何処にでもある追放の風景。
「リヒト、お前は今日限りでクビだ」
何を言われたのか解らない。
クビにされる理由が解らない
「何で俺がクビになるのか解らない。俺は今迄上手くやっていた筈だ」
確かに、最近仲間の様子が可笑しかった。
今迄俺に好意的だった幼馴染も恋人も妹も急に冷たくなってきていた。
以前は俺とガイアを同列で扱ってくれて居たのに…最近では俺はつまはじきされた状態だった。
ガイアは勇者だから…そう思っていたが…どうやら違った様だ。
何故なら…三人が誰も止めに入らない。
「そうね、此処から先はもう貴方は要らないわ…四職でも無い貴方はもうついて来る必要は無いわ」
彼女はセシリア…俺にとってはそう姉の様な存在だった。
年齢は1つ年上で赤毛のセミロングの長身の美少女、そしてジョブは剣聖。
何時も平等に接してくれていた、こうも一方的にガイアの味方になるのは解からない。
こんな説明も無しに斬り捨てる様な人じゃない…理由があるなら、時間を掛けて説明する様な人だった筈だ。
「そうね、貴方は足でまといね! このパーティに貴方は要らないわ…そして婚約も解消するわ」
「いきなり何でだよ..この間まで仲良くしていたじゃないか?」
「はぁ~あんたがガイアの幼馴染だから、仲良くしていただけよ! それだけの関係なのよ」
「だったら何故、リサは俺と婚約なんかしたんだよ!」
「一時の気の迷いよ! 気の迷い! ガイアが冷たいから貴方と付き合っただけよ」
そんな、彼女の名前はリサ、ジョブは聖女…金髪のポニーテールの背が低い可愛い童顔の女の子だ。
そしてつい2週間前に婚約した。
結構その前から仲良くしていた筈なんだが..何でこんな事になっているんだ。
嘘だろう…俺があげた左手薬指の指輪が無い。
それなのに、なんで露店に売っている様な安物の指輪をしているんだよ。
「俺の指輪は?それは何」
「売ったわ、この指輪はガイアに貰ったの」
「それじゃ..」
「そう、私はガイアの物よ! 勿論身も心も捧げたわ」
「リサ…そういう事は結婚してからだと言っていたじゃないか?」
「しょうがないじゃない! ガイアがしたいというんだからさぁ」
可笑しいな…あれ涙が出て来た。
俺が可笑しいのか…リサはこんな女じゃない。
「リリ、お前もお兄ちゃんは必要ないのか?小さい時から一緒」
「キメ~んだよ、兄貴風吹かせやがって…私もガイア様の物よ…要らねーんだよお前は」
リリは俺の妹みたいな女性だった。ジョブは賢者、背が低く水色髪で童顔。
本当の妹ではないが親を失ったリリをうちが引き取って育てていた。
そして両親が亡くなった後は俺が育てた。
その為『お兄ちゃん』と慕ってくれていたのに…可笑しい。
このパーティで俺が不必要というのは解った。
「そうか…皆は俺が必要無い、そういう事なんだな…ガイアお前もか?」
「ああっ剣士のお前は要らないな~まぁどうしてもというなら荷物持ちとしてなら雇ってやるよ」
なんで此奴はこんなにニヤついているんだ。
俺が惨めになるのがそんなに嬉しいのか。
「全員の総意じゃ仕方ないな…解ったよ、それじゃあな」
「これでガイアといちゃつけるな」
「ちょっとセシリアズルいよ」
「まぁ邪魔者は居なくなったんだから、何時でも出来るだろう、リサ」
「そうね」
「え~リリも」
まだ俺がいるのに三人はガイアに抱き着いていた。
なんだこれ…
まぁ良いやもう…俺は全部失ってしまった。
最早生きていても..もういいや。
◆◆◆
俺と勇者のガイアは、幼馴染で辺境の貧しい農村で育った。
そこに妹分のリリ、に隣村のセシリアやリサが加わり5人で良く遊んだ。
俺は、皆から相談も良く受けたし、ガイアの親が死んだ時も含みいつも寄り添っていた。
それなりに仲が良い、そう思っていたのに..どうやら、違ったみたいだな。
◆◆◆
俺とガイアに致命的な差異が生じたのは3年前。
職業ジョブという物がある。
誰しもが十三歳になると、選別の儀を受け、神々からジョブを授かることができる。
剣の才能を持つ者は剣士に。魔法の才能がある物は魔術師になる。
つまり自分がどういった才能に優れているのか、この日に解ってしまうのだ。
自身の才能を目覚めさせ、新しい力を次々と与えてくれるジョブはどんなに頑張っても覆られない。
5年間死ぬ程努力してもジョブ無しは剣士のジョブ持ちには勝てないその位の差はある。
ガイアはこの世界最強の勇者のジョブを授かった。
これは、その気になれば王都に行き面接するだけで騎士爵が貰えるジョブだ。
リリのジョブは賢者。
魔法を使える人間は100人に1人位しか居ない。
その殆どが初級メイジが多いなか、最高位のジョブになる。
リサのジョブは聖女
ヒーラーとしては最高のジョブでありとあらゆる回復魔法や結界魔法が使える。
そしてセシリアのジョブは剣聖。
剣を持てば天下無双、このジョブがあればただの子供でも騎士に勝てる。
4人は最高のジョブと言えると思う。
そして俺。
僕のジョブは剣士…まぁ普通によくあるジョブだ。
それでもガイアは俺を何を思ったのかパーティに入れてくれた。
その後の扱いは最低だったが..仕方ない、力が皆に及ばないんだからな。
報酬も少ないが仕方ない。
だが、皆は雑用が全くできないから、力が無い分、それを頑張った。
ガイアは兎も角三人は、なんでここ迄俺を嫌うのか..本当に解らない。
ちゃんと説明してくれたなら、笑って居なくなったよ…
これだけ付き合いがあるのに別れってこんなに簡単に終わるんだな。
もう俺には…何も無い。
勇者SIDE
「ふあはははっ、これは溜まらない」
今の俺は邪魔者を追い出して、宿屋でパコっている。
あの清廉潔白なセシリアが、あのリヒト命のリサが俺に喜んで体を差し出したんだぜ。
今はよ、俺の精子だらけになりながら股から精子を垂れ流しながら気絶してやがる。
この『魅了』という勇者しか持てないスキルは凄いな。
そして今は、極度のブラコンのリリが俺に跨り腰を振っている。
「はぁはぁ…あ~んガイア様」
女の心変わりはスゲーな。
この三人少し前までは全員リヒトが好きだったんだぜ。
しかもこの俺が勇者になったのにたかが剣士のリヒトが好きだなんて大馬鹿だったんだぜ。
それが、今は俺の為に体を使う性処理女に成り下がったんだぜ…あ~楽しいな。
俺はあのリヒトが気に入らなかったんだ。
村でもリヒト、リヒトって俺の親父もお袋も彼奴を褒めてばっかりだ。
俺の方が顔も良いし、天才なのによ…
何時も「リヒトを見習いなさい」ばかりだ。
彼奴は年寄りから子供まで皆の人気者だ。
俺の方が何でも出来るのによ…何時も2番だ。
セシリアに告白した時もよ
「ごめん、私はリヒトが好きなんだ、ガイア、君への想いは弟の様にしか思えない」
そんな事を言いやがる。
しかもよ…
「だがリヒトが好きなのはリサなんだろう?」
「そんなのは解っている…それでも私はリヒトが好きなんだ、何時までも待っているつもりだ」
だとよ…ふざけんなよ。
リリも同じだ。
「ごめんね、私リヒトが好きなの」
「だが、リヒトは妹としか思っていないのは解っているんだろう」
「うん…それでも他の人は好きになれないんだ」
だとさぁ…
リサはまぁ元から彼奴が好きだから言っても無駄だ。
しかもよ、俺のジョブが勇者になって彼奴が剣士になっても「この気持ちは変わらない」なんて全員言うんだぜ。
本当にムカつくよな。
しかも…三人してリヒトといちゃつきやがって、本当にムカつく。
そんな俺に奇跡が起きたんだ。
勇者の中でも限られた勇者にのみ宿るスキル『魅了』が俺に宿った。
思わず小躍りしてしまったよ。
これで、三人を寝取ればリヒトの泣き面が見れる。
俺を馬鹿にしたあの三人へも復讐が出来るんだぜ。
折角だからリヒトに見せつけてから追放しようと思っていたのによう..
「そんな事しないで追放しよう」
「悪趣味すぎるよ」
「幾らなんでも可哀想だよ」
と反抗しやがって、仕方ないから見せつける前に追放するしか無かったんだ。
本当に詰まらねーな。
彼奴、泣きながら戻ってきたりしたらおもしれ―んだけどな。
疲れた…忘れられない
何だか疲れたな。
村に居る時から5人で過ごしてきた。
親友に兄弟に幼馴染に婚約者。
その全てがあそこにあった。
村に帰っても、あの四人の関係者しか居ない。
幾ら俺が働き者だとしても、勇者と比べたら俺は…駄目だな。
村に彼奴らが帰ってきたらまた居場所を失う。
もう何処にも行くところは無いんだな…
◆◆◆
お酒を飲むなんてどの位ぶりだろうか?
「あんちゃん…いい加減止めた方が良いんじゃ無いか?」
「放って置いてくれ…俺なんてどうなっても良いんだ…」
もうどうなっても構わないさ…
もう、俺には何も無い、生きていても仕方が無い。
「兄ちゃんは若いし、これからだろう? 良かったら相談のるぜ」
酒の勢いに任せて俺は自分の身に何が起きたのか話した。
「成程なぁ…兄ちゃん、それは『魅了』だな」
「魅了?」
魅了ってなんだ…
「ああっ、勇者の中で一部の勇者のみが授かるスキルでな『嫌いな相手にも、好きになって貰える』という恐ろしいスキルだ」
話を聞いた酒場の人間が集まり話しだした。
「勇者の使う、魅了か可哀想だが、諦めるしかねーよ」
「あれを使われたら、おしどり夫婦でも終わりだ」
「ああっ、その昔の勇者カインの時には酷い物だったな…解けて女が解放された時には皆がボロボロだった」
そんな酷い話がある物か、どんなに愛し合っていても、そのスキルを使われたら壊される。
そして、相手がゲスな相手であっても好きになる。
何故、女神はそんなスキルを与えたんだ。
「兄ちゃん、もう忘れて何処か遠くにいった方が良い」
「俺も勇者カインの時に妻を奪われた…俺は未練がましく待っていたさ…確かに妻は帰ってきたけど、ボロボロだった…そして別人のようだったんだ」
かなり先という事であれば帰ってきた事はあるそうだ…だが、その時は心も体もボロボロ、しかも性格まで変わっていた…そういう事だった。
「貞淑な妻がまるであばずれの様だった。俺もつい責めてしまってな…暫くしたら妻は首を吊って死んでしまったよ…まぁ、街の人間からも嫌われていたから、行く場所が無かったんだろうな」
本当に酷いな…だけど、精神を壊す様なスキルは使用禁止の筈だ。
「ですが…誰もそれで訴えなかったのですか」
「訴えたさ! だがよ『勇者保護法』で勇者のみ精神系のスキルを使っても無罪なんだとよ」
「そんな..」
「兄ちゃん…もう終わりだ…諦めて何処かへ行った方がよい」
「そうだ…俺の様になるな…帝国にでも行けば、気にせず暮らせる…忘れろ」
俺は5人の世界で生きていたんだ。
そう簡単に忘れられるかよ。
橋から落ちて。
久々にお酒を飲んだ。
勇者パーティに居た頃は金が無かったから余り飲んだ事は無かったな。
今思えば酷いピンハネだった。
たかが、オーガ1体狩るだけで2週間遊んで暮らせる。
行きがけの駄賃でオーガを狩ったから、金には暫くは困らない。
もう誰も俺なんて必要としない。
このまま死のうが誰も泣かない。
親も居ないし…俺の人生はあの4人だけが全てだった。
『魅了』卑怯な事しやがって。
俺と違って裕福でイケメンで勇者のお前なら、こんな事しないでも3人に愛されただろうよ。
なんでだよ…正々堂々と奪えば良かったじゃねーか。
それに、お前はその3人じゃなくても王女でも貴族の令嬢でも幾らでも相手はいるだろうよ。
何が『三人とも家族みたいなもんだ』だ騙しやがって。
チクショウ、チクショウ、チクショウ…
「リサぁぁぁぁぁ、あんなにも変っちまうのかよ…女神の馬鹿野郎っ」
ザブンーーーッ
冷たい。
そうか酔っぱらって橋から落ちたのか…
まぁ良いや…もう俺には何も無い。
このまま死んでも…良いや。
これで楽になれる。
『なんだ、俺はどうしたというんだ…何故溺れかかっている』
『沢山の恨みを買ったからか…』
誰に恨みを買った?
俺は沢山の女を幸せにしてやっていただけだ。
そこ結果…金を貰っていただけだ…それの何が悪い。
◆◆◆
なんだこの光景は…
異常だろう…俺にこんな記憶は無い。
沢山の女性を抱いている俺なのか? そんな姿が見える。
1人2人じゃない100いや1000以上の女を抱いている…いや抱いているなんて話じゃない。
まるで獣の様に貪っている姿が見える。
若い子から、熟女迄、物凄い沢山の女相手に考えられない位の…性処理、これは違う、そんな生易しい物じゃない。
こんな性交なんて知らない…こんな破廉恥な事をする人間なんて存在するのか。
これは妄想なのか? 女を知らずに死んでいく俺が見た妄想なのか?
いや違う、この感触は覚えている。
何処で?
言っちゃなんだが、俺は女性経験なんて無い。
だが…これが妄想…そうは思えない。
俺は確実にこれらの記憶はある…
思い出した。
思い出した…俺は聖夜…
ジャパン ベスト エージェンシーのナンバー1。
白馬 聖夜だ。
上に月が見えている…あそこに行けば助かる。
必死に泳いで、泳いで水面にでた。
ぷはぁぁぁぁ、げえぇぇぇっ。
どうやら俺は助かったようだ。
「お前大丈夫か?」
女騎士か。
どうやら俺の事を心配してくれているようだ。
あれが…本当なのか確かめたくなった。
「綺麗なお嬢さん、心配してくれてありがとう。お礼に今宵パラダイスに招待して差し上げましょう」
言葉が口から当たり前の様に飛び出した。
目の前の女騎士は顔を赤らめ動揺している。
「なっ、あの」
俺は優しく左手で女騎士の手をとり右手を髪に回した。
ジャパン ベスト エージェンシーとは 【解説】
時は1980年代~1990年代。
この頃の日本はある意味凄かった。
今では余り考えられない様な仕事や風俗があった。
その中の一つに、売り専ホストがある。
今でもあるのかも知れないが…当時は今とは比べ物にならない位ゴージャスなお店もあった。
聖夜が所属する『ジャパン ベスト エージェンシー』とはそういう高級店だ。
(店名は架空の物ですが、こんな感じの横文字の名前が多くありました)
こう言った高級店はセレブ御用達なので簡単には勤められない。
例えば、お店の面接を受けるのに10万円かかる。
これは時期によっては無くなったが、ただ入店の為の面接を受ける為に10万円掛かるのだ。
しかも、これは落ちても返して貰えない。
この面接に受かると次は実技試験になる。
この試験を受けるのにかかる費用は店によって違うが、高い所だと20万円。
これは大体が『初物好き』なお客か、場合によっては高級店の風俗嬢を相手に行われる事が多い。
別にテクニックとかを見る訳でなく、その人間の素質を見抜くらしい。
合格基準は良く解らない。
だが『人前でSEX』が最低出来ないと確実に落ちる。
つまり、下手でも良いから、人に見られながら女性に奉仕できなければほぼ確実に落とされるだろう。
これをクリア出来たら本採用だ。
まず入会金30万円と保証金100万円を納める。
この時点で入会金の30万円は例え辞めても返って来ない。
保証金の100万円は粗相をしなければ辞めた時に返して貰える。
こういう高級店のお客はとんでもないセレブが多い。
その為ドレスの脱がし方や貴金属の外し方を失敗して壊すと大変な事になる。
そういう不測の事態に備える為のお金が保証金だ。
ちなみに、これを越える損失を出しても、それ以上はお店が出して請求されないがクビになる。
但し、相手はセレブなので信頼関係が出来ていたら、何かしてしまっても弁償なんてさせられない。
80万円の高級ランジェリー誤って破いてしまっても、300万円位のネックレスを千切ってしまっても許して貰えることの方が多い。
怖いのは壊してしまって….お客に嫌われ怒らせた場合だ。
話は戻すが。
無事保証金と入会金を支払うと正式にメンバーとして登録されマネージャーがつく。
月2回最低保証の紹介が始まる。
待ち合わせ場所は高級ホテル。
お客様(会員?)に会う前にマネージャーとロビーで待ち合わせをする場合が多い。
場所が喫茶店の場合はマネージャーがお茶を奢ってくれる。
そしてホテルの部屋まで送ってくれる。
一番安いコースで90分5万円
マネージャーが受け取り半分の2万5千円がホストの取り分だ。
こんな感じ…
男性より女性の方が欲求が多いせいか、折角高級店のホストになっても1か月後に残っているのは僅か1%。
1年後に残っているのは更にその10%に満たない。
ちなみに、この商売はリピートを増やし、愛人契約をとるのが金銭を得る近道と言われていた。
1か月4回 1回2時間の契約で50万円~400万円の契約をとる存在も居た。
時代のせいか、イタリアの車の新車やマンションまで買って貰う人間も割と多く存在する。
勿論、ここ迄お金を貢がせる訳だから…ただ事じゃない位のサービスが必要。
その話はおいおいリヒトの行動を見て下さい。
※嘘だと思うかもしれませんが、これが昭和のバブル時代にあった、セレブ御用達の高級会員制の売り専ホストのシステムです。
最もこの金額は、その中でも私が知っている限りの最高級店の金額です。
此の世界で初めての実戦
元の世界では数えきれないほどのSEXをしてきた俺だが、此の世界ではチェリー。
つまり童貞だ。
「お前、もしかして自殺者か? こんな夜に川に飛び込むなんて…その恰好からするとお前も冒険者だな…確かに冒険者なら嫌な事があったら酒と女だよな! いいぜ!私も此処の所ご無沙汰で溜まっているから付き合ってやるぜ」
どうやら騎士ではなく冒険者だったようだ。
此の世界、一般人の性意識は結婚するまで垣根が低い。
更に言うなら熟女は更に低くなる。
人間の寿命が50年から60年の世界だ。
都市部なら兎も角田舎なら17歳で行き遅れという実に馬鹿げた世界だ。
SEXを楽しみなら22歳以上いや20代後半からが楽しいと言うのに『そんな事すら考えてない世界』だ。
まぁこの世界の神は、女神で処女神だから『性の喜び』なんて解らねーからの世界観なんだろうな。
「はははっバレバレですね…それじゃお言葉に甘えさせて頂きます」
「ああっ、付き合ってやるよ」
この冒険者の女性は恐らく20代後半。
騎士の装備に近いから、かなり階級の高い冒険者なんだろうな。
可能性としては未亡人なのかも知れないな…
「それじゃ…」
「うんぐ..うん、うん…こんな人前でいきなりか」
軽く腰と頭に手を当てがいながらキスをした。
ただの軽いキスではなく舌を潜り込ませる様な濃厚なキスだ。
「お姉さん、すごく綺麗だね」
「うぐっううん、うん、うん、ぷはっ、ちょっとうんうぐううんううっ…ハァハァ」
どうやら、キス位は今の俺でも真面に出来るようだ。
その証拠に相手の目が蕩けそうになっている。
蛇の様に舌を絡め貪る様なキス。
向こうなら兎も角、この国ではまずしている人間は滅多にいない。
「それじゃ行こうか?」
「ハァハァ~ お前ハァハァどんだけ溜まっているんだよ…こんな事する奴、いないよ…凄く楽しめそうだ、ハァハァ」
返事をしない代わりに腰に手を回し、下半身軽く密着させながら目を見つめた。
「それじゃ、行こう」
「あっ..」
抱擁だって極めれば女性の心を惹きつける武器になる。
キスも抱擁も前世の自分なら何万回もした事だ。
どうやら、体はしっかりと覚えていた様だ。
◆◆◆
近くの安宿に二人して入った。
一応は個室にシャワーはついている。
本来はシャワーを浴び前からする事は沢山ある。
今回は今の自分が何処までやれるのか、その確認だから、そこ迄はしない。
部屋に入るなり、軽くキスをする。
最初は口をついばむ様な軽い感じから始めて、舌を滑り込ませ舌を絡めとる。
「うんぐううん、うん、ぷはっ..随分手馴れているんだな」
「それじゃ、シャワー浴びてきます」
先にシャワーを手早く済ませ、女性を待たせない。
これが最低限のマナーだ。
シャワーを頭から浴び、体を手早く、綺麗に洗う。
良くもまぁ、こんな髪型にしていたもんだ。
後で、しっかり手入れするか…いまは、仕方ないな。
こんな物で…勘弁して貰おう。
「シャワー終わったよ…どうぞ浴びてきて」
勿論、嫌な思いをしない様に綺麗に片づけた後入れ替わる。
一緒にシャワーを浴びながらという方法もあるが…今の体になってから初めての体験。
普通で良いだろう。
「お待たせ」
明かりはやや暗くし準備は整っている。
雰囲気はばっちりだ。
ベッドに来た彼女を抱きよせ再びくちづけをする。
彼女の顔が赤まり、息があがり、女らしさが増す。
「ハァハァ…ああっ」
そのまま口を耳の裏側から首筋に回し耳の近くを優しく舐めながらそっと囁く。
言葉を選び…「可愛い」と囁いた。
綺麗と可愛い、どちらにするか迷ったが、年上の彼女に敢えて「可愛い」を選んだ。
「ば…か、何を言うのよ…年上に、凄く恥ずかしいわ」
そう言いながら、顔を赤くしながらも嬉しそうだ。
そのまま、口を離さないままナメクジの様に這わして脇の下を舐める。
「なんで…そこは汚いわ、そんな事までしなくていいわ…ハァハァ、くすぐったいわ」
「汚い事なんてないよ…それにこれをしながらだと、君の顔が見れるからし..」
「ハァハァ、全く仕方ないな..いいよ」
くすぐったそうに体をよじらせる彼女が愛おしく感じる。
例え、それがその場だけでも『相手を愛おしく思う』それが必要だ。
自分中でスイッチを入れる。
そうで無ければ『プロ』になんてなれない。
この時間だけは『彼女より愛おしい存在は居ない』
此の世界の一流の闘士は言葉を力に変えてより強い力を引き出す。
それに近いのかも知れない。
そのまま乳首に移り舐め回す。
「ああっ、あんあん…ああっ気持ち良い」
口の中の飴を舐め回すように続ける。
本来はこの後も色々あるが…今回はそれはしないで…一気に下に視線を移す。
「嫌、何見ているの…恥ずかしい止めて」
だが、俺は止まらない、そのまま口を女性の股間に移し舐め始める。
俗に言うクンニ。
これが案外日本人だと出来ない男性も多い。
また出来る男性の多くも彼女なら、衛生的ならという条件が入る。
此の世界は前の世界程、性は進んでいない。
だから、女性も下の毛の処理をしていない。
「気にしないで良いよ」
そう言いながら口を離さずしっかりと舐め続ける。
「ああっ、あああんああああーーーっああーーっ」
そして、そのまま口を肛門に移し舐めながら、も股間を触る事も止めない。
「ああっ、そんな事、そんな事しないで良いの~ハァハァ…あああっーーー」
此の世界での俺は童貞少年だ。
もし、こう言う行為に抵抗があって出来なかったらどうしようか?
そう思ったが、大丈夫だった。
もう準備は整った。
大丈夫だろう。
そのまま顔に移し、口づけを楽しんだ。
彼女は興奮状態なのだろう…女性器を舐め肛門を舐めて恐らく彼女の陰毛もついたであろう俺の口づけを受け入れた。
興奮気味で官能の夢から覚めさせないでのめりこませる。
これが出来ないと、この状況でのキスは受け入れられない。
上手く出来ているようだ。
彼女の股間に手を潜り込ませて、いよいよ挿入。
俺の物は…運が良い。
普通の人よりは結構大きい。
虚ろいだ目をしている彼女の股間に突き入れた。
「ハァハァ凄い、ハァハァ…はぁーーーっうんぐうん」
腰を使いながら、口づけしながら両手は胸を優しくもむ。
後は持続力だけが心配だ。
◆◆◆
横で彼女が寝ている。
満足したみたいにスヤスヤと。
時間にして8時間か…まずは及第点だな。
彼女も満足したよういだし、昔の奉仕する様な女性の愛し方が出来た。
俺は金貨1枚(約10万円)をテーブルに置いた。
プロ以外の女性を抱いてお金を払うなど、前世の時は数回しかない。
俺にとって女を抱く事はお金を得る手段。
プロだからだ。
彼女はこの世界で初めて抱いた女だからこれは敬意だ。
「ありがとう、楽しかった」
そう耳元でささやき寝ている彼女にキスをした。
「もう朝だな」
俺は手早く洋服を着ると宿屋を後にした。
未練が残るといけないから、名前はきかないし…振り返らない。
ただ、感謝は忘れない…
幼馴染は買えない
自分自身の能力は恐らく、絶世期の半分位か。
俺にはどうしても『魅了』に自分の能力が歯が立たないとは思えない。
前の人生で俺は『それだけ』の為に生き続けた。
新宿でナンバー1になり六本木でもナンバー1になり….一時は日本一と呼ばれた時期もある。
俺のお客には精神的に病んだお客も居た。
そんな人間にだって『幸せ』を味合わせた自信もある。
魅了が『洗脳』『薬物』そういう人間その物を壊す…そこ迄の物であれば難しい。
だが魅了に掛かっていても、両親の事も忘れる訳じゃない。
自分の使命を忘れる訳じゃない。
そう考えたら…心の全部を持っていかれる訳じゃないと言える。
恐らく、勇者への愛情を大幅にアップするそういうスキルだと考えれば良いのかも知れない。
憶測だが、もし 好きというパラメーターがあるとしたら、一気に最大値迄上げる事ができる。そういうスキルなのだろう。
そして、聞いた情報だと、二回は掛けられないような気がする。
今考えられる対策は
ガイアの好感度を出来るだけ下げていく。
幾ら最大限まで愛情が上がっていても下げていく事は可能な筈だ。
ボロボロで見る影が無いとはいえ『帰って来た』そういう事実がある。
これは希望的憶測だが…二度は掛けられない、そんな気がする。
そこからの憶測だ。
ただ、これは憶測にすぎない。
真実は全く解らない。
リヒトとしての俺は甘かったんだ。
かっての俺なら自分の女を寝取られる様な無様な事にはならない。
恋愛に『卑怯』はない。
『魅了』を使われたとは言え奪われた俺が間抜けなだけだ。
◆◆◆
俺にとってあの三人が必要な女なのか?
そこから考えた方が良いだろうな。
この世界に女は沢山居る…前の世界には居なかったエルフ等も居るんだ。
態々、可愛いとは言え村娘三人にムキになる必要はあるのか?
冷静に考えてみるべきだ。
例えば、エルフだ。
綺麗なエルフを俺にメロメロの状態にしてガイアに見せつけたら、絶対に悔しがるだろう。
もしくは、貴族だ。
村娘でなく貴族の令嬢を連れて見せつければ…ガイアの悔しがる顔が思い浮かぶ。
なんなら、今から故郷に戻って領主の娘と結婚して子供でも作れば、俺の勝ちだ。
いっそ…王族でも狙うか?
まぁ良い…奴隷商でも見て見るか?
