沢木竜生
俺の名前は沢木竜生、まぁ自分で言うのも何だが本当の「悪(わる)」だ。
他の奴みたいに「俺は悪く無い」なんて言わない。
やっている事は「悪い事」そんな事は自覚している。
「悪」になりたくてやっているんだから、「悪く無い」なんて言わねーよ!
ただ、俺には俺の誇りがある。
それは素人には手を出さない。
当たり前だろう? 素人は別の世界の人間なんだ、手を出しちゃ駄目だろう?
クズはクズなりのルールがある。
不良は不良の中で生きていれば良いんだよ…解りやすく言えば、狼は狼で噛みつき合えば良い。
ウサギなんかに噛みついても、「何も自慢になんねーよ」
そこの線引きだけは守らないといけねーんだよ!
勿論、俺もそのルールだけは守っているぜ…そうしないと直ぐに警察沙汰だからな。
今日もせっせと喧嘩に明け暮れていた。
「しかし、竜星さん強いっすね! あの山神が詫び入れるんすから!」
「お前な! 彼奴が弱いんじゃねぇ―よ! 俺が強かっただけだ!」
俺は山神とタイマンを張って戦利品としてバイクをうばってきたのでそのまま舎弟の浩二と乗り回していた。
勿論、免許は持っていないが捕まんなけりゃ問題は無い。
「竜星さん、半端ないっすからね! 喧嘩が強くて面の良い彼女まで居るんだから羨ましいっすよ!」
「女なんて簡単だろう? お前だって根性ありゃ簡単に手に入るって、大体俺の彼女だってその気になればお前だって手に入れるチャンスはあったんだぜ」
「嫌ですよ俺は、顔をカミソリで斬られるなんて怖くて喧嘩出来ません」
「情けねーな…俺の舎弟が何で怖がる訳…逆に女の不良は直ぐに二枚刃かチェーンを使ってくるが、それだけだぜ? 顔に一生残る傷をつけられる覚悟があれば、大体勝てる、その後はもう自分の者に出来るんだからやってみる価値はあるだろう?」
「いや、俺は遠慮しますよ…翔子さん手に入れる為に、竜星さん顔二か所も斬られたじゃないすか」
「まぁな、その代わりその場で犯して、背中に「沢木竜生の女」って大きくナイフで刻んでやったからな…これでもう完全に彼奴は俺のもんだ、安い買い物だ..」
「いや、顔をカミソリで斬られて血が噴き出した状態で女なんか抱けるの竜生さんだけですって」
「本当に根性ねーなっ、それだけ我慢すれば抱き放題の女が出来るんだぜ..しかも翔子は1人暮らしだから何時でもやり放題、まぁ面も良いからよ出来ちまったら嫁にするかもしれねーけどな」
「そういう所は意外に硬派っすね」
「まぁな」
この翌日竜生は死ぬ事になる。
竜生の死
翔子の家でやる事やって一服していた。
女を手に入れるのは簡単だ、強いかバイクで速く走れるか、度胸があれば簡単に手に入る。
須田峰峠を誰よりも早くバイクで走れれば、ギャラリーの女が抱き放題。
何処かの映画を真似をしている暴走族が主催のキャノンボールで3位内に入れば金と女が貰える。
最も面は綺麗だが、歯が溶けていてシンナー臭いのが欠点だ。
他にも、弱い学校の喧嘩の助っ人をすれば、その学校の女が普通に貰える。
まぁ俺は複数欲しいわけじゃないから翔子で充分だ。
親から勘当されて一人暮らししているから泊れるのも都合が良い。
「今日も泊っていく?」
「そうだな、泊っていくか!」
そう言いながら2本目のたばこに手を伸ばした。
するとすかさず翔子がたばこに火をつける。
なかなか出来た奴だ。
暫くして2回目をしようとしていたら、扉を叩く音がした。
此処には俺が入り浸っているのを知っているから殆ど人は来ない。
金属バット片手にドアを開けたら…
「どうしたんだ!誰にやられた!」
明かにタコ殴りされた博が転がり込んできた。
「竜生くん、浩二が攫われちまった、竜生くんの名前を出したら連れて来いってさぁ」
「翔子、悪ぃなぁ…これからちょっと行ってくる!」
「仕方ないな..竜生は、ほら行ってきなよ!」
金属バットを片手に右手にカイザーナックルを嵌めた。
「所で、浩二は何処に連れて行かれたんだ!」
「ごめん竜生くん…相手は関東誠六会…なんだ」
一瞬耳を疑った。
「ヤクザじゃないか?…どうしてそうなったんだよ!」
「実は…」
はぁ、完全に俺のせいだ、俺が昨日根性出せば女なんか簡単に手に入る。
そういう話をしたから、涼子という女に手を出したそうだ。
まぁ、その結果、涼子の親父が出てきて、そのまま拉致られた。
そういう事だ。
この話は…浩二が全部悪い。
まず、涼子は一見スケ番風だが、ただの素人だ。
聖子ちゃんカットが好きだからそういう髪型にしているだけ、学校では粋がっているが、決して喧嘩している訳じゃない。
そんな奴に喧嘩を仕掛けたから、親に言いつけた。
当たり前だ、俺の女の「二枚刃の翔子」とかとは違う。
女で不良をするには最悪、「輪姦くらいされても仕方が無い」その位は覚悟してやる。
だが涼子は不良でないから親に言いつけた。
ただ、問題なのは涼子は不良で無いけど…親は極道だ。
しかも、この親が涼子を溺愛しているから拉致られた。
あれはヤクザの娘であっても「不良」ではないから俺は眼中に無かった。
「やべーな…人数は少ないとはいえ極道だぞ…しゃーないな」
そのまま行ってもただやられるだけだから、車を盗んだ。
「博は邪魔だから、俺一人で行くわ…」
「悪い竜生くん」
もうやるしかない!
