐようにキスをした。

「うっうん」

《なにこれ..体が熱くなって溶けそう..男性からキス..それもこんな濃厚なキスなんてしてくれる物なの..駄目..口が離せない》

あれっ、下着はまだつけているんだ。

口を離した。

涎の糸が何かエロイ…

「これも要らないね..」

「ちょっと、ちょっと恥ずかしいから待って…うぐ」

下着をとりながらキスをした。

「ねぇ、省吾くん、これなに.何でこんな事できるの..どうしてこんな事知っているの?..ねぇ」

「何も僕は知らないよ..ただ、僕は洋子ちゃんにしたい事、しているだけだよ?」

「ちょっと、そこは..汚いよ..ちょっと あっ駄目だって」

体が止まらなくなった。

結局僕はむさぶるように彼女の体を味わい何回も出した。

流石に二人して疲れて眠ってしまった。

先に起きたのは僕だった..本当に可愛いな洋子ちゃんは、洋子ちゃんの髪を優しく撫でた。

彼女はくすぐったそうにしていたが、やりすぎたのかな..起こしてしまった。

「省吾くん..おはよう」

「おはよう..」

「省吾くんは本当に不思議だね…私が夢見た事以上の事を何時もしてくれる」

「そうかな、だけど違うよ…僕が洋子ちゃんにしたい事をただしているだけだよ」

「そうなんだ..だけどね、私、多分今まで生きてきた中で、今が一番幸せ..そう思う」

「それは僕も同じだよ..ありがとう」

「ふふふ、可笑しいの..女の子に抱きしめられて喜んだり、お礼を言う男なんて省吾くん位だと思うよ」

《この世界の男って..馬鹿だよな..こんなに素晴らしい事を嫌がるなんて..だけど、出来ない体だというなら..本当に、不憫だな》

「僕は、洋子ちゃんの匂いも触り心地も全部が好きだからね」

「そう、物凄く嬉しいよ..」

「あっゴメン..また」

「嘘、まだ出来るの…凄いね、省吾くんは」

結局、また朝からしてしまった。

それから二人してシャワーを浴びた。

「あのさぁ..初めてなのに無茶してごめんね?」

《だけど、何で痛みも無く普通に出来たんだろう?》

「ふふ、それは女の子のセリフだよ..だけど省吾くんなら言っても可笑しくないかもね」

「そうだね、所で痛くなかった…僕最初から無茶したからさ」

「あっ、なるほど…男の子だもんね、詳しくないか」

「えっ(何かあるのかな)」

「あの、多分、省吾くんは処女のことについて、言っているんだよね違うかな?」

「そうだけど..」

「随分前から、10歳になると女の子は処女膜切除手術を受けるようになったんだよ…省吾くん知らないの?」

《そんな制度があったんだ…知らなかった》

「うん、初めて聞いた」

「せっかく男性がその気になってやる気になっても、痛がる女性をみて萎えちゃったりする事があったから30年以上前からそういう制度が出来たんだよ…省吾くん..本当に知らなかったの?」

「そうだったんだ…知らなかった…」

「まぁ男だから余り気にならないから忘れてたんじゃないの?」

「そうかも知れない」

その後もいちゃついていたら..結構な時間になっていた..

「それじゃ、私はメディカルチェックを受けて来るね..」

「それじゃ..僕は少し休んでいるから..終わったら起こしてね..送っていくから」

「やっぱり省吾くんは変だよね…送っていくのは女の子の仕事だよ」

………………

………..

「省吾くん..私、準優良母体に認定されたよ」

「それって凄いの?」

「うん、ちゃんと男性を満足させる事が出来るっていう認定だからね..私..女として凄く自信がついたよありがとう」

「それじゃ行こうか」

「うん」

こうして、僕の初体験は無事終わり…卒業できた。

閑話 ありがとう
そろそろ頭を切り替えなければいけない。

この世界では「SEXは美徳」そういう世界だ。

考えて見れば当たり前だ、ただでさえ男女比が30対1の世界なのに…殆どの男は女性に興味が無い。

いや、この世界の男は、興味が無い所か女性を嫌い、SEXを嫌う。

この状態が長く続くと多分…人口が減っていき….最後には人類が滅亡する..

まぁそこまで行く頃には僕は死んでいると思うけど..

だからこそ「SEXは美徳」それをこの世界では全面的に押し出している。

つまり、この世界では童貞は凄く悪い事だと思う。

だって、社会貢献できるのにあえてしない..最悪の人間の筈だ…まぁお前だって昨日までは童貞だっただろう? そういう声も聞こえてきそうな気がするが…

僕の夢はもう叶ってしまった….絶対に前の世界では叶わなかった夢….

それが叶うなら…死んでも良い…そこまで思っていた夢…

神社でお賽銭をいれて神様に願った…夢…

大好きだった星野洋子ちゃんに愛される本当に無謀な夢….それが叶った。

この世界は、本当に僕が欲しかったもの全てをくれた。

前の世界でふと考えた事があった。

《もしかして、好きな子に愛されれば..他は何も要らないんじゃないか》って

だってそう思わないか?

高級な服や時計は何のために必要なのか….

大きな家や高級車、社長という肩書や政治家という肩書…そして財産が何故必要なのか…

「これらは人を引きつけたいから欲しい物じゃないかな? 」そう僕は思うんだ。

例えば、物凄い金持ちが居たとして..誰からも相手にされない人生と、普通の生活だけど誰もが振り返る美女が奥さんで愛される人生なら、多くの人は後者を選ぶと思う。

だから、僕の夢は誰かに愛される事だった。

そして、贅沢を言わせて貰えるなら…その相手が理想の女性、星野洋子ちゃんなら更に良い。

この世界ではその夢は簡単に叶った..だったら今度は僕がこの世界に恩返ししないと、いけないのかも知れない。

神様なのかお星さまなのか….願い過ぎて誰が叶えてくれたのか解らない..だから、自分がお願いした全部にぼくは手を合わせて感謝した。

《ありがとう》

と。

閑話 測定ミス
「君達の目は節穴なのか」

書類に目を通した…まさかのS級案件で部下がミスを起こすとは思わなかった。

「私は、ちゃんとマニュアルに対応して判断したつもりですが…何か間違っていますか?」

「この女性、星野洋子が何で準優良母体なのか説明してくれる」

「男性を満足させて射精に至った..これは男性を満足させたのだから準優良母体ですよね..判断に間違いがあるとは思えません」

「だから君は何時まで経っても役職につけなんだよ..良い、その際にサンプルとして貰った精子の量を確認しなかったのかな..この数値はどう考えるのかしら?」

「嘘、嘘、完全に見落としました..だけど、こんなのってあり得るんですか?」

「私達は科学者よ..だから現実を見ないといけない..」

「つまりは、この女性は1回だけでなく複数回、男性を満足させたそういう事ですか..ですがそんなのって」

「通常はあり得ないわ..普通は数時間頑張ってようやく立たせて、1回…それだって凄い事なのよ..だけど、彼女はあの時間で数回…これはただ人口受精して妊娠した女性よりも遙かに凄いと思わないの」

「凄いと思います」

「そうでしょう、そして調べたら、彼女は凄い事にあのS級の水野省吾様の専属..解かるかな…」

「確かに凄いけど..それがどうかしました?」

「あのさぁ..あんた本当に馬鹿だわ…S級のお気に入りで、何回も満足させられる人間に何で「準」なんてつけるの? 優良母体付けなきゃ駄目でしょう? 更に言うなら…もしかしたら彼女と水野様の間に生まれる子供は、高ランクの可能性も高いのよ..何でVIP待遇しないのよ」

「すいませんでした」

「仕方ないわ、後でアポイントを取って、星野様に謝りに行くわよ」

「はい…そのすいませんでした」

「解れば良いわ…さぁ行く準備しておきなさい。

「はい」

謝りに行くのはちょっと辛いな。

アイドル洋子….涙の決断
《はぁーこれからどうしようか…?》

横でスヤスヤ眠っている省吾くんを見ながら、つい溜息が出てしまう。

結局、今日も朝からデートしてお昼からはここラブホに来て…SEXをしている。

初めて省吾くんと一つになった日の夜、厚生省の大臣が家を訪ねて来た。

そして、私の登録が間違っていて準優良母体じゃなく優良母体だという事が解かった。

正直、自分でも何が起きているのか頭の整理がつかなくなった。

だって、少し前まで、男性との出会いが全く無くて…死ぬ程働いて、アイドル活動していた私が…奇跡的に凄く綺麗な美少年が私のファンで…そのまま付き合ってくれて…初デートであれ程優しくしてくれて、プレゼントまでくれて…そして、その日にはラブホまでいってしまい…信じられない位の快楽のSEXをして…専属登録までしてくれて..

そして、準優良母体だって凄いのに…優良母体登録になった。

はっきり言って、こんなのは漫画や映画の世界だってありえない。

多分、こんな事を書いた小説があったら「こんなご都合主義ありえないよね」と馬鹿にするレベルだ。

ご都合主義のエロゲーの主人公でもあり得ないわ。

だけど、それと同時に凄い不安も沢山ある。

何しろ彼は…Sランクなんだ..Sランクなんて便宜上あるランクで実際には存在しない..そう聞いていた。

だけど、それは冗談でも嘘でも無いのが解る…だってこんな事をしてくれる男性何て絶対に他にはいない。

昔の私と違って、今の私はこの快楽を知ってしまったから…もう他の男なんか見れない…

あれ程憧れていたBランクとの夢物語がただのゴミに上書きされてしまった。

多分、今の私は省吾くんが死ねって言えば、喜んで死ぬし..誰かを殺してって言えば、笑いながら殺してしまうだろう。

その位好きだ。

頭の先の髪の毛~つま先まで、全部省吾くんの物だ。

《彼に独占されたい…そして独占したい》

そんな事ばかりしか考えられない。

これは省吾くんが悪い…だって私の体で省吾くんが触って無い場所なんて何処にもないんだから。

こんな事言ったって絶対に誰も信じないと思う..

逆に、省吾くんの体の中で私が触っていない場所も何処もない。

こんな事を誰かに言ったら…「頭可笑しくなった?」 多分そう言われると思う。

独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい、独占したい、自分だけの者にしたい。

だけど、それはやってはいけない事だ。

世界に1人しか居ない貴重なSランクの男性を独り占めするなんて、許される訳が無い。

私は彼の専属..なら彼の人生や幸せについても考えてあげなくてはいけない…

だけど、彼の綺麗な寝顔を見る度に..彼に愛される度に…

独占欲が高まってしまう….

《せめて妊娠するまではこのままで居たい…そう思ってしまう》

「愛しているわ..省吾くん..」

寝ている彼にキスをした。

省吾君の幸せの為に、私は..涙を流しながらある決断をした。

洋子ちゃんの提案
省吾くんの寝顔に3回目のキスをした時に省吾君が目を覚ました。

「おはよう…洋子ちゃん..」

「うん、おはよう…それでね..」

《正直..これは余り言いたくない..だけど..うん..》

「省吾くん..SEKK64で、私の他に好みの子とか居る?」

「洋子ちゃん以外で?…居ないと言えば嘘になるかな!」

「そうだよね..最初にコンサートに来た時に完璧に振りつけ通りに踊っていたもんね..SEKKのファンでしょう?」

「だけど、安心して、僕が本当に好きなのは洋子ちゃんだけだから..」

「それは、もう解かったわ、物凄く愛されていたのが解かったもの..信じられない位にね」

「そう思ってくれるなら嬉しいよ」

「それでね…省吾くん..専属を増やしてみない」

「えっ..何で..僕は洋子ちゃんだけで充分だよ」

「あのね..私は生涯、省吾くんだけを愛していくその自信はあるわ」

「それじゃ.僕も洋子ちゃんだけを」

「それは駄目だよ..だって省吾くんはSランクなんだもの、沢山の女の子の希望の星なんだから」

「だけど..」

「私だって本当は省吾くんを独占したい…だけど、それは出来ない!」

「….うん」

《これは僕も解っていた事なんだよ…だけどもう少しだけ、2人っきりを楽しみたかったな》

「だからね、私は生涯省吾くん1人を愛します…その代わり、省吾くんは私を何時も一番愛してくれない? それだけで私は幸せだよ..うん、それ以上は望みたくても望めないんだよ」

「そう..洋子ちゃんはそれで良いの?」

「うん、それで良いよ」

《目が潤んでいるよ..これは断れないな》

「うん、解かった..僕は死ぬまで洋子ちゃんを一番愛する事を約束します」

「私は生涯、省吾くん1人を生涯愛する事を誓います」

その日は何時も以上にその後も愛しあった。

気が付くと時間は既に夜になっていた。

「それで、省吾くん…私以外でSEKKで誰が好きなのかな..教えてくれる?」

《これ、案外こたえるな…だって相思相愛の相手から私以外に誰が好きなのって..答えにくいな》

「私は大丈夫だから…教えてくれないかな?」

「言わなきゃ駄目かな?」

「駄目だよ…その人達は、今後、私達のパートナーになるかも知れない人なんだから」

「うん、解かったよ」

「それで、誰が良いのかな? ほらほらいって見なさい..ほらほら」

「えーとね.. 愛野静流ちゃんに紺野愛子ちゃん」

「ふーん、2人も居るんだね..」

《不味い..やっちゃったかな..目が笑ってない》

「嘘嘘..だけど、これ本当なの? 私に気を使ってない? 大丈夫なの」

《これ..私のユニット..ナイトエンジェルのメンバーじゃない? 絶対気を使っているよね》

「嘘ね、絶対これ私に気をつかっているでしょう?」

「それは違うよ…僕はナイトエンジェルのファンで、その中で一番好きなのが洋子ちゃんだった、だから嘘じゃない」

《嘘じゃないよな..ユニット曲も沢山持っていたし》

「へぇーそうなんだ…だったら最初から三人でも良かったんじゃないのかなーーねぇ」

「だけど、僕は洋子推しだから..」

「その、良く推しって言葉を使うけど..それって何なの?」

《そうか、この世界には推しって言葉は無いんだな》

「うん、一番好きって意味だよ」

「そうなんだ..確かにこの二人なら元から仲が良かったから旨く行きそうかな..安心した」

「そう?」

「そりゃSEKKは64人も居るんだから..苦手な子もいるわよ..この二人なら私は良いよ..うん」

「だけど、相手から断られるかも知れないんじゃない」

「はぁ..何を言っているのかな省吾くんは..アイドル活動している女の子が..Sランクなんて凄い男を見逃す訳ないじゃない..」

「そういうもんかな」

「そういうもんよ」

閑話 この世界の裏
「ようやくランクSの人間が見つかりましたのね」

「はい、色々な検査の結果…ランクSどころか完璧な男…パーフェクトナチュラルヒューマンと言っても過言ではありません」

「そう、後は自然分娩による出産と彼から産まれた子供のダウン症が見られなければ次の段階に移れますね」

「はい、今現在、ランクSの水野省吾は、元アイドルの星野洋子を専属にして..その励んでいます」

「その二人の間に生まれた子供こそが我らの希望になる事でしょう…良いですか、彼らの命、特に水野省吾の命は..地球より重い…如何なる犠牲を払おうと守らなくてはならない…その為なら如何なる犠牲も厭わない…わかりますね」

「はい、ミスバージル」

「来るべき日まで、影になり日向になり..守り続けなさい..そして見守るのです」

「はい、我らクラッシャーはいかなる犠牲をいとわず…必ず守り通します」

「人類エデン計画…最重要人物、水野省吾…その命より重要な物はない、そう肝に命じなさい」

「はい」

講演会
私は今日、SEKKに来ている。

マネージャーに頼まれて、SEKKに新しく入るメンバー相手に講演を頼まれた。

「男性獲得の為に必要なのは、日々の努力、それに尽きます」

「そうは言っても、男性に認めて貰えているかなんて解らないじゃないですか?」

「そうですね…だけど、見ていてくれる男性は居るんだ…そのモチベーションを持ち続け、努力するしかありません..本当に..砂の中から金を探す…それに近い努力が必要です」

「やっぱり、その位の努力が必要なのですね」

「そうですね…全員が栄光を手にする…そんな事はありません..ですが頑張らなければ何も手に入りません」

「確かに…ですが洋子さんはそこまで努力して..何が手に入ったのですか…男友達が手に入った..それだけでしょう?」

「それはアイドル卒業の始まりにすぎません..その後も女として努力しなければ本当の幸せは来ませんよ」

《どうせ、ただの友達で…たまに電話で話す位でしょう…偉そうに》

「具体的に、どういう関係になれたのですか?」

「彼と愛し合ったので優良母体に登録されました…あと、彼とあっちの相性が良かったので…専属登録をして貰えました…これがその登録証です」

「嘘…アイドルって頑張るとそこまでなれるの?」

「専属登録…お金を使ったんじゃないの?」

「言って置きますが、私は苦学生ですよ…何しろ握手会に5000円しか用意出来なかった位ですから」

「洋子さん…いえ、洋子さま..それ、本当なのですね」

「頑張れば、皆にもそのチャンスは訪れるかも知れません…頑張って下さい」

「はい」

「はーい、以上でSEKKの卒業生 星野洋子による講演は終わりになります」

………………………..

……….

「凄いのよ、貴方が成功したから、SEKKに入りたいって希望者が山ほどくるのよ..毎日整理しきれない程」

「その割には講演会は余り来なかった気がするんだけど」

「あっあれね…参加費1000万だから」

「本気で言っているの?」

「本気よ….それなのにあの人数が参加しているのよ…凄いわよね」

「えーと3割が私のギャラよね…50人参加だから5億円…その三割って1億5千万が貰えるの?」

「そうよ..凄いわよね..洋子ちゃんも今や時の人だもの」

《アイドルしててお金が貰える日が来るなんて思わなかったな》

「それでねマネージャー、近いうちに何人か引き抜きたいんだけど良いかな?」

「引き抜きって..まさかアイドル業をしようとしている..辞めてよ」

「違うよ…パートナーとして引き抜くの….駄目」

「凄いわ..また卒業者が出るのね…大歓迎よ、じゃんじゃん引き抜いて」

「良いの?」

「当たり前じゃない…卒業者による斡旋もあり..良い宣伝になるわ..あっまさか私に..そうなの」

「ごめんなさい..」

「そうよね..あの子凄く若いものね..おばさんなんか..」

「大丈夫、まだ若いですよ..」

「まだ..ですか」

《何かめんどくさいな》

「それじゃ私、これで失礼しますね」

「はい、ご苦労様」

二人
今日も洋子は輝いている。

「はぁー物凄く羨ましいですわね」

「本当にそう思うよね…この間まで一緒のユニットだったのに」

「そうですわね…今や完全に時の人ですわ…しかも男性保護法で相手の身元は伏せられていますけど..まさか同じ年の美少年とわかったら…世の中の女性は嫉妬で狂いますわよ」

「私もそう思うな…あんな最上級の男性を見たせいか、他の男性を見てもときめかなくなっちゃたよ」

「本当にそうですわね…あのような方が私の物になるなら..会社の一つ二つ喜んで手放しますわ?」

「流石にそれは冗談でしょう?」

「本気に決まってますわよ…流石に友達じゃそこまでは出せませんが…専属になれるなら、例え相手にしてくれなくても一つくらい手放しますわ…本当に心から愛してくれるなら..全部手放しても惜しくはありませんわよ」

「本当の愛…それなら当たり前でしょう…私だって命位投げ出しちゃうよ? 私が言っているのは専属登録だけの話だよ」

「それだって..考えたら羨ましくて、羨ましくて仕方ないですわ..専属登録に優良母体…しっかりとそこまで出来たなんて…悔しくて、思わず涙が出してしまいますわよ」

「はぁー洋子ちゃん…おこぼれくれないかな…」

「無理ですわね、現在、世界で発見された、最高のBランクでも年に6回程度しか性的な衝動がありませんのよ? その6回だって、男性の体調が良くて、機嫌が良い日に8時間も粘ってようやく出来る…そのレベルですわ.」

「流石、静流、その手の事は詳しいね」

「今の話は、世界最高レベルの話しですわ…彼は多分かなりランクは高そうですが流石に世界1位には敵わないでしょうから…半分の年に3回位が妥当だと思いますわ」

「そうだね」

「で、たった年に3回のチャンスを愛子は譲りますか? そうですわね、私が10億積んだとして」

「ないわー…だって専属登録に優良母体登録があれば、もう遊んで暮らせるもん」

「そうですわね…だから絶対におこぼれなんてありえないのですわ」

「あれ..だけど洋子ちゃん何で妊娠してないのに準じゃないんだろう?」

「それはきっと、妊娠率の数値とかが高かったのかもしれませんわ…男性を射止めた上、体もハイスペック..本当に憎らしいですわね」

「羨んでも仕方ないかな」

「そうですわね…そろそろレッスンに行きますわよ」

「そうね」

その時、スマホに電話が掛かってきた。

「星野洋子からですわね…」

「自慢話かな?」

「とりあえず..聞いて見ますわ..多分お惚気でしょうけど..まぁ聞いてあげますわよ」

「仕方ない..私もつき合うよ」

《男の話がきけるかも(ですわ)》

そして二人は…..

パートナー
「久しぶりー静流ちゃん、元気にしてたー」

「まぁ、貴方程では無いですが…元気と言えば元気ですわよ! それで今日は何の用ですの?」

「あのさぁ…私って、SEKK時代、沢山、静流ちゃんに可愛がって貰ったじゃない?」

「そんな事もありましたわね..だけど、今じゃ凄く差がつきましたわ..」

「うん、だけど私…ユニットに加えて貰えて…ダンスも歌も教えて貰って本当に静流ちゃんや愛子ちゃんにはお世話になりっぱなしだなと思って…」

「そうね、だけど洋子が頑張ったから、今があるのですわ…羨ましいとは思うけど、卑屈になる事はなくてよ!」

《この人は本当は凄く優しいんだよな…センターになって虐められそうな私を庇ってくれたり..バイトでお金の無い私に、焼肉弁当を奢ってくれたり…》

(回想)

「あら、洋子さん、相変わらず貧相な食べ物を食べていますね…可哀想だから、この牛上苑の高級焼肉弁当を奢ってあげますわ…会社ごと私のだから気にする事はなくってよ」

「相変わらず一人なんですの? だったらユニットを組んであげても宜しくってよ」

「私と洋子と愛子…三人は誰かが男を射止めるまで何時も一緒ですわ」

「あのさぁ…これからも私と一緒に居てくれないかな?」

「それは、どういう事ですの? はっ、まさか貴方…そっちのけがあったの? 私はノーマルですのよ!」

「違うよ! 私もノーマルで男の子が好きだよ…パートナーになって欲しいって事だよ」

「えっ..パートナーって..あのパートナー…その一緒の男性を愛するってあれですの」

「それです..昔、奢って貰った焼肉弁当のお返しです」

「貴方って子は…本当に」

「ちょっと待って静流ちゃん..今パートナーって聞こえたよ..ねぇ静流ちゃん..ねぇ」

「ちょっと愛子、黙ってて下さい..今重要な話をしているのですから」

「だって、今パートナーって聞こえたよ..違うの」

「そこに愛子ちゃんもいるの?」

「います…いまーす 紺野愛子ちゃんもいますよ..洋子ちゃん」

「煩いですわね..今、私が話しているんですのよ」

「ずるーい」

「それでね、静流ちゃんと愛子ちゃんにパートナーになって貰いたいの…彼からは許可は貰ったから多分大丈夫だと思うよ..駄目かな? 出来たら、早目に顔合わせしたいんだけど」

《二人ともこんなチャンスを逃す訳ないわよね》

「今はどちらにいらっしゃいますの?」

「今はS区のラブホに彼と居るんだけど..」

「直ぐに行きますわ」…プツ

スマホが急になりだした。

「洋子ちゃん、まさかパートナーの話ししてた?」

「えぇ..最初に言って置くけど..」

「そうよね..流石に私まではね..」

「ちゃんと話しを聞いて..ねぇ..勿論愛子ちゃんも一緒だよ…当たり前じゃない」

「本当に..本当に..うえ、うん..いいの」

「いつも一緒だったでしょう?」

「ありがとう、洋子ちゃん」

「どう」 プッ..

