僕の日常
僕の名前は黒木セレス。
別に外国人じゃない。
この名前は親父とお袋が読んだ小説の主人公の名前から付けられたそうだ。
その小説を読んでみたんだけど、、これ主人公、彼女寝取られて死んでいるじゃん。
なんでこんな名前つけたのかな、、理解に苦しむよ。
この名前が原因なのか解らないが僕は学校でいじめに遭っている。
教科書を破かれたり靴を燃やされるのは日常茶飯事。
だから基本、僕はスリッパを履いている。
机は悪口が彫刻刀で彫られれている。マジックじゃないんだ彫られているんだ。
トイレの大に入ろうものなら、上から水がバケツ事降ってくる。
だが、この位ならまだいい方なんだ。
酷い時には裸で手足を縛られて女子更衣室に放り込まれるんだ。
僕は何度屋上に立ったかか解らない。
下を見ると、ここから飛び降りたら楽になるのかな。そんな事ばかり考えている。
だって、飛び降りたら楽になれそうなんだもの。
だけど、僕は飛び降りる勇気もない。
だから、いつも僕はここでただぼうっとしているだけ。
父と子の会話
「なぁセレスお前虐められていないか?」
親父に朝一番に言われた。
確かに誰が見ても今の僕は虐めらているのは解る。
カバンまで傷つけられ、釘でゴミ人間とまで書かれていれば解らない方がおかしい。
「虐められているよ」
「そうか」
子供の虐めは狡猾だ。親が煩かったり、権力があったら虐められにくい。
僕の場合は母が幼い頃に亡くなって父親しか居ない。
そしてその父親は忙しく余り家に居ない。
つまり守るべき人間が居ない、、、だから虐められる。
「だけど、親父に相談しても仕方ないだろう?助けてくれるなんて出来ないだろう?」
「何故、そう思う?」
「だって、親父は僕以上にひ弱そうだよ。それにもし、親父が学校に言った所で先生までグルなんだ。無理だよ」
「何故、先生まで敵なんだ」
「いじめの主犯の黒川哲也は親父が、、」
「そうだな大きな会社の社長だな」
「あぁ、だから俺は」
「辛かったな、、、もしもだ、あくまでもしもだよ。君を強くしてあげれると言ったらどうする?」
「本当に強くなれるなら嬉しいけど、、無理でしょう」
「今だから言う、我が家には一子相伝の拳法がある。」
「親父、漫画みたいな事を言うなよ。それにもし本当にそんな拳法があった所で俺じゃ強くなれない」
「この拳法には力は必要ない覚悟だけだ」
「覚悟だけで良いのか」
「あぁ、ただ、この修行を始めた瞬間から、もう今までの親子には戻れない」
「そこまでなのか?」
「そして修行を終えずに辞めるなら」
「辞めるなら? 」
「僕の手で殺す」
「親父」
「やばいんだこの拳法は、正直言ってな。そして知られるわけには行かないんだ。」
「そうなのか」
「覚悟は?」
「やるよ、死ぬ気でやる」
「明日から覚悟しろよ」
だが、この時僕は思っていなかった。
この修行がいじめよりも辛く厳しい物になるとは、、、
修行 ただ殺すだけの楽な修行です。
次の日の朝、僕は学校を休んでいた。
親父も会社を休んでいる。
うちの裏庭にあるプレハブに僕はいた」
「ここは道場なのか」
「そうだ、小さいけど道場だ、ここで僕はこの拳法を身につけたんだ」
「嘘じゃなかったんだ」
「嘘等言わない、それよりもう後戻りはできないぞ。それから言葉に気を付けろ。今日から師匠と言うように」
「解った。師匠」
親父、いや師匠は金魚の入った水槽を持ってきた。30匹位は居るだろか?
「セレス、とりあえずこの金魚を殺せ」
「師匠、何故金魚を殺すのですか?」
「つべこべ言うな!殺すんだ」
「解ったよ殺せば良いんだろう?」
「返事はハイだ」
「ハイ殺します」
僕は金魚を取り出し踏みつぶそうとした。
「違うぞ、手で握りつぶすんだ、目をえぐり出来るだけ感触を味わうように殺せ」
「意味が解らない」
「良いからやれ、出来ないならそれで終わりだ」
僕は一匹の金魚を手に取りグチャリと握りつぶした。
気持ち悪い。手の中で潰れているのにピクピクと動いている。
「師匠?」
「まだ後29匹いるぞ、ちゃんと潰して殺せ」
「まだやるのか? 師匠」
「当たり前だ」
俺は顔を青くしながら何とか30匹の金魚をつぶし終わった。
だが、そんな僕に親父は
「おや、どうやら終わったようだな。次はハムスターだ」
「僕の前には籠に入った30匹のハムスターが居た」
「まさか師匠」
「同じように潰すように殺していくんだ」
僕はこの修行に恐怖を覚えた。
修行篇はまだまだ続きます。
相変わらず、僕の学校でのいじめは続いている。
最近では過激さが増してきている気もするが、それは気にならない。
クラスに水野裕子という女の子が転校してきたが別に僕には関係ない事だ。
それ以上に親父の修行の方が怖い。
昨日は、ウサギが10匹いた。
「流石にウサギは握りつぶすことは出来ないからな。まずは目をえぐってから皮を剥ぐようにしてより残酷に殺すんだ」
「親父、流石にそれは」
「親父では無い、師匠だ、そして出来ないとは言わせない。出来ないと言うなら、出来るまでお前を監禁して飯もやらない。死にたくなければやるんだ」
結局、僕は嘔吐しながらウサギを10匹殺した。30匹で無いのはウサギは高いから、、それだけの理由だったらしい。
この親父、いや師匠の修行に比べれば、いじめ等、ただ我慢すれば良いだけだ。
我慢していれば過ぎ去っていく。
だが、師匠の修行は実行しなければ終わらない。
どんなに辛くても、どんなに泣き叫んでも、師匠に恫喝され、達成しなければ終われない。
肉体的には辛くないが精神的には何倍も辛い。
そして何よりも自分の手で命を奪わなければ終われない。
そちらの方が遙かに辛かった。
修行 第一段階の終了
昨日は猫を殺した。
おかしなことに僕の心は壊れてしまったのだろうか?
命を奪う事に対して何とも思わなくなっていた。
今日殺すのは犬だ。
「猫はその辺に沢山いるから簡単だったけど、犬はなかなか最近いないね。仕方ないから盗んできちゃったよ」
「親父、盗みは良くないよ」
「いや、犬盗んだ家の奴が嫌いだからさぁ憂さ晴らしも兼ねてね。一石二鳥だ」
最近になって解った事がある。それは親父が僕なんかが解らない程に残酷な人間だという事だ。
そして、この人にとっては命など何の価値もないのだろう。
本当に怖い人間は暴力的な人間ではない。
親父の様ににこやかに笑いながら残酷な事が出来る人間だ。
恐らく親父は僕なんか比べ物にならない位に生物を殺している。
そして、僕もそちら側の人間になりつつあった。
「セレス、凄いじゃないか? 躊躇なく犬を殺せるなんてこれで第一段階は終了だな。昔はこの仕上げに子供か女か老人を攫ってきて殺させたんだけど今じゃ難しいからこれで終わりとするしかないな」
小さな犬は目を潰してから四肢の骨を折って床に叩きつけて殺した。大きな犬は油断している時に頭を撫でる振りをして近寄り、同じく目を潰した。その後、噛まれもしたが、頭を死ぬまで床に叩きつけていたら泡を吹いて死んだ。 だが、僕の体も噛まれたから傷だらけだった。
「昔は最後に人殺しをしたという事なの?」
「正解、、人を殺せないんじゃ拳法の意味ないんじゃないか?」
「師匠は人を殺した事があるんですか?」
「あるよ、最も5人も殺して無いけどね」
聞かなければ良かった。これを僕に話したという事はもう僕は後戻りできないはずだ。
「ところでだセレス」
「何ですか師匠」
「今は師匠でなく親父として話すから親父でいい」
「解ったよ親父、それで」
「どうだい、セレスもういじめなんかか怖くないだろう。」
「確かに、もう怖くない。」
「辞めても良いよ。いじめが怖くなくなったならそれをゴールにしても良いんだ」
「いや、続ける。」
「そうか、でも良かった。ここで辞めると言っていたら君を殺さなければいけなかった。うん第一段階終了だ」
選択を間違えなくて良かった。僕は心の底から安堵した。
ただ痛みを与えられるだけの楽な修行です。
最近は心に余裕が出て来たせいか余り屋上に行かなくなった。
だが、この日は久しぶりに屋上に行ってみると先客がいた。
「あれっセレス君」
「水野さんも屋上に来たんだ」
「ここは風が気持ち良いからね」
「そうだよね、じゃぁ」
「なんで帰っちゃうの?屋上は誰の物でも無いんだから居れば良いじゃない」
「だけど、俺が居ると嫌じゃない?」
「別に気にならないけど?」
「そう、なら良いけど、僕は皆んなに嫌われているから」
「そうだね、虐められているよね。何か悪い事でもしたの?」
「した記憶は無いんだけどね」
「だったら、やり返せば良いんじゃない?」
「出来たら、そうしてる」
「卑屈だなー」
「卑屈にもなるよ、教師から生徒まで全部が敵なんだからさ」
「そうだね、私はどうだろう」
「わかんない」
「少なくとも敵ではないよ、虐めとかはきらいだからさぁ」
「そうなんだ、だけど余り俺と居ない方が良いよ」
「なんで」
「一緒に虐められるから」
「まさか、その位で虐めたりしないでしょう? それに私空手とか習っていたから大丈夫だよ」
「そう、、、、」
家に帰ると師匠事、親父が居た。
「さぁ、今日からは第二段階だ。」
「第二段階って何をするの?」
「この段階は簡単だし明日までには終わる。」
「そう、、」
体に電気が走った。
気が付くと、僕は裸で柱に縛り付けられていた。ご丁寧に猿轡つきで。
「おや、セレスようやく起きたようだね。では始めるか」
(何を)
いきなりマスターは僕を殴り始める
(痛い、痛い 痛い辞めてくれ)
「何、反抗的な目をしているんだ? そんな目をするならこうだ」
師匠は竹刀を持ち出すとそれで殴り続けた。
僕の体がみみずばれになってもそれは続き、竹刀が折れるまで続いた。
「まだ、そんな目をしているのか? 第一段階で自信が付きすぎたようだな。じゃあ仕方ない」
師匠は折れた竹刀を捨てて真剣を持ってきた。
「仕方ないからこれで切り刻む」
僕は心の中で辞めてくれと何回も叫んだ。だが師匠は辞めてくれない。
胸の部分の薄皮一枚を何度も何度も切り刻んだ。
怖くて、体がガタガタ震えた。そして尿も垂れ流した。
そこまできてようやく師匠は縄を解いた。
その瞬間僕は殺されると思ったからなのか師匠に飛び掛かった。
師匠はそれを簡単によけて僕を叩きつける。
「うむ、これなら第三段階は必要ないな、明日からいよいよ技を授ける。最終段階だ。」
その声を聴くと僕はそのまま眠りに落ちた。
拳法の名前、その名は卑怯道
「今日からは技の修行に入る」
「技? 僕体力とかないんだけど大丈夫なの?」
「必要ない。この拳法に必要なのは、残酷さ、そして何よりも弱さだ」
「それだけ」
「基本はそれだけだな、後は正確な動作とスピードだ、これはこれからの訓練で補う」
「本当にそれだけで強くなれるの?」
「まあな、余り甘やかしたくは無いが、お前は既に強くなっている」
「嘘だ」
「嘘ではない。多分その辺りのチンピラより遙かに強い」
「いやいやそれはないでしょう?」
「例えば、女性がレイプされる事件があるだろう」
「確かにニュースでは聞くけど?」
「なんでレイプされるんだ」
「なんでって?」
「複数犯なら解らないが、単独犯なら隙だらけじゃないか?」
「、、、、」
「服を脱がそうとする。その瞬間は手が塞がっている」
「、、、、」
「その瞬間に目をついて潰せば逃げられる」
「そう旨くはいかないと思う」
「そうだな、人間には良心がある。例えどんなにひどい目に遭っても相手を方輪にするような事は普通の人は出来ない。だが、そこに悪人達はつけこむ、お前だってそうじゃないか?もし、お前が人を殺しかねない人間なら怖くて誰も虐めない」
「確かにそうかも知れない、だが、そんな残酷な事は」
「今のお前なら出来る。その為の修行が第一の修行だ。犬猫と言えあそこまで残酷な事は普通は出来ない。その残酷な手段を人に使えば良い。残酷な心を身につける。これが目的の修行だった。」
「第二の修行の必要性は、僕との組手の中で教える。これがなぜ必要なのかはこの技の修練で解る。この技は門外不出だ。一旦身につければ、昔の剣豪や物語の勇者や英雄すら葬り去れる恐ろしい技だ。これから毎日、朝二時間修練をする。」
「わかったよ師匠」
「これが終われば晴れてお前も一人前だ」
「はい」
「解ればよし」
「ところで師匠、この拳法の名前は」
「うむ、卑怯道だ。」
「何か、悪者が使う技みたいですね」
「いうな、あと、この拳法の名前は一切いうなよ。名前から技が悟られる可能性もあるのだから」
「はい、師匠」
卑怯道とは何か
「卑怯道」とは何か。
人間は潜在能力のうち30%しか使っていない。
そして色々な拳法の多くは残り70%のうち何%を引き出すかが強さのカギとなる。
又多くの拳法の多くはそこに奥義を置いている。
だが卑怯道は違う。
相手が使っている30%を如何に下げさせるか、そこに重きを置いている。
可能なら、相手の能力を5%以下に落とし、その瞬間に自身の力の最大30%をあて倒す。
その為「卑怯道に二手はない」全ての技は一撃必殺のみである。
二度は同じ相手には使えない虚拳と言える。
古き時代よりある暗殺拳だが、その能力は誰からも評価されない。
最初に編み出した人間はこれで何人もの強者を葬り去ったが、軽蔑されただけだった。
そして、その戦いを見た者は語る
「あれは卑怯を極めし者、如何様に強くても学ばせることは恥である」
と、一説によれば柳生十兵衛の片目を潰した男はこの技を使ったとされるが、余りの卑怯さゆえに歴史から抹殺された。歴史の闇に消された拳法それが卑怯道である。
セレスの怪我と水野さんの正義
今日の学校のホームルームは大変な事になった。
水野さんが僕のいじめも問題について議題にあげたからだ。
水野さんはこの数日の僕の怪我を見て、流石に見逃せないそう思ってくれたらしい。
何時もなら、皆も無視をしたかも知れない。
だが、今の僕は修行の為に全身打撲状態だ。
これには流石に見て見ぬふりしていた教師も動かざる得なかった。
「俺は別に虐められていません」と答えたのだが、担任の氷川は納得しなかった。
「怖いのは解りますが、勇気を出して下さい」
そう氷川は僕にいってくる。
だが、今までとは違いこれは修行でついた傷だ。決して虐めでついた傷では無い。
「本当に大丈夫です。」そう答えたのだが、氷川はそれでも食い下がる。
「大丈夫な訳ないでしょう。本当に大丈夫なら服を脱いで見せなさい」
まずい、打撲位ならまだしも服を脱がされれば、刀で切られた傷まで見られる。
そうしたら下手したら、警察沙汰になる。
俺は涙ぐむ真似をすると、教室から走り出した。
残された者たちは1限目を潰してホームルームを続けた。
セレスを虐めた者を探す為に。
だが、ここで問題が出てくる。このクラス全員が多かれ少なかれセレスを虐めていたのだ、そして担任の氷川はそれを見逃していたのだ。
だが、その矛先は1人の人物へと向かっていく。
周りの生徒はやりすぎだという非難の目を向けていた。
「何だ、その眼は俺は確かにセレスを虐めていたかも知れないが、あんなになるなまで殴ってないぞ」
「という事は黒木君を殴った事は認めたわけですね」
「だからどうしたって言うんだよ、俺だけじゃなくお前らだって虐めていたじゃないか?」
「私はぶったりしてないわ」
「僕だって殴ったりしてない」
「幾らなんでもあそこまでやるなんて異常だわ」
急に、虐めの主犯格の黒川哲也を非難し始める。
「てめえら汚ねーぞ、全部俺のせいにするのか、今喋った奴ダダじゃ置かねー」
急に教室は静かになった。
ここにきて生徒はまずい事に気が付いた。
黒川を怒らせたら、自分の身が危なくなる事に気が付いたのだ。
そして担任の氷川も気が付いてしまった。黒川哲也の親が地元の有権者黒川龍三だって言う事を。
「この話しは証拠もなく黒木君も居なくなってしまったので後日にします」
そう氷川は打ち切った。
だが、水野さんは正義感から食い下がった。
「いくら何でもあの怪我を見過ごすのですか」
その姿を黒川は忌々しそうに睨んでいた。
逃げた先に巻き込まれる者
僕は昨日のホームルームの出来事を師匠に話した。
「そのまま罪をきせてしまえば良いのに」
「それは人として、、」
「その甘えが自分や周りを滅ぼすよ」
「でも、嘘はつきたくない」
「そうか、、でもそこで陥れて置けばお前や彼女にとっては良かったかも知れないな」
「水野さんも?」
「解らないけどね」
そして、今日も修行が始まる。
「良いか、技の基本は教えた。これから毎日組手だ、技に入る前に卑怯と叫ぶそして寸止めだ」
「はい、師匠」
卑怯と叫ぶ事2時間。俺は道場の掃除をしている。道場は糞尿であふれている。
迸る汗などではない。ウンコとしょんべんの掃除。
やはり、この拳法は汚くて醜い。
学校に行くと一つ変わった事に気が付いた。
それは僕だけでなく水野さんにも話しかける人が居なくなっていた事。
そして水野さんの机のはじっこにアホ女とマジックで書かれていた。
俺は知っている。これが虐めの始まりなのだと、やはり親父の言っていた事は正しかったのかも知れない。
あのまま、罪を着せてしまえば良かった。
あの時に逃げてしまった事を僕は後悔する事になる。
水野裕子の虐めと自殺願望
とうとう水野裕子への虐めが始まった。
最初は靴を隠されたり、教科書を隠されたり程度の虐めだったが日ごとにエスカレートしていった。
今では僕と同じように教科書を破かれたり、机にも落書きが彫られていたりする。
虐めの主犯は黒川哲也だろう。
女の子だから流石に殴られたりしないが、別の意味で酷い虐めとなっていた。
まず、体操着は盗まれたまま出てこない。恐らく、誰かが持ち帰り性処理で使っているのかも知れない。
そして、机の落書きは、ヤリマンや援交女など性的な嫌がらせが多い。酷い物では1回1万円なんて書かれていた。 教科書にもその手の落書きが多かった。 そして何より酷いのがスカートめくりだ。男子が日常的に彼女のスカートをめくる。 だから彼女はスカートの下に今では体操着の短パンを日常はいていた。 担任の氷川に彼女は何度も相談をしたが氷川は黒川が怖いのかとりあわなかった。このクラスの担任の氷川は女だ。恐らく自分が水野さんのようになるのを恐れたんだ。
いつものように僕は昼休みに屋上に居た。
すると、先客がいた。水野裕子だ。
そこに居た水野さんはかっての様に自信に溢れていた面影はなく、目は死んでいてその眼は泣いていたのだろうか、凄く腫れていた。
そこには笑顔の可愛かった彼女の面影はなかった。
「私ね、セレス君がここに居た理由が何となくわかったよ」
「そう、、、」
「うん、死にたかったんだよね?」
「うん、そうだよ」
「そうか、やっぱりね。私もねセレス君と同じで、最近ここに通っているんだ」
「僕と同じ理由?」
「ねぇセレス君は死にたいんでしょう?」
「僕は、、、」
「死にたくなったら言って、一緒に死のう。一人じゃ私怖くて死ねないんだ」
「解ったよ、、、もし死にたくなったら、必ず水野さんに言うよ」
一昔し前の僕なら喜んでその提案を飲んだと思う。これ程の美少女が自分と一緒に死んでくれるのだそんなに嬉しい事はない。
だが、今の僕はそこまで弱くない。
だけど、僕はここで一緒に死ななかった事を後で後悔する事になった。
約束
今日も僕は屋上にいた。
後から水野さんがきた。
水野さんの綺麗な髪は半分切られていた。
理由は解る。だけど聞かない。
それは僕も同じだから。
「ねぇ、虐められるのって辛いね」
「そうだね」
「私この髪凄く自慢だったんだよ」
「解るよ、凄く綺麗だったね」