車のアクセルを踏み込み、車で事務所に突っ込んだ。
「てめー何考えているんだよ! 死ぬ程借金背負わすぞこら!」
「極道相手に此処までして只で済むと思うなーーーっ」
人を一人跳ねたがまだ傍に二人いる。
仕方ねーから…金属バッドで頭を殴りつけた。
あと一人いたが…走って中に逃げた。
「てめーっ中坊相手に極道が逃げ出すのかーーっこら!」
そのまま、中に入り追いかけた。
「何だ手めー、ガキが殺すぞ!」
流石のヤクザでもガキは殺さないだろう…
そうたかをくくって暴れまくった。
奥に行きドアを開けると、浩二が居た。
「よう浩二? 随分男前になったな!」
ボコられて顔が腫れた浩二が転がっていた。
「子供の喧嘩に大人がでちゃ駄目でしょう!」
そう言いながら、カイザーナックルを嵌めた右腕で殴ろうとしたら…
パンッ
何だこれ…胸から血が出ているじゃんか…
「ハァハァ..何だよこれ…」
「ヤクザがガキに舐められる訳にはいかねーんだよ! 此処までされちゃ殺すしかねぇ―んだよ! ガキが」
最後に俺が見たのは…蛍光灯の光だった。
孫になっていた。
俺は死んだのでは無かったのか?
ふと周りを見渡した、病院!
そうか、俺は命を取り留めたのか…
だが、何かが可笑しい。
そうだ、胸、心臓を撃たれたんだ俺は!
可笑しいぞ、胸には包帯が巻かれていない…それに何だこの体!
なんだかヒョロヒョロしている、俺の体がこんなだったか?
もしかして随分永い間入院していたのかも知れないな。
しかし、不思議だ胸を撃たれた筈なのに怪我しているのは足と頭。
考えても仕方ない。
今は夜中みたいだからもう一度眠ろう。
目が覚めた…
うん可笑しいな、誰かが俺の顔を覗き込んでいる。
「竜星ちゃんが目を覚ました、良かった…本当に生きていて良かった、もう死んだりしないでお母さん竜星ちゃんが死んだら生きていけないわ!」
翔子に似ているけど、どう見てもかなり年上だ。
お母さん? なんだこれ、だけど翔子に似ている。
「翔子?」
「死んだお婆ちゃんの名前なんかいきなり呼んでどうしたの? そうか! お婆ちゃんが竜星を返してくれたのね!」
自分に何が起きたのか解らない。
だが、どうやら俺は別人になってしまった様だ。
話を聞いて解った事だが、どうやら俺は俺の孫にあたる人間の体に入ってしまった様だ。
母親の名前は百合子と言い今は母子家庭で俺を片親で育てている。
そして、その母親が翔子だった。
翔子は中学生で身籠り、百合子を産んだ。
逆に百合子は晩婚だったらしい。
翔子は硬派で通していたから俺以外に男は居なかった。
俺の名前の竜星は翔子=今の俺のお婆ちゃんの男、竜生からつけたと言う事だから確実だ。
どうして此奴に入ってしまったかはどうでも良い。
ただ、俺の血を引いた奴が「虐めを苦にして自殺をしようとした」それが気にくわない。
確かに見てみればこの体は傷が多くある。
多分だが、この竜星という俺の孫は死んだんだと思う。
そして、その体にどういう訳か俺が入り込んだ…そういう事らしい。
俺の母親の百合子は俺の虐めについて学校に何度も相談したそうだ。
警察にも足を運んだらしい。
ボイスレコーダーに診断書、写真まであるのに学校側や虐めの関係者の親は
「子供同士の遊び」「大した事無い」でかたずけ…体育教師は「やり返さないお前が悪い」そう言ったそうだ。
「ごめんね! お母さん竜星が此処まで思い詰めていたなんて知らなかったの! 転校しよう?」
「大丈夫だよお母さん…僕は強く生きるから、もう自殺何かしないよ?」
猫を3匹位被ってそう返事した。
しかし、翔子と俺の間に生まれた子がこんなに普通の子だなんて信じられないな。
まぁそれを言っても仕方がない。
会った事は無いといえ、俺の孫を殺したんだ…そして俺の娘を泣かせた。
地獄を見せてやんよ!
こんなに弱いの?
「今迄お世話になりました」
「うむ、もうこんな事はしないで強く生きたまえ!」
「そうよ、死んで良い事なんてないわ!」
「はい、これからは強く生きます!」
猫を三匹位被って笑顔で好青年を演じた。
「本当にもう良いのね?お母さんまた学校に行って来ても良いのよ…辛かったら転校しても良いのよ!」
「大丈夫だよ母さん」
この母親は前の世界の母親と違ってクズじゃ無いからな、出来るだけ傷つけない様にしよう。
家に帰ってきてから色々見た。
竜星が書いた遺書に…やられた事の数々。
大した内容ではないが、証拠まで揃えてあった。
これなら、俺が暴れた所で幾らでも言い返せるだろう。
「本当に大丈夫なの! お母さんついていこうか?」
「大丈夫だって!これからは強くなるって決めたからさぁ…やられたらちゃんとやり返すよ!」
学校についたら職員室に行くよう百合子から聞いたので職員室に行った。
「お前な..ただ殴られたりしただけで自殺なんてするなよ…迷惑なんだよ」
「そうですね、言われてみたら大した事無かったです」
「そうそう、やり返せないお前が悪いんだ、死のうなんて考えず、男ならガツンとやりかえせ」
「これからはそうします」
「女の子に虐められるなんて情けないわ…言い返したりやり返せば良いのよ」
「解りました」
ちゃんとボイスレコーダーに取ったぞ!
言質とったからな。
「竜星また学校に来たんだ、良く来れたよな!」
「大丈夫なのか彼奴、また虐められるんじゃないのか?」
「おい竜星お前が面倒くさい事したからよ、困った事になったんだ昼休み裏庭に来い」
「こんな事で逃げられると思うなよ…お前が死ぬまで終わらないからな」
「ぎゃははは..惨いわこれ、竜星死んじゃうかもね?」
「今日は徹夜くん達が先かぁ…まぁ譲ってやるよ!」
「じゃぁ、私達は明後日予約ね…スマホのお金が欲しいんだよね?」
何だこいつ等、不良のふの字も無いじゃないか…まぁ言っている事は真面じゃないが。
「よく来たな…竜星、お前が自殺未遂なんてするから親に怒られたんだよ! なめた事すんじゃねーぞ!」
「ああん! とりあえず有り金出して土下座しな、そこからだ!」
「早くしないと、また殴っちゃうよ!」
3人しか居ないのか…
「お前ら俺に喧嘩売っているのか?」
「バーカ、当たり前じゃないか? あーん..えっ」
俺は鼻面を思いっきり殴った。
良い音がしたから…鼻が折れたな。
「痛てーーーっああああああああああっ辞め辞めやめりょうーーーっ」
鼻面を殴って蹲ったら、蹴りを入れるのは当たり前だろう!