「何で最後まで話を聞いてくれないのかな?….まぁ気持ちは解るけど」

約束…愛野静流篇
「マネージャー今日のレッスンは休みますわ」

「どうしたの急に」

「急ぐのでこれで失礼しますわ…」

「ちょっと、ちゃんと説明していきなさい」

「すぐにヘリをSEKKに回すのですわ..ええ最優先で、いいから速やかにまわしなさい」

「ちゃんと説明しなさい」

「それは後日にするのですわ..ではマネージャーごきげんよう..」

「ちょっと」

「あの、マネージャー私も今日のレッスンは休みます」

「愛子さん、貴方迄一体どうしたのかな、真面目な貴方が急に休むなんて」

「洋子さんから連絡があってパートナーにならないかって..これは最優先で良い筈ですよね」

「その理由なら急いでいきなさい..チャンスを逃さないのよ..頑張って」

「はい」

「あの、もしかして静流さんもかしら」

「多分、そうだと思います」

「そう、頑張ってきてね」

「はい」

「やっとヘリコプターが来ましたわ..急いで出して…場所はS区のラブホまで..」

「ちょっとまって静流ちゃん..あたしも載せてってよ!」

「恋は早い者勝ちなのですわ…ごきげんよう」

「ちょっと静流ちゃん..友達だよね? 同じユニットだよね? これからも一緒だよね?」

「ええ、そうよ貴方は大切な友達で、これからはパートナー..だけどそれとこれは別なのですわ」

パラパラパラパラ

愛子の視界から無情にもヘリコプターが消え去った。

「ずるいよ静流ちゃん…」

…………………………..

…………

「はぁはぁはぁ..こちらに星野洋子さんがいる筈ですわ..すぐに..はぁはぁ」

「ええ、話は聞いております、どうぞお通り下さい」

「洋子..洋子来ましたわよ、貴方の大切なパートナーの静流が参りましたわ」

「静流ちゃん..凄く速かったわね.」

「そりゃ、ヘリコプターで飛ばしてきましたから…所で話は本当ですの?」

「勿論」

「はい、これあげますわ…」

「静流ちゃん、これは何?」

「それは牛上苑の会社の権利証なのですわ..受け取って欲しいのですわ」

「要らないよ..静流ちゃん」

「貴方の友情に比べたら、こんなのはゴミみたいな物なのですわ..それにパートナーになるのですから受け取るべきですわ」

《静流ちゃん、頑固だからな..》

「わかった、貰うね..じゃぁ早速だからこれから彼に会おうか?」

「いいのですの? こんなに早く会わせて貰って」

「気を付けてね? 彼は凄く強力だから..」

「はっ 何が強力なのですの?」

………………………

………

「こちらが水野省吾くん、私の専属の相手…ほらコンサートに来てくれた..覚えていない?」

《見れば、見る程…とんでもない美形です…歳だって同い年位..こんな子の専属になれるなんて夢にしか思えませんわ》

「はじめ、初めまして省吾様..わたわたくしは愛野静流って言いますのよ?」

《こんな事ってあるんだな..前の世界で潔癖お嬢様って言われていた愛野静流ちゃんがこんなに噛むなんて》

「こんにちは静流さん、僕の事は省吾って呼んで下さいね..あと会うのは2回目だから、初めましてではないですよ」

「そうでしたわ..私としたことが可笑しいですわ..」

「それでね、静流さん、省吾くんと話したんだけど、明日、省吾くんをエスコートしてくれない?」

「えっ、エスコートって..何をすればよいのですの?」

「静流ちゃん、エスコートって言えばデートでしょう? 頑張ってね」

「デデで、デート初めてあった次の日にデート…洋子さん..本当に良いの?」

「勿論よ、私はここラブホで待っているから..頑張ってね..勿論、ちゃんと省吾くんと仲良くなれたら、その後は専属になって..正式にパートナーになりましょう?」

「あのあのあのあのあのあの..そりゃって、聞こえ方によってはデートして行きつく所まで行ってよいって聞こえるのですわ」

《いつもの貴族のようなお嬢様キャラが可笑しくなっているわ..噛んでるし、》

「そういう事で間違いないよ? 省吾くんもそれで良いよね」

「あの..本当にいいの」

「誰に向かって聞いているのか解らないけど..私は良いよ、静流ちゃんも良いよね?」

「勿論、いいのですわ」

「それじゃ..頑張ってね」

バタン

「静流ちゃん…本当に酷いよ..タクシーがなかなか拾えなくて..」

「恋愛は早い者勝ちですわ..早く着いた分..得しましたわ..早速デートの約束ができました」

「えっ、洋子ちゃん..それ本当なの?」

「うん、本当だよ」

「静流ちゃん…ずるいよ..私だって」

愛子は大粒の涙を流し始めた。

閑話 収監所送り
中央集権国会。
男女比の異常化が進む中、最早国単位では対応できなくなり、各国の代表が集まり対応する場所として設立されたもの。
ここでの決まりごとは全てに優先する。

今迄の保護法案もここで決まられてきた。

だが、今回の議題は、過去にない程に白熱してきた。

「ミスバージール…それは幾らなんでも非人道的ではないですか?」

「いえ、ミスクロム、冷静に考えて下さい。DランクやEランクの男性は本当にこの社会に必要なのでしょうか? Eランクは実際には何も使い道はありません、Dランクにしたってまともな精子ではなく、妊娠その物をしにくい上に、妊娠しても子供が奇形だったり..虚弱だったりとこの社会に対応できる者には育ちません」

「それはそうですが、だからといって…いきなり手当を与えない等..死ねという事では無いですか?」

「では、ミスクロムにお聞きします..同じような状態の女性は、助けて貰えてない実情をどう取りますか?」

「ミス、バージル、今回の議題は男性についてのみです..その質問は逸脱しています」

「では、本来の話に戻します、DランクとEランクの男性は手当を支給して自由に暮らすのではなく、収容所で纏めて生活させては如何でしょうか?」

「それは男性保護法に引っかかるのでないでしょうか?」

「だから、そこから換える必要があるのです..悪い反面だけではありませんよ..そこに収容する事で、治療が受けられます」

「治療?」

「はい、薬や治療を加える事により精育プログラムを施す事が出来ます..可能であれば子供のうちから収監して妊活しやすいように精神育成も可能かもしれません」

「確かに一理あります..多数決で決議で宜しいですか?」

「お願いします」

「多数決の結果、ミスバジルの「低ランク男の収監所送り」が決まりました」

これにより DランクやEランクの男性はその生涯を病院兼刑務所のような施設で過ごす事になる。

これは一見酷い事に見えるかも知れないが…女性が嫌いな者が多い男性がDやEに多い為、すんなり受け入れられた。

だが、これはまだ、これから起こる事への序章に過ぎなかった。

約束…紺野愛子
「ズルい、ズルい、ズルい、ズルい、ズルい..静流ちゃん..ズルい、ズルい」

静流ちゃんが省吾くんとデートする話を聞いた瞬間、愛子ちゃんが壊れてしまった。

「ちょっと待って洋子ちゃん…先にデートするのが静流ちゃんというだけで愛子ちゃんとも、ちゃんと省吾くんはデートするよ?」

「待って..先に静流ちゃんが…その..やれた後じゃ..私の時には..そのね..チャンスないじゃない」

《大丈夫だよ、愛子ちゃん..ちゃんと最後までいけるよ..》

《本当?》

「ほら、不貞腐れてないで..紹介するからさ」

《ああああああっ私、男の子の前で何てことしちゃったんだろう..わああああ》

「えーと、こんにちわ愛子ちゃん、水野省吾って言います..これから宜しくね」

「はじめまして…省吾さん」

「あのさぁ..2回目だから初めてじゃないよ…愛子ちゃん、ほらコンサートで会ったでしょう?」

「そうでしたね..うん、緊張しちゃってごめんなさい」

「大丈夫だから気にしないで、それで明日のデートは静流ちゃんと約束しちゃったから明後日で良い?」

「あの、そんなに早くにデートしてくれるんですか? 大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だよ、デート楽しみにしているから、エスコート宜しくね」

「うん、愛子頑張る!」

《この人…まるで神じゃないかな..こんなに優しい男性って本当に居たんだ》

「あの、洋子ちゃん本当にありがとう!…本当にありがとう!」

「それじゃ、静流ちゃんも愛子ちゃんもじゃーね..」

「えっどうしてですの? これから将来について話ししませんの?」

「そうだよ、洋子ちゃん、色々話し合わないと…」

「あのさぁー..明日は静流ちゃんが、明後日は愛子ちゃんが彼と過ごすんだよ? 今日は私に決まっているでしょう?」

「「えっ」」

「ほら、省吾くん、今日はもう少しね..頑張ろうね」

「えっ、うん」

《他の女の子に見られながらホテルに入るのって..無茶苦茶恥ずかしいな..》

「さぁさぁ、話が終わった所で、直ぐ行こう、今行こう..さぁさぁさぁ」

「うん」

「ちょっと待ちなさい、いや待ちなさいですわ」

「洋子ちゃん、少し話し合わない…邪魔しないからせめて1時間、いや30分位お茶しようよ」

「はい、はい、それは明日からね..今日はこれで..バイバイ」

「「待って(ちなさい)」」

「待たないよーだ」

「ちょっと」

「すいません…ここから先は登録された方か男性の方以外は立ち入る事は出来ません」

「「待って(ちなさい)」」

…………………

………..

「だけど、洋子、凄く幸せそうでしたわね」

「本当に..まさか本当に加えて貰えるなんて思わなかったよ」

「本当に、私だって貴方や洋子には友情は感じてますわ..多分一番の親友ですわね..」

「その割には、さっき置いていったよね」

「そうですわ..だけど、同じ立場なら愛子も同じ事しないかしら」

「する…と思う」

「そう考えたら、洋子って…凄く優しい子なんだと思いますわ..」

「同じ立場なら..紹介すらしないと思う」

「私も同じですわ…だから、洋子はとびっきり優しい…旨く言えませんがそういうことですわ」

「はぁ…自己嫌悪…これからはちゃんと友情も育まないとね…静流ちゃん?」

「何か、含みがありますわね…でも同感ですわ」

「私も洋子ちゃんに何かしないとなー何か一緒にしない?」

「私はちゃんと感謝の印として牛上苑の会社の権利を上げましたわよ…まぁクズみたいなものですが?」

「嘘、あの牛上苑..日本一の高級焼肉店でお弁当が5000円する….あの会社」

「当たり前ですわ…正直、こんな物では全然足りて無いですが…あの子、美味しそうにお弁当を食べていたのを思い出したから、とりあえず上げましたの」

「はぁー やっぱりずるいよ静流ちゃん…私はそこまでの物あげれない物」

「これも勝負ですわよ」

「ハンデ頂戴…切実に思う..」

————————- 第37部分開始 ————————-
【サブタイトル】
デート 静流 その?

【本文】
明日が凄く待ち遠しいですわ。

ようやく、ようやく男の方とデートが出来るのですわ…永かったですわ。

握手会に300万円も突っ込むも、きたのはジジイで、それでも男だと思って相手したら、お金だけとってさっさと帰っていきましたわ。

それが私の唯一の男性との思いで…それが明日、明日はデート。

今日のうちに色々と予約を済ましましたわ…後は..寝るだけですのに…眠れませんわ

結局余り眠れませんでしたわ…

さぁ、約束の時間まで一時間…そろそろデートにむかっても大丈夫でしょう。

私は颯爽とヘリコプターに乗って、愛する省吾様の所にむかいます。

特別愛育施設ホーム、通称ラブホ..女なら憧れの施設、いつもなら絶対に入れない施設..ですが今日の私は主人公、堂々と入れます。

「水野省吾様を呼んでくださいませ」

「畏まりました、暫くお待ちください」

ロビーで待つ事5分..とうとう、省吾様がきました。

階段から降りてくる、省吾様の凛々しさに思わず見とれてしまいます。

「おはようございます!静流さん」

「おはようございます…省吾様」

私としたことが…次に何を話して良いのか思い浮かびませんわ。

「あの、今日は何処か連れてってくれるんでしょう? 何処に連れてってくれるの?」

「それは着いてからのお楽しみですわ」

昨日のうちに幾つか貸し切りにしておいたから大丈夫ですわ。

「それでは省吾様、行きましょう」

「うん」

「まずはこのヘリコプターに乗って下さいですわ」

「へ、ヘリコプター…凄いね..」

《確かにお金持ちでお嬢様なのは知っていたけど..此処までなんだ》

「大した事ありませんわ…もう少し時間が合ったらもっと良い物を用意出来たのですが…」

「これでも凄いよ、僕ヘリコプターに乗るなんて初めてだ..ありがとう..静流ちゃん」

「ああああああっありがとうって、ありがとうっていいましたわ」

《省吾様は私を悶え殺すつもりですか..》

「そりゃ..ありがとう位いうよ..静流ちゃん..おーい、静流ちゃん」

「すいません..思わず意識が飛んでいましたわ」

僕は静流ちゃんに続いてヘリコプターに乗った。

「凄い、凄い、空を飛んでいる..」

「省吾様、ヘリコプターは空を飛ぶのは当たり前でしてよ」

「そうだね、だけど、空から見た景色は僕初めてだ..ありがとう静流ちゃん」

「これ位大した事じゃありませんわ..どういたしませですわ…そろそろつきますわ」

「ここって」

「夢の世界..ネズミ‐ランドですわ..今日は貸し切りましたので思う存分遊びましょう」

「うん」

「さぁいきますわよ」

僕は、静流ちゃんがこちらに向けた手を握った。

「うん、行こう」

「あの..省吾様、手…」

「うん、嫌じゃないなら手を繋ごう..駄目かな?」

「駄目な訳ありませんわ..本当に手を握って良いんですか? 後で冗談とか言いませんわよね?」

「言わないよ..ほら…あっ折角だからこっちにしようか?」

《嘘嘘嘘嘘..これは夢にまで見た恋人繋ぎって奴ですわ..本当に良いのでしょうか?》

「もう、ほら結構照れるから行こうよ?」

「手ててててを握って貰っちゃてますわ…暖かい、柔らかい手..ジジイとは別物ですわ」

「あはは静流ちゃん、変なの、さぁ何処から行こうか?」

「そそそそそうですわね、省吾様に任せますわ」

「そう、だったら最初は食事にしない?…結構早くに迎えに来たから僕まだご飯食べていないんだ..駄目?」

「そうですわね、私も少しお腹がすいてますわ…レストランにでも行きますか」

「うん」

…………………..

………

ここでちょっと僕は悪だくみをする事にした。

「あのさぁ、メニューは僕が頼んでも良いかな?」

「勿論、構いませんわ」

「すいません、オムライス大盛りで一つにケチャップは容器ごと貰えますか? 後、炭酸ソーダのBIGサイズ一つにストロー2本下さい」

「オムライスで良いんですの? 他にも沢山メニューがありますのに..所で何で一つですの?」

「それはきてからのお楽しみです」

「普通のオムライスですわね..まぁ大盛だから大きいですわね」

「これはね、こうするの!」

僕はケチャップで 大好き静流ちゃんと書いてその文字をハートマークで囲んだ。

「こんなの見た事ありませんわ…ただのオムライスが凄いご馳走になりましたわ..食べて宜しんですの?」

《これはとんでもない価値ですわ..幾らですの? 値段がつけられませんわよ..これ》

「食べて良いけど..これはこうやって食べるの..静流ちゃんあーんして」

僕はスプーンでオムライスを救って口元に運んであげた。

「あーんって何ですの? まさか、まさか、まさか、まさか..それ食べて良いんですの?」

「そうだよ」

あっ、凄く顔が真っ赤になっちゃった、元の世界なら、多分平然としてお嬢様でクールビューティーなのに。

静流ちゃんがゆっくりと口を開いてスプーンに近づいてきた。

「はい、あーん」

「あーん」

《これ、凄いですわ..こんな事してくれるなんて..夢見たいですわ..こんな食事の仕方初めてですわね…こんな食事の仕方させてくれるなら、どんなに不味い店でも、五つ星になりましてよ》

「どう、美味しい?」

「ええ、凄く美味しいですわ..こんな美味しいオムライスは初めてですわ」

「そう、じゃぁ今度は..食べさせてね あーん」

「えっえっえーーー」

《嘘ですわ、私の口に入ったスプーンで良いんですの、 これは…関節キスですわ》

「早く」

「解りましたわ..はい、あーん」

《これ、連続関節キスなのですわ..省吾様は私を萌え殺そうって言うんですの? 心臓がドキドキして手が震えてきましたわ..緊張で喉も乾いてきましたわ》

「ジュースが飲みたいの?..一緒に飲もうか?」

「一緒って何ですの?…あっストローが2本刺してありますわ、まさか..」

「うん、ほら、そっちから飲んで..僕はこっちのストローから飲むから」

「それじゃ頂きますわね」

(厨房にて)

「愛野のお嬢様、このデートに幾らつぎ込んだのかしら」

「10億はいっているんじゃないか? そうじゃなきゃ若い男があんな事するわけないだろうしさ」

「お嬢様か、羨ましいな…お金が私にもあれば..」

「あれだけの美少年だから..我々には手が出ないな」

「そうだね」

《そういえば洋子がいってましたわね「気を付けてね? 彼は凄く強力だから..」こういう事なのですわね..これは強力なんてものでありませんわよ…最強ですわ》

…………………..

………

「さぁ、ご飯も食べたし行こうか? 何処からいく?」

《また手を繋いでくれますのね》

「省吾様が行きたい場所なら何処でも良いですわ」

《正直、もう何処でも、何でも良いですわ…だって省吾様が手を繋いでくれて横を歩いてくれる…なら何に乗っても同じですわ….貴方が傍に居るのが楽しいのですから》

結局、20個以上のアトラクションを楽しんだ。

「ここ借りるの大変だったでしょう?無理してない?」

「大した事無いですわよ」

《喜んでくれるなら5億使ったかいがありましたわ》

「それなら良いんだけど…そうだ、お返しを兼ねて此処から後は僕がエスコートしても良いかな?」

「えっエスコートしてくれるんですの? 勿論、良いですわ」

ここネズミ‐ランドを夢の国なんて言うけど…省吾様、貴方の方がそれ以上の夢ですわね。

デート 静流 その?
横を見ると恥ずかしそうに手を繋いだ静流ちゃんが居る。

「省吾様、急に私を見つめてどうかなさいましたの?」

「いや、すごく可愛いなって思って」

「そんな嫌ですわ..私なんて..そんな..急に..でも凄く嬉しいですわ..そのありがとうございます」

《こんな事言ってくれる男性がこの世に居るなんて信じられませんわ..しかもこんなに若くてカッコ良いのに..こんなの妄想の世界でしかありえないですわ》

静流ちゃんは嬉しそうに僕の腕を掴んでいる..本当に大切そうに、何回も転びそうになったけど、それでも決してやめない。

多分、前の世界でこんなデートしてたら…多分、僕は殺されると思う。

これは決して冗談じゃない、愛野静流のファンは「静リスト」もしくは「静流教徒」と言われる過激なファンが多い。

どちらのファンも物凄く、頭が可笑しい。

何しろ、「愛野静流はトイレにも行かない」 そんな事を本当に信じている。

実際に、SEKKのコンサートで 「馬鹿じゃ無いの? どんな綺麗な子だってう●こはするって」そう言った他の子のファンが居た。

その瞬間に静リストに囲まれ、凄い暴行を受けた。

あの時に警備員が助けに入らなければ、多分死んでいたと思う。

愛野静流のファンは他の子のファンとは違う、まるで愛野静流を女神のように扱う。

その為陰で「静流教徒」何て呼ばれる。

だが、当のファンは静流教徒と呼ばれる事に誇りを持っている…何とも言えない人達だ。

その彼らの女神を独占してデートしている…確実に殺されると思う。

本当に、この世界の男性は勿体ないと思う…洋子ちゃんもそうだけど、前の世界なら絶対に手に入らない位の美少女が、これ程尽くしてくれるのに、冷たい態度を取るなんて、前の世界の僕が見たら「お前、何様だよ」と殴ってると思う。

「所で、省吾様は私を何処に連れてってくれますの?」

「買い物して、その後はラブホに行くつもりだけど」

「ラ、ブ、ホ….本当に良いのですの? 一応は準備はしてきましたが..本当に良いんですわね」

「うん、嘘は言わないよ」

《うわ、お嬢様系の美少女から口に出されると..思わず、こっちも赤くなるよ》

「あっ、その前にちょっと待ってて..」

「えっお菓子屋さん..」

僕はお店に入り、ガロワナミルクチョコレートを買って来た。

「板チョコが食べたかったんですの? それならベルギー産の物をご用意しましたのに」

「だけど、僕は、このチョコレートが食べたかったんだ」

僕はチョコレートを二つに割って半分を渡した。

「とても嬉しいですわ、早速」

「違うよ、そのチョコレートは僕の分、静流ちゃんのはこっち、ほら、あーん」

「こここここれも、あーんなんですの? 本当に良いんですの?」

《スプーンじゃなくて指でしてよ…直接口に指が当たりますのよ..解っていますの? 後で嫌だなんて言ってももう取り消しはききませんのよ!》

「良いから..ほらあーん」

「あーん…うん」

《何て官能的なんですの..私の口に省吾様の、省吾様の指がふれますわ》

「今度は静流ちゃんがする番だよ」

「解りましたわ..はい..あーん」

《今度は私の指が…省吾様の口に触れましたわ..あぁこの指を口に出来たらもっと幸せですのに》

これは、前の世界のコマーシャルの再現だ。

静流ちゃんは前の世界でガロワナミルクチョコレートのCMをやっていた。

バレンタインのシーズンのコマーシャルで、屋上に大好きな彼氏を呼び出した静流ちゃんは、チョコレートをパキッと二つに折って、その片方を差し出して「ほら、あーんして」と言って食べさせるそんなCMだった。

そのシーンがまるで自分に言っているように見えるのでファンは録画して何度もみているらしい。

「終わっちゃったね..行こうか」

《あああ、何て光景ですの..チョコレートの付いた指を省吾様が舐めましたわ..あれは私の唇に触れたチョコの残りですのに….今なら私がしても大丈夫ですわね》

同じ様に指を舐めましたわ..これなら変じゃないですわね

「はい..」

《嘘、私のつばがついた手をそのまま握られてしまいましたわ…顔から汗が噴き出そうになりますわ..気が付かれませんように…気が付かれませんように…》

…………….

………

「洋服屋さんですのね?」

「うん、注文していた服があるからね..後で着てね」

「宝石屋さんですの?」

「後でつけて欲しい物があるからね」

「えーと、ちょっと頭を整理して宜しいかしら?」

「どうしたの?」

「さっきの話を聞いた感じだと私へのプレゼントの様に思えるのですが..その自意識過剰とか言わないで下さいませね」

「そうだけど?」

「本当に私へのプレゼントですの?」

「そうだよ」

《嘘ですわよね…流石にこれはあり得ませんわ…男性がプレゼントをくれる何て..これいったい何ですの..あり得ませんわ…そうだ夢なのですわ..こんな都合の良い話はあり得ませんの》

「有難うございますわ..本当に..」

《これはやっぱり夢ですわ..》

「それじゃ行こうか..」

「どこに行きますの?」

「あの、ラブホに行こう!」

省吾様は私の手を力強く握りしめた..そしてグイグイと引っ張って歩き出した。

良く見ると省吾様も物凄く顔が赤い。

男性が勇気を振り絞って誘ってくれた…こんなに嬉しい事なんてありませんわ。

私の夢は..まだまだ覚めないらしいですわね。

体験…愛野静流 ?
ラブホに入った。

そこには洋子ちゃんが待っていた。

「どうだった静流ちゃん、言った通りだったでしょう?」

「えぇ..強力どころか、最強でしたわ」

「だけど、省吾くんを知るのはこれからよ…それじゃね、省吾くんも、静流ちゃんも明後日ね…それじゃぁね」

「もう行かれますの?」

「今日は静流ちゃんの日だからね…愛子ちゃんの時には来る気はないけど、静流ちゃんはあがり症だから少し心配していたのよ…旨く行っているようだから安心したわ…それじゃ、邪魔者は帰るわね」

それだけ言うと洋子ちゃんは帰っていった。

少し、静流ちゃんは緊張がほぐれたような気がした。

そして、僕と静流ちゃんはホールにいる。

ラブホには洋子ちゃんの時には気が付かなかったけどホールのような場所もあった。

いきなり、部屋にはいかずそこに行った。

静流ちゃんはラブホに慣れていないせいかキョロキョロしている。

「はい、これに着替えてきてくれる?」

「これはさっき買ってくれた服ですわね..解りましたわ」

……………

…….

「凄いドレスですわね、一生大切にしますわ」

洋子ちゃんの時とは少し違い紫のドレスにした。

勿論、静流ちゃんもこのドレスの意味は解らない…実は僕もウェディングドレスを見た事がないから殆どオリジナルだ。

「凄く、綺麗だ」

思わず口から洩れてしまった。

前の世界で彼女から愛される為にはどの位の努力が必要なのだろうか?