「うん、でももう切られちゃったからないの」
(心が痛い)
「でもショートになったって水野さんは可愛いよ」
「そうかな? そんな事いってくれるのはセレスくん位だよ」
「そんなことは」
「あるよ、、」
「そうだね」
「前の学校では結構人気があってさぁ告白とかされたこともあるんだよ」
「水野さん凄く可愛いもんね」
「本当にそう思う?」
「だったら明日デートしない?」
「デート?」
「そう、デート、、嫌?」
「嫌じゃないけど?」
「じゃぁ決まり。明日は学校をさぼって朝9時に駅前に集合、いい?」
「こんな学校に来ても仕方ないよね、、了解 良いよ」
そして僕は水野さんと別れた。
はじめてのデート 触れ合う心
次の日僕らは思いっきり遊んだ。話し合った結果、遊園地に行く事にした。
彼女は虐められていたのを忘れた様に笑顔だった。
気が付くと僕は水野さんの手を握っていた。
そして、水野さんも僕の手を握り返してくれた。
生まれて初めて僕はうれしいと思った。
コーヒーカップを思いっきり回して遊んだり、お化け屋敷で彼女に抱きつかれお互いに顔を赤くした。
そして、夕方になり観覧車に乗った。
そこで水野さんは僕に告白をしてきた。
「ねぇ、セレス君、私がセレス君の事を好きだっていったらどうする?」
「物凄く嬉しいよ」
「そう、ならキスしてくれる?」
僕は顔を赤くしながらキスをした。
「ごめんね」
彼女は何故か僕に謝った。
そして夜まで遊んで満足した僕たちは一緒に手を繋いで歩いていた。
ラブホテルの前で彼女が足を止めた。
「入ろう」
彼女はそう言うと僕の手を引っ張った。
そしてそのまま僕は水野さんと共にホテルへ入っていった。
「ねぇセレス君、私ねセレス君の事が好きだよ」
「本当に?」
「うん、一目惚れ。屋上でいつも儚そうにしいるセレス君をみてね。綺麗だと思ったの」
「そうなんだ嬉しいよ」
「だからね、頑張って虐めから助けてあげて、その後に告白するつもりだったんだ」
「ありがとう、、、」
「でも失敗しちゃった」
「それでも嬉しいよ」
「だけど、、、もう私汚れちゃったから、、汚くなっちゃったから」
(まさか、、、)
「多分、セレス君の思った事はされていないから大丈夫だよ。私を直接虐めていたのは女の子だから」
僕はほっとする。
「だけど、それ以上に汚されちゃった。」
彼女は泣きだした。
そこからの話はしは僕の想像を超えていた。確かにファーストキスは奪われてなかったけど犬のウンコを食べさせられた。彼女が嫌がると数人で押さえつけて口の中に入れられたらしい。しかも入れた後は吐き出させないようにガムテープで押さえつけられた。そして彼女がそれを吐くと次も又口の中にウンコを入れられ無理やり咀嚼させられたらしい。口の中にウンコの無いのが確認したら「汚いな、ウンコを食べた女じゃ可愛くても誰もキス何かしないよね、、、」そう笑い馬鹿にされたそうだ。
それが、毎日のように続き、女の子全員に口便器というあだ名で呼ばれるようになった。
そして、それだけでは無かった。
女子たち数人が彼女を便所で取り囲み裸にした。そして水野さんの股に持ってきた試験管を突っ込んだ
彼女は痛がったがそれでも無視して笑いながら何本も突っ込んだ。 そして彼女が痛みで泣き叫んでいると、今度はおしりの方に突っ込んだ。そして突っ込めるだけ突っ込むと最後に蹴りをいれた。試験官が割れて血だらけの彼女をみて彼女達は「口便器は一生処女で可哀想だから、卒業させてあげたんだ」そういって笑った。
そして次の日は、口だけでなく、股からお尻までウンチを突っ込んだ。そして、それに飽きると今度はナイフで彼女の体に落書きをした。卑猥な言葉を一生消えない様に刻んだ。
「だけどねセレス君、私は物凄く汚くなっちゃったけど、それでも男には汚されていないよ!、付き合ってなんて言わない。ゴミなんだから、だから、お願いだから私の初めての相手になってくれないかな?」
「水野さん、僕で良いなら、いや 僕で良いんなら抱かせて。僕もね水野さんの事が大好きだから」
「嘘でもうれしい」
そう言うと水野さんは服を脱ぎ始めた。
水野さんの裸を見たら、、、乳首も両方無かった。
「嫌、見ないでこんな汚い体、、」
「そんなこと無いよ、水野さんは綺麗だよ」
「嘘なの解るよ、、こんなゴミみたいな体、、」
彼女はポロポロの泣き始めた。
「好きな人の体が汚い訳ない」
僕がそう言うと彼女は電気を消した。
僕も水野さんもお互いを狂ったように求めた。
自分の埋まった何かを埋めるようにむさぶった。
何回も何回も行為をして気が付くと水野さんは寝ていた。
「これからは僕が守るから」
そう水野さんに言った。
水野さんの顔が笑ったような気がした。
朝気が付くと水野さんは既に居なかった。
僕は家に帰り着替えてから学校に行くと
パトカーが来ていた。
そしてその先には水野さんの死体があった。
水野さんの手紙
セレス君へ
デート凄く楽しかったね。
実はあれが私の初めてのデートだったんだ。
初めてのデートでファーストキスから最後までちょっと、はしたなかったかな。
私の事聞いて驚いた。
驚いたよね。でもねセレス君には全部知っておいて貰いたかったんだよ。
凄く、嫌なお願いなんだけど、全部知って貰った上で受け入れて貰えたら。
そんな贅沢な馬鹿な夢を見ていたんだ。
叶っちゃった、、、物凄く嬉しかった。
こんな汚い私の体なのに好きだと言って貰えて、、
そして恥ずかしいけど何回も愛して貰えて。
本当に幸せでした。
だけどね、、、このままセレス君の傍に居続けるのは少し辛いんだ。
多分、私の怪我や傷は治療しても残ると思う。
優しいセレス君なら、それでも愛してくれると思うけど、、
この汚れた体で、醜い体で傍に居続けると自分に遭った事を思い出しちゃうからさぁ
こんな事になるならもっと早くに告白しとけばよかったな。
だからね、、、私これから死のうと思うの。
最後に幸せな気持ちで死のうと思う。
また、元の不幸な状態で死にたくないからね。
ただ、このまま死ぬのは嫌だし、腹が立つから、あいつらは道連れにしようと思う。
この体が虐めの証拠になるもの。遺書にしっかり、私に遭った事、セレス君に遭った事、
全部書いて死ぬ、、、そうしたらさぁ セレス君も守れるもの、、
最後に、「これからは僕が守るから」は嬉しかったな。実は起きて聞いていたんだ。
だけど、だーめ「私がセレス君を守って死ぬの」
私が最後に見たのはセレス君の寝顔、、、嫌な物でなく、大好きなセレス君の寝顔、、、
それじゃ、さようなら 愛しているよセレス君。
大好きなセレス君へ
水野裕子
全てが無かった事にされた。
僕は水野さんの死を受け入れられなかった。
何で死んでしまったのかな。
これからは僕が守ろうと思ったのに。
また独りになっちゃった。
僕は君が傍に居てくれたらそれだけで良かったのに、、
どんなに汚れていたって構わなかったただ、傍にいて欲しかったのに。、
結局、水野さんの自殺はただのノイローゼによる自殺という事でかたずけられた。
学校は虐めはなかった。そういう事でかたずけた。
水野さんはしっかり遺書に書いたのに、あれ程体中が傷だらけだったのに、、
全てが自傷行為という事になっていた。
何でそうなるんだ。背中にどうやってナイフで文字が書けるんだ。
自傷行為なら手首を切るようなリストカットだろう。
だけど、手首は綺麗だっただろう?
警察が解らないはずはないだろう?
こんなことできる奴は哲也の親父黒川龍三しかいないだろう。
今回の虐めは直接手を出したのは女達だ、だが、その黒幕は黒川哲也だ、そして、頼んだのか勝手に手を回したのか解らないが、いずれにしても黒川龍三がもみ消したのだ。
今日は水野さんのお通夜だ、両親はすぐに身内だけで火葬にしてお骨にしたそうだ。
最後の別れを言いたい。そして聞きたい事がある。
だから、僕は水野さんの家を訪れる事にした。
最初の殺人、月夜に照らされて
お通夜には、同級生はだれも来ていなかった。
教師が数人来ていたが、違和感があった。
何故か、誰もが悲しんでなく淡々と作業をしている様にしか見えなかった。
どうしても、そうとしか思えなかった。
僕は水野さんの両親と話したが、形ばかりの挨拶をされるだけだった。
何かがおかしい。
既に水野さんは火葬がすんでお骨になっていた。
普通なら、葬儀が終わってから焼いてお骨にするのが普通だ。
それが、水野さんは直ぐに火葬場に持ち込まれ焼かれた。
僕は葬儀とかは詳しくないが、焼き場だって普通は予約を取ってからなので当日には火葬はしないはずだ。
しかも、あの水野さんの死体をみたら、普通の両親なら悲しむだろうし、怒るだろう。
僕を見た時だって、いじめの加害者の可能性もあるのだから、挨拶など出来ないはずだ。
誰もが悲しんでいないおかしな通夜。
僕はお骨になってしまった水野さんに別れの挨拶をした。涙が込み上げてきた。
悲しくて、悲しくて仕方なかった。
泣きながら、水野さんの両親に聞くと明日にはお墓に納めるのだという。
お参りをしたいからと伝えたら、水野さんのお母さんがお墓の場所を教えてくれた。
僕以外が誰も悲しんでいないように見える。おかしなお通夜が終わったので僕は家に帰った。
家に帰ってから、冷静に考えてみた。
水野さんの手紙には遺書を書いたとあった。だが、遺書は何処にいったのだろうか?
全てを書いた遺書があるなら警察は少なくとも、そこに書かれている僕に話し位聞きにくるだろう。
もし、水野さんが屋上から飛び降りたとしたら遺書は何処にあるのだろうか?
屋上に無いなら、、自宅ではないだろうか?
もし、僕が思った通りなら悲しすぎる。
次の日、僕は放課後、水野家を訪れた。
「貴方は、裕子の友達の」
「ええ 黒木セレスと申します」
「裕子なら、今日の午前中にもう納骨してきました」
「そうですか、では後でお参りにいってきます」
「是非、そうしてあげて下さい」
(おかしい、実の娘が死んだのに泣いた形跡がない、そして何事もないようにこんな話が出来る訳がない)
僕はブラフを仕掛けてみた。
「所で、水野さんは遺書を残しませんでしたか?」
「遺書ですか? 何も残して無いと思いますが」
(目が泳いでいる、、、)
更に僕はブラフを仕掛けた。
「だったら、僕にだけ遺書を残したのかな、これから警察にいってきます」
「ちょっと待って、、詳しく聞かせて下さい」
「なぜ、、」
「いいから、とりあえず家に入って」
「解りました」
「あなた、あなた、ちょっと直ぐにきて」
水野さんのお母さんは、大きな声で旦那を呼んだ。
「どうしたんだ、お前、大きな声を出して」
「この人が、裕子の遺書を持って警察に行くっていうのよ」
「遺書、それにはどんな内容が書いて」
「水野さんの虐めについて書かれていました。」
「その遺書は、持ってきていますか?」
「いえ、持ってきていません。これから取りにいって警察に行こうと思います」
「それは辞めて下さい」
(おかしい、何で止めるんだ)
「いえ、水野さんの為にも行きます」
(父親の方が態度が変わる)
「なぁ、黒木くん、幾ら払ったら行かないでくれる」
(おかしい)
「なんで、お金の話しになるんですか? おかしいでしょう」
(おかしい、おかしすぎる)
「そうだ、30万払おう、ただ行かないで手紙を渡してくれるだけで30万円悪くないだろう」
「なんで、そうなるのかな、、詳しく教えてくれませんか?」
「お願い助けると思ってね」
「解りました、詳しく教えて下さい。水野さんとはそんなに親しくないから事情によっては、すぐに持ってきますよ。ただ、何も知らないのは嫌なんですよ。だって直ぐに30万出すって言いだす位だからもっと高く売れる可能性もあるじゃないですか?」
「貴様、足元みやがって」
「貴方」
「ああそうだな、説明すれば良いのか? それで売ってくれるのだな。まぁ仕方ない」
「私が話すわ、、あの子はね、正直言って迷惑だったのよ、うちはね黒川さんの会社に勤めているのよ。それなのに、社長の息子の虐めなんて追求して本当に迷惑、幾ら言っても聞かないし、本当に」
「そうなんだ、ようやく課長までになって次の昇進まで指が掛かっていたのに、あいつのせいで無くなっるかも知れない。これで、更に黒川さんの息子の虐めが原因で死んだなんて解ったら。もう会社に居場所が無くなってしまう」
「それは水野さんが出世に邪魔だから、自分達の生活に邪魔になるから死んでも構わない。そう思っていた。という事ですか」
「俺は、もう関わるなと忠告したんだ」
「水野さんのあの姿を見ても何も気にならなかったのですか?あんな傷があったのに」
「自業自得よ、本当に迷惑だったわ」
「助けてあげようと思わなかったのですか、、自分の子供でしょう?」
「あんな子、産まなきゃよかったわ、、本当にそう思うわ、貴方も黒川さん怒らせたら大変なのわかるでしょう?」
「そうですか、、、」
「さぁ、これで全部話した。これで手紙をくれるね。約束通り30万円払う、いや50万払おう。」
「そうよ、ただ手紙を渡して、黙るだけで50万円悪くないでしょう」
「、、、、、」
(水野さん、、、君は家族にも守って貰えなかったんだね)
「解りました。手紙は渡します。ただ、その前にトイレ貸して貰えますか」
「どうぞ」
僕はトイレに行った後、台所により包丁を2本くすねた。
そして、二人の前に戻ってきた。
「ちゃんとお金を払って下さいね。」
僕はポケットに手を突っ込んだ。
「何だ、今持っていたのか?それなら話が早い、すぐにお金も用意しよう」
僕は包丁を出して二人の喉に突き刺した。
本来の卑怯道なら、包丁も使わない。小さな刃物で頸動脈を切れば良い。
恐らく、それは僕にも出来る。だが、これは僕にとっては初めての殺人。
どんな失敗をするか解らない。だから、確実性を重視した。
そして、彼らには自殺する動機がある。
だから、これでいい。
喉を刺された彼らは暫く苦しんでいたが絶命した。
その後、包丁の指紋を拭き取り、自分の手で握らせた。
ただ、僕は気にいらない。水野さんは地獄のなか苦しんで死んだのに。こいつ等は楽に死んだ。
精々苦しんだのは僅か数分だ。
そして、娘の自殺の、あと追い自殺として名誉は奪われない。
下手すれば悲劇として扱われるだろう。
軽すぎる、全然水野さんの地獄とは釣り合わない。
次こそは残酷に絶望を味わせながら殺そう。
こんな楽に殺してしまうのは駄目だ。
月夜の中、僕は水野さんのお墓の前に居た。
まだ、あいつ等の死体は発見されてないようで事件になってない。
「水野さん、、こんな所に居ないで僕と一緒にいこう」
僕は水野さんのお墓から水野さんの骨壺を取り出すと、水野さんのお骨を持ってきたバックに移した。
そして、そのままお墓を元の状態に戻した。
僕は苦笑する。こんな事しているのに僕は冷静なんだな。
「ねぇ 水野さんこれからは一緒に暮らそう。あんな奴らと一緒にいるよりは良いよね? これから僕ね、君を追い込んだ奴を全員殺そうと思うの、、必ず全員殺すから暫く待ってて、、、」
水野さんは何も答えない、、、ただ、寂しい夜に月の光だけが綺麗にセレスを照らしていた。
殺す相手の整理。
僕は家に帰ると押し入れを綺麗にかたずけた。
そこに水野さんの骨の入ったカバンを置いた。
そしてカバンの中から少しの骨を取り出して食べた。
これは、水野さんと一緒に何時でもいたいという僕の我儘だ。
あとで、ホームセンターにでも行って綺麗な入れ物でも買ってこようか。
今は水野さん。これで我慢して、僕はジュースと御菓子をお供えして手を合わせた。
ここで僕は復讐相手の整理をする事にした。
まず必ず殺す相手は
黒川哲也
こいつが今回の虐めの総ての黒幕だ殺さない訳がないだろう。
黒川龍三
こいつが恐らく権力を使って哲也の虐めを捻じ曲げた
黒川の取り巻き
神谷智子
女子の虐めのリーダー。黒川に気に入られている事を良い事に女子を仕切っている。
こいつが水野さんの虐めを仕切っていた。
笹川邦夫
黒川の仲間、正直黒川の腰ぎんちゃく。ただ、こいつも黒川の権力をかさにやりたい放題。
神谷智子とは恋仲という話もある。
荒居裕也
黒川の片腕、武道を習っていて実際に黒川に逆らうとこいつが暴力を振るってくる。
丸井幸子
神谷の片腕。こいつも一緒に水野さんを虐めていた。
御神涼子
神谷の仲間。神谷がお願いすれば何でも行うと言われている神谷の腰ぎんちゃく。
水野さんも積極的に虐めていた。
担任、氷川静流
虐めに介入しようとして失敗すると僕たちを見捨てて逃げた。
こいつ等は8人は絶対に殺さなければいけない。
その他にも殺したい奴という事なら山ほどいる。
一緒に虐めに加わっていた、クラスの奴ら23人も殺せるならぜひ殺したい。
校長だって殺せるなら殺したい。
8人の家族だって、クラスの奴の家族だって是非とも殺したいのだ。
多分、今の僕を見たら狂っている。誰もがそう思うと思う。
だけど、頭の中が一杯でそれしか思いつかない。
殺したい、それだけしか思いつかないんだ。
さぁ誰から殺すか、、、、
姉妹で一緒
僕は最初に狙うターゲットを御神涼子にする事にした。
特に彼女を選んだのは解りやすい弱点があったからだ、御神涼子には溺愛している妹がいる。
姉妹仲がいい。それこそが弱点になる。
だから、僕は涼子の妹の詩織を狙う事にした。
詩織は小学6年生の可愛らしい女の子だったがそんなのは関係ない。
御神涼子の妹に産まれたのが悪いのだ。
大切な妹が汚されて傷物にされたら御神涼子がどういう顔をするのかが見ものだ。
僕は学校が終わる度に御神詩織の後を付け回した。
すると塾の帰りに必ず公園の中を通る事に気が付いた。田舎なので公園も大きく暗がりが多い。
そして夜になると人がまず通らない。
何かするには良い場所だった。
そして、復讐の最初の手段として漫画喫茶から危ない掲示板に書き込みを書く事にした。
タイトルは「露出狂のアリスについて」内容は簡単だ。
自分の知っている公園に露出狂の少女がいる。その少女はどう見ても小学生位にしか見えなくとっても美少女なのだ。そういう内容だ。この手の話題には直ぐに沢山のレスがついた。
その多くは、ふかしだ、妄想だと言う者が多かった。だが、本当だと言うのであれば証拠を見せろと言う者もいた。
実際に合わせてくれ、そういう内容も多かった。数日たってそういう奴のレスが多くなったころ僕は違う情報を書き込んだ。露出狂のアリスは犯されたがっている。、、、そんな内容だ。
食いつきが良かったので、そのまま書いた。今週の木曜日の19時にアリスは公園のトイレで待っている。流石に顔は見られたくないからマスクをして眠った振りをして待っている。 そういう内容だ。付け加えて、起きたらレイププレイが好きだから抵抗はする。だけど了承している証拠にどんなに犯しても声は上げない。ルールとして「お前のお姉ちゃんが悪いんだ」そう言いながらレイプする事。
木曜日の17時、御神詩織が通りかかる。僕は当身を食らわすと彼女を気絶させた。
こんな子供相手なら、虚をつく必要もない。すれ違いざまに当身を食らわすだけで良い。
そして僕は彼女をトイレに運び裸にひん剥いた。イチゴの子供のパンツが子供らしさを現している。好きな奴は好きなんだろう。だが、それも全部脱がして紐で縛り付けた。股は開いた状態にして犯しやすくした。包帯で目隠しをしてマスクをつけた。 最後に彼女の喉を潰した。これで、彼女は二度と声を出すことは出来ない。ただ、うーうーいう声しか生涯出来ないだろう。 彼女の持ち物からスマホを取り出し、僕はその場をいったん去った。
さて、彼らは来るのだろうか?