ひたすらボールをける様にあたり構わず蹴りまくる、特に頭部は面白い..顔で鼻を押さえている上から蹴られると地獄なんだよな。
「いたっいやいやめろう」
何で他の奴らが掛かって来ないんだよ…もう此奴スクラップじゃんか?
「おい..お前何やっているんだよ!」
「普通に喧嘩じゃないか?」
話している間にも足は止めない…
「だからって、何で此処まで..」
もう此奴は動けないな..
「お前ら何やっているの? 喧嘩の最中にぼうっとして!何で掛かって来ないんだ?」
「えっ..ちょっと待て、なぁお前ここ迄の事は俺して..うわぁ」
「うるせーんだよ!お前ら俺を何回殴ったか覚えてないのか? 1000回以上なんだぜこんなのお試しだろう?」
何でこんなのでやられるんだよ…鼻の骨折ってけりぶっ込んでいるだけだぞ、普通に不良ならその後喧嘩続けるのが当たり前だ。
こんな殆ど「ワンパン」で泣きいれる奴なんて知らねー 浩二だって少なくとも何発か入れてくるぞ。
「おいっ」
「ひぃいい殺さないで」
「明日から1人毎日5000円ずつ持って来い…それで幸せな毎日が送れるぜ」
「しょんなおかね…無理でふ」
「無理じゃねーんだ…お前ら散々俺からむしり取っていったじゃん? 俺は借金の取り立てをしているだけだぜ」
「おれりゃ…有り金しゆか」
「世の中は利子がつくんだバーカっ!払えないならそうだ、指一本で良いや」
「指? うしょだ」
「俺はヤクザじゃ無いから斬らないよ? こうするんだよ..」
「辞め、辞めやめろーっ」
俺は徹夜の人差し指を持って、そのまま折った。
指一本折っただけで何で泣いているんだよ?
本当に弱いなこいつ等…
「今日は仲間同士で揉めて喧嘩したんだよな? 俺が何かした訳じゃ無いよな?」
「「「えっ」」」
「お前らが喧嘩している所を偶々俺が通りかかったんだよな? 違うのか?」
「そんな」
「よく考えろ! それなら明日からお金を持ってくるだけで終わる…違うならまた体に教え込むだけだ..指何本行こうか?」
「僕たちはたや仲間で喧嘩していただけでしゅ…」
「そうでしゅ」
「そうだゅ」
「それなら良いんだ…明日から5000円持って来いよ? それでチャラにしてやんよ! 卒業したら終わりにしてやる..じゃぁな」
何だあいつ等…本当にあれで不良なのか、弱すぎんぞ!
覚悟のない女
結局、あいつ等学校休んでやんの!
面倒かけさせるなよ…これで今日帰りに取り立てに行かなくなったじゃねぇか!
本当に使えねぇ―よ!
「あのさぁ! 今日の竜星税は私に譲ってくれない? 遊び過ぎてお金が無いのよ! お願い!」
「仕方ねぇーな…徹夜くん達も昨日早退しちまったからな、良いよ譲ってやるよ!」
「あははっ健二ありがとうね、感謝するよ!」
「だったら今度カラオケ位付き合えよな!」
「それは別…私身持ちは固いからさぁ」
「カラオケだけなら良いだろう?」
「健二はそれで済まなそうだから駄目…まぁ欲しい服があるから買ってくれるなら考えてみるよ!」
「それ幾らなんだよ!」
「6万円」
「バーカ高けーよ」
しかし、この女凄く馬鹿なんじゃ無いのか?
「竜星さぁ、悪いけど2万ばかし都合してくれないかなぁーっ! 私って優しいじゃん! 余り暴力とかしたく無いんだよね?」
「そんな金持ってないよ…」
「あのさぁ、此処は体育準備室でもうこの時間誰も来ないよ? 先生に期待しても駄目! 鍵を私達が盗んで合いかぎ持っている何て誰も思わないの….明日の朝まで助けれなんて来ない…ボコられたく無かったら金だしな? 無いならATMまでついて行ってやるよ」
本当の馬鹿だ…だが此奴が翔子並みにヤバイ可能性もあるかも知れない。
油断したらブスって事やザクッて事も無いとは言えない。
「それで何で! 洋子さんだけでくる訳」
「きゃははっもしかして私の取り巻きに好きな奴いんの? お前じゃ無理だわ! 私凄く金が要るんだよね! 皆で来たらカラオケ代奢ったり、分け前やんなきゃならないじゃん! 独り占めしたいから譲って貰ったんだよ..でどうよ? 2万持っている? あれば即解放してあげる」
本当、只の馬鹿だ!
「なんだ..オラよっ」
「えっ…お前何するんだよ! 女の顔を殴るなんて最低..嫌、痛い、痛い、嫌だぁぁあぁっ」
本当は鼻を潰してやりたいけど、鼻を潰すとさぁ女の場合その後楽しめないんだよな…
だから地味に横面を叩いたり、髪を引っ張るから始めないといけない..はぁメンドクセーな!
「オラよ! あーあ鼻水垂らしてよ..なんだその面…気にくわねーな」
「私が悪かったよ…もうしない、もうしないから辞めて..ね! そうだクラスの皆にも辞めさせるように言うから..そうしよう..ね」
「あのさぁ! お前は俺に借金があるんだよなぁ…幾らか解るか?」
「えーと10万位かな?」
「バーカ1千万だよ、1千万!」
「そんな訳無い…嘘言わないで!」
「世の中利子ってもんがつくんだよ! 当たり前だろうが…なぁ常識だろう!」
「そんな…」
走って逃げようとしてやんの…馬鹿な奴、自分が開きにくくしてるのに…
「嫌、嫌来ないで、来ないでよ…いや」
「お前さぁ…折角優しくしてやってのによ暴れるからもういいやサービスタイム終わりだ」
「嫌、嫌やめてーーーっ」
転がして蹴りをぶち込む。
良く言うヤクザキック、腹を中心に蹴りをひたすらぶち込む。
顔にあたると後で楽しみが無くなるからな…
本当に汚ねーな…小便まき散らして…ウンコまで漏らしてやんの..