少なくともIT企業の社長位になって年収で数十億、その位じゃなきゃ決して釣り合わないだろう。

「綺麗だなんて恥ずかしいですわ…私殿方と、その余り接した事がありませんの..ですが嬉しくて、嬉しくて仕方ありませんわ」

この世界じゃ…そうなのだろう、だけどこれは男の憧れ、本当の箱入りのお嬢様だ。

「喜んでくれたなら、一生懸命ドレスを考えたかいがあったよ..うん、本当に似あっているよ」

「これって、省吾様の考えたオリジナルドレスですの? 本当に信じられませんわ」

《正直言って…世の中にこんな男性が居るなんて信じられませんわ..こんな人って物語にも小説にもいませんわよ..》

「喜んでくれてありがとう」

「あの、これから何すれば良いんですの?」

「えーとこの指輪をねクスリ指にはめて欲しいんだ」

「これもプレゼントですの?…男性からプレゼント貰うなんて..何を返してあげれば良いのか解りませんわ..そうですわ..私の持っている会社にエネルギー開発事業をしている会社がありますのよ..それを油田ごとあげますわ」

「そんなの要らないよ、このプレゼントのお返しなら指輪をクスリ指に嵌めてくれれば良いよ」

「それは何か意味がありますの?」

「ほら、お揃い…洋子ちゃんも一緒だよ」

「お揃いなのですね..ありがとうございます」

《お揃いの指輪をつけてくれる男性なんて省吾様以外はおりませんわよ..こんなに幸せで良いのでしょうか? 本当に信じられませんわ》

僕は指輪を嵌めた。

「静流ちゃん、僕と専属契約を結んで下さい」

「本当に、本当に私で良いのですの? それにまだ、何も試されていませんわ、そんな簡単に決めてしまって宜しいんですの?」

そういえば洋子ちゃんの時にはこれを忘れていたな。

「うん、僕の専属になって下さい」

そう伝えると、僕は静流ちゃんに口づけをした。

《嘘ですわ、嘘ですわ..専属契約の話だけでも嬉しいのに、男性から口づけされるなんて…本当にこのまま死んでも良い…そう思ってしまいますわ..触れた唇が、触れている部分の体が全身で女として喜んでいますわ…》

「うんぐ、喜んで」

《かっこ悪い事にそれしか答えられません…体が頭の中の全てが彼に塗りつぶされていきますわ..もう彼の事しか考えられませんわ》

口を離された瞬間寂しさと恥ずかしさで頭が一杯になりましたわ。

「それじゃ行こうか?」

「はい…」

「ここは? どこですの?」

「うん、まずは専属契約をしようよ」

「役所でなくここでできますのね? ラブホって凄いですわ」

二人して書類を書いて提出した。

すると、洋子ちゃんの時のように静流ちゃんはプレートを受取った。

「これが、これが専属契約プレートですのね…世界中のどんな宝石よりも綺麗に見えましてよ」

静流ちゃんは本当に涙を流しながらプレートを大切そうに握っていた。

体験…愛野静流 ?
部屋についた。

「それじゃ、僕からシャワーを浴びてくるね」

「はい..」

《どうしましょう..とうとう、とうとう来てしまいましたわ..瞬間が..シャワーの音が凄く悩ましいですわ、あの音の先に一糸まとわない省吾様が居るなんて、考えただけで悶えてしまいます》

「ふぅさっぱりした..シャワー空いたよ、静流ちゃん」

「はい..行ってきますわ」

《ここから出たら、いよいよ経験できますのね..女として最高の瞬間でしてよ..ちゃんと準備もしたし、これで問題無い筈ですわ》

「省吾様、準備が出来ましたわ」

《これなら問題なく愛して貰える筈ですわ》

「静流ちゃん..それって、あはははははははは、何それ」

僕は笑いを我慢しようとしたが、無理だった。

だって、静流ちゃんは前の世界で言うもじもじくんタイツみたいな服をコンドームみたいなゴムで作ったスーツを着ていた..まるでお笑い芸人が来ているタイツみたいなスーツに見えてしまう

「そんな、酷いですわ…私一生懸命考えたのに..ごめんなさい..私みたいな者が愛される訳ありませんわね」

「違うよ静流ちゃん..」

「違いませんわ..私のこんな体..笑われる位貧相ですものね」

「違うって..静流ちゃんは綺麗だよ」

「嘘嘘嘘嘘嘘ですわ! 私の体が笑ってしまう位可笑しいからお笑いになったのでしょう」

泣きながら静流ちゃんが出て行こうとした。

「待って..」

「嫌ですわ..馬鹿にされるのも、同情も惨めになるだけですわ!」

僕は、静流ちゃんを押さえると、ゴムのスーツを破りはぎ取った。

「何をしますの..そんなに私を馬鹿にしたいのですの..良いですわ、好きなだけ見て馬鹿にすれば良いでうわよ..貴方何なんか..大..うぐっ」

僕は静流ちゃんを抱きしめキスをした。

「うぐ、うぐうんぐ..ぷはぁ..何をなさいますの…私の事は嫌いなのですよね」

「何で、そうなるのかな..僕は静流ちゃんの事は大好きだよ」

「嘘です!嘘です!..信じられませんわ..うぐっうぐ」

「だったら、信じてくれるまでキスを辞めないよ」

「うぐうぐうぐ..ううん..うぐ..解りました、解りましたわ..だからその口を離して下さいまし」

《こんなに熱いキスをされたら..頭が溶けてしまいますわ..こんな事してくれる人が私の事を嫌いな訳ありませんわ》

「うん、解かった..それじゃ、続きしようか?」

「ですが、ラバースーツは…省吾様が破かれてしまいましたから替えはありませんわ」

「要らないよ..そんなの」

「要らないって.私は裸ですのよ..裸の女性になんて触れらたくない筈ですわ..こんな醜い体、見たいなんて男性なんていませんわ」

この世界は絶対に可笑しい..前の世界なら全ての男が見たがるのに。

「僕は静流ちゃんの裸..好きだよ..笑ったのはあの変なスーツが可笑しくて笑っただけだよ」

「えっ..そんな訳..うぐっ..ない」

「そう、だったら信じさせてあげる」

「えっえっえーーーちょっと待って、ちょっと待ってですわ..いきなりそんな所..これ、私が知っているのと全然違いますわ..嘘、そんな所..何で..はぁぁぁぁぁ駄目ですわよ..あん」

何なんでしょう? 何なんでしょうか? これ信じられませんわ..体が溶けてしまいますわ..これがSEXだって言うなら..マニュアルに書いてあったものって何ですの? 全然違いますわ。

体が本当に熱くなってしまいます。 溶けてしまい省吾様と一体になった気がします..

体のあらゆる所全てが触られて..私も省吾様を感じられるようになった時に初めて終わりました。

「はぁはぁ、これが省吾様ですので、凄いですわ..もう私..」

「まだ終わりじゃないよ?」

「えっえっ省吾様、ちょっと待って下さいまし..これ以上されたら私..もう可笑しくなっちゃいます」

……………….

………

「はぁ、はぁ、はぁ凄すぎますわ」

そう言って静流ちゃんは動かない。

静流ちゃんを腕枕すると..僕は眠くなり…そのまま静流ちゃんを抱きしめるように寝た。

……………..

………

《あれっ..ここは何処ですの? 何で私抱きしめられて..えっえー 省吾様の顔がこんな所に…ここは天国ですわね..もう少しこのままが良いですわ》

結局、静流は1時間近く、抱き締められている状況を楽しんでいた。

「あれっ静流さん、おはよう!」

「はい、おはようですわ」

二人でシャワーを浴びて、そのまま一階に降りた。

「私メディカルチェックを受けてきますわ」

「じゃぁ、ラウンジで待っているね」

流石に、お腹すいたな..僕は近くのお姉さんに朝食をお願いした。

「どんな朝食がお好みですか?」

「それじゃ、洋食で軽い物を二つお願いします」

「畏まりました」

「省吾様…不思議な事に準優良母体じゃなくていきなり、優良母体に登録されてしまいましたわ」

「それって凄いの」

「えぇ..最高のステータスですわ..本当に夢みたいですわ…夢が殆ど全部叶ってしまいましたわ…あとはそうですわね…妊娠できたらもう最高ですわ」

「ははは..そうだね」

すっかり忘れていた…この世界のSEXは全て子作りに繋がっている。

「省吾様に似た子供が生まれたら..凄く幸せですわ」

「うん、僕もそう思う」

「さてと、この朝食が終わったら明日までお別れですわね..もっと一緒に居たいですが、あとの時間は愛子の時間ですわ..あの子は結構不器用ですが、私の可愛い妹分ですの、優しくしてあげて下さいね」

「あれっその割には置き去りにして来たんじゃなかったかな?」

「例え、本物の姉妹でも、恋愛は戦争なのですわ!」

「そうかな」

「そうですわ…それじゃ、そろそろいきますわ」

足を引きづるように歩く静流ちゃんが物凄く愛おしく感じた。

だから僕は彼女の手を引きキスをした。

「本当にもう、こんな事されたら益々、好きになってしまいますわよ」

今度こそ、静流ちゃんは笑顔で帰っていった。

閑話:男もどき
「えっ、DランクとEランクの男性は収容所に行く事が決まったのですか?」

「はい、大切な息子様を手放すのは..お心が痛みますが..」

「あの、それに関して、何か手当は頂けるのでしょうか?」

「僅かながらですが…」

「それなら構いません、連れて行って下さい」

「宜しいのですか?」

「はい、正直、男性に対して夢は持っていました..ですが息子を見ていると、そんな良い物に思えなくなってきました、姉や妹に暴力を振るうし、一生懸命気に入られるように頑張っても罵倒されるだけ…疲れました..」

「そうですか..お気の毒に..ですが..これは低ランクだけなんです..その事だけは考えて下さい」

「はい」

…………..

「何だお前は」

「女の居ない世界に行きたいのでしょう? 連れていってあげるわ」

「本当か..解かった、すぐ連れて行け」

「何故、僕のマンジョンに女が入って来るんだ」

「今度、政府の方で男性だけが暮らせる施設を作りました、貴方はそこで暮らす事になります」

「女が居ない施設なのか? いいね、それ連れて行ってくれ」

何故こうなってしまったんだ。

僕は裸で鎖でつながれ牢に入れられている。

周りを見ると沢山の男性が同じように繋がれていた。

暫くすると女が通った。

「おい、お前、俺を助けろ」

「何を言っているのかしら? 男もどきが」

「貴様、政府に訴えてやるぞ..俺は貴重な男だ..そんな態度許される訳が無い」

「あら、知らなかったのね…貴方達はもう保護対象から外れたのよ..それに女をまともに妊娠させられない男に何の価値があるのかしら」

「だが、それでも男だぞ、俺は」

「数日前に男性保護法が変わったのよ..もう貴方達は保護の対象じゃ無いのよ..社会が変わったの..だって幾ら男でも真面に子供を作れないクズを何で保護する必要がある訳..ようやく社会が動いたのよ」

「保護の対象から外れたのか..嘘だ..そんなハズはない」

「男もどきに説明する時間も勿体ないけど..馬鹿なお前に教えてあげますよ..良いですか、今迄は男に対して国も世界も優しくしてきました…ですが..本当に害悪なのは貴方達、男の力も無いのに男を気取る虫けらです..だってそうでしょう? 女の多くは男でいう所のBランク以上..妊娠出来ない女性何て一握りしかいない..子供が増えていかないのは主に男性側に問題があります..そして、その中で一番有害なのは妊娠させられない貴方達に原因があります」

「何だよ…それ」

「だから、貴方達はここに死ぬまで収監される事に決まりました」

「だが、なんで裸なんだ」

「あら、殆どの男性もどきが言ってましたわ..女に触れられたくないって」

「だから、何だよ」

「服も家電も全て、女が作った物ですわ、汗水たらしてね」

「詭弁だ」

「この世界で男が作った物なんて何もありません..だから貴方達には何も与えません」

「まさか..」

「ええ食事もね..このまま此処で飢え死にしなさい」

「そんな、そんな…それでも俺は男だぞ」

「男じゃありませんよ..男もどき..子供も作れない..この世で一番価値がない存在..大切な男を名乗らないでくださいね..貴方達は別に殺しても良いと上に言われてますので」

「俺は..男で無い..のか」

「はい、男ではありません、男もどきです..この世のゴミですね」

デート 愛子 ?
僕は着替えてラウンジで紅茶を飲んでいた。

「貴方の愛子…紺野愛子が来ましたー えへへ」

前の世界で良く聞いた、「貴方の愛子」は愛子ちゃんが良く使うフレーズだ。

この屈託の無い笑顔から「皆んなの妹」というキャラクターを確立している。

本当は洋子ちゃんよりも年上なのに、一緒に並ぶと妹にしか見えない。

「愛子ちゃんは本当に元気だね」

「うん、愛子はいつも元気だよ」

元気いっぱいの明るい妹みたいな女の子…それが愛子ちゃんだ。

そして、冬だろうが彼女はミニスカートを必ず履いている。

彼女の自慢は凄く長くて綺麗な足だ、それが妹キャラと重なって最高の魅力となり100万ドルの足のはずなんだけど….

何で彼女は..ズボンなんだろう。

「あれっ 愛子ちゃん何でスカートはいて無いの?」

「省吾さん、愛子、スカートなんてはかないよ? 男性に嫌われるから」

この世界の男は馬鹿なんじゃないだろうか?

これを見ないで何を見るんだろう..沢山の男の視線を釘付けにした足なのに。

「ごめんね、勘違いだったみたい」

「そう、だけど、省吾さんが見たいならスカートを履いても良いけど..女の子のスカート姿なんて見たくないよね」

「僕は、愛子ちゃんのスカート姿なら見たいけど」

「マジですか?」

「マジです」

「そう、それならデートの前に洋服屋さんに行こうかな、省吾さんの好みのスカート履いてあげるよ!」

「本当? それは凄く楽しみ」

「省吾さんって凄く珍しいね」

《女の足が見たい、なんて男性がいるとは思わなかった…確かに静流ちゃんや洋子ちゃんは長くて綺麗って言ってくれるけど…女性の体なんて..男性は気持ち悪がるだけだと思ってたけど…省吾さんは違うのかな?》

「そうかな、愛子ちゃんの綺麗な足なら見て見たいってのは普通だと思うけど…そうだ、今日は何処に連れて行ってくれるのかな?」

「それがね、愛子徹夜で考えたんだけど..男の子が好みそうなデートが解らなかったんだ..だから、省吾さんがいきたい場所を教えてくれる? 移動手段を調べたり、お金は全部、愛子が出すから」

「僕の行きたい場所ね…」

《そう来たか》

「沢山あるでしょう? 男の子って普段余り部屋から出ないんでしょう? ネットとかで見た場所とかで行きたい場所があったら何処でも連れて行ってあげるよ」

「そう、ありがとう..だったら」

《そうだな、どうせなら..ちょっと驚かせてみよう》

「だったら、大東京グアム温泉プールに連れてって」

「うん、良いよ..って、えーっえー 大東京グアム温泉プールって冗談だよね..マジ、本当に良いの?..もう取り消しきかないよ? 絶対に行っちゃうんだからね..駄目とか言ったら、泣いちゃうからね」

《水着姿の男の子が見れるなんて..あり得ないよ..これ、絶対に静流ちゃんが悔しがるよね…うん》

「言わないよ? 早速ブティックに寄ってから行こう!」

「うん、それじゃぁ..はい」

大東京グアムランド…温泉施設とプール施設を合わせ、南国のグアムのように作られた複合施設。基本的に水着で過ごす。

「あの、その…手を握ってくれるって事なの?」

「そうだよ..はい」

《ああああっ…これが男の子の手なんだ…握手会に100万円つっこんでも叶わなかったのが、こんなに簡単に…信じられない》

「はい!」

……………

……

二人でブティックに入った。

「どの服が良いかなと、僕が選んで良いんだよね」

「勿論だよ..好きなの選んで」

《嘘だよね..男の子が服をこんな真剣に選ぶなんて》

「あれ、男だよね」

「あそこに居るのは紺野愛子じゃん…もしかして星野洋子以外にもアイドル活動で男をゲットした人が居るの?」

「それより、あの男の子楽しそうに洋服選んでない?」

「あれ、絶対に選んでいるよね..あっ嬉しそうに愛子に併せてる」

「あれ、幾ら使えばやってくれるのかな? たしかSEKKって一か月60万円だっけ」

「それ+お金が掛かるらしよ」

「でもあれなら…それ位お金を使ってもいいな」

「決めた、これとこれ..これに着替えて貰える」

「えっ..本当にこれで良いの? ミニスカートにノースリーブなんて凄い露出しているけど、大丈夫なの? 一緒に歩いたら吐いたりしない? 本当に平気?」

「うん、大丈夫だよ」

僕はSランクカードを出そうとしたが、よく考えたら僕は顔認証されているから多分必要ない。

「あの、僕の事は解りますか?」

「はい、顔認証されていますから大丈夫ですよ」

もう何回も経験しているのに慣れない。

愛子ちゃんが来る前に貴金属店とドレスを注文したお店にも連絡をしておいた。

「お待たせ、省吾さん」

「うわぁ凄く可愛い..足も長くて綺麗だ..うん」

「えへへへ..本当にそう? だったらこんな事したらどうなるかな?」

愛子ちゃんは手を絡めてきた、ノースリーブに僕も半そでだから直接肌と肌が触れる。

「うん、直接、愛子ちゃんを感じられるね」

《こんな服を選んだから..もしかしたらと思ったけど..本当に腕を組んで貰えるなんて..信じられない》

「それじゃ行こうか?」

「えっ、代金払わなきゃ」

「代金ならもう済んでいるから大丈夫だよ!」

「えっ、まさか買ってくれたの? そんな男の子にお金を出して貰うなんて悪いよ」

「良いんだよ..僕がその服を着た愛子ちゃんが見たかったんだから」

「本当? ありがとう..この服大切にするね」

《まさか、男の子がプレゼントくれるなんて愛子ビックリだよ..こんな幸せな日が来るなんて、本当に信じられない..今迄生きていた中で最高の日だよ》

「そんなに大切にしなくても良いよ..そんなに喜んでくれるならまた買ってあげるから」

紺野愛子が生足で腕組んで歩いてくれるんだよ?

前の世界の僕なら..貯金を吐き出しても叶わない事だ。

それが洋服を買ってあげるだけで叶うなら幾らでも買うよ

「本当に? それ本当なの? 信じちゃうよ」

「いや、服くらいでそこまで」

「うううん…愛子にとってはそこ迄の事だもん」

「それじゃ、お礼はしっかりと腕を組んでくれれば良いよ」

愛子ちゃんはぎゅっと腕を掴んでくれた..女の子の大切な物が押し付けられる..うん、最高に幸せ。

「これで良いなら良いけど..これ愛子の方が役得が多いと思うんだけどな」

《男の子にしがみ付くなんて、お金を払って女が頼む事なんだけど..これで良いのかな…》

「そんな事無いよ、僕は凄く嬉しいよ!」

「そう、省吾くん嬉しいんだ..だったらもっと、ぎゅって、しちゃおうかな!」

「うん、ありがとう、それじゃ行こうか!」

……………………….

………….

「あれが、男にモテる服なんだ」

「あれを着れば..あんな風に腕を組んで貰えるのか..急いで買わなきゃ」

「ちょっと、それは私が買おうとしていたのよ」

「何言っているの、手に取ったのは私が先よ!」

「店員さん、紺野愛子が買ったのと同じの私にも下さい」

「私も紺野愛子セット一式下さい」

「私も」

「今在庫見てみますから..ちょっと待って下さい」

店内はパニックになった。

デート 愛子 ?
大東京グアム温泉プールに来た。

「久々に来たけど…やっぱり凄いねここは、都心にこんな大きな設備があるなんて考えられないよね」

「あの、省吾さんは此処に来た事があるの? 男の子なのに凄いね」

《ヤバイ、この世界じゃ初めてだった》

「違うよ、近くを通っただけだよ、中に入るのは初めてだから凄く楽しみ」

「だけど、凄いですよね..流石省吾さんって言うべきだわ、男の子で此処に入るのは多分省吾さんが初めてじゃないかな?」

「そうなの?」

「多分、そうだと思うよ」

僕の考えが甘かったことがこの時は気が付かなかった。

愛子ちゃんと二人で中に入った。

「それじゃ愛子ちゃんまた後でね」

「じゃぁね省吾さん、また後で」

更衣室に向かって行く愛子ちゃんを見送った。

どんな水着を着て来るのか凄く楽しみだ。

さぁ僕も着替えないと…あれっ男性側のカウンターが無い。

係員の人に声を掛けた。

「あのすいません、男性用のカウンター、更衣室は何処にありますか?」

「えっ..男..嘘、男がこの施設に…ちょっとお待ちください」

「えっ…はい」

「お待たせしてすいません、大丈夫ですよ、この施設には男性用の更衣室もありますからご安心下さい…こちらへどうぞ」

「はい」

「こちらになります」

「ありがとうございます」

しかし、ここは別物だ、、あのスチールのロッカーも無い、何だか電子ロックのついた金庫みたいなロッカーがある….そしてシャワーとトイレがついている。

水着に着替えて外に出た。

「嘘…何でここに男性がいるの..しかもあんなセクシーな姿で」

「あっ..駄目だわたし、堪えらえない…」

「これはアトラクションなのかしら? じゃなければ男性があんな裸に近い恰好でいるなんてありえないわ」

「流石、大東京グアム温泉プールだわ、お金かけているわね」

客寄せパンダになるのは仕方ないか…だけど、この世界の女性は紳士的だから助かる。

「愛子ちゃん..お待たせ」

「省吾さん..お待たせって..凄い格好だね..思わず眩暈がしちゃったよ」

「そうかな? それ程でも無いと思うけど」

今僕が着ている水着は前の世界の水着とは違う。

普通の七分丈の水着に上着までついている、だから手先と足しか見えない。

「そうかな? どっちかって言うと愛子ちゃんの方が凄くない」

「そうかな? 普通だよ..この位」

ピンクのビキニでフリフリがついている…確かに普通なんだと思うけど、この世界で見ると新鮮だな。

「うん、だけど凄く可愛いよ..良く似合っている」

「そうかな…うん、ありがとう」

「それじゃ行こうか..」

僕はそっと腕を差し出した。

愛子ちゃんはその腕を抱えるようにしてして腕を組んだ。

「愛子ね胸には自信があるんだよね、小さくて可愛いでしょう?」

この世界の男性は「女性らしさ」を嫌う。その為大きな胸より小さい胸を好む。

だから、より少年に近いボーイッシュでロリな女性が好まれる…それでもただ、その方が良いそれだけだが..