18時40分位から異様な奴らがトイレの近くに集まりだした。
聞き耳を立てると露出狂のアリスの話題をしていた。
そして、最初の一人がトイレに入った。すると、すぐに驚いた顔で他の仲間を引き入れた。
ここが僕の賭けだった。
もし、彼らに良心があり、現状を見て警察に連絡されたら何も復讐できないで終わる。
だが、彼らは出てこなかった。
近くにより様子を聞くと
「小学生の体最高」
「あっそうだ、お前の姉ちゃんがわるいんだ」
「すげーこれマジで小学生じゃん」
「そうだ、お前の姉ちゃんが悪いんだ」
「マジですげー終わったら2回目並ぶわ」
という声と、「うっうっという嗚咽が聞こえてきた」
無事汚せたみたいだ。
少し離れて見ていると、更に人数が増え並びだした。どうやらスマホで友達を呼んだようだ。
これからが、僕の仕事だ。
時間は21時、さっきからスマホが鳴りっぱなしだ。
僕は詩織のスマホから連絡文を打った。内容は
「お姉ちゃん助けて、、公園で絡まれているの」と。
直ぐに返事は帰ってきたが後は無視だ。
スマホから指紋を拭き取りゴミ箱へ捨てた。
15分もしないうちに御神涼子は現れた。
公園の中をキョロキョロしながら歩いていた。
僕は静かに近づいた。
「こんばんは御神さん」
「あっ、セレス、うちの妹見なかった。」
「妹さんかどうか知らないけど、小学生位の女の子がさっき変な男とトイレに居たけど」
「本当っ」
僕は当身をあて気絶させた。
そのまま、服を全部脱がすと同じように喉を潰した。 暴れるといけないので肩と足の関節を外した。
そして、そのまま担いでトイレに持っていった。
「露出狂の姉貴も見つけたぞ」
そのまま顔を見られないように気を付け僕はまた立ち去る。
幾ら待っても終わらない。
結局、最後一人が立ち去ったのは夜中の3時過ぎだった。
僕はトイレの中に入る。精液の匂いでむせた。
その先には小さな精液だらけの少女が転がっていた。
涼子の方を見ると凄い形相で僕を睨みつけていた。
だが、喉を潰しているので何もしゃべれない。
その先の詩織はカエルのように股を開いて気絶していた。
「汚いな、精液まみれでゴミみたいだな。本当に心の醜い涼子さんに相応しいね。
妹さんも可哀想に、君のような女の妹に産まれなければこんな思いしなくて良かったのに」
「うーっうっうっ」
「何言っているのか解らないよ? とりあえず妹さんから殺さないといけないから静かにしてね」
「うーうーうっうっうー」
「殺されたくないの妹さん?」
「うーうん」
「じゃぁチャンスをあげる。君が旨く自殺出来たら妹さんは助けてあげるよ? と言っても手足が動かないから頭を床に打ち付けるしかないけどね」
涼子は凄い勢いで頭を打ち付け始めた。
「まだ、死ぬそうにないね、早く死なないと気が変わっちゃうかもね?」
「うーっうーうー」
「何、恨めしそうに見ているの?君が水野さんにしていた事と同じじゃない?散々人にはしておいて、いざ自分がされる立場になったらそんな目するの?何それ、」
「うーっうーつうー」
「だから何を言っているのか解らない。そうだ時間を決めるね。あと5分、5分以内に死ななかったら妹さんを殺すよ」
また、頭を打ち付けはじめる。
「うぅん」
「あれ、妹さん起きたのかな?」
僕は詩織の方に向かっていった。
「うん、起きちゃったね、、、時間切れ」
僕は、詩織の頭を床に打ち付けた。
ぐちゃって音と共に詩織は動かなくなった。
「ねぇ、御神さん。せっかくチャンスをあげたのに何で死なないのかな? 多分、僕は水野さんが助かる方法があったなら喜んで死んだと思うよ、、、せっかくのチャンスだったのに自分が悪いんだよ」
ぐちゃ、、、御神涼子は死んだ。
沢山の男の精子まみれで死んだんだ。これなら絶対僕が犯人とは解らないだろう。しかも自分で何回も頭を打ち付けたんだから自殺にしか見えないだろうな。
複数の人間にレイプされての自殺。ざまぁ見ろ。
でもこれだって、生易しすぎる。水野さんはもっと絶望の中で死んだんだ。
たった数時間の地獄じゃ少なすぎる。
もっと地獄に落とさないと、、、、
御神涼子
私の名前は御神涼子。
この学園で女子のナンバー3と言われている。
だけど、本当の私は地味でおとなしい性格なんだ、、少なくとも自分ではそう思っている。
虐めも本当は好きではなく、本来は悪い事に手なんて染めたくはない。
だけど、私はそんな事はいっていられない。
その理由は、私には愛する妹がいるからだ。
私の妹はこの学園の初等部に入っている。来年には中等部になる。
この学園はかなり頭が良く、良い学校で通っているが実際はちがう。
裏に回れば、虐めに、万引き、暴力等犯罪のオンパレードだ。
そして、その中に王様のように君臨しているのが、黒川哲也だ。
その力は凄く、親の力もあって教師すらも逆らえない。
実際に、教師すら黙らせ、自殺した生徒の事件ですらもモミ潰した。
私の妹は、正義感が強い真面目な子だ。この学園にいたらいつかは水野裕子みたいになりかねない。
だから、守る必要がある。
幸いな事に、私は早い時期に神谷さんの友達になれた。そして神谷さんは黒川さんと仲が良い。
気が付くと黒川さんと仲の良い神谷さんは女子の総てを支配下に置くようになった。
だから、私は神谷さんの仲間に入り、より気に入られるように努力した。
そうして力をつければ妹を守る事が出来る。幸い、丸井さんとも仲が良かったから問題なくグループに入れた。
ただ、そこからが大変だった。神谷さんが喜ぶようにしなくてはいけなかった。
神谷さんが気に入らない女の子は徹底していじめた。制服を破った事も、髪をはさみで切った事も山ほどあった。 だが、私だってそんな事はしたくない。だが、そうしなければ自分の地位を守れないし、妹も守れない。実際に妹は初等部の不良に虐めにあいそうになっていた。 頭にきた私は神谷さんに話した。
神谷さんはケタケタ笑いながら「あんたが顔を出すだけで話は終わるわよ」そういった。
実際に話しをしにいったら「すいません、御神先輩の妹なんて知らなかったんです」と言い、二度と妹に手を出さなかった。
つまり、私がこの立場でいる限り妹は守れるのだ。
だから、神谷さんが嫌っている水野裕子は徹底して虐めた。しかも、此奴を虐める事は神谷さんばかりかその後ろにいる黒川さんにも気に入られる事になる。私がこの地位に居る為には仕方がない事だった。
途中で余りに惨くて手も止まった事もあったが、がもう引き返せなくなっていた。辞めたら嫌われる。そう思ったら辞められない、私は喧嘩が強い訳ではない。この立場で居るには気にいられ続けなければならない。無関係な転校生より妹と自分の幸せを望んだ。
その結果、すべてを失った。
妹が何者かに攫われてレイプされた。
私が妹を見た時には何人ものキモイ男に犯され精液だらけになっていた。
そして、私も体が動かない状態にされて声も出ない状態で裸で投げ飛ばされた。
私は最初逃げようとも思ったが体が旨く動かない。
しかも、私が逃げたら妹を犯す数が増えてしまう。
「なんだ、高校生のババアじゃん」
「汚い、毛が生えているよ」
「どうせヤリマンだろう。露出狂なんだから」
「姉妹で淫乱露出狂すごいね」
そんな事を言いながらありとあらゆる穴に突っ込まれた。
そして精液を垂れ流しされた。
「あっこいつ一応処女だったんだ」
「ようちゃんいいな、今日一日で2人も処女奪えてラッキーじゃん」
そんなこと言いながら暴力的に犯された。
そして全部を笑いながらスマホに撮っていた。
最後に彼らは
「また溜まったら宜しく」
そう言って去っていった。
これで私たちの人生は終わってしまったかもかも知れない。
だから許せなかった。黒木セレスお前だけは絶対に許さない。苛め抜いて殺してやる。
そう思いながらも、妹が気になった。小学生なのにあんな人数にレイプされたんだ大丈夫な訳ない。
私は、妹の傍に行きたかったが動けなかった。
暫くするとセレスが笑顔で現れた。
「汚いな、精液まみれでゴミみたいだな。本当に心の醜い涼子さんに相応しいね。妹さんも可哀想に、君のような女の妹に産まれなければこんな思いしなくて良かったのに」
私は確かに虐めをこいつにしていた。だけど、ただ虐めをしただけで妹や私を攫ってレイプするなんてひどすぎる。絶対に許さない。たかがその程度の事でここまでするなんて
「何言っているのか解らないよ? とりあえず妹さんから殺さないといけないから静かにしてね」
何故、妹を殺すの。ここまでしたんだから充分でしょう。確かに私は貴方のいじめに加わったよ。だけどそんなに大した事してない。レイプしたり殺すなんてそんな話じゃないでしょう
「殺されたくないの妹さん?」
当たり前じゃない、妹より大切な者なんて居ないもの
「じゃぁチャンスをあげる。君が旨く自殺出来たら妹さんは助けてあげるよ? と言っても手足が動かないから頭を床に打ち付けるしかないけどね」
そう、そこまで逆恨みするのね、もう何を言っても無駄なんでしょうね。いいわ。ちゃんと死ぬから妹にはこれ以上手を出さないで。
私はは凄い勢いで頭を打ち付け始めた。
頭が痛い。こんなに打ち付けているのに、、早く死なないと妹が殺されちゃう。
「まだ、死ぬそうにないね、早く死なないと気が変わっちゃうかもね?」
早く死なないと妹が殺されちゃう。
何故、私はここまでしなきゃいけないの?何故死なないといけなの、解らないよ。そこまでの事セレスにしてない。ちょっとした虐めじゃない。
「何、恨めしそうに見ているの?君が水野さんにしていた事と同じじゃない?散々人にはしておいて、いざ自分がされる立場になったらそんな目するの?何それ、」
していた。水野裕子にならしていた。そうか私にとっての詩織がこいつにとっての水野裕子だったんだ。
「だから何を言っているのか解らない。そうだ時間を決めるね。あと5分、5分以内に死ななかったら妹さんを殺すよ」
まずい、こいつなら本当に殺す。水野と同じことを妹にされたら、私だって殺す。ねぇちゃんと死ぬから、自殺して見せるから、、妹だけは見逃がして
「うぅん」
「あれ、妹さん起きたのかな?」
やめて、やめて やめて、本当に死ぬから、ちゃんと死ぬから
「うん、起きちゃったね、、、時間切れ」
ぐちゃり
詩織、詩織、嘘嘘、、、詩織が殺されちゃったよ。死んじゃったよああああああああああああ
「ねぇ、御神さん。せっかくチャンスをあげたのに何で死なないのかな? 多分、僕は水野さんが助かる方法があったなら喜んで死んだと思うよ、、、せっかくのチャンスだったのに自分が悪いんだよ」
私は馬鹿だった。小さな虐めから妹を守ろうとして、悪魔のような人間を怒らせたんだ。
今更だけど、水野裕子に手を出さなかったら、もし、少しでも庇っていたら、、無理かな
多分、そんな事をしたら、私や妹が水野裕子のようにされる。 結局死ぬ運命しかなかった。
でもどうせ死ぬなら、、、もう少しましな死に方をしたかった。
輪姦されて自殺、、そういう事になるのかな。私も妹も。
もし聞けるならこいつに聞いて見たい。どうすればよかったの? どうすれば生き延びられたの?
ぐちゃ、、、御神涼子は死んだ。
押さえられなかった殺人衝動
今日も朝から稽古をしている。
寸止めの際の卑怯の掛け声が響き渡る。
「セレス、技に磨きが掛かったようだが」
「なぁに、、数人殺したからかな」
僕は笑顔で答えた。
師匠はそれを聞くと黙り込んだ。
次の復讐を考えなければいけない。
ここまでは、不思議なくらい旨くいっている。
水野さんの両親の死は、虐めで娘を失った両親が自殺した。それで収まっている。
最初、その原因は「虐めに対する抗議」という話もあったらしいが遺書が見つからなかったので衝動的な自殺という事で片付いたみたいだ、案外、龍三辺りが警察に圧力をかけたのかも知れないが、、
神谷涼子と詩織は、暴行された事が原因の自殺。それだけが小さく報じられていた。
あれだけの事をされたのに暴行の2文字だけで片付けられる。
そう思うとやはり復讐をして正解だった。
あれで暴行としか報道されないなら、水野さんの遺書が見つかっても虐めの2文字で済まされてしまうだろう。
今、黒川は学園にいない。逃走したとかではなく、ただ、龍三と一緒に1週間のバカンスを楽しんでいる。 学園をそんな理由で休めるなんて良いご身分である。
このチャンスに少しでも他のメンバーを殺しておかなければ、、、殺しのタイムトライアルだ。
利用できるネタは 笹川と神谷が付き合っているという事位か、、、、あっそう言えば荒居には凄く腹が立つ噂もあった。
この辺りの関係から切り崩す事ができそうだ。
「神谷さん」
「なんだ、セレスか、きもいから話しかけてくんなよ、、」
「だけど、笹川くんが、、、」
「えっ邦夫、伝言なの チッ だったらいいわ、話しなさい」
「あの、、溜まり場に来て欲しいそうです」
「そう、わかったわ」
校舎から離れた所にある旧部室、ここが黒川たちの溜まり場だ。
元々は部室として使っていたプレハブの跡地をそのまま黒川たちが占拠した。
校舎から離れているから人通りその物が無いが、更に黒川たちが占拠した事で今では教師すら近づかない。
「邦夫っ、来たけどなにか」
僕は当身で神谷を気絶させた。
前回と同じくマスクをつけて裸にひん剥き、喉を潰し、手足の関節を外した。
そしてロープで縛ってそのまま放置した。
そして荒居を呼びに校舎に戻った。
運が良い事に校舎に入る前に荒居を見つける事が出来た。
近くに笹川はいない。
「荒居さん、ちょっと話があるんですが」
「なんだセレスか、相変わらずきもいな、、何の用だ」
「あの、、あの」
「早く話せよ、、イラつくな、殴るぞ」
「あの、荒居さんにどうしても話がしたくて、荒居さん達の溜まり場まで来て頂けないでしょうか?」
「セレス、俺に喧嘩売っているのか、、よし」
「そんな訳」
「ねぇよな、、金でもよこすのか? まぁいいや。その勇気に免じて行ってやるよ、、ただつまらねぇ話だったら半殺しじゃすまねぇよ」
「はい、、」
「おい、セレスこれは何だ、裸の女がいる。 どうした」
驚きながらも荒居はにやついた顔つきで女を見ていた。
「荒居さんの為に用意したんだ、荒居さん童貞でしょう?」
荒居が童貞なのは知っていた。何故なら笹川や神谷が陰で陰口を言っていたからだ。
「お前、俺を馬鹿にしているのか?」
「違うよ荒居さん、馬鹿にしているならこんなヤバイ事しないよ」
「確かにな。でどういう事?」
「僕は聞いてしまったんだ、笹川くんと神谷さんが荒居くんの事を童貞って馬鹿にしていた事を」
「ちぇっあいつ等が、、話し続けろ」
「その時、荒居くん言ってたでしょう? 俺は商売女は嫌いだ。初めての相手は普通の女じゃなきゃダメなんだって」
「お前、、あれ聞いていたのか?」
(恐らく、水野さんがああならなければお前は水野さんを犯していたよな)
「はぃ、、それでお願いがあるんです。そこに居るのは間違いなくこの学園の生徒です」
「それで?」
「自由にして良いから、もう僕が虐められないようにして貰えませんか?」
「話は解った。だがセレスお前に聞きたい。お前って底辺じゃん。どうやって女を攫ってきた」
「それは、荒居くんの名前を使って」
「手前、勝手に人の名前を使いやがって」
僕は体を震わせながらしゃべる。
「だけど、そうでもしないと出来なくて、こんな方法しか思いつかなくて、もう虐められたくなくて」
「いいぜ、もう俺に女を貢いだんだろう、解ったよもういいぜ」
「ただ、約束なんでマスクは取らないであげて下さい」
「何で、あれだと少し萎えるんだが」
「こいつ、彼氏がいるんですよ。その為今回一回きりの約束でOKして貰いました。その後ゆすられるのが嫌だそうで、マスクだけは外さない、、そういう約束なんです」
「、、、、、お前、そこまでの事が出来るの?すっげー使えるじゃん。良いよ。もう虐めないように黒川さんに言っておくよ。って言うか、俺の舎弟にしてやるよ」
「ありがとうございます。、、、それじゃ席を外しますね」
「おうっ」
3時間以上が過ぎてようやく荒居は出て来た。
「おうセレス待たせたな。だがあれは駄目だ。面白くないぜ。ただ、嗚咽しか声ださねぇんだ」
「抵抗はしませんでしたか」
「確かにしなかったぜ、だけど頑なに自分からは動かねぇ」
そりゃ動かないよ関節外しているんだから。
「でっ童貞は無事捨てれましたか」
「てっ手前、、とは言えねぇな、お前に女を世話して貰ったんだしな。確かに聞きてえよな。ばっちりだ。」
「それは良かったですね」
「あぁこれで笹川にも神谷にも童貞なんて馬鹿にさせやしねぇ。」
「でっ次はいつ位が良いですかね?」
「つ次もあるのか?」
「荒居さんの舎弟ですよね。兄貴分には良い思いして貰わなきゃ」
「そうか、、そうだな」
ザクっ
「せ、レ、ス、、お前」
やばい、殺してしまった。やばい、ヤバイヤバイヤバイ。
僕は慌てて荒居を背負い部室に入った。
部屋では荒居を背負った僕を神谷が驚いた表情で見ている。
僕は荒居を下に降ろすと一息ついた。
荒居はもう死んでいた。
殺す気はまだなかった。本来の僕のシナリオだと、こいつにはあと、最低二人は犯して貰う必要があった。 氷川と丸井も犯させてその後に始末する予定だったのに、反射的に殺してしまった。
やってしまったからには仕方ない。利用するしかないのだ。
僕は荒居の死体の背中部分をナイフでめった刺しした。そして先程切った頸動脈も上から更に切った。
近くに居る。神谷が恐怖で失禁したみたいだが気にしなかった。
それが終わると僕は神谷智子に近づきマスクをはがした。
「神谷さん暫く見ない間に随分汚くなりましたね」
神谷は何回も出されたのだろう精子まみれだった。目からは涙があふれ出ていた。
「うーっうううう」
「喋れないのはつまらないな。会話もできやしない。」
「ううううう」
「何故、震えているんですか?散々自分がやってきたことでしょう? 」
「うううう」
「たった一回されただけで泣くんですか? 自分は何回同じ事をやったと思っているんですか?」
「水野さんに、ごめんなさいって謝ったら許してあげますよ」
「ううう」
「ううううですか、謝る気ないんですか、良いですよ、その気なら
ぐちゃ、、セレスは神谷の頭を叩きつける。すぐには死なないように手加減しながら
そして、荒居の方に引きずっていく。そして、自分の指紋を拭き取ったナイフを神谷の手に握らせ荒居の背中を刺した状態にした。
「神谷さん、凄いね自分をレイプした荒居を殺すなんて、流石」
僕はおどけるようにして神谷智子を見下ろす。神谷智子は暫くこちらを睨みつけていたが眠る様に絶命した。
神谷智子
私の名前は神谷智子。
この学園のクイーンなんて呼ぶ人もいるわね。
でも本当は違う。たぶんこの学園で最初にレイプされたのが私。
黒川に最初に目を付けられてレイプされたのよ。
だけど、私はそれでめげなかったわ。
だって、高校位なら普通に処女なんて捨てているし、好きでも無い男に無理やりは嫌だったけど終わった事は仕方ないと思う。
私の近所のヤンキー姉ちゃんなんて犯した相手と結婚してヤンママしているし、知り合いのガングロ姉ちゃんは輪姦されたのにそのままグループに居て、逆に「本当にSEXが下手すぎるわ」と笑い話にしている。
そんなもんでしょう。SEXなんて。
だから、利用した。
だって、黒川は立派な権力者だし、少なくともこの学園では一番権力がある。
だったら取り入れば良いじゃん。SEXまでしたんだから利用しなければ勿体ないでしょう?