◆◆◆
奴隷商を見て見た。
「これは、これはリヒト様じゃないですか?」
「何で知っているんですか?」
「そりゃあ、勇者パーティの1人、知らない訳無いじゃ無いですか?」
確かに、知らない訳無いな。
「それで今日は…奴隷を買われるのですか?」
「まだ、見学だけだが、少し考えている」
「そうですか、それならご案内させて頂きます」
そう言うと奴隷商は、色々と見せてくれた。
高級なエルフの奴隷にセクシーなダークエルフ。
そして人族では元貴族の令嬢迄居た。
頭の中で考える…一番高価なエルフでも半年頑張れば手が出る。
元貴族の令嬢奴隷でも3か月。
村娘の奴隷なら、数日の稼ぎで買える。
いぜ、こうして見ると…セシリア、リサ、リリより幾らでも容姿の良い奴隷がいる。
エルフはおろか、元貴族令嬢にも容姿は敵わない。
村娘の奴隷にすら同等の存在は居る。
俺は、聖女、賢者、剣聖には興味はない。
この中から選べば…確実に幸せになれる。
誰かに自慢なんてしなくても良い。
村娘を買い上げて、今迄幼馴染にしてあげたように優しくしてあげれば、それで良いんだ…
だが、駄目だ…解ってしまったよ。
幾らお金を払っても『幼馴染』は買えない。
『思い出』はお金じゃ買えない。
「案内してくれてありがとう」
そう伝えて、俺は奴隷商を後にした。
勇者SIDE: 失った物
勇者SIDE
なんだよこれは…
リヒトを追い出して、楽しい生活が待っている筈だった。
それなのに…なんだこれ。
「どうかしたのかガイア?」
「顔色が悪いよ」
「なんでかな?少し休んだ方が良いよ」
気のせいか、こいつ等可愛くなくなってきた気がする。
よく考えたら、こいつ等寝取って俺は何がしたかったんだ。
俺が見たかったのはリヒトの泣き顔だった。
彼奴の恋人や幼馴染を寝取り、俺の方が優れている。
そう見せつけてやりたかった。
だが…なんだよこれ。
確かに使える、穴があるのは良い。
だが、日に日にこいつ等は可愛くなくなっていく。
野営が多いから仕方が無い…そう思ったが、それだけじゃない。
宿屋でも同じだ。
しかも…野営の時は体臭や垢が気になってやりたい気分にならなくなった。
だが、それだけじゃない。
「何で誰も飯がつくれねーんだよ」
「あたし、やろうか?」
「セシリア、やろうかじゃ無いんだ..何でやらない…」
「ごめん、ガイア怒らないで…すぐやるから」
「わ、私も手伝う」
「すぐやれよ!ほんとうに使えねー」
「ガイア、私」
「リリは焚火でも集めてきてくれ」
野営一つ満足に出来ない。
なんだこいつ等、俺が言わないと何もしないじゃないか。
ハァ…理由は解っている。
リヒトだ。
リヒトが一人で雑用をしていたからこそ、こいつ等は何も出来ない。
ただ一緒に戦い、ただ抱けるだけの女だ。
リヒトが居た時と居なくなった後、どちらが快適かといえば、リヒトが居た時だった。
この後、俺が野営用準備するのかよ…川の位置も解んねー。
なんだこれよ…
◆◆◆
「ガイア様、貴方『魅了』を使いましたね」
貴族と司祭に見抜かれた。
なんで、何だ不味い事になった…何故見抜かれた。
どう見ても確証を持っていそうだ。
「勇者は…勇者は『魅了』を使っても罰されない筈だ…それより何で見抜かれたんだ」
「魅了のスキルを使った人間は目が少しだけ濁るのです。掛けられた相手もね」
そんな裏があったのか?
それじゃこのスキルは欠点だらけじゃないか…
「そんな裏があったのか、だが勇者は罰されない筈だ」
「確かにその通りです。ですが、これでガイア様の未来は…」
「俺の未来がどうしたと言うんのだ」
「儂が説明しよう…」
「あんたは?」
「この地を治める領主、ギルバールだ…これで君は王族との婚約や上級貴族との婚約の話は無くなった」
嘘だろう…なんでこうなる…リヒトを追い出してから碌な事が起きない。
「何故、そんな事になるんだ」
「当たり前じゃ無いかね? 何処の世界に自分の娘を『洗脳』する様な人間の妻にさせると言うんだ! 最初に言って置くがもう殆どの貴族や王族は魅了対策をした、無駄だよ」
そんな、俺は自分から大きなチャンスを失ってしまったのか?
しかも、対策があるなんて…そんな。
「あと、君がもし魔王を倒しても、かなり報償は減らされるだろうな、まぁそれでも男爵位にはなれるが、成らない方が身の為だよ」
「理由を聞いても?」
「我々教会関係にとって『聖女』は特別な者でして、それに魅了を使った者を教皇様が許すとでも? この国の枢機卿にももう話は伝わっておりますよ」
「『賢者』や『剣聖』は貴族や王族の婚約者候補でもあるのです。我が息子もその一人だった。かなりの上流貴族、王子に恨まれていますよ。貴族の位は諦めて報奨金で死ぬまで暮らした方が賢明です..ああっこの事はもう、王にも伝わっています」
そんな…
「それなら、何故それを事前にそれを伝えてくれなかったんだ…そうしたら俺は手を出さなかった」
「そんな事言うまでも無い、誰もがそう思っていました…だって過去に『魅了』を使った勇者が白い目で見られたり、報奨が減額された事は有名な話です」
「本来伯爵以上が保証された、魔王の討伐で、爵位が低かったり、貰えなかった人物の多くは『魅了』絡みです…此処からやけを起こさず、誠実に頑張りなさい…そうとしか言えませんね。爵位が欲しいならこれ以上は問題を起こさない事です」
「なぁ…本当に此れで終わりなのか?」
「勇者に終わりなんて事はありません、これから取り戻せば良いのです」
「頑張り給え」
支援金は貰えたが…散々だ。
これで、俺は上流貴族になる資格や王族や上流貴族との婚姻は無くなった…そういう事だ。
俺は…大馬鹿だ。
情報収集
心がチクリと痛む。
今も三人がガイアに抱かれているかと思うと涙がでそうになる。
これは俺の中のリヒトの感情だ。
本当に女々しいな…『もし、俺が勇者だったら』なんて考えるな。
例え、勇者だって油断すれば終わりだ。
恋愛に卑怯はない。
『他の男に抱かれている』それがなんなんだ。
俺は寝取りが多かった筈だ。
そうだろう?
俺を買った女達は結婚していたり、恋人が居た者も多く居た。
そんな女を自分の物にしてきた。
前の世界の良い女の多くは非処女だった筈だ。
中古かどうかといえば、良い女は殆ど中古だった筈だ。
リヒト…お前が三人を最高の女だと思うのは良い。
だが、女々しい事は考えるんじゃねー。
これから、俺がやるのは泥試合だ。
他の女の所に行けば、楽なのによ…お前が、いや俺があの三人を選んだんだぜ。
なんだか、変な気分だ。
聖夜でもあり、リヒトでもある。
そんな所か。
だが、やる事は一緒だ。
◆◆◆
心にチクリと痛みを感じながら俺は今、娼館の前にいる。
何故娼館の前に居るのか?
それは前世と今の世界のSEXの違いを知る為だ。
俺は前世では、新宿、六本木でナンバーワン、そして帝王とまで言われた事がある。
だが、此の世界ではまだ、この間チェリーを卒業したばかりだ。
子供ながら見ていたこの世界のSEX行為は…実に淡泊な物だった。
あれが、此の世界の一般的なSEXであれば、前世よりも楽なのかも知れない。
情報収集は必要だ。
冒険者ギルドで恥ずかしい話だが情報取集して近隣で一番の娼館とその店で一番の嬢を教えて貰った。
そしてサービスを受けたが…こんな物なのか?
軽いキスはしてくれたが、これもこの嬢が『特別』なだけ、一般的な嬢はキスがNGの子が多い。
避妊紋という呪印があるから、本番は出来る。
だが、手でしごいて挿入するだけ、しかも正常位と騎乗位だけだった。
バックや抱き着きながらもNG、キスも基本最初の1回だけだった。
そして驚いた事に口を使ったサービスや肛門へのサービスは一切なかった。
俺はチップとして金貨1枚払って話を聞く事にした。
「あの、教えてくれますか?」
「まぁ、こんなお金くれるなら、何でも答えるよ」
そう言って思い切って聞いてみた。
「あはははっ、そんな変態みたいな事誰もしないよ? 私が特別なのはキスをしてあげるから、これだって普通の嬢はしない…貴方が言っていた事は夫婦や恋人でもしないよ…それこそ奴隷を買って変態な事をする人間は解らないけどね」
そうすると、受け入れてくれたあの冒険者は…かなり寛大なみたいだ。
お礼を言い、娼館を後にした。
まだ、心配だった俺はお金を払い女冒険者数人に話を聞いた。
「それ、多分担がれたんだよ」
「私も性欲は強い方だけど、そんな事した事無いよ」
時間にして30分から1時間、キス、体を触る 挿入。
そんな事しかしないようだ。
此の世界の風俗はまるで昔の穴を貸してあげるだけの物に近く、恋人や夫婦、愛し合っている者でも濃厚なSEXはあまりしない事が解かった。
ちなみに昨日、俺がチェリーを捨てた相手は『赤髪のクリスチーナ』という淫乱で有名な女だった。
近隣では知らない者はないそうだ。
それであれなら、問題無い。
さぁ行こう…愛しい幼馴染の元へ。
楽しかった日々を取り戻すために。
何かが起きている。
俺は飛龍便に乗せて貰い、ガイア達の近くの街まで戻った。
交通手段を無料で使える。
これは俺が勇者パーティの恩恵にあずかれる唯一の特典だ。
冒険者証を掲示したときに拒否されなかったから、まだ俺はなんだかの理由でパーティ追放の手続きがされていない。
『あの時の様子だと直ぐに手続きされる』そう思っていたがどうやら違ったようだ。
なら、土下座でもすれば戻れる可能性は高い。
今になって思えば、ガイアはかなり性格が悪い。
これはリヒトの時には気が付かなかったが、聖夜の記憶が蘇ってからは…良く解った。
虚栄心が強く、何かと俺を馬鹿にしないとすまない奴。
それがガイアだ。
大体、三人は今の俺の頭で考えるなら…あいつには要らない存在だった筈だ。
上昇志向が異常に高いガイアの事だ、狙うは玉の輿だろう。
貴族、あわよくば王族との婚姻し貴族になり領地を持つ。
勇者パーティであれば複数婚が可能で側室は持てるが、三人が傍に居たら縁談の邪魔にはなる筈だ。
ガイアの人生に『あの三人』は要らない筈だ。
ならば、何故そんな必要ない者を寝取ったのか…
恐らくは俺への当てつけに過ぎない。
何故か、ガイアは俺に対抗心を持っていた。
本当に可笑しな奴だ。
全てにおいて俺より優れているくせに、何故か俺に対抗意識を燃やしていた。
勇者なんてこの世界の頂点のジョブを授かった癖になんで俺に対抗意識を持つのか解らない。
それこそ、ガイア以上に恵まれていると言うのなら、王子や上級貴族の嫡男に生まれなければやっかむ必要は無い筈だ。
幼馴染の三人が本当に好きなら仕方がない。
だが、どう考えてもそうじゃない。
玉の輿狙いなんだから…何時かは別れる存在じゃないか。
ガイア、お前は許さない。
『俺が三人を好きになったからこうなったのか』いや…そうじゃない。
今はそう思いたい。
◆◆◆
とりあえず、ガイアと幼馴染の宿の傍にまで来た。
同じパーティだとこういう時は楽だ。
ギルドで聞けば、何処にいるのか大体の場所を教えてくれる。
後はタイミングだ。
隠れながら4人を探した…そして4人を見た俺は…驚いた。
なんだあれ。
以前みた面影が、こんな僅かな期間で、かなり薄れていた。
ガイアは何といえば良いのか、勇者独特のキラキラ感が無い。
王子と言うかリーダーというか、あのさわやかな雰囲気が全く無くなくなっていた。
見た感じセシリアが一番酷い気がする。
あの爽やかななお姉さんという雰囲気は全くない。
やつれた雰囲気で目は濁っていて隈が出来ている。
よく見ると痣迄ある。
なんだか、絶望した人間…そんな感じがの印証だ。
服も何日も着ているのだろう、不衛生に見える。
リサは少し痩せたような気がする。
セシリアに比べれば、そこまでやつれた感じはない。
だが、顔色は決して良くないし、やはり腕や顔に痣がある。
笑ってはいるが、その笑顔はなんだかぎこちない。
リリは三人の中じゃ真面だが
それでも、顔は笑ってない気がする。
しかも足を引きずっている気がする。
第一印象は『やつれたな』だ。
それだけじゃない。まさか、ガイアに暴力でも振るわれているのか…
いや、ガイアは勇者だ…幾ら性根が腐っていても、今迄のガイアだったら、こんな外面が悪くなるような事はしない筈だ。
一体、何が起きていると言うんだ。
思った以上に不味い事になっていた。
『糞っ、リサ、リリ、セシリア!』
思わず声に出そうな気持を抑えた。
飛び出して『ガイアを殴りたい』そういう気持ちも抑えた。
一体、何があったか知らないが勇者に守れない訳無いだろう。
それになんだよ…その疲弊の仕方は。
飛び出して、問いただしたい。
その気持ちをグッと抑えた。
◆◆◆
「あっリヒト様」
俺は冒険者ギルドに顔を出した。
「極秘で聞きたい事がある」
「それは依頼と言う事で宜しいのですか?」
受付嬢の顔色が変わる。
「依頼でお願いする」
大した内容じゃない。
だが、依頼とただ聞くのじゃ大きく違う。
依頼であれば、冒険者は些細な内容であっても、責任を持たなければならない。
嘘や祖語はあってはならない。
それと守秘義務も負う。
だからこそ依頼にする必要がある。
「俺がそばを離れていた期間にガイア達に何があったのか情報が欲しい」
「そうね、それなら、幾人か候補がいるけど、そうだ、ギルドの酒場でなく、裏通りの酒場で待って居てください、ガイア様達に知られたく無いでしょう? それで情報料は簡単な話なら銅貨5枚、裏の話まで知りたいなら金貨1枚になります」
「金貨1枚でお願い致します」
情報料は、その内容で金額が変わる。
簡単な情報で銅貨5枚、裏まで知りたいなら金貨1枚。
金額に差があり過ぎる。
そうとう、裏があるに違いない。
金貨1枚払って俺はギルドを後にした。
◆◆◆
裏通りの酒場でチビチビやりながら待っていた。
「よう!」
情報屋のネッツか。
彼が来るなら情報料が高いのも頷ける。
きっと、普通の情報では解らない裏の事情まで教えてくれるのだろう。
「久しぶりですね。貴方が来ると言う事は、ふつうでは知りえない情報もある。そういう事ですね」
情報専門の冒険者で俺が産まれた頃にはもうベテランだった。
「まぁな、裏の裏までは多分、冒険者では俺しかしらないな」
「流石ですね。宜しくお願い致します」
「まずは、表の情報だ。お前さんが居なくなってから、ガイアのパーティは細かい失敗を良くするようになった。その結果、ガイアは荒れて仲間に手をあげるようになった」
この情報なら、精々が銀貨1枚だ。
ネッツなら、もっと深い情報を持っている筈だ。
「それだけじゃ無いだろう?」
「ああっ、ここからが俺の情報だ。まず魅了だが、一見解らない様に思えるが、目をしっかりと見続けると目に濁りがある事が解かる。これは一般人は知らないが上級貴族なら、以前の勇者が馬鹿した事から知っている」
やはり、魅了か。
あの野郎….
「お前さんには辛いかも知れないが…『魅了』をガイアは使ってパーティの仲間を性処理道具のオモチャにしていた。 婚約者を寝取られたお前さんなら何となく解っていたんじゃないか」
ああっ気がついていたさ。
去ってからだがな。
だが、それじゃ可笑しい。
「可笑しいじゃないか? 抱いている女を雑に扱い、暴力を振るう理由が解らない」
「彼女達を見てどう思った? お前さんが世話をしなくなってから、明かに見栄えが酷くなっているだろう?」
「確かに」
「これは少し憶測も入るが、多分『不潔で抱きたい』そう思うようになっているんじゃないか? それにまして、あのパーティは雑用が出来る存在が今いない。あの三人はお前さんが居たから綺麗だったんだ。つまり、何時も快適に過ごさせてくれる雑用を追い出した結果、そんな状況を生み出した…その八つ当たりが三人にいっている。 これはガイアの野営の場所を通った冒険者が『こんなことも出来ないのか』そう怒鳴る声を聞いた者が多いから間違いない」
俺のせいだ…俺があそこで縋ってでもいればこうはならなかった。
「俺のせいだな…」
「いや違う、この話には更に裏がある」
更に裏がある?
「ああっ、これは本当に極秘中の極秘だ。ガイアが『魅了』を使った事がこの地の領主ギルバール伯爵と教会にバレた」
だが、俺が知った情報では勇者は罰されない筈だ。
「だが、勇者は『魅了』を使っても罰されないのだろう?」
「表向きはな…だが、魅了を使った時点で上級貴族は自分の娘を嫁がせたりしないし婿にはしない。まして王族となれば、そんな危ない人間を王族には迎え入れないから王族の縁談も勿論なくなる」
「自業自得じゃないか?」
「ああっ、だがな、それだけじゃ無いんだ。 今迄の勇者で『魅了』を使った奴は平民に使っていた…だがガイアは身内に使った」
「何か不味いのか?」
「良いか? 三職、剣聖、賢者、聖女は上級貴族や王族の婚約者になる可能性すらあった。その婚約者候補を寝取ってしまったんだ。上級貴族階級や未婚の王子はガイアに友好的にはならないだろうな」
話を聞く限りだと…本当に馬鹿な事をしたんだな。
まさか、ここ迄大変な事になっているなんて思っていなかった。
これは直ぐにでもパーティに戻らないと不味い事になりそうだ。
プライドを捨てた夜。
居てもたっても居られなかった。
「糞、直ぐにでも行かなくちゃ」
「リヒトお前が行っても何も変わらない、辛い思いをするだけだ」
それでも…それでも…だ。
「それでも俺は行かなくちゃいけない」
「そうか、なら彼奴らは北の森でオークを狩っている。今から行けば野営の時間には間に合うんじゃないか? 場所は解っているよな」
「ああっ何となくなら解かる」
俺は走った、これでもかという位全力で走った。
北の森なら野営できそうな場所は限られている。
一か所目…居ない。
焚火が見えない。
二か所目…此処にも居ない。
三か所目…焚火が見えた。
この場所だ…見えた4人が焚火の傍に居る。
良かった…なんだこれは…。
「リヒト、久しぶりだな….どうした?絶望したような顔をして」
ガイアは俺を見ると悪魔の様に笑った。
◆◆◆
リリは死んだ目をしながら犯されていた。
しかも、全裸の状態で正常位…しかも下には敷物も敷かれていないから..背中が傷だらけになっていた。
「痛い..いたい…なんでもします…だけど痛いのはいや….」
聞き取れる微かな声はそんな声だった。
リサはその横に横たわっていた。背中は傷だらけで血が滴っている。
目には涙を浮かべながら…
「愛しています…愛している..だから酷い事はしないで…」
そう譫言を繰り返していた。
だが、2人これでも良い方だ…
問題なのは…セシリアだ。
明かに様子が違う。
「ガイア、お前何をしているんだ?」
「近くで見て見ろよ」
俺はセシリアに近づいた。
二人と同じで裸だが…性的な感じはしない。
「うごっうがぁぁぁぁぁうげぇぇっ…食べるし、入れますから…それで良いんでしょう…私使えないし…女じゃないから…」
「セシリア…何をして…うわぁぁぁ、直ぐに吐け..吐くんだっ」
「吐くんじゃねーよ」
「うごっ、うぐうぐうぐうううっ、食べます…食べますよ..だから」
なんでこんな事するんだよ。
何の意味がある…ふざけるな…
セシリアの口の中にはコオロギの様な虫が大量に入っていた。
まるで頬張る様に沢山の虫を…多分魅了で逆らえないのか..目から涙をこぼし鼻水を垂らしながら噛んでいた。
嫌悪する本能があるのか..何回も吐いた跡がある。
しかも、そればかりじゃない…女性の大切な性器からはバッタの頭と足、ムカデの様な物が見えている。同じく肛門からも虫の足と羽が見えていた。
これはレイプなんて物じゃない。
なんだこれは。
ガイアを殺したくなる衝動に駆られる。
だが、駄目だ…戦ったら返り討ちにあって彼女達は救えない。
冷静になれ..冷静になれ…リヒト…今は正気を保て。
ハァハァ。
「ガイア、これはどう言う事だ?」
「決まっているだろう? 雌豚を犯しているんだ」
また嫌な顔で笑いやがった。
爽やかな笑顔はもう何処にもない。
「犯すにしても何でここ迄するんだよ! やるにしても毛布位しいてやってもいいだろうが」
今直ぐ幼馴染を取り戻す方法はない。
ならば、今は少しでも彼女達が酷い目にあわない様にするべきだ。
「リヒト、俺はよう、そいつ等のせいで未来が無くなっちまったんだよ…魔王を倒してもよ、貴族になれても、下級貴族だ、しかももう令嬢や王族は結婚相手にしてくれねーんだとよ!わははははっ、勇者になって全部手に入る…そういう切符を持っていたのによ…」
刺激しちゃ駄目だ。
此奴の命令一つで三人がもっと酷い目にあう。
「そうか、それは災難だったな」
「他人事みたいに言うなよ…親友だろう?」
ガイア…此奴も何だか可笑しい。
俺から婚約者に姉妹みたいな幼馴染を奪った癖になんで親友面するんだ。
まぁ良い…今はそれで良い。
「ああっ、お前は俺にとってたった1人の友達だ…ガイアにとっての俺も友達か?」
「ふざけるなよ! 親友だよな…親友…友達なんかじゃねー、マブダチだろう」
さっぱり意味が解らない。
だが、刺激しちゃならない。
それだけは解かる。
「ああっ、親友だ。それで俺の親友のガイア…二人は解かる。だが、なんでセシリアは虫を食べたり、体の中に入れたりしているんだ」
これの意味が解らない。
むせて咳込んで鼻からコオロギの様な虫の足が出ている。
そしてクチャクチャと音を立てながら女性の大事な部分に虫を自ら突っ込んでいる。
そのせいで股間からもお尻からも血が出ているのにお構え無しだ。
「馬鹿だな、リヒト、そいつ全然楽しめないんだ…体なんて見て見ろよ男を通り越してまるで小振りのオーガだぜ。抱いてみれば解るけどゴツゴツしていて男としているみたいなんだぜ…しかも胸も小さいしよ…手でしごかせても見て見ろよ! どう見ても男の手だ、本当に使えねーよな」
セシリアは剣聖だ。
剣を握りしめ戦う以上は手にはタコが出来る。
重い剣を振り回すんだ…確かに体は筋肉質になる…当たり前だ。
「うんぐうううっ…ううっリヒト?」
一瞬目の濁りが消えた気がした。
「おい、雌オーガ、止めて良い何ていってないだろうが..続けろ」
「うごっうぐっゴクリ…ハァハァ食べ…ました…」
「その周りにお前がさっき吐いた奴があるだろう? それを食え」
「いや…嫌です」
「食えって言ってるんだ俺は」
「食べます、食べますガイアさま」
「なぁリヒト、こんなジョブだけは立派なクズの村人の為に俺は人生の半分を失ったようなもんだ…可哀想だと思わないか」
逆らうのは簡単だ。
だが…それは俺の死を意味する。
此奴が殺せるなら死んでも良い…だがそれさえ無理だ。
彼女達を殺して自分も死ぬ。
魅了で心がガイアに向いている以上はこの三人も敵になる可能性が高い。
此処は新宿…ガイアは敵そう思え。
欺け…嘘なんか幾らでも吐け。
「確かに、ガイアには同情するよ! それでお前は取り敢えずは満足したんだろう?」
リリの中に果てたのが解かる…抜いて精液が垂れているからな。
「まぁな..」
「それで話を聞いてくれないか? 親友だろう?」
「ああっ、そうだな」
「少し散歩しないか?」
「良いね..」
「それでさぁ、お前から見たら雌オーガ『セシリアごめん!』だが、俺にとっては姉の様な存在だったのは解かるだろう?」
「確かに、そうだ、お前、趣味が悪いもんな」
「ああっ、俺は本当に趣味が悪い、だが本当に可哀想に見えて仕方ないんだ…頼むよ」
「良いぜ、俺は寛大だ…今日はもう止めて良いぜ、雌オーガ…ついでにそこの雌豚2匹をもう寝て良いぜ」
「「「はい…リヒト…見ない」」」
そう言いながら三人は股間を押さえながら野営用の寝袋にモソモソと潜り込んだ。
◆◆◆
少し森の奥へガイアを連れていった。
「なぁ、ガイア、俺は親友なのか?」
確かに親友でも可笑しくない。
此奴は性格が悪いから…俺しか男の友人は居ない。
その反面、甘いマスクのせいで女にはモテていた。
「親友と言えば、親友だ…だがお前はいけ好かない」
『俺も同じだよ!』そう言えたらどんなに楽か…
だが、それを言ったら…此処に居られない。
彼女達を助けられない。
「酷いな、ガイア..俺が嫌いだなんて、親友だろう」
彼女達を助けられるなら悪魔にだって魂を売ってやる。
「お前は俺と違って、村での信用も厚くてよー、何時も親父もお袋もお前を褒めやがる。折角、勇者になってお前は剣士なのに…村の奴も、ギルドの奴も…あの三人もお前ばかりだ」
コンプレックス…だが許せる範疇はもう超えている。
「そうか? 俺はお前が羨ましかったぜ、俺は沢山、沢山努力したんだ、親が居ない俺は村人に好かれる為に手伝いを沢山したんだぜ、ギルドでもそうだし、あの三人もそうだ」
「お前、ふざけんなよ! 俺が努力してねーと言うのか! 殺すぞ」
あのキラキラしたガイアがなんでこうなんだ?
少なくともこんな切れやすい性格では無かった筈だ。
裏じゃ解らんが…爽やかさが全く無い。
「いや違うよ、ガイア、お前は天才なんだ..俺が努力しなければ手に入らない物を全部持っている。 小さな村とは言え村長の裕福な家の子だしよ。もし二人ともジョブが平凡だったら…お前はもしかしたら村長になっていて、俺はただの農夫だ」
「確かに…そうだな」
俺は努力していただけだ…残念ながらスペックはガイアの方が上だろう。
「冒険者としてもどうよ? お前は勇者でSランク。俺は剣士でAランク。どう見ても有能なのはお前だ」
「そうだな…」
「そして、今現在はどうだ、俺が心底好きだった女は全部お前のオモチャ…結局女神に愛され『魅了』なんて物まで貰ったお前の勝ちだ」
「確かにそうだな…ああっ」
「それでガイア、お前に聞きたい、人生でお前に一度も勝った事の無い俺がなんで、いけ好かない存在なんだ? 俺はお前に人生で一度も勝った事は無いぞ! どの人生もお前のおこぼれで生きていく…それが俺だ」
今は下につくしかない。
売り専ホストの新人の時に『プライドは捨てろ』そう教わった。
大嫌いな相手に甘い言葉なんて幾らでも吐ける。
命より大切な宝物…その為なら…何でもやるよ…俺は。
「本当に…そうか?」
「何度も言わせるなよ…惨めになるだろう! 村であのまま育ったら、村長と農民。しかも甘いマスクで隣村の女まで魅了した色男がっ! 冒険者だって努力してAの俺に対して天才だからS。そして今の人生はお前は勇者で俺が剣士…何で俺が僻まれる」
「そうだな…俺は何一つリヒトに負けて居ない…本当だ…本当だ…ああああっ、俺は天才だ。お前は…親友だから褒めてやる秀才だな」
「そうだ、天才の上に女神愛された男、それがガイアだ」
「そうだ、俺は勇者…そして何でも出来る天才だ」
「女だってそうだ、ガイアは今だって、下級貴族の令嬢なら狙えるんだ。男爵令嬢や子爵令嬢ならまだ大丈夫だ…此処からの手柄次第じゃまた上流貴族の令嬢や王族との婚姻を狙える…なんせガイアは『勇者』なんだから」
「そうだな、俺は勇者だ…だが、俺はこれからどうしたら良い! 親友なら助けてくれるよな?」
「ああっ、助けるとも、今迄通りガイアの傍に居てやる、必ずお前が上を目指せる道を作る…だが、ガイア、今回お前を親友と思っている俺の気持をお前は裏切った」
「ああっ確かにな」
「だから、ガイア俺はお前の為頑張るよ、だから報酬をくれないか?」
「金か? 地位か?…もし、お前が俺の手助けをしてくれるなら、何でもいつかやる。約束する」
「いや、俺が欲しいのはあの三人だ」
「雌豚2匹に 雌オーガ1匹か…お前から俺が奪った物だな…くれてやっても良いぜ、最早便所だからな」
糞っ今は我慢だ。
「だったら約束だ」
「ああっくれてやるよ…ただリヒトが俺に忠誠を誓うならな..だが『魅了』は俺には解けないんだぜ…だからお前にやっても将来はゴミ女だ…もう壊れ掛かっているしな…」
それでもリヒトの心があいつ等を愛しているんだから仕方が無い。
「有難うな…親友」
「うん…待てよ? リヒトお前、俺を恨んで無いか? そこ迄して手に入れたい女を壊したのは俺だぜ! まさか…」
どうすれば良い?