「こ.ろ.さ.な.いで…ゆるしてゴフっ下さい…」
「女だから使い道はあるから殺さない…まぁ安心して良いよ」
頭はあっぱらぱーだが、此奴、面だけは良いんだ。
しかも、クラスの女を牛耳ってそうだから使い道はあるだろう。
「良いぜ、殺さないでやるよ…その代りなぁ」
「嫌、嫌、いやあああっー」
最後の抵抗か、服を千切ろうとしたら暴れてやんの..
「あああっ…ごめんなさい..ごめん..な.さ.い」
「あーあ、気が変わったわやっぱ殺しちゃおうか」
「嫌…嫌…殺さないで..殺さないでよ..助けて」
「そうだな、とりあえず裸で土下座…俺も昔やらされたし、そこからでしょう!」
「私は..女…」
「だから? 俺は男女平等主義なんだ」
「解っ…た..よ」
泣きながら脱いでやんの…しかもびしゃびしゃで汚いなパンツもスカートも。
「これで良い..許してくれるんだよね!」
しかし、今は便利だわ…スマホってしっかり動画がとれるんだから
「いや、いや…撮らないで..いや」
自分から脱いで真っ裸..これで随分犯しやすくなったわ。
「さてと…犯しやすくなった所でやるかな」
「何をするの? まさか..まさか..しないよね? そんな事しないよね?」
「此処まできてやらない訳ないだろうが」
「私初めてなの…そんなことした事無いの..嫌、嫌、嫌..他に何でもするから..ね」
「だったら選ばせてやる…そうだな、両目を潰されるか、犯られるか…好きな方で良いよ」
「嫌…そんなの選べるわけ無い..」
結局、洋子は犯される方を選んだ。
「いや…いや..いや…こんなの…ない..」
「けっこんな物か、人形みたいでつまんねーな..」
「うぐっグスっすん、すん、こんな..」
「そうだ、記念に彫ってやるよ」
「いやああああああああああああっ」
家族にバレたら不味いだろうから、尻に 「竜星専用」「1千万返済中」とナイフで刻んでやった。
「そうだな、お前の場合は選ばせてやるよ!毎日1万円ずつ払うか、俺の相手をするか好きな方を毎日選べ…1000回終わったらもう終わりで良いや」
「うわっうわああああああああああっ、すんすん、ひくひく…いやあああああああああっ」
何だ此奴、普通に女で不良やっていたら、負けたら輪姦されたり犯されたりするのは当たり前じゃないか?
しかも、此奴武器も持たずになんで一人でくるんだ?
カイザーナックルもカミソリもチェーンも持って来ない..
こっちは刺されたり斬られる覚悟をしてたのにな
なんだこれ…世の中どうなっているんだよ!
回収とすき焼き
「徹夜くんよう! 散々と舐めた真似してくれたな! それで今後どうするんだ!」
「ひぃ! 許して下さい勘弁して下さい!」
「散々逃げ回りやがってふざけんじゃねぇ!」
徹夜達は不登校になり学校に来なくなった。
よく考えて見れば、今の時代にはスマホがあり、恐らく呼び出しの為だろうか? しっかり連絡先が入っていた。
電話かけても出ないから…家の前に行き留守電にメッセージを入れたら、すぐに電話を掛けてきた。
正直、殺してやろうかという位ムカついた!
学校に来ないで不登校になりやがってよ…家に行ったら居留守を使いやがる。
仕方ないから、ガソリンスタンドで灯油を買って家の前にまで行き…「金を払わないなら家ごと燃やす」と留守電に入れたらようやく顔を出しやがった。
「許してくれじゃねえだろうが! 3日間も学校に来ないでよ? それで金はあるんだろうな?」
「持ってません…許して下さい!」
部屋の中を見渡すと、まぁ形になりそうな物はある。
「それじゃ、2日間の未払金と此処に来た手間賃で、このパソコンで良いや貰っていくよ!」
「ちょっと待ってくれ! それが無いと困るんだ…データーも入っているんだ!」
「だったら、他の物にしてやるよ…適当に家探しして決まったらお前に許可を得る…それで良いか?」
「ああっ構わない」
此奴の家は親が共働きで家に居ない。
だから適当に家探しが出来る。
徹夜は俺が怖いのか部屋から出て来ない。
馬鹿な奴だ…案外一般の家って不用心な奴は多い。
本棚に普通に「家や土地の権利書」を置いてあったりする。
この家もアホだから、普通に置いてあった。
ついでに引き出しの中に幾つか印鑑が入っていて..立派そうな2本がある、更に印鑑登録カード迄あった。
権利書を服の中に隠し、印鑑と印鑑登録カードをポケットに突っ込む。
徹夜へのごまかしで、父親の時計を一つ持ってきた。
完全な安物だ。
「おい、徹夜! 借金の方にこれを貰っていくわ!」
「それで良いのか?」
「ああっこれで勘弁してやるよ…もう残りは払わないで良いや! ただ残り二人からはしっかりと貰うからな? お前は介入してくんなよ!」
「ああ、解ったそれで良い!」
けけけっバーカっ…この録音で、しっかりと徹夜から「これを貰った」証拠が出来た。
幾らになるか解らないけどな…これでお前は終わりにしてやるよ。
俺は闇金にこの「権利証」を持ち込んだ。
街を歩いて、看板を見てどう見ても怪しい場所を選んで入っていった。
中学生なのに、普通に応対してくれるところが絶対におかしい。
多分、ヤクザ系列だと思う。
「今日は、幾ら位摘ままれます? 学生だがら5万迄だけど良い? あとうちは1日1割だけど大丈夫?」
完璧にヤバイ奴だ…だがこれで良い。