簡単にグループには入れたわ。だけど、黒川はムカつく事に私にはもう何も感じていなかった。
だけど、何故か黒川とそういう関係にあるのだけは知っていたのか誰も声を掛けて来なかった。
正直言って不満。確かにこのグループにいるから女子は誰も逆らわないけど、黒川の女だと思われて男子は誰も近寄って来ない。
いつもの様に何をするでもなく、溜まり場にいた。
この日は絶対にないはずのノックがされた。
ノックと共に、笹川邦夫が現れた。
「何のようだ」黒川が不機嫌そうな顔をした。
「ななななななんでもします。僕に神谷さんをください。」
私は思わず噴き出した。まるで親を前にしてプロポーズしているみたいだ。
黒川も唖然としているし、荒居も複雑な顔をしている。
そして、黒川は面白そうなおもちゃを見つけたと思ったんだろうな。
「いいよ、お前にやる。その代わり何でも言う事聞くんだよな?」
「勿論です」
「じゃぁ決まりだな」
あっさりと私は笹川の女になった。いやなったのかな?
だけど、この時私は男の子に飢えていたんだと思う。変な意味じゃないよ?
「あは、じゃぁ笹川君の彼女になったんだから、早速デートでもしてくるよ」
私は笹川の手を握り、外に行こうとした。
邦夫の真っ赤な顔が可愛い。
でていこうとする私を黒川が引き留めた。
おや未練でもあるのだろうか?
だが、驚く事に5万円も渡された。
これには私も邦夫も驚いた。
「小遣いだ、、、デートするのに金なしじゃつまらんだろうが」
「あ、、ありがとう」
「こんなのはした金だ、俺の仲間でいれば、もっと楽しませてやる」
黒川には意外にもこんな面もある。
仲間には案外優しいのだ。多分飴と鞭を旨く使い分けているのだろう。
実際に荒居は新車のバイクを貰っていた。
私と邦夫は普通にデートした。クレープを食べて、ゲーセンに言って、カラオケボックスで歌った。
邦夫は始終顔を真っ赤にしていた。
多分、私が欲しかったのはこういう生活だ。
散々遊んで夜になっていた。
私達はホテルの前を通った。邦夫が看板を見ていた。
黒川くんに貰ったお金はまだ充分にある。
「いいよ、朝まで一緒に遊ぼう」私は邦夫の手を引っ張りホテルに入った。
邦夫とのセックスは蕩けるようだった。私は黒川に乱暴にされた物しか経験がない。何度も「好きだ」「愛している」を繰り返され、優しくキスをされ顔が真っ赤になった。
物凄く大事にされ、愛されているのがわかった。
「ねぇ邦夫、ちゃんと好きっていって」
「違うよ、好きじゃなくて愛しているよ」
自分の期待した以上の言葉だった。 嬉しくて涙が出て来た。
「私も愛しているわ」本心からそういえた。
次の日から邦夫のパシリが始まった。
何でもすると黒川くんに約束したのだから仕方ない。
だが、黒川くんのパシリは見た目と違い実はおいしい。
お金は余分に寄こすし小遣いもくれる。
邦夫が最初に返そうとしたら「とっとけ」と言われた。
1万円札を貰ってジュースと弁当4つ買ってきて、残り全部をくれるのだから7千円以上余る。
黒川くんから充分にお金が貰えるから、私たちは毎日のように遊び歩いた。
ホテルに泊まってそこから学校に行く事もあった。
親も黒川くん達と遊んでいると言えば何も言わない。
だって、私の家も邦夫の家も黒川くんのお父さんの系列で働いているんだから言える訳がない。
しかも、黒川くんのお父さんが息子が世話になってとうちのお父さんに挨拶をしたそうだ。、、、そしてお父さんは係長に昇進した。ただの偶然だと思うが、、それ以来うちの家族は「黒川くんと仲良くするのよ」そればかりだ、、、本当はレイプされた。そういったらどうなるだろうか? 何も壊す必要はない。
だから、私と邦夫は黒川くんが喜ぶように動いて二人で楽しく暮らしていた。
多少の虐めは仕方ないよ。ここそういう学園だから、黒川くんに嫌われるのが悪いんだよ。
黒川くんの最初の虐めの相手は黒木セレスだった。
別に何かセレスが悪い事した訳じゃない。
ただ、目立つから標的になった。
流れるような髪に綺麗な目。その儚さはまるで物語から飛び出てきたような美少年だった。
私は邦夫がいるから気にはならないが他の子が見惚れるのは解る気がした。
それが黒川くんは気に入らなかった。
最初は何人かの女の子はセレスを庇おうとした。だけど、私たちが潰した。
この頃になると、私にも丸井幸子と御神京子という取り巻きが居た。
私は実は虐めは余り好きでなはい。だからその後は放置した。
女の子に人気のあった分、男子からのやっかみがあったのか、その後はセレスは底辺へ真っ逆さまだった。
そして、セレス一人が虐められているなか水野裕子が転校してきた。
この女、セレスの虐めに気が付くとそれをホームルームの議題にあげやがった。
勿論、その矛先は黒川くんにむかう。
おかしな事にセレスは凄くボロボロだった。
誰がここまでやったのか解らない。だけど、私達はここまでの事はしていない。
あんなに痣だらけになるまで殴るなんて裕也だってしないだろう。
黒川くんだってそんな指示をしていない。
そして、黒川くんを白い目でクラスの多くが見つめていた。
困った事に黒川くんは変に正直なんだ。
「何だ、その眼は俺は確かにセレスを虐めていたかも知れないが、あんなになるなまで殴ってないぞ」
その言葉を皮切りに追求が始まった。
私は、、困った。
皆んな忘れているよ。その人は黒川哲也なんだ。
そんな事を忘れたように担任と他の生徒の追及は続く。
だが
「てめえら汚ねーぞ、全部俺のせいにするのか、今喋った奴ダダじゃ置かねー」
この言葉でこの話は沈静化した。
ようやく誰を怒らせたか解ったみたいだ。
そして虐めの矛先は水野裕子へと変わった。
特に黒川くんの怒りは凄まじかった。無実の罪を着せられそうになったのだそりゃ怒るだろう。
たしかに虐めはしていたよ。確かに殴りもしただろう。だけどあんな病院送り寸前まで誰もしていない。
その件に対しては無実だ。
私は、自分の仲間の御神と共にセレスと同じように虐めていた。
そうする事で、黒川くんにより好かれるように頑張った。
虐めの報告をするたびにお小遣いが貰えた。そして、そのお金の一部は二人にあげて残りのお金で
邦夫と遊び歩いた。最近では家に帰らずホテルに居る事が多い。
黒川くんと荒居は水野裕子のレイプ計画を立てていた。
特に荒居は童貞を捨てたいのか熱心だった。
たしかに、水野裕子は顔が良い。スタイルも良い。
レイプされちゃうのか可哀想に。人生が終わるのかな?
だが、ここで気が付いてしまった。水野裕子に私と同じ事が起きないだろうか?
もし、黒川くんが水野を気に入ってしまって自分の物にしたら、、、、
いや、水野裕子には次もある。そこで黒川くんが気に入らなくても次は荒居だ。
荒居はこういう清楚なタイプが好きだ。多分水野裕子はストライクなはずだ。
はっきり言う。荒居と自分や邦夫では格差がある。
荒居は子供の頃から黒川くんと居た。幼稚園、小学校と一緒に過ごし、用心棒をしていた。
中学の時に複数の不良に絡まれた時に荒居だけは最後まで残り黒川くんを命がけで逃がしたらしい。
その事から確実に別格なのだ。
その荒居の女に水野がなったら、どうなるだろうか?
下につくしかない。そして散々虐めたのだ。やり返されるかも知れない。
だから、邦夫と私の幸せの為に
誰も相手したくないそんな女にしなくてはいけない。
これは男では出来ない。
私は、丸井と御神と二人で計画をねった。
最初に思いついたのがあの綺麗な髪を切る事だった
二人が押さえつけ私が切った。
泣きながら水野は担任に言いつけたが、担任は動かなかった。
多分黒川くんが怖いのだろう。
次に思いついたのはウンコだった。
これは男子がスカトロの動画を見ていて
「どんなに綺麗でもウンコ食った女じゃキスもしたくない」
そう言っていたからだ。
だから、口便器にした。最初は抵抗したが静かになるまで殴りつけると最後は泣きながら食っていた。
次に他の男子が
「ガバガバだったら萎えるよね」
そんな話をしていた。即試験管でガバガバにしてやった。
痛みで泣いていたが、気にしないで毎日やった。割れた試験管はさぞかし痛いだろう。
男子が教室で読んでいた漫画に
体にナイフでエッチな事を書いている残酷な話があったからやった。
彼女は物凄く痛がったが構わない。
そして毎日のように虐めて
最後には乳首まで切り落とした。
虐めについて黒川くんや荒居に報告した。
二人は一瞬化け物を見るような目で私を見た気がしたが
黒川くんは「そうか」とだけ呟いた。
荒居は半分怒った顔で私を睨みつけていた。
ゴミになってしまった水野裕子を二人は気に留める事もなくなった。
私は、毎日のように邦夫と楽しく過ごしていた。
水野裕子が自殺した時やその両親が自殺した時は焦ったが、大きな問題にならなかった。
黒川くんの顔に痣があったから、恐らく黒川くんのお父さんがもみ消したんだと思う。
その後、御神さんとその妹がレイプさせて殺された事は気になったが、、仕方ない事だと思う。
きっと学園のなか以外にも悪い事をしていたのかも知れない。複数の男に犯されて殺されたという事は
誰かに恨まれたのだろう。、、少なくともそんな人数の人に恨まれる事に私は噛んでいない。、、、うん大丈夫だ。
だが、私は知らないうちに恐ろしい奴を怒らせていたんだ。
知っていたよ、本当の危ない奴は平気で残酷な事をするし、笑いながら人が殺せるって。
ヤンキーやガングロの人から何回も聞いていた。
「俺はよう殴る事やレイプ位ならできるよ、、だけど。泣いていると最後には同情が入って殺しは出来ないんだ。怖い奴はそこから先も笑いながらできるんだよ」
「私がいたチームの頭はさぁ強いんじゃなくて怖いんだよ。喧嘩になるとさぁ殺されるような気がしてならないんだ。実際に1人殺しているしさぁ」
「俺がさぁボコったらいきなり、ナイフで刺しやがるのよ、怖くて即効詫び入れたよ」
だけど、そういう人って有名人になっているじゃん。何でこんな所で虐められていたの。
私は気が付くと手足の自由も奪われて話も出来なくされていた。
荒居が覆いかぶさってくるが、抵抗も出来ない。
何回も何回も犯された。
はっきりいって気持ち悪い。邦夫とセックスする前なら何て事無かったかも知れない。
だけど、邦夫と毎日体をあわせるようになって本当の愛するセックスを知ってしまった。
穴に突っ込まれるだけの苦痛がただ続く。
「何だ、こいつ人形みたいでつまらないな」
「せっかく用意してくれたんだけど、面白みがないな」
「殴って見るか?」
私を荒居は殴りつけた。
「おっ締りが良くなったぞ」
そこには一切の愛が無いセックスしかなかった。ただ、殴られて犯されるだけ。
3時間ほどたってようやく苦痛の時間が終わった。
だが、そこからが本当の地獄の時間だった。
荒居を背負ったセレスが入ってきた。
セレスは荒居の死体の背中部分をナイフでめった刺しした。そして頸動脈も切った。
荒居は生きていたのかそれとも死んでいたのか解らない。だけど、今生きていないのだけは解った。
セレスが私に近づいてくる。
怖い、私は怖さで失禁してしまった。
私は今被らされていたマスクをはぎ取られた。
「神谷さん暫く見ない間に随分汚くなりましたね」
お前が荒居をたきつけんでしょう。私そこまでの事貴方にした?虐めはしたけどレイプされる位の事なんてしてないでしょう。
「喋れないのはつまらないな。会話もできやしない。」
絶対に復讐してやる
「何故、震えているんですか?散々自分がやってきたことでしょう? 」
だから、私が何をしたっていうの?ただ少し虐めただけここまでされる謂れはないよ。
「たった一回されただけで泣くんですか? 自分は何回同じ事をやったと思っているんですか?」
確かに一回じゃないけど、違うでしょう? ここまでの事をアンタはするの、ただ少し虐めただけで
「水野さんに、ごめんなさいって謝ったら許してあげますよ」
水野さん? そうかこいつ水野裕子の復讐をしているのか。それならここまでの事される理由はあるわ。謝れば良いの? 命は助けてくれるの? ごめんなさい、、、あれっ声がでない。
ちゃんと謝るよ、、声がでないのよ。
「ううううですか、謝る気ないんですか、良いですよ、その気なら」
そうか、元から許す気なんてないんだ。やりすぎちゃったものね。同じ事されたら私だってやるよ。
ぐちゃ、、頭が痛い。
何で引きづるの、ねえ、何で私にナイフ握らせるの。うそ、何で私の手で刺すの?
「神谷さん、凄いね自分をレイプした荒居を殺すなんて、流石」
そう、私が殺したことにするんだ、、あれっ私が荒居を殺したら邦夫はどうなるのかな?、、ヤバイ黒川くんに殺されちゃう、、、、やばいやばいやばい、、どうしよう、、、邦夫ごめんね
荒居裕也
俺の名前は荒居裕也。
この学園のまぁ多分ナンバー2だな。
別に権力何て欲しい訳じゃない。
ただ、俺は黒川哲也に返しきれない恩があるから引っ付いているだけだ。
俺がまだ子供の時の事だった。うちは親父が仕事が無く貧乏で生活に困っていた。
そんなある日幼稚園で虐められている哲也に出会ったんだ。
腕力に自信のある俺は助けに入った。
ここから人生が変わった。
哲也を助けたあと龍三さんが訪ねてきたんだ。
龍三さんはお礼の後に我が家の状況をみて親父を雇ってくれたんだ。
そこからは人生が一転した。
今迄の不幸が嘘だったかのように幸せになった。
今では小さいながらも持ち家を持つようになり、新車の車も持っている。
母親は貧乏たらしかったし、親父も貧乏親父だったのに今ではゴルフ三昧。
ちょっとしたセレブだ。
だから俺は哲也には頭が一切上がらない。
そんな、俺の不満は友人や彼女がいない事だ。
哲也は友人だが、対等ではない。上司、王様?そんな感じだ。
しかも、最近では帝王学とかを学び始めてから忙しいらしく余り学校に来なくなった。
一応、知り合いに笹川や神谷がいるけど、こいつ等は暇さえあればイチャイチャしている。
人の前で胸に手まで入れている笹川には困ったもんだ。
一度冗談で水野裕子をレイプする話しをしたら、黙って金を渡された。だが、流石に突っ返した。
「俺の抱きたいのは商売女じゃない」
「そうか、、だったら援助交際しそうな女を探せば良いじゃないか?」
「ありかな、、」
「金は今回はやらんぞ、突っ返したんだからな」
「あっ」
「もう遅い、だけど、レイプは駄目だ、俺はやっちゃったけど後味が良くない。親父に思いっきり殴られた。、、、最も、運よくあんなに成っちゃったから罪悪感はないが」
「確かにあれなら、罪悪感は持たなくて良いんじゃないか。レイプした相手からホテル代せびるってなにあれ」
「あぁ、もうレイプという言葉は使うなよ。あいつらに悪い」
「そうだな」
「相手が神谷で良かったんだ。その後しっかり、彼氏をつくれて、幸せそうだからな」
「そうだな」
「だから、その愛を育てる為に金を恵んでやるんだ」
「すなおじゃないな、、、」
「俺は謝れないんだ」
気が付くと水野裕子は底辺に落とされていた。
俺たちはここまでやれとは言っていない。
少し良心が痛む。
正直、神谷から話を聞いた時はショックを受けた
女ってここまでやるのかと。
黒川くんはもっとショックを受けていたみたいだ。
まさかそこまでするとは思っていなかったのだろう。
だが、あそこまで汚れた女を抱いたら笑いものだ。
もうだれもあいつを抱かないだろう。
が、女を抱きたいその思いはまだ消えていなかった。
荒居さん、ちょっと話があるんですが」
セレスという奴が声を掛けてきた。こいつは卑屈なので嫌いだった。
なかなか要件を言わないセレスに俺はイライラを募らせる。
ただ、単に溜まり場にこい、それだけの内容だった。
だが、そこで俺は驚きの物を目にした。
裸の女が寝ているのだ。
「おい、セレスこれは何だ、裸の女がいる。 どうした」
俺は女を見ると二やついてしまう。ここに居るって事は俺の為に用意した。そういう事だろう。
「荒居さんの為に用意したんだ、荒居さん童貞でしょう?」
やっぱりそうだ。 童貞って事は結構有名だから気にはならいが、少しムカついた。
「お前、俺を馬鹿にしているのか?」
馬鹿になんてしてないのは解る。馬鹿にしている相手にこんなプレゼントはしない。
「違うよ荒居さん、馬鹿にしているならこんなヤバイ事しないよ」
慌てている。なんか良いなこいつ。
「確かにな。でどういう事?」
女をくれる。それは解る。だがこいつが何でこれをくれるか解らない。
「僕は聞いてしまったんだ、笹川くんと神谷さんが荒居くんの事を童貞って馬鹿にしていた事を」
ちぇ、あいつ等言いふらしているのか。
「ちぇっあいつ等が、、話し続けろ」
「その時、荒居くん言ってたでしょう? 俺は商売女は嫌いだ。初めての相手は普通の女じゃなきゃダメなんだって」
その場にいたんだこいつ。
「お前、、あれ聞いていたのか?」
「はぃ、、それでお願いがあるんです。そこに居るのは間違いなくこの学園の生徒です」
そりゃそうだ、わざわざ学園に風俗嬢はよばないよな。
「それで?」
「自由にして良いから、もう僕が虐められないようにして貰えませんか?」
そうか、虐めから助けて欲しいのか。だが、もうとっくに黒川くんは虐めから足を洗っているんだけどな。
まだ続いているのか。
「話は解った。だがセレスお前に聞きたい。お前って底辺じゃん。どうやって女を攫ってきた」
まさか、攫ってきたりしてないよな。こいつやばい奴か
「それは、荒居くんの名前を使って」
「手前、勝手に人の名前を使いやがって」
人の名前でこれをやったのか、腹もたつだが、無理やりでなく脅しとは言え自分から抱かれるのだからこれはレイプではない。少なくとも俺の中で罪悪感は無い。
「ただ、約束なんでマスクは取らないであげて下さい」
「何で、あれだと少し萎えるんだが」
「こいつ、彼氏がいるんですよ。その為今回一回きりの約束でOKして貰いました。その後ゆすられるのが嫌だそうで、マスクだけは外さない、、そういう約束なんです」
「、、、、、お前、そこまでの事が出来るの?すっげー使えるじゃん。良いよ。もう虐めないように黒川くんに言っておくよ。って言うか、俺の舎弟にしてやるよ」
こいつスゲーじゃん。ここまで女に話が付けられるのか?これなら黒川くんの意向に逆らわずに女が手に入るじゃん。まじ使えるよな
。 虐めなんて俺の舎弟って事にすれば、誰も虐めないよな。それだけで女が手に入るならまじで得だ。 しかもこいつも招き入れれば、溜まり部屋でも話し手ができる。
「ありがとうございます。、、、それじゃ席を外しますね」
「おうっ」
初めてだから時間が掛かったな。まぁ使えるだけ使えたが。だが、あの女あまり良くねえな。
あんな物なのか。
「おうセレス待たせたな。だがあれは駄目だ。面白くないぜ。ただ、嗚咽しか声ださねぇんだ」
文句言うのは筋違いだがリクエスト位するか
「抵抗はしませんでしたか」
「確かにしなかったぜ、だけど頑なに自分からは動かねぇ」
アフターフォローつきか、細かいね。
「でっ童貞は無事捨てれましたか」
「てっ手前、、とは言えねぇな、お前に女を世話して貰ったんだしな。確かに聞きてえよな。ばっちりだ。」
「それは良かったですね」
正直ハズイがこいつはその為に女を用意した答えるのが筋だ。
「あぁこれで笹川にも神谷にも童貞なんて馬鹿にさせやしねぇ。」
「でっ次はいつ位が良いですかね?」
「つ次もあるのか?」
もう次を考えているのかこいつ、、本当に使えるな、笹川と大違いだ。
「荒居さんの舎弟ですよね。兄貴分には良い思いして貰わなきゃ」
「そうか、、そうだな」
ザクっ
「せ、レ、ス、、お前」
何でいきなり刺すんだよ。これからお前と俺で楽しくしていくそんな話しじゃないか、、おい、なぁ
僕は女々しくて弱いんだ
次の日に学園に行ったが、まだ死体は見つからないのか騒がしくなかった。
よくよく考えれば、あの場所は黒川達の溜まり場だ。
そう考えるとあの後に誰かくる訳は無いのだ。
だが、今日の昼休みか放課後には確実に事件になるだろう。
笹川か丸井があそこに行くのだから。
ここで僕は決断をしなくてはならない。
もう一人ないし二人を殺すのか? それとも今回はこれで終わり、他の復讐は次回にするのかを
これで、この学園の関係者が6人も死んでいる。
いい加減に鈍い警察も動くかも知れない。
出来る事ならここで、少しでも多く殺しておきたい所だ。
おや、笹川が走り回っている。
そうか、恋人の神谷と連絡が取れないから、探し回っているのか?