「うん、凄く可愛らしいよ」

「そういって貰えると、愛子..凄く嬉しいな」

「最初は何処に行こうか?」

「そうだね、せっかくだから泳がない?」

プールアエリアに来た。

しかし、歩くたびに周りの女性が距離をとりながらついてくる。

結構、これって恥ずかしいな…愛子ちゃんって凄いかも、これを気にしないでいられる何て流石はアイドルだ。

愛子ちゃんはしっかりと僕の腕を抱えながらご機嫌だ。

「さぁ、思いっきり泳ごうか」

「そうだね、せっかくだから競争しない?」

「競争か…いいね、せっかくだから何か賭けようか?」

「愛子、結構運動神経良いんだけど..良いのかな?」

「僕も結構得意だから良いよ、で何を賭ける?」

「どうしようかな? 省吾さんは何が良い?」

「じゃぁこうしない? 勝った方のいう事を何でも一つ聞く事..どうかな?」

「愛子は良いよ…負けないから」

「あれ、さっきから何してるのかな? 勘違いじゃなきゃいちゃついているみたいなんだけど」

「あれ..SEKKの紺野愛子じゃん…多分握手会とかで凄く課金したんじゃないの?じゃないとあんなサービスは無いよ」

「どの位使ったのかな」

「確か愛野静流が握手会で300万でしょう..他のオプションで数千万って言っていたから、最低数千万は使っているんじゃないかな」

「それじゃ邪魔しちゃ悪いかな」

「まぁ..あれだけ頑張っているんだからね..」

「へぇー案外理解があるんだ」

「どうしたの省吾さん」

「いや、皆んなが 愛子ちゃんの話ししてるからさ」

「そりゃそうだよ..省吾さんみたいな男の子連れてるんだから..さぁ勝負よ」

「それじゃ..よーいドン」

二人ししてプールに飛び込んだ..嘘、僕は水泳には自信があったのに、全然歯が立たない..気が付くとどんどん離され…結局負けた。

「やったー愛子の勝ちだね!」

「うん、負けた..さぁ何でも言う事を聞くよ! 何が良いかな?」

「そうだね…そうだキスをして欲しいな..何処でも..」

「それでい良いんだね..うぐ」

「えっうぐぐうん、うん ぷは…嘘..口」

愛子ちゃんは顔を真っ赤にしてフリーズしてしまっている。

うん、勝負に負けたからちょっとした仕返し。

「キスって言えば口だよね..違った」

《えー額とか頬っぺたで良かったのに..まさか口なんて嘘みたい…しかもフレンチじゃなくてディープキスなんて..これは夢なのかな? それとも、何かの小説なのかな? ファーストキスがこれなんてもう一生忘れられないよー》

「あのね..そのね..凄く気持ちよかった…ありがとう」

《恥ずかしくて、恥ずかしくて顔が見れないよどうしよう》

「こちらこそ、これは罰ゲームじゃなくてご褒美みたいな物だよ…だけど、僕にキスされて嬉しい?」

「嬉しい、嬉しいに決まっているじゃない!」

「そう、だったら愛子ちゃんからしてくれない? 僕とキスするのが嬉しいんだよね!」

「うーんチュッうんうん」

愛子ちゃんがいきなり飛びついてキスしてきた。

「あはは..省吾くんが気が代わると困るから..すぐにしちゃった..ちょっと恥ずかしかったけど..」

「幾らなんでもいちゃつきすぎだと思う」

「お母さん、愛子ちゃんキスしてたんじゃないの?」

「馬鹿ね見間違いよ..男が幾ら積んだって人前でキスなんてさせてくれるもんですか..あれだけど何で涙がでてくるんだろう..おかしいわ」

「だけど、キスにしか見なかったけど」

「何かの見間違い 何かの見間違い 何かの見間違い…」

その後は露天風呂につかったり、マッサージ器を使ったりしてまったり過ごした。

浴衣姿の愛子ちゃんが凄く可愛かった…最も愛子ちゃんの方は、僕処じゃない位チラ見していたけど…

「あっ、愛子ちゃん鼻血がでているよ」

「嘘、いやだ」

「はい、拭いてあげるね」

「ありがとう..」

私、のぼせちゃったのかな…それとも省吾さんが横にいるからかな..さっきから頭がぼうってしているよ。

「さぁ、そろそろ行こうか? 今日は本当に楽しかったね」

「うん」

僕たちは着替えて大東京グアム温泉プールを後にした

体験 紺野愛子 ? 変態への目覚め
大東京グアム温泉プールの近くにも特別愛育施設ホーム、通称ラブホはあった。

S区の物より少し小型だけど、同じ様に設備が整っている。

「へぇー流石ラブホ…此処も凄い設備だね..」

「本当に何処もとんでもなく綺麗だね」

《これラブホというより五つ星クラスのリゾートホテルにしか見えないよな》

二人してキョロキョロしていると、受付のお姉さんが声を掛けてきた。

「水野様、お荷物をお預かりしています」

「ありがとう」

荷物を受取る。

これで準備は整った。

「愛子ちゃん..これに着替えてくれる」

「省吾さん、これって何?」

「良いから良いから着替えて..このドレスはプレゼントだからね」

「本当? 本当にくれるの? 朝も服を買ってくれたしどうしてこんなに親切にしてくれるの?」

「僕は別に親切にした覚えないよ? 可愛い愛子ちゃんを見たいから服をプレゼントしただけだから..うん自分の為だよ」

「全く、省吾さんは…もう、だけど愛子もお返しがしたいな..何か愛子に買って貰いたい物とかして欲しい事とかある」

「じゃぁ..お兄ちゃんって呼んで欲しいな」

《せっかくの「皆んなの妹」なんだから、やっぱりお兄ちゃんって呼んで貰いたい..これは前の世界の愛子ちゃんのファンの夢だ…実際に握手会で「お兄ちゃん」って呼んでというリクエストが多かった》

「今、何て言ったの」

「お兄ちゃんって」

「……聞き違いだよね..」

「お兄ちゃん」

「あははははははは…そうだよね愛子みたいなチンチクリン、抱いて何て貰えないよね…お兄ちゃんか…酷いよ、省吾さん…」

「ちょっと待って..何で」

「だって、妹という事は遊んでくれるけど..そこから先は無いって事でしょう..確かに仕方ないよね…私、背が低いし、子供みたいだし」

《合法ロリ、それが魅力とかは言えないし..よく考えたら、この世界はこんなだから萌えなんて考え無いよな..どうしよう》

「それは違うよ..僕は愛子ちゃんが好きだし..そういう事もしたいよ」

「だったら、何で何で何で、妹なんて酷い事言うの…何で」

泣かせちゃったな….

僕は愛子ちゃんを引き寄せ、頭を撫でた。

「僕にとって愛子ちゃんは..凄く可愛いから、妹兼、恋人になって欲しかったんだよ..駄目かな」

わざと愛子ちゃんをのぞき込む様に見ながら話した。

「えっ…妹兼、恋人..そうか」

「ごめんね、本当は愛子ちゃんの方が年上なのに..どうしても可愛いとしか思えないんだ..足も長くて綺麗だし、スタイルも良いし..背が低いのも全部含んで好きだよ..本当の妹も居るんだけど..何言っているんだろう、僕は..ともかく愛子ちゃんはすごく可愛いから妹兼恋人になって欲しかったんだ..嫌ならごめん」

「ううん、それなら嫌じゃない..てっきり妹なんて言うから..この先がないのかなって..悲しくなっただけだから..私の方こそごめんね…えーと省吾お兄ちゃん..これで良いのかな?」

「うん、凄く良い、ありがとう」

「えへへ、可愛いって沢山言ってくれたし、愛子の誤解だから良いけど..うん、省吾お兄ちゃんって変態だよね..愛子は嫌じゃないけど」

「えっ僕が変態…何で」

「だって…自分の恋人にお兄ちゃんって呼ばせる何て近親相姦プレイじゃないかな?..大丈夫、その変態さんの気持ちを全部、愛子が受け止めてあげるよ…お.に.い.ち.ゃ.ん」

《この世界には萌えの文化が無いから..こうなるのか…まぁいいや》

「それじゃお願いするね..全部受け止めてくれるんだね..愛子ちゃん」

僕は愛子ちゃんの頭を撫でまわした。

「う、うん..お兄ちゃん」

《多分、こんな近親相姦もどきの変態プレイしているのは..世界で愛子だけだと思う..本当にされちゃうとは思わなかったよー….どうしよう、しょうがないかな? しょうがないよね? だってこんなに優しく頭撫でてもらってるんだもん..やっぱり嫌とかいえないよね…そうしたら多分、もう頭撫でて貰えなくなくなっちゃうから..うーん..変態で良いよ..うん、愛子はブラコンの変態彼女…それで良い..寧ろそれじゃなきゃ、愛子は静流ちゃんや洋子ちゃんに勝てないもん..それにこれ…何だか気持ち良いし》

「どうしたの? やっぱり嫌だった?」

「うううん、大丈夫…愛子はブラコンの変態妹彼女です…っあーーーっ」

「うん、そこ迄言う必要はないかな..だけど嬉しいよ」

《愛子ってば馬鹿だ….何で口にだして言っちゃううかな…》

「だーい好き省吾お兄ちゃん」

「うん、僕も大好きだよ」

お顔が赤くなっちゃうよ…やっぱり愛子はブラコンの変態彼女だったんだ..自分でも知らなかったよ..こうなったのは省吾お兄ちゃんのせいだから..責任とって貰うしかないよね!

体験 紺野愛子 ? シスコンとブラコン
部屋についていつもの様に僕からシャワーを浴びた。

流石に3回目になると少しはなれる。

多分、お風呂からでて愛子ちゃんを待つときっと何か可笑しな事が待っているんだろうな?

《あの音の先で、省吾お兄ちゃんが裸でいる..正直凄く覗きたい..愛子は妹、愛子は妹…そうだよね兄妹なら..入っても怒られないかも..あれ、兄妹でお風呂..入るのは妄想だけだった..本当に入る兄妹はいないよね..だけどだけどだけど…省吾お兄ちゃんなら嫌わないで一緒に入れるかな?》

「省吾お兄ちゃん..背中流しに来たよ!」

《えっ..あれ、可笑しくない..普通だ、ただバスタオルを巻いているだけだ》

「どうしたの省吾お兄ちゃん」

「うん、何でもないよ..だけど本当に一緒に入るの?」

「うん」

ここで初めて、僕は気恥ずかしさを覚えた。

「どうしたのお兄ちゃん?」

「やる気が出た」

「なになになに..やる気ってなにかな」

「こういう事だよ..」

「嘘、お兄ちゃんが愛子を洗うの、ちょっと待って..手で石鹸つけるだけなんて..待って..気持ちの整理が..」

《嘘、直接女性の体を触って平気なの..なにこれくすぐったいだけじゃなく、体が熱くなっちゃう》

「大丈夫だから任せてね」

「解ったよ..うん、うううん」

結局、お風呂で2回、ベットで何回も体を合わせた…

「もう駄目..お兄ちゃん….体が蕩けちゃうよ…」

《これって何ランクなのかな? Cなわけ無いし…Bもしかして存在しないというAランク..そうとしか考えられない》

「そう..僕はまだまだ大丈夫だよ」

《駄目だ、お兄ちゃんって呼ばれる度に..体が元気になっちゃうよ》

「待って、待っててばお兄ちゃん..省吾お兄ちゃん..ああ…もう駄目だって」

結局、それから数を伸ばして…気が付いたらもう明け方近くだった。

愛子ちゃんは疲れたのかもう眠っている。

僕は自分で枕を使い…愛子ちゃんには腕枕をして眠った。

…………..

…….

「あれっ何で体が動かないのかな?」

《あれっ私眠っちゃったんだ、私、あれっ抱き着かれている..誰に..ああそうだった..暫くこのままの方が..うん..良いかな… ああ..凄い幸せだな..これが省吾お兄ちゃんの匂いで、暖かさか…こんなに幸せな気持ちになれるなんて思わなかったな…こんなに幸せな気持ちになれるなら…うん、ブラコンの変態さんになっちゃっても..仕方ないよね..寧ろその方が、省吾お兄ちゃんが…元気になるし..沢山頑張るから…うん!..これで良いや」

《だけど、近くで見れば見る程…若くてカッコ良いよね…正直、40や50過ぎの男性でも男性の専属になれば勝ち組なのに..省吾お兄ちゃん..本当は年下なんだよね…寝顔もすごく可愛いな…》

「はぁ…やっぱり我慢出来ない…キスしちゃおう..うん..うんぐ..あれ起きないな、もう少しキスしてても..良いよね」

「うん..うう..あれっ」

「省吾お兄ちゃん、これは違うの..」

「うん、キスで起こしてくれたんでしょう? ありがとう..」

「どういたしまして…だけどお兄ちゃん8時30分..だよ」

「これからS区まで1時間以上掛るから..少ししないと出ないといけないね」

「うん…じゃぁ省吾お兄ちゃん行こうか..はい」

僕は愛子ちゃんと手を繋ぎS区のラブホに向った。

閑話:反逆
「ミスバージル、計画通り、DランクとEランクの男の処分が済みました」

「ミスクロムには気が付かれてないでしょうね」

「気が付かれていませんが…気が付くのは時間の問題かと思います」

「そう、場合によっては殺す事も視野に入れて考えなくてはいけないかも知れませんね..次の計画は確実に邪魔してくるでしょうから」

「幸い、ミスクロムは権力はありますが実行部隊を持っていません…今のうちに排除されては如何でしょうか?」

「ミスマドレーヌ..貴方なら、いや貴方達なら可能か?」

「可能です」

「そう、なら拘束して、抵抗するなら殺しても構わない」

「では行動に移ります」

……………..

…….

「何をなさっているのです、ミスマドレーヌ…この様な狼藉は許されません」

「残念ですね、ミスクロム..貴方の失敗は軍を押さえて居ない事ですね…だからこの通り、数人殺しただけで無防備になる」

「軍…そう裏切ったのは、ミスバージルですね…そんなにナンバー1になりたかったのかしらね..言えばすぐにでも譲るのに..」

「残念ながら、ミスバージルは権力なんて物に魅力を感じていません…中央集権国家を作り、隔絶…そして 人類エデン計画を発動する事にあります..こんな小さな椅子等欲しておりませんわ」

「貴方達は、そんな夢物語を考えているの? その計画の犠牲の多さは知っているでしょう?」

「ミスクロム..我々はこの計画に全てを掛けています…最終段階では我々も死ぬのですから」

「貴方達は狂っているわ」

「狂っているのはこの世界です…ミスクロム..我々は正常な世界に戻すだけです」

「そう..だけど、それは認められない..絶対に..」

「ご協力は得られないようですね、では致し方ありません」

「私を殺す気ですか…」

「ええ…お別れです..ミスクロム」

銃声が轟いた…

「これで、もうミスバージルの邪魔をする者はいません…ご随意にどうぞ..この狂った世界を終わらせるために」

————————- 第47部分開始 ————————-
【サブタイトル】
閑話: 母妹

【本文】
「お母さん、ここ最近お兄ちゃん帰って来ないね」

「ラブホから連絡貰っているから問題ないわよ」

「流石のお兄ちゃんもストレスが溜まっているのかな?」

「そりゃそうでしょう、女二人と生活しているんだから..たまには一人になりたいんじゃ無いの?」

「そうだよね、お兄ちゃん頑張って、お話ししてくれたり、料理作ってくれたから..疲れちゃったのかな」

「あんな神対応してたら..省吾も疲れるでしょう」

「そうだね」

「あのさ、沙也…一応母親として聞いておくけど..お兄ちゃんを好きになったりして無いでしょうね?」

「うーん、無いとは言わないけど、分別は着いているよ..兄妹だもん、それ以上でもそれ以下でもないよ….最近のお兄ちゃんはちょっと素敵だから残念だけどね」

「そうね、私も思わず..まぁ良いわ..節度を持って家族に男が居る生活を楽しみましょう」

「そうだよ! 得にお母さんは危なっかしいから気をつけてね」

「沙也もそうでしょう?」

「そりゃそうだけど流石に法律に逆らってまでお兄ちゃんの子が欲しいとは思わないよ」

「お母さんだって同じよ」

「ともかく、お互いに近親相姦をして変態にならない様に気をつけようよ」

「お互いに気をつけましょう」

「「しかし省吾(お兄ちゃん)優しくなったから本当に気をつけないとね..」」

「「近親相姦者(変態)になるのは絶対に駄目だからね」」

この世界の高ランクの男性の特権を支えているのは「健全な妊娠」をさせる事が出来る事だ…その為「SEXは美徳」そう謳うこの世界でも当然タブーは存在する..それは近親相姦だ。

近親相姦から産まれる子はなんだかの問題を抱える事が多い。

つまり、これは「健全な妊娠」から逸脱した行為になる。

勿論、貴重な男性には基本的に罰則は無い…発情できるような男性は高ランクだから国の宝となる。

だが女性は違う..世間から変態の烙印を押され優良母体等の取り消し…そして確実に数年の懲役が適用される。

近親相姦を許すと母親や姉妹が抱え込もうとするし「健全な妊娠」から遠ざかった存在しか生まれない。

その為、その行為その物は禁忌されている…

そして、その行為を行う者は変質者扱いされる。

真剣勝負(一区切りつけました)
今日は午後からS地区のラブホに4人で集まっていた。

「あのさぁ…愛子なんで当たり前のように省吾様の膝に座ってますの?」

「えー、だって愛子は省吾お兄ちゃんの恋人兼…妹だから膝に座ったって良いと思うんだけどなー…省吾お兄ちゃん良いよね?」

正直、全然良い..だけど、引き攣った顔の静流ちゃんや、般若の様に見つめる洋子ちゃんが怖い..幾らSランクで童貞を卒業して自信がついたからと言っても..怖い物は怖い。

「愛子ちゃん、お兄ちゃんちょっと重いから降りてくれると助かるかな?」

「うん、省吾お兄ちゃんがそう言うならそうする..うんしょと」

「愛子ちゃん..省吾お兄ちゃんって何かな? まさか、そんな変態みたいなプレイをしているのかな?」

「洋子ちゃん…うん、しているよ? だって省吾さん..省吾お兄ちゃんは、そう呼ぶと喜んでくれるんだもん…これは変態とか、ブラコンプレイ好きの変態って言われても辞められないよー」

「省吾様…本当ですの? そんな変態みたいな事をなさっているなんて」

《うわ…ここまで言われるとは思ってなかったな…萌えは理解して貰えそうもないな…》

「うん、しているよ…だって愛子ちゃんは背が低くて足が長くて可愛い、正に妹みたいな女の子じゃない..」

「そうですか…省吾くんもやっぱり、他の男性と同じでナインペタンが好きなのですね..そうですかやっぱり胸、胸なのですね…」

「そんな事言ってないよ..それに洋子ちゃんは愛子ちゃんと違って、クラスのマドンナみたいな感じで凄く綺麗で可愛いよ..うん」

「クラスのマドンナ…そうか、省吾くんはより身近に私達を感じてくれているんだね..これなら変態だけど、変態じゃないね」

「うん、解かってくれて良かったよ」

《変態だけど、変態じゃないって何だろう?》

「あの、省吾様、省吾様..わたくし..私はどういう感じですの?」

「静流ちゃんはそうだね…貴族の令嬢、お嬢様、憧れの生徒会長、そんな感じ..可愛いというよりは美人さん..そんな感じ」

《一番、似合っているのは意地悪そうな美人だから、悪徳令嬢とかだけど..それは言わない…意地悪でキツイ感じの美人が僕にだけデレルのが可愛いんだけど….萌えの文化が無いから説明できないし…》

「私が美人さん..有難うございます..省吾様..静流は、静流は」

「はいはい..だけど、その中で一番傍に居られて..身近な存在は妹だよね? 省吾お兄ちゃん!..一層の事、本当の兄妹みたいに一緒に住んじゃおうか?」

「….うぐぐぐぐ、あ.い.こ.ちゃん、ちょっとお話いいかな?」

「愛子..私は虐めは嫌いでして…だから余り怒らせないでくれますわね?」

「うあわーん、省吾お兄ちゃん、怖いお姉ちゃんが愛子の事虐めるよー」

「まぁ、冗談はここまでにしますわね..これからは今後について真剣に会議しますわよ」

「「はぁーい」」

会議の結果決まった事はそれぞれが1週間に1日僕を拘束できる日がある。

それが、金土日の3日間。

そして月曜日は皆んなで色々話し合う日と決めた。

この月曜日は僕は出ても出なくても良い…そんな感じ。

結局、彼女達が1週間のうち2日間、僕が3日間束縛される、そんな感じだ。

「だけど、私は全てにおいて省吾様を優先しますから何時声を掛けて頂いても飛んでいきますわ」

「静流ちゃん..それは他の皆んなも同じだからね..わざわざいう事でも無いよ?」

「そうだよ! 愛子だって同じだよ!」

……………….

……….

「負けられない、真剣勝負なのですわ!」

「それは私も同じ..譲れません!」

「愛子だって譲れないかな? だから手加減なんてしないんだよ」

「それじゃいくよ?」

「「おー」」

「「「じゃんけん..ポン」」」

「「「あいこで..しょう」」」

彼女達が何をしているのかと言うとじゃんけんだ。

そう、金土日の何処をとるかを掛けた真剣勝負..ちなみに一番人気は土曜日らしい。

結果、金曜日が洋子ちゃん、土曜日が静流ちゃん 日曜日が愛子ちゃんになった。

ちなみにこれは1か月だけでまた「何かの勝負」をして翌月は替えるそうだ。

「残念でしたね、私じゃんけんも含んで勝負事は強いのですわよ」

「まぁ日曜日でも良いかな? お休みだし」

「省吾くん、負けちゃったよー..金曜日は学校お休みしってくれるよね」

凄く喜んでいる静流ちゃんに、満更でも無い愛子ちゃん..そして悲しそうな洋子ちゃん。

「そうだね、よっぽどの事が無い時はお休みするようにするよ」

「待って、省吾お兄ちゃん..それだと日曜日がハズレの様な気がするよ..」

「あのさ..僕は次の日の事なんて考えないで思いっきり過ごすから…」

「それならば…最初からアタリもハズレも無かったのかな」

「そうでもないですわ…イベントとか考えたら金曜日が一番不利ですわよ」

「そうだね、その事を忘れていたよ…うん、愛子日曜日で良かったよ」

「省吾くん..金曜日でも..金曜日でも楽しめるよね..」

「そうだね..遊びに行かなくても..ここの施設で遊ぶって手もあるよね…カラオケにプールに何でもあるし..それに金曜日だって、イベント位はあると思うよ」

「そうだね…行く場所が無ければ..朝からここでその、楽しんでも良いよね」

「「……そうです(わ)」」

こうして僕は前の世界では考えられない..アイドルと週に3日間は過ごす事に決まった。

本当にこの世界の男は勿体ない…この世界は…物凄く僕に都合が良い!

家族遊戯
久々に家に帰ってきた。

「ただいま..母さん、サーヤ」

「あっお兄ちゃん帰って来てくれたんだね..只今」

「嘘、省吾戻ってきてくれたの…母さん嬉しいわ」

「お土産買ってきたから一緒に食べない?」

この世界では男の家出は珍しくも何ともない…

というか..家族から逃げるように一人暮らし(引き籠り)する者が大半だ。

だから、僕が何日も家に居なくても…当たり前の事で怒られないのが当たり前だ。

だけど、心配そうに僕を見ている二人を見ると、そんな事とは別に「すまない」…そんな気持ちになる。

「これは、牛上苑の焼肉弁当じゃない..ありがとう」

「ありがとうお兄ちゃん..すごいご馳走だね」

お兄ちゃんと聞くと、頭の中で愛子ちゃんが浮かぶ..うん、僕は前の世界なら完全に変態だ。

三人して久しぶりにご飯を食べた。

母さんやサーヤは何故かミニスカートで薄着だ、サーヤに到っては制服を改造してミニスカートにしている。

この国の法律も知っている…そして彼女達はそれでも、踏み越えたい..そんな願望がある事を知っている。

だけど、それはやってはいけない事で二人を不幸にする。

そして前の世界の記憶があるからこそ..出来ない。

だから、せめて..思いっきりの笑顔で息子と兄を演じる。

「ふぅーご馳走様っと 二人ともいつ見ても可愛いし綺麗だね」

「「えっ」」

チュッ、チュッ 僕は2人の頬っぺたにキスをした。

「じゃぁ..学校に行ってくるね」

僕は軽く舌をだして家を飛び出した。

暫くしてフリーズが溶ける。

「ええええええええっお兄ちゃんがほっぺにキスした」

「むむむむむ息子がキスしてくれた」

「ああああああ、駄目よ..良いわね..変態になっちゃ」

「お母さんこそ気を付けてね」

「私は、私は大丈夫だから…変態にはならないから」

学園篇 霧島裕子?
久々に学校にきた。

前と違っていた物が一つあった。

学校の三軒先に…ラブホが建っていた。

誰の為に作られたのかは考えて見たら、直ぐに解る..僕の為だ。

「おはよう..」

「あっ..省吾君..今日は学校に来てくれたんだ…おはよう」

「嘘嘘嘘..男の子だ…さぼらなくて良かった..」

「あはは、これからは週に2回位は顔を出すようにするから安心してね」

「そうか、それじゃ楽しみだね」

誰かは正直解らない..多分前の世界だったら多分会話もしなかった女の子達と話しながら通学した。

教室について僕は1人の子を探した。

霧島裕子だ。

星野洋子が憧れのアイドルなら、彼女は身近にいる憧れの女の子だ。

勿論、彼女を思いながら一人でした事もあるし、彼女との結婚も夢見た事はある。

だが、それ以上に彼女の事では悔しい思いをした。

それは彼女の事を何も知らなかった事だ。

霧島裕子の家は母子家庭で貧乏だった。

だが、その母親はパートとかで働きながらも良い親ではあった。

だが、ある時、その母親が男に溺れるようになりやがて再婚した。

だが、その男が筋もので絵に描いたようなダメ男だった、2人して遊び歩きやがて、霧島裕子の母親は家にお金を入れなくなる

可愛くて綺麗だった彼女はお金が無く文具も買えない位生活に困るようになり、ボロボロになっていった。

その挙句、後で聞いた事だが、義理の父親に犯されて、それを疎んだ母親に暴力を振るわれた挙句、生活費を稼がす為に、無理やり売春をさせられていたらしい。

これは警察沙汰になって初めて僕が知った事だ。

当時の僕はそんな事も知らずに

「霧島さんは幸せそうで良いね」なんてことを言っていた。

彼女は僕に向って「そう見えるのね..お気楽そうでいいわね」そう言っていた。

多分、彼女を沢山傷つけていたと思う。

彼女が売春している事は僕は知らなかったがクラスに知っている者もいて..買った奴もいた。

いつも霧島さんをニヤニヤして見ていた奴らが居たが..多分買うかその噂を知っていたんだろう。

そんな地獄の様な生活を彼女が送っていた事に僕は気が付かずに…知った時は彼女は施設に保護された後だった..そして僕は彼女に会う事はなかった。

ともかく、僕には好きな人を守るどころか傷つけていた暗い思い出だ。

だけど、この世界では彼女はてっきり幸せだと思っていた。

なぜなら、この世界では女は売り物にならないからだ、アイドルですらお金を払わなければ男性に触れられない..だったら霧島さん程の美少女でも売り物にはならない。

それにクズな義理の父親は居ないだろう..居たとしてもじじいですら女が嫌いな世界だ、彼女を犯す事もしないし、あんなババアと結婚なんてしない筈だ…

だから、安心していた。

だけど、何でこの世界でも….霧島さんは…貧乏しているんだろう。

よく見ると彼女は前の世界と同じでボロボロだった..