「今日は、家と土地の権利証を持ってきたんだ、買って貰えないかな?」
「家と土地の権利証? 見せて貰えるかな?」
俺は徹夜の家から持ってきた「権利証」を見せた。
「それは自分の家のそれとも他人の物かな? まぁ良いや50万でどう? キャッシュで払うし、しかも君の個人情報抜きで良いよ?」
足元見るもんだな、多分4500万位の権利が…まぁそれ単体ならその価値は解る…権利証など嫌がらせして、お金を引っ張るしか出来ない。
「追加で、印鑑登録書と実印の可能性のある印鑑2個、つけて、全部で500万じゃどう?」
「手慣れているな? 確かにそれがあれば価値は上がる…プロか?」
良くドラマで土地の権利証を持ち出すが、それだけじゃ意味は無い。
実際は、この二つが必要だ..しかも、印鑑登録と実印があれば偽の契約書も作り放題…凄く美味しい筈だ。
「プロで無いよガキだから…だがこれからも世話になる事は多いと思う」
「そうか、なら身元詮索無しの、不味い事が起きても情報提供無しで450万円でどうだ?」
これは、凄く対応が良い…こっちの身元詮索はしない、万が一不味い事があっても「知らない」「お客の個人情報は提供できない」で押し通してくれる。
そう言う事だ。
「長い付き合いになるかも知れないから…それで良いや」
俺は書類の取り交わしをせずに450万を手に入れ事務所を後にした。
実印や土地の権利証はそんなに頻繁には見ないから、問題が起きるまで時間は掛るだろう。
まぁ、それまでに時間はまだある。
取り敢えず、今日は金が入ったから、お袋である俺の娘に、すき焼きでも奢ってやるか。
母子団欒
貰ったお金は取り敢えず持って帰ってきた。
幸いな事に母子家庭なのに俺の部屋はあった。
百合子に聞いた話では、家賃が安いので親父が死んだ後そのまま住み着いているそうだ。
家に帰ってからは部屋に直行して金から5万円だけ取り出し残りの金は机に隠した。
一応鍵が掛かるから少しだけ安心だ。
「百合子、ちょっとバイト代が入ったからすき焼きでも食べに行かないか?」
お袋、お母さん、母さん、色々考えておれは「百合子」と名前で呼ぶ事にした。
会った事も無いが、ややこしいが此奴は俺の娘でもあるのだ。
良く、あの翔子や俺から生まれたのに真面目に育ったもんだ。
不思議で仕方ない。
「竜星ちゃんがバイト?」
「まぁな! 脅されてお金を払う為に働いていたからな! これからは払うつもりは無いから自分の為に使おうと思って」
翔子の面影があるせいか、俺は百合子に甘くなる。
それもあるが、少し俺にも似ていて「娘」だと言うのが嫌程解る。
まぁ、俺が死んでなければ此奴を育てていた。
そう考えたら…罪滅ぼしも良いだろう!
「そう、それなら奢って貰おうかな?」
少し張り込んで近所の食べ放題に行った。
「ここで良いか? 百合子」
「さっきから気になっているのだけど? 自分の母親を呼びつけ? まぁ勇ましくなったのなら良いわ…案外此処高いわよ?」
「全然平気だ、任せておいてくれ!」
「そう? なら任せるわ!」
すき焼きの食べ放題は、国産牛コースで1人4980円、それにドリンクバーを足しても充分足りる。
「良いの? 随分張り込んでいるけど大丈夫なの?」
ただでさえ、百合子の食べさせて貰っていたのに、家の金迄脅されて持ち出していた。
俺のした事では無いといえ申し訳ない気がする。
「大丈夫だよ、結構収入の良いバイトだから」
百合子も俺も金は無く、多分彼奴らの家より苦しい。
なのに、食い物にされていたんだ…これからはたっぷり搾り取ってやるよ。
あっそうか? 徹夜は、家なき子の上に借金を量産されるかも知れないから家以下になるか…まぁ良いや。
「それじゃ、牛肉10皿追加!」
「竜星幾ら何でも頼み過ぎよ!」
「大丈夫だってこの位はさぁ」
しかし、見れば見る程、百合子はみすぼらしいな…母子家庭だから当たり前か。
まぁ、あいつ等から搾り取れば、少しは幸せな生活が送れるだろう。
追い込み
徹夜に言って、仲間二人を家に呼び出して貰った。
徹夜も現金な物で、自分が安全圏に逃げられたら、登校してきた。
「徹夜お前騙したな!」
「竜星がいるなんて!」
「お前らな此奴は怖いんだ…逆に言うがお前らが同じ状態で断れるのか? 竜星くん、暴れないでくれよ、場所を提供したんだ俺は下に居て良いよな?」
「ああ、構わない…お前はもう手を出さない約束をしたからな! 今後はそっちから手を出してこない限りは手を出さないでやる」
俺は、色々考えて徹夜に「くん」づけで呼ばせる事にした。
特に「それ以上の事」はしていない…だがそれが不気味なのか、クラスの連中は様子見状態になった。
まぁ、これからキッチリ刈り取るが。
相沢邦夫に児島徹、まぁ此奴らは徹夜の金魚の糞だ…徹夜が潰れた時点でもう終わりだ。
テーブルを軽く蹴りあげた。
「それでよう! どういうつもりなんだ? 金払う約束で見逃したのに…払わないでどういうつもりだ!」
「鼻の調子が悪くて、休んでいたんだ…」
「骨が折れて接いで貰ったんだよ、熱もあるから勘弁してくれ」
「それが理由? 俺が死ぬまで虐めを辞めないと言ったガッツはどうした? そんな奴がたかが怪我で休むなよ! それで金はあるのか?」
「ありません…」
「ありません」
本当にふざけているなこいつ等….やっぱりやるしかねぇーな!