ならば、思ったより早く溜まり場に向かうかも知れないな。
何か仕掛けられないだろうか?
時間も余りない。
死体が発見されたら流石に溜まり場は閉鎖されるだろう。
そうしたら殺すチャンスが減る。
正直、苦痛も与えずに殺すのは心外だが、仕方ないサクッと殺すしかない。
仕方ない、笹川を殺そう。
だが、その思いとは裏腹に笹川を殺す事は出来なかった。
先に丸井が、溜まり場に行き、二人の死体を発見したからだ。
急に学園は騒がしくなり、警察がきて捜査を始めた。
チャンスが無くなったと思うより助かったと思おう。
もし、タイミングが最悪なら笹川を殺して捕まっていた。
事件が事件なので今日の授業は中止となった。
僕は家に帰ると、水野さんの骨の入ったカバンを持ち出した。
そして、自分の家のお墓をあけて、骨を撒いた。
もしかしたら、僕は捕まるかも知れない。もしばれれば場合によっては未成年とはいえ死刑になるだろう。
正直すごく女々しいのは自分でもわかる。ここに水野さんを納めれば死んでからも一緒に居られる。
水野さん、、、僕はただ涙が流れて何も言えなかった。
多分、凄い人なら何人殺した、後何人だ。 とか言えるのかも知れない。
だけどね、僕は女々しいんだ。殺しても殺しても満足できない。
復讐って言うなら後5人も殺せば終わってしまう。
だけどね、5人殺し終わっても僕は殺し続けると思う。
だって水野さんを見捨てた。23人も殺したくなると思うから。
そして。それが済んでも。今度は又関わった誰かを殺したくなると思う。
どこまでもどこまでも人を殺し続けると思う。
もう壊れているのかな?
君に会うまでは独りなんて当たり前だった。
だけどね、今は君が居ないのが辛いんだ。、、、、、
セレスの涙を吹き飛ばすようにただただ風が吹いていた。
免許皆伝
今日も朝から師匠と修行をしていた。
だが、今日の師匠はいつもと違っていた。
「なぁ、セレス。今日の修行を持ってすべて終了とする」
「なんで」
「免許皆伝だ。もう僕には教えることは無い」
「本当にそうなのか」
「あぁ、もう既にお前は躊躇なく人の目を潰し、急所を刺せるだろう、ここがこの拳法の到達点だ」
「こんな簡単に免許皆伝なのか」
「なぁセレス、お前人を殺したろう」
「、、、、、」
「黙っていてもわかるぞ、毎日手合わせをしていたからな」
「、、、、」
「まぁ言いたくないなら良い。勝手に話すから。最初は急所を突く時に戸惑いがあった。そして暫くすると怖いのか更に戸惑いが深まったように見えた。恐らくこの時に人を殺したのだろう。人を殺す技を僕に向けるのが怖かったのかな? そして、今のお前は躊躇なく僕に人殺しの技を使っていた。つまり既に何人も殺し研鑽した状態だ。」
「確かに、人を殺した」
「やっぱりな、、殺してしまったか」
「ああ、殺す為の技でしょう、卑怯道は」
「確かに、ただ、僕は君に強くなって貰いたかっただけなんだ。殺しの技を持っていれば、心に余裕が生まれる。そうしたら虐めなんか怖くなくなる。そう思っていた。」
「確かに、そう思うよ。だけど」
「無理だったか、、仕方ない。この拳法を使う者を阻むべからず。家訓だ。僕は君の戦いを阻まない」
「そうか、そんな家訓もあるのか」
「あぁ、だけどすべて終わったらちゃんと話してくれ。」
「解ったよ」
「最後にアドバイスだ。この拳法は卑怯なんだ。汚い技を喜んで使え。相手を欺け。生き延びろ。相手を殺して自分は生き延びる。それでこその卑怯道だ。解ったか?」
「解った」
「よし免許皆伝だ」
セレス、僕は君にまだ語ってない事があるんだ。君の戦いが終わったら、その時に話すよ。
せめて綺麗なままで
結局、荒居と神谷の事件は、神谷が荒居に暴行され荒居を殺したものの、自分も力つきて死んだ。
そんな感じで終わっていた。
正直、校長が当たり障りのない言葉を使っているのでさっぱり意味がわからない。
少なくとも大事にはなっていないようだ。
学園の事なかれ主義が僕にとっては良い方に働いている。
人がこれだけ短期間で死んでいるのに。
そして僕は今困り果てている。笹川と丸井が家に引きこもっている。
これでは復讐が出来ない。
そして、あと3日間で黒川も学園に戻ってくる。
もし、学園に戻った時に手下が何人も死んでいたら何かしら手を打ってくるかも知れない。
仕方ない次のターゲットは優先性の低い氷川か多少は危なくても丸井にするしかない。
氷川なら学園に普通に来ている。ターゲットとしては楽だろう。
丸井は同じ引き籠っていても普通の家だ。入り込める余地はある。
だが笹川の家は高級マンションだ、オートロックにカメラリスクが高すぎる。
僕は色々考えた末に次のターゲットは丸井幸子にする事にした。
僕は放課後丸井の家へとむかった。
インターホンを慣らす。
丸井の家は母子家庭だからこの時間ならまだ、親はいないはずだ。
「はい、、、誰」
元気が無さそうだ。そりゃ、神谷と御神が死んだんだ、あんな奴でも死ねば悲しいか。
「黒木、、氷川先生に頼まれてプリント届けに来た」
「なんだ、黒木か、解った、今下に降りるから」
丸井はドアを開けた瞬間当身を食らわせた。
「さっさとプリント、、、」
僕は丸井の手足の関節を外してベットに放り投げる。
今回は喉は潰していない。
少し、話がしたかったからだ。ただ、タオルで猿轡はかましてある。
「うぅぅ」
気が付いたらしい。
「お目覚めだね丸井さん。大きな声を出さないなら猿轡外すけど、、」
丸井がうなずいたので僕は猿轡を外した。
「手前、セレス私にこんな事して済むと、、」
僕は軽くお腹を蹴飛ばした。
「げへごほ、、手前」
「大きな声出さない約束でしょう? その回答だけど、済むと思うよ? 神谷さんも御神さんも死んじゃったじゃん。誰に丸井さんは泣きつくのかな?」
「黒川くんに言いつけてやる」
「黒川くんね、、だけど此処にはいないじゃない? 僕がここで君をレイプした所で言いつけられるのは終わったあとだよね」
「まさか、本当にするの? しないよね? 今なら私何も言いつけたりしないよ」
「さぁね、、それに黒川くんは君の言う事を聞いてくれると思う? 神谷さんならともかくさぁ、、」
「聞いてくれるよ、絶対にあんた殺されるよ」
「いや、聞かないよ。もう誰も丸井さんの言う事なんか聞かない。だって休んでいたから知らないかも知れないけどもう、神谷王国は崩壊したんだ。 神谷も居なければ、御神も居ない。むしろ、今までされてたぶん、その矛先は丸井さんに向かうんじゃないかな?」
これはただのブラフ。女子は今迄通り普通に暮らしている。だけどこいつは気が気でないだろう、散々悪い事してきたんだから。
「あああ、そんなこと無い」
「無い訳ないだろう? 多分第二の水野さんになるんじゃないかな」
「いや、嫌、嫌」
「静かにしてよ、少なくとも僕は何もしないよ」
「そう、、、なの」
「うん、むしろ助けたいんだ、、、」
「どうして、私散々セレスくんを虐めたと思う」
「だけど、最初は助けようとしてくれた、、、覚えているよ」
確かに最初こいつは庇ってくれた。だけど直ぐに氷川のように手の平を返して、虐める側になった。そして水野さんに関しては積極的に虐めていた。
「そう、、、なんだ、覚えてくれていたの」
「うん」
「そうなんだ」
気持ち悪い。
「だから、今度は僕が助けるよ」
「本当に! セレスくんが助けてくれるの?」
「だけど、僕も何も力持ってないから役に立つか解らないけどね」
「それでもだよ、、、所で私、体が動かないんだけど」
「うんごめん、今嵌めるから」
「はっ 嵌めるって」
「ほ、嵌った。もう動くんじゃない」
「セレスくん、、、何でこんな事できるの? 凄い」
「何時までも情けないままじゃ居られないから少しは鍛えたんだ」
「そう、、なんだ、、本当にごめんねセレスくん」
「いいよ、もう、、それで考えたんだけどさぁ、、手紙書いてみない?」
「手紙、、、なんで」
「一生懸命謝るんだよ、だけど直接会ったら何かされるかもしれない。」
「確かにそうだけど、、手紙をどうやって渡すの、、、全員に書くわけ?」
「違うよ、丸井さんが書いた手紙を僕が皆んなの前で読むよ」
「セレスくんが」
「うん、、、それで許してくれそうだったら、又報告に来るし、無理そうなら次を考えよう」
「セレスくん ありがとう」
私は手紙を書いた。今までで一番頭を使ったかも知れない。
セレスくんがくれたチャンスを潰すわけにはいかない。
僕は丸井が手紙を書き終わると気絶させ、、天井から吊るした。
遺書もある。これなら誰が見ても自殺にしか思わないだろう。
丸井さん君には悪い思い出ばかりだけど、良い思い出も少しはあるんだ。
だから汚さないであげた。楽に殺してあげた。
だけど、これが僕の精一杯なんだ、、、殺さない選択はない。
僕は丸井のスマホから笹川に連絡をし削除するとその場から立ち去った。
丸井幸子
私の名前は丸井幸子。
実は私は恋をしている。
好きな相手は、黒木セレナくん。
線が細くて儚げな男の子だ。
正直、声も掛けにくい程の美男子だ。
私、以外でも彼を好きな女子は多い。
実際にフアンクラブもある、、、、当人は知らないのだけど。
だが、そんな楽しい日々は続かなかった。
セレナくんが、黒川くんに目を付けられたからだ。
最初は私も含んで女子でセレスくんを守っていた、、けど、、、それが気に入らないのか余計に虐めがエスカレートした。
それでもセレスくんを助けた時にくれる
「ありがとう」の笑顔が嬉しくて私は助けに入り続けた。
だけど、黒川くんには黒い噂が沢山あった。その一つにレイプ事件があった。
そして、それが真実だと解ると、セレスくんから皆んなが手を引いた。
そりゃそうだ、誰もセレスくんの彼女じゃないいんだから体までは張れない。
私は最後まで守ろうとした。だけどどうする事も出来なくなっていた。
そこで一つの望みにかけて頑張る事にした。
神谷さんのグループに入る事にしたのだ。
神谷さんは黒川くんと仲が良かったけど怖がられていて仲間が当時居なかった。
だから積極的に働きかけ友達になった。
神谷さんの仲間になった私は皆んなから嫌われたけど気にしなかった。
やがて御神さんが加わり黒川くんの後ろ盾のある神谷さんは名実ともにこの学園の女子を仕切る事になった。
そして、本当に怖かったけど神谷さんにある事を聞く事にした。
神谷さんと笹川くんがいる時に聞いた。そうしないと不誠実だと思ったから。
「神谷さんって黒川くんの払い下げって本当ですか?」
「きさまぁー幸子調子にのってるんじゃねぇ、どの口がいいううんだ」
神谷さんがむちゃくちゃ切れてボコられた。神谷さんの手から血が出ている。
怒りが収まらないらしくまだ私は蹴られていた。
「その話しはもう終わり、、二度と私や邦夫の前でするな」
「でも、それでも、、」
「またボコられたいの?」
「待って、、、智子、話し聞いてあげようよ? 丸井さんがこんな話しするのは初めてでしょう。」
「まぁ、邦夫がそう言うなら、、」
渋々聞いてくれる事になった。
私は黒木くんへの思いを全部語った。正直顔は真っ赤だったと思う。
「へぇー幸子って黒木なんか好きなんだ」
「ちゃかしちゃ悪いよ。確かに線が細くて女みたいだけど好きな人は好きなんじゃないのかな?」
「そんなもんかね」
「だけど、それと私の話と何か関係あるの?」
「その、私が頑張ったら、黒木くん払い下げしてくれないかなって」
「はぁーなるほどね、、、そういう事、、いいわ教えてあげる私は払い下げよ、だけど今はきっちり邦夫命だから二度とその話はしないでね」
「だけど、勇気が足りないね、、そういう事はこっちではなく黒川くんに言わないと」
そのまま、黒川くんの所につれていかれた。
もうやけだ、、思いをぶつける
「いいぞ、、というかもう黒木を虐める気もない」
「そうなんですか?」
「そうだ」
「良かったじゃない幸子、黒川くんが虐めないなら簡単じゃない貴方が付き合えば良いだけよ」
「そうそう、女子のナンバー2の怖い丸井さんが彼女ならだれも虐めないよ」
基本的に序列はあるものの黒川くんのグループは身内に優しい。
神谷さんと御神さんに応援されてこれから告白だ。どういおうかな?
「セレスくん、助けに来たよ」かな、おかしいかな「付き合ってもう誰にも手を出させないから」かな。
あたって砕けろだ。
、、、、、、、、だが、あいつが居た。黒木くんの隣にかっての私の場所に水野裕子が居た。
水野裕子はまぶしかった。正々堂々と黒木くんの虐めと戦っていた、、、悔しかった。
だけど、運が良かった。黒川くんは普通の不良じゃないんだ。
結果、彼女は黒川くんに嫌われ、神谷さんに嫌われ最底辺に落とされた。
だけど、私の告白も延ばさなくてはならなくなった。
自分の好きな人を虐めているグループにいる女の子とは付き合わないだろう。
本当に水野裕子が忌々しい。こいつが居なければハッピーエンドだった。
私も虐めに加わりたかったが
「お前は加わらなくて良い、黒木に嫌われたくないだろう」
そう神谷さんにいわれたから基本は加わらなかった。
それでも人の目があるから少しは加わったけど。
だけど、運よく水野裕子が自殺してくれた。
黒木君は少し落ち込んでいたけどチャンスだと思った、、、だけど、そんな矢先、神谷さんと御神さんが死んでしまった。 私はかなり恨みをかっていると思う。だからすべて怖くなり家に引きこもっていた。
玄関先のインターホンがなった
「はい、、、誰」
ぶっきらぼうに答えた。どうせセールスだろう。
「黒木、、氷川先生に頼まれてプリント届けに来た」
えっセレスくんなの私の鼓動はドキドキして止まらない。
「なんだ、黒木か、解った、今下に降りるから」
今の私はあの頃と違う、黒木くんともセレスくんとも呼べるような仲じゃなくなってしまった。
そこで何かされたのかな、、私は気を失ってしまった。
黒木くんにベットに放り投げられる。体の自由が奪われて猿轡までされていた。
「お目覚めだね丸井さん。大きな声を出さないなら猿轡外すけど、、」
久しぶりに話せる。ちょっと嬉しい。だけど強がってみせた。
「手前、セレス私にこんな事して済むと、、」
躊躇なく黒木くんは私を蹴り上げた。こんな一面もあったんだ、、かっこ良い。
「大きな声出さない約束でしょう? その回答だけど、済むと思うよ? 神谷さんも御神さんも死んじゃったじゃん。誰に丸井さんは泣きつくのかな?」
凄んじゃッてかっこいいね。しかし、蹴られて脅されて喜ぶ私って何なのだろう。
「黒川くんに言いつけてやる」
「黒川くんね、、だけど此処にはいないじゃない? 僕がここで君をレイプした所で言いつけられるのは終わったあとだよね」
うそ、本気なのかな、黒木君なら別にレイプじゃなくても良いんだけど。
「まさか、本当にするの? しないよね? 今なら私何も言いつけたりしないよ」
このままされるのは流石に嫌だな。少しは抵抗しないと女としておかしいよね。
「さぁね、、それに黒川くんは君の言う事を聞いてくれると思う? 神谷さんならともかくさぁ、、」
「聞いてくれるよ、絶対にあんた殺されるよ」
「いや、聞かないよ。もう誰も丸井さんの言う事なんか聞かない。だって休んでいたから知らないかも知れないけどもう、神谷王国は崩壊したんだ。 神谷も居なければ、御神も居ない。むしろ、今までされてたぶん、その矛先は丸井さんに向かうんじゃないかな?」
凄い脅し文句、凄いな。
「あああ、そんなこと無い」
神谷王国何てないよ黒川王国だから、黒川さんが居る限り崩壊しないと思う。
「無い訳ないだろう? 多分第二の水野さんになるんじゃないかな」
「いあや、嫌、嫌」
「静かにしてよ、少なくとも僕は何もしないよ」
「そう、、、なの」
「うん、むしろ助けたいんだ、、、」
うそ、私を助けたいっていうの、、、黒木くんが、、夢みたい。
だけど、信じられない。
「どうして、私散々セレスくんを虐めたと思う」
「だけど、最初は助けようとしてくれた、、、覚えているよ」
覚えてくれていたんだ。あれっ私セレスくんって呼んでいる
「そう、、、なんだ、覚えてくれていたの」
「うん」
「そうなんだ」
凄い嬉しい、、私、、、
「だから、今度は僕が助けるよ」
「本当に! セレスくんが助けてくれるの?」
「だけど、僕も何も力持ってないから役に立つか解らないけどね」
多分、私は虐められないから大丈夫だよ。それより今までの事は皆んな忘れてもう一度やり直したいな。
「それでもだよ、、、所で私、体が動かないんだけど」
「うんごめん、今嵌めるから」
「はっ 嵌めるって」
「ほ、嵌った。もう動くんじゃない」
「セレスくん、、、何でこんな事できるの? 凄い」
「何時までも情けないままじゃ居られないから少しは鍛えたんだ」
凄い、こんな事できるんだ。これなら荒居さんよりも強いんじゃないかな?