なぜだ…

霧島裕子? ラブホへGO
自分席から霧島裕子を見ていた。

この世界では不用意に男子に話しかけるのは良くないとされている..助かる。

最も、話しかけてくれないかなとキラキラお目目で見ているけど、今は無視だ。

「霧島さん…髪位洗いなよ..フケが出ているよ?」

「ごめんなさい…水道もガスも止まっていて..」

「それは貴方の事情でしょう..みなよ、あんたのフケが飛ぶし、服も洗濯しないから茶色いし臭い..正直迷惑なんだよね」

「そうそう、近くとおるとむわってくるの吐きそうだわ」

「ごめんなさい..しか言えないよ..貧乏で何もできないから…」

文句を言うだけ言うと彼女達は去っていった。

その後は..彼女には誰も寄り付かなかった。

昼休みになった。

彼女は安いパンを食べていた。よこには汲んできた水があった。

《駄目だ..見てられないな…》

僕は霧島裕子の方に歩いていった。

「霧島さん..こんにちは」

「嘘、省吾くん…こんにちは..どうしたの? 私に話しかけてくれるなんて」

「あの、そのパン旨そうだね..少し頂戴」

彼女は少しだけ考えたが笑顔で

「はい、どうぞ」と差し出した。

《多分、これだけで一日過ごしているんだろうな…それをくれるなんて》

「省吾さん、そんなパン食べる位なら私に言ってよ…コンビニまで走っていってくるよ…ほか弁でも良いよ」

「ごめんね..い.ま.は霧島さとしゃべっているから又今度お願い」

「そう解かった、約束だからね」

「それじゃ頂きます..うん旨いありがとう」

「良かった..満足してくれて」

「そうだ、霧島さん…これからちょっと出かけようか?」

「ちょっと待って、もうすぐ授業が…」

「あれっ霧島さん知らないの..授業より男の子が優先でしょう」

「それはそうだけど…」

「じゃぁはい」

「えーとどうすれば良いの?」

「手を繋ぐんだよ」

「私…汚いよ..駄目だよ」

「僕がしたいからするの..さぁさぁさぁ行こう」

僕は霧島さんの手を掴んで歩き出した。

「嘘、何で省吾さまが霧島なんかと出かけるの?」

「嘘だよね..そうだ余りに汚いから捨てに行くんだよ」

「そうだ、そうに違いない」

そのまま手を繋いで霧島さんを引っ張っていく。

「どうしたんですか水野さん」

「先生、これから霧島さんと出かけるから二人とも休みにして置いて下さい」

「純異性行為扱いで霧島さんは出席扱いにしますね…行ってらっしゃい」

「ちょっと..先生いいんですか? 私このまま行っちゃて」

「ええ..水野さんが一緒なら..構いませんわ」

……………

………

「もう、本当に強引なんだから、私みたいなゴミ女を連れてどこに行きたいのよ? 目ざわりだから捨てに行くの? 私の唯一のご飯まであげたのに酷いわ…男のあんたに逆らえないから従うわよ」

泣きそうな顔をしてる..だけどいつも君は..強いね..

「違うよ、パンのお礼だって」

「そう、何をしてくれるのかしら..で、どこに行くのよ…いい加減教えて!」

「ラブホだよ」

「ええっえええええええええええええええっ..」

彼女の声がこだました。

霧島裕子 ? 汚い
僕は今学校の近くのラブホにいる。

「あの、省吾くん..私、凄く貧乏なんだよ..それに今凄く汚いよ..場違いだよ」

「僕はそうは思わないよ」

そのまま手を引いて歩きだす。

「あのね、本当に私じゃ..良い事無いよ..汚いし、貧乏だし、相手はちゃんと選ばないと」

《ちょっと意地悪したくなっちゃったな》

「あっもしかして、霧島さん誤解しちゃったのかな? パンのお礼にお風呂貸してあげようと思って」

「そうか..そうだよね..たしかに私に必要なのはお風呂かも…省吾くんありがとう」

…………………………………..

………..

「所で、省吾くん、何でお風呂を貸すだけなのに部屋にいるの」

「それはね」

「それは?」

「霧島さんを脱がす為だよ」

「嘘だよね..?」

「本当だよ..そーれ」

「ちょっと辞めて、ねぇこの服凄く汚いの、見られたくないから..それに臭いし、私凄く垢が溜まってて臭いし、やめて..ちょっと本当に脱がさないで…解かった、解りました..自分で脱ぐから..脱ぐから抱き着かないで..匂いもかがないで」

《本当に省吾くんは変わっているよね..女に触れても平気だし..汚い私なんかに平気で触れて..誤解されないかな..》

これって、美少女のストリップだ..不味いちょっと元気が..あれだけやりまくってたのに。

「はぁー脱いだわよ..これで良いわよね」

「うん、そこのお風呂を自由に使って良いから..終わったらガウンでも着て寛いでなよ」

「えーと良いの」

「うん」

「それで省吾くんはどうするの?」

「僕…僕はーこの」

「この..何..嫌な予感がするんだけど..」

「この服を洗いに行ってきます」

「待って、待ってたら..それ汚いのよ..そんな事されたら私の女の尊厳が失われちゃうよ..やめて」

「だーめ」

僕はすかさず霧島さんの服を一式掴むと部屋から飛び出した。

部屋から「待って、ねー待ってよ」と聞こえてきたけど..知らないよ。

僕はまず、フロントに来た。

「どうしました水野様」

「此処って何でも対応して貰えるんだよね?」

「ええっ男の要望を全て叶えるのがラブホですから」

「だったら、さっきの子、霧島裕子について調べてくれる…特に親子関係..あとこの近くにある他のラブホの場所と、食事を用意してくれるかな」

「解りました」

さてと指輪とドレスを手配して..洋服を下着から数枚、制服も2着は欲しい..

僕は今、ランドリールームにいる。

本当はクリーニングを任せても良かったけど…洗って見たかったから…やっぱり僕は少し変態なのかも知れない。

だけど…後悔した。 確かに美少女のパンティではあるけど…何日も履いていたせいか臭い..マジで。

そりゃ、美少女だって人間だもん汗もかけば、出る物は出るか。

見た目は綺麗なのにその匂いは浮浪者が着ている物と変わらなかった。

見る見る水が茶色くなる..汚さが落ち始めて初めて気が付いたけど..この服ところ所破れていて縫ってあったり安全ピンで止まっていた。

本当にここでも苦労してるんだな..

結局、2回洗っても綺麗にならなかったのでクリーニングを頼んだ。

「霧島裕子さんのデーターが上がってきました」

「ありがとう…やっぱりクズ女はクズ女だった」

裕子さんのお母さん..いやクズババアはこの世界でもやっぱりクズだった。

最初に借金を沢山してCランクの精子を購入した。

そして生まれたのが霧島裕子だった。

生まれたのが男で無かったので..クズババアは裕子に虐待をしていたらしい。

そしてクズババアは裕子が生まれた事で優良母体の地位と2千万の一時金を手に入れた

だが、クズババアは本来なら裕子に使う一時金を全て..精子につぎ込んだ..

Cランクの精子を2回程購入したらしい。

だが精子の金額は高いから、そんな事をしていれば2千万の一時金等直ぐに消えてしまう。

そしてクズババアは違法な精子に手を出した..いわゆるDランク以下の精子で裏で売り出されている物を使い始めた。

これは政府が販売している物でなく安く購入できる代わりに完全な違法品だ。

しかし、優良母体だったせいかクズババアはここで妊娠をした。

しかも、お腹の中の子は男の子だ..クズババアは喜んだ。

だが、所詮はDランク以下の精子…うまくいかず結果は流産…しかも違法精子を使っていた事が解り優良母体の資格も停止…

それ以降、クズババアはお前さえ生まなければ…ちゃんとした男の子を産めたのにというようになり…霧島裕子を虐待するようになった。

「それでクズババア..すいません、霧島母さんは今どうなっているのですか?」

「はい、違法精子取り扱い法違反で無期懲役になりましたが、他にも妊娠薬等に手を出していたのでしょう…刑務所でお亡くなりになりました」

「それで霧島さんは?」

「データーの住所には住んでいませんでした..恐らくは路上生活をしていると思います」

「ありがとう」

《もっと早くに何かしてあげるべきだった..ここでも僕はあと少しでまた彼女を見捨ててしまう所だった》

閑話 霧島さんサイド
自分に何が起きたのか解らない…

さっきまで教室に居たのに..今、私は全ての女の憧れのラブホにいる。

いつもの様に学校に周りの人に嫌われながらも頑張って登校した。

汚いのは本当だから仕方ない…自分でも自覚はあるもの。

だけど、もう私には此処しかない…お母さんは馬鹿な事して捕まっちゃったし..頼れる親戚も居ない。

だけど、私は…頭だけは良かった…だからこの学校へは推薦ではいっている。

しかも特待生だから学費も要らない..ここを出たら、ちゃんとした会社で働く事が出来る。

そこまで、どれ程嫌われようと馬鹿にされようと行くしかない..それしか私には無いのだから。

だけど、今日は違っていた。

いつもの様に馬鹿にされ、いつもの様に虐められる…慣れた物だ..殴られたりしないだけ良い..臭いのも汚いのも本当の事だもん…仕方ない..もう2週間も体を洗ってないし..うん、自分でも体が痒いからね。

昼休みになり、昨日ビンを集めたお金を換金して買った..アンパンを食べていた。

そうしたら、今日に限って省吾くんが近づいてきた。

やだ..どうしよう..同性にならどう思われても良いけど..男、それもこんな綺麗な男に汚いとか臭いとか思われたくない。

「霧島さん..こんにちは」

《凄く素敵な声だ..こんなみすぼらしい姿..私だって女だもの見られたくない..だけど、せっかく挨拶してくれたんだ返さなきゃ》

「嘘、省吾くん…こんにちは..どうしたの? 私に話しかけてくれるなんて」

正直旨く話せない..

「あの、そのパン旨そうだね..少し頂戴」

《私は少しだけ考えた….昨日の昼から何も食べていない..これをあげると今日はもう食べれない..だけど、お腹より…女を優先した..男の子に何かをあげるような事、私には二度と無いと思うから》

「はい、どうぞ」と差し出した。

《美味しそうに食べてくれた..うんあげたかいがあったよ..私は明日まで我慢だな》

周りが凄く煩い..そりゃそうだ..こんな綺麗な男の子を私が独占しているんだもの

そして彼はこんな汚い私の手を取ると..ううん手を繋いで歩き出した。

そして、今私は….ラブホにいる…これは夢ではないのだろうか?

それとも本当の私はもう死んでいて..これは最後に見た憧れなのかな…

自分に何が起こったのか..解らない..こんな事は私に起こる訳がないのだから。

霧島裕子 ? 
「霧島さん..もうお風呂から出た?」

「うん、ありがとう、省吾くん 久しぶりにさっぱりしたよ」

僕は霧島さんを見た。

そしてお風呂を見た..凄く垢だらけで汚い。

「これじゃ駄目だよ..」

「えっ、何で..綺麗になったと思うよ..うん..臭くない」

確かに元を考えたら綺麗だけど..霧島さんは..もっと違う。

僕はお風呂のお湯を全部抜いて簡単に流した。

綺麗にお風呂を掃除して、新たにお湯をはった。

「だけど、本当の霧島さんはもっと綺麗だからちょっと待って」

「えっ、私なんてこんなもんだって…省吾くんみたいな男の子が相手にするような女の子じゃないよ、汚いし、臭いし..実の母親からも気持ち悪いって言われてたくらいだもん」

「違うよ..本当の霧島さんは色が白くて髪がサラサラして凄く綺麗なんだよ」

「省吾くん..可笑しいよ..私の髪はこの通りベタベタだし、肌だってこんなにくすんでいるんだから..そんな訳無いよ」

「そんな事無いって..それじゃ」

「ちょっと待って..ねぇ何でまた私、ガウンを脱がされ掛かっているのかな? 男の子が何てことするの?..可笑しいよ…こういうのは私みたいな薄汚いブスにするんじゃなくて..クラスの綺麗な女の子にする事だよ..ねぇ..ちょっと待って、待って手を止めようか..ね」

「また誤解しているし..霧島さんはエッチだよね..僕は垢すりをしようとしているだけだよ」

「垢すり?..えっ」

「そう垢すり…パンのお礼に綺麗にしてあげようと思って」

「そう..誤解していた..ごめん」

「じゃぁお風呂場に行こうか?」

「ちょっと待って..私免疫ないの..いきなり手を握られたら..」

「うん? なにかな..とりあえずそこのマットに寝ようか?」

「はぁー言っても聞かないんだよね、省吾くんは..本当に私..何も返してあげられないよ..」

《男の子がこんな事する何て..幾ら払えば良いのか解らない..握手でアイドルが300万払った話があった..これお金請求されたら…一生かけても返せない金額になるんじゃないかな》

「別に気にしないで」

「解かった..もう好きにして良いよ…お金も無いんだよ..私..それでも何かしてくれるなら..嬉しい..後でちゃんと請求して..頑張って払えるだけ払うから..だけど、ローンにしてくれれば助かる」

「だから気にしないで」

「うん、ちょっと待って、省吾くん…何で裸になるの..パンツまで脱いで..バスタオル一枚なんて..ちょっと」

《終わった..これどう考えても数千万の請求がされるよ…》

「さぁ行くよ..」

「痛い、痛い、痛い..でも気持ち良い..こんなの初めて..」

「はい終わり..今度は前だね」

「前、ちょっと待ってそれは不味いって..」

「だーめ」

「ちょっと、そんな所まで..はぁ、嫌だって、もう恥ずかしいよ..恥ずかしいから辞めて」

「ほら、お湯を流すよ」

「はぁはぁはぁ..何で此処までしてくれるの..男の子がさ..何が欲しいの? 私なにも持って無いの…省吾くんみたいな綺麗な子に何かして貰っても返せる物が本当に無いの」

「うん、実は、霧島さんの持っている物で凄く欲しい物があるんだ..全部終わったら譲ってくれれば良いよ」

「それ本当? 良いよ..わたしが持っているなら何でもあげるよ..」

「そう約束したからね..じゃぁ一緒にお風呂に入ろうか?」

「えっ一緒に入ってくれるの? 本当に私みたいな子汚いブスと」

「霧島さんがブスだったら学校に綺麗な子なんて居なくなるよ」

「まったくもう..省吾くんはまるで「僕の瞳は腐っている」の主人公みたいだね」

「それ、面白いの、読んでみようかな」

「私はすきだけど、好き嫌いは別れると思う」

「さぁ、髪も洗ってあげるからおいで」

「そこまでしてくれるの? 何で」

《僕は知らなかったんだ、前の世界で君があそこまでボロボロだった何て..それなのに何時も愚痴を聞いてくれて優しくしてくれた..そんな人を僕は君以外知らない..だから、前の世界で出来なかった事を君に返したいんだ..》

「内緒だよ」

「解かった..省吾くんは..ブス専?」

「だから、霧島さんはブスでも汚くもないよ..はい髪を洗い終わったよ」

「さぁお風呂から出ようか? 次は髪の毛を乾かしてブローするね」

「あのさぁ..何でそこまでしてくれるの? それも内緒なの?」

「そう、内緒..」

《これで..綺麗だった頃の霧島さんに戻ったね》

「もう終わったの?」

「まだ、だよ」

「さぁ行こうか?」

「また手を繋いでくれるの? 良いよ..もう嫌がらないから好きにして…ここまで男の子がしてくれたんだもの..命だってあげるよ」

「嘘、今度は美容院なの?」

「流石ラブホだね、頼めば何でも用意してくれる..凄いよね..終わったらこのドレスに着替えてね」

「それに着替えれば良いんだね…解かったもう何も言わないよ..うん」

《これは夢だよね..こんな夢を見れたなら…これからも頑張って生きていける..うん》

「じゃぁ待っているね」

…………………………..

……….

「省吾くん、ドレスに着替えてきたけど…これ凄く高いんじゃないの? そこまでして私の何が欲しいの? もう何でもあげるよ! 私の人生でこんなに楽しかった事なんて無かった…臓器? 命..何でもあげる..」

「本当に何でもくれるの?」

「うん、だけど、私…何も持って無いよ?」

「じゃぁ、霧島さん、霧島裕子さんが欲しい」

「何、それどういう意味なの..解らないよ」

「これから、専属契約をして欲しい..先にこれを渡すね」

「えっ指輪..これも高そうだよ..」

「薬指に嵌めてね」

「こうかな?」

「うん…」

「それじゃいこうか?」

「何処に?」

「ラブホって専属契約の手続きも出来るんだよ?」

「あのさ..」

「うん、何かな!」

「これ夢じゃないよね…」

「うん、夢じゃないよ…さぁいこうか」

「だけど..本当にいいのかな..これ」

霧島裕子 ?
「あの省吾くん…本当にするの?..私で良いのかな? 後悔しない」

「うん、だけど、最初に言って置くけど、他にも三人、専属契約をした人が居るから」

「へぇー省吾くん..それ本当? まぁどっちでも良いけど..私には見栄も張らなくてよいからね」

「本当だよ」

「まぁ、それ位気にしないよ? それで何をすれば良いのかな..もう私は髪の毛から足先まで全部、省吾くんの物だからね..何でも言って?」

「そう、それじゃ..」

「嘘、省吾くん…そんな所、そこは駄目だって汚いよ」

「そんな事無いよ、霧島さんに汚い所なんてないよ…それに全部僕の物なんでしょう」

「そうだけど、駄目だって..それ可笑しくなっちゃうから…わたし可笑しくなっちゃうんだから」

「そう..だけど..その顔も凄く可愛いよ」

……………………….

……….

「流石にもう駄目、駄目だよ…」

「そう、省吾くんまだこれからだよ? 私省吾くんにはもっと気持ちよくなって貰いたいから頑張るよ」

「もう大丈夫だよ..うん大丈夫」

「だったら省吾くんは寝てて良いよ..私が気持ちよくしてあげるからさ」

…………………..

「はぁはぁ疲れた..もう無理だ」

「私ももう駄目みたい…疲れたーでも凄く気持ち良かったーもう最高」

「はぁはぁはぁはl 凄く霧島さん元気だね」

「うん、だって私、今凄く幸せだから..」

結局、2人してそのまま力尽きて寝てしまった。

「寒い..」

「ううん、寒いね..はい毛布..風邪ひくよ省吾くん」

二人して毛布にくるまると…そのまま抱き合うように寝た。

霧島さんの心臓の音がとくんとくん聞こえて気持ちが良い。

「おはよー」

「はい..おはよう」

「所で霧島さん..何しているの?」

「うん? やっぱり凄いね省吾くんは..朝から元気だから気持ちよくしてあげようと思って」

「ちょっと..うん気持ちよいよ」

体の相性が良いのかな..いくらでも出来てしまう。

性欲というよりも…霧島さんその物が気持ちよい。

「流石に起きようか?」

「そうだね、もうお昼みたいだよ省吾くん…あれ窓の外のお日様が黄色く見えるよ」

「本当にそうだね..変なの」

起きてから霧島さんはメディカルチェックを受けに行った。

結果は勿論、優良母体..

「あはは..凄いね、昨日まで犯罪者の娘だったのに..今日は優良母体で、専属登録者…底辺から一挙に勝ち組だよ…ねぇ省吾くんって神様なのかな?」

「そんな事無いって」

「そうかな…だけど不思議だよね..私の事、私以上に知っている気がする….」

「そうかな…そんな事ないよ」

「ならいいや..聞かないよ..それでこれからどうするの?」

「そうだね、まずは受付にいこうか?」

「うん」

「何これ..まさか全部私の為に..買ったの?」

「そうだよ」

「制服が2着も新品であるよ…服も沢山あるし…下着もある..これって省吾くんの趣味?」

「ごめん、時間が無かったからお任せで用意して貰った」

「そうかな..ちょっと残念..このスケスケとか省吾くんの趣味だと思ったけど違うんだね」

「うん」

「だけど、私..住む所も無いんだけど..これどうしようかな?」

「その件なんだけどさ..ラブホに住まない?」

「住んで良いの? それなら助かるけど..」

「ちょっとお待ちください..それは制度上は大丈夫ですが治安の問題があるのでマンションを用意しました」

「どうしてですか?」

「あっ、そりゃそうだよ..ラブホは女の子にとって憧れの場所だもの..そこに住んでいるなんて解ったら..確かに恨まれるよね」

「霧島様の言う通りです..そこで今回はミスバージルの指示でマンションを用意しました..状況を考えて水野様の家から歩いて10分位の所にあるマンションです2LDKですが既に霧島様名義にしています..こちらがキーです、どうぞお使い下さい」

「あの..税金とか管理費..は私無一文なんですけど」

「何をおっしゃいますか..優良母体の特典で税金は全て無料です、専属登録で毎月多額のお金が入るから気にしなくて良い心配ですよ..はっきり言って下手な政治家よりも年収はあります」

「そうなんですか」

「はい、その分、水野様と愛を深めて下さいね」

「はい….頑張ります」

………

…..

荷物をマンションに運び込んで貰う。

凄い事に家電も家具も全部ついていた。

「うわー省吾くん..凄いよこれ物凄く広いよここ」

「確かに広いね..ここ..良かったね」

「うん、つい最近まで私..公園とかで寝ていたから信じられないよ..ベットもフカフカだし」

「そうだね..そろそろ僕は帰ろうかな..」

「省吾くん、これ」

「カギ?」

「そう、ここのカギ…何時でも待っているからきてね」

「うん」

「あのさぁ..私、省吾くんに何を返してあげれば良いのかな? 省吾くん多分Sランクだよね」

「うん、そうだよ」

「手に入らない物なんて何もないよね」

「あるよ」

「それは何かな?」

「霧島さんの心とか」

「あのさ..私の全部をあげるって約束したよね..勿論心も全部だよ…」

「うん、確かに聞いたよ」

「省吾くん、君は変わっているよね…殆どの男は女が嫌いなのに..女の私が欲しいなんて..本当に変だよ」

「そうかな」

《本当にこの世界の男は可笑しすぎる…これを欲しがらない男なんて前の世界には居なかったのに》

「そうだよ..それでSEXがあんなに好きでしたがるなんて…変態?」

「そういう事言うんだ..同じ位激しかった霧島さんだって変態じゃない?」

「私は..そうだね、すっかり省吾くんに変態にされちゃったかな..だけど省吾くん専門の変態だから良いと思うの..その方が省吾くんが喜ぶし」

「はいはい..僕も変態で良いよ」

「それでね、省吾くん、今日は帰っちゃうのかな..今迄は何とも思わなかったけど..私、寂しいな」

「解ったよ..霧島さんが良いなら泊っていくよ」

「やった…じゃぁ後でご飯を作ってあげるね」

「ありがとう」

多分、僕は今夜も眠れないと思う。

霧島裕子 ? 変わる学校
省吾くんに先に学校に行って貰った。

流石に貴重な男の子と一緒に通学するほどの度胸は無い。

《さてと、私もシャワー浴びて準備しないと》

学校に来た。

私は席について省吾君を見ている。

省吾くんは貴重な男の子だ、他の子だって触れ合いたいに違いない…うん、これで良い。

「霧島さんおはよう」

「おはよう省吾くん」

「しかし、見違えたよ、やっぱりうん、霧島さんは綺麗だよ」

「また、そんな事いってもう、そんな事いってくれるのは省吾くんだけだって」

………………………..

…………….

「ちょっと霧島生意気なんだよ..」

「昨日までブタみたいに臭かったのに..豚が普通になっただけじゃない」

「あっ、だけどまだ臭いわ」

《そんな事ないと思うんだけどな..シャワーも浴びたし..コロンまで振りかけているのに》

「私が臭いっていうなら謝るわ..ごめんなさい..それじゃ」

「行って良いなんて言ってないよ? そうだ、謝ってくれない?」

「謝ったじゃない..ごめんなさいって」

「足りないわよ..そうだ土下座しなさい..それで水野様に近づかないって誓うなら許してあげるわ」

「そうね、その位しなきゃね」

「それは…絶対に嫌…死んでもしない」

「そう、それならただじゃ置かない..」

いきなり彼女達は突き飛ばしてきた。

だが、息せききらして担任の三上智子が走ってきた。

《これ、不味くない?》

《大丈夫だよ..私のお母さんはPTA会長だし、教育委員会の役員だから》

《そうだったわね..あんな親が居ない奴のいう事誰も信じないって》

「何をやっているの貴方達!」

「先生、違うんです..いきなり霧島さんが殴り掛かってきて」

「詳しくは校長室で聞きます」

三人の後に続いて私も行こうとした・

「霧島さんは来ないでいいのよ!そのまま授業に出ても良いし、何だったら図書館で本でも読んでて」

「だけど」

「良いからね」

「はい」

《不味い事になった..あの子達の親は権力者だ..退学にはならないと思うけど、何か処分があるかな..せっかく我慢したのに…どうしよう》

……………………

………..