どうすればガイアは喜ぶ。
「確かに俺はガイアを恨んでいる」
「やはりな…お前は俺を騙そうとしたな! 殺すぞ!」
これは次の言葉への布石だ。
「だが、それ以上に感謝している」
「俺に感謝だと、よくもまぁ口から出まかせを…」
「違う…良いか、セシリア、リサ、リリは三職、剣聖 聖女 賢者だ」
目が怖くなっている。
剣に手を掛けた…だがそれで良い。
「それで」
「俺が婚約したとはいえ、上流貴族や王族に取られちまう可能性が高かった。だがガイアが『魅了』を使い傷物にしたせいで、それが無くなった。お前が魅了を掛けてくれたおかげだよ」
顔が急に優し気な顔に変わった。
だが、一体ガイアに何があったんだ…何処にも勇者の片鱗が無い。
少なくとも昔は…表向きは素晴らしい人間に見えていた。
「そうか…偶然だが俺がやった『魅了』が偶然にもお前を助けた..そういう事だな。それじゃ今回の俺の不幸は半分はお前のせいでもあるな」
無茶苦茶だな。
「そうだ…だから、俺は再びお前が浮き上がれる様に頑張る。ガイアが幸せな人生を送れる様に真剣に手助けをする…だからお情けであの三人を恵んでくれないか?」
「ああっ、あんなゴミ女、纏めてくれてやるよ、親友だがよ…やっぱりなんであんな豚女達に拘るんだよ! 俺が上流貴族や王になったらハーレムと小城だってやれるんだぞ」
それ以上に三人が欲しいというと…不味い事になるかも知れない。
「俺にとっては豚女達(ごめん)とお前だけが人生だった…あははははっ俺の人生はあの2匹の豚と雌オーガ…そして親友のガイア、それしか無かったんだ。 お前は手柄を立てて上り詰めた後は、俺にはあの三人しか居ないんだ」
「なぁリヒト…泣いているのか?」
「まぁな」
「そうか..解かった、あの三人はくれてやるよ! まずは俺の片腕として彼奴らに変わる俺の性処理相手を探してくれ、だが『魅了』は俺でもどうしようもねーんだ。壊れた状態でも良いんだな」
「ああっ構わない」
これだけだと、また疑われるかもな。
「ついでにそうだ、お前を貴族に押し上げたら、その二つ下の爵位を貰えそうなら貰ってくれ。もしくは子家扱いで小さな領地でもくれないか?」
「さっきより欲が出て来たな(笑) 俺は心が広いから良いぜ~」
「有難うな親友」
これで、もし心が取り戻せなくても…三人の傍に居られる。
前世の記憶の中で『どれ程汚れても構わない、最後に俺の傍に居てくれれば』そういうカッコイイセリフを言った人間が居た。
これで良い…最低線の保険は掛けた。
これから最後の仕上げだ。
俺はガイアの前に跪いた。
「おい、リヒトお前何をするんだ」
そのまま俺はガイアのブーツにキスをした。
「俺はガイアにきっと、これから先も『様』もつけないし、さっきみたいに興奮すると『お前』呼ばわりすると思う…だが口の悪いのは許してくれ、親友なんだからな…だからブーツに口づけする事で忠誠を示した、流石にもう一度は許して欲しいが」
「良いぜ、親友。お前の忠誠は受け取った。あの三人はお前の物に仮にしてやるよ。代わりを用意できたら、豚女2匹と雌オーガはお前に正式にくれてやる」
「感謝するよ…親友」
「良いって事よ」
多分、これで暫くは大丈夫だ。
ガイアは自尊心の塊だ。
ここ迄立てれば取り敢えずは大丈夫だろう。
俺が完全に下だと認めた事でさっきからにやけている。
三人の為ならプライドなんて捨ててやるさ。
俺も同じくゴミ男だよ…
「リヒト…何で戻ってき来たんだ…見られたく無かった」
「リヒト…嫌ぁぁぁぁ」
「リヒトお兄ちゃん…あぁぁぁぁ」
見ていると辛い物がある。
完全に精神が可笑しくなっている。
目の焦点がずれていて口からは涎が垂れている。
麻薬患者に近いのかも知れない。
ガイアから形上は貰い受けた。
だが、それは意味がない。
ガイアの気分一つで何時でも取り戻せる。
「おい、汚らしい雌オーク…お前等はもう要らないから、リヒトに譲ってやる事にしたからな、これからはリヒトの言う事を良くきくんだぞ!」
「ガイア…虫まで食べた..私を捨てるのか..あああっスンスン」
「ガイア…捨てないで..お願い」
「ガイア..何でもする…痛いの我慢するよ..頑張るよ…だから」
「うるせーな!ゴミ女、なんで便所みたいなお前達を俺が飼わないとならないんだ! いいか…これからはリヒトに従うんだ…もしリヒトに逆らったら殺すからな」
「…そうか…解ったよ…リヒトにか」
「そう…リヒトに抱かれればガイアは嬉しいんだね」
「そうすればガイアの為になるんだね」
三人の目が一斉に俺の方に振り向く。
その目には涙が溜まっていた。
今はこれしかない…これしか守る方法はない。
俺は…今から悪党の手先になる。
「さぁ、リヒト、俺は約束を守った…お前は俺に何を捧げてくれるんだ」
「ガイア、お願いばかりで悪いが、俺には選ばれたお前みたいに『魅了』の力が無い。だから、彼女達を俺に譲ったという証が欲しい。本当に悪いが一筆書いて貰っても良いか?」
「お前、俺が信じられないのか?」
「違う、俺はお前の手下だと思っている。貴族とか王族から下賜された場合は目録つきで宝は渡されるんだ…勇者から下賜された。そういう名誉が欲しいんだ」
「全く、お前そういう奴だったんだな…まぁ良いや、紙とペンだしな、書いてやるよ」
「ありがとうな、ガイア…いやマスターと呼ぼうか?」
「いや、お前は親友だから、ガイアで良い…そうだ、雌豚よぉ…お前達は今後リヒトの下だ。だからガイアと呼ぶなよ…そうだな『ガイア様』って呼べ」
「解かった..」
「解かったわ」
「解かったよ」
ガイアに紙とペンを差し出して、三人を俺に譲った。
そう一筆書いて貰った。
これで良い…これで薄皮1枚だが、ガイアに対抗する手段が出来た。
「さぁ、リヒト先に褒美は渡した…お前は親友で、仕えるべく俺に何をしてくれる」
「俺だって、ガイアの為に出来る事はある。街に帰ったら三人をそのまま夜まで使わせてくれないか? その代わり夜までに、必ず、ガイアが喜びそうな手土産を必ず用意する」
ガイアの顔から笑顔が消えた。
「お前、三人を連れて逃げたりしないだろうな?」
「馬鹿言うなよ! 魅了にかかっているんだぜ、逃げるなら一生逃げ続けなくちゃならない…そんな逃亡生活はご免だ! それに俺だって、色々溜まっている」
ガイアの顔が下品な顔に変わりにやりと笑った。
「うわははははっ確かにそうだな! 雌豚たちを自由に使うといいさぁ、それはもうお前専用の便器だ…しっかりサービスしてやるんだぞ!…俺はそうだな、久々に薄汚い雌豚たちから解放されたから、ハイリットホテルに泊まるとするよ…夜20時までにはそこに来い…お前の手土産とやらを楽しみにしている…ここ迄目を掛けてやっているんだ…逃げるなよ!」
「解っているさぁ ガイア」
上手く俺は笑えているか…笑え、笑え。
お前はそれも出来るだろう?
プロなんだから…
そんな俺達の会話をリサ達は悲しそうな目で見ていた。
◆◆◆
凄く気まずい。
三人は黙って俺の後をついて来る。
流石になんて話していいのか解らない。
「なぁ、リヒトなんであのまま消えてくれなかったの?」
リサがポツリと話し始めた。
そうか…魅了に掛かっていても全部が全部ガイアの物になっている訳じゃない。
ちゃんと他の感情もあるんだ。
「未練がましいけど、俺はリサも皆む好きなんだ」
「解っているよ、解っているけど…私汚い女だよ、もう汚れきっているのよ。体だけじゃない心も同じ。『魅了』のせいなのは解っているの…下品な事なんてしたく無いの…だけどねガイアに言われると嬉しくなって何でもしたくなるのよ、意志なんて関係ない、愛しくて仕方なくて何でもしたくなるの…リヒト貴方を好きな感情はあるの…だけどガイアを好きという思いには勝てないの…あの人が私を豚と呼んでも喜んで腰を振る…最低のゴミ女なのよ…私…こんな姿を貴方に見られたくなかったよ」
「私はもっと酷い…抱いて貰えたのは数回だ。その後は女としては見て貰ってない。雌オーガと呼ばれ、おもちゃ扱いだ…リヒトだって見ただろう? 私が虫を食べながら虫を体に入れていた所を…あれだけじゃ無いんだ…死んでいるオークの死体に抱き着きペニスを触らせられたり受け入れさせられた事すらある…最早便器ですら無い..本当のオモチャなんだよ私は…私は…お前の凛々しいお姉ちゃんでいたかったよ…だけど、駄目なんだ…ガイアに言われると逆らえないんだ、虫だって…汚物だって食べてしまう変態なんだ」
なんだよそれ…
「私は、2人に比べればまだマシかな? だけど、リヒトお兄ちゃんの悪口を言いながら跨る位の事は喜んでしていたよ…最低でしょう…見捨てた方が良いよ。 リヒトの妹には相応しくないよ」
「そう…だけど俺はそれでも三人と一緒に居たい…その為なら何でもする…俺も同じく未練たらたらのゴミ男なんだ」
これで良い、これで良いんだ。
「「「リヒト」」」
三人が一斉に哀れみの目で俺をみた。
優しい笑顔じゃない…同情した哀れみの目だ。
奴隷商にて
「リヒトまさか…お前…」
「リヒト…」
「まさか私を売り飛ばす気なの…」
三人の目が非難に変わった。
軽蔑されるのも解かる…何故なら今俺が居る場所は『奴隷商』だからだ。
「売り飛ばしたりはしないから…安心して」
「それじゃ一体、何をする気なんだ…」
「リヒト、本当に何をするの…」
「怖いよ」
やはり魅了はかなり心を蝕んでいるのかも知れない。
確かに奴隷商は怖い…だがリサ達は、人類の希望の三職なんだぜ。
4人で最後には魔王に挑むべき人類最強の切り札。
それが…たかが奴隷商が怖いなんて可笑しすぎるだろう。
「これは、これはリヒト様、今日はどう言った…おや、女性を三人、あっその方達はリサ様達じゃないですか?」
「今日は奴隷紋を刻んで貰いに来たんだ、一番強い物を、ついでに避妊紋もな」
「「「リヒト?」」」
三人の顔が青くなった。
だが、『魅了』は凄い…本当の強敵だ。
ガイアに俺に従う様に言われたせいか逃げようとはしない。
ごめん…これしかない。
今のところはこれしか無いんだ。
「御冗談を聖女、剣聖、賢者のジョブの方には刻めません」
普通はそうだ…だが今回は違う。
「勇者ガイアから一筆貰ってある、何かあったら責任は俺がとるから頼む」
そう言いながら、俺はガイアに書いて貰った書類を見せた。
「それじゃぁ引き受けない訳にいかないな…だが、リヒト様、あんたも外道だ」
「ああっ俺は外道だ」
「なんだ、泣いているのか? 言い過ぎた…そうだな、うんそれしか無いよな」
三人は青い顔してガタガタ震えていた。
屈強な男に別室に連れていかれた。
本来はこんなわけ無い。
だが、これで解かってしまった。
恐らく彼女達は壊れてしまっている。
魔王相手に戦う能力がある存在..その三人がたかが筋肉ダルマに負ける筈は無い。
俺だってその気になれば…奴隷商等皆殺しに出来る。
少なくとも剣聖であるセシリアならそれは糸もたやすい。
それが出来ない程…もう壊れてしまったのかも知れない。
俺の中のリヒトが心で叫んでいる。
世界なんてどうでも良い。
三人の方がそんな物より大切なんだと。
◆◆◆
時は少し遡る。
『魅了』は確かに強い…だが、それに対抗できる手段はあるのでは無いか?
そう考えた。
素人考えで思いついたのが奴隷に刻む『奴隷紋』だ。
少なくとも『魅了』なら逆らっても死ぬ事は無い。
だが、強力な奴隷紋なら逆らえば死ぬ。
そう考えれたなら『奴隷紋』の勝ちだ。
何時もの様に冒険者ギルドへ行った。
依頼としてお願いすれば守秘義務が生じる。
だから、安心だ。
「リヒト様、今日は依頼を受けるのですか? それともまた依頼でしょうか?」
「依頼だ…奴隷について詳しい人から情報が欲しい」
「解りました、今回は幾ら位の情報が必要でしょうか?」
まぁ特殊な情報じゃないな。
「銀貨5枚(5万円程度)でお願いする」
「解りました、今回も此処じゃない方が良いでしょう…裏通りの酒場でお待ちください」
待つ事1時間、髭もじゃの男が現れた。
大物だ。
奴隷についてなら、彼は知らない事はないだろう。
冒険者でありながら奴隷ハーレムを持つ男。
巨大な体格でオークを狩る…オークマンだ。
「奴隷について知りたいんだってな」
「はい、正確には奴隷でなく奴隷紋についてです」
「それで、何が知りたい!」
「『魅了』と『奴隷紋』がぶつかった場合はどちらが勝つのでしょうか?」
「随分と変な質問だな…まぁ良いや…勝つのは奴隷紋だ…あくまでも従わせるという意味でだがな」
「根拠はあるのですか?」
「ああっ」
オークマンの話では愛し合った夫婦の妻でさえ、奴隷紋を刻まれて命令されたら他の男に跨るらしい。
「そうじゃ無かったら、奴隷を使った娼館なんて経営出来ないだろう?」
「ですが、それは愛よりも奴隷紋が強いだけで『魅了』とどちらが強いかは別なんじゃないですか?」
「ああっ、だが魅了は、好きという感情を極限まで高めるスキルらしい。それならどんなに愛し合っている人間でも行動を縛れる奴隷紋の方が上だ。こんな話なら聞いた事があるぜ」
なんでも妻を魅了で奪われた男が、相手から妻を取り戻した。
だが、相手の男から取り戻した物の妻は隙さえあれば家を出て行こうとした。
考えた末、奴隷紋を刻んで『家からでるな』そう命令したらそれからあと妻が家から出る事が一切無くなったと言う事だ。
「それなら、安心だ」
「だがよう…勘違いするなよ…奴隷紋は行動は縛れても心は縛れねーからな」
「教えてくれてありがとう」
それでも、今の俺には必要だ。
◆◆◆
暫く待つと血を寄こすように言われて血を渡した。
連れて来られた三人には性器の上、腹部の下に紋様が刻まれていた。
「これが一番強い奴隷紋で逆らえば苦痛が起きて、更に逆らい続ければ確実な死が待って居ます。この奴隷紋は深く刻まれていまして腕や足、胸などなら最悪えぐり取る事が出来ますが、この場所を抉ったら物理的に死にます…これ以上の物は存在しません。更にお尻の上には避妊紋も刻んでありますから妊娠の心配もありません」
三人はまるで死んだ様な目をしている。
仕方が無い…仕方が無いんだ…
俺は心の底から声に出さずに詫びた。
「返事は要らない…だけど俺は皆が例えどんなに汚れても、それでも一緒に居て欲しい…俺のやった事は最低だ…だがこれだけは伝えたかった」
言い訳はしない..やった事は最低だ。
「「「リヒト…」」」
どんな思いで俺を見ているのかは解らない。
だが、彼女達は無言で俺の目を見続けていた。
他人の事は関係ない…一番悪いのは女神だ。
俺は今宿屋にいる。
ガイアが居る高級な宿屋じゃない、まぁ少しは綺麗なホテルを選んだ。
三人の目は真っすぐに俺を見ている。
どう言う思いで見ているのか解らない。
だが、決して温かい心だけでは無いだろう。
何しろ彼女達の心はガイアが掴んでいる。
俺が掴んでいるのは『服従』…どう考えても良い感情は無いだろう。
「リヒト…お前…いや良い」
「リヒト、なんで、兄みたいに思っていたのに..何で」
「二人とも解っているでしょう…私が話すわ」
「「リサ」」
「リヒト、多分私達は可笑しくなっているのは…解るの…だけど無理なのよ、本音で言えば今の私にもリヒトへの想いはあるの…だけど、貴方以上にガイアが好きなの…これが『魅了』と解っているのよ…だけど駄目なのよ、どうする事も出来ない」
これが現状だ。
彼女達は悲劇のヒロインだ。
大好きなガイアに友人に売られて奴隷紋で奴隷にされても、恋人を愛し続ける。
多分、彼女達の中ではこんな感じだろう。
だが、こんな事は解っているさぁ…
今の彼女達は俺への愛なんか比べ物にならない程ガイアを愛している。
例え、それが偽りの愛だとしても…彼女にはそれがリアルだ。
ガイアが彼女達を愛していたなら…悲しいけど…俺が居なくなれば良い。
だが、ガイアは違った。
嫌われたくないな。
「三人とも、今後一切ガイアの性処理をする事、おもちゃになる事を禁じる、会う事も最小限しか許さない」
「「「そんな..リヒト」」」
彼女達の目が一瞬怒りの目に変わり、その後は悲しみの目に変わった。
奴隷紋があるのとガイアに俺に従う様に命令されているから逆らわない。
だが、セシリアもリサもリリも体を震わせている。
まるで俺が悪人みたいだな。
「命令だ…あとこの部屋から俺が帰ってくる迄出るなよ」
「「「…はい」」」
それだけ伝えると俺は部屋から外に出た。
◆◆◆
今の俺はガイアの片腕。
これから、ガイアに手土産を渡さないといけない。
三人の魅了をどうにかするまで服従するしかない。
今は辛うじて俺の手元に居る三人。
だが…もしガイアの気が変わって取り戻しに掛かられたら…奴隷紋の力で帰らせない事は出来る。
だが…その結果、最悪死を選ぶかも知れない。
俺は…どうあって三人は返さない。
返した後の人生は、地獄に決まっているからな…
もし、その結果彼女達が死を選ぶなら…三人を見送った後に俺も後を追う。
だが、それは出来るなら避けたい。
前世で俺は売り専ホストになる前に普通のホストもしていた。
こちらは大成しないでナンバー3止まりだったが…
ガイアはナンバーワン、俺はそのヘルプ。
そう考えたらどんな屈辱だって耐えられる。
ナンバーワンには逆らえない。
あの生活を思い出せば良い…それだけだ。
◆◆◆
犯罪者ギルドにも出入りする道具屋に来ていた。
目当てはミラージュ眼鏡。
これは、自分の認識を操作して別人に見せる物。
勿論、どんな人間にもなれる訳でなくただ1人の違う別人に見えるだけ。
それだけの物だ。
本来は面が割れてしまった犯罪者が逃げる為に使う物で、裏社会では普通に売られている。
裏ならな…
「店主…ミラージュ眼鏡とその容姿の身分証明書をくれ」
「はいよ…それで身分証明相は、冒険者で良いか? それ以外も作れるが精度は保証しない」
「容姿は可能なら青年、そこそこ美形だと助かる…身分証明は冒険者で可能なら高いものが良い」
「はいよ、金貨5枚…冒険者はCになるとギルドでの試験があり別登録になるからDで良いか?」
「頼む」
これで良い筈だ。
俺は勇者パーティで唯一の四職(勇者 聖女 賢者 剣聖)以外、当然汚れた場所に出向くのは俺の仕事だった。
だから、犯罪者ギルドとも繋がりはある。
此処にしかない情報もあるか出入りしない訳にはいかない。
そして犯罪者ギルドにもそのまま向かった。
取り敢えずはこんな物で良いか…
そのまま、その足でガイアの元に向った。
◆◆◆
「よく来たなリヒト…さぁお前の番だ、お前は俺に何を用意してくれたんだ」
「これだ…」
「お前、ふざけるなよ…此処は奴隷とかだろうが
「まぁ、そのメガネは普通の眼鏡じゃない、ミラージュ眼鏡だ」
「まさか、これは…魔道具なのか?」
「まぁな…掛けるとほらっ」
「何だそれ、別人になるのか?…だが、それに何の意味があるんだ、俺が一番欲しいのは雌豚に変わる穴だぜ!」
「あのさぁガイアよく考えろよ! お前が表立って悪さ出来ないのは『勇者』で面が割れているからだ別人になれば問題無い」
「だがよ、もし憲兵に見つかったらやべーだろうが…」
「その為にこれだ」
「何だこれは」
「冒険者証だ…しかも実際に死人から抜いたものだから、眼鏡を外して素顔を晒さなくちゃ解らない」
「それで…」
此奴馬鹿なのか?
全部話さないといけないのか?
「良いかガイア! その眼鏡があれば娼館にも堂々と通える、勇者だから風評を恐れて娼館に通えないという事も無い」
「そうか、これで俺は娼館に通えるのか、お手柄だぜリヒト、お前がまた正義感振りかざすなら豚たちをどうにかしようと思っていたが、誓うぜ! もう俺は手を出さねーから専門の雌豚か肉便器にして楽しめよ」
「ああっそういってくれると思って俺専用の肉便器にする為にもう奴隷紋を刻んだぜ」
心が痛い…だが話を合わせるしか今は無い。
「…お前..はやい…な、随分手回しがいいじゃねーか」
あれっ、何だ? いま一瞬ガイアが動揺したような気がしたな。
「まぁな」
「それでどうよ! 抱き心地はよー」
「どうもこうもねーよ! ガイアがスクラップにしちまったから治る迄使えねーだろうよ..セシリアなんて虫を詰め込んでいたから多分穴にもケツにも虫の手足が沢山刺さっているからよー、下手したらもう使えないぜ、あとの二人だってお前が無茶するから半分スクラップだぜ」
「ああっ使い捨てる気だったからよーかなり無茶したからな、中古でお前にやるって解っていたら、もう少し大切に使っていたわ」
なんだ? 笑いながらも、何故汗をかく。
「そうか…まぁ良いよ。俺は中古で充分だ。それでな親友、さっきの眼鏡の使い方間違っているぜ!」
「他に何か使い道があるのか?」
此奴、案外小物なのか?
ガイアはもっと頭が良かった筈だ…まぁ良い。
「あのよー、その眼鏡を掛ければ別人になれるんだぜ」
「それはさっき聞いた!」
「酒場や街に出て好みの女とやり放題じゃねーか! その眼鏡かけて『魅了』してやるだけやってポイすればいいだろう? 気に入ったのが居たらそのまま金はあるんだ…部屋でも借りて囲っちまえよ。 魅了対策は上流貴族以上なら平民ならやり放題じゃねぇ。案外、騎士爵や男爵クラスの貴族令嬢辺りでも対策されていない可能性だってある…金だけでガイアが満足するならよぉ、商会のお嬢さんでも『魅了』してATMにすれば良いんじゃねーか」
「リヒト、ATMって….何だ」
「ああっ(ヤバッ)かねづるの事を一部でそういうらしい」
「そうか…確かにそうだな」
「そうそう…それでよ、ガイアが気に入った相手が居たら妊娠させて既成事実を作って婿入りすれば良いんじゃねーかな…まぁこれで下位貴族位なら行けそーだな。どうだ..」
「そうだな…確かにそうだ」
「そんなのは面倒くさいそう言うなら、その身分証で奴隷を買って何処かで飼えば良いんじゃないか…さぁどうだ! これでガイアの性処理は完璧じゃねーかな」
「ああっ、そうだな…これで解決だ」
「それでよー魔王退治はもう無理だぜ…」
「何でだよ…」
「『魅了』使ったせいで壊れちゃったよあの三人…下手したらそこらの雑魚冒険者にも勝てねーよ。流石に勇者でもお供の剣士1人じゃ…死ぬだけだ…大体もう解っているんじゃねーか」
この間の野営の時、獲物らしき物は殆ど無かった。
以前のガイア達なら魔物の死体が山積みの筈だ。
「お前の言う通りだ…本当に困っているんだ」
「まぁ気を落とす必要はねーよ、下級貴族や大商会で手が打てるならまだ方法はある。そこから上じゃ無いと嫌だというなら一緒に考えてやるから」
ホストの取り巻きならこんな感じだろう。
他の人には済まないと思う。だが、それだけだ。
所詮は俺にとっては赤の他人だ。
これで、運が良ければガイアは構って来ないかも知れない。
そうでなくても…時間稼ぎは出来た筈だ。
誰が悪いかっていうならガイアを勇者に選び魅了を与えた女神が一番悪い。
そうじゃないかな?
俺は確かに最低だ…だがあの三人の為なら手段は選ばない。
だが、ガイアの様子が可笑しいのが少し気になる。
セシリア攻略 屈辱篇
これでガイアは暫くは大丈夫だろう。
運よく良いおもちゃが手に入れば手すら出してこなくなる可能性すらある。
被害にあう女の子は気の毒だとは思うが、背に腹は代えられない。
見知らぬ他人より大切な幼馴染を優先するのは仕方が無い事だ。
誰が悪いと言えば、女神と世間が悪い。
ガイアは勇者だから表立っての抗議は下級貴族や商会位では出来ない。
だが、恨みを買えば何処で何が起きるか解らない。
下級貴族だって親家はある。
沢山の陳情が入れば、何かが起こるかも知れないし、誰かが暗殺に走るかも知れない。
幾ら眼鏡と偽の身分証明があっても『魅了』なんて使える奴は今現在はガイアしか居ない。
兎も角、これで最低でも時間稼ぎは出来た。
◆◆◆
宿屋に帰ってきた。
三人は、一見冷静に見えるが、涙の痕があり、手が震えていた。
「おかえり、リヒト」
「お帰りなさい リヒト」
「お兄ちゃん…お帰り」
少し怯えている様な気がする。
「薬を買って来たんだ..ほら、リサとリリはお互いに治療をしてくれ…セシリアは俺の部屋に来い」
「はい…余り酷い事はしないでくれ…」
「「リヒト」」
解ってはいる。
解ってはいるんだ。
「酷い事しているのはガイアだろうがっ! セシリア、今の自分を見て見ろよ、お前以下の女なんてこの世界にいない…よ」
「っ…そうだな」
二人と違ってセシリアは…直ぐに何かしないと不味い。
「良いから早く来い」
「解りました」
俺はモタモタしているセシリアの手を引いて自分の部屋に連れ込んだ。
「私を使うんだよな…良いよ奴隷だしガイアに言われたから仕方が無い」
「セシ姉、何言っているんだ…まず、その口の中の物を全部吐き出して、うがいをしろ」
「吐き出したり、うがいをするとガイアに怒られる..」
「良いから、吐け、その後はこのハッカ水で口が綺麗になるまですすぐんだ…命令だ」
セシ姉というのはセシリアの子供の頃の呼び名だ。
俺より二つ年上だからそう呼んでいた。
三人は地獄の様な生活を送っていたのは良く解るが…セシリアだけ特に酷い。
2人が性処理道具だとしたらセシリアは本物のオモチャ。
暴力や蔑みの捌け口に使われていたに違いない。
ガイアは可愛くて小柄な子が好きだ。
セシリアは美人タイプだから好みから外れる…だからか、酷すぎる。
なんだよ…嘘だよな…虫をガムの様に噛んでいたのか。
もしくは含んでいたのか。
「セシ姉…何で虫がそんなに出て来るんだよ」
口の中からコオロギみたいな虫とバッタみたいな虫の残骸が吐き出され洗面にある。
それだけじゃない…茶色物まであって生臭い。
「…ガイアが虫や汚物を噛んでいろっていった、面白いからだって…あははははっ笑えるでしょう…私は例えの性処理便器じゃない…本物の便器なんだよ..軽蔑した? 軽蔑したよね?…だけどガイアが好きだから逆らえないんだ、それが『魅了』のせいだと解ってもね…リヒトには見られたく無かった…見られたく無かったよ」
「今は考えなくて良いから、全部吐け…それが終わったら綺麗になる迄口をすすげ…良いな」
「解かったよ」
茶色いのは汚物…所轄ウンコだ。
此の世界には表立ってはSMやスカトロという概念は無い。
まぁ貴族や王族にそういう趣味の人間が居るかも知れないが…
だから、これは性癖でも何でもなくただの拷問や見せしめとしてやっていた。
そう言う事だ。
ましてセシ姉は結構綺麗好きだ、酷すぎるだろう。
俺はセシリアに近づくとおもむろに顔に手を掛け口の中を覗いた。
「ちょっと」
セシリアは抗議する様な顔で俺を見つけてくる。
こういう所はしっかり元のままだ。
見た感じは綺麗だが、生臭いトイレの様な臭いがした。
そのまま俺は顔を引き寄せ唇を奪った。
「うぐっううん、ううんーーっ」
セシリアは俺の舌を拒んだ。
「なにするんだ…私は…私は汚いんだ、そこ見ても解かるだろう…本当の便器なんだ」
「便器にキスする奴は居ないよ…俺はセシ姉が好きだからキスをした。それだけだよ」
「物好きだね…リヒトは便所みたいな女にキスするなんて」
悲しそうねセシリアは目を伏せた。
本来ならこの後、押し倒すのだが…今はそんな事出来ない。
何故なら…
「セシ姉、横になって股開いて」
「リヒト、そんな変態みたいな事させるの? 酷いよ…」
セシリアはそんな事をいうが…違う。
「あのさぁ~セシ姉、股の中も肛門も虫だらけだよ…取らないと大変な事になるよ」
「ううっ…そうだよね…便器所じゃないよね…だけどガイアが…ガイアが…」
「もう良いから黙って」
便器って言葉を否定できなかった。
いや、下手したらそれより酷い。
股間の中央にある穴は腫れていた。
そして、その中には虫が大量に入っているし、汚物も入っている。
流石に思わず吐きそうになる。
簡単に言うと汚物、ウンコに虫が漬かっている漬物状態だ。
洗面器2つを持ってきて片方はお湯を張り、片方はそのからだ。
セシリアの股にスプーンを突っ込みかき出した。
「うぷっ…」
思わず吐きだしそうになるのを堪えた。
「痛い、痛い..痛いよーーーーっヒクスンっスンっ」
「あのさぁセシ姉…自分でこんな事したんだから、仕方ないだろう」
泣きたいのはこっちだよ…セシリアに責任は無い。
だけど、好きだった女の股間から糞まみれの虫をかきだす身にもなって欲しい。
気持ち悪いなんてもんじゃない。
「痛い…それに恥ずかしいから、恥ずかしいから、お願い見ないで…見ないでよ~」
泣いたって止められない。
このままじゃ大変な事になる。
「だったら何でこんな馬鹿な事したんだよ…」
解っている…
解っているが..つい口から出てしまった。
「私だって、私だって気持ち悪いし、汚いし嫌だよ、だけど、こうしないとガイアが私を捨てるっていうの…私だって愛してくれるならその方が良い、だけど二人みたいに可愛くないから…可愛くないからこうしないと捨てられるんだもの…惨めで汚くて嫌だけどこうしないと捨てられるの…」
「もう、良い黙って」
セシリアがこう言うのは解っていたじゃ無いか…
我慢するしかない。
しかし口より酷い…
千切れた虫は良いが、ムカデみたいな虫はセシリアの穴で生きていた。
千切れたバッタやコオロギの様な虫の手足は膣に刺さっている。
「痛いっ痛いよーーーーっ痛いの…穴が裂けちゃう、裂けちゃうよーーいやぁぁぁぁ止めて」
「ごめん止められない…」
痛いのも解かる。
思いっきり股間を広げた状態でスプーンを根本近く差し込まれてかき出しているんだから当たり前だ。
どうやらどうにか、かき出せたようだ。
「酷い、酷いよ~もう止めて、止めて..」
手でセシリアは股間を隠そうとする。
「隠すな手をどけろ」
「ヒィ..許して、我慢するから…」
セシリアが相手でもこれは少し堪えるな…
思わず涙が出てきた…
多分ガイアは今の俺の姿を見たら、嘲笑うに違いない。
まだ全然終わらない…今度は肛門だ。
「セシ姉…うつ伏せになって」
「なにするの…」
目はまるでレイプされた女の様に絶望した目をしてその端からはぽろぽろと涙が落ちている..そして…
ふざけるなよ…鼻、鼻にまで詰め込んでいるのかよ..