そうだ、私が神谷さんみたいになってセレスくんが荒居さんみたいになれば良いんじゃないかな?
「そう、、なんだ、、本当にごめんねセレスくん」
「いいよ、もう、、それで考えたんだけどさぁ、、手紙書いてみない?」
「手紙、、、なんで」
「一生懸命謝るんだよ、だけど直接会ったら何かされるかもしれない。」
「確かにそうだけど、、手紙をどうやって渡すの、、、全員に書くわけ?」
「違うよ、丸井さんが書いた手紙を僕が皆んなの前で読むよ」
「セレスくんが」
「うん、、、それで許してくれそうだったら、又報告に来るし、無理そうなら次を考えよう」
「セレスくん ありがとう」
本当は書かなくても大丈夫だと思うんだけどな、、、でもセレスくんが私の為に皆んなに謝ってくれるのは嬉しい。 あらかじめ許すような言葉を言うように、裏から手を打とうかな。 せっかくセレスくんがやり直すチャンスをくれたんだものしなきゃ。
あれっだけどセレスくん、何で下に居るの? 、、、ごめんね眠くなっちゃった。
後日、遺書があった事から自分がした虐めの後悔による自殺という風にこの事件はかたずけられる。
だが、何故かその遺体の少女は嬉しそうに見えた。
真実の愛なんて無い
僕は工場の跡地で笹川を待っていた。
丸井のスマホでメッセージを送っておいた。
「幸子の死に関して話したい事がある。 来れるなら今夜19時に 工場跡地に来て」
正直、言って賭けだ。
親が帰ってきたら、丸井の死体が見つかるだろう。一応スマホの電源は切っておいたがこちらに来る前に丸井の死に気づくかも知れない。
もし、感づかれたら、いよいよ殺すのが難しくなる。
笹川はきた。しかも一人で。
良く見ると笹川は憔悴していた。
そりゃそうだ、恋人の神谷智子が殺され、その殺した相手が友人なのだ憔悴しない訳がない。
「丸井さん、どこにいるんだい」
力ない足取りで笹川は歩いていた。
僕はゆっくりと笹川に近づくとそのまま当身を食らわせた。
そのまま手足の関節を外して放置した。ここなら人は来ないから喉は潰さない。
「おや起きたようだ」
「お前はセレス、これは一体なんだ、あれっ体が動かない」
「そりゃそうだよ、関節を外してあるんだから」
「手前、何してくれているんだ」
「えっ、復讐だけど」
「復讐だと、お前こんな事許されると思っているのか?」
「許すも許さないもバレなければ良いんじゃない? 僕を虐めていた時みたいにさぁ」
「お前は何をしたいんだ、これから俺をボコるのか、言って置くけど、そんな事したら明日から地獄だからな」
「何で笹川くんは明日の話ができるの?これから殺すのに」
「殺す? 何言っている、どうせフカシだろう。そう簡単に人なんて、、」
「簡単だよ、、、もう何人も殺したから」
「セレスー、、お前、智子も殺したのか?」
「殺したよ、、、荒居くんに襲わせたあとで、今の君と同じで動けない状態で犯されていたんだから可哀想だよね」
「せレスー、貴様、殺してやる」
「だから、馬鹿なの、これから殺されるのにどうやって僕を殺すのかな」
「、、、 なぁ聞きたいんだが、俺や智子はお前に殺される様な事はしたのか? 確かに虐めたけど、精々が遊びの範囲だろう? 強くなったなら、せいぜい学校でボコればいいだけだろう? 荒居くんだって智子だって半殺しで充分じゃないか、、、何で殺しちゃうんだよ、、なぁ」
「水野裕子、、、、」
「えっ、、、」
「水野さんにあそこまで悲惨な事して自殺まで追い込んで、それを遊びだっていう訳?」
「それは、、、だったら俺達を同じにしろ、、それでチャラで良いだろう。ウンコ食わせたって良いし、ナイフで落書きをしろよ、同じで良いじゃないか? 智子だって荒居使って犯させた、それで良かっただろう。殺す必要は無いだろうが」
「水野さんは死んだよ」
「それはあいつが弱いからだ、智子なら同じ状態でも生きる道を選ぶ、俺だってそうだ」
「そうか、、、解ったよだったら、僕が君をこれから虐める、もし君が最後まで耐えられたら笹川くんの勝ちで良いよ? そうしたら解放するから、僕を殺すなり、警察に駆け込むなりすれば良い」
「やってみろ、、必ず俺は耐え切ってお前に復讐をしてやる」
「さてと、まずは目だな、とりあえず片目から行くか?」
「ぎゃーセレス何で目を、僕の目をくり抜くんだ、、いてぇーよ」
「僕の虐めでは普通の事だよ目をくり抜く位」
「普通じゃない、絶対普通じゃない」
「知らないよ、君たちだって勝手なルールで水野さんを虐めたんだから、これは虐める側がルールを作るのが普通でしょう?」
「やめて、やめて」
「次は鼻を切り落とそうかな」
「やっやっ辞めろ、、なぁ辞めてくれ」
「知らないよ、、笹川くんは耐えられるんだろう? 水野さんは耐えられなかったけど」
鼻をナイフで切り落とした。
「なぁ、なぁ頼むよやめてくれよ」
「じゃぁさあ、神谷智子は死んでも仕方ないゴミだった。これを言えたら手加減してあげるよ?」
「、、、、」
「言わないんだ、じゃぁ耳行くね」
「ぎゃぁー痛い、痛いよ辞めてくれ、言うから辞めてくれ」
「早く言えよ」
「神谷智子は死んでも仕方ないゴミだった。ごめん智子、ごめん」
「ごめん智子ごめんが余分だから、もう片方の耳も行くね。」
反対側の耳も切断した。こいつしぶといな。
「なぁなぁ、ちゃんと言う、ちゃんと言うから」
「だったら早く言えば?、、」
僕は親指を一本切り落とした。
「痛い、痛い、神谷智子は死んでも仕方ないゴミだった。 これで良いだろう」
「ちゃんと言えたから手加減してあげる。だけど、笹川君、目は一つ無いし、両耳と鼻もないよ言っておくけど僕の約束は手加減だからね、、そうだ切り取るのは辞めて触るだけにしてあげるよ」
(所詮はゴミだな、ちょっといたぶったらすぐに言うんだな)
僕は無くなった鼻の後を叩いた
「痛い痛い痛い痛い、、、もう辞めてくれないか、、なぁお願いだ」
「じゃぁさ、今までやってきた事へのお詫び文を書いてくれる? 片腕嵌めてあげるから、その内容で考えるよ」
「かかか書けば許してくれるのか?」
「僕はこれ以上手を出さない約束するよ」
「かかっ書く」
僕はペンとノートの切れ端を渡した。
「うん、上手に書けたね、、、約束だから、もう手を出さないよ、、、だけどその出血で大丈夫かな」
「救急車、、、」
「呼ばないよ、、約束だからこれで手は出さない、、、笹川くんが死ぬまで」
僕は笹川が死ぬのを待ってから灯油を少量掛け燃やした。
3時間ほどで消えた。
ここは滅多に人が来ないから死体はすぐには見つからないだろう。
見つかっても灯油で焼けているし腐敗も進んでいる。
又近くに遺書もあるから。
虐めを悔いての自殺とか恋人と親友を失った事による自殺。そうならないかな?
正直この殺しだけはどう転ぶか解らない。
残酷に殺す事を優先して他の殺しの様に状況を旨く作れなかった。
だけど、最低あと3人殺すまで捕まらなければ良い。
復讐を終えた時、僕はどうなるのだろうか?
正直自分でも解らないな。
笹川邦夫
僕の名前は笹川邦夫。
多分、僕は人生で一番楽しい瞬間を生きている。
僕には好きになった人がいる。
神谷智子さんだ。
怖い一面もあるけど、凄く綺麗な人だ。
だけど、黒川くんのお気に入りという話があるから皆んな手を出さない。
いつも彼女を遠くから見ていた。絶対に無理なのは解っている。だけど諦められなかったんだ。
勇気をだして溜まり場にいった。ここはこの学園で一番怖い場所だ。
頑張ってノックした。
「何のようだ」黒川さんが不機嫌そうな顔をした。
「ななななななんでもします。僕に神谷さんをください。」
これが僕が言える精一杯だったんだ。
だが、神谷さんはこの時、凄く面白そうに笑ってくれたんだ。
黒川くんも唖然としているし、荒居くんも変な顔をしている。
僕にとっての永遠に近い時間が流れた。
「いいよ、お前にやる。その代わり何でも言う事聞くんだよな?」
「勿論です」
「じゃぁ決まりだな」
あっさりと僕は神谷さんと付き合えるようになった。いやなったのかな?
僕は固まってしまっていた。そしたら彼女が天使みたいな笑顔でこう言ったんだ。
「あは、じゃぁ笹川君の彼女になったんだから、早速デートでもしてくるよ」
いきなり神谷さんは手を握り、外に行こうととしたんだ。
僕は顔が真っ赤になった。だって憧れの神谷さんに手を握られているんだもん。
でていこうとする僕たちを黒川さんが引き留めた。
正直少し怖かった。
だが、驚く事に5万円も渡された。
これには二人して驚いた。
「小遣いだ、、、デートするのに金なしじゃつまらんだろうが」
「あ、、ありがとう」
「こんなのはした金だ、俺の仲間でいれば、もっと楽しませてやる」
この人は噂と全然違う、凄く優しい人なんだと思った。
僕と神谷さんは普通にデートした。クレープを食べて、ゲーセンに言って、カラオケボックスで歌った。
神谷さんは始終楽しそうだった。
散々遊んで夜になっていた。
僕は夜まで遊んだ後、ついラブホテルの前で立ち止まってしまった。
僕だって男だ好きな女の子とそういうことした。
神谷さんははにかみながら
「いいよ、朝まで一緒に遊ぼう」僕のの手を引っ張りホテルに入った。
正直嬉しくて仕方なかった。だから僕はありったけの言葉を彼女に伝えた。
何度も「好きだ」「愛している」を繰り返した。優しくキスもした。その度彼女は顔を赤くして幸せそうに笑ったんだ。
「ねぇ邦夫、ちゃんと好きっていって」
神谷さんは赤くなりながら不安そうな顔をする。
僕は「違うよ、好きじゃなくて愛しているよ」
そう答えたんだ、すると彼女は泣きながら
「私も愛しているわ」そう返してくれた。
この日から僕をやめて俺に変えた。
だって神谷さんの彼氏が僕じゃしまらないから。
そしてお互いが智子、邦夫と呼ぶようになった。
次の日から俺のパシリが始まった。
何でもすると黒川くんに約束したのだから仕方ない。
だが、黒川くんのパシリは見た目と違い凄くおいしい。
お金は余分に寄こすし小遣いもくれる。
お釣りを返そうとしたら「とっとけ」と言われた。
1万円札を貰ってジュースと弁当4つ買ってきて、残り全部をくれるのだから7千円以上余る。
そのお金で二人で楽しめそう言われている気がした。
黒川くんから充分にお金が貰えるから、俺たちは毎日のように遊び歩いた。
ホテルに泊まってそこから学校に行く事もあった。
うちの親も智子の親も黒川系列の会社だから黒川くん達と遊んでいると言えば何も言わない。
むしろ、もっと仲良くしろと応援される。
しかも、黒川くんのお父さんが息子が世話になってとうちの親父に挨拶をしたそうだ。、、、それ以来、うちの親父は「黒川くんと仲良くするんだ」そればかりだ、、、智子も一度会わせたら大歓迎された。
智子のお父さんの方が親父よりかなり偉いのがちょっと恥ずかしかった。
だから、こんな幸せをくれた黒川くんが喜ぶように動いて二人で楽しく毎日を過ごしていた。
多少の虐めは仕方ないよ。ここそういう学園だから、黒川くんに嫌われるのが悪いんだよ。
そう思いながら
黒川くんの最初の虐めの相手は黒木セレスだった。
別に何かセレスが悪い事した訳じゃない。
ただ、目立つから標的になった。
後で、丸井さんの意中の人だと聞いたけど、、うん好きな人は好きなタイプだね。
女の子に人気がありそうだな。
それが黒川くんは気に入らなかったんだ。
最初は何人かの女の子はセレスを庇おうとしたけど、僕たちが潰した。
だってそうしないと僕たちの幸せが終わってしまうから仕方がない。
暫くすると智子に丸井幸子と御神京子という取り巻きができた。
僕も智子も実は虐めは余り好きでない。だからある程度火がついたらその後は放置した。
女の子に人気のあった分、男子からのやっかみがあったのか、その後のセレスは底辺へ真っ逆さまだった。
そして、セレス一人が虐められているなか水野裕子が転校してきた。
この女、セレスの虐めに気が付くとそれをホームルームの議題にあげやがった。
勿論、その矛先は黒川くんにむかう。
おかしな事にセレスは凄くボロボロだった。
誰がここまでやったのか解らない。だけど、俺達はここまでの事はしていない。
あんなに痣だらけになるまで殴るなんて荒居くんだってしないだろう。
黒川くんだってそんな指示をしていない。
なのに、黒川くんを白い目でクラスの多くが見つめていた。
困った事に黒川くんは本当に正直なんだ。
「何だ、その眼は俺は確かにセレスを虐めていたかも知れないが、あんなになるなまで殴ってないぞ」
その言葉を皮切りに追求が始まった。
言ってしまった。 それじゃ虐めを認めたようなものだ。
だが、そんな扱いしても良いのか?その人は黒川哲也なんだ。
そんな事を忘れたように担任と他の生徒の追及は続く。
だが「てめえら汚ねーぞ、全部俺のせいにするのか、今喋った奴ダダじゃ置かねー」
この言葉でこの話は沈静化した。ようやく誰を怒らせたか解ったみたいだ。
そして虐めの矛先は水野裕子へと変わった。
特に黒川くんの怒りは凄まじかった。無実の罪を着せられそうになったのだ、そりゃ怒るだろう。
だって本当にしてないんだからさぁ。たしかに虐めはしていたよ。確かに殴りもしただろう。だけどあんな病院送り寸前まで誰もしていない。
僕たちは水野裕子を虐め続けていた。
虐めの報告をするたびにお小遣いが貰えた。そして、そのお金の一部は二人にあげて残りのお金で
二人で遊び歩いた。最近では家に帰らずホテルに居る事が多い。この生活を続けるのに必要だったんだ。
黒川くんと荒居は水野裕子のレイプ計画を立てていた。
ただ、これは悪質な冗談ですぐに風俗にいけって黒川くんに荒居くんは窘められていた。
荒居くんにお金を渡そうと黒川くんはしていた。そこまでの悪人じゃない。
荒居くんの童貞の話は受けたけど。
だが智子は水野裕子に恐怖していた。
確かに荒居くんにとってストライクな女の子だった。
智子の言う通りかも知れない。
俺たちと荒居くんの間には越えられない位に格差がある。
その荒居の彼女に水野さんがなったら、どうなるだろうか?
下につくしかない。そして散々虐めたのだ。やり返されるかも知れない。
だから、二人の幸せの為に誰も相手したくないそんな女にしなくてはいけない。
そんな事を智子が言い出した。
「ごめん、この姿を見られて嫌われたくないから」
そう言って、智子は丸井さんと御神さんとで水野裕子の虐めをスタートさせた。
多分、そうとう酷い事なんだろう。廊下で水野裕子を見た時に目が死んでいたのだから
そこまでした後に智子は黒川くんや荒居くんに報告した。
二人は一瞬化け物を見るような目で智子を見た気がしたが
黒川くんは「そうか」とだけ呟いた。
荒居は半分怒った顔で智子を睨みつけていた。
俺は、毎日のように智子と楽しく過ごしていた。
水野裕子が自殺した時やその両親が自殺した時は焦ったが、大きな問題にならなかった。
黒川くんの顔に痣があったから、恐らく黒川くんのお父さんがもみ消したんだと思う。
その後、御神さんとその妹がレイプさせて殺された事は気になったが、、仕方ない事だと思う。
きっと学園のなか以外にも悪い事をしていたのかも知れない。複数の男に犯されて殺されたという事は
誰かに恨まれたのだろう。、、少なくともそんな人数の人に恨まれる事に俺たちは噛んでいない。、、、うん大丈夫なはずだ。
しかし、俺は知らなかった。
荒居くんが水野裕子に執着があって智子の事を恨んでいる何て知らなかった。
黒川くんが親と一緒に出掛けて居なくなった時だ。
智子は荒居くんに犯されて殺されてしまった。
しかも、智子はきっちりと荒居くんを殺したので復讐も出来ない。
俺には何もやる事が無くなった。もう楽しい日々は帰ってこない。
あんなに荒居くんが怒っていたなんて気が付かなかった。気が付いていたら幾らでも謝ったよ。
智子の為なら幾らでもボコられたよ。何だったらセレス並みに虐められても良かったんだ。
それなのに、、、
俺は何もやる気が無くなって家に閉じこもっていた。
だけど不審なメールが丸井さんから来たんだ。
「幸子の死に関して話したい事がある。 来れるなら今夜19時に 工場跡地に来て」
確かにおかしいと思った。
荒居くんなら、あんなことしないでボコるだろう。多分二人一緒にボコって終わるはずだ。
確かにあそこまでしない気がする。
丸井さんは何か掴んだのだろうか?
もしかして、知らないうちに何かに巻き込まれていたのか?
智子の死について解るなら行くしかない。
だが、そこには狂人がいた。
黒木セレスだ。
こいつは黒川くんなんて比べ物にならない恐ろしい男だった。
こいつはいきなり僕を殺すと言い出した。
可笑しいだろう? 虐めってせいぜいが殴る蹴る位だろう?