「入りなさい」

「失礼します」

担任の三上の後に続いて三人は入ってきた。

「どういう事か説明してくれますか」

明かに、校長の声は不機嫌だ..そうとしか思えなかった。

その事に三人は気が付かなかった。

「霧島さん、凄く酷いんです..ちょっと悪口いったら私を突き飛ばそうとして」

「そう、なんです..それで躓いて..派手に転びました」

「私は水野くんに近づくなとも言われました」

「あんな女退学にした方が良いですよ…何で特待生なんですか?」

「言いたい事はそれだけかしら?」

「私のお母さんはPTAの会長だし..教育委員会の役員よ..私に便宜計るべきだわ..あんな豚みたいな子じゃなくてね」

「解かったわ..貴方達は今を持って退学にします…そして矯正施設おくりになります…この子達を拘束しなさい」

「はい」

「ちょっと待って、私達が何をしたというの…ただ悪口言って突き飛ばした..それは認める、だけど、それなら普通は怒られるだけで済むはずです」

「可笑しいわ..冗談でしょう..横暴だわ、この事はお母さまに言いつけます」

「無駄よ..貴方の責任者だから..もうPTAも教育委員会も辞任したわ..もうただの人よ、貴方の母親は」

「なんでここ迄されるの…矯正施設入りなんて犯罪者扱い..酷すぎます..精々が反省文でしょう..」

「そうよ、普通なら謝っておしまいの筈でしょう」

「頭が痛いわ..三上先生、説明してくれる」

「解りました」

「貴方達が霧島裕子さんを虐めていた事は知っていたわ」

「今更何? 知っていて黙認してたんでしょう? 今回も黙認してよ」

「あーメンドクサイわ..何であんた達みたいなゴミを庇っていたと思うのかしら」

「私のお母さんが後ろ盾だからでしょう」

「そうね、確かに..だけど、もう居ないわ」

「そんな訳無いわよ」

「可哀想に、あんた達が暴力を振るったから破滅したのよ」

「暴力ってただ突き飛ばしただけじゃない」

「そうね」

「昨日まで注意もされなかったわ」

「そうね」

「じゃぁ何でよ..おかしいよこんなの」

「霧島裕子は優良母体登録者..そして水野くんの専属契約者なのよ..今日、正式に中央より通達があったわ….これがどういう事かわかるかしら」

「「「そんな..そんな」」」

「そうよ、ただの女が優良母体を突き飛ばした…そして正式な権利を持つ専属契約者に近づくなっていったのよ…犯罪を犯したのよ..あんた達は」

「知らなかったのよ..本当よ」

「そうでしょうね..だけどそれはいい訳にならないわ」

「自分達だって」

「そうよ、だから私も校長もこれからは彼女が喜ぶように便宜を図るのよ..彼女はこの学校の宝、学生で優良母体で専属契約者…星野洋子と同じ広告塔にもなるし、その人気以外でももう権力もあるわ」

「謝ります..謝るから」

「ちゃんと霧島さんに謝る..チャンスを下さい」

「そうよ、土下座でもなんでもしますから」

「それも駄目..そんな見苦しい物を見せて気分を害されても困るのよ、だから駄目..矯正施設送りが最大の恩情..10年も頑張ればでて来れるわ..収容所に送られなかっただけありがたいと思うのね」

「汚い..汚いよ」

「ええ、大人ですから汚いわ..だけど、貴方達だって親の力を使って悪い事してたでしょう?」

「だけど、私達だけがこんなの可笑しいわよ」

「貴方達だけじゃないわ…これから霧島さんにいじめをしていた生徒は最低でも退学にはするわよ..安心して」

「だからっていってここまでしなくても良いじゃない」

「男性保護法、女性優待制度法 「優良母体は社会において優先権がある」「専属登録者との仲を裂くような行為は刑罰の対象となる」 完全に犯罪な訳…貴方達は..他の子と違って解る必要もないけどね」

「「「…..」」」

「解りましたね、もう顔も見たくないわ..連れていきなさい。」

「はっ」

霧島裕子に解らない様にこの日1日で16人の生徒が退学となった。

そして、その理由は表向きは「親の仕事の都合による転校という事になっていた」

………………..

…….

「先生の皆さん..もう聞いていると思いますが、霧島裕子さんが優良母体と水野省吾くんとの専属契約を結びました」

「校長、あの話は本当だったのですね」

「ええ」

「霧島さんは未成年なので名前を出せませんが、教育委員会より、優良母体がでた事は来年のパンフレットに記載しても良いという許可がでました、これにより来年の入学希望者は確実に増えるでしょう..ですがまだ足りません..ここはひとつ水野省吾くんと霧島裕子さんには是非妊娠までして貰いたいそう思います…それこそが当校が名門になる近道です」

「具体的には何をすれば良いのでしょう」

「ただただ見守り、彼らが楽しい生活を送れるようにするのです」

「解りました」

「良いですか、くれぐれも彼らが楽しい生活を送れるようにするのですよ….」

霧島裕子 ? バイト
今日から省吾くんは3日間他の人の所に行く。

寂しいけど仕方の無い事だ..そして4日目に他の女の子達と会わないといけない。

会う子達は、星野洋子に愛野静流、紺野愛子…全員がアイドルだ。

まさか、あの時の人、星野洋子の相手が省吾くんだなんて知らなかったな..

てっきり、他にも三人居るというのは男の子特有の見栄だと思ったんだけど違った。

お金に関しても住む所ももう解決した…あとは

……………….

……..

「面接を受けに来ました霧島裕子です」

「はい、初めましてまずは履歴書を見せて下さい」

「えっ 優良母体に専属登録..信じられません..詐称は問題ですよ..プレートはありますか」

「失礼しました..採用いたします..ですが何でエリートの貴方が牛乳配達なんてするんですか?」

「私、専属の相手には自分の働いたお金でプレゼントとかしたいんです」

「そうですか解りましたそれでは明日からお願いします、「優良母体は社会において優先権がある」私達の企業もそれを応援しています。 時給は1080円で朝2時間 週4日間で良いですか?」

「はい、無理を言ってすみません」

「良いですよ、そうだせっかくだから、牛乳と新製品のヨーグルトドリンクもプレゼントしますから毎日飲んでも構いませんよ」

「ありがとうございます」

こうして私のアルバイトが簡単に決まった。

住む所があって信頼がある..うん本当に素晴らしい。

学校に行ったけど、私は何も言われなかった。

そして不思議な事にあの三人を含む生徒がいなくなっていた。

担任の三上先生に聞いたら

「霧島さんは気にしなくて良いのよ..生徒のプライベートだから余り詳しくは言えないけど..結構裏で悪い事しててね..学校に居づらくなって..転校したのよ..その時に霧島さんの事も聞いたわ…先生、余り力になれなくてごめんね」

「そんな、先生に謝れたら困ってしまいます…そうだ私、今度、牛乳配達のバイトするんですが大丈夫でしょうか?」

「そうなの? 大丈夫よ..先生が校長先生にも言って置いてあげる」

《牛乳配達..お金に困ってない筈なのに…だけどこれで恩を打って置けば..うん校長へも良い報告ができるわ》

「ありがとうございます」

「それじゃぁね霧島さん」

《これで良い理解者って感じのポジションが手に入ったかな..さぁ何でも言って先生、手を貸すわよ..》

省吾くんが居ない3日間..ちょっと寂しいな

この間までは当たり前だったんだけど….

霧島さんの努力
さてと、私は省吾くんに会えない3日間を勉強にあてる事にした。

勉強と言っても学校の勉強では無い..SEXの勉強だ。

正直、数日前までなら普通の勉強を頑張らなくてはいけなかったけど..

今の私は優良母体に専属登録迄ある私はもう生涯生活には困らない..歳をとっても年金が私の保証をしてくれる。

だから、私の仕事は、大切な省吾くんを喜ばせる事…それだけ…

この数日間過ごして解かった事は省吾くんは「他の男性とは全く違う」という事だ。

私だって女の子だよ..幾ら貧乏でも男性との一夜位は夢を見た事はある。

だけど、だけどね..あれはそんな物とは違うよ..夢を遙かに超えているよ…うん信じられない。

今の私は幸せだよ…本当にそう言える。

その幸せをくれた省吾くんに私は何を返してあげれば良いのか考えた。

確かに今の私はお金にも余裕が出た..だけど省吾くんは男だ私以上にお金には困らない。

本当であれば性欲を押さえるのがマナーなんだけど…信じられない事に省吾くんはそっちが凄い。

いや…おかしな事にSEXが大好きなんだ。

自分の容姿を見る。

自分でも間違いなく可愛くなったと思う。

だけど、それは普通にクラスメイトのなかで少し可愛い位だ。

とうていアイドル活動している3人には敵わないと思う。

よく、省吾くんはあんなに汚くて臭い私を相手にしたのかな…不思議でならない。

だって、パンティなんて黄色い部分や茶色い部分もあったと思うし、制服のエリとか袖は茶色く変色していた筈だ。

実際に省吾くんが洗っても落ちなくてクリーニング屋に持ち込んだみたいだけど

「これは染みついていて落ちません」と返されてきた。

うん、そんな物を持っていかれた私としては乙女として終わっている…

それでも、省吾くんは私を愛してくれた。

だから、私は自分を丸ごとあげた…だけど、これ他の男の子なら..要らないという物だよね

色々考えて私は図書館にきた。

私の目的は..まだ男女比が1対1だった時代の資料だ。

恐らく、この時代の人間に省吾くんは近いと思う。

だから、この時代の男女関係を勉強する事が省吾くんについての勉強になる。

そして…この時代の性について勉強する事が…省吾くんを満足させる事になると思う。

多分、省吾くんが望む女の子は…他の男性全員から嫌われる…エロい女の子だと思う。

そして、調べてノートに書きだす。

こういう地道な努力がきっと…身を結ぶと思う。

そして、書いたノートを持って、近くのラブホに相談に行く。

「水野省吾様の専属の霧島裕子です」

プレートを出して入場する。

ラブホと言えば男性のそれも高ランクのみが使う施設と考えがちだが、実際は、その専属も利用が出来る。

「今日はどうなさりました..霧島様」

「実は、SEXについての相談をしたいのですが..」

「勿論、大丈夫ですよ…何の相談でしょうか?」

「実は..こういった下着とか..こういった物が欲しいんですが」

「随分昔の物ですね..特注で作るしかないでしょうね…だけど大丈夫ですか?」

「実はですね…だから….で試してみたいのです」

「それなら…ありかも知れませんね」

「それじゃ手配お願いします..結構お金掛かりますか?」

「何を言われるのですか? SEXは美徳ですよ..その為の努力に対しては応援します..勿論無料ですので頑張って下さい..私達も頑張りますから…赤ちゃん目指して頑張りましょう」

「ありがとうございます」

………………

「このG地区の専属登録者は 霧島さんだけです…頑張って下さいね..私や施設長の出世の為にも..その為の協力ならどんな協力でも厭わないですよ」

日替わり彼女 星野洋子
今日は金曜日..洋子ちゃんと過ごす日だ。

朝10時にS区のラブホにつく。

「おはよう、省吾くん..きょうも相変わらずカッコいいね」

「そう!ありがとう..洋子ちゃんも相変わらず可愛いね」

「うん、ありがとう…それで今日はどうする?」

「そうだね…洋子ちゃんはどうしたい?」

「実は、何も浮かばなかったの…正直やりたいと言えば、幾らでもあるんだけど..これって物が無くて」

「洋子ちゃんはいつも何しているの?」

「うん、実は最近は何もしてないよ?」

「何もしてないって?」

「アイドル活動も辞めたから…バイトもしてないし..優良母体登録と専属登録で充分すぎる程のお金が入って来るから…休んでいる状態かな」

《これはいわゆる引き籠りやニートの類なのでは..》

「そう、何もしてないんだ」

「うん! だから私はいつも暇しているから何時でも誘ってね」

「それで今日はどうしようか?何も思いつかないなら..洋子ちゃんの部屋に招待してくれない?」

「えっ..私の部屋?」

「そう、洋子ちゃんの部屋に招待してくれる?」

「えっ..私の部屋がいいの?」

《不味いな..凄く散らかっているよ..どうしよう》

「駄目かな…?」

《断れないな..これは》

「良いけど..ごめんね、凄く散らかっているよ!」

「うん、構わないよ」

「見て、幻滅とかしないよね..」

「うん、大丈夫だよ」

………………….

……….

「えーと省吾くん何処に向っているのかな?」

「近くのスーパーだけど?」

「何でかな?」

「いや、せっかく洋子ちゃんの家に行くんだから、ジュースやお菓子..料理の材料を買い込んでいこうと思って」

「確かに必要だよね、そうだよね」

《私ってどうしてこんな事に気が付かないのかな..これ私がやらなきゃいけない事だよ》

「どうしたの?」

「なんでもないよ」

二人してスーパーに行った。

なんだか家庭的で楽しい。

「あれっ、男の子と一緒にスーパーで買い物してるよ..羨ましいな」

「星野洋子だよねあれ..あれが話題の付き合っている相手な訳..凄く若いじゃない..」

「アイドルになれば..あそこまで若い男が手に入るのかな..今からでもSEKK入ろうかな」

「違うって..星野洋子がついていただけだよ..卒業した人は星野愛子1人だけなんだから」

「それ間違いだよ..愛野静流と紺野愛子も卒業だってよ」

「多分、相手はジジイだと思うよ..あんな若い子をゲットしたのは星野だけだと思うよ」

「そうだよね…一緒に買い物してくれるんだから限りなくBに近いCランク..そんな人滅多に居ないよ..しかも何あの若さ..高校生くらいだよね」

「いいなぁ羨ましい..チクショウ..なんで私じゃ無いの..」

色々聞こえてくるけど無視した。

この世界の女性は紳士的だ..直接痴漢やナンパして来ない..本当に助かっている。

《たしか洋子ちゃんは前の世界でクリームシチューが好きだったはずだ》

「まずはお肉入れて、ジャガイモと人参..あまり時間がないからルーと牛乳を買って」

「あの、もしかして省吾くん..シチュー作ってくれるのかな」

「うん、そのつもりだけど」

「えっ料理も出来るの? 男の子なのに..」

「美味いかどうかは解らないけど..母さんと妹には好評だよ」

《よく考えたら男の料理だもん..どんなに不味くたってうん美味しいよね》

「うん、楽しみだなー」

……….

…..

「着いたよ…ちょっと待っててね」

「うん」

「はい..どうぞ..散らかっているけど..ごめんね」

「気にしないよ」

《うわ..これ駄目なやつだ…ゴミ屋敷とは言わないけど..うん汚い…そういえばSEKKの女の子の部屋、前の世界で特集くんでたけど..汚い子多かったな》

「本当にごめんね..来てくれるって解っていたら掃除しておいたんだけど」

「まぁ、、せっかくだから掃除してあげるよ」

「えっちょっと待って..」

「良いから、良いから」

まずは脱ぎっぱなしのこの服を洗濯機置き場に持っていって…下着もあるけど..気にしないと。

「ちょっと..それ恥ずかしいから..」

「そう? 僕は気にしないよ?..さぁ洗濯しちゃおうか..ここお願い」

「えっ..省吾くんは?」

「部屋の掃除の続きとせっかくだから布団を干そうと思って」

「それはしなくていいって..ねぇ大丈夫だから」

「遠慮しなくて良いからね..ほら洗濯機回しておいてね」

「うー解ったよ」

布団と毛布と敷布をベランダに干した…ゴミを全部集めて..掃除機をかける。

あれ..ベットの下に本がある..これは

「省吾くん、洗い終わったよ…あーっそれは駄目だよ..それ友達から借りたの、私のじゃないからね」

「そう、借りたんだ..でも見たいから借りたんだよね…エッチなんだね」

「違う、それは違うの」

「はいはい」

《うん、これは前の世界なら..エロ本を彼女に見つけられた男の子みたいなもんだね.》

「本当に違うんだってば…ねぇ本当だから」

「そうなんだ、残念..こういうのが好きなら、今日やってあげようと思っていたんだけど..違うんだ..残念だな」

「えっ..それなら」

「違うんだよね..残念」

「あのね」

「残念、もう遅いよ」

「そんな…」

……………………

…………

お風呂とキッチンの掃除も終わり..ようやく綺麗になった。

「さてと、料理しようかな..」

「本当に作ってくれるの?」

「うん、今日は僕が作るから…今度は洋子ちゃんが作ってね」

「じゃぁ次回は私が作るよ」

「楽しみにしているよ」

シチューを作って..フランスパンを焼く、パンには明太子バターをつけて明太子フランスにした。

出来合いのローストビーフをサラダの上に載せて..ワインに見立てたブドウジュースを入れた。

手抜き気味だけどこんな物で良いかな。

「さぁ 洋子ちゃんできたよ」

「あっ、本当に旨そうだね…うーん良い匂い」

《男の子なのにこんなに料理が出来るなんて凄いな》

「それじゃ洋子ちゃん..はいあーん」

「あーん..これ凄いよね..本当に幸せ感じるよ..はいお返し…あーん」

…………………

……….

「お風呂を沸かして置いたから..洋子ちゃん入って」

「えっ悪いよ、先に省吾くんが入んなよ」

「良いから、良いから..あっ脱がして欲しいのかな..? うん」

「ちが、違う..大丈夫だよ..うん、それじゃ先に入るね」

「洋子ちゃん湯加減どうかな..」

「えっ省吾くん..うん良いよ」

「そう、じゃぁ僕も入るから一緒にはいろうか」

「あのあのののね..本当に入るの」

「面白いのもう全部見せあった仲なのに..ほら詰めて..」

「はい…こんなの慣れる訳ないよ」

「そう、こういうの洋子ちゃんは嬉しくないのかな」

「確かに嬉しいけど…緊張しちゃうよ」

「そうかな..それじゃ洗ってあげようか?」

「あのね、ちょっとそれ、何でタオルじゃなくて手にボディーシャンプーをつけているの?」

「これで洗うから」

「ちょっと、くすぐったいよ..それ駄目だって..ねぇ.やめて不味いから、本当に不味いから.」

「もう終わるから大丈夫だよ、はい..終わり..流すね」

「うん、ありがとう…」

「それじゃ..今度は洋子ちゃんが洗ってくれる?」

「えっ…えー」

「早く..湯冷めしちゃうよ」

「うん..」

《凄く嬉しんだけど..さっきから鼻血がでそうだよ..顔は赤くなっちゃうし..ドキドキが止まらないよ》

「はい、終わったよ」

《はぁ..顔が見れないよ》

「それじゃ出ようか?」

「うん、そうだね」

省吾くんは手早く体を拭きだした..うん、体は拭きっこしないんだね。

「それじゃ拭いてあげるね」

「えっ..」

《油断したよ..やだ拭かれちゃているよ..》

「はい終わり..それじゃぁ」

「ちょっと待って….何..するの?」

「うん、お姫様抱っこ」

「嘘嘘嘘嘘嘘..私..裸だよ..見えちゃうから」

「前にも見たじゃん..はい手を回してね..よいしょっと」

《これは可笑しいよ..絶対におかしい..こんなの官能小説にも、書いてないよ..嫌だ..体が熱くなる..》

「うん、解かったよ..はい」

そのまま私はベットに運ばれた..そしてそのまま省吾くんが覆い被さってきた。

「待って、このままするの?」

「そうだよ」

「せめて、電気消そうよ..恥ずかしいからね..お願い」

「だーめ」

「駄目じゃないよ..ねぇ本当に恥ずかしいの」

「聞こえないよ」

「そうじゃ無くて..ねぇったら..ああもう..」

結局求められるまま朝まで何回も愛し合った。

こんな事話しても、静流ちゃんや愛子ちゃん以外は誰も信じないと思う。

だって、こんな自分から女を求める男なんて省吾くんしか居ないと思うし。

空想の世界ですらいない。

省吾くんを知っちゃったから..もう他の男なんてっどうでも良くなった…

多分、私は..他のどんな男性でも満足なんて出来ないようになっちゃったんだと思う。

日替わり彼女 愛野静流
今日は土曜日、静流ちゃんと過ごす日だ。

そして僕は静流ちゃんの持っている会社の一つに向っている。

《これは凄い..どう見ても50階以上あるな…このビル..しかも愛野グループって書いてある..自社ビルだ》

ビルの中に入ると..

「お待ちしておりましたわ..省吾さま」

「凄いね、静流ちゃん..このビル」

「大したことありませんわよ..欲しければ省吾様に差し上げますわ」

「要らないよ..貰っても困るだけだから」

「本当に省吾様は欲が無いのですね..」

「欲ならあるよ..だけど本当に欲しい物はもう手に入っているからこれ以上欲しい物はないかもね」

「そうなんですの..残念ですわ…所で今日はどうして私の仕事場をリクエストしたのですか?」

「うん、よく考えたら僕は、アイドル以外の静流ちゃんを知らないから、知りたかったんだ」

「そうですの..ではどうすれば良いのでしょうか?」

「そうだね…今日は静流ちゃんがいつもしている仕事を見たいな」

「仕事ですか..弱りましたわね..今日のお休みの為に全部終わらせてしまいましたわ」

「そう..それじゃ社長室が見たいな」

「そんな所が見たいなんて..省吾様は変わっていますわね..良いですわ行きましょう」

「ここが社長室ですわ」

確かに広いけど….凄いって程じゃないな

「案外、質素なんで驚きましたでしょう..仕事が出来ればそれで良いのですわ」

「そんな事無いよ…綺麗に整理整頓されていて..本当に仕事のできる人の仕事場だね..感動した」

「本当にそう思いますの..ありがとうですわ」

「僕はまだ学生だから余り仕事については解らないけど..良かったら僕が見ても良い書類とかある」

「省吾様は仕事に興味がありますの?…そうですわね..これは庶務の書類ですわ..地味ですが」

「会社で使っているコーヒーメーカーとカーペットの書類だね…あのこれを使ってちょっと遊んでも良い」

「まぁ、書類を使って遊びますの? 本来駄目ですが..私の見ている前なら良いですわ」

「パソコンを借りるね..」

「どうぞ..でも何をしますの?」

「ちょっと待っていてね」

僕はパソコンでインターネットを見た。

ドリンクバーの機械とコーヒーメーカーのレンタルの会社を探す…そして金額や性能を調べる。

次に、カーペットの会社数社の商品と実際に静流ちゃんの会社の商品を見比べる。

「本当に何をしていますの?」

「うん、出来た…はい企画書…最も働いた事も無い学生が作った物だけど」

《僕は前の世界でアルバイトをしていた..勿論、こんな会社で通用するとは思えないけど》

「社長と社員ゴッコですの? どれどれ…良く出来ていますわね..あら、この数字..安くなってますわね..ドリンクバーにしても800円高くなるだけですの? この数字は..冗談ですよね」

「一応HPに書いてあった金額です」

「それじゃあ…本当に安くなりますのね..確かに値段をあげてもドリンクバーにすれば社員は好みの物が飲める..安くする方法と..質を高める方法ですか..ちゃんとした企画書ですわ」

「学生が作った遊びですよ、遊び」

「そうなのですか? こっちのカーペットも700円リース代が安くなりますわ」

「そうですね」

「これが会社全部で変えた場合の差額ですの…えっ364万円…コーヒーメーカーの方が240万円..これは考える余地がありますわね…これ庶務にまわしても良いですか?」

「あくまで学生が考えた事ですので、ちゃんと調べて下さいね」

「それは勿論しますわ…所で省吾様は将来..働きたいのですか」

「何故ですか?」

「いえ、男性でこんな事考える方は居ないと思いますわ」

「静流ちゃんが専属相手だからかな」

「えっ、私ですの?」

「多分、僕は仕事については役立たずだと思うけど..聞かれた時に意見位は言えるようになりたいなと思って…それだけかな」

「まぁ..でも違う視点からみて貰えるのは心強いですわ…しかも男性視点で考えて貰える経営者なんて私だけですわね…」

《こんなの不意打ちですわよ…男性なのに仕事に理解がある何て..他には絶対に居ませんわよ》

「だったらこっちはどうお思いですか?」

「紙の広告を減らしてWEBの方に力を入れた方が効率が良いと思います」

「確かにそういう考えもできますわね…じゃぁこっちはどう思います」

「どうせ買うなら..こっちの方が導入費は高いが成果が出そうなきがします」

…………………..