「お前等、本当に舐めているな! 金策もしないで無いで済む訳ねーだろうが! 家にあるゲーム機やゲーム売り払うなり、通帳持参位出来ねーの?」
「何でそこ迄しなくちゃならないんだ…たかが」
「おい、やばいよ…」
「徹は今はボコらねー! 見学してろ…邦夫は許さねー…散々人から金を巻き上げた癖に「そこ迄」だふざけんなよ!」
俺が殴ろうとすると顔をガードしやがった。
流石に鼻を折られるのは怖いんだろう…だがそんな事したら腹ががら空きだ。
鼻を折るのは実は意味がある、鼻を折られる恐怖を味わった奴は根性がないと必ず顔を守る。
だから鳩尾ががら空きだ。
「ぐふっうううっ」
「うううじゃねーんだよ! なぁ邦夫くんよー、お前散々俺に暴力振るって金持っていたんだろう? そうだ、徹、此奴の家の家貧乏? 金持ちどっちだ?」
「普通だと思います!」
「何か金目の物は持ってないかな?」
「新型の大型テレビがあります」
「徹くんは素直だな…それ後で家に届けてくれないか? それで邦夫の4日間分の借金は良いや!」
「あれは俺のじゃ無くて家族ので…」
「知らねーな! お前の借金が原因なんだから仕方ないだろう? ちゃんと5千円、毎日持って来なかったお前が悪いんだろう!」
「だったら、ゲーム機、ゲーム機とソフトで勘弁して下さい…中古買取でも絶対に2万円以上になりますから…」
「だったら、今日の所はそれで良いか? 今直ぐ家に帰って此処に持って来い! 明日からちゃんと学校に5千円持って来いよ!具合が悪いなら持ってきてから早退しろ…後は金が無いなら代わりの品を持って来い…ガラクタで無く、金目の物だと判断したら、その日の借金に当ててやるからよ」
「そんな…」
「邦夫ダッシュ、1時間以内に持って来いよ…あははは! 家族に見られても俺のせいにするなよ!」
「解りました」
「で、今度は徹くんだ…素直な徹くんには暴力振るいたくないな? 普通は貯金位あるだろう? ATMに行って降ろして来いよ? 無ければ、今直ぐ金目の物を持って来い、はらっダッシュだ! ああっ金は1日5千円計算にしてやるよ! 10万円持ってくれば20日間安全だ、あるだけ吐き出すのが賢いぞ」
2人が家に帰っている間に徹夜に話をしにいった。
「おい徹夜!」
「ひぃ…何でしょうか?」
ただ、話し掛けただけでビクつくなよ!
まがいなりにも仕切っていたんだろうが…
「あんまり、長い事巻き上げるのも可哀想だからよ…二人にも徹夜くんと同じ様にチャンスをやろうと思ってな、同じ様に家探しして、俺が欲しい物幾つか貰ったら終わりにしてやる…そう後で伝えてくれ」
「何で自分で言わないんですか?」
何だ此奴気味の悪い敬語使いやがって…
「バーカ、お前に花を持たせてやろうと思ってな! 話を纏めてやった…少しは立場も良くなるんじゃねーの!」
「…解った」
結局、邦夫からはゲーム機一式、徹からは14万の現金だ。
結構貯め込んで居たんじゃねーか? 胸糞悪い!
「それじゃ、邦夫は明日から毎日5千円な! 徹は素直だったから本当は28日だけど30日にしてやるよ! あと、徹夜から嬉しい知らせがあるから聴いて置いた方が良いぞ…後…あんまりなめんじゃねーぞ! ちゃんと用意出来るなら用意しろよ! 俺の時を思い出せや…死ぬ気で用意さえたろうが」
「「すみません」」
「次から遅れんじゃねーぞ!」
2人から食い散らかしたら…それで終わり。
余り永く続ける必要は無い。
獲物は幾らでも居るんだからな….
貧乏なら仕方無い。
今日は邦夫の家によってから徹の家に行く。
もうバレるのは時間の問題だ…
邦夫の家に行った。
多分、徹夜以上の金持ちだ。
「さぁて金目の物はねーかな!」
「これ何かどう?」
「そう言って差し出して来たのは安物の指輪だった」
「てめーふざけてんじゃねーぞ」
軽く顔面殴打してやった。
「ごめん…」
「お前さぁ…」
「見てられると気が散るんだよな…良いよ俺は風呂場にいるから勝手に見てくれ…散らかさないでくれれば良い」
「解った、最後に許可だけ取れば良いんだよな」
流石に、無いな「権利書」とかは…だけど「印鑑登録カード」に実印はあった。
ローヤックスの時計2個に宝石を幾つか鞄に入れた、あとはブリトンの財布に30万位のお金が入っていたのでそのまま貰った。
何だ? 権利書あるじゃないか? こんな所に隠してあったのか、まぁ洋服ダンスの引き出しの下、定番だな。
これがあるなら、ローヤックスと宝石は返して財布も10万抜いて返す。
態々現金10万だけ抜いて返す泥棒は居ないから…多分バレても身内だと思うだろう…
時間稼ぎだ。
結局、俺は銀細工の指輪を2つ貰う事にした表向きは。
印鑑カードと実印、権利書はもう鞄の中だ。
「それじゃ、これ借金のかたに貰っていくぞ!」
「解ったよ…これでもう良いんだな」
「ああっこれで終わりにしてやる」
家無き子2号の誕生だ!
そして徹の家だが…此奴の家は可哀想だな。
「竜星くん…うちは貧乏なんだ」
見た瞬間から解った。
此奴んち俺んち並みの貧乏だ。
いや、それ以上かも知れない。
俺は自分なりに決めた事がある。
金の無い奴が奪うのは仕方ない…無いんだから仕方ない。
だが、自分は充分金があるのに盗む奴が許せねー。
だから、此奴の家は…仕方ない、実際に「貧乏だから奪って良い」そんな訳無いが俺ルールではOKだ。
有り金は巻きあげたし…もう良い。
「しょうがねーな…このジャンボの最新号だけで貰っていくぜ!」
此奴は腰ぎんちゃくだ…大方虐められたく無くて加わっていたのだろう…
しかし、徹夜が潰れたら此奴これからどうするのかね?