鼻の穴から虫の触覚が覗いていた。
こっちはあとだ。
「な、なやにするの…いやう酷い」
「鼻の穴にまで虫詰め込んで何するじゃないないだろう…本当にハァ~」
「いやあ、嫌~っ」
鼻の穴に小指を詰め込んで虫をかきだした。
そして肛門に再び目をやる。
「変態、変態へんたいーーーっ酷い、そんな所見ないでよ」
気のせいか? 偶に普通の反応している様な気がする。
「良いからお尻を締めるのを止めろ、スプーンが入らない」
「ううっううっ酷い、お尻の穴を見せるなんて…ガイアにもした事ないのに…スン、スン」
普通なら刺激を受けるが…肛門から虫の足が覗いていたら台無しだ。
泣いているセシリアを無視して肛門にスプーンを差し込み同じ様にかき出した。
お尻は…痛いのかセシリアが力を入れて抵抗するから、凄く大変だった。
「痛い、もうやだ、やだよーーっ」
「力を入れるなよ..抜け」
「はい…」
奴隷紋がなければ抵抗が酷くてかき出せなかったかも知れない。
◆◆◆
ジャァァァァァッ
「しみるよしみて痛いよ…お願い、お願いだからやめて」
俺はセシリアを連れてシャワー室に居る。
どうにか大半の虫や汚物を取り出したが、流石に綺麗に洗わないと汚い。
だから、シャワーで流しながら綺麗にしている。
セシリアはこんなに綺麗なのに…なんでガイアはあそこ迄するんだよ。
怒りが込み上げてきた。
本当はこのまま三人をかってのように綺麗にしたい…
だが、そんな事をしたらまたガイアに取り返される可能性もある…
今は衛生的な状態にする…それ以上はする訳にはいかないな。
セシリアの口から肛門まで穴と言う穴に指を突っ込みながらシャワーを当てて綺麗にかき出しながら洗い流していく。
「もう、終わり..だよね」
「そのつもりだけど…うげっ」
「うそ…まだ何かするの…」
一見、膣も尻の穴も綺麗だけど…よく見たら虫の手足が刺さっていた。
この後、泣き叫ぶセシリアを押せえ付け、ピンセットで2時間かけて刺さっている虫をとり除いていった。
セシリア攻略 逆襲篇
今、セシリアは泣き疲れてそのまま眠っている。
口をあけて穴という穴を開いた状態で力が抜けてだらしなく…
ガイアがセシリアを抱いたのは2回。
しかも2回目の時に「全然よくねー」と言われそのまま髪を掴まれ投げ捨てられた。
その後は….二度と抱かれる事は無く、捨てられたく無くて泣いて縋るセシリアを罵倒して…やがて今みたいにおもちゃとして扱っていた。
犬の様に床で食事をさせたり、手を使わせず食事は当たり前だった。
魅了のせいで文句が言えないのを良い事に…その食事が残飯に変わり…やがて汚物を混ぜたり、虫を入れて食べさせられていたみたいだ。
名前で呼ぶ事は無く、雌豚からやがて雌オーガと呼ばれ方は変わり。
今回みたいに汚い事をさせられる以外に…サンドバックの様に吊るされてただひたすら、殴る蹴るをされる事もあった。
しかも、それにリサとリリも加わっていた。
何処にも逃げ場はなかっただろう。
セシリアの汚れを落とす時間だけでこれだけの事が最低聞けたんだ…本当はこれ以上の事をされていた可能性も高い。
頑丈な剣聖が痣だらけになる筈だ。
嫌われた理由は何となく解かる。
まずはこの手だ。
賢者や聖女と違い剣を持って戦う彼女の手はゴツゴツしていて手にタコが出来ている。
口でする事すらアブノーマルだと思っている此の世界じゃ、手でしごく位しか前技が無い。
だからしごかれて気持ちが良くなかった…そんな所か。
後は多分体だな、鍛え抜かれた体は腹筋は6つに割れていて少年みたいだ。
お尻もしっかり硬いし背も高い。
女の子らしい可愛い女が好きなガイアからしたら…好きなタイプじゃ確かにないな。
この素晴らしさが解らないなんて見る目が無い。
嫌いなら放置で良いじゃ無いか…壊す必要は無い筈だ。
酷いもんだ…
仕方が無い…
少し予定を早めるか…流石の俺も…此処からするのは自信がないし凄く怖えな。
◆◆◆
「目が覚めた…セシ姉」
出来るだけ優しく笑顔で話し掛けた。
「リヒト…嘘…」
「取りあえず、セシ姉に詰まっていた物は全部取り出して綺麗にしたよ…ついでにポーションを振りかけて置いたから傷も無いよ」
「嘘…ああっ無い..汚物と虫が全部ない…これじゃガイアに嫌われるじゃない..ああっ」
どう言う事だ?
とる時はこんな事は言わなかった…解らない。
まぁ良い、やる事は変わらない。
「セシ姉は『ガイアのオモチャ、便器扱い』それで良いの?」
「良くない! 私だって普通に愛して欲しい…だけど…だけどね…可愛くないし、キモイらしいし体もゴツゴツして抱きたく無い…そう言われたのよ…だからこれしか私には無いの…」
「そう? 俺には解らないよ…だって俺にはセレ姉はとびっきりの美女にしか見えないもの…あんな姿を見ても便器だなんて思えない」
「嘘…私が綺麗な訳ない…最低の雌オーガで便器なんだから…」
「違うよ..ほら」
「うぐっうぐうう、うんうんうっ….」
俺はキスをした。
軽いキスでは無く舌をねじ込ませる様なキスだ。
「便器にキスはしないだろう…俺はセシ姉を愛しているんだ」
「リヒトごめん…私は便器だけどガイアの物だから、その気持ちには..ううんっ、うっ!」
更に俺は舌をねじ込んだ。
「俺が嫌いなら俺の舌を噛み切ってくれれば良いよ…そうすれば俺は死ぬから…嫌いならそうして欲しい」
ズルいのは解かる。
セシリアは優いからそんな事は出来ない。
そこにつけ込む。
「困らせないでよ…解ったよ…こんな便器みたいな女を愛している、そう言うなら今だけ相手してあげるよ…何しても良いよ便器で雌オーガだから、その代わり終わったら、忘れて」
否定したら終わってしまう。
だから、否定はしない。
ようやくスタート位置には立てた…此処から追い込む。
「そう、解ったよ…全てが終わってその気持ちが変わらないなら、そうすれば良い…ただ今だけは俺の恋人になって欲しい」
「解かったよ…それで良いなら良いよ」
弱々しく頷いてくれた。
「ありがとう…なら俺達は恋人同士、好きな相手にするSEXを今からするね」
これは違う。
売り専ホストは性を愛と錯覚させるプロだ。
これだけは自信がある。
「恋人同士、好きな相手にするSEX」
「セシ姉、本当に愛し合う二人がするSEXは違う…今からそれをしよう」
「リヒト、解らないよ」
「大丈夫だよ…セシ姉はただ受け入れてくれるだけで良いんだ」
「解かったよ…今だけは恋人…それで良いんだね」
優しく、それでいて下品なキスをする。
「うぐううんうぐうぐっううん、ぷはっ…駄目、私は口も汚い」
「そんな事無いよ、大好きなセシ姉に汚い所なんてないよ…」
「嘘…さっきリヒトも見たでしょう? 私の口は、うぐっ?ううんっうん」
「俺はセシ姉を愛している…だからそんな事は気にしない」
「良いよ、リヒトがそうしたいなら」
はっきり言えば、まだ生臭い。
前世の俺は、どんなババアでもキスできた。
今の俺はセシリアを愛している。
本当に愛しているから、気に等ならない。
「セシ姉…今は俺の恋人だろう? だったら、違う言葉が欲しい」
「何て言えば良いの?」
「好き、もしくは愛しているって言って欲しい」
「リヒト…今の私がそれを言えば嘘になる」
「それでも、言って欲しい…今は俺だけのセレ姉で居て欲しい」
「リヒトがそう言うなら解かったよ…愛している、好きよリヒト…これで良い、私みたいなゴミ、うぐっうううん、うん」
嘘でも言わせていれば、それは自分に刻まれる。
ホストが良く使う手法だ。
そしてネガティブな話や自分に都合の悪い話の時はキスで口を塞ぐ。
今はこれで良い。
「ゴミとか汚いとか言うのは今は禁止。俺にとってセシ姉はどんな宝物より大切な存在だから」
「嘘…私は便、うぐっうううん、うん..ズルい」
「本当だよ、もしセシ姉の事を何処かの王子様が好きになって…同じ重さのダイヤと交換してくれるって言われても絶対に譲ってあげない…俺にとっては本当に宝物なんだよ」
昔はただお金の為に…今は本当に好きな人間にお為に同じ言葉を吐く。
「そう…なんだ…リヒトにとって私ってそんなに凄いんだね、だけど、私は、うぐううんうんっぷはっ、ずるいよリヒト」
「駄目だよ、そこから先は聞きたくない…今は俺の恋人なんだから、他の男の事なんて言わないで」
「ごめん、解ったよ、リヒト」
雰囲気が少し変わった気がする。
唇を口から耳に移す。
耳元で囁きながら、耳裏を舐める。
「好きだよ、セシ姉…愛している..」
「リヒト、私も愛している…これで良いのかな」
「うん、だけど『これで良いのかな』は要らない」
「あっ..ごめん」
「ごめんも要らない」
「そうだよね..リヒト愛している…好きだよ..ああっちょっとリヒト、そんな所、そんな所は良いって、くすぐったい、ってば」
俺はそのまま舌で耳の穴を舐め始めた。
「俺はセシ姉が好きなんだ、だからセシ姉の全てを感じたいんだ」
「そう、何だ…耳なんて舐められた事が無いから驚いたよ…それももしかしたらリヒトが言っていた、好きな人とするSEX…なのかな?」
「そうだよ、好きな人を喜んで貰いたい、そういう思いが籠ったSEX、俺はセシ姉が好きなんだ、だからだよ」
「そう…何だか、これくすぐったいね…私もリヒトを…好きだよ」
偽りなのは解る。
だけど、セシリアが自ら言う事に価値がある。
そして…そこを責める。
「嘘でも嬉しいな…セシ姉ありがとう」
そう言いながら笑顔で涙を流した。
この涙は偽り、俺の技術だ…だけど、この気持ちに嘘はない。
「リヒト…こんな事で、こんな言葉でそんなに嬉しいの?」
「好きな人に好きって言って貰えて嬉しくない訳ないじゃない、最高に嬉しいよ」
「そう…それなら、沢山いってあげるね…リヒト好きだよ」
「ありがとう、セシ姉」
そのまま唇を目に移した。
「セシ姉の目って凄く綺麗だ…」
「リヒト…それ凄く怖い…」
俺は舌でセシリアの目を舐めた。
怖いと言いながら、頑張る様にセシリア目を瞑らない。
目を舐めさせると言うのは、最低限の信頼が無いと出来ない。
そう言葉を巧みに入れ替える。
「セシ姉ありがとう…
「どうしたの? 私何もしていない…よ」
「目を舐めさせるって行為は『信頼』や『愛』が無いと出来ないんだ…だから凄く嬉しいんだ」
「そうなんだ…本当に…そうなのかも知れない」
「嬉しいよ、愛しているセシ姉」
「私も愛しているわ、リヒト」
少しは変わったのかな…滑らかに愛しているって言ってくれた。
「ありがとう」
「えへへっどう致しまして…あっあああっ、そこは駄目、汚いし臭いから駄目だよ」
俺は唇を脇の下に移した。
腋毛ごと味わうように舐めた。
「セシ姉に汚い所は無いよ..それに良い臭いだよ…うんセシ姉の臭いがする」
「あっああああっ、くすぐったいよ…全くもう、だけど凄く恥ずかしいよ…だけどリヒトはそんな汚い所でも好きなんだね…変態さんだ」
あっ…笑った。
さっき迄と違う…笑ってくれた。
「あのさぁ、俺は変態じゃ無いよ…好きな相手じゃなくちゃこんな事はしないよ、セシ姉だから出来るし、愛おしいんだよ」
「そう…なんだ..嬉しい…だけど恥ずかしいな」
セシリアの顔が赤い気がする。
嫌々な雰囲気が無くなった気がする。
「セシ姉…凄く可愛い」
「馬鹿…私の方が年上なんだよ」
「そうだった、綺麗だよ」
「そう…私綺麗なんだ、リヒトも…あん、またそんな所を、あああっあんハァハァくすぐったいよ…それに少し恥ずかしい」
両足を広げた状態でおへそに舌を差し込むようにして舐めた。
「ハァハァ、あああっもう…リヒトそこは駄目、嫌ぁぁぁぁ駄目」
さっき迄と違いセシ姉の顔が青くなった。
俺はセシリアの足の間に頭を突っ込み、女性器を舐め始めた。
「本当に汚い、私のは本当に汚いんだ..そんな事しないで良いよ…嫌」
「うんぐペロ…あのねセシ姉、俺は最初からセシ姉に汚い所なんて無いって言っていたよね…確かにさっき迄汚かったかも知れないし、こんな事は誰にでも出来ないよ…大好きなセシ姉だから出来る事なんだよ…本当に愛しているんだ」
「あああっ、あんあんああっ、またそんな事言ってこんな変態みたいな事、絶対にリヒトしか、ああああん、駄目だって、しないよ..ハァハァ、だけど愛しているからするんだ…だったら…本当に汚いのに、なんでこんな汚い穴…好きなのよ..ハァハァ」
「だから、セシ姉だからだよ、他の女のなら汚らしくて触りたく無いよ」
「全くもう…さっき迄、あんな状態なの知っていてリヒトはそんな事出来るんだね」
これも本当は技術だ。
売り専なんてしていたらクンニが出来ないと商売にならない。
嫌いな相手でも2時間舐めないといけない時がある。
好きな相手なら幾らでも出来る。
だけど、此の世界は、前の世界以下の淡泊なSEXしかない。
多分クンニなんてする男性は殆ど居ない可能性がある。
だからこそ『愛しているから』それに挿げ替える。
そこから肛門、アナルも一緒に舐め始める。
「愛しているよ、セシ姉」
「あああっあん、あん、全く本当に変態だよ…もう」
「そうだね、俺はセシ姉限定で変態かも知れないな、だってこんな事もしてあげたくなるから」
「ああっ、そこは本当に汚い、お尻なんて、なんでそこ迄出来るの、ああああっくすぐったいよ…それに切ない、切ないよ…そうだ、リヒトはぁはぁリヒトも何かして欲しい事は無いの..ハァハァ」
もしかして…魅了が機能してないのか?
もしそうなら…まだ解らない。
「それなら、俺のも口でして欲しい」
「良いよ…ハァハァやり方教えて」
嘘だろう…多分この世界じゃフェラチオなんて凄い変態行為でマニアックな筈だ。
事実ガイアはしていないし、娼館のサービスには無かった。
「そうしたら、セシ姉が上になって俺は下からするから」
俗にいう69だ。
「うううっ、これ恥ずかしい…絶対に変態だよ…だけどリヒトは私を愛しているから、してくれたんだよね、頑張る…どうすれば良いの」
本当に俺の顔に跨って股間を押し付けている。
魅了に掛かって俺を好きでも無い人間がこんな事出来ない様な気がする。
「そのまま、咥えたり舐めたりしてくれれば良いよ」
「わはった…こほ、うんぐううんうん、うぐううんうん、こえでようい」
「うん、凄く気持ちいよ、それじゃ俺も」
「もほう、なうなかしゅうううちゅうできないよ、ううんうん」
俺も負け時と舐めている。
技術は稚拙で気持ち良くはなっていない。
だが、好きなセシリアが自ら咥えている姿が凄に凄く興奮した。
ぷしゅぅぅぅぅっぅ…セシリアが潮を吹いた、そしてチョロチョロぷしゃぁぁぁぁーーっ。
驚いたのか口を離した。
「ああああっあああああっなにこれ…気持ち良い~ あっリヒトごめんなさい..私、私 おしっこなんてかけて」
今にも泣きそうな顔をしている。
「良いよ、気持ち良かったんでしょう? こう言うのが愛のあるセックスなんだ…俺はセシリアを気持ちよく出来て嬉しいよ」
「これで、本当に嬉しいの? 私は気持ち良かったけど…はぁはぁ..そうだ、私もリヒトを気持ちよく、あーむうぐうぐ、うんちゅばちゅば…どほ?」
確かに口でして貰うのは嬉しいけど..目の前で女性器がてらてらと糸を垂らした状態だ。
「あの…セシ姉…そろそろセシ姉が欲しい」
「あの…私、凄く気持ちよく無いよ…それでも良いの? 嫌いにならない」
何か言われたのかな?
「俺はセシ姉と一緒になりたいよ」
「良いよ、リヒトの好きな様にして」
「うん、それじゃ行くね」
「うん」
俺はセシリアの股に挿入していった。
思ったよりキツイ
「あああっ凄く太い…ハァハァちょっと痛いけど、なんか気持ち良いよーーーっ」
これの何処が気持ちよく無いんだ…馬鹿の言う事は解らない。
凄く締め付けてくるし、寧ろ気持ち良い。
「可愛いよ、セシリア、ハァハァ」
ピストンしながらも愛を紡ぐ言葉を忘れない。
決して一人よがりのSEXはしてはいけない。
「私、私も…リヒトハァハァ私も、抱きつかせて抱きついて良いよね」
俺は優しくピストンを繰り返しながら、頷いた。
セシリアが抱き着いてきたから、俺は唇を貪った。
「「ううん、うううっうんぷはっううん」」
二人して息継ぎ以外に唇を離さないで腰を動かし続けた。
やがて高ぶっていき…
「ああっあああああん、リヒトいっちゃう…私いっちゃうよーーーーっ」
二人していってしまった。
「はぁはぁ、凄いね、愛のあるSEXって気持ちよい…終わっちゃうのが勿体ないよ」
「あのセシ姉…まだ幾らでも出来るよ」
「リヒト(てれっ)それって私が好きだから?」
「愛しているからだよ」
「そうなんだ、えへへっ」
そう言いながらセシリアは俺の上におずおずと跨ってきた。
「今度は私が頑張るから….教えて」
結局、俺達は、その後まるで猿になったかのようにやりまくった。
セシリアは何でも受け入れてくれて..
口からお尻から股の間まで最早精子だらけだ。
朝方になり、疲れ果てて、俺の精子でベタベタになり、満足そうに眠っているセシリアを抱きしめて俺は眠りについた。
オークマンに聞いてみた。
「う~ん..セシリア」
嘘、居ない..右にも左にも…はぁ駄目だったのか…えっ。
「おうはようい、リヒト もうぐうむあむ」
「セシリア…何やっているの?」
「フェラうちおう…うんぐあむっううん、ぷはっ、昨日リヒトがこれした時、凄く喜んでくれたから練習しようと思って…ねぇそうだ、シャワー一回浴びてぇーこれからしよう」
「あの…ガイアはもう良いのか?」
「あはははっリヒト焼きもちかな? あんな短小皮付き極細ウィンナーなんてリヒトと比べられないよ! というか黒歴史だよ『魅了』なんて使わないとあのクソ男きっと女なんて生涯抱けないよ…勇者じゃ無くて ゴミにジョブ変えた方が良いよね。いつかあの糞男殺してやる」
魅了に勝てたのか..ううっうう。
「泣かないでリヒト、私はリヒトが好き…ううん生涯リヒト1人を愛し続けるから、ねっそれで、こんなに汚れちゃったけど…良いんだよね、私、リヒトの恋人で」
「ああっ嬉しくて仕方ないよ…ありがとう…凄くうれしい、勿論だよ」
「良かった~私もうリヒトに嫌われたら生きていけない、多分断られたらリヒト殺して死のうって思っていたの…うんリヒトならそういって貰えると思ったよ…それじゃ愛しあおう」
何故かな…前の状態と違う。
少し性格が変わった気がする。
そう言うとセシリアは股間を俺の顔に押し付けてきた。
「私の此処好きなんだよね、愛のあるSEXして欲しいなぁ~」
気がつくとまた朝から3回もしてしまった。
「それでね、リヒト…リヒトが他の二人も好きなのは解るの…だからリサとリリまでは良いよ? だけどね、それ以上増やさないでね。もし増やしたら…」
「増やしたら」
「多分、その相手を私斬り殺しちゃうと思うの! だって私物凄くリヒトが好きなんだもん…ガイアにされた様な事されても、笑って出来る位好き、苦しい位本当に好き…最もリヒトは髪の毛からつま先まで全部私が好きなんだよね、汚い所が無いって足の指まで舐めてくれたし、リヒトならこの気持ち解ってくれるよね」
やり過ぎたのかな?
まぁ良いや..俺が心から好きなのは三人だけだし。
愛されているのなら…うん、全く問題はないな。
「そうだな、解るよ、俺もセシリアに嫌われたと思った時、死にたいと思った。愛してくれてありがとう。俺も大好きだよ」
だけど、何か可笑しい。
何がおきたのだろうか?
◆◆◆
三人のうち1人の気持を取りもどせた様な気がする
だが、どうも様子が可笑しいのが気になる。
後で大変な事になると困るのでまたギルドに相談をしに行った。
前の様に裏通りの酒場で待って居た。
「また、相談か? それで『魅了』についてだな」
「あの、奴隷の事なら兎も角、魅了の相談でなんでオークマンさんが…」
「がはははっ、俺は情報屋もやっていてな、魅了の事も少しは詳しいだからギルドから話がきたんだ、まぁ奴隷商絡みでちょっと詳しいだけだがな…知らない事だったら金は要らねーよ」
「そうですか..実は」
俺が話し始めるとオークマンは驚いた顔をした。
「その現象なら俺にも解る『失心増回復』そういう現象だ」
※失心増回復は造語で存在しません
「失心増回復? それは何ですか…」
「ああっ、そうだな人を好きなる心の上限が10だと考えてくれ」
「はい」
「まぁ、普通の夫婦や恋人のレベルで7だとしよう…勇者の『魅了』がそれを一気に10にするスキルだ。勿論10なんて普通の関係ではありえないからまぁ普通は確実に寝取られる」
「それは何となく解ります」
「ああっだがな、ここからが可笑しい事なんだが、まずありえない事なんだが、奇跡的に『魅了』を掛けられた相手を取り戻したとする…そうするとバグが起きる」
「バグ?」
「魅了って事は本来好きでも無い相手でも好きになる…例え1しか愛情が無い相手でも10に強制的にしてしまうからまず勝てない…だがな、その後もしっかりフォローしないと下がっていく、まぁ普通の恋愛でも嫌われれば愛情は下がっていくだろう?」
「確かに」
「そこで愛情が7で勇者の魅了で恋人を奪われたとする…だが、魅了された女の愛情が下がり6になり、逆転して取り戻したとするな」
「はい」
「するとな…本来は7のままの筈だが、あり得ない現象が起きる」
「あり得ない現象?」
「ああっ、好きという上限が10の筈なのに元の7に何故か魅了を掛けた相手の6も取り込んで13になる。本来の10のカンストを越えて13という異常な愛情値になる」
「それはどう言う事でしょうか?」
「簡単に言うと異常な程愛されるって事だ」
「それで、これは『魅了』に勝ったという事なのでしょうか?」
「勝ったと言うより、魅了を使った奴から女の心を全て分捕った。そんな感じだな。最早相手は0他人以下、お前への愛情はどの位か解らないが普通のカンスト以上…全財産を掛けても良いぜ!絶対浮気もしないし生涯お前を愛する筈だ…だが」
「何かあるのか」
「ああっカンスト以上に愛した相手を裏切ったら..死ぬような思いをするから気をつけろよ」
ついでだから残り二人について何か方法が無いか聞いてみた。
「そりゃ、俺の頭じゃ解らねーな。いいか今回の事は奇跡だ、ほぼ毎日DVをされていればどんな愛する相手でも嫌いになるよな…異常な程酷い目にあっていたから愛情値が下がった。だがな、他の二人はそこ迄じゃ無いんだろう? 可能性はゼロでは無いが、可能性は低いと思うぞ」
そうか…同じようにはいかないのか。
リヒトの事もついでにきいてみるか。
「勇者の性格が変わった理由! 予想で良いならな」
これはあくまでオークマンの予想だが『魅了』はかなり人の心に干渉する、他にはないスキルだから…それなりに副作用が起きるのじゃないか? そういう事だった。
まぁそれ以上は解らないが….