話を聞くと、荒居君や智子を殺したらしい。
だから、聞いて見た。虐め位で殺されるなんておかしい。
「、、、 なぁ聞きたいんだが、俺や智子はお前に殺される様な事はしたのか? 確かに虐めたけど、精々が遊びの範囲だろう? 強くなったなら、精々学校でボコればいいだけだろう? 荒居くんだって智子だって半殺しで充分じゃないか、、、何で殺しちゃうんだよ、、なぁ」
体は震えていたかも知れない。
そうしたらこいつは水野裕子の話しをしだした。
「水野さんにあそこまで悲惨な事して自殺まで追い込んで、それを遊びだっていう訳?」
「それは、、、だったら俺達を同じにしろ、、それでチャラで良いだろう。ウンコ食わせたって良いし、ナイフで落書きをしろよ、同じで良いじゃないか? 智子だって荒居くん使って犯させた、それで良かっただろう。殺す必要は無いだろうが」
智子だって一度は黒川くんに犯された。それを乗り越えて生きているんだ。同じ目に遭っても智子なら生きる道を選ぶと思う。
「それはあいつが弱いからだ、智子なら同じ状態でも生きる道を選ぶ、俺だってそうだ」
そう断言した。
「そうか、、、解ったよだったら、僕が君をこれから虐める、もし君が最後まで耐えられたら笹川くんの勝ちで良いよ? そうしたら解放するから、僕を殺すなり、警察に駆け込むなりすれば良い」
僕には耐えられる自信があった。
だが違った。セレスはいきなり俺の目をえぐった。
痛さと怖さで声がでた。
「知らないよ、君たちだって勝手なルールで水野さんを虐めたんだから、これは虐める側がルールを作るのが普通でしょう?」
最初へ理屈だと思った。だけど、確かに水野裕子だって何をされるか解らなかったのだろう。確かに怖い。
そして拷問がはじまった。今までの幸せな気持ちが全部吹きとんだ。
「じゃぁさあ、神谷智子は死んでも仕方ないゴミだった。これを言えたら手加減してあげるよ?」
そう言われた時に俺は助かったと思ってしまったんだ。
痛さと怖さから逃れる為に智子との愛まで壊してしまった。
そしてこいつは俺に反省文まで書かせた。多分許す気は無いと思う。だけど書いている間拷問されない。それだけで書きたくなってしまった。
書いた後、こいつは俺を放置した。
そして死ぬまで俺を見ていた。
だけど、、、殺される理由はあったのかも知れない。
こいつにとっての水野裕子は俺にとっての智子以上だったんだろう。
智子が水野裕子と同じ事をされたら、、、復讐するよな、、理由はともかく死んでしまったんだから。
悔しい、こいつは水野裕子の為に復讐をしている。、、、だが、俺は智子の復讐も出来ないで死んでいくしかない。
だけど、俺はどうすればよかったんだ? 多分虐めに加わらなければ、智子とつきあえなかった。
虐めに加わったから智子も俺も殺される。、、、詰んでいる。、、、智子を諦めた人生。死ぬ人生。どっちが良かったんだろうか? 、、、、もし選べるなら、、 もう死ぬのか、、、、
教職者死すべし
学園では朝礼の際に丸井の自殺について少しだけ話があった。
遺書は虐めに関して書かせたのに、その事には触れていない。
ここで、僕はもう一人殺さなくてはならない相手が居る事に気が付いた。
黒川はとっくに1週間たっているのに学園に来ていなかった。
恐らく、仲の良い友人が殺されたのを知って塞ぎこんでいるのか、もしくは何か行動を起こしているのかも知れない。
最近、女子の話に耳を傾けると、氷川静流が婚約をしたと言う話を聞いた。
凄く、幸せそうな顔をしている。
良い身分だな、、、お前だけ幸せになんてさせないよ。
僕は氷川に近づくとこうささやいた。
「氷川先生、先生が虐めや自殺に関与しているのを知っているよ。校長を交えて話したいから時間を作って」
「黒木君、そんな事は」
「ここで、話す必要は無い。時間を作れないなら、警察に行くから良いよ。 その前に話し合いしたかったんだけど良いや」
「待って、黒木君、必ず放課後に校長と時間を作るから、、」
放課後、校長室に呼び出された。
「黒木くんだね、君は自殺について何を知っているんだね」
入るそうそう、校長が聞いてきた。
「そうですね、水野さんは僕あてに手紙を書いていました。そのコピーがこれです」
「ちょっとみせて」
「これがどうかしたのかね?」
「虐めについて書いてあるし、遺書を残したって書いてあるでしょう? 誰かが遺書を処分した。、、そういう事です」
「誰も処分なんてして無いと思うが、、」
「先生もそんな話し聞いてないわ」
「だけど、ここに証拠があるんです。それにね丸井さんからも電話を貰って、死ぬ前に謝って死にました。勿論、録音してありますよ」
これはブラフ、あくまではったりだ。
「話は解ったが、何を君はしたいんだ、相談に乗るぞ、そうだ私大への推薦とかどうだ、、」
「別に、、、」
「じゃぁ、、金か」
「それは虐めを隠蔽したって認めるって事ですかね」
「それは、、、この状況なら解るだろう」
「氷川先生は、、」
「私は知らないわ、、」
「知らない訳ないでしょう? 貴方が原因で水野さんは虐めにあって自殺したんだから」
「氷川くん、それは一体」
この狸が、知らない訳ないだろう。
「わわ私は、助けようとして、、、でも黒川くんが怖くて、、それで」
「そうですよね、、、あんな酷い状態にある。水野さんを見捨てたんだ」
「私だって人間よ、、怖かったのよ、、」
「そうですか、、、」
僕は、氷川に近づくと当身をあて気絶させた。そのまま四肢の関節を外す。
「君はいったい、何をしているんだ、、氷川先生に何を」
「校長先生、水野さんがどういう状況だったか知っているんですか」
ウンコを食わされていた事から、体中にナイフで卑猥な言葉を刻まれていた事。試験管の事から乳首が切られて無くなっていた事まで全部話した。
「そこまで酷かったなんて、把握していなかった。」
嘘つくなよ、お前は全部知っていたはずだ、、。
「だから、校長先生、僕の望むのは校長先生が氷川先生をレイプする事なんだ。水野さんはあんな事になっていたのに氷川先生が何も制裁を受けないのは我慢ならない」
「その後はどうする、、」
「どうにもしませんよ、、憎いのは氷川先生だけですから、、、今回の件は口をつぐみます。遺書も処分します。 その後の事は二人で話し合って下さい。 僕に構わないでくれるならこっちからは手を出しません。」
こいつ、今氷川を見て、ゴクリと喉を鳴らしたな。
「解った、そこまでの事を見逃して、生徒を死なせたんだ、確かに氷川先生が悪い。君の気の済むようにしよう」
校長は氷川の服を脱がし始めた。途中で氷川が目を覚ます。
「校長、何をなさっているのですか?」
「彼と話はついた、、君をレイプすれば、すべて口をつぐんでくれるそうだ」
「そんな、何で私が犯されなきゃいけないの、、、黒木くん、助けてね、、おかしいです。こんなの」
「なんで? 助けてくれないで、いや、むしろ虐めに火を注いでくれた先生を助ける必要があるの?」
「先生は助けようとして、、、ねぇ私、婚約したのよ、こんな事がばれたらどうなるか」
「助けなかったよな、最後は、、僕は学んだんだ。先生の教育は大きなものには巻かれろ。じゃないんですか?」
「そんなこと無い、そんな」
「あらら、下着姿になってますね、、だけど先生は幸せですよ。水野さんは体中にナイフで落書きされて乳首すら無かったんですから」
その後、校長は3回程氷川を犯した。
「これで満足? もういいでしょう」
「はい、しっかりスマホで録画したから、これを氷川先生の婚約者に渡して終わりにします。」
校長は黙っていた。恐らく自分の身が守りたいのだろう。
「ちょっと待ってそんな事されたら、私婚約破棄されちゃう」
「知らないよ、、だけど、次探せば良いんじゃない? 水野さんみたいに壊されたわけじゃないし、校長の顔は映らないようにしたから安心して下さい。」
「そうか、、配慮ありがとう、、君も今回の事は諦めたまえ。生徒をあんな状態まで追い込んで自殺させたんだ。ばれたら教員免許がなくなるし社会的に制裁もある。これで済んで良かった。そう思う事だ」
「わっわわ私は、彼を愛しているの、、そうだ、黒木くん、貴方の相手も先生するから、動画削除してくれない、、、駄目ならお金、、200万までなら、すぐに用意できるわ」
「うるさいな」
僕は氷川と校長に当身を食らわせ気絶させた。
卑怯道の奥義には当身により心臓を止める技がある。
だが、そんな技は僕は出来ない。
だけど、原理は知っている。心臓マッサージだ。
生きている人間に心臓マッサージを施せば、心臓を止める事が出来る。
僕は氷川から心臓マッサージをし始めた。
そして無事に心音はとまった。
同じく校長の心音もとまった。
これで良い。教師として学園で不倫をして情事の最中の心臓発作。
これ以上に恥じな死に方はないだろう。
さぁ、はいよいよ黒川だ。
気を引き締め、周りに注意しながら校長室を後にした。
氷川静流
私の名前は氷川静流。
とある学園で教師をしています。
この学園、一応名門で通っているのですが実際は虐めの温床でした。
私は担任として本来はそういった行為を止めないといけなかったのですが、生徒の人気取りと保身の為に見過ごしていました。
だけど、ある日の事、水野さんから黒木くんの事で虐めの相談がありました。
最初は関わるつもりは無かったので「様子を見ましょう」と放置するつもりでした。
ですが、、その数日後、黒木くんは大怪我を負っていました。
流石に、これは虐めの範疇じゃありません。
そこで私は、ホームルームを開き黒木くんの虐めの追及をしました。
ですが、黒木くんは「俺は別に虐められていません」と言い張っていました。
ここで私は追及を辞めれば良かったのです。
黒木くんは気が付いていたのでしょう。私なんかじゃ解決できない事を。
だから期待何かしてなかったのです。
それなのに私は食い下がってしまった。
黒木くんは涙ぐんで教室を出て行ってしまった。
ここが、分岐点だったのかも知れません。
誰が虐めをしていたかは解っています。
クラスの皆んなも知っています。
黒川哲也です。ですが、黙認しています。
彼の父親の龍三氏は実力者で黒い噂が絶えません。
校長からも極力関わらに様に言われていました。
クラスの矛先が黒川くんに行った時に彼は声を荒げました。
「何だ、その眼は俺は確かにセレスを虐めていたかも知れないが、あんなになるなまで殴ってないぞ」
「という事は黒木君を殴った事は認めたわけですね」
「だからどうしたって言うんだよ、俺だけじゃなくお前らだって虐めていたじゃないか?」
そう、彼だけじゃなくクラス全員が虐めに関わっていたのです。クラス担任なんて生徒全員から嫌われたらおしまい、まともな授業も出来なくなります。
「てめえら汚ねーぞ、全部俺のせいにするのか、今喋った奴ダダじゃ置かねー」
そうだ、つい忘れていた。この子は本当に危ない子だった。彼は黒い噂が多く警察すら手を出せないと言われている黒川龍三の子だった。しかも平気でレイプや傷害をおこすような子だった。
私だって若い女だ、、場合によっては何されるか解らない。
その恐怖に負けて話を打ち切ってしまった。
「この話しは証拠もなく黒木君も居なくなってしまったので後日にします」
捻じ曲げた。
当人が「何だ、その眼は俺は確かにセレスを虐めていたかも知れないが、あんなになるなまで殴ってないぞ」そう言ったのだ。これは完全な証拠じゃないか。
しかもその後に「てめえら汚ねーぞ、全部俺のせいにするのか、今喋った奴ダダじゃ置かねー」完全に脅しまでかけているじゃないか。水野さんは食い下がった。当然だ、ここまで証拠があるのに私が行動しないのはおかしい。当たり前だ。だが、何もせずに私は恐怖から終わらせてしまった。
その結果、水野さんに対する虐めが始まった。
水野さんは何回も私に相談に来た。
私は逃げた。聞いた虐めがケタが違うのだ。
ウンチを殴って食べさせられたり、髪の毛を切られたり。体にナイフで傷つけられたり。
虐めじゃない。もはや犯罪だ。
しかも、かなりの人数が関わっている。もし、私が助けに入ったら、その矛先が私に向かったら。
怖かった。だから、幾ら相談されても、「様子をみる」それだけしか言わなかった。
それから暫くして水野裕子は自殺した。
そりゃそうだ、あれ程酷い目に遭っていたんだ自殺してもおかしくない。罪悪感はあったが、これで解放される。そんな思いもあった。
それから暫くして昔から付き合っている彼が結婚を申し込んできた。嬉しくてすぐにOKを出した。
彼は違う学校で教鞭を振るっている教師だった。清廉潔白な彼は私からみたら理想の教師だった。
話はいつも、教育の事ばかりだった。ふと、私は水野裕子の件を架空の話で話した。彼がどうするか気になったのだ。「そうだな、俺だったらすぐに警察に相談に行くように勧めるよ。場合によっては付き添って」
「何で、そんな事したら自分の立場や学校に迷惑が掛かるでしょう?」
「あのさぁ、今の話は虐めじゃないよ。暴行、傷害だぞ、彼女の一生はもう半分終わっているんだ。教師以前に人として、警察を介入させるのが当たり前だろう? 彼女に何をしたのか、加害者に教えるのも教育だと思う。少年院にでも入らない限りそういう人間は更生しないと思う。、、所でこれ何かのドラマの話し?」
「うん、小説の話し、、、どうするのが正しいか解らなくて」
「そう、だけど随分過激な小説だね」
私は悔しかった。ちゃんと冷静に考えれば回答はあったのだ。
ただ一言「私がつきあってあげるから警察に行こう」それで済んだんだ。
なのに、私は恐怖からそれをしなかった。
もう、終わった話だ。そう思う事にした。
だけど、それを許さない人物が居た。
もう一人の虐めの被害者、黒木セレスが恐ろしいまでに怒っていた事に気が付いていなかった。
全てを忘れていた私に彼は突然近づいてきた。
「氷川先生、先生が虐めや自殺に関与しているのは知っているよ。校長を交えて話したいから時間を作って」
「黒木君、そんな事」
動揺してしまった私はまともに答えられなかった。
「ここで、話す必要は無い。時間を作れないなら、警察に行くから良いよ。 その前に話し合いしたかったんだけど良いや」
まずい、警察沙汰になったら、婚約が流れてしまうかも知れない。
内容は解らない。だけど警察はまずい。
「待って、黒木君、必ず放課後に校長と時間を作るから、、」
校長にアポも聞かずにそう答えてしまった。
校長に話すと今日は友人と飲みに行く約束があった。
だが、遺書の話をしたら顔色が変わり。
会う時間を作ってくれる事になった。
「黒木くんだね、君は自殺について何を知っているんだね」
入るそうそう、校長が言い出す。
「そうですね、水野さんは僕あてに手紙を書いていました。そのコピーがこれです」
「ちょっとみせて」
私はひったくるようにコピーを取った。
「これがどうかしたのかね?」
校長は狸だ誤魔化すのが旨い。
「虐めについて書いてあるし、遺書を残したって書いてあるでしょう? 誰かが遺書を処分した。、、そういう事です」
「誰も処分なんてして無いと思うが、、」
「先生もそんな話し聞いてないわ」
「だけど、ここに証拠があるんです。それにね丸井さんからも電話を貰って、死ぬ前に謝って死にました。勿論、録音してありますよ」
黒木くんは全部知っている。その上で話しているんだ。
「話は解ったが、何を君はしたいんだ、相談に乗るぞ、そうだ私大への推薦とかどうだ、、」
「じゃぁ、、金か」
そういう物じゃ動かないと思うわ。彼が望んでいるのは多分謝罪だと思う。
「それは虐めを隠蔽したって認めるって事ですかね」
「それは、、、この状況なら解るだろう」
「氷川先生は、、」
「私は知らないわ、、」
駄目だ、認めてしまったら、私の人生が終わる。それだけなら仕方ない。だけど私の家族も彼の家族も教職者が多い。迷惑をかける訳にいかない。
「知らない訳ないでしょう? 貴方が原因で水野さんは虐めにあって自殺したんだから」
「氷川くん、それは一体」
校長が、知らない訳ないでしょう。そうか私だけの罪にして逃げるつもりなんだわ。
「わわ私は、助けようとして、、、でも黒川くんが怖くて、、それで」
「そうですよね、、、あんな酷い状態にある。水野さんを見捨てたんだ」
「私だって人間よ、、怖かったのよ、、」
ここまで来たら仕方ない。本当の事を言おう。少しでも同情を誘おう。
「そうですか、、、」
彼の目が物凄く冷たい物に変わった。
気が付いたら私は身動き出来なくされていた。
私が目を覚ますと校長が服を脱がしていた。
「校長、何をなさっているのですか?」
「彼と話はついた、、君をレイプすれば、すべて口をつぐんでくれるそうだ」
「そんな、何で私が犯されなきゃいけないの、、、黒木くん、助けてね、、おかしいです。こんなの」
こんな事がばれたらもう結婚の話なんて無くなってしまう。嫌だ嫌だ嫌。
彼は凍り付くような目を私に向けた。
「なんで? 助けてくれないで、いや、むしろ虐めに火を注いでくれた先生を助ける必要があるの?」
そうだ、彼は私なんか助ける訳がない。焚きつけたのが彼なんだから。
「先生は助けようとして、、、ねぇ私、婚約したのよ、こんな事がばれたらどうなるか」
少しでも同情を誘って許して貰おう、それしか無い。
だが、彼の眼はもっと冷たく曇っていった。
「助けなかったよな、最後は、、僕は学んだんだ。先生の教育は大きなものには巻かれろ。じゃないんですか?」
確かにそうだ、黒川という大きな物に巻かれて、生徒を自殺に追いやった。だったら、校長という大きな物に巻きこまれても仕方ない、、、なんて認める訳にいかない。婚約しているの、愛している人がいるの。だから助けてお願い、助けてよ。
「そんなこと無い、そんな」
怖くてまともに言葉が出なかった。
「あらら、下着姿になってますね、、だけど先生は幸せですよ。水野さんは体中にナイフで落書きされて乳首すら無かったんですから」
許して貰える訳が無い。噂で聞いた事を思い出した。
「水野と黒木がつきあっているらしい。本当にゴミ同士お似合いだ」そう言っていた生徒が居た。
好きな人が、あんなに惨たらしく殺された彼が私を許すわけがない。
結局、私は3回も校長に犯された。その様子を蛇のように彼は見ていた。
「これで満足? もういいでしょう」
これで許してもらえるのかな。そう思っていたが甘かった。
「はい、しっかりスマホで録画したから、これを氷川先生の婚約者に渡して終わりにします。」
私は気が付かなった、録画されていたなんて。
「ちょっと待ってそんな事されたら、私婚約破棄されちゃう」
嫌だ、そんな事されたら、私結婚無くなっちゃう。
「知らないよ、、だけど、次探せば良いんじゃない? 水野さんみたいに壊されたわけじゃないし、校長の顔は映らないようにしたから安心して下さい。」
「そうか、、配慮ありがとう、、君も今回の事は諦めたまえ。生徒をあんな状態まで追い込んで自殺させたんだ、ばれたら教員免許がなくなるし社会的に制裁もある。これで済んで良かった。そう思う事だ」
自分の立場が守られている校長はあっさり私を見捨てた。自分で交渉するしかない。
「わっわわ私は、彼を愛しているの、、そうだ、黒木くん、貴方の相手も先生するから、動画削除してくれない、、、駄目ならお金、、200万までなら、すぐに用意できるわ」
私はこれでも美人教師で通っている。生徒からラブレターも何回か貰った。もう犯された後だ、もう一回や二回汚されても構わない、、、だめ、、ならお金、私の貯金200万、、これで全財産、これ以上積めるものはない。
「うるさいな」
彼は汚い物を見るような目で私をみた。
意識が薄れて行く。
胸をもまれているような感覚がある。
なんだ、犯すんだ。
違う、これは心臓マッサージだ。
殺そうとしているんだ、彼は
私は殺されるような事をしたのかな? 助けようとして相手が怖かったから見捨てただけ。
もし、あの時に「警察に行こう」そう言えたらこんな事にならなかったのかな。
私、何もしてないよ?虐めをしてないよ? ただ、助けなかっただけだよ。
なのに犯されて殺されるの?