多分、虐められそうな気がするが…
そこ迄は知らん。
マグロ
この間の闇金に同じ様に権利証と実印と印鑑登録カードを持ち込んだ。
「いらっしゃい! 今日も、また何か持ち込み!」
流石に、権利証を持ち込んだ事で顔を覚えられたようだ。
「今日も同じ様に、権利書と、印鑑カードと実印の買取をお願いしたい、とり1でどうかな!」
ちなみに、とり1とは取り分1割位は欲しいという要望だ、良くいう事件屋などに危ない相手から取り立てをを頼むと、とり半と言い50%もっていかれる。
「やはり手慣れているな…良いぜ、とり1、550万即金の、情報提供無しで実際は600だが50引きはリスクだ、どうだ!」
「それで良い! それで、ムカつく女が居るんだが…マグロ女の斡旋は出来ないかな!」
マグロ女とは「寝ているだけでサービスしない女の事」を良く言うが…此処で言うマグロ女は「マグロ漁船に載せる女の事」を言う。
「やっているが…昔みたいに美味しい話では無いぞ! 昔は500万で俺が50万とって450万払いだったが、今は300万で50万俺がとるから250万払いだぜ、それで良いなら良いよ」
「それで良いが、傷物でお尻にナイフで落書きがある、未成年だがこの間まで処女だったからまぁ使い心地は良いかもな」
「トラブル込で200万なら受けるぜ」
此処は凄く俺みたいな人間には都合が良い。
自分の火の粉は自分で払わなくてならないが、他のトラブルは向こうが負ってくれる。
そのまま洋子の家に行き、インターホンを鳴らす。
だが出て来ない。
電気のメーターの周り具合から居るのは推測がつく。
ドアを激しく叩いた。
「居るのは解っているんだからなーーっ..仕方ないな、もうこの動画クラスの奴に見せてからアップしちまえ」
「やめてよ…」
ようやくドアが開いた。
「それでよう! どういう了見なんだ! 金も奉仕もその後無しなんてよう! 話が違くないか?」
「あんな条件酷すぎるわ…」
「だが、俺の時はどうだった! 問答無しだろうが!」
「私は小突いてお金を取っただけだわ!」
「お前さぁ、世間を舐めすぎじゃねー? 良いか? 1万というお金はヘルスに行けばよ…真っ裸になって厭らしい中年の物をチュパチュパしてようやく貰える金なんだよ!…そういう金額を何回も奪ったんだ…それこそ金で言うなら、ゴム無し本番ありで何回もしなくちゃ相殺なんて出来ないだろうよ」
「なっ..そんな厭らしい事言わないで」
「もう、良いや…お前の動画買ってくれるAV会社探すから…売った代金でチャラで良いや..じゃあな」
「辞めてよ…そんな事されたら表歩けなくなる…」
「それなら、アルバイトしない? それなら1回だけでもうお前に手出ししないよ?」
「1回だけで良いの? AVとかじゃないよね?」
「まぁ厭らしい事はされるけど、撮影なんてされないし..1回で全部終わらせてやるよ! やるならこの動画も消してやるよ」
「本当ね、本当に1回…援助交際すれば終わりで良いのね」
援助交際なんて言ってないけどな..
「ああっ1回だけ地獄を味わったら終わりで良い」
「解ったわ」
「変なビルに来るのね」
「まぁな…だけど、しっかりした所だから書類の取り交わしもするよ…俺の借金も終わった事が書いた書類があった方が嬉しいだろう」
「そりゃあね..」
「連れて来ましたよ.「俺の借金を無くす代わりにバイトする」そういう約束で連れて来ました。
「ああ解った、それじゃこの書類にサインして…それで此奴からの借金は無くなる」
「解ったわ」
「あと、年齢は22歳で書いてね」
「解った」
此奴本当に馬鹿だ、碌に書類に目を通さずにサインしやがった。
「それじゃ約束の200万だ」
「ありがとう…それじゃ」
「ちょっと200万って何? 私..も」
「お休みお嬢ちゃん…次に目が覚めた時はもう海の上だ」
洋子が次に日本の地に帰ってくるのは早くて1年後…
運が悪ければもう二度と帰って来ないかも知れない…
決着
流石に此処までやったからバレた。
放課後学校に残る様に言われて、家の母親百合子も呼び出された。
校長に教頭、担任、そして徹夜、邦夫に徹の親たちが来ていた。
まだ洋子の親は此処には居ない。
夜遊びの好きな洋子だからまだ親が気がついて居ないのかも知れない
「竜星! お前が何で此処に呼ばれたか解るか?」
嫌な話をするから百合子には廊下に下がって貰っている。
これは俺が決着を付けなくてはならない。
しかし、教頭の口は臭いな!
「何の事か解りません?」
「お前、何か盗まなかったか?」
「何も盗んでいません!」
「嘘を言わないで、貴方が遊びに来た後に、実印や家の権利書が無くなっているのよ!」
「ああっ、徹夜のお母さんですか? それは盗んだのではなく借金のかたに徹夜くんから貰ったんですよ!」
「嘘言わないで…それに借金なんてあったって、何千万なんて単位じゃ無いでしょう…返しなさい!」
「だったらちょっと待って…ほら!」
ボイスレコーダー
「おい、徹夜! 借金の方にこれを貰っていくわ!」
「それで良いのか?」
「ああっこれで勘弁してやるよ…もう残りは払わないで良いや! ただ残り二人からはしっかりと貰うからな? お前は介入してくんなよ!」
「ああ、解ったそれで良い!」
「ねぇ、ちゃんと徹夜くんに許可を貰っているでしょう?」
「おい、お前は頭が可笑しいのか?…幾ら何でも当人が許可したからって権利証を持ち出すなんて…何千万もの価値があるんだぞ!」
「せんせ..待って」
ボイスレコーダー
「子供同士の遊び」「大した事無い」「やり返さないお前が悪い」
「なんだこれは!」
「先生たちが前の虐めの時に言った言葉だ..」
「揚げ足を取るな..物事には限度がある、幾ら何でもやり過ぎだ」
「先生、前の時に僕が幾ら脅し取られたか解ってないんだ…三千万だぞ!」
「えっ…馬鹿言うな! そんな金子供が用意出来る訳ない」
「用意したんだよ…男相手に体売らされて…闇金から金引っ張らされてな!」
「そんなわけないだろう…」
「証拠はある!それが遊びなんでしょう? 三千万脅し取った事が遊びなら、今回も遊びじゃねーの?」
「前の時にそんな事があったのか..だがな」
「それにこれは脅しとったんじゃない! そいつ等に脅されて闇金から引っ張った金の返済に使ったんだぜ…徹夜や徹、邦夫の遊びの為に借りた金の返済に使ったんだ何の文句があるんだ?」
「だが、徹夜は未成年だ借金なんて法的に」
「徹夜のお父さん、生兵法だぜ良いか? 確かに未成年は保護されている、だがな…法を犯している者は別なんだよ、この場合は成人と偽った、脅したが該当する!今回は暴力で脅し取ったんだから弁済義務があるんだ」
「待て、確かに俺はお前からお金を脅し取ったが、そんな金額じゃない」
「俺だってそうだ」
「僕も」
「徹は関係ないだろう? 確かに12万円貰ったが…お前が昔脅し取った金額と比べてどうだ? 多いか?あん!」
「僕は釣り合っていると思う」
「どうかな? 徹のお母さん!貸し借り無しなんだから帰って貰えないかな? 徹も此処からは大きな金の話になる帰ってくれないかな!」
徹は貧乏だ、こんな物で良いだろう?