「色々ありがとう」
金貨1枚を報酬として渡した。
「また、何かあったら、今度は使命依頼をしてくれ、最近は懐が寂しくてな」
「また頼むよ」
俺はオークマンにお礼を言って酒場を後にした。
勇者SIDE:腐った目
彼奴は俺にとって光だったのかも知れない。
俺は生まれてから今迄、何でもそつなくこなしてきた。
村では裕福な家に生まれた。
村という社会から出無ければ、村長は王様、そしてその取り巻きは貴族みたいなもんだ。
外という大きな社会に出なければ…此処で俺は幸せに暮らせる。
俺は凄い、俺はカッコ良い、俺はモテる。
だが….気に食わねーっ。
親も死んじまって何も持ってねー奴。
そんなリヒトに俺はいらだちを受けている。
彼奴は俺と違って何も持ってねー。
そんな奴が、そんな奴が…何で俺の上にいるんだ。
村中の奴が「リヒトはいい子だ」そう小さい頃から言っている。
親すら居ない、金は無く村人のお情けで生きている様な奴なのに、何故か何時も褒められる。
ただのクズの癖に。
だが、彼奴がそう思われているのは解かる。
何時も努力しているからだ。
暇があれば、村の手伝いをし、困っている奴がいれば助ける。
俺とは違う…
俺も彼奴と同じ様な事はしている。
だが、俺はイミテーションだ。
あくまで心からしていない。
あくまで人気者になりたい、尊敬されたい、その気持ちから、そうしている、それだけだ。
だが、そんな事を考えず…無邪気に打算なく、そんな事出来る彼奴に腹がたつ。
俺はモテる。
沢山の女が俺に惚れている。
だが、俺が好きになる女は、何時も彼奴の事が好きだ。
昔からそうだ…
「ごめんね、確かにガイアはカッコ良いよ…だけど私…リヒトが好きなの」
「はははっガイアから告白されるなんて思わなかったよ、だけど私はリヒトだが好きなんだ」
何時もそれだ、本当に良い女は彼奴ばかり…
親父も村長も…
「リヒトを見習え、俺の息子が負けてどうする」
「リヒトは良き子だ」
彼奴ばかり褒めやがる。
「俺だって頑張っているんだ父さん」
俺だって頑張っているんだよ…だが、なんで何時もリヒトなんだよ。
俺の欲しい物は全部、リヒトが持っていっちまう。
◆◆◆
ジョブを授かる日がきた。
彼奴は剣士で、俺は勇者だ。
勝った。
勇者は何者にも束縛出来ない。
王も、貴族さえも一目置く存在。
此の世界で一番、人気があり尊ばれる存在…それが勇者だ。
運が良い…近隣の綺麗で可愛い女三人が三職だ。
何もかもが俺の天下だ。
だが、ここでも彼奴が邪魔をする。
「お前達だけじゃ、心配だからリヒトに伴について貰え」
しっかり者と評判だからか、村長は俺の一向にリヒトをつけた。
まぁ良い…俺が勇者で彼奴はただの剣士だ…
だが違った。
俺だって頑張った…だが、皆が俺を見ない。
一緒にいる三人の女はリヒトに惚れていて、俺には見向きもしない…
ふざけるな…俺は勇者なんだ。
世界で唯一無二の存在。
それなのに…
誰もかれもが『リヒト』
正直腹がたつ。
だが、俺は…頑張った。
何時も笑顔で、爽やかに振舞った。
誰もが、俺を勇者と称え、俺に憧れる…だが何故だーーーっ。
「すまない、お前は立派だ、だが私はリヒトがすきなんだ」
「私、リヒトが好きなんだ…ごめんね」
「今は妹だと思われているよ…だけど諦めきれないの」
なんでだよ…何で彼奴なんだ。
◆◆◆
『魅了』のスキルが宿った。
彼奴は三人が好きだ。
しかも、腹がたつ事にリサと婚約までしやがって…ムカつく。
しかも彼奴は、一番ムカつく女だ、何をしても冷めた目で見やがる。
そうだ、俺が彼奴から三人を奪ったら…絶望するだろう…その姿が見て見たい。
だが…それは叶わなかった。
魅了に掛かりながらも彼奴らは…リヒトを守っていやがった。
いつも俺を出来る限り拒み続けた。
魅了に掛かっていながらも無理やり行為は出来たが、リヒトの前では完全に俺を拒んでいた…そして勝手にリヒトを追放する事を決めやがった。
『魅了には逆らえない』
なのに、彼奴らは…リヒトに無様な姿を見せないで終わらせやがった。
腹がたつ…だから、リヒトが去った後、犯して犯して、犯しぬいた。
腹がたつ…リヒトが居なくなった途端、使命は終わったとばかりに俺に簡単に抱かれるようになりやがった。
だが…やればやる程…解る。
俺は負けたんだ。
今俺が抱いている三人は…リヒトが居た時のあいつ等じゃない…まるで雌豚、下手すれば人形。
宝石の様に思えたあいつ等が…ダダのゴミに変わっていく。
精子だらけになろうが…股から精子を流した状態でも普通に過ごす…
服に精子がついてカサカサに乾いてこびり付いても気にしない女。
もう只のゴミ女だ。
しかもこいつ等、何も出来ないし、やろうとしない。
リヒトを押し出した結果…こんなゴミ女とやれるだけの不潔な生活。
体が痒くて尻をかく姿は正に豚だ。
そして『魅了』を使ったせいか、俺の心は…狂い始めたのか、やたらと短気になった気がする。
頭も常にズキズキしやがる…そこ迄して手に入れた女は日に日に使えなくなっていく。
三職の癖に、気がついたら冒険者以下だ。
しかもこんなクズ女を手に入れたから…将来の夢は遠のいた。
たかが村女、しかも最早豚だ…そんな奴のせいで、俺は…
◆◆◆
リヒトの奴が現れた。
俺が詰まらないが、それしかやる事が無いから、豚をつかって遊んでいる時にだ。
話をした。
俺は馬鹿だった。
此奴は…俺にとっくに負けていたんだ。
俺に生まれながらに敵わない…そう思って生きて来たんだ。
俺が勝手に…僻んでいただけだった。
俺には未来があるから…そう言いながら彼奴は『この雌豚たち』を欲しがった。
もう…この雌豚は要らないな…こんなゴミをやるだけで、何かが手に入るならやれば良い。
少し未練はあるが…暫くしたら捨てようと思っていたゴミだ。
そんなゴミ女が欲しいならくれてやれば良い。
俺は彼奴をつい親友と呼んでしまった。
よく考えたら…俺には友達は居なかった…いや、何時も俺の傍には此奴が居た。
此奴が…多分一番仲の良かった友達だ。
今の俺はどん底だ。
彼奴なら、此処から救い出してくれるのか…そう期待したが…
変わっていた。
◆◆回想◆◆
「よく来たなリヒト…さぁお前の番だ、お前は俺に何を用意してくれたんだ」
「これだ…」
眼鏡…此奴はおちょくっているのか、ふざけるなよ。
「お前、ふざけるなよ…此処は奴隷とかだろうが」
「まぁ、そのメガネは普通の眼鏡じゃない、ミラージュ眼鏡だ」
特殊な眼鏡…魔道具か。
「まさか、これは…魔道具なのか?」
「まぁな…掛けるとほらっ」
眼鏡を掛けた途端、リヒトが別人になった茶髪の若者だ。
「何だそれ、別人になるのか?…だが、それに何の意味があるんだ、俺が一番欲しいのは雌豚に変わる穴だぜ!」
「あのさぁガイアよく考えろよ! お前が表立って悪さ出来ないのは『勇者』で面が割れているからだ別人になれば問題無い」
「だがよ、もし憲兵に見つかったらやべーだろうが…」
「その為にこれだ」
「何だこれは」
「冒険者証だ…しかも実際に死人から抜いたものだから、眼鏡を外して素顔を晒さなくちゃ解らない」
別人になれる眼鏡と…偽の身分証明だと。
「それで…」
可笑しい、此奴の目が笑っていない。
まるで人間でない腐った目…気持ち悪い目に見える。
リヒト…はキラキラした目をしていた筈だ。
「良いかガイア! その眼鏡があれば娼館にも堂々と通える、勇者だから風評を恐れて娼館に通えないという事も無い」
そうか…良かった。
さっき見た目は..まるで悪魔の様に一瞬見えた。
「そうか、これで俺は娼館に通えるのか、お手柄だぜリヒト、お前がまた正義感振りかざすなら豚たちをどうにかしようと思っていたが、誓うぜ! もう俺は手を出さねーから専門の雌豚か肉便器にして楽しめよ」
いつも、綺麗ごとばかり言っていた奴にしちゃ、少しは世の中の事が解かったのか。
まぁ一応は及第点だな、雌豚三匹位くれてやるぜ。
「ああっそういってくれると思って俺専用の肉便器にする為にもう奴隷紋を刻んだぜ」
お前は…本当にリヒトなのか?
奴隷紋を刻んだ…そんな鬼畜な事…出来る奴じゃ無かった筈だ。
また、あの目だ…腐った様な嫌な目が俺を見つめていやがる。
「…お前..はやい…な、随分手回しがいいじゃねーか」
動揺する訳にはいかねーな。
俺は此奴より上の立場だ…ただ意表を突かれただけだ。
「まぁな」
「それでどうよ! 抱き心地はよー」
「どうもこうもねーよ! ガイアがスクラップにしちまったから治る迄使えねーだろうよ..セシリアなんて虫を詰め込んでいたから多分穴にもケツにも虫の手足が沢山刺さっているからよー、下手したらもう使えないぜ、あとの二人だってお前が無茶するから半分スクラップだぜ」
あれだけ壊れていりゃそりゃそうか。
「ああっ使い捨てる気だったからよーかなり無茶したからな、中古でお前にやるって解っていたら、もう少し大切に使っていたわ」
なんだその目は…その目は何だよ。
「そうか…まぁ良いよ。俺は中古で充分だ。それでな親友、さっきの眼鏡の使い方間違っているぜ!」
やはり見間違えだ…普通に笑っている。
「他に何か使い道があるのか?」
? 何が言いたいんだ。
「あのよー、その眼鏡を掛ければ別人になれるんだぜ」
「それはさっき聞いた!」
「酒場や街に出て好みの女とやり放題じゃねーか! その眼鏡かけて『魅了』してやるだけやってポイすればいいだろう? 気に入ったのが居たらそのまま金はあるんだ…部屋でも借りて囲っちまえよ。 魅了対策は上流貴族以上なら平民ならやり放題じゃねぇ。案外、騎士爵や男爵クラスの貴族令嬢辺りでも対策されていない可能性だってある…金だけでガイアが満足するならよぉ、商会のお嬢さんでも『魅了』してATMにすれば良いんじゃねーか」
おい、まさか俺に犯罪をしろって言うのか?
しかも、それどう考えても極悪非道だろう…俺は勇者だぞ。
そんな俺にレイプしたりカドワカシをしろ…そういっているんだぞ。
お前はどうして…そうなったんだ。
考え方が、まるで悪人『自分が良ければそれで良い』そう考えている様に思える。
「そうか…確かにそうだな」
俺はそこ迄考えていない…だが、逆らえそうにない気がする。
「そうそう…それでよ、ガイアが気に入った相手が居たら妊娠させて既成事実を作って婿入りすれば良いんじゃねーかな…まぁこれで下級貴族位なら行けそーだな。どうだ..」
「そうだな…確かにそうだ」
リヒト…俺はそこ迄考えて無い…考えて無いんだ、これでも一応は勇者なんだ。
「そんなのは面倒くさいそう言うなら、その身分証で奴隷を買って何処かで飼えば良いんじゃないか…さぁどうだ! これでガイアの性処理は完璧じゃねーかな」
なんでそんな事考えるんだ。
だが、腐った様なリヒト目を見ると、違うと言えない。
俺が…悪いのか…
「ああっ、そうだな…これで解決だ」
「それでよー魔王退治はもう無理だぜ…」
解っている…俺のせいだ。
「何でだよ…」
「『魅了』使ったせいで壊れちゃったよあの三人…下手したらそこらの雑魚冒険者にも勝てねーよ。流石に勇者でもお供の剣士1人じゃ…死ぬだけだ…大体もう解っているんじゃねーか」
確かにその通りだ…あの日から何もかもが上手くいってねーよ。
「お前の言う通りだ…本当に困っているんだ」
「まぁ気を落とす必要はねーよ、下級貴族や大商会で手が打てるならまだ方法はある。そこから上じゃ無いと嫌だというなら一緒に考えてやるから」
腐った様な目を向けながら、俺を見てくる。
俺は一緒にヤンチャが出る、そんな相手が欲しかった。
こんな大それた悪事をしたいとは思わない。
俺が馬鹿な事をしたから…だから…此奴は変わった。
幾ら俺が小悪党でも、そこらの女をレイプして捨てたり…監禁して弄んだり。
誘拐して孕むまで犯して捨てる…そんな事できねーよ。
俺は悪党になりたいんじゃない…悪徳貴族になりたいんじゃない。
『尊敬される人間』『勇者』になりたいんだ。
だが、彼奴は俺に『悪党』への道を勧めてくる。
何故だ…違う、俺は彼奴に限り…とんでもない『悪党』だった。
彼奴の大切な者を壊した…だが、恨んで無いと言っていた。
確かに、あの三人を壊した事で…三人は彼奴の者になった。
それでも彼奴は三人が欲しかったんだ…壊れた豚でもだ。
『その事に感謝している』…欲しい女が手に入ったから….
そうだ…あいつの目に映るのは『大悪人』の俺だ。
聖女、賢者、剣聖 を犯し、肉便器にした男。
そして、それが要らなくなると自分に寄こした大悪人…それが彼奴の目に映る俺…
俺が馬鹿なことをしたから、彼奴の中で何かが変わってしまったのだろう。
腐った目をする彼奴。
氷の様に冷たい目をしながら顔色を変えないリヒト。
犯罪計画を楽しそうに話すリヒト。
『怖い』
あの優しさの塊だったリヒトが今では悪魔の様だ。
俺は此奴と一緒で良いのか?
このまま、此奴と居ると俺は『大悪人』になる。
『逃げた方が良い』『リヒトに関わるな』そう、俺の中の心は叫んでいる。
だが…俺は誘惑に弱いのだろう…
眼鏡と冒険者証を手に掴み街へと繰り出した。
セシリア SIDE 愛あるSEXって凄い
私はただのオモチャだった。
『魅了』を使ってまでモノにした癖に、使われたのは2回。
しかも、2回目は使われている最中に捨てられる様に放り投げられた。
そこからは本当のオモチャだ。
2人を使っている間じゅう裸で土下座させられた事もあった。
犬の様に骨を食わさせらえたり、裸で四つん這いになり片足をあげておしっこをさせられた事もあった。
気に食わない事があると殴られる。
殴られた時に吐いたゲロやもらした汚物を「お前が汚したんだから綺麗にしろ」そういって食べさせられた事もあった。
極めつけは『人間便器』だ。
私は…私は…ガイア、リサ、リリの汚物を…食べさせられた事もある。
『魅了』のせいでこんな最低でゲスな男を愛していた。
◆◆◆
そこ迄していたのに…やれって言う事は何でもしてあげたのに..
リヒトの前で馬鹿にされた。
しかも、リサやリリに負けたのなら解かる。
話を聞くと私を含む三人はリヒト以下だったんだ…
あはははっ雌オーガだって…
「馬鹿だな、リヒト、そいつ全然楽しめないんだ…体なんて見て見ろよ男を通り越してまるで小振りのオーガだぜ。抱いてみれば解るけどゴツゴツしていて男としているみたいなんだぜ…しかも胸も小さいしよ…手でしごかせても見て見ろよ! どう見ても男の手だ、本当に使えねーよな」
リヒトが欲しがっただけで..
「雌豚2匹に 雌オーガ1匹か…お前から俺が奪った物だな…くれてやっても良いぜ、最早便所だからな」
「ああっくれてやるよ…ただリヒトが俺に忠誠を誓うならな..だが『魅了』は俺には解けないんだぜ…だからお前にやっても将来はゴミ女だ…もう壊れ掛かっているしな…」
あっさりと、リヒトに…渡された。
そんな…捨てられちゃったの…
心が痛い…胸が張り裂けそうだった、これからはリヒトが持ち主だ。
そう言いきかされた…酷い…
私達を貰ったリヒトは私達を奴隷商に連れていき…奴隷紋に避妊紋を刻み込んだ。
しかも逆らえば死ぬ、一番強い奴だ。
あははははっ笑うしか無いよ….奴隷だよ、ガイアが好きで剣聖だった私が奴隷だってさぁ。
しかも幼馴染で弟みたいに思っていたリヒトの奴隷。
だけど…リヒトは凄く優しかった。
私はガイアの物…ガイアのオモチャで便器。
性処理便器、肉便器じゃない…本当に最悪の本物の便器。
それなのに…便器じゃないってキスしてくれた。
今思えば凄く汚い…だって口には虫や茶色い物体がこびり付いていた筈だ。
心が動いた。
『こんな便器が欲しいなら、貴方に上げる』
心からそう思っていたのに…駄目、ガイアの方が、最低なあの男を好きな気持ちの方が強いの、本当に最低だ…でも無理なんだよごめんね。
リヒトは私の中の汚い物全てをかき出してくれた。
最低だよ…
穴と言う穴に詰まった汚い物を弟の様に思っていた子にかき出されるなんて。
吐きそうになりながら、泣きそうな顔をして綺麗にしてくれている男の子に「ガイアに捨てられるから」と泣きそうな顔で抗議する私…最低だよ。
私の事なんて愛してくれないガイア…リヒトはきっと私が好きなんだ。
そうじゃなくちゃ…こんな嫌な事出来るわけが無い。
こんな便器以下の女を好きになった馬鹿な子…本当に馬鹿だよ。
どうせ綺麗にしても無駄なのに…私はガイアの便器。
便器に恋するなんて…馬鹿だよリヒト…
答えてあげたい、だけど、私はガイアの便器だからその想いには答えてあげられない。
ねえ知っているの? 貴方が大切そうにしてくれた便器は女の価値が無いから2回しか抱いてくれなかったゴミみたいな女なんだよ!
しかも2回目の時には「全然よくねー」と言われそのまま髪を掴まれ投げ捨てられたのよ。
そんなゴミみたいな体しているの。
そして抱く価値も無いからってね、その後は….二度と抱かれる事は無くて、ただのオモチャだったのよ。
多分、リヒトも抱いたらガッカリすると思うよ。
そんな綺麗にする価値なんてないよ。
犬の様に四つん這いで汚物や虫を食べていた女なのよ? 見たでしょう。
名前でも呼ばれなくて、雌豚やて雌オーガと呼ばれる女なのよ。
気に食わないとサンドバックの様に吊るされてただひたすら、殴る蹴るをされる事もあったのよ
それにね、私はリサとリリからも最近は見下されていたわ。
だって、リサやリリの汚物まで遊びで食べさせられていたんだからね。
誰かに大切にされるって嬉しいな…
だけど..私はなにも答えてあげられないの。
◆◆◆
気がついたら私は寝ていたみたいだ…こんな風に寝たのは久しぶりだよ。
「目が覚めた…セシ姉」
凄く優しそうな笑顔…あのね魅了に掛かっていてもリヒトが優しい、リヒトの方が大切にしてくれる。
そんなのは解かるの…だけど、未来が無いよ…私何か好きにならないで。
「リヒト…嘘…」
「取りあえず、セシ姉に詰まっていた物は全部取り出して綺麗にしたよ…ついでにポーションを振りかけて置いたから傷も無いよ」
嘘…あれが無くなるとガイアが怒る、捨てられちゃうよ…余計な事しないでよ。
「嘘…ああっ無い..汚物と虫が全部ない…これじゃガイアに嫌われるじゃない..ああっ」
汚い物を取って貰って気持ち良かったのに…我慢して取ってくれたのに…私はガイアの便器…心から便器なんだよ、リヒトへの感謝より、ガイアに捨てられるのが怖い。
「セシ姉は『ガイアのオモチャ、便器扱い』それで良いの?」
良くない!良くないに決まっている…だけど、それしか私には無いの。
こんな体だから、ゴツゴツした体だから愛してくれないんだから仕方ないでしょう。
「良くない! 私だって普通に愛して欲しい…だけど…だけどね…可愛くないし、キモイらしいし体もゴツゴツして抱きたく無い…そう言われたのよ…だからこれしか私には無いの…」
なんでそんな目をするの…いや。
「そう? 俺には解らないよ…だって俺にはセレ姉はとびっきりの美女にしか見えないもの…あんな姿を見ても便器だなんて思えない」
そんな訳無いよ…貴方だって見たでしょう..便器なの価値なんて無いの…
「嘘…私が綺麗な訳ない…最低の雌オーガで便器なんだから…」
「違うよ..ほら」
嘘、なんでキスなんて出来るの…こんな汚い口に…
「うぐっうぐうう、うんうんうっ….」
荒らしいけど優しいキス。
一瞬で心を奪われる様な気持ちの篭ったキス…大切に思っているのが本当に伝わるよ。
「便器にキスはしないだろう…俺はセシ姉を愛しているんだ」
うん、その気持ちは伝わったよ…凄く嬉しい、だけど私は…駄目なんだよ。
「リヒトごめん…私は便器だけどガイアの物だから、その気持ちには..ううんっ、うっ!」
ズルいなぁ、私に答えさせないつもりなんだ…だけど優しいね。
「俺が嫌いなら俺の舌を噛み切ってくれれば良いよ…そうすれば俺は死ぬから…嫌いならそうして欲しい」
本当に死ぬ気なの…こんな汚い女の為に..命捨てる気なの。
便器だよ…その辺の娼婦の方がよっぽど綺麗だよ…
駄目だ…こんな真っすぐに愛しているっていう人間、幾ら魅了に掛かっていても拒めないよ。
良いよ、相手してあげる…多分リヒトは何でこんな女抱いたんだろうって後悔するよ…良いの? 抱いて良いけど…もう忘れなよ、こんな汚い女、貴方には相応しくないからね…
「困らせないでよ…解ったよ…こんな便器みたいな女を愛している、そう言うなら今だけ相手してあげるよ…何しても良いよ便器で雌オーガだから、その代わり終わったら、忘れて」
一度だけ一度だけ、貴方の想いに答えてあげる。
こんな汚い私を愛してくれるって言ってくれたからね。
「そう、解ったよ…全てが終わってその気持ちが変わらないなら、そうすれば良い…ただ今だけは俺の恋人になって欲しい」
無理だよ、私は魅了でガイアの便器なんだから、それにきっとリヒトもこんな体抱いたら嫌いになるよ…だけど、それで良いなら…良いよ。
「解かったよ…それで良いなら良いよ」
愛しているって初めていって嬉しかったから傷つけたくないし嫌われたくないよ…
頷く位しか出来ないよ…
「ありがとう…なら俺達は恋人同士、好きな相手にするSEXを今からするね」
そんな物があるの? 私にはSEXなんて辛い記憶しか無い。
あの二人位には優しくして貰えるのかな?
それ以上? なにか違いがあるのかな?
「恋人同士、好きな相手にするSEX」
「セシ姉、本当に愛し合う二人がするSEXは違う…今からそれをしよう」
そんな物、私は知らない…
「リヒト、解らないよ」
「大丈夫だよ…セシ姉はただ受け入れてくれるだけで良いんだ」
どうして良いのか解らないよ…だけどリヒトは優しいな、なんでそんな大切そうに私を触るのかな?
「解かったよ…今だけは恋人…それで良いんだね」
今だけ、今だけで良いなら良いよ…多分私を愛してくれたんだから答えてあげる。
だけど..後悔するよ。
「うぐううんうぐうぐっううん、ぷはっ…駄目、私は口も汚い」
好きって凄いんだね、こんなさっき迄汚物が詰まっていた汚い口にキスできるなんて…本当に汚いのに…
「そんな事無いよ、大好きなセシ姉に汚い所なんてないよ…」
そんな訳無いのに..だけど本当に大切そうに触ってくれるし、キスまでしてくれるんだね。
凄く優しいね。
「嘘…さっきリヒトも見たでしょう? 私の口は、うぐっ?ううんっうん」
なっ、そうなんだ…私に言わせない気なんだ…ズルいな。
「俺はセシ姉を愛している…だからそんな事は気にしない」
なんてまっぐな目、こんな目されたら幾ら私でも否定できないよ。
こんな目見たのは何時ぶりかな…解らない。
「良いよ、リヒトがそうしたいなら」
多分、今の私は…まだ臭い。
口臭も鼻を含む、穴と言う穴からまだ汚物の臭いがしている気がする。
こんな体で相手するのか…辛いな。
便器…ううん、それじゃ無くても終わっているよ。
「セシ姉…今は俺の恋人だろう? だったら、違う言葉が欲しい」
「何て言えば良いの?」
好きなのは解ったよ、だからしたい様にしてあげる。
「好き、もしくは愛しているって言って欲しい」
「リヒト…今の私がそれを言えば嘘になる」
答えてあげたいけど、それでも私が好きなのはガイアなんだよ。
「それでも、言って欲しい…今は俺だけのセレ姉で居て欲しい」
またまっぐな目、凄く私が好きなのは解る…今だけ、今だけならその嘘に付き合うよ。
「リヒトがそう言うなら解かったよ…愛している、好きよリヒト…これで良い、私みたいなゴミ、うぐっうううん、うん」
リヒトは優しいな、私が自虐的な言葉を言おうとすると口を塞ぐようにキスしてくるんだから…ズルいな。
「ゴミとか汚いとか言うのは今は禁止。俺にとってセシ姉はどんな宝物より大切な存在だから」
そうか…リヒトにとって私は宝物なんだね…だけど信じられないよ、私は便器だもん。
「嘘…私は便、うぐっうううん、うん..ズルい」
やっぱり最後まで言わせて貰えない…本当にズルいなぁ。
「本当だよ、もしセシ姉の事を何処かの王子様が好きになって…同じ重さのダイヤと交換してくれるって言われても絶対に譲ってあげない…俺にとっては本当に宝物なんだよ」
そうか、リヒトにとって私は宝物なの?
だけど、言い過ぎだよ..そうかダイヤより価値があるのか…便器なのに馬鹿な子だな。
だけど..嬉しいな、嘘でも嬉しいな…あれっ嬉しいの?
なんで…かな。
「そう…なんだ…リヒトにとって私ってそんなに凄いんだね、だけど、私は、うぐううんうんっぷはっ、ずるいよリヒト」
「駄目だよ、そこから先は聞きたくない…今は俺の恋人なんだから、他の男の事なんて言わないで」
本当にズルいなリヒトは、都合が悪くなると直ぐにキスで口を塞ぐんだからもぉ。
あれっ…どうしたのかな? さっきから私リヒトの事ばかり考えている。
「ごめん、解ったよ、リヒト」
何でかな? ちゃんとリヒトの事が考えられる。
「好きだよ、セシ姉…愛している..」
「リヒト、私も愛している…これで良いのかな」
心に罪悪感が無い..多分今の『愛している』は嘘じゃ無く心から出た気がする。
「うん、だけど『これで良いのかな』は要らない」
「あっ..ごめん」
素直になれる。
私…リヒトの事が…本当に好きなのかも知れない。
「ごめんも要らない」
「そうだよね..リヒト愛している…好きだよ..ああっちょっとリヒト、そんな所、そんな所は良いって、くすぐったい、ってば」
多分、この『愛している』は本当に出た好きな気がする…怖い。
これが好きって感情なら、ガイアを好きって感情は何なのかな..全然違う。
なんで耳に舌入れて来るのくすぐったいよ…だけど、そんな所まで良く舐めれるよ。
好きな人とするSEXってこんな事もするんだ…だったらガイアがやっているあれは何?
絶対これとは違うよ。
「俺はセシ姉が好きなんだ、だからセシ姉の全てを感じたいんだ」
「そう、何だ…耳なんて舐められた事が無いから驚いたよ…それももしかしたらリヒトが言っていた、好きな人とするSEX…なのかな?」
「そうだよ、好きな人を喜んで貰いたい、そういう思いが籠ったSEX、俺はセシ姉が好きなんだ、だからだよ」
「そう…何だか、これくすぐったいね…私もリヒトを…好きだよ」
これが好きな人、愛している人とするセックスだと言うのなら、今迄のは絶対に違う。
だって、心がポカポカして体が凄く熱くなる…頭の中がリヒトで一杯になるの。
気持ち良い…っていうかリヒトその物が凄く気持ち良い。
「嘘でも嬉しいな…セシ姉ありがとう」
なんで泣いているの、私が好きだって言ったから?
そんな一言で嬉しいの? リヒトが嬉しいなら私も嬉しいな。
私は本当に…リヒトが好きなのかも知れない。
「リヒト…こんな事で、こんな言葉でそんなに嬉しいの?」
「好きな人に好きって言って貰えて嬉しくない訳ないじゃない、最高に嬉しいよ」
好きって言うだけでこんなに嬉しがるリヒトが愛おしい。
こんな言葉で言うなら何回、ううん何百回でも言ってあげるよ。
「そう…それなら、沢山いってあげるね…リヒト好きだよ」
そうか…嬉しいんだ、リヒト…私もね嬉しいよ。
「ありがとう、セシ姉」
そのまま唇を目に移した。
「セシ姉の目って凄く綺麗だ…」
「リヒト…それ凄く怖い…」
リヒトが私の目を舐めてきた。
凄く怖い…だけど凄いな、好きな人とするセックスってこんな事もするんだ。
だけど、リヒトが綺麗だっていうし…ううん大丈夫だよ…綺麗な目なんて言われたら断れないよ。
「セシ姉ありがとう…」
「どうしたの? 私何もしていない…よ」
「目を舐めさせるって行為は『信頼』や『愛』が無いと出来ないんだ…だから凄く嬉しいんだ」
確かにそうだよね…こんなの本当に好きな相手じゃなくちゃ怖くて出来ないよ。
だって目が見えない状態で眼球を舐められるなんてリヒト以外に絶対させないよ。
だけど、リヒト凄く嬉しそうだな…ううん喜んでくれるなら、良かったよ。
「そうなんだ…本当に…そうなのかも知れない」
「嬉しいよ、愛しているセシ姉」
「私も愛しているわ、リヒト」
もう解っちゃったよ、私は今も昔も『リヒト』が好き。
だから、愛しているという言葉は…私の本心から出た言葉だ。
うん、私はリヒトを愛している。
「ありがとう」
「えへへっどう致しまして…あっあああっ、そこは駄目、汚いし臭いから駄目だよ」
全くリヒトは…本当に困るよ…だけどこれがリヒトの好きっていう行為なら拒めないよ。
それにそんな所も『愛してくれる』なんて思うとつい顔がにやけちゃうよ。
「セシ姉に汚い所は無いよ..それに良い臭いだよ…うんセシ姉の臭いがする」
臭いを嗅がれてもリヒトが相手なら嫌じゃないし嬉しい…こんな変態みたいな事、絶対に他の人間にはされたくないよ。
「あっああああっ、くすぐったいよ…全くもう、だけど凄く恥ずかしいよ…だけどリヒトはそんな汚い所でも好きなんだね…変態さんだ」
リヒトと目が合った。
全く、本当に変態だよね、こんな事して嬉しそうな顔しているんだからさぁ。
「あのさぁ、俺は変態じゃ無いよ…好きな相手じゃなくちゃこんな事はしないよ、セシ姉だから出来るし、愛おしいんだよ」
うん、凄く解る。
凄く大切にしてくれているんだね。
嬉しいな。
「そう…なんだ..嬉しい…だけど恥ずかしいな」
顔が赤くなるよ…愛しているって言われて大切そうに触りながらあちこち舐められているんだから…こんなの初めてなんだから。
「セシ姉…凄く可愛い」
「馬鹿…私の方が年上なんだよ」
「そうだった、綺麗だよ」
「そう…私綺麗なんだ、リヒトも…あん、またそんな所を、あああっあんハァハァくすぐったいよ…それに少し恥ずかしい」
今度はおへそまで舐めて来るなんて…本当にもう…嘘、そこは嫌だ。そこは本当に嫌。
「ハァハァ、あああっもう…リヒトそこは駄目、嫌ぁぁぁぁ駄目」
そこは本当に汚い…ううん、普通の女性の汚いじゃない。
さっき迄、糞尿に虫が詰まっていたの…本当の便器なんだよ…
それなのにリヒトは待ってくれない…顔を突っ込んで舐め始めた。
「本当に汚い、私のは本当に汚いんだ..そんな事しないで良いよ…嫌」
そんな汚い所…本物の便所以下のそんな所を舐めるなんて…本当に謝りたくなる…ごめんねリヒト、それはして貰える資格なんて本当に無いよ…ごめんね。
泣きたくなった…
「うんぐペロ…あのねセシ姉、俺は最初からセシ姉に汚い所なんて無いって言っていたよね…確かにさっき迄汚かったかも知れないし、こんな事は誰にでも出来ないよ…大好きなセシ姉だから出来る事なんだよ…本当に愛しているんだ」
本当に馬鹿だよね…こんな私が本当に好きなんだ。
こんな汚い場所まで好きって言われたら…私が本当に好きって事じゃない。
こんな汚い所、私のじゃなくても出来る男なんて居ないよ…
「あああっ、あんあんああっ、またそんな事言ってこんな変態みたいな事、絶対にリヒトしか、ああああん、駄目だって、しないよ..ハァハァ、だけど愛しているからするんだ…だったら…本当に汚いのに、なんでこんな汚い穴…好きなのよ..ハァハァ」
「だから、セシ姉だからだよ、他の女のなら汚らしくて触りたく無いよ」
「全くもう…さっき迄、あんな状態なの知っていてリヒトはそんな事出来るんだね」
本当にしょうがないな…こんな私にさっきから夢中になるなんて。
今の私でこんなに愛してくれるんだ….嬉しいな。
ガイアの事なんかどうでもよいや。
こんなに愛してくれて大切にしてくれるなんて想像いじょうだよ。
リヒトにあげたかった初めてを奪われて汚したガイアは…死ね。
何が起きているのか解らない。
ガイアは死ね…なんでかな?