………..

「省吾様..その歳でそこまで出来たら凄いですわ..」

「そうですか静流さんにそう言って貰えるなら嬉しいです…それじゃ仕事はこの位にして次は静流ちゃんの家に行きたいな?」

「私の家ですの? 解りました、招待してさしあげますわ」

………………..

………….

「綺麗なマンションだね」

「高さだけが自慢の大したものじゃありませんわ」

…………………

……..

「凄いね…周りが一望できるんだね..凄い良い景色」

「この景色が自慢なんですの…夏には花火大会が見えますのよ..今は時期外れですが」

「うん、凄い」

《洋子ちゃんと大違いだ…豪華とか以前にしっかりと整頓されている》

「ちょっと冷蔵庫見ても良い?」

「別に構いませんが..どうしてですの?」

「凄いね..沢山の食材がある..」

「私..こう見えて料理も得意なのですわ」

「だったら一緒に作らない?」

「良いですわね..それ」

「それじゃ、僕はパスタとサラダを作ります」

「でしたら、私は何か肉料理とスープでも作ろうかしら」

「「うん、旨いです(わ)」」

「静流ちゃん凄い..このステーキのソース…といい、サラダのドレッシングといいオリジナルだよね..凄く旨いよ」

「それを言うなら省吾様だってしっかりとしたアルデンテでこのソース..絶品ですわ..それにこのスープ野菜を裏ごししていますのね..まるでレストラン並みですわよ」

《これを男が作りますの..これなら1皿50万円だって行列ができますわ》

「そう、喜んで貰えたらなら嬉しいな…それじゃお腹も一杯になったしお風呂にはいろうか?」

「省吾様..入ろうかって..まさか一緒に入りますの..違いますわよね」

「もう、お互いに見せて無い場所なんて無いでしょう? こんだけ大きいんだから問題無いよ」

「あの、その..ですわね、省吾様が良いのなら..その構いませんわ..ですが心の準備が」

「そう、じゃぁ先に僕がはいっているから…後から気持ちの整理がついたら入って来てね」

「はい」

…………………….

……..

「省吾様..」

「ようやく入って来たね..のぼせちゃう所だったよ..それじゃ洗ってあげるね」

「あの、何で省吾様はスポンジでは無く手にボディーシャンプーをつけてますの?」

「これで洗う為だよ.」

「冗談ですわよね!」

「冗談って何かな?」

「ちょっと、省吾様..そこはちょっと..嘘ですわ..直接手ですの.. 手ですの…」

「あれっ手じゃ嫌だった..だったらこうしたら一緒に綺麗になれるね」

「あっあああ..なんで自分の体にボディシャンプーを塗ってますの..まさかですわね..まさか」

「何かな?」

「やっぱり..それは、それは 生殺しですわーー」

「ほら、体、洗い終わったから今度は髪を洗ってあげるね」

「ふぃー…これは普通に気持ち良いですわね..今度は私が省吾様の髪を洗ってあげますわ」

「うん、ありがとう..気持ちい良いね」

「それじゃぁとよいしょと」

「きゃぁー嘘私..裸で抱き上げられてますの..見えちゃってますの..全部見えちゃえって」

「大丈夫?」

「大丈夫じゃないですの..裸でお姫様だっこされてベットに運ばれて..心臓が苦しくなりましてよ」

「嫌だった?」

「違いますわ..嬉しくて仕方ないのですわ..ですが、私こういう事には全く免疫がありませんの..だから困るのですわ」

「僕もそんなに慣れてないよ..だけど」

「だけど、何ですの?」

「静流ちゃんにしたい事や喜びそうな事をしているだけだよ」

「これもですの?..駄目ですわ..本当に..」

結局、乱れに乱れて気が付いたら明け方2時になっていた。

静流ちゃんはぐっすり寝ている。

静流ちゃんは僕や他の子と違ってきっちり働いている..しかも経営者として..明日からは仕事だ。

僕は静流ちゃんの頭を抱えるように寝た..明日は早く起きてご飯くらいは作ってあげないと..

ギリギリまで寝て貰って優しくキスで起こした。

「静流ちゃん..ご飯できたよ」

「えっご飯..作ってくれたんだ」

「簡単な和食だけどね」

「ありがとうですわ」

食事の後、一緒にマンションの外に出た。

「今日も一日がんばってね」

軽くキスをして見送った。

静流ちゃんは赤くなりながら「ええ、頑張りますわ」と笑顔で手を振って車に乗った。

日替わり彼女 紺野愛子
今日は日曜日、愛子ちゃんと過ごす日だ。

僕は愛子ちゃんとの待ち合わせで噴水広場に居る。

「省吾お兄ちゃんお待たせしました」

「全然、待って無いよ…今日は何処に行こうか?」

「えっ…何処が良いかな? 愛子、省吾お兄ちゃんの行きたい所なら何処でも良いよ?」

最近になって解った事がある、それはこの世界の女の子は..デートとか考えるのが下手だ。

よく考えたら仕方ない…普通の女の子は一生デートをしないで人生が終わる事も多い。

そんなこの世界の女の子に、デートについて考えさせる事は難しいかも知れない。

何しろ、彼女達は「一緒に居られる事だけで幸せを感じてしまう」のだから。

「それじゃ..何時も愛子ちゃんはどういう所に行くの?」

「そうだね..焼肉とスイーツを食べに行くかな..それ位」

《焼肉とスイーツか..お腹はまだすいて無いから..スイーツの方が良いかも》

「だったら、お勧めのスイーツ店とか連れて行ってくれる?」

「ううん..良いよ省吾お兄ちゃん」

ケーキが美味しいというお店に連れてきて貰った。

「それじゃ..並ぼうか?」

「うん」

………

「あの、そちらの方は..あっ水野様ですね..どうぞ、こちらへ来てください」

「並んでいる人に悪いんで..並ばせて下さい」

……

「あっ大丈夫ですよ..皆さんはどう思いますか」

「男の子を並ばせるなんて..出来ません..私は先を譲ります」

「あっ私も」

「私も..どうぞ」

「だ、そうです..お気になさらず先に入って下さい」

「はい..」

何だか本当に悪い気がする..僕はただ興味半分に食べに来ただけなのに..彼女達はケーキ目当てで随分前から並んでいたんだよな..

「どれが..愛子ちゃんのお勧め?」

「えーと、ショートケーキが一番旨いけど..チョコレートケーキも旨いよ」

「だったら一つずつ頼んでシェアしようか?」

「えっ…うーん..そうだね、うん、それが良いな」

《正直、1人で1個食べたいけど..そうしたら..あーんがして貰えない..うん、今日は半分で良いや》

「それじゃ頼もう」

「うん」

………….

…..

「確かにこれは美味しいね..旨い」

「でしょう..愛子はこれが食べたくてよく来るんだよ….」

「あっ..はい、あーん」

《流石にこの中でやるのは恥ずかしいけど..食べないで待っているんだもの..仕方ないな》

「あれ..何かな..男の子が女の子に食べさせているよ」

「さっき、お兄ちゃんと言っていたから兄妹か..微笑ましいな..私もあんなお兄ちゃんが欲しかったな」

「あれっだけど…あれSEKKの紺野愛子じゃない? 確か一人っ子だよ..」

「それじゃ..あれ、兄妹の真似しているの? 変態プレイじゃない」

「だけど..幾ら払えば1日お兄ちゃんみたいな事してくれる訳?」

「あんな恥ずかしいプレイ..多分高額だと思う…想像もつかないや」

《やっぱりちょっと恥ずかしい》

愛子ちゃんの方を見る。

何故か愛子ちゃんは誇らしげに親指を立てた。

「大丈夫だよ省吾お兄ちゃん! 愛子は全部受け止めるから!」

「あのさ..愛子ちゃん..僕は変態じゃないよ」

「大丈夫だって..それを差し引いても..省吾お兄ちゃんはかっこ良いし凄いの解るから」

「だから、僕は」

「愛子は平気だよ..全部解っているから」

「何を、知っているの?」

「だって省吾お兄ちゃんは多分普通に考えたらSランクかAランクだよね」

「そうだよ僕は…」

「大丈夫、大丈夫だから..省吾お兄ちゃんのBランクの、性行為には一部抵抗を示すが軽い改善策で性行為が可能の改善策が..これ、いわゆるシスコンなんでしょう…大丈夫だから..愛子は恋人兼、妹として一緒に変態の道を突き進むから安心して」

「僕は変態じゃ無いのに..」

「大丈夫だから..気にしないで良いよ」

この世界には萌えは無い..だからこれは説明できない。

説明できない以上..愛子ちゃんを妹キャラとして扱う以上は..背負う十字架なのかも知れない。

「解ったよ..僕はもう変態で良いや」

「うん、自覚あるなら…良いよ」

「はい」

………………..

……….

「さぁ..次は何処に行こうか?」

「そうだね..愛子は何処でも良いよ」

「じゃぁ..愛子ちゃんの家が良いかな」

「うん、大丈夫だよ..ちょっと散らかっているけど..うん、見せたい物もあるから」

二人して愛子ちゃんのマンションに向った。

部屋に入ると洋子ちゃん程じゃ無いけど..少し散らかっていた。

だけど..部屋自体は汚れていない..段ボールが散らばっているだけだ。

「さぁ入って、入って 省吾お兄ちゃんの喜びそうな感じに変えてみたの」

「へぇー..って、ナニコレ」

《うわー..子供っぽい机にイチゴ模様のカーテン..メルヘン調のベット…しいて言うなら..the子供部屋だ..よく見ると..ランドセルまである》

「こういう感じが省吾お兄ちゃん好きでしょう..だから通販で買ったんだ..どうかな」

《いやぁーー僕は、妹キャラは好きだけど..ロリじゃないよ..これじゃまるで小学生の部屋だ..だけど、これ..全部僕の為に買ってくれたんだよな》

「うん..ありがとう」

「あぁ、省吾お兄ちゃん..禁断の世界にようこそ..」

結局僕はノリノリな愛子ちゃんに会わせて..お子様カレーを作った..はちみつ入りで..

一緒にお風呂に入る時に下着をみたら..イチゴぱんつにスポーツブラだった。

お風呂に入った時も「お兄ちゃん背中流してあげるね」からはじまり「お兄ちゃん愛子も洗って」だ。

方向は間違っているけど..これは凄い努力をしているんだと思う。

そして、最後は

「お兄ちゃん..一緒にしよう」から始まって「お兄ちゃん駄目だって」~「そしてお兄ちゃん気持ちいい」「お兄ちゃんもっと」のフルコース。

それで何回もしてしまう僕はやはり..変態なのかも知れない。

そして、今愛子ちゃんは全てやりきりました..とばかりに横で寝ている。

実際の愛子ちゃんは僕よりも年上だ..そしてこれをする事は..恥ずかしい事だと思う。

前の世界で僕にショタが好みだからショタになってと頼まれたら…相手がアイドルでも少しは躊躇すると思う…

そこまでしてくれる愛子ちゃん..うん凄いと思う。

僕は愛子ちゃんの髪を撫でた…萌えの文化の無い世界で妹キャラ..それを欲しがったんだ..変態と呼ばれる運命も..受け入れるしかないのかな..そう思った。

閑話:動く
「ミスマドレーヌ、人類エデン計画の方は順調ですか」

「ミス、バージル、まだ暫定的でありますが..水野省吾とその専属契約社が暮らす街を中央と裏で認定し、そこから近い順にA地区、B地区 C地区 D地区として行く予定です」

「その仕分けの方は順調に行っていますか」

「A地区には優良母体の女性の移動は大方済みましたわ…あとは犯罪者施設のD地区への移転と市民の移動は全体の30%という所です」

「かなり遅延がでていますね…早急とは言いませんが..時間は惜しい..早急に対処しなさい」

「はい」

「キングにクィーンの選択…そしてまだ見ぬ第二世代のプリンスとプリンセス..やる事は多い」

「はい」

「我らの悲願は近い…此処が正念場です」

「解りました..早急に進めます」

「頼みましたよ」

ガールmeetガールズ
今日私は凄く緊張している。

他の専属契約者に会わなくてはいけないから..

「大丈夫だよ、霧島さん、皆とっても優しいから」

《そりゃそうだよ..省吾くんを愛しているから優しいのは当たり前だよ..だけど、私は邪魔者だ、優しくなんて出来ない筈だ..》

緊張しながらS地区のラブホについた。

省吾くんと一緒に中に入る。

「凄いね..S地区のホテルはこんなに大きいんだね」

「確かに…大きいね」

「省吾様..おはようございます..あら、その子がお話しのあった同級生の子ですの」

「あれっ..省吾お兄ちゃん..年下じゃ無いんだね」

「あのさ、愛子ちゃん..何気に..省吾くんの事馬鹿にしてない? 省吾くんはロリコンじゃないよ」

余り問題は無さそうだな。

「初めまして、霧島裕子です…宜しくお願いします」

「わ.た.し.は.妹兼彼女の紺野愛子だよ..宜しくね裕子お姉ちゃん?」

「あれっ紺野さんは私達より年上ですよね」

「そうだけど…この方が省吾お兄ちゃんが喜ぶから..」

「それじゃ、私は愛子ちゃんって呼べば良いのかな?」

「うん、それで良いよ..愛子ちゃんって呼んで」

「愛子ちゃん」

「うん、それで良いよ 裕子お姉ちゃん」

「私は愛野静流って言いますわ..まぁ知っていますわよね」

「SEKKでテレビで見ましたし..実業家として有名ですよね…私、ピンクのマーメイドはカラオケで良く歌うんですよ..実物はテレビ以上に美人ですね..本当に綺麗ですね」

「そう、それじゃ私のファンみたいなものですわね..歳も近そうだから静流ちゃんか静流で良いですわ」

「はい、静流ちゃん」

「はい、裕子さん」

「最後は私ね、星野洋子..SEKKを見ていたんなら解るよね」

「はい、勿論知っています」

「それじゃ、私も洋子ちゃんで良いや」

「はい、洋子ちゃん」

「うん、それで良いよ..裕子ちゃん」

案外、優しそうだな….

「あの、大丈夫なんですか?」

「もしかして、自分が加わって良いのかって事?」

「はい」

「それなら大丈夫ですわよ! 多分、後数人は増えると思ってましたのですわ」

「うん、そうだよ寧ろ1人なら思ったより少なかった位だよ 愛子とキャラが被らないからうん、問題無いよ」

「そう言って貰えると助かるわ」

「それに私達三人は学校にまでは年齢的に無理だからね..こっちから同級生から選ぶようにアドバイスしようと思ってたんだ…だから問題無いよ」

「本当に良かった..ありがとう」

「気にしなくて良いのですわ…省吾様が選んだ人なのですから..家族みたいな人なのですわ」

「ありがとうございます」

洋子ちゃんたちは優しいな…これなら旨くやれそうだな…心配して損した。

「これからは宜しくお願い致します」

「「「こちらこそ宜しく(なのですわ)」」」

皆、良い人達みたいで良かった..

本当にそう思った。

日程と水着
結局話し合いの結果、霧島さんは、火曜日、水曜日、木曜日の3日間のうち2日間という形になった。

「本当に良いのですか? 他の方より多くの時間を頂いても」

「そうしないと釣り合いがとれませんわ…裕子さんの割り当ての日は学校で過ごさなければなりませんもの…実質半日×2日間と考えれば良いのですわ」

「そうだね、省吾お兄ちゃんと学校で過ごす事は出来ないし..学校に居なければいけないって考えればそれで良いかも」

「うん、裕子さんがしっかり目を光らせてれば…他の女の子の抑止力になるし…良いかも」

「それで、今日はどうしますの? 」

「愛子はせっかく皆んな揃っているんだから何かしたいな」

「そうだよね、何処かでかけようか?」

「それで、何処か宛はあるのでしょうか?」

「あの、そこで何で皆んなして僕を見るのかな」

「いや、省吾お兄ちゃんなら何か良いアイデアがあるんじゃないかなと思って」

「そうですわ、省吾様が面白いという事をしてみたいですわ」

「うん、それが良いかも」

《これ省吾くんに結構ストレスが溜まっていくんじゃないかな》

「省吾くん..困っているみたいだから..皆んなで考えてみませんか?」

「そうですわ…省吾様の楽しめる事を考えるのも専属の務めですわね…それで裕子さんは何かアイデアがありますの」

「そうですね…せっかくだからラブホで遊びませんか?」

「ラブホでですか?」

「だって、ここは女の子の憧れのラブホですよ…そして専属以外は入れない場所何ですから使い倒しましょうよ」

「確かにそうですわね..裕子さん、何かアイデアがありますの」

「そうですね..だったらこういうのはどうですか? これから制限時間1時間でそれぞれが水着を買ってきます..それでこれから夜までここのプールで遊んで、一番になった人が、今日の夜、省吾くんを独占するって言うのはどうですか?」

「その話、愛子は乗ったよ..うん負ける気がしないから」
《省吾お兄ちゃんはシスコンでロリなんだよ子供っぽい水着を選べばこのナイスバディ(つるペタ)で勝利確実だよ》

「面白そうですわね..乗りましたわ」
《大人っぽいビジネスウーマンが好きな省吾様なら大人っぽいシックな水着で良い筈ですわ》

「そうね..うん私も受けて立つよ」
《省吾くんは私が好きだったんだから..SEKKの服に近い水着なら楽に勝てそう..うん、行けるよ..これ勝てるよ》

「じゃぁ..勝負って事で良いですか」
《省吾くんを一番知っているのは多分私だよ…昔あった..あれなら多分勝てるんじゃないかな?》

「「「うん」」」

プールと水着
先に着替えて僕は待っていた。

前とは違い、ここはほぼプライベートな感じだから七分丈のズボンタイプの水着で上はきてない。

何か男が水着の上を着ているのって可笑しいと思う。

まぁ、この世界では僕の方が可笑しいのだが…

「あの、本当に上は要らないのでしょうか?」

「はい、大丈夫です…」

「ここはラブホだから良いですが…他では気を付けてくださいね」

「はい解りました」

僕は水着を着てガウンを羽織るとそのままサマーベットに寝そべって。

…………………….

……….

「省吾くん..起きて」

洋子ちゃんの声で起きた。

うん、寝てしまったようだ。

「どうですか?似合っていますか?」

洋子ちゃんの水着はピンクのビキニにフリルが付いている..良くカップルの女の子が着ているよな感じの物だ。

「うん、似合っているよ..うん」

「ありがとう」

「私。私はどうですの?」

静流ちゃんは黒のワンピースでちょっと大人っぽく見える。

「うん、綺麗..でうん、大人っぽくて..似合っています」

「ありがとうですわ…省吾様」

「私は私はどうかな省吾お兄ちゃん」

一応はビキニなんだけど…イチゴの模様で..胸のナインペタンを際立てている。
一番近いのは…昔のジュニアアイドルのイメージビデオだ…
どう見ても小学生か中学生にしか見えない…だけど、これは僕の性だからな..

「うん、可愛いよ..似合っているよ」

「ありがとう、省吾お兄ちゃん..頑張って着たかいがあったよ」

「あれっ、霧島さんは何でガウン着ているの?」

「ちょっと恥ずかしいからね..じゃぁ脱いじゃう」

「えっ、それ 殆どヒモじゃない」

ハイレグとかじゃないよ..ただの少し太いだけのヒモなんだ..マイクロビキニだってけ..ちょっと太い紐でVレグ…確かに乳首や大切な所は隠れているけど…ともかくエロイ。

「あの..凄く恥ずかしいの..だけど省吾くん..がこういうの好きかなって思って頑張って着てみたよ」

これって、前の世界だとエロ本ギリギリのグラビアだよ

「うん、…凄いね..うん」

「省吾くんが気に入ってくれたなら満足だよ」

《あれはなんですの? お店では無かったですわ…まるで痴女ですわ…私には無理ですわね》
《勝負にでたね裕子ちゃん..あれ省吾くんじゃなく普通の男だったら気持ち悪がれるよね》
《あれは失敗だよ..省吾お兄ちゃんは..子供っぽいのが好きなんだから》

「さて、僕も泳ごうかな」

「ああああああっ省吾様..裸ですわよ..裸」

「省吾くん..私よりよっぽど凄いよ…それ《やっぱり、私の考えは間違ってない》」

「省吾お兄ちゃん..胸隠した方が良いと思うよ」

「省吾くん…駄目、顔が見れない」

そんなに凄いのかなこれ?

その後はプールで泳いだり..ノンアルコールカクテルを飲んで休んだりして過ごした。

他にも施設は沢山ある…案外ラブホで遊ぶのは良いのかも知れない。

……………..

……….

「それで、省吾様..今日の勝者はだれですの?」

「私だよね、省吾お兄ちゃん」

「違うよ..私だよね」

《うーん、正直誰でも良いんだけど…どうしても選ぶなら..霧島さんだな…あんなに恥ずかしい恰好してくれたんだから..何しろ紐だよ..ヒモ》

「それじゃ…勝者は霧島裕子さん」

「《やっぱり、私の考えは正しかったみたい…良かった》やったー」

「省吾様は..痴女みたいな恰好もいけますの…私も..」

「省吾お兄ちゃんは…そっちもいけるんだ…思った以上の変態だったんだね..」

「省吾さんって何でもいける変態さん..だったんだへー」

…………..

……..

「あの、僕は変態じゃないよ!」

「「「「絶対に変態だ(よ)(わ)」」」」

本当に僕は変態じゃ無いのに…誰も聞いてくれなかった。

閑話:別の世界の霧島裕子
私の名前は霧島裕子。

まぁ自分で言うのもなんだが….そこそこ可愛い方だと思う。

うん、もしかしたらクラスでは一番かわいいかも知れない。

そんな私が好きになったのが水野省吾くん…少し地味だけど..可愛くて、カッコ良くて優しい男の子だ。

当人は気づいてないと思うけど、私を含めて数人の女の子は彼の事が好きだ。

だが、彼は男との友情が優先みたいな所があるから..私を含め、遠くから見ている女の子が多い。

うちは貧乏だけど母と私で幸せに暮らしていた。

だが、ある時から歯車が狂いだした。

それは母親の明美があのクズと付き合いだしてからだ。

あのクズ哲夫と付き合いだしてからお母さんは変わってしまった。

綺麗だった黒髪は茶髪に変わって、タバコばかり吸うからこの部屋もタバコ臭い。

途中、何回か注意もしたが一切聞かない。

やがて、お母さんは元々のパートを辞めて水商売で働き..やがて風俗店で働くようになった。

その頃にはこのクズ、哲夫がこの家に住むようになった。

《もう、駄目だ..逃げないと》

そう、真剣に考えるようになったが、それは遅かった。

ある日の事、お母さんが働きに出て居ないときに、あの男、哲夫が襲ってきた。

私は必死に抵抗した..顔から鼻血を出し…痣だらけだ..だけど頑張ったんだ…

そうしたら..扉が開いた..頑張ったから助かったんだ..そう思った。

「お母さん..助けて..」 助けを求めた…これで助かるそう思ったのに..

「あら、裕子..良かったわね..これから哲夫が女にしてくれるってさ..」

「何をいっているのお母さん..」

私の頭は真っ白になった…何がなんだか解らない..

その後も暴れる私を、お母さんがクズ哲夫と一緒に押さえつけてきた。

そして…私は汚されてしまった。

今となってはその時に家を飛び出したり..何処かの施設に助けを求めれば良かった。

だが、そんな事をしたら学校に行けなくなる…学校に行けないと…省吾くんに会えない。

そんな事を考えたから…泥沼に嵌っていった。

一向に抵抗を辞めない、私にクズ二人(哲夫と母親)はクスリを使った。

多分、麻薬みたいな物だと思う..その薬は本当に怖い..体から力が抜け..抵抗できなくなる。

そして、薬欲しさにクズにすら逆らえなくなった…そして監禁に近い状態で犯され続けた。

そして、そんな私を見てクズ母は..

「あーあ、汚いわこの女は..もう哲夫もあきたでしょう..私もそろそろ歳でお客もつかないから..この子で稼がない?」

そんな事を言い出した。

「そうだな、流石に飽きたからそうするか」

クズが乗らないはずがなかった。

その日から私はお客を取らされた..場所はこの部屋…相手はクズたちが探してくる。

1人の時もあればあれば複数の時もある…

そして、このクズたちは..お金欲しさにとうとう私の学校の生徒にも手を出した。

私の事を好きだった男の子に話を持ち掛けた。

「嘘、霧島さんとやれるんですか?」

「あぁ.思いっきり生で楽しんで5万円でいいぞ」

「それなら、僕..買います」

そして、私は同じ学校の下級生に犯された。

《もう、学校にバレるのは時間の問題ね…》

その後もお客の中に何人も学校の生徒が混じっているから..終わったわ..多分、そのうち省吾くんにも知られるな…それは嫌だ..