もし、もう一度生まれ変わったら絶対に教師になんてならないわ。
だって酷すぎる、、、、、
もう彼にも会えない、、しかもこんな死に方じゃ、死んでからも嫌われる。 手だって合わせてくれないよ。
これで満足なの黒木くんは
校長
私は校長をしている。
この学園は代々続いている名門私立だ。
だが、最近では虐めが横行しているし、自殺者まで出た。
社会人として何をするかと言えばちゃんとした追及だろう。
だが、私は校長なのだ、この学園を守らなければならない。
この学園を守る事こそが卒業生や在校生を守る事になる。
そう信じていた。
学園の運営は綺麗ごとではない。
例えば、権力者の息子などには配慮しなければならない。
沢山の寄付を頂いているのだから仕方ない事だろう。
だが、知らなかった。
あそこまで犯罪じみた話だったとは、あれは虐めではなく犯罪だ。
あそこまでの物だとは本当に知らなかったのだ。
あそこまでの内容であれば流石に私だって庇わない。
精々が普通の暴力、子供同士の虐めだと思っていた。
だから、黒木くんから聞いた時に私の頭は真っ白になった。
そして、これはまずい事になると思った。
まず、彼は多分狂っている。復讐の為に何でもやるだろう。
その証拠に、進学やお金には何も反応しなかった。
私には家族がいる。大学生の息子に、中学生の娘だ。
もし、ここで対応を間違えたら、その矛先は家族に向かうのではないか?
水野裕子と同じにしてやる。と娘をレイプするのではないか? その恐怖だ。
そこまでの事を黒川哲也はしていた。
そして、その黒川哲也や神谷智子を、担任の氷川静流は放置した。
とんでも無い事をしてくれた。
もし私に相談してくれていたら、しっかり親御さんにお詫びをしてお金を包み、推薦を書いて
転校させていたと思う。
普通はその位の対応はするさ。
家族が害される。
そこが許されても、社会的に抹殺されるかも知れない。
虐めによる自殺に教員が関与、、来年の受験者は大幅に減るだろう。
週刊誌にでも書かれたら目も当てられない。
だから、彼の悪魔の誘いに乗るしかなかった。
氷川静流を犯せ。という話に。
まぁ見目麗しい女性なのだから役得ともいえる。
婚約者も居るから自分からは言わないだろう。そして当事者だ。
彼の留飲を下げるには仕方ないだろう。
彼から奪った物を考えろ。彼女は死んでしまって会えないのだ。
それに比べたら、殺されないだけ私達はましだ。
勿論、二度とは同じ事はしない。
一緒に居るのは辛いだろうから、他の学校に推薦して転任させれば良い。
学年主任辺りの椅子を用意してあげれば良いのではないか?
それで全部方をつけるそれしか無い。
だが、気が付かなかった。命は命でしか償えない事に、、、
優しすぎる黒幕、釈然としない心
さぁ次は、黒川哲也だ。
ようやく復讐もここまできた。
だが、実際は手詰まりだった。
相変わらず、黒川は学園に来ていない。
だが、そんなある日逆に黒川哲也から誘いが来た。
ぶっきらぼうに「家に来い」それだけの手紙だ。
罠か、そうも思ったが、腹をくくって行く事にした。
家の門の前で黒川は待っていた。
そして、離れの方に案内された。
不気味な程に静かだった。
「黒木、まぁ座れ」
顔がやつれている。これが学園の王とか、帝王とか言われていた奴か? そう思える程に
「僕と黒川くんって友達だったっけ、、何で呼んだの」
「友達ではないな、、ただ聞きたい事がある」
「僕が、黒川くんに何で答えなければいけないのかな?友達でもないのに」
「報酬はある。これだ」
「何だ、この手紙」
「遺書だ、読んでみろ」
そこには、簡単な謝罪文が書いてあった。
「これは何故」
「これがあれば俺も自殺で済む、お前が殺した事にならない」
「僕が殺し?何のこと」
「しらばっくれるな、これ程お前の関係者が死ねばわかるぞ」
「何が知りたいんだ、答えるか解らないけど」
「俺たちが殺されなければならない訳だ」
「ふざけているのか? 解らない訳がないだろう?」
「解らないから聞いている。じゃぁ荒居裕也からだ」
「神谷たちの後ろ盾のお前の片腕だ、、人独り苛め抜いて殺しておいて恨まれないのがおかしいだろう?」
「うむ、だが荒居は確かに俺の片腕で用心棒だ、確かにお前を虐めたが水野裕子には一切関与していない。それで何故殺されなきゃならない。多少暴力的だが、、、殺されるほど悪い奴じゃないと思うが」
「お前の言い分が正しいとしてだ、荒居とお前の後ろ盾が無ければ神谷はただの女だ。虐めなんて出来やしない。しかもお前達の為の虐めだ、無関係とはいえない。 実際に荒居は神谷を犯している。そういう危ない要素がある奴じゃないか? 真面目な奴ならそそのかしてもレイプなどしない。」
「笹川はどうだ、俺が犯してしまった神谷を明るくするために頑張っていただけだ、、まだ死体が出てきてないがどうせ死んでいるのだろう?」
「神谷に手を貸して虐めをしていた。有罪だろう? 神谷については聞くまでもないだろう」
「丸井や御神は? ただ虐めをしていただけだろう?特に丸井はお前に好意を持っていたはずだが」
「人独りを自殺に追い込むような事をしてそれが大したことではないのか? 丸井さん?確かに昔は仲が良かったがそれが関係あるのか?」
「なぁ虐めが悪いのは解るが殺される位酷い事なのか?」
おかしい、話が噛み合わない。
「なぁ、お前これから実際に水野さんがされていた事を話すがこれで恨まないでいられるか判断しろ」
水野さんがやられていた事をすべて話した。
「それは本当なのか?」
「しらばっくれるなよ、お前がやらせていたんだろう」
「俺は、、」
「なぁ、僕にした事ならただの虐めだ。恨みこそすれここまでしない。そのうち叩きのめして終わりでいいさ。だけど、水野さんにした事は犯罪だ。一生消えない文字をナイフで刻んで、乳首まで切り落とされていたよ。これは幾ら嘘だと言っても僕自身が見た事だ。お前たちがやったんだ。」
「わかった。お前達と言われてしまえば、あそこのリーダーは俺だ仕方ない。だがこれだけは聞いてくれ。」
「聞くだけならな」
「俺や荒居がした事はお前を虐めた事位だぞ、、女にモテていたお前が気にならなかった。だから虐めた。これは許容内か」
「ああ」
「神谷をレイプしたことはお前は関係ないな、、ただそのせいであいつが歪んだのなら俺のせいだ、その償いもあって、文句も言えなかったのは事実だ」
「それで」
「水野裕子に文句を言うのは当たり前だろう? 俺はお前にあんな暴力は振るっていない」
「確かにな、あれは別件だ」
「俺はそれしかお前にはしてない」
「神谷がした事は、、、後から聞いたがあの時は知らなかった。 その時聞いた内容も髪の毛を切った。ウンコを毎日食わした。そこまでは聞いた。だが、体に傷をつけた事や乳首まで切断した事は今初めて聞いた。だが、これは神谷が勝手にした事だ」
「だが、お前なら止められた」
「確かに止められたな、、恨まれても仕方がない事だったな。俺は神谷をレイプした後、後悔した。だから悪い事には関わらないそう決めたんだ。」
「お前がか」
「そうだ、だからあいつが喜ぶように金を渡した。そしてあいつが邦夫と付き合いだした時にほっとしたんだ。あいつらに甘かったのは仕方ないだろう? レイプした女とそれを立ち直らせた男だ。
俺たちは最初だけで途中から虐めてないだろう。気に食わないから助けはしなかったがな」
「、、、、」
確かにある時からこいつ等は僕に関わらなくなった。
「丸井はなぁ何を勘違いしたのか、お前を払い下げてくれと俺に頼んできた。あいつは神谷グループの2番手だ、付き合えばもうお前は虐められない。まぁ水野とお前が付き合った後だから意味なかったがな」
「、、、、」
「だが、神谷の暴走を防げなかったのは俺のミスだ、、、納得だ。 俺が悪かったんだ」
「だからどうした」
「これは俺に使う事にしよう」
「お前、、」
「俺たちが正しければお前を撃つつもりだった。だがな、本当に俺が悪かったようだ。俺の名前は有名だその影響力に、もう少し気を付けるべきだった」
黒川は自分の頭に銃口を押し付けると引き金を引いた。
ご丁寧にサイレンサーもついていた。
僕は、、、、釈然としないまま黒川邸を後にした。
黒川哲也
俺が用事が終わり、学園に帰ってくると、、仲間が全員死んでいた。
しかも完璧な偽装を施されていた。
おかしい。神谷と笹川は楽しく付き合っていた。まさか血迷っても荒居は神谷を犯さないだろう。
荒居の好みからかけ離れたタイプだ。笹川は行方不明だし丸井や御神は死んでいた。
しかも虐めを悔やんだ遺書があるという。本当におかしい。
この学園で虐めを行った相手は水野と黒木しかいない。
水野は死んでいるからもし、虐めが原因なら黒木だろう。
言ってはいけないが、たかが虐めだ、殺される様な事はしていない。
だが、余りに追い詰めて逆上して殺しをしたのか?
そうであるならおかしい。こんな計画的に人を殺せる訳がない。
理由が知りたい。だが、たかが虐めで荒居達を殺したのなら俺がお前を殺してやる。
神谷は俺が傷つけたのに今では責めもしない。まぁ金は持っていくけど。
笹川は神谷を立ち直らせてくれた。今では数少ない友達だ。
荒居は小さい頃からの親友だ。
丸井や御神も友達だ。
、、、、、聞かなきゃ良かった。
そんな事になっている何て、恨まれても仕方がない。
黒川の苗字はこの界隈では絶大だ。
確かに俺は関わって無いが、、俺の力が無ければ神谷たちは増長しなかっただろう。
あの時に、聞いただけでなく自分で調べたら。自殺する前に虐めは止められた。
知らなかった。そこまで酷かったなんて、、、彼が怒るのもわかる。
俺が黒川の苗字に溺れなかったら、誰1人死ななかったかも知れない。
こいつを虐めた時にあと腐れなく握手でもしていたら。
水野の時に、虐めの現状を知り止めていたら、いや、その前にもうとっくに俺は虐めなんか辞めていた。
「虐めなんて嫌いだ。」そう言っていたら。
それ以上に俺の力なら、虐めは一切許さない。その一言だけで学園は平和だったかも知れない。
いや、よそう、、所詮もしもの話だ。
こいつの言う通りだ。、、、だったら死ぬのはこいつじゃなくて俺だな。
俺は、お前には殺させない。、、、俺の意思で死ぬ事にするよ。
もし、あの世があるならきっちり水野には謝ろう。
だから、もしあの世があるならお前もきっちり謝れ。
不可解な龍三の死
なんなんだあいつ。
黒川哲也は殺す前に自殺しやがった。
だが、銃まで持っていたとは、もし彼奴が殺す気だったら、僕は死んでいた。
黒川龍三はもっと上だと思った方が良いだろう。
だが、もう良い。
殺したい奴はあと一人だ、龍三を殺せばすべてが終わる。
もう一度、黒川邸に乗り込もう。
哲也の死体が見つかった後ならその混乱に乗ずれば良いし、気づいてないならそれは又チャンスだ。
用心しながら黒川邸に乗り込もうとした。
だが、門のカギは空いていた。
罠なのか?
だが家の鍵も空いていた。
中には誰も居ない。
おかしい、そのまま書斎に行くと、、、龍三が死んでいた。
なんなんだ、、、机を見ると遺書があった。
しかも2通、、、そしてその一つは復讐者へそう書かれていた。
僕はその手紙を持ち帰り見る事にした。
不可解な龍三の死 手紙
復讐者、黒木セレスへ
この手紙を見た時にお前は驚くだろう?
殺したい相手、儂が死んでいるのだからな?
最初に言って置くが儂はお前が思っているほどの権力者ではない。
確かに色々な事業を展開している。その中にはきな臭い奴と行っている仕事もある。
確かに一般人より金もある。
だが、お前の思っているような権力なんてもうこの家には無い。
バブルの頃はヤクザを使って地上げもしていたが、、今はそんな仕事はしておらん。
金融だってしっかりとした法定金利でしか貸していない。
確かに、昔は政治家と癒着をしたり、警察署長に親類が居たから好き勝手した。
だが、今はそんな時代じゃない。昔のイメージで黒川と言えば権力者。そう思っている奴もいるが実際は違う。
まぁ、そうだな、それでも昔しのイメージのせいか変に気を使う者もいるが、その程度だ。
息子に用心棒として荒居くんを付けているのはあくまで用心棒だ、あいつはあれでも虐められっ子でな。
昔から息子を庇ってくれる荒居くんに多少の援助をして一緒に居て貰っている。
息子の周りの人間が何人も死んでいる。流石に儂は怖くなって調べた。
そうしたら、水野裕子さんにたどり着いた。
だが、個人的には、虐めのお詫びはしっかり済ませたのだ。
お見舞金として3000万ほど支払い、父親を昇進させた。
それでも罵倒されると思った。許してなんて貰えるとは思わなかった。
だが、両親はあっさり許してくれた。
「貴方の息子さんが行った事ではない。しかも我々はこれからも貴方の元に居なくちゃいけない。気にしないでくれ」
そう言われた時にはほっとした。
そこで儂は欲を出さなければ良かったんだろう。 水野家の人が優しいからつけ込んだのかも知れん。
遺書の処分をお願いした。
遺書の中には黒幕に息子の名前があった。だがそれ以上に神谷智子の名前があった。
神谷智子はバカ息子がレイプした女の子だ。
儂は、神谷智子をレイプした話しを聞いた時に息子をぶん殴った。
親御さんに謝ろうか悩んだ。だが、彼女は息子を責めなかった。そして今は新しい彼氏を作り楽しく暮らしている。そう息子から聞いた。
だから、儂は神谷智子に借りがある。だから将来のある若い者だから、そう説得して遺書を破いて貰うように頼んだ。
水野夫婦は人格者だった。あれ程惨たらしい事があったのに、、最後は破ってくれたのだ。
だが、これが間違いだった。ちゃんと罪を償わせるチャンスを潰してしまった。
そして、後になって考えれば水野裕子の死を掛けた願いを踏みにじり、君の思いも踏みにじったのだろう。
さらに、学園側は儂が多額の寄付をしていたせいか何も言ってないのに全部勝手にもみ消した。
君が怒るのは当たり前だ、自分の彼女をあそこまで惨たらしい虐めで自殺に追い込んだんだ。許せないだろう。 儂も、普通の虐めで死んだ弱い子。そう思っていた。言い訳だ。だがあそこまで苦しめていたなんて知らなかった。
結局は、息子が神谷智子をレイプしたから、神谷智子は化け物のような性格になったのかも知れない。そしてそれを庇ったからお前は化け物になったのだろう。
ちゃんと、儂が教育をしなかったから、罪を償わせなかったから、、、全てが狂ったのだ。
素直に詫びよう。
儂は死ぬ。 この手紙を見つけたという事はもう死体は見ているだろう?
もう一つの遺書はただの遺書だ、「ただ世の中が嫌になった」そうとしか書いていない。
儂が死ねば黒川は終わりだ、幾ばくかのお金が息子の哲也にいくが、高校生の彼奴には維持などできん。
儂の死と、、黒川家の滅亡。それで許してくれんか? そして哲也だけは許してくれんか。
黒川龍三
だが、龍三のこの願いは聞き届けられない。何故ならセレスは龍三より先に哲也に会っていたのだから。
僕の死に場所(最終話)
僕はお墓参りに来た。
全ての復讐が終わった事を水野さんに伝える為に。
花屋さんで買った、百合の花をあげてお線香もあげた。
以前はお墓詣りなんて殆どしなかったけど、ここに水野さんが居ると思うと何故か来たくなる。
相変わらず、僕は女々しく生きている。
同じ物語のセレスみたいに死んでいない。
ここで死んだってただのスプラッタでお墓が血に染まるだけだ。
死んだら親父がここに埋葬してくれるのだから、良い死に場所を探せば良いと思う。
最近では何処で死のうか考えている。
水野さんと同じ屋上から飛び降りようかと考えたが、、他の生徒のいい迷惑だよね。
遊園地で死ぬのも、ラブホテルで死ぬのもおかしい気がする。
こう考えると、もっと水野さんと沢山デートすれば良かったな。
思い出の場所で綺麗に死ねる場所が無いや。
相変わらず笹川の死体は見つかっていない。校長と氷川が死んだ。沢山の生徒が死んだ。なのに、何事もなく日々は過ぎて行く。
水野さんが死んだ時も今も何も変わらない。黒川って何だったんだ、、、死んでも何も変わらず過ぎて行く。
今日はこの学園のイベントでバスツアーだ、イチゴ狩りに行くのだそうだ。
バスは海岸沿いを走っていく。
僕は気づいてしまった。
今、ここに23人いる。
そうだ、ここに居る奴も水野さんを虐めていた奴らじゃないか?
見て見ぬふりをしていた奴らじゃないか?
(運転手さん、バスガイドさんごめんなさい)
「先生、気持ち悪くなったので前の席にして貰ってよいですか」
「わかった、関根君代わってくれるかな?」
「いいすよ」
「悪いね」
僕は運転手の後ろに座った。
バスは断崖絶壁のカーブを走っていた。
僕は、運転手を殺した。
バスはそのまま崖から落ちていった。沢山の悲鳴と共に
水野さんこれで終わった。今から君の元へ行くよ
FIN
エピローグです。
「結局お前は死んでしまったな。納骨の時に知らない骨が入っていて驚いたぞ。まぁ誰の物か解るけどね」
「僕が君になんで卑怯道を教えたと思っているんだ? 生き延びて貰いたかったからさ、、、生きてこその卑怯道だろう? まぁいいや、父さんはお前に謝らなければいけない事があるんだ。、、実は父さんは1人も殺したことは無いんだ。、、、卑怯道は暗殺拳だ、、、だがな世の中がこんなに平和なんだ。使う必要は無いだろう。 5人殺したって言ったのは嘘だ済まないな。 お前と拳を交えた時には恐ろしかったよ。本当の暗殺拳、、僕とは違うと思った。、、、だけど、お前は何者だったのだろうか? 卑怯道はあんなにかっこ良くないぞ、泣きながら、小便を漏らしながら虚をつく拳法。なのにお前の拳は虚を作らずに一瞬にして相手の意思を刈り取る。天才だったのかな、、お前が死んでしまったからもう卑怯道も終わりだ。 また百合の花を上げに来るから二人で いちゃついていればよいよ、、じゃあな」
僕は息子の墓を後にした。
「父さん僕は今凄く幸せなんだ」
そんな声が聞こえたような気がしたが多分空耳だろう。
死人は何も語らないのだから。
感謝を込めて
最後まで応援ありがとうございました。
この作品は大昔しにノートに書いていた物です。
当時は今みたいなライトノベルなんてジャンルが無く。私のような作品を書いても見向きもされませんでした。
今回は発表させて頂ける場所を与えてくれた ネットの世界に感謝が一杯です。
この作品は 大昔に書いた物なので稚拙なのはお許し下さい