ガイアに対して愛情が無くなった気がする…
今はそんな事より『リヒトを貪りたい』
まったく、リヒトはどんだけ私が好きなのよ…今度は肛門まで舐めるなんて..
昔の私ならきっと変態っていってビンタしていると思う。
なのにズルいなぁ~ これが好きな人にされている。
そう思うと嬉しくて仕方ないんだもん。
ガイアの時と違う…リヒト相手なら自分から喜んで変態になれるよ。
「愛しているよ、セシ姉」
うん、解ったよ…私も愛しているから。
「あああっあん、あん、全く本当に変態だよ…もう」
「そうだね、俺はセシ姉限定で変態かも知れないな、だってこんな事もしてあげたくなるから」
本当に変態だよね…こんな変態カップルこの世界に居るのかな?
私は知らない…だけど、その変態行為が全部私への愛なんだから受け止めるしかないよね。
「ああっ、そこは本当に汚い、お尻なんて、なんでそこ迄出来るの、ああああっくすぐったいよ…それに切ない、切ないよ…そうだ、リヒトはぁはぁリヒトも何かして欲しい事は無いの..ハァハァ」
本当に好き、ううん愛している。自分から何でもしてあげたくなる位に好き。
もう自分でもどうしようもない位好き、愛している。
「それなら、俺のも口でして欲しい」
こんな変態みたいな事、絶対に普通はしないし出来ないのが普通だよね。
だけどさぁ、リヒトはさっきから私を舐め続けていて、腋毛や私の陰毛が口についているんだよ。 そんなに愛して貰っているんだから…リヒトを愛しちゃった私が断るわけ無いよね。
うん、私も変態だよ…リヒト限定だけど…
「良いよ…ハァハァやり方教えて」
だけどやり方が解らないから聴くしかないよ…
「そうしたら、セシ姉が上になって俺は下からするから」
嘘でしょう、私が上になって、リヒトが下でお互いに股に顔を入れて…するの。
凄いなぁこれ…こんな事している人、本当に居るのかな? リヒトだからしちゃうけどさぁ。
「うううっ、これ恥ずかしい…絶対に変態だよ…だけどリヒトは私を愛しているから、してくれたんだよね、頑張る…どうすれば良いの」
これ本当に恥ずかしい。
だってリヒトの顔に私の股間を擦りつけた状態で咥えるんだよ…
「そのまま、咥えたり舐めたりしてくれれば良いよ」
「わはった…こほ、うんぐううんうん、うぐううんうん、こえでようい」
「うん、凄く気持ちいよ、それじゃ俺も」
「もほう、なうなかしゅうううちゅうできないよ、ううんうん」
お互いにしあうのって恥ずかしいけど…嬉しいな。
リヒトもか喜んでくれているみたいだし。
だけど、リヒトの太くて大きい…うん咥えるの大変だよ。
「ああああっあああああっなにこれ…気持ち良い~ あっリヒトごめんなさい..私、私 おしっこなんてかけて」
嘘、嘘…私何しているの大好きなリヒトに掛けちゃうなんて…いや嫌われたくない。
「良いよ、気持ち良かったんでしょう? こう言うのが愛のあるセックスなんだ…俺はセシリアを気持ちよく出来て嬉しいよ」
「これで、本当に嬉しいの? 私は気持ち良かったけど…はぁはぁ..そうだ、私もリヒトを気持ちよく、あーむうぐうぐ、うんちゅばちゅば…どほ?」
凄く優しい…こんな事しても怒らないし、私が気持ち良くなったのが嬉しいなんて。
私も頑張らないと…だけどさっきから私の股間ばかり見てる…怖いな。
ううん、やるのは怖くない。
だけど気持ち良くないと言われるのが怖くて辛い。
「あの…セシ姉…そろそろセシ姉が欲しい」
ついにきた…あんな極細皮付きソーセージのガイアですら気持ち良くないって言われた。
嫌われたくない…
「あの…私、凄く気持ちよく無いよ…それでも良いの? 嫌いにならない」
「俺はセシ姉と一緒になりたいよ」
リヒトは優しいよね、こんな私を求めてくれるなんて。
「良いよ、リヒトの好きな様にして」
「うん、それじゃ行くね」
「うん」
嘘、ちょっと痛いけど…なんだかゾクゾクする。
自分の穴が広がってリヒトの物になったそんな気がして凄く嬉しい。
「あああっ凄く太い…ハァハァちょっと痛いけど、なんか気持ち良いよーーーっ」
頭の中のガイアが完全に居なくなった。
今はそんな事より、何よりもリヒトだけを感じたいし、他の事は考えたくない。
初めて抱かれたのに…リヒトの子なら孕んでも良い、ううん産んであげたい。
ただただ愛おしい。
世界なんて滅んでも良いよ…私とリヒトだけいれば良い…そして何時までも繋がっていたい。
「可愛いよ、セシリア、ハァハァ」
「私、私も…リヒトハァハァ私も、抱きつかせて抱きついて良いよね」
リヒトが腰を振ってくれているけど…それ以上にリヒトと一つになりたい。
嬉しいな、抱き着いたらキスしてくれた…リヒトは何時も私の好きな物をくれる。
「「ううん、うううっうんぷはっううん」」
これが好きな人とするSEX…こんなのを知ったらもう他のなんて何も要らない。
リヒトが居れば他は何も要らない。
「ああっあああああん、リヒトいっちゃう…私いっちゃうよーーーーっ」
二人していっちゃった。
気持ち良さそうなリヒトの顔を見て…安心した。
私が悪いんじゃないガイアが下手なだけだ。
だって相手がリヒトだとこんな貪るようなSEXができるんだもん。
二人してこんなに気持ちよくなれるんだもん。
「はぁはぁ、凄いね、愛のあるSEXって気持ちよい…終わっちゃうのが勿体ないよ」
「あのセシ姉…まだ幾らでも出来るよ」
「リヒト(てれっ)それって私が好きだから?」
「愛しているからだよ」
「そうなんだ、えへへっ」
こんなに頑張ってくれたんだから今度は私が頑張る番だよね。
リヒトの上に跨り、また大きくなったリヒト自身を迎え入れる。
「今度は私が頑張るから….教えて」
凄いな~愛あるSEXって、リヒトが喜ぶから口でもあそこでもお尻でも何でもしてあげたくなっちゃう。
ううん、自分からしたくなるんだよね。
私は本当は汚い物は嫌いなんだ….だけどね、むせる様な精子の臭いもそれがリヒトのだと思えると愛おしくなるの
リヒトに抱かれながら、気がついたら精子だらけで寝ちゃったよ。
愛あるSEXって凄いね…
だってリヒトしか見えなくなるんだから。
新しい日常
「おはよう! なに…」
朝起きたら、セシリアの股間が目の前にあった。
一応、三人に大きな一部屋を借りて俺は別に部屋をとっている。
「だって、リヒトはお姉ちゃんの事愛しているんでしょう? だからぺろぺろして欲しいなぁ~って思って」
「そうだね、しようか?」
「うん、その代わりお姉ちゃんもリヒトのにしてあげるから、あーむっ」
ほぼ、裸で突撃してくる。
セシリアのお気に入りは、クンニか69。
自分からはフェラチオをする事が多く、逆にSEXは今の所夜だけだ。
好きになって貰って嬉しいが、愛=愛情のこもったSEXと歪めてしまった為こんな状態が多い。
「どうほうっ、きもひいい?」
ここ迄しているんだから仕方ない…俺も口をつけてし始めた。
セシリアの中での愛は…「汚い私でも愛してくれる」それが根付いてしまった。
その為、たった数日なのに「俺の為なら何でも出来る女」になってしまった。
その為、普通のSEXよりこの世界ではアブノーマルなフェラチオや69をしたがる事が多い。
「うんぐ、ううんあああん、ううんハァハァきもひいいよぉ~」
「うぐくちゃくちゃぺろぺろ、これが朝の始まりだ」
『ふうっ、私の剣を見よ!』
そう言っていた男勝りのセシリアでは無くなってしまった。
もう絶対に魔王なんかとは戦えない…此処に居るのはお姉ちゃんかぜをふかせているセシ姉が、そのままエッチになった姿だ。
「ううん、ううっううーーんゴクり、ううむううんうん、ぷはぁーっ」
ぷしゃぁぁぁぁーーっ。
お互いにいった所で取り敢えず朝は終わり…そうしないと、その日は外に出られなくなる。
「どうしたの? 変な顔をして」
手を伸ばしてセシリアの口についていた陰毛をとり除き、逆にセシリアは俺の口元の陰毛を取りのぞいた。
「「うんぐううんっあ~むうん」」
俺が返事を返す前に舌を絡めて濃厚なキスをしてきた。
これもセシリアの愛の確かめ方になってしまった。
口内発射した状態、俺はクンニした後…そういう汚い状態でもキスが出来る。
それがお互いの愛の形になってしまったから…生涯するしかない。
拒むと凄く悲しい顔をするし…直ぐに歯磨きやうがいをすると不貞腐れる。
だから、朝は暫く歯磨きが出来ない。
「いや、セシ姉が子供の頃に戻った様な気がして」
「うん、もう私は剣聖じゃないよ..リヒトだけのセシ姉だもん、魔王なんかと戦わないよ…将来はリヒトのちょっとエッチなお嫁さんになるんだから」
「それは駄目だよ」
「何で?」
拗ねている、拗ねている。
「ちょっとじゃないよ、凄くエッチなお嫁さんだよね」
「そうだね…」
顔が赤くなった…うん凄く可愛い。
◆◆◆
「ガイア様なら暫く帰って来ないそうです」
「流石に毎日押しかけるのは悪いから帰って来たら連絡するように伝えて置いて欲しい」
「畏まりました」
ガイアが居なくなった。
眼鏡を使ってどこぞの女としけこんでいるのか..
その女には気の毒だが…今は会えない方がありがたい。
◆◆◆
そして問題はこの二人だ。
「リヒト、そのわたしは奴隷…しなくちゃいけないんだよね」
「お兄ちゃん、私達兄妹みたいなもんだよ…しないよね?」
二人は遠回しに断ってくる。
態と冗談ぽく二人を寝室に連れて行ったら、リサは唇を噛んで目を瞑り、リリは泣き喚いて暴れた、リサは兎も角リリに到っては奴隷紋が働いて過呼吸になった。
何かするにしても、今のリリに何かやるのは怖い…死なれても困る。
そう考えたら、次はリサしかいない。
時間を掛けても好転しないだろう。
今日、セシリアと一緒に買い出しをして…リサに勝負をかける..それしかないな。
リサ攻略 冷たい目と届かない思い
「ごめんね、セシ姉、暫く相手してあげられない…それとリリのお世話をして貰えるかな?」
「解かったよ…少し寂しいけど我慢するよ…その代わり終わったら、沢山してね」
何処かに旅に出る訳じゃない。
これから、籠りっきりでリサとSEXする。
セシリアの場合は運が良かっただけだ。
信じられない位の暴力や精神的な苦痛を浴びせられていた為、恐らくガイアへの好感度はかなり下がっていた筈だ。
それですら、あれ程、手こずったんだ…普通に生活していたリサはきっと比べ物にならない筈だ。
俺に出来る事は….結局一つしかない。
リサはする事に対しては無抵抗だ。
だから…俺は限界SEXをする。
心を開いてくれるまで部屋から出ない。
SEX、セックス…殆どの時間を…ひたすらする事だけに費やす。
これしか思いつかなかった。
◆◆◆
「奴隷だから仕方ないよ…だけど心までは渡さないからね」
リサが死んだような目で俺を見つめてくる。
こんな一言がこんなに辛いと思わなかった。
聖夜の記憶が宿った俺なのに…涙が出て来た。
リサは他の女と違う。
俺にとっては婚約者だった…
全く同じ顔で「愛しているわ」「世界で一番好き」そう言っていたのに..
今は冷たい目でただ、ただ見ている。
「好きだよ」
「…」
そう言いながら口づけをした、そのまま舌を潜り込ませようとするが、頑なに口を開いてくれない。
「口を開いて…」
リサは口を弱々しく開いた。
多分、これは奴隷紋が働いたんだと思う…
「うぐっううううっううううーーっ、嫌ガイア、たす」
聞きたくない。
「ううん、ううっうううーーううううっけほけほっ…ううっ」
涙目で睨ん来る。
頑なに拒んでくる。
こんな事で怯んではいられない。
耳元で囁きながら耳の裏を舐める。
「愛しているよ」
「くすぐぐったい」
「好きだよ」
そう言いながら耳の穴に舌を差し込み舐める。
「ううっ気持ち悪い、いや」
「愛しているよ」
「そう…ありがとう」
そのまま首筋を舌を這わすもなにも反応しない。
そのまま顔に移し..目を舐めた。
これなら、何かしらの反応がある筈だ。
「こ、怖いわ、止めて…どうせ無駄なんでしょう..」
これでも駄目なのか…
そのまま、鼻の穴に舌を入れて舐め回した。
死んだような目で俺を見てくる。
「貴方…変態よ..奴隷とはいえこんな事するなんて…」
嫌われるってこんなに違うんだな…
なまじ婚約者だったから、リサの笑顔を知っている。
だから、凄く答える。
「俺はリサを今でも愛しているんだ」
「そう…ありがとう」
そう言いながら脇の下に顔をうずめて舐め回した。
「好きだよ、愛している」
「そう…ありがとう」
そのまま、乳首を舐め回しながら甘い言葉を囁いた。
「嘘でもいいんだ、好きって言って欲しい」
「好…嘘は言えないわ…ハァハァ」
今少しだけ何か変わった気がした。
そのままおへその方に移り…舌を差し込みながら舐めた。
「ううん、ううハァハァ」
リサは口を手で塞ぎながら必死に声を出さない様にしている。
心とは別に体は反応する、これならいけるかも知れない。
そのまま口を股間に移しひたすら舐め回した。
「ああっああん、あああーーーっ」
反応がある…これならいけるかも知れない。
「好きだよリサ」
「そう、ハァハァ、だから」
そこから肛門に口を移し、股間を舐めながら、クリトリスを指で優しくなでた。
「ああっああああん、ああああーーっ」
そのままお尻の穴に指を入れた。
舐めていたせいか、思ったよりすんなり入っていき…受け入れた。
股の間を舐め回しながらクリトリスを舌で転がしながら、お尻に入っている指を動かした。
「嫌ぁぁぁ変態止めてよ…ハァハァ、あああっあん」
顔は真っ赤になり、声が止まらなくなっている。
そのまま、ペニスをゆっくりと挿入していき、ゆっくりとグラインドさせた。
「ああっ、大きいわ凄い…気持ち良い…ああっああん、あん」
暫く動かすと、リサは体をぴくりとさせ絶頂した。
ぷしゅゆうううううっ 勢いよく潮とおしっこが流れ出した。
「止まらない、止まらないわ、あああああっ」
少しは上手くいったのか….
そう思いながらリサを見た。
直ぐにリサはうつ伏せになり…冷めた目で俺を見ながら…
「愛が無くても、ハァハァ 気持ち良くはなるのね」
そうつぶやいた。
リサ攻略 彼女に何が起きていたのか。
リサとの最初のSEXが終わり、腕枕をしながら話している。
昔、彼女が良く俺にせがんだ腕枕だが..今は嫌がるリサに俺からお願いしてさせて貰っている。
「本当に物好きね」
相変わらず…冷たい目で睨んでくる。
暫くリサを見ているとポツリ、ポツリと話し始めた。
「私がガイアに抱かれたのは『魅了』を掛けられてからじゃないわ」
初めてきいた..冷たい目に少しだけ涙が浮かんだ気がした。
「あの..」
「黙って聞いて! ガイアは最低の男よ、私はガイアに脅されて犯されたの」
◆◆◆
リサは俺と婚約したあと、ガイアに何回も犯されていた。
リサが拒めない理由は『俺』だった。
「なぁリサ、やらしてくれよ」
「なに言っているの? 私はリヒトの婚約者なのよ?恥を知りなさい」
パシッ
「いてぇーな…だけどお前、それで良いの? リヒトは四職じゃ無いんだぜ、その気になれば何時でも使い捨て出来るんだ…死ぬような命令したって俺は勇者だから誰も咎めねーよ」
「それなら私が守るわ」
「聖女は攻撃呪文もってねーよな…それに『リヒト一人』にいくよう命令したらお前は何もできねーよ」
「なんで、私なのよ」
「セシリアは剣聖だ。場合によってはこんな事言えば殺しに掛かってくるだろうな、まぁ返り討ちだが…リリとは純愛をしたい訳よ」
「だから、なんで私なの」
「おもちゃに出来るのはお前だけなんだ…聖女なら力づくで犯せるだろう? それにお前はリヒトを捨てられねーよな」
「嫌、いややめて、やめてーーーーっ」
◆◆◆
「リヒトや他の二人が調査に行っていた時よ…言えなかったわ…その後もね今度は『この事を知ったらリヒトが悲しむだろうな』って脅されたわ…しかも彼奴、記録水晶まで持っていて録画していたのよ…笑顔の貴方に私は言い出す事は出来なかったわ」
「そんな事があったのか?」
俺はなんて馬鹿だったんだ。
「そうよ、最低でしょう…ガイアに犯されながらも、貴方が好きだから結婚したかったのよ。そのうちガイアも飽きるだろうって…手柄を立てれば貴族令嬢の方に行くからそれまでの我慢だと思ったのよ…そうすれば誤魔化せるそう思っていたのよ」
「それは俺のせいだ…」
「そうかもしれないし、違うかも知れない…ガイアが最低なのは解るのよ、だってSEXばかりする癖に、彼奴子供が嫌いなんだって、妊婦が嫌いなんだって…クズでしょう」
◆◆◆
「リサ、絶対妊娠なんてするなよ…妊娠したら腹殴って子供殺すか、股から手を突っ込んでかき出すからな」
「ハァハァ、馬鹿じゃないの、避妊紋もしないでSEXしていれば妊娠するわ…それにそんな事したら、私死ぬわよ、ハァハァ」
「死にたく無いなら、気力で避妊するんだな…ほらほら死にたく無ければな」
◆◆◆
「こんな事ばかり言っていたわ…クズだよね…だけどね…私もクズになったのよ…ある時ガイアが言い出したのよ」
「そうだ、お前、人に体を差し出すだけで何もしないじゃん、自分からは求めてこないし」
「そうよ、幾ら犯されても心はリヒトの物だわ」
「なら、チャンスをやるよ、俺の子を妊娠しろよ」
「嫌よ、馬鹿言わないで」
「俺の子を妊娠したら、もう終わりで良いや、俺は妊婦や経産婦は嫌いだからな…そういしたらリヒトと一緒に、パーティから解放してやるよ」
「本当に」
「ああ、約束する」
「それからは、私は貴方に隠れてガイアを誘ったわ、2人にも気がつかれない様にね…リヒトと一緒にパーティを抜ける日を夢見て…ガイアはそんな私をニヤニヤしながら見ていた…だけど妊娠したら解放、それは経産婦が嫌いなガイアだから嘘じゃない…生まれた子は、妊娠したのが解ったら、貴方と関係を持って、リヒトの子として育てれば良いって思っていたの…最低でしょう?」
「もう気にしないで良いよ…気がつかなかった俺も悪かった」
「謝らないで…悪いのは私」
◆◆◆
「だけど..何で今頃になって、そんな話をするんだ」
「あのね…リヒト、今でも私の中にはリヒトを好きって気持ちはしっかりあるよ」
「それなら」
「だけどね、ガイアはもっと好き、愛しているの…最低のクズ、そんなの知っている…だけど駄目なのよ…本当に好きなの…グスグスッ、自分が可笑しいのだってね、偶に冷静になると解かるの。昔は大好きなリヒトをガイアから守る為に嫌いなガイアに抱かれていた。今はリヒトに抱かれているよね…だけど、今のこの状態は、大好きなガイアの為にリヒトに抱かれている状態なのよ…幾ら間違っている…そう思っても駄目なのよね」
「リサ…」
「こんな酷い女なんて忘れた方が良いよ…」
「それでも俺はリサが好きだ」
「私は、きっと何も答えてあげられないよ…」
憎しみを込めて見つめていたリサの目が、悲しい目に変わった気がした。
リサ攻略 まだ遠く、君に心は届かない。
もう三日間が過ぎた。
朝から晩まで、閉じこもりっきりでリサとセックス三昧。
「ああああーーーっ、あんあんあんあーーっ」
「好きだよ、愛している」
「気持ちいいよ、リヒト、気持ちいい」
強引にキスをして唇を奪う。
「ううっうんっ、ううん、ぷっはぁぁぁぁ」
「好きだよ、リサ愛しているよ…リサ」
「私は…愛してい、うぐっううんうんうっ….ズルい」
駄目だ、多分、いま『愛していない』そう言おうとしたんだ。
もうやりっぱなしのせいか、リサの股間は常に濡れていてテラテラしている。
俺の肉棒は、巨棍では無いけどかなり大きい。
それに対してガイアはかなり小さいみたいだ。
そのまま、ゆっくりと挿入して腰を動かした。
「ああっ、あん、ああーーーっ気持ち良いよ….リヒト、凄く気持ち良い…」
「ガイアよりも気持ち良い?」
「そんな比べられないよ…ああっ」
ピタリと腰を止める。
「リヒト? ハァハァ、何で止めるの?」
リサは切なそうにこちらを見つめてくる。
少なくとも氷のように冷たい目じゃない…だからと言って俺を愛している優しい目じゃない。
一番近いのは快感を貪る獣みたいな目だ。
急に止められて、リサは焦った顔になった。
切なそうに、自分から腰を動かそうとするが押さえて動かさない。
「どっちが気持ちいいか、言わないと動かしてあげない」
「酷い…本当に動かさない気なの? ハァハァ」
無理矢理、腰を揺さぶるとする。
「ダ~メ」
深刻に話すと、自分から抜いて終わらせてしまうかも知れない。
だから、明るく軽く言った。
「本当に仕方ないな…そう言うの好きなんだ…負け、私の負け…リヒトの方が気持ち良いわ」
ようやく、ようやくだ…初めて少しだけ優位に立った気がした。
再び、腰を動かした。
「ありがとう、リサ」
「本当の事をいった….ハァハァだけよ、ほらちゃんと言ったから動かして…もっと早く、もっと深く、ハァハァお願い」
俺は少しだけ早く腰を動かした。
「良いよ、その代わり、ガイアより気持ち良いって、ずっと言ってくれない?」
「悪趣味っ…良いよ、それさえ言えば動かしてくれるのね…ガイアより気持ち良い、ガイアより気持ち良いよーーーっ」
俺は更に深く早く腰を突き入れた。
「ハァハァどう?」
「ガイアより気持ちい良い…凄く気持ちい良いよぉーーーっハァハァハァ 私の穴がまるでリヒトの棒の形に変わっちゃったみたい…もう、こんな快感を知ったらガイアには戻れない」
これは事実だ。
それが全てと言わないが、女性の性器はやり続けると、相手のペニスに合わせて変化する。
そして、快感だけであれば、より大きなペニスを受け入れたら、もう小さい方には戻りにくい。 大きすぎていれると痛いなんて物は例外、真珠の入ったチンコ、あれも痛いから嘘。だが普通の範囲なら大きくて長めの方が良い。
これを覆せた偉大なAV男優も居たが、あれは例外中の例外だ。
良く、ガバガバの女の性器を『太平洋』と言い細いチンコを『マッチ棒』『極細ウィンナー(本当は銘柄だがら書けない)』というが、大きい物を受け入れ続けたら…快感だけなら細い方から快感を得るのは難しい。
「ちょっだけ嬉しい」
「そう…うんぐううんうん、ぷはっキスも凄く気持ち良いよ~っハァハァ、いっちゃう、いっちゃうよ~っ」
ぷしゅううううううーーーーーっ。
勢いよくリサはいった。
「ああっ、もう良いよ、もう良いから、私いったんだからね…ああっ馬鹿になる、馬鹿になるのーーっ」
少し遅れて俺もいった。
少しでも楔になればと中だしをする。
「それじゃ、あむっううん、うんうん、ちゅばっゴクっ」
「ペロっちゅぐ、ううっペロううん…ゴクリっ」
「「綺麗になったね」」
◆◆◆
「はいっリヒト、レモン水」
「ありがとう…」
前とは違って笑顔だ。
「いひひっ、凄いねリヒト君、まさかこんなにSEXが好きだったなんてね…もう私メロメロだよ…こっちも凄く大きいし、もう私はリヒトの物だよ」
これで勝った…そう思うだろう?
だけど違うんだ…
「それは身も心ものうち『身』だけなんだろう?」
「嘘は言いたくないから言うけど、そうだよ! いやぁ、リヒト君のこんな凄いの受け入れたらもう、あんな極細ウィンナーじゃ感じられないよ! それにこんな優しくて激しいSEX、私何かにしてくれるのリヒト君だけだよ」
少し辛いな…リヒト君って、昔みたいに明るく笑ってくれているのに…届いてない…
「ねぇ…リヒト君、リヒト君が言うならもうガイアとはSEXしないよ…だからね、悲しい顔しないで、お願い…そうだどうかな」
リサは俺の股間に手を回し、腰を落とした。
「ううん、きついし、まだ痛いっ、痛いっいたたたたっ…ねぇ入ったよ、お尻の穴に…此処はリヒト君の物だから、ガイアも知らない、2人だけの穴だから…ああっあああん、ほら元気出して、動かしてよ、切ないよ」
そう言いながら、自分の右胸に俺の手を持っていき、振り向きながらキスをした。
「うんぐっううん、ぷはっ…元気出して…ねぇ」
「だけど、これでも、愛してくれている訳じゃないんだよね」
「愛しているよ…だけど嘘はつけないよ…2番目..2番目で良いなら愛しているよ」
「そうか…2番目ね…でもそれなら『愛してはいる』んだよね」
「そうかな…ああっそうだね…うん、そうだ」
「それじゃ『愛している』って言って欲しい」
何でかな…胸が苦しくて堪らない。
「解かった…リヒト『愛しているよ』、あはっああああっ動く元気だね、あああんっ」
ようやく言って貰えた。
ようやく…『愛している』ってリサが言ってくれた。
なのに…それなのに…悲しい。
まだ…リサが遠い。
俺は唇を貪りながら、荒らしくリサを抱いた。
無邪気に笑う笑顔がそこにある。
「リヒト君凄いね…ああっあん、愛しているよ」
欲しい言葉も貰ったし、体もこれでもかと貪って、もうリサの体で触れて無い場所はない。
「今度は、口でしてあげるね…ねっねっ」
今、自分のお尻に入っていた俺の物を口に嬉しそうに咥えるリサ…
それなのに…それなのに…まだ君が遠い…届かない。
リサ攻略 聖女じゃない 俺だけのリサ
「いひひっおはようリヒト君、君は凄く泣き虫だね」
リサが裸で俺の頭を撫でた。
もう、朝になったようだ…あの後寝てしまったのか…
2人ともシャワーも浴びずにやりまくっているから、精子と愛液でべとべとだ。
「シャワーでも浴びるか」
「イシッ、愛し合う二人にそれは要らないよ」
今のリサは、本当にリサだ。
この変な笑い方は、俺にしかしない。
周りから気持ち悪いって言われて幼い頃に自分から封印していた。
しかも、えくぼも出来るが、その顔も気持ち悪いと言われてから、口を押さえて笑う。
だからこれは『僕のリサ』だ。
「だけど…俺は2番なんだよな」
「そうだね」
しれっと言われる。
「俺はそれでも昔みたいに1番になりたい」
真剣な目で優しい目で俺をリサは見つめてきた。
「多分、それは無理だよ。多分、ガイアへの好きとリヒト君への好きは本当に僅かなんだと思う…だけど『魅了』ってズルいよね。その僅かな差が多分埋まる事は無いと思う。リヒト君、私多分狂っているんだと思う…こんな幸せな気持ち良いSEXなんて初めて、ううんきっとリヒト君以外してくれない…体はねもうリヒト君だけの物だよ…だけどね、それでもどうしても、誰が一番っていうならガイアになっちゃうんだよね…あはははっ笑えるよね。 だけどね、そんな狂った私でも、リヒト君の傍に居るのが一番幸せなのが解かる…だから、これ、はいっ」
なんで首輪?