《こんな、お金で抱ける女..便器みたいな女..省吾くんとつき合えないよ…》

お客が私を犯し帰った..隣の部屋でクズ二人はテレビを見ていた。

「クズ…お前が居なければ幸せだったんだ..お前が居なければ」

「裕子..何を言っているの..また殴られたいのか?」

クズが私を殴った..クズ母は笑って見てた..

「えっ..うあががががががががが..」

「フフフ..どうしたの? 私の地獄はこんなものじゃなかったわ」

私はクズのお腹にナイフを刺した…元からこうすれば良かったんだ..多分、此奴に犯された時も..私は優しさがあったんだと思う…こうすれば抵抗できたんだから…残念ながら..今の私にはその感情は…ないわ

何か言っているけど知らない..ザクザクザク..うん、凄く楽しい..ははは..こんな簡単に終わるのに..何故しなかったのかな..そうすればここまで汚れなかった。

「裕子、裕子、裕子…話を聞いて..お母さん.怖かったの..脅されて」

「よく言うわね..笑って見ていたくせに..私の幸せ壊したくせに」

腰を抜かしたこいつにはナイフも要らないわね…

殴って、殴って、殴り続けた…幸い、この部屋では私への暴力が日常茶飯事で、犯される私の声がいつもしていた..だから、近所の人も…いつもの事、位しか考えてないだろう。

「辞めて、辞めて…これからは良い母親になるからね.ね」

知らないよ..もう遅いよ..

私の手から白い物が見えた..骨だ..その頃のクズ母は..歯が周りに落ちて..目の片方も陥没していた。

「やめて..ごめんなさい…母さん…悪かった…ゆるし」

「知らないわよ..同じ事私が何回行っても辞めてくれなかったわ..知らない」

「そんな..ごめん..」

「その茶色い髪、腹が立つわね..燃やしちゃおう..」

「何をいって..いるの」

私はコンロに火をつけてクズ母の髪の毛に火をつけた…

「がやあああああああ、ぎゃあああああ..熱い、痛い..顔が顔が..私はここまではしていない..何でここまで」

「私の恋を殺したから..」

気が付くと私はクズ二人を殺して…気絶していた。

その後、警察で取り調べをされたが、重度の麻薬中毒と私の悲惨な状況の為か起訴されなかった。

その代わり、麻薬が抜けるまで施設送りだ..

もう、省吾くんには会えない..な..生きていても仕方が無い..もう何も私には無い…

施設に行って1週間…私は首を吊って…人生を終わらせた。

もし、やり直しが利くなら..省吾くんと一緒になって..友達と..沢山遊びたい..

「貴方の人生は悲惨だったのね..だったら」

何か聞こえた気がしたけど…多分気のせいだ..もう私はぶら下がっているんだから….

勝者のご褒美
「負けは負けですわ..次こそは私の勝ちですわ..」

「うん、つぎはロリプラスビッチで絶対に勝つからね、省吾お兄ちゃん」

「うーん..省吾くんは変態だったんだね..次は..私も..そのね..頑張るから」

この世界の男性はSEXを嫌う…ならSEX好きの僕は変態なのだろう…多分この世界で1番エロい男かも知らない…だけど、それでも

「僕は変態じゃないよ..」

「「「はいはい」」」

にやにやしながら三人は帰っていった。

「霧島さん..その恰好どうしたの?」

僕は目を疑った。

「こういうのも好きなんじゃないかなと思って…作ったの…かなり恥ずかしいんだけど」

霧島さんの服装はスケスケの紫のべビードールで下は同じくスケスケのパンティだった。

確かにこの世界にも透けた下着はあったけど…こんなのは無い…女の子がおしゃれを楽しむもので…こんなエロい物じゃない…それ以前にこんなの着たら..この世界の男は泡を吹いて倒れるか..逃げ出す。

「すすすすす、凄いね..それ..うん…そんなのもあるんだ初めてみた」

だって、これ確実にエロ本にある格好だよ..この世界にあるはずがない。

「うんとね..これはまだ男女比が1対1だった時代に、女が..男性とSEXする時に着てたらしの? 変だよね」

「変じゃないよ..凄く..セクシーで綺麗だよ」

「良かった..良かったよ..気持ち悪いとか変態とか思われるんじゃないかと思って..怖かったんだ..うん、ありがとう」

よく見ると霧島さんは少し震えていた..そして今にも泣きそうな顔をしていた。

僕はそんな霧島さんを抱き寄せキスした。

「あっ」

霧島さんが恥ずかしそうに僕を抱きしめてきた。

そして、そのまま僕たちは体を重ねた…服装に刺激されたせいか..僕はいつも以上に霧島さんに溺れた。

疲れて眠ってしまうまでむさぼるように求めあった。

(霧島裕子)

やっぱり、これで正しかったんだ。

省吾くんは…ランクとかで無く…多分、この世ではいない筈の正常な男子だ。

それなら、まだ男女比が1対1だった頃の文化を勉強して..当時の女性のようにふるまえば喜んでくれるはず。

これは多分私しか知らない..このアドバンテージは渡さない。

皆が気付く前に..差をつけなきゃ…

………..

….

《しかし、凄い、この服一つで省吾くんがあんなになるなんて…凄すぎる..あんなにしてくれるなら、早く第二弾を考えなきゃ》

この可愛らしい人にさらに愛される為に..うんもっと頑張らないと…

優しい援助交際
今日は久々に学校に来た。

そして、昼休み…

「霧島さん…これは何かな」

霧島さんが、豪華なお弁当と600円を差し出してきた。

「私..牛乳配達のバイトをし始めたの、朝2時間」

「そう、なんだ…えっまだお金が足りなかったの…それだったら」

「あっ違うよ..お金なら十分あるから…アルバイトはね…省吾くんがくれた物じゃなくて私が自分で稼いだもので省吾くんに何かしたいから始めたの」

「何で?」

「だって、優良母体も専属も省吾くんから貰ったものじゃない? だからそれ以外…自分の力で手に入れた物を省吾くんにあげたいんだ..ダメかな?」

「駄目じゃないよ…ありがとう」

《霧島さんはやっぱり…凄いな..》

「それにね..まだ男女比が1対1だった時には援助交際というものがあったんだって…売春とか」

「確かにあったらしいね」

《前の世界じゃよく聞いた言葉だ》

「そう、だから私が稼いだお金で..省吾くんに援助交際…売春してもらおうと思って」

「あのね、霧島さん相手にお金なんて欲しくないんだけど…」

「そういうと思った..だけどお願いできないかな」

「あのさぁ…だったら僕も言うけど…援助交際や売春って男の方がお金を払う事が多かったって知ってる」

「そうなの?」

「そうだよ..当時はわずかだけど女性の方が価値があったんだよ」

「そこまでは知らなかったな..勉強不足だ、私」

「だけど、霧島さんが僕の為に働いたお金で何かしたいってのは解ったから貰う事にするね」

「そう、ありがとう..その方が嬉しい..」

「それで、霧島さんは何をしたいの?」

「何って?」

「援助交際で僕を買ったんでしょ..買われた僕は..霧島さんのリクエストに応えないとね…今日はお泊りが良いかな…」

「それでお願いします…」

「他には何が良いのかな?」

「何が良いのかな..解らないよ..お任せで良いよ…」

「そう、今日はお泊りで..お任せで良いんだね..解った」

「うん..楽しみに」

「ちなみに霧島さん..今日は僕が買われちゃったけど…次回は僕が霧島さんを買うからね!」

「えっ」

「多分、その時はいろいろとリクエストすると思うから..よろしくね」

「いろいろって?」

「多分、恥ずかしい事かな?」

「いいよ…」

二人して顔が赤くなった…

僕はここで気が付いてしまった…霧島さんといると…凄く気持ち良いことに…

他の女の子は僕といるだけで満足しちゃうから..楽しめない…

だけど、霧島さんだけは…その先を考えている…より二人で楽しめるように貪欲に思えるほど考えてくれる。

うまく言えないけど…彼女だけが..何か他の子と違う…そんな気がした。

妊娠 霧島裕子…
半年がたった。

それこそ、暇さえあればSEXしていたので霧島さんが妊娠した。

確かに他の三人よりも会う回数も多かったし..内容も回数も濃かったから当たり前と言えば当たり前だと思う。

そして、その報告を他の三人に伝えるために今日は2人してS区のラブホに来ている。

僕たちの報告を聞くと三人は普通に喜んでくれた。

「先を裕子さんに越されましたわね..次こそは私が妊娠したいですわ」

「省吾お兄ちゃん…私も妊娠したいな」

「省吾くん..洋子もちゃんと妊娠させて下さいね」

前の記憶がある僕は思わず..焦ってしまう…こんなセリフエロゲーとかでしか聞かない。

「うん、頑張るよ」

「「「お願い(ね)(ですわ)」」」

僕は引き攣りながら笑顔を返した。

「それじゃ..報告があるから行くね」

「「「うん頑張ってね」」」

「水野様のお相手の妊娠がこのS区のラブホ所属から出なかったが残念です..次こそは必ず、必ずお願いしますね」

「善処します」

そう答えて僕はS区のラブホを後にした。

そしてG地区のラブホに向った。

中は凄い事に成っていた。

だけど、ラブホは僕たちだけの施設ではない筈なのに…いつも貸し切りのような気がする。

「おめでとうございます..水野様、霧島様..妊娠を心より喜ばせて頂きます」

凄いな、これまるで結婚式みたいだ。

「「ありがとうございます」」

「いえ..そんなお礼なんて良いんです…私も、部下もこの時をどれだけ待ち望んでいたか..本当にありがとう、そしておめでとうございます」

しかし..何でここまで喜ばれるんだ、僕は気になり聞いてみた。

「はい、人工ではなく..普通に出来る赤ちゃんは凄く希少なんですよ..本当になかなかありえないんです」

「そうなんですか」

「はい..存分に楽しんだ後は..すいませんがメディカルチェックをお願いします」

「「はい」」

二人を心地よく施設の人が祝ってくれた。

霧島さんは照れながらも嬉しそうだった。

メディカルチェックを霧島さんは受けた..そしてその結果は…

「おめでとうございます…男の子です」

「本当ですか..ありがとうございます」

「本当に良かったですね…しっかりと安定してますよ..」

「ありがとう..」

霧島さんは泣きそうな位喜んでいた。

僕も本当に嬉しい。

G区のラブホを盛大に送られながら..学校に来た。

「何これ..」

「うん、多分祝ってくれているんだよ…だけど恥ずかしいかな」

学校には大きな垂れ幕が掛かっていて「祝 水野くん霧島さん妊娠おめでとう」と書いてある。

もう授業は終わっている..そのまま校長室にいった。

「本当におめでとうございます! 学校全部で応援します」

「有難うございます」

「ありがとう」

「良いんです…貴方達はこの学校の誇りです、何か必要な物がありましたら何でも言ってくださいね

「「はい」」

「どうですか学校生活は」

「三上先生にも良くして貰って…本当に良くして貰っています」

「それは良かったです..そうだ、実はミスバージルが会いたがっていました、早い時間にお時間をとって下さい」

「解りました、ですがミスバージルって誰ですか」

「省吾くん、ミスバージルは集権中央国家の中枢人物…この世界で一番偉い人だよ」

「そんな偉い人が何で…」

「ただのお祝いだと思いますよ..そんなに緊張しなくても大丈夫だと思います」

「そうですか..解りました」

…………….

………

「ふぅ..今日は疲れたね」

「本当に疲れたー緊張しっぱなしだったよ」

「本当に..」

「それで、今日はどうするの..省吾くん」

「お腹に触るから…自重します」

「そう..だったら最後までしなけりゃ大丈夫でしょう…やれる事をしてあげるよ..」

「ありがとう..だけど霧島さん随分エッチになったね」

「省吾くんが相手だからだよ..だけどそういう事いうなら辞めちゃおうかな?」

「嘘..ごめんなさい」

「冗談だよ..それじゃしようか」

「うん」

今日も二人して朝までいちゃついた..毎日が凄く楽しい..

その後..二人してゆっくりと眠った。

キングとクィーン
今日、僕と霧島さんはミスバージルに会いに来ている。

流石は世界で1番偉い人と言われるだけあって凄い。

まず、この建物だ..多分位置といい規模といい..前の世界なら国会議事堂に匹敵すると思う。

「霧島さん、ここって来たことある?」

「小学校の時に社会科見学で着た時以来だよ..いつ見ても凄いねここは」

「そうだね」

「多分、省吾くんと付き合わなければ…ここに来るのが夢だったかも知れない」

「どうして?」

「だって女としても夢が今の私なら..勉強して中央に上がるのは学生としての夢かな」

「その夢を奪っちゃったけど良かったのかな」

「省吾くん意地悪だよ..例えナンバーズに成れると言われても省吾くんとの生活を選ぶわよ私..酷いな」

「ごめん、ごめん」

「全く..もう」

「貴方様たちは…水野様と霧島様ですね..お迎いに参りました」

「嘘..」

「どうかされましたか?」

「そのプラチナのバッジはナンバーズのバッチですよね…なんで私達学生の迎いに出てこられるのですか?」

「うふふ..ナンバーズっていっても私は10番ですから…そんなに偉くはないですよ..自己紹介がまだでしたね..私はマドレーヌと申します..宜しくね霧島さん」

「私は」

「霧島裕子さんと水野省吾さんですよね…私なんか比べ物にならない位の有名人ですよ」

「そうなんですか?」

「はい…だから気にせずマドレーヌってお呼びくださいね」

「そんな」

「貴方達は多分、これから私なんか比べ物にならない位の立場になるかも知れません..だから今から練習していた方が良いですよ」

「そんな訳ないじゃないですか?」

「それはこの後、ミスバージルからのお話しを聞いてからお考え下さい」

…………………

「それは、何かの冗談ですか?」

「こんな事で私は冗談を言いませんわ..ミスター水野」

「ですが、キングとクイーンなんてにわかに信じられません」

「解るように説明しますわ..そうですね、世の中にAランク以上の男性って何人居ると思いますか?」

「そうですね…100人位ですか?」

「いいえ..貴方1人です」

「一人なんですか」

「はい…ちなみにBランクすら世界には20人と居ないで..その中の最高レベルの男性でも…その専属の子が4時間かけてようやく勃起するのです…この意味が解かりますか?」

「漠然としか解りません」

「簡単に言うと世の中に正常な男性は貴方1人しか居ません…つまり、貴方がこの世の中で一番重要な人間になります」

「…..」

「良いですか話しを続けても」

「はい」

「その為、これから先、貴方の身柄の保護がこの世界の最重要課題となります、そこで貴方達にこの世界で唯一という地位..キングとクイーンという地位を与えます。 これにより誰からの束縛される事無く生きられます…そして中央に居住する事と、その地位があれば我々も貴方達をいざという時に守れます…その為に必要な地位です」

「そうですか…霧島さんはどう思う」

「仕方ない..そう思うよ…確かに省吾くんがSランクならこの世界に二人と居ない重要人物だもの」

「ご理解頂きありがとうございます」

「ですが、そうした場合は他の専属の子達はどうなりますか?」

「仮に昔あった側室扱いにします…それでも専属より立場は上です..そして同じように妊娠したら..今のメンバーは..そのまま霧島さんと同じクイーン扱いにします」

「そうですか..それは仕方ない事ですね..理解できました..ただ、出来るなら家族や級友に別れを..」

「その心配はありません..水野さんの家族は全員中央に呼びますし..級友も全部とは言いませんが、適合者は中央に呼びますよ..それで如何ですか」

「ありがとうございます」

「そうですね..直ぐには無理でしょうから..2週間後で如何でしょうか?」

「解りました..宜しくお願い致します」

「では、正式に書類にします..水野様がキング 霧島様がクィーン そして生まれる前ですが、お腹のお子様をプリンスという事にします宜しいですか?」

「はい」

《これで又一つ….計画が進められます》

ミスバージルはニヤリと笑った。

人類エデン計画…発動
「ミスマドレーヌ…現在の状況を教えて下さい」

「はっ男性に置いては..Cランクの男性は全員処分が終わりました..世の中にAランク以上は水野省吾様以外おりませんので…後は各国のVIPの持つBランクを処分すれば事は成すと思います。 ですが…」

「そうね…Bランクの男性はVIPの家族になっているから..難しいか..なら、伝えて貰える..精巣の処分..いわゆる玉無しにするなら..その存在を認める…但しA地区への居住は許さない..と」

「それが良いかも知れませんね…ですがお気の毒ですね…」

「この計画の為には心を鬼にしなくてはいけません..終わった後には私が全責任を負います」

「ミス バージルばかりに責任は負わせません..我々もおなじ思いで参加したのですから」

「そうですか….それで地区の方はどう動いていますか?」

「水野省吾、霧島裕子他3名、水野家の家族他 水野省吾関係者はA地区への移動が済みました…他A地区居住候補者の選択は終わり..その移住は済んでおります」

「そう、ならA地区の完全隔離は可能ですね」

「はっ1週間もすれば可能かと思います」

「そう..A地区の隔離が終わったら…C地区以下の住民を…皆殺しにしなさい..」

「やはり、やらなければなりませんか?」

「ええっ確かにC地区以下に住む者は何も悪くはありません…ですがこの計画の為の口減らしが必要なのです」

「後で、我々はきっと歴史上、最悪の人間として語られるでしょうね」

「そうね..ですが、これをやらなければなりません..」

「解っています..ミスバージル」

「人類エデン計画…その為には私はこの手を黒く染める事を厭わない…」

閑話: 手紙
この世界は第三次世界大戦にから復興した世界。

戦争は終わり平和になったものの、放射能の影響か他の事が起因したのか正常な男が育たなくなった。

その結果は顕著に現れ、一対一が一対二となり、今では1対30にまでなった。

しかも、その僅かな男すら正常ではなく..まともな生殖行為ができない不具者である。

このままでは恐らく世界は..滅んでしまう…それを防ぐ方法は未だに無い。

一人で良い..完璧な男性が居たら..この世界を立て直す..手段がある。

もし、その貴重な男性が現れたら…絶対に戸惑ってはならない..例えのちの世で悪魔といわれる所業でも、人類が生き残る為には必要な事だ…

その僅かな希望..の為に..私は..人類エデン計画を残そう

そして、条件が満たされたら..何があっても実行して欲しい。

                         エドワードスチュワート ミス バレッタ

箱庭
暫くして霧島さんは可愛い子供を出産した。

二人で相談して子供の名前は「勇吾」と名付けた。

この名前は裕子の裕と省吾の吾を併せて漢字を変えた物だ。

「いいなぁ..赤ちゃん..私にも作ってよ省吾お兄ちゃん」

「あのですね…実は..私も妊娠したのですわ」

「ええっそうなの..実は私も妊娠したから省吾くんに報告しようと思ったのに..同時なんて」

「ズルい..妊娠してないの愛子だけなんて…省吾お兄ちゃん..頑張ってよ」

「それじゃ、省吾くんの相手は暫く、愛子ちゃんと私が頑張れば良いのね」

「あの、裕子ちゃん..私だけ妊娠してないんだよ? もう、可愛いお.と.こ.の.こが居るんだから、私の回数増やしてよ」

「い.や.で.す.よ..今迄妊娠していて、出来なかった分..取り返すんですから」

「そんなーーずるいよ」

僕たちがこんな生活を送っている中..A地区はドームで覆われた。

そして、入口は封鎖され..独立した状態になった。

マドレーヌさんに聞いた所

「今、C地区やB地区で伝染病が起きていますから..そこからの保護です」

そういう答えだった。

二人が妊娠を機に側室からクイーンになった。

そして、洋子ちゃんのお腹の子は、女の子らしいので産まれたらプリンセス。

静流ちゃんのお腹の子は男の子らしいので産まれたらプリンスになるらしい。

あせった愛子ちゃんは暇さえあれば僕の所に来て..腰を振り続けた。

そして遅れる事..1か月、無事妊娠して、ようやくクィーンになった。

これで、「妹地獄」からようやく解放された。

このA地区に男性は僕しかいない…だけど他の女の子の多くは顔見知りだ..だから違和感が殆ど無い。

だけど、たまに..外がどうなっているか気になるんだ….

人類エデン計画..終わり
「ミス、マドレーヌ..貴方はA地区にいきなさい」

「ミス、バージル、貴方はどうするのですか?」

「そうね、このボタンを押して..この世界と一緒に滅ぶ事にするわ」

「一緒に..」

「無理ね..これから私はA地区以外の全てをこの中性子ミサイルで滅ぼすのよ..生きたら償わなくちゃいけないわ…死んだ方が良いのよ」

「ですが..それは世界の為にしたことでしょう」

「ええっですがやり方は悪魔だわ….大量殺戮者なのだからね…だけど、これで、この世の中には正常な男性と正常な女性しかいなくなる..これで正常な男が増えて行けば…世界は確実にまともになるわ」

「そうですね..では私も」

「駄目よ..貴方はA地区に行って..彼らを見守り..導かなければならないわ..さぁ行きなさい」

「はい」

ボタンが押されるとミサイルは発射された….A地区以外の全ての生命はその瞬間失われた。

それと同時にA地区のテレビやモニター全てにミス、バージルが映った。

「親愛なるA地区の皆さん…世界は貴方達を除き全てが滅びました….」

そして、人類エデン計画の全てが…語られる。

要は、正常な人間だけ残して..他の人間を全て殺す…それがこの計画だった。

そう、もうこの世界には…ここに居る人間しか居ないのだ..

最終回..僕にとって都合の良い世界..
その後も僕は、今迄と何ら変わらない生活を送っている。

今迄と変わったのは、週二回はクィーンたち以外の女性とのSEXをお願いされた事だ。

この世界の男性は三人…しかも二人は赤ちゃんだ..仕方ない。

何しろ今は男女比1対120位なのだ仕方ない…

男は僕だけしか居ないので母さんや妹の相手もした…但し、しっかりと避妊してだが..

「SEXは美徳」そういう僕にとって都合の良い世界で僕は大好きな彼女達と生きて行く。

この世界は…物凄く僕に都合が良い…FIN

裏の裏.. (不幸な話しが嫌いな人は読まない方が良いかもしれません)夢
霧島裕子….どうでしたか..夢の世界は」

「えっ、私は…大好きな省吾くんの子供が居て…三人の仲間が..」

「それは全部夢ですよ…貴方の人生は凄い辛い物でした…楽しい事なんか何も無かったでしょう…周りをみてごらんなさい..この悲惨さを」

「えっ..お母さん..嘘、私は何を..うえぇええええええ」

「解りましたか..現状が..だけど、これじゃ貴方が可哀想すぎる…そう思って..死にいく貴方に私が夢を見せたのです」

「夢…全部夢なの?」

「はい、私は夢を司る女神…夢しか与えられません」

「そんな..嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ..嫌だ….」

「うん、どうしたの霧島さん..泣きそうな顔をして..」

「えっ..何だ夢だったのか..何でもないようん..」

夢じゃなかった…うん良かった。

「子育てしながら省吾様の相手で疲れたのでしょう..私が変わってあげますわ」

「譲りませんよ」

「残念ですわね」

うん、この楽しい世界が..私の世界..良かった。

……………….

…….

「植物人間状態から目覚めませんね…」

「この患者の人生を考えたら..これで良いんじゃないかな..聞いた限り悲惨すぎる」

「暴力を振るわれ…売春迄させた親たちだ殺したくもなるだろうよ…死にたくもなるだろうさ」

「そして、自殺未遂で植物人間..悲しすぎますね」

「だけど、楽しい事もあったのだろう..この子たまに笑うんだ」

「ええ…せめて楽しい夢の中で..過ごして欲しいと思いますよ..同性としてね」

医者と看護婦は病室を立ち去った。

最後まで夢をみていると良いよ…夢の女神が..面倒見るから…悲しい事は忘れて..眠っていなさいね…

あとがき
この作品は、自分の中で他の男女比物を見ていた時考えた物です。

どうしても、私だったら..他の主人公のように童貞でなんて居られない。

そう思いました…皆様はどうですか、テレビの中の憧れのアイドルが、大好きな片思いの彼女が簡単に手に入る..手を出さない男なんて居ないと思います。

そこから、「手を出す主人公」が作られました。

水野省吾に求めたのは、がっつき過ぎず..それでいて、好きな子には手を出す普通な不男性です。

そして、本当にそんな世界があったら、こうではないか、そこから世界作りに入りました。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

尚「39歳の風俗通いのおっさんが男女比1対40の世界に転移した」という男女比ものも書き始めましたので良かったらこちらもお楽しみください。

                               石のやっさん