「ええ、解ったわ…前の時に脅し取ったお金がそんなだったのね…徹、本当に同等の金額だったのね?」
「うん」
「なら良いわ…喧嘩の事、その子が自殺未遂まで追い詰めたんだから仕方ない…これでもういい、終わりで良いのよね?」
「ああっ」
「そう? じゃぁ家は片付いたみたいだから帰らせて貰うわ」
これで1件終わり…後は2件と
「あのさぁ、徹夜に邦夫…じゅあ幾ら俺から脅し取ったか解るのか?…金額を言ってみろよ!」
「…」
「….そんな金額では無い筈だ」
「なぁ、良く考えろ? 1回が5万や7万でも数が多ければ直ぐに100万超えるんだぜ! しかもクラス全員の仕切りをお前が行っていた…結構高額にならないか?」
「だが、それは俺が手にした金じゃない」
「だがな、お前が許可出していただろう? ちゃんと証拠もある! 許可したって言う事ならお前が払うのが当たり前だ! 全員分合計したら俺の言う金額になるんじゃないのか? しっかり考えろよ!」
誰が幾らか何て解らないだろう。
こっちは水増ししてあるが手帳に金額を書いてある…つまり証拠が出せるのだ。
時間や日時が合っているのだからこっちが有利だ。
「誰が幾らかは解らない…全員のは把握してない」
「なぁ…先生にお父さんやお母さん方…これは単純な話だ、物凄い虐めをした挙句自殺に追い込んで死にかけた人間が、その時に奪われたお金を取り戻した、それだけだよ! 取り上げたお金は元々そいつ等が俺から取り上げたお金だ…良いのか?俺と揉めて! ゲームと称して自殺に追い込もうとした証拠もあるぜ! 自殺ゲ―ムっていう遊びなんだろう…教師迄関与してよ」
ボイスレコーダー
「お前な..ただ殴られたりしただけで自殺なんてするなよ…迷惑なんだよ」
「そうそう、やり返せないお前が悪いんだ、死のうなんて考えず、男ならガツンとやりかえせ」
「女の子に虐められるなんて情けないわ…言い返したりやり返せば良いのよ」
「なぁこれ問題にして困るのどっちだ? 自殺に生徒を追い込むのに教師が荷担、更に子供は自殺に追い込む事をゲームとしてやっていた…しかも脅しを掛けて売春させた挙句に闇金から金を引っ張らせた…流石に銀行強盗は出来ないから借りた、そのお金は全部アンタラの子供が使った…犯罪じゃ無いか?」
「「「「「「「…………」」」」」」」
「俺がしたのは、あんた等の息子が俺から取り上げたお金の回収だけだ! 問題にして困るのはどっちだ?…警察呼ぼうぜ! 俺のは民事だから問題無いが困るのはそっちじゃないかな?」
まぁ俺も暴力を振るってはいるがな…だが、警察でもいじめが元で自殺未遂の調書があるから問題ない。
「それでどうする? 俺はどっちでも良い、ただ今度は黙らない、虐めの証拠から脅し取られた金の事や脅されて男相手に売春させられた事全部言うけど? 仕方ないよな、それが動機なんだからな、そして俺はただ取り上げられた金を返してほしかったそういうだけだ?」
「家を、家を帰して下さい…親から貰った大切な家なのよ」
「もう無いよ? 徹夜くんが遊んだお金の借金の方に渡したからね」
「おい、それじゃ家もか?」
「まぁね…仕方ないじゃん邦夫くんが遊んだお金の借金の方なんだからさぁ…もう闇金に渡しちゃったよ」
話し合いは夜まで続いた。
仕方ないから、闇金に電話して弁護士を連れてきて貰った。
弁護士に100仲介に50も取られたが仕方ない。
案外義理堅く、当人も来て法的に脅しを掛けて、しっかり示談書を書かせて終わり。
内容としては、「今回の件はこれで終わり…お互いに今後問題が生じても一切責任は無い」そんな内容だ。
これは凄くあくどい。
何故なら、実印や印鑑証明を使って「悪事をする」のはこれからだ…
それに対しても「俺が責任を取らなくて良い」そういう状態にしてくれたという事だ。
これで、今迄の虐め問題がようやくひと段落ついた…
エピローグ
しかし、詰まんねーな…
あの日から誰も俺に逆らわなくなった!
誰もがだ…可笑しいだろう!
此処まですれば、裏についている暴走族、場合によってはヤクザが動き出す。
普通は俺を拉致して攫って最低でも死ぬ程木刀を背負わせる筈だ。
場合によっては指の数本も斬り落とす。
女だって普通なら俺を攫って吊るし上げてチェーンで殴り続ける。
更に酷ければ…カミソリでズタズタにしてペニスを切断。
それが当たり前の世界で生きていた。
だが、此処にはそれが無い…
結局彼奴らには後ろ盾もいなかった..
話しはあれで終わってしまった。
洋子はただ警察に失踪届けを出して終わり。
親はだれか男と暮らしていると勝手に思っている。
本当は、今頃は毎日の様にマグロ漁船で犯されているだろう…
そして運が悪ければ海にポイされて終わりだ…
こんな生ぬるい世界で…俺は退屈しながら生きていく…
金も女も簡単に手に入るが本当に詰まらねーな
《FIN》
あとがき
最後まで読んで頂き有難うございます。
70年代のダークな不良を「いじめ」にぶつけてみました。
本当はこんな簡単にいきません…本当に凄い現代の不良なら裏に半グレが居るからです。
ですが、そんなのは一握りで、大体はお手軽間隔でいじめをしている人間が大半じゃないでしょうか?
そこに、70年代の本当の危ない不良をぶつけてみました。
この中で「マグロ女」だけはフィクションですが後はかなりリアルに近いです。
また何処かの小説でお会いしましょう
石のやっさん