「なんだこれ」
「私をセックスづけにして…SEXさえしていればリヒト君だけを考えていられるからね…指輪の代わりにセシ姉に頼んでこれ買ってきて貰ったの…リヒト君の奴隷にして」
「ああっ解かったよ」
そう言い、俺はリサに首輪をつけてあげた。
まだ届かない。
あと僅かが届かない…
今の俺は…前世で言うなら不倫相手、もしくは浮気相手…但し凄くSEXが上手くて体の相性は抜群。
だけど、夫は別にいて本当に愛しているのは夫でガイア…そういう事だ。
「「それじゃ今日も頑張ろうか?」」
二人して夕方まで、ひたすら体を貪りあった。
流石に眠くなり、2人してそのまま絡み合う様に眠った。
◆◆◆
泣き声が聞こえる。
リサが泣いている。
明かりもつけずに、よく見ると手に小さな肉の塊を持っている。
『なんだ、あれ』
リサの顔を見た…こんな顔を見た事が無い。
ガイアに酷い事されていた時でもこんな顔をしていなかった。
全てに絶望したような…10歳位老けた顔をしている。
声を押し殺して泣いている。
「赤ちゃん…私の赤ちゃんが出来たから..ガイアに殺される…私殺されちゃう」
目があってしまった。
現状が掴めないまま…答えるしかない。
「リヒト~っ私の赤ちゃんが、赤ちゃんが死んじゃったよ~っ」
嘘だろう…まさか、避妊紋を刻む前に妊娠していたのか?
避妊紋は絶対だ…だから妊娠していた子が死んだのか?
「リサっ」
「どうしよう、どうしよう…ガイアに殺される、妊娠したから用済みだから私殺されちゃうよ…この子もガイアが殺した…殺したんだぁぁぁぁぁ、そうに違いないよ」
駄目だ、混乱している。
もうガイアは関係ない。
それなのに…この取り乱し方だ。
「赤ちゃんが死んじゃったよ~ そして私も、私も、あああっ捨てられちゃう、いや殺されちゃう」
どうすれば良いんだよ…そうだ…
「大丈夫だよ…その子は俺とリサの子だよ」
「リヒト?」
「俺の子にすれば、問題無いじゃないか…そう、その子は俺の子だよ
【「俺の子を妊娠したら、もう終わりで良いや、俺は妊婦や経産婦は嫌いだからな…そういしたらリヒトと一緒に、パーティから解放してやるよ」そうリサが言っていた。】
「だけど、リヒトこの子はリヒトの子じゃないよ…」
「ううん、俺の子だよ、違っていても俺の子…それで良い。だから、リサは大丈夫だよ。ねぇ落ち着いて」
「本当にそれで良いの?…ねぇ他の子を産んだ女をリヒトは愛せるの」
ハァ~リヒトはスゲーな。
聖夜の俺なら考えさせられる。
だが、俺の中のリヒトは即答だ。
「愛せる…というか今迄もこれからも好きなのは変わらない」
「ありがとう…リヒト…私も愛しているわ」
◆◆◆
セシリアには「後で事情を話す」と断って後始末を頼んだ。
血だらけのシーツを見たリリは発狂したように泣き叫んだ。
そんなのには構って居られない。
俺は死んでしまった子を綺麗な袋に包んだ。
「あっ私とリヒトの赤ちゃん」
「うん、そうだよ、今はこれで我慢して貰おう」
そう言って、リサを背負うと教会に走った。
こういう時、聖女は得だ…最優先で見て貰える。
「こんな夜遅くに、一体、明日に…えっリヒト様…今開けます」
そのまま教会に雪崩れ込む。
「背中に背負っているのはリサ様…直ぐにヒーラを集めます」
「お願いします…リサ、着いたぞ」
「リヒト君…あのね…馬鹿」
「へっ」
リヒト君に戻った…?
「ハイヒール、ほらもう治ったよ!私聖女だよ? 忘れたの…まぁ、聖女じゃ無いかもしれないけど」
「一体どうしたって言うのですか?」
「そうね…この際だから話しておこうかしら…まず、今の私は奴隷なのよ」
「聖女様が奴隷?」
「多分、私はもう聖女じゃ無いわ」
「一体、何があったのですか…」
凄く恥ずかしいだろうに…今迄の経緯についてリサは詳しく話した。
「あの勇者が、魅了を使ったと言う事は国から聞きましたが、そんな馬鹿げた事をしたのですか? 魔王を倒してないのに一線を越えてしまったのですね…」
「はい…」
「それでは、ジョブ検査をさせて頂いて宜しいでしょうか?」
「はい、勿論です」
リサが血を垂らすと紙にジョブが映し出された。
血を垂らした鑑定紙の内容を確認した司祭は顔をしかめた。
「やはり…女神イシュタス様は処女神…勇者とはいえその様な」
「言わなくても解ります、多分犯された時から資格が無くなってしまったのでしょう…ハイヒールは使えますが、パーフェクトヒールはもう使えませんから」
「リサ…あなたの聖女としての資格、権利は無くなりました、同時に魔王討伐の任も解きます…私はただの代理ですがすぐに、教皇様に通信水晶で伝えます」
「解りました」
「あの、すみませんお願いがあるのですが…この子」
俺は胎児の遺体を見せた。
「それは誰の子ですか?」
リサの目が泳いでいる。
解り切っている。
「俺の子です、俺とリサの子です」
「リヒト君…」
「そうですか…聖女で無くなっても、貴方達二人は勇者パーティ…教会の裏庭の墓地に埋葬させて頂きます」
リサと俺の子はそのまま、庭に裏庭に埋葬して貰えた。
その場で司祭とシスターがと俺とリサで弔った。
本当は俺の子でなくガイアの子…何も知らないで俺が奴隷紋を施した為に死んだ。
全部知っていて、俺が殺したような物なのにリサは何も言わない。
「リヒト君…帰ろうか?」
「そうだね…」
「リヒト君…私聖女じゃ無くなっちゃったし、他の子の子供まで産んじゃった…それでもね、奴隷でも良いから、貴方の傍にいたい….メイド扱いでも良いから傍に居たいな」
「あのさぁ…なんて言おうとあの子は『俺の子』育ててあげられなかったけどそうだよ…だから責任をとらなくちゃね」
「どう言う事?」
「俺の子を死産だけど産んでくれたんだから…責任をとらなくちゃ、一生傍に居るよ」
「それで良いんだ、優しいね…うん、私もリヒト君の傍に一生居るよ…もうリヒト君が嫌だって言っても離してあげないからね」
「離す訳ないよ」
「そう…約束破ったら殺しちゃおうからね…それじゃ取り敢えず」
「取り敢えず?」
「さっきの続きしようか?」
リサに手を引っ張られ…宿に戻って行った。
多分、今夜は眠らせて貰えない。
どうして良いのか解らない。
「うぷっ….おはよう」
「リヒト~お姉ちゃんも此処舐めて」
「りふとふん、おふぁようもぐもぐ、うんうううん、ぷはっ」
凄い光景だと思う…セシリアが俺に顔面騎乗の状態で顔に乗っかり、リサが俺のを口に頬張っている。
暫くご無沙汰のセシリアは兎も角、リサはあんな事があって、その後朝までやりまくっていたのに、凄いな。
「あのさぁ、暫く私はご無沙汰だったんだから、此処は私に譲るべきじゃないかな? リサぁ!」
「私、昨日、凄く悲しい事があったんだよ! セシリアは何時もお姉ちゃんぶっているんだから、もう一日譲ってくれない?」
「ねぇ、リサ、私、貴方に汚物食べさせられた恨み忘れて無いんだけど?」
「ハァ~、あれは『魅了』のせいなんだからお互い様でしょう」
何故か、魅了が溶けると人格が変わるのか…
もう凛々しかったセシリアは居ない。
皆が憧れるリサも居ない。
幼馴染…小さい頃一緒に遊んだ、そう幼馴染の二人が居るだけだ。
かなりエロいけど…
「体は一つしか無いけど、時間は沢山あるんだから、三人ですれば良いんじゃないか?」
「「リヒト(君)変態!」」
そう言いながら笑顔で抱き着いてくる二人が居る。
それが凄く嬉しい。
◆◆◆
もうお昼過ぎだ。
窓から見た太陽は黄色く見えた。
隣の部屋にリリの様子を見に行った。
リリは相変わらず、恨み悲しい目でこちらを睨んできた。
「お兄ちゃん..私をどうするの?」
兄貴とは呼ばないんだな…二人が俺と仲良くなったから、凄く心細いのだろう。
だから『お兄ちゃん』か。
「お前はどうしたい?」
「私はガイアと一緒に居たい」
「それは駄目だよ…それ以外は」
「他は何も無い」
「なぁ、それが『魅了』のせいだと解っているのにか?」
「うん、それでも好きなの、心が苦しいの…」
困ったな…
セシリアは俺にとって近所の憧れのお姉さん。
本当は良くないが、子供の頃年上の彼女をエロい目で見た事は沢山ある。
リサは恋人で婚約者だ…勿論ある。
だが、リリは一緒に暮らしていたが『妹』。
一部の危ない人間なら妹に性欲があるかも知れないが…俺にそれは無い。
もし、今の方法なら『魅了』に勝てるとして…二人みたいにして良いのだろうか?
その前に…セシリアやリサはどうにかなったのは奇跡だ。
リリの『魅了』こそが恐らく、三人の中で最強の魅了だ。
だが、俺の中のリリはあくまで『妹』だ。
小さい頃から一緒に育ってきた。
もしガイアが尻尾を出す前の「爽やかな青年」だったら喜んで送り出しただろう。
そして…リリは小さい頃ガイアに憧れていた。
もし、それが大人になっても続いていたなら元から好きだった相手に魅了を掛けられた事になる。
だが…「クズに妹を返す気にはならない」
「それでも彼奴は駄目だ」
悲しい目で俺を見るリリに、どうしてあげれば良いのか…解らなかった。
閑話: 女帝 リズリー
私の名前はクリスチーナ。
これは冒険者としての名前…私の正体は…グラマン帝国の女帝リズリーだ。
私の父親は豪快な人だった。
性欲が強く娶った女がサキュバスだった。
しかも、サキュバスの王種…サキュバスクィーン、それが母だ。
それが問題になるのか?
この国では問題にならない…亜人にも門を開き知能のある亜人や魔人は人として認めている。
その反面、王国や聖教国からは『野蛮な国』と見下されている。
人の言葉を話し、共存出来る者なら受け入れる、それがこの国だ。
勿論、オークやゴブリンの様な物は亜人じゃないただの魔物だ。
私は…サキュバスクイーンと人間のハーフだ。
だが…何が起きたのか解らない。
私の性欲は、本物のサキュバスクイーンを遙かに超えている。
インキュバスの男50人侍らせても…潰してしまう程の性欲…種族だけでも厄介なのに…色魔のスキル持ち。
最早、どうして良いか解らない。
「さぁ約束だ、殺せ」
「そんな、命、命だけはお許し下さい」
何故、この男が死ぬのか…それは私を抱いて満足させられなかったからよ。
理不尽?
理不尽じゃないのよ?
だって彼はチャレンジャーなのよ。
「駄目よ…貴方は望んだわ、王配になりたいってね…生涯遊んで暮らしたいって、そしてそれは私を満足させれば叶える約束だった…だけど、貴方はたった8時間しか相手出来なかったわ…満足なんて出来るレベルじゃないわ…貴方は負けたのよ」
「そんな…8時間も相手をして満足しない人間なんて…居ない」
「貴方との8時間は最悪、質すら悪い…さぁ首を跳ねて殺しなさい」
「はっ」
全く質が悪すぎて『精を吸う』気にもならない。
何が、種馬ガルバよ…冗談にも程があるわ。
私が欲しいのは、此の世界で一番SEXが凄い男よ。
それ以外は全く価値が無いの。
この国には裏でどんな願いも叶える方法が一つあるのよ。
それは、私とセックスして満足させる事、それが出来たら、大抵の願いは叶えてあげる。
勿論、ノーリスクでは無いわ。
失敗したら死んでもらうわ。
だって王族が抱けて、成功すれば欲しい物が手に入る…命なんて安いわね。
ちなみに成功者はゼロ…ううん、実際には1人居たけど…あれはゲームじゃないわね。
「そう言えば、今迄の挑戦者は何人位になったのかな?」
「表立って募集せず裏だから…70名です」
「そんなになるのね…それで誰も合格できないなんて…駄目ね」
「はい」
「それで、あの男は見つかったの?」
「流石に川に落ちていた、それだけでは難しいですよ」
「そう…」
あの男は凄かったわ…人族の癖に、私をあんなに楽しませるなんて….
折角、楽しませてくれたお礼をしたかったのに…目が覚めたら居なかったわ。
自殺をしようとした位だから、絶対に何かに困っていた筈だわ。
私がSEXの後、寝落ちするなんて初めてよ…
公爵? 王配? 誰かを殺す…その位の事ならしてあげたのに…まさか居なくなるなんて信じられない。
しかも、嬉しかったのかな?
金貨1枚置いてあったわ。
楽しませてくれたのに、お金置いていくなんて…ああっ、あの男が欲しいわ。
「まず見つかりません」
「そう、諦めるしかないか…」
「はい」
「だけど、諦めきれないから…探し続けなさい」
本当に諦めきれないわ。
リリSIDE なんでかな涙がでてくる。
可笑しい。
最近は凄く可笑しいよ。
今迄3人で居た、この部屋に最近は1人でいる事が多くなったの。
ううん…最近はほぼ一人ボッチだ。
偶に顔を出してくれるのはお兄ちゃんだけ。
セシリアもリサお姉ちゃんも、この部屋には居ないで、リヒトお兄ちゃんの部屋に入り浸っている。
可笑しいな…二人ともガイアが嫌っていたからお兄ちゃんを近づけなかったのに。
私だって、セシリアお姉ちゃんも、リサお姉ちゃんもお兄ちゃんを、そんなには嫌ってなかったよ。
ううん、魅了に掛かるまではあの二人は、多分好きだった。
私だって、本当は…好きだった。
お兄ちゃんにはガイアが好きって言っていたけど、本当はお兄ちゃんが好きだった。
だけどね…仕方ないじゃない。
妹としか見て貰えないんだから…諦めるしかないよね。
二人には気の毒だけど、私的には『魅了』に掛かって良かったんだよ。
だってこれで、お兄ちゃんの事が忘れられるんだから…
後はお兄ちゃんを追放すれば…それで全てが終わる。
それで私の初恋は終わる。
ガイアだって…私が好きなんだから、きっと大切にしてくれるよ….きっと。
そう思っていたよ。
だけど…ガイアはクズだった。
皆に酷い事しかしない…愛してくれていないのは良く解ったよ。
だけど…『魅了』のせいでもう私は引き返せない。
どこでこうなったんだろう…
ただ、好きな人を諦めて…その結果、雌豚扱いだ。
気に食わないと殴られ、ぶたれてそれでも…気持ちはガイアから離れたくない。
これが偽りだと解っていても…これに身を任せた方が楽だ。
絶対に結ばれないお兄ちゃんを思うより、雌豚の方が楽…
ガイアと共に生きた方が…多分良いんだ。
ガイアの所に戻りたいな…
此処に居ると頭が可笑しくなりそうだよ。
◆◆◆
命令されて此処から出られない。
いつも一緒にいる…三人が気になった。
だから、こっそり除いてみた。
「あああん、好き、大好きだよリヒト」
「リふとふん、どふかな..ぷはっううん、どう、気持ち良かった?」
「クチャ、クチャ、ぷはっ ああっ凄く気持ち良いし…嬉しいよ」
何あれ?
リヒトお兄ちゃんの顔に、裸で跨っている、セシリアお姉ちゃんにお兄ちゃんの股間に顔をうずめて嬉しそうにしてその…おちんちんを咥えているリサお姉ちゃん…
どう見ても…変態にしか見えないよ…何でそんな気持ち悪い事しているの?
SEXってただ、入れて動かすものじゃないの。
精々がキスしたりとか、胸触ったり、お尻触る位じゃない…
顔や胸以外の所を舐めるなんてバッチくて出来ないよ…
嘘、嘘だよね..なんで肛門なんて舐められの…汚いよ、うんちする処だよ、そこは…
汚いよ…何でそんな事ができるの。
そうか、セシリアお姉ちゃんにやった事と同じ、汚い事して馬鹿に…違う。
笑っている…嫌嫌じゃない。
リサお姉ちゃん…笑いながら、やっている。
ううん、ただ笑っているんじゃない…凄く幸せそうだ。
顔なんか、赤くなりながら蕩けそうな顔をしている。
お兄ちゃん…お兄ちゃんも嬉しそうにセシリアお姉ちゃんの股を舐めている。
自分から太腿に抱き着いて…貪るように。
どう見ても変態にしか見えないよ。
これじゃ本当の雌豚みたいじゃない…だけど、なんで楽しそうなの…
リサお姉ちゃん、自分から中に入れて腰を動かし始めた。
あんな事した事、誰もないよね…SEXってただ入れさせてあげれば良いんじゃないの。
自分から跨って動くなんて…信じられない。
家畜以下で下品で、どう見ても変態にしか見えない。
だけど…皆が笑顔で、喜んでいる…なんで。
あんな事、絶対にガイアとじゃ出来ない。
なんでかな…なんでかな…あれを見ていると涙が出てくるのは…なんでかな。
私には…わからないよ。
勇者SIDE 初めての娼館
彼奴から眼鏡と偽の冒険者証を貰った。
偽の冒険者証の名前はカルラD級冒険者だ。
手回しが良い…俺に少しだけ似た名前だ。
俺はリヒトが怖くなった。
あの正義感の塊、お人好しのリヒトが躊躇なく、奴隷紋を刻み。
俺に犯罪を勧めてくる。
俺は娼館に自由に通え、酒場で女を口説ける位で充分だったが…
彼奴は腐った目で俺にレイプ、監禁を勧めてきた。
『勇者は許されるんだから、やるべきだ』
そう言われた気がした。
だがな…俺は勇者でいたい。
お前達には残酷な事をしたが…勇者でいたい…尊敬されたいんだ。
だから、宿屋を出た。
逃げたと気がつかれたく無いから『暫く出てくる』そう伝えて3か月分の宿代を預けた。
頭の中で葛藤がある。
もう壊れてしまったあいつ等に関わらない方が良いのでは無いか?
このまま、地獄の底に引き摺られていき、奈落の底に落ちていく、そんな気がしてしまう。
その反面…あいつなら…もしかしたら俺を助けてくれるのでは無いか?
そんな希望もある。
昔の彼奴は俺にとって光だった。
今の彼奴は、目が腐っていて危ない人間にしか見えない。
笑いながら犯罪を勧めてくる…
直ぐに決める事は無い…暫く考えればよいさ。
◆◆◆
俺は早速、眼鏡を掛けてみた。
これで、今の俺は、ガイアじゃ無く、冒険者カルラになった訳だ。
「あの…」
よく考えて見れば、俺はこう言う店に来た事は無かった。
どうすれば良いんだ。
「お客さん、もしかして初めて?」
「はい」
「そうなんだ、それじゃルールから説明するね。まずキスはNG。女の子からする場合は良いけどお客さんからは駄目。 胸は良いけど下半身のタッチは駄目。 挿入する時はローションをつけてからね、ちゃんと女の子に許可を貰ってから入れてね」
「そんなルールがあるのか?」
「何処も似た様な感じよ…あと、生で出来るコースが銀貨5枚、サック付なら銀貨3枚…まぁ避妊紋は刻んであるから妊娠の心配は無いから安心してね」
「そうか…」
「ああっ一応言っておくけど、生のコースを選んだ場合、性病は自己責任…掛かっても文句無し…これは何処も同じだから」
「そうか、解かった…それで、こういうお店は初めてなんだ、その良い子をつけてくれないか?」
「それでコースはどうする? 指名は別に銀貨1枚掛かるよ…まぁ初めてのようだから、今空いている子は6人居るから、似顔絵6枚から選ばせてあげる」
お金に余裕はある…生のコースに銀貨1枚足したコースで頼むか。
「それじゃ、銀貨5枚コースで指名付でお願い致します」
「そう、それじゃこの6枚から好きな女の子を選んでね」
3人は不細工だけど、3人はまずまずだな。
この子が一番の好みかな。
「このロザリーさんでお願い致します」
「はい、ロザリーさんね、これから準備させるから、少し待ってね」
「はい」
◆◆◆
ドキドキしながら俺は待った。
「初めましてロザリーと申します、あらっ随分若いわね」
「まぁな、まだ10代だよ」
「へぇ~、そうなんだ、こう言う所には良く来るの?」
「初めてだ」
「そう、お姉さん嬉しいわ…お酒か飲み物でも飲む? それとも、直ぐにする」
「すぐにする」
「そう正直なのね? それじゃジャワーを浴びようか? 先とあとどっちが良い?」
どっちが良いんだ?
「それじゃ、先に入るよ」
「そう、それじゃ入って来てね」
「ああっ」
こう言う場所では綺麗にするんだよな…
俺は急いでシャワーを浴びて出た。
「終わったよ」
「あら、早いのね、直ぐにお姉さんも用意するわね」
そう言ってロザリーはシャワー室に消えていった。
出て来た時は体を拭いて、バスタオルを巻いていた。
「さぁ、どうしようか? クスクスッ」
「あの…」
「大丈夫よ…ベッドに行こうか?」
「ああっ」
「さぁどうぞ! ルールは聞いたわよね」
「ああっ」
あの雌豚達とは大違いだ、体は綺麗だし…当たり前だが臭わない。
俺は、胸を軽くもんだ。
「ああっ、もう、もう少し優しく揉んでよ、少し痛いよ」
「ごめん」
「良いのよ…優しく…あっあっあああああん、そう、その調子よ」
「そうだ、今度はお姉さんが乳首を舐めてあげるわね…クスクス、本当はこんな事しないのよ…」
これは、気持ち良いな…
「凄く気持ち良いな」
「本当は女の子からは何もしないんだから、これはお客さんが好みだから特別よ」
「そうか、ありがとう」
シャワーを浴びていて汚くない。
本当に大違いだ。
しかも、凄く綺麗だし…
「そろそろ入れる?」
「ああっ」
「それじゃお姉さん、ローション塗ってあげる、あと私もローション入れるから少し待って」
「ローション?」
「そう、ローション、凄く気持ちよくなるわよ」
そう言うとロザリーは自分の股を開いて液体を塗っていた。
少し、俺のが小さくなったが…嘘だろう。
「そうか、初めてなんだよね…ローション気持ち良いでしょう」
「ああっ、凄く気持ち良い」
ローションを塗られているだけなのに…凄く気持ち良いな。
「さぁ、準備OK、入れて良いわよ」
ロザリーががばっと股を開いた。
俺は、そこに言われるままに突っ込んだ。
なんだこれ、凄く気持ち良いぞ…なんだこれ。
「なんだ、これ…凄く気持ちい良い…こんなのは初めてだ、ハァハァ」
なんだ、これ腰が止まらない…ハァハァ
「そうね、お姉さんのは特別なのよ」
「確かにそうだ…こんなのは初めてだ」
あの雌豚達、まさか穴まで貧相だったのかよ…
ふざけるなよ、女ってこんなに気持が良かったのか…ああっ。
ビクビクッ。
「うふふっ、いっちゃったね」
「ああっ」
「それじゃ、シャワー浴びようか?」
「ええっもう終わり」
「そうだよ! 普通は1回やったらそこで終わりなのよ」
「俺、もう一回したい」
「仕方ないなぁ~ 本当はいけないんだよ少年、だけど可愛いから、シャワー浴びてもう一回させてあげるよ…内緒で銀貨1枚で良いや…本当に今日だけ特別だよ」
「悪いな」
特別か…此奴俺に気があるのかな…
「良いよ、良いよ、それじゃ時間が無いから、シャワー浴びて、直ぐにしよう」
「ああっ」
「時間内から一緒にシャワー浴びちゃおう、下半身だけで洗ってね」
何だかあわただしいが…シャワーを浴びて直ぐに続きをした。
やっぱりあの雌豚達は貧相だったんだな…全然違う。
こんな気持ち良いのは初めてだ。
ローションを塗って、直ぐに突っ込んだ。
「ああっ、もう強引なんだから…良いよ動かして」
この後、すぐに俺はいってしまい『本当の女』の素晴らしさを知った。
やはり彼奴らは豚だった。
まさか、穴が貧相で、穴まで価値が無いとは思わなかった。
やっぱり、あんなゴミ、リヒトにやって正解だ。
「頑張ったね、偉い偉い」
「余り子供扱いしないで欲しいな」
「ごめん、ごめん、可愛いからつい撫でちゃったよ…また指名してね。それから次からは2回したいならダブル、3回したいならトリプル、凄く高いけど夜の11時以降ならオールナイトって言ってお泊りコースもあるから」
「ああっ、今度は長いコースでくるよ」
「ありがとう…待っているわ」
そう言ってハグしてきた。
良いなこう言うの…俺がしたいのはこう言う事だ。
これなら犯罪に手を染める事なんて必要ないんじゃないか…これで充分だ。
臭くないし、気持ち良い…俺がしたかったのは、これだ。
彼奴らはおもちゃとしても価値が無かったな…
入れても擦れて気持ち良くなかった。
金なら幾らでもあるんだ…これで充分だ。
レイプに監禁なんてする必要はない…これで俺は勇者でいられる。
◆◆◆
「ロザリー、どうだった?」
「ばっちり、快感薬入りのローションを使ったからもうメロメロだよ…ありがとねロジャーこれお礼」
「なぁに、彼奴のサイフの中に金貨が入っていたからな、多分上客になるだろうよ」
「そうだね、あんがとよ…ガキ食わせなくちゃならねーからね、まわしてくれてありがとうね。頑張るよ」
「まぁ、頑張れよ、態々お前より上玉の絵2枚抜いてやったんだからな」
「頑張るさ、良いサイフになってくれると嬉しいな」
「ああっ悪いんだ、若い子に快感薬使うなんて、しかも純情な男をサイフにしちゃうなんて考えて」
「アンタだって荷担しているんだ、同じだろう」
「まぁな」
快感薬は別に違反じゃない…だが勃起しなくなった年寄りが使う物だ。
若い子に使えば…結果は解かるだろう。
閑話 教皇の怒り
「聖女がその資格を失っていただと…それはどう言う事だ!」
その日、教皇ロマーニは荒れていた。
聖女といえば、教会の象徴だ。
確かに1番、重きに置くのは勇者だ。
だが、その次に重要な人物は『聖女』だ..
いや、表向きは勇者だが、実際に聖女は世界一のヒーラーでもある。
そう言う意味では勇者と違い教会にとっては、生涯の付き合いになる可能性すらもある。
「それが…」
理由を聞いて驚いた。
「勇者が魅了を掛けて、おもちゃにしていただと…その事は本当なのか!」
「はい、聖女リサの水子は教会の敷地に司祭が埋葬したそうです」
「その…なんだ、勇者ではなくリヒトとの間の子という可能性は無いのか?」
「それはありません…リヒト殿が三職を引き取って直ぐに、奴隷紋と避妊紋を刻んだそうです」
なんという事だ…三職に、そんな事を…彼は温厚な若者の筈だ。
「ではリヒト殿は重罪」
「それは違います、勇者ガイアが三職全員に魅了を掛けておもちゃにしていました。勿論三人とも破瓜しています。その状態から助けるために…引き取った模様です。その際に必要だったのでしょう。」
「その証拠はあるのか?」
「それが…勇者ガイア自信が自慢げに話しており、三人を雌豚と称してよんでいた事は沢山の者が知っています」
馬鹿な…
「教皇様に言いたくはありませんが…リヒト殿が居なくなった後、精子のついた服を着て、死んだように勇者ガイアの後を歩く三人を沢山の人間が見ています…更に言うなら剣聖、セシリアは気に食わないと糞尿まで食べさせられていたという証言もあります」
おおっ女神よ、何故その様な者を勇者に選ばれたのですか…
最早、人ではなく魔王の様でないですか…
「三人が心配です、三人は無事なのでしょうか?」
「無事ではありませんが…リヒト殿が全員引き取ったとの事です…ですが、三人はもう…廃人みたいなものです」
「そうですか…何故」
「元聖女リサが流産した水子を探知の魔法を使い司祭が調べた所、父親はガイアでした…状況から見てもそれは正しい…ですが、無理矢理リヒト殿が『自分の子』『リサと自分の子』だと言い説き伏せたそうです」
「何故、その様な事を」
「この様な事が起きるまで、元聖女リサ様はリヒト殿の婚約者です…だからそう伝える事で、彼女
の精神を守ったと思われます」
「リサは聖女の資格を失いましたが、まだ剣聖と賢者は宿ったままなのですよね」
「御恐れながら、ガイアが、あの様な凶行を行った結果、今現在はオークすら数頭しか狩れないという話しを聞きました…もう戦う事は難しいでしょう…もしかしたら他の者もジョブすら失っている可能性も高いかもしれません」
イシュタス様は処女神。
破瓜して、おもちゃになっていたのだから…もう…無理かもしれませんね。
「それで、リヒト殿といる三人は幸せなのでしょうか?」
「真面な生活を送れていると思いますか?『魅了』で精神が壊れ、体もボロボロなんですよ…宿屋に泊りっきりで甲斐甲斐しくリヒト殿が介抱しているという話です」
もう無理でしょうね…そんな生活を送っている者に世界なんて任せられません。
私の目が曇っていました。
勇者の正体を見破れなかった…私が悪いのです。
「正式に『聖女』『剣聖』『賢者』の任を解きます」
「見捨てるのですか?」
「いえ、教会はその責任とし、エリクサール以外のポーションを生涯、彼女達とリヒト殿に提供。その他の賠償は、おいおい考えましょう…壊したのが勇者ならその責任は教会にもあります」
「それが宜しいかと思います」
なんで、こんな奴が勇者なのだ。
確かに『魅了』を使った愚かな勇者も過去に居たが、三職に使った奴は始めてだ。
そもそも勇者は、そんな事しなくても元から女性に困らない。
女神の使いなのだから、若いシスターに求婚でもしようものなら、10人中7はその場で受けるだろう。
体が欲しいなら、喜んで抱かれるシスターも居る筈だ。
魔王討伐中は辛いだろうが…終わればハーレムの様な生活が待っていた筈だ。
しかも、今は王族にも上級貴族にも未婚者がいる。
それを棒に振るなど、馬鹿なのか。
「馬鹿だな」
「教皇さま?」
「いえ、何でもない…」
「それで勇者ガイアはどうなさいますか?」
「何をしでかすか解らぬ、今後の動向を見張らせろ」
「はっ…それで処分は?」
「勇者だから無い…だがここ迄の事をしでかしたのだ…1人で魔王城に攻め込んで貰おうではないか」
「無駄死にです」
「自分で仲間を壊したのだ..その状態で勝てる算段があったのだろう? 戦いを行わない、その選択はとらせぬよ」
「確かに、その通りですな」
教皇は基本、勇者や聖女に甘い、王族を殺してしまっても庇う位に勇者を寵愛している。
その教皇に憎しまれた勇者は恐らくガイア位だろう。
リリSIDE リリの日常
何もやる事が無い…
情報を探ってみたらガイアは何処かにいって帰って来ない。
お兄ちゃんやリサお姉ちゃんやセシリアお姉ちゃんは相変わらず朝から盛っている。
普通のSEXならまだ良いけど、本当に気持ち悪い、変態SEX。
私はこの二つの部屋から出られないから…これを聞くのが毎日の日課だ。
「あああっ凄く、凄く気持ちい良いの…リヒト、愛しているわ、好き、好き大好き~うんぐっ」
「私も愛しているわ、リヒト君…愛しています…ああっ生涯貴方だけに心も体も捧げます」
本当に良くやるよね…
リサお姉ちゃん、なんて流産した癖に、その日からやっていたんだから変態だよ。
私はガイアが戻ったら…死ぬ気で逃げ出すつもりだよ。
もしかして死んじゃうかも知れないけど…ガイアを愛しているんだから…
◆◆◆
こんな光景を見せられたせいか…私まで変態になっちゃったのかも知れないよ。
『あれって気持ち良いのかな』
そんな事が頭から離れなくなっちゃったよ。
お兄ちゃんは偶に狩や買い物に行くけど…それ以外は何時もこればっかり。
最近では、裸以外の三人を見る方が少ない気がするよ。
食事の用意は私の物も用意してくれるけど…三人は最初と違って何時も裸だ。
しかも、リサお姉ちゃんもセシリアお姉ちゃんは股からお兄ちゃんの精子を垂れ流しだし…
「リヒト君、あ~んむぐむぐむぐ…どう美味しい?」
「リサばかりズルいくちゃくちゅくちゅうん、はいうぐっ私のも美味しいよね」
スプーンとかであ~んなら解かるよ?
だけど…これ食べ物を食べて噛んでから口移しで食べているんだよ?
ジュースとかも口移しで…変態だよね。
だけど…幸せそう…
多分、ガイアはきっとこんな変態みたいな事してくれないよね。
◆◆◆
本当に飽きないのかな…
ご飯食べて暫くしたら、もう始めているんだから…一緒にいる身にもなって欲しいな。
私まで可笑しくなっちゃうよ…
「ハァハァハァ…駄目」
こんなの見させられたら可笑しくなるの当たり前だよね。
ガイアは居ないのに….やれないのに…何時も見させられてさぁ….
つい、手が股の方に伸びちゃうよ…
「あっ…ああ、気持ち良くない」
「ハァハァ…切ないよ…ハァハァ」
よく考えたら、私、前からと後ろから入れられただけのSEXしか知らない。
お兄ちゃん達の変態SEXなんて経験無い。
「あれ、凄く気持ちよさそう…ハァハァ」
駄目、目が離せない。
何て物見せるの…見続けたせいで、私、変な子に…変態になっちゃった。
あっ、嘘…ドアを押しちゃった…
押さえようとしたけど…
「いやぁぁぁぁーーっ」
お兄ちゃん達と目があっちゃったよ…どうしよう。
お兄ちゃんが優しい顔で私を見ている。
ゆっくりと口を開いた。
「リリおいで」って。
私は恥ずかしくて何も考えられなくなっちゃった。
淫妹 リリ
リリが覗いて居るのには気がついていた。
こんな、朝から晩までやっていれば、リリだって若いんだから気になるよな。
そして性欲だって女の子だってある筈だから…自慰位して当たり前だ。
だから、放って置いたんだけど…
今日はリリがポカやった。
ドアが開いて…
上半身をはだけさせワンワンポーズで下着を脱いだリリが股間をさすりながら此方を見ていた。
そのまま黙って閉めれば良いのに、悲鳴迄あげて…セシリアもリサも気がついてリリを見ている。
だから、思わず言ってしまった。
「リリおいで」と。
逃げるのかと思ったら…熱病にでも掛かった様にフラフラと此方にきた。
「お兄ちゃん」
少し顔が赤い。
俺は、セシリアとリサに目配せをした。
一瞬、嫌そうな顔をしたけど…そのまま部屋から出て行ってくれた。
セシリアよりもリサよりも少ないけど、リリの体も傷だらけだった。
三人の中では一番扱いが良いとはいえ、リリだって雌豚扱いだったんだ。
きっと辛いSEXしかして無いんだろうな…そう思ったら切なくなった。
お金を貰って仕事をしていたんだから、偽善かも知れないがSEXは本来楽しい物だ。
特に好きな人とするSEXは絶対にそうじゃなくちゃいけない。
「リリ…良かったら最後の一線の手前までしてみないか?」
「一線の手前まで?」
「ああっ、リリが嫌だと言うなら、最後、まぁ挿入迄はしない、その手前までして見ないか?」
「何で…別に最後までして良いよ…」
可笑しい、魅了が解けたわけじゃない…なのに…自分から誘ってきた。
何故か解らない。
今は考えている場合じゃない…兄妹、そう思って悩んでいたが、折角のチャンスだ、見逃す訳にいかない。
「リリ、愛しているよ」
「お兄ちゃん、私も好きだよ」
何が起きているのか解らないけど…まさか返事が帰ってくるなんて思わなかった。
「うんぐううんううん、ちゅっちゅうっぷはぁ」
キスも受け入れた…なんでだ..だけど、考えるのはよそう。
今は集中だ。
そのまま、耳元で囁いた。
「リリ、好きだよ、愛している」
「クスクス、リリもお兄ちゃん大好き…ああんそれくすぐったいよ」
耳の裏を舐めながら…唇を尖らせて耳の穴の中も舐め回した。
そのまま首すじに舌を移し舐め回す。
「ああっあああん、お兄ちゃん、そこ気持ち良いよ」
普通に反応している…昨日までと何かが違う。
そのまま、唇を目に移した…そのまま眼球を舐めても嫌がらない。
「お兄ちゃん、目はハァハァ、少し怖いよ、だけど何だか…凄いねハァハァ」
「そう、リリの目は凄く綺麗だから、どうしても舐めたくなっちゃった」
「そう..凄く嬉しいよ、お兄ちゃん、私も舐めてあげるね…ペロっううん、どう、お兄ちゃんも嬉しい?」
「ああっ嬉しいよ、ありがとう」
「どう致しまして、お兄ちゃん」
ぎこちないけどリリが今、笑った気がした。
そのまま、俺は鼻の穴を丁寧に舐めた。
「お兄ひゃん、それ恥ずかしいかややめて、それに汚いやう」
「好きな人に汚い場所何てないよ…俺はリリの体の中に汚い場所なんて無いと思っているよ」
「へぇ~そうなんだ、昔、私の鼻水汚いからよるなって言った癖に…だったらこうだえい」
嘘だろう…リリが俺の鼻の中を舐めてきた。
「ちゅっペロ、どうかな? 私もお兄ちゃんが好きだから、この位は出来るんだよ」
「ああっ凄く嬉しいよ」
「次は此れだよね…うんぐううんぷはっううんうぐうっううん、どうお兄ちゃん気持ち良い?うんぐううんうんうん、ぷはっううううん、ぷはあむっうううん」
自分から舌を絡めてきた…リリは相当溜まっていたのかな。
多分、リリはこんな濃厚なキス初めてだ、だから凄い下手で偶に歯がぶつかるけど…懸命に絡めてきている…凄いな。
俺はリリが口を離すのを待って、そのまま脇の下に唇を移して下品に舐め始めた。
「あははははっお兄ちゃんくすぐったいよ…やったなーーーっ」
そう言うとリリは俺の頭のを引きはがすと…そのまま俺の脇の下に顔を潜らせた。
「チロチロ、チャクチャク…ううん難しいな、お返しだよ」
どうしてか解らないけどリリが積極的なのは解かった。
だったら此方も、集中しよう。
リリの小さな胸を吸いながら舐めた。
「ああっ、あああんお兄ちゃん、それ、あああっ気持ち良い」
今日は、リリにセックスの本当の楽しさを知って貰う為の物だ。
舌をくっつけたまま、そのまま下に移りおへそを舐めた。
「ああん、いやお兄ちゃんくすぐったい、くすぐったいよーーーっ」
「リリ凄く可愛いよ」
「こんな時に変な事、言わないで恥ずかしくなるよーーああっくすぐったいよー」
「ここも凄く可愛い、うんリリの臭いがする」
「ああっそこは少し、待って臭い嗅がないで嫌、嫌、あああっいきなり舐めないで」
頭を股間に潜らせ、股の間からお尻迄舐め回した。
「お兄ちゃん、嫌、お兄ちゃん嫌だ…本当にそこ汚い、私さっきトイレ」
「じゅるっちゅくちゃく..気しないで良いよ、リリはここも可愛いから」
「変態、変態だよお兄ちゃん」
そう言いながらリリは股間におれの頭を押し付けている。
「ちゅぷっちゅくちゅぷぷはぁ~ そう言いながら気持ちよさそうに押し付けているのは誰かうぷっ」
「酷い、お兄ちゃんなんか知らない」
そう言いながらも俺の頭を更に股間に押し付けた。
しかし、リリってまるで子供みたいにあそこの毛が薄いんだな。
だから、より深く、そして素早く舐められる。
「お兄ちゃん…いやいやっいやあぁぁぁぁぁーーーーっ」
ぷしゅううううううーーーーーっ、チョロチョロぶしゃーーっ
「お兄ちゃん…止まらない、止まらないよーーっおしっこが止まらない」
凄いな、潮噴いたかと思ったら盛大に漏らした。
「凄いな」
「酷いよ、お兄ちゃん、私嫌って言ったのに…グスっすんすん酷いよ…」
「行くときのリリ凄く可愛かったよ」
「お兄ちゃんの変態」
リリは舌をペロっと出した。
可愛い..まるで昔のリリみたいだ。
だが、リリの魅了は解けていない…んだよな。
「リリ、入れようと思うけど…本当に良いのか?」
「待って」
やはり最後の一線は無理か…
「やはり…」
「違うよお兄ちゃん、お兄ちゃんばかりズルいよ…あむっううんううん、ぷはっお兄ちゃんの立派だから全部は口に入らないね..あぁむうんうぐごほっ、うううんごほっうううん、どうお、おにいひゃんきもひひい」
流石に上手くはないな…だが妹と思っていた女の子が一生懸命している姿は…興奮する。
「ああっ凄く気持ち良いよ」
「ほうと、なあうらリリがむばっちゃううううを、あむあむうぐうーーっううんうんうん….ああっうぐっ! うぐううううっ!ううん..ゴクっゲホゲホ」
「最初から無理しないで良いよ」
咽たせいで顔半分が精子だらけだ。
だが、そんなの気にしない…
「リリありがとう」
そう言いながらキスをした。
「うぐっううううん、凄いねお兄ちゃん、この状態でキス出来るんだ」
「そりゃ可愛いリリだからね」
「本当かな? リサお姉ちゃんにもセシリアお姉ちゃんにも言っていたよね…怪しい」
「まぁ、三人は皆可愛くて美人だからな」
「それズルくない」
「ごめん」
「まぁ良いや…それじゃしようか?」
リリは俺に跨って腰を降ろしてきた。
「待ってリリ、リリがするのか?」
「そうだよ…お兄ちゃんの大きいから少し痛くてきつい…ハァハァハァ」
「大丈夫か?」
なんだか辛そうに見える….リリの穴はもしかしたらかなり小さめなのかも知れない。
だから、ガイアは好んでいたのか…
「ああっ痛いハァハァ、はぁぁああんあんなん」
ミチって音をたてて少し裂けたのかも知れない。
中じゃ無くて外の部分から血が滲んでいる。
「抜いた方が良いんじゃ無いか…」
「駄目、お兄ちゃん、愛しているから続けさせて」
「解かったよ」
「ハァ痛っハァハァ、ああん、あんお兄ちゃん、痛いだけでなく変な気持になってきたよああっああん凄く気持ち良い…気持ち良いよお兄ちゃん、腰が止まらない、止まらないの~」
本当に気持ちよさそうだ。
「ああっああん、いっちゃう、いっちゃうの~ 駄目」
「リリ、もうちょっと頑張ってお兄ちゃんも行くから」
折角頑張ったんだから合わせていってあげたい。
ぷしゃぁぁぁぁーっチョロチョロ。
リリがいくのに合わせて俺も中だしした。
「ああっああああっ凄いよーーーっ」
だけど…これで終わらない。
「それじゃもう一回」
「ハァハァお兄ちゃん、まだするの? はぁあああああんああっああ~ん、まだいったばかりだから、ああっいや、いや感じすぎちゃう、いや、お兄ちゃんもうちょっと、あああっゆっくりして、駄目だよ、駄目またいっちゃう」
今度は正常位だ。
さっきのはリリが気持ち良くしてくれたんだからお返しだ。
「ああっまたいっちゃう、いっちゃうよお兄ちゃん、ずかしいよ~っ」
ぷしゃぁぁぁぁーっチョロチョロ。
体質なのか、リリはいった瞬間におしっこを漏らすみたいだ。
こんな物かな…
「お兄ちゃん、今度はこっちにお願い」
嘘だろう…リリが四つん這いになりお尻を突き出し肛門の穴を開いて見せてきた。
「リリ、それ凄く痛いよ…止めた方が良いよ」
「嘘、セシリアお姉ちゃん、凄く気持ち良さそうだったもん、リリもやって」
セシリアは自分で詰めていたから…な。
絶対に痛いのに。
まぁ良いや…痛がったら止めれば良いか。
俺は肛門にを舐め回し、指を入れた。
「ううん、お兄ちゃん指じゃ無く、それ」
指でもキツそうなのに…
「それじゃ、本当に入れるよ」
メリッ….
「あああっお兄ちゃん、痛いよ痛いよーーーっ」
そりゃそうだ肛門の周りが充血しているし血もでている。
「だからいっただろう、痛いって、今抜くね」
「あああっ痛い、痛いけど抜いちゃ嫌だ」
なんでここ迄頑固にやるのか解らない。
だが、リリが止めない以上止めちゃいけない気がした。
結局、リリは痛がりながらもアナルSEXを三回もねだって来た。
そして通常のSEXも5回はしてもうお互いべとべとだ。
「あうむ…うんぐうんうん、これで綺麗になったね」
「それ見ていたのか?」
「うん」
自分からお掃除フェラまでした…どうしたんだリリ。
俺も、俺の物がついているリリの股間を舐め上げ綺麗にした。
だけど、全身精液と愛液とリリのおしっこまみれなんだから…意味無いよな。
リリSIDE リリは負けません!
私の知っているSEXは苦痛しか無かったよ。
お兄ちゃん達を見た時、変態だと思ったけど…凄く楽しそうだった。
それにお兄ちゃんもセシリアお姉ちゃんも、リサお姉ちゃんも凄く気持ち良さそうだった。
これがSEXだっていうのなら…今迄やっていたSEXはセックスじゃない。
だってガイアは凄くつまらなそうに腰を動かすだけだし…私だってそんなに気持ち良く無かった。
それに比べてお兄ちゃん達のSEXは凄く楽しそうで、気持ち良さそうだった。
見ている私が、思わず下半身に手がいってしまうくらいに…
気持ち良さそうな顔して…凄く楽しそうにいつもやっている。
『本当に気持が良いのかな』
もし、本当に気持が良いなら…あれ覚えたらきっとガイアも私の事、好きになってくれるかも知れない。
捨てられちゃったけど…きっとまた愛してくれるかも知れない。
どうせ、ここから出られないんだから、あのSEXを勉強した方が良いよね。
何時もガイアは不機嫌そうに腰を振っていた。
お兄ちゃんたちのSEXを私が覚えてしてあげたら…きっと驚くと思うな。
そうしたら、お兄ちゃんみたいに、笑顔になって優しくしてくれるよね。
兄ちゃんに恥ずかしい所、見られちゃったよ。
だけど、「リリおいで」って誘ってくれたから、このまましちゃおう。
ガイアとは比べ物に成らないよ?
だけどリリお兄ちゃんだって本当は嫌いじゃない。
ううん、ガイアを除けば多分、一番好き。
だってお兄ちゃんはリリの初恋の人なんだもん。
怖くないし…うん一応好きだし、愛している。
だけど、一番、愛しているのはガイアだから安心してね。
貴方のリリだから。
だけど、セックスの勉強する為に、抱かれようと思う。
だってそうしないと、絶対に、幸せに慣れない気がするの。
もう二度度と誰かにリリをあげようと思わない位メロメロにしちゃうんだからね。
お兄ちゃんやセシリアお姉ちゃんやリサお姉ちゃんのやり方を覚えたら…ガイア驚くだろうな…
お兄ちゃんみたいにきっと『愛している』『好き』っていってくれるよね。
ガイアのリリだから、ガイアが戻って来たら、死んでも戻るよ。
例え、奴隷紋が苦しくても必ず戻るから…
それまで、沢山SEXの勉強して…ガイアが喜ぶように成れる様に頑張るからね。
待って居るから、待って居るからね…
◆◆◆
「おはよう、お兄ちゃん、今日も沢山SEXしよう」
「ちょっと待って、昨日独占したじゃないか? 今日はリヒトは私の物よ」
「違うよ、今日はリヒト君に私が一番愛して貰うんだからね」
「え~、2人とも毎日していたよね? リリは昨日だけなんだから、今日もリリだよね?お兄ちゃん」
「体は一つしか無いけど、時間は沢山あるから、4人ですれば良いんじゃないな」
「「「そうだね」」」
うん、リリは負けません。
リサSIDE 私は残酷なのかも知れない。
体を合わせれば、合わせる程、解ってしまったの。
私が本当に好きなのはリヒトなんだって。
ガイアなんて好きな訳ない…私を脅して犯して見下げている男なんて好きになる訳ないわ。
私はもうきっと聖女じゃない。
女神イシュタス様は処女神だから、本来破瓜しちゃまずいのよ…
それなのに、ガイアはリヒトの命をたてに私を犯したわ。
ガイアに初めて犯された日から、私は別の意味でも聖女で無くなった。
だって、私は女神イシュタスが嫌いになったから…
なんで、ガイアみたいなクズが勇者なんだろう…こんなクスを勇者にしたおまえが悪い。
だから、隠れて持っている女神像を踏みつけたの…だって此奴が悪の元凶なんだからね…死ねって。
しかも、このゴミ女神…ただでさえ私は地獄の様な生活なのに、あのクズに『魅了』まで与えて、本当にクズよ…
『世界なんか滅んでしまえば良いのよ』
そう思っていたのよ….ねぇ聖女じゃないでしょう?
リヒトに恥ずかしい姿をみせたくないから…三人が三人で居られる間にどうにかリヒトを追放したわ
その後はもう…駄目…魅了には逆らえなくて…豚みたいに扱われているのに…ガイアが好きで仕方無いの…リヒトよりもね。
本当に怖かった…多分、セシリアもリリも私みたいな恐怖は感じていないと思う。
なまじっか聖女のせいか魅了に少しだけ耐性があったみたい。
だから、心の中の好きって気持ちが、だれかに弄られている…そういう嫌な感覚があった。
自分が自分でなくなる…それが怖かった。
リヒトが帰ってきてくれた時。
私に奴隷紋を刻んだ時…私はもう既に魅了に負けてガイアを愛していた。
だけどね…自分の中に、まだリヒトを好きな気持ちがある事にも気がついたのよ。
どうしていいかもう解らなかったわ。
リヒト君と体を合わせれば合わせる程、どうして良いか解らなくなるの。
自分ではもう気がついていたのよ…だって私リヒト君の傍で笑っていたの。
鏡に映った自分を見るまで気がつかなかったけど…『いひひっ』って気持ち悪く。
此の笑い方はリヒト君しか知らない…小さい時に私、笑顔が気持ち悪いって言われて必死に治したのよ…私、えくぼが出来た時の顔、凄く可愛く無くて、笑い声が気持ち悪かったの…他の子は今では忘れているけど…それが原因で虐められていたのよ。
だけど、リヒト君は「そうかなリサらしくてかわいいって思うよ」なんて言ってくれてね、それが多分リヒト君を好きになった始まりだと思う。
「ガイアへの好きとリヒト君への好きは本当に僅かなんだと思う…だけど『魅了』ってズルいよね。その僅かな差が多分埋まる事は無いと思う。リヒト君、私多分狂っているんだと思う…こんな幸せな気持ち良いSEXなんて初めて、ううんきっとリヒト君以外してくれない…体はねもうリヒト君だけの物だよ…だけどね、それでもどうしても、誰が一番っていうならガイアになっちゃうんだよね…あはははっ笑えるよね。 だけどね、そんな狂った私でも、リヒト君の傍に居るのが一番幸せなのが解かる…だから、これ、はいっ」
気がついたのよ….私の本当の心はリヒトにあるって…だから首輪を渡したの。
今思えば変態だよね…はぁ~首輪じゃなく指輪にすれば良かったな。
多分だけど、この部屋から出ないで毎日SEXづけで居たら…リヒト君だけの物で居られるかも知れない。
本当の私はそんな淫らな状態でもリヒトの物でいたい。
そう思っていたわ…だけど、駄目なのよ、気がつくとガイアが好き。
そう思う様になるの。
◆◆◆
あの日、凄く怖かった..まさか自分が妊娠しているなんて思って無かった。
寝ている時にお腹の下に痛みを感じたの。
私は聖女だから、こっそりヒールを掛けたのに、全然痛みがひかない。
ハイヒールを使っても、痛みがひかなかった。
まさか、自分が妊娠していて、しかも流産するなんて思いもしなかったわ。
あの時、冷静になれば、あんなに取り乱さなかったと思う。
だけどね…あの時の私は本当に怖かったの。
『妊娠したら赤ちゃんを殺す』『私を殺す』そうガイアに脅された記憶が蘇ってきて、それ以外考えられなくなっていた。
本当に怖くて体が震えて涙が出て来たのよ。
ガイアにあそこに手を突っ込まれて血だらけになっている私や、大きくなったお腹を殴られている私が頭に浮かんで…本当に馬鹿ね…あはははっ赤ちゃんはもう死んでいるんだから、そんな事起きない。
それは解っている。
だけど、本当に怖くて、体が震えてどうしようも無かったわ。
だけど、それと同時に…ガイアを好きだって気持ちも消えていったのよ。
怖さで泣いている、私にリヒトはいったのよ。
「大丈夫だよ…その子は俺とリサの子だよ」
「リヒト?」
「俺の子にすれば、問題無いじゃないか…そう、その子は俺の子だよ」
「だけど、リヒトこの子はリヒトの子じゃないよ…」
「ううん、俺の子だよ、違っていても俺の子…それで良い。だから、リサは大丈夫だよ。ねぇ落ち着いて」
「本当にそれで良いの?…ねぇ他の子を産んだ女をリヒトは愛せるの」
「愛せる…というか今迄もこれからも好きなのは変わらない」
「ありがとう…リヒト…私も愛しているわ」
本当に馬鹿だよね….絶対にリヒト君の子じゃ無いのに…それでも自分の子だって言い張ってさぁ…ううん、馬鹿じゃない、凄く優しいよ…
こんなボロボロの私を、こんなに愛してくれるなんて…本当に馬鹿だよね。
だけど、嬉しくて仕方ない…この時から実は頭の中がスッキリしていたのよ。
『魅了』が完全に溶けたんだと思う。
だって心も体もリヒト君で埋め尽くされちゃったんだから。
リヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒトリヒト
こんな感じにね。
リヒト君って本当に馬鹿だよね。
だって私、聖女だよ…回復魔法のエキスパート、教会のヒーラーより腕は上なんだって。
だけどね、泣いているリヒト君が、可愛くて嬉しくて、そのままにしちゃった。
だってもっとおぶさっていたかったんだもん。
今の私にはね…リヒト君に言えない事があるの…
私って凄く残酷なんだと思う….
だって赤ちゃん…可愛いいと思わなくなったの…
多分、死んでいたのを見た時は、まだ少しは魅了が効いていたんだと思うの。
だから凄く悲しかったんだと思うの。
教会についた時にはもう魅了が無くなっていたんだと思うの。
あんなのが私の中に居たのかと思ったら…憎悪が湧いてきたよ。
だって、ガイアの子なんだもん…多分リヒト君が居なかったらそこらへんに捨てていたわ。
だけどね、リヒト君が俺の子って言ってくれたから…手を合わせる事が出来たんだと思う。
生まれてきた子に罪はない….なんて嘘だよ…罪はある。
こんな子愛せないもの…
だけど、やっぱり私は残酷なんだよ…リヒト君との子なら、沢山欲しいし、絶対に愛する自信があるんだから。
戦いの場に立つ事も出来ない。
「リリ、リヒトが好きじゃないなら遠慮してくれないか?」
「そうよリヒト君が好きじゃないんだよね? だったら外れて欲しいな」
「リリだってお兄ちゃん好きだし、愛しているよ! 1番がガイアでお兄ちゃんはお兄ちゃんだから2番なだけだもん」
「ほうーっ、その理屈なら無くなったサクおじさんともこう言う事が出来るってことか?」
「そうだよ、リリちゃんは義父のサクさんともSEX出来たと言う事だよね」
「なんで、リリがお父さんとSEXが出来るみたいな言い方するの…変態」
不味い事になったな。
こうなる可能性だって十分あった筈だ。
なんで考えなかった。
異世界で勝手が違うから油断したのか…
考えられる最悪の事態になってしまったじゃないか。
セシリアとリサの心の戦いは『恋人』もしくは『夫』の座を賭けた、勝負。
一つの椅子をどちらがとるかの勝負だった。
この勝負に奇跡的に俺は勝ち、今二人は取り戻したと言える。
だが…リリはよりにもよって『その勝負の場所から俺を外した』
簡単に言うと『彼氏は要るけど、セフレも居る、そして彼氏が本命だけどセフレも愛している』そういう状態もしくは『夫の事を一番愛している、だけど不倫相手も大好き』そんな感じなのか…あるいは『彼氏が大好きだけど、お兄ちゃんも好き』そんな状態かも知れない。
だが、とどのつまり、俺は『挑戦者』にすら成れない。
比べられる土台に乗れなければ…今迄の方法は一切通用しない。
強敵所か、敵ですらなれなくなった。
そう言う事だ。
今現在は…手の打ちようが無い。
暫くは対応策は無いな。
「なぁ、リリ、リリは俺とSEXするのは嫌じゃないのか?」
「うん、嫌いじゃ無いよ、寧ろ気持ち良くて好き」
身勝手な暴力的なSEXでリリも傷ついては居るんだよな。
「まぁ、2人とも、リリは俺を兄としか見て無いのは俺も解かった…だけど此奴は此奴で傷ついているんだ、可笑しな関係かも知れないけど、心の傷が治る迄、混ぜてあげてくれないか?」
「リヒトが言うなら」
「リヒト君が言うなら仕方ないね」
変な関係でもいいや…此奴がガイア以外に誰か好きになるまで面倒位は見てあげた方が良い。
少なくともガイアの所に行かなければ、それで良い。
「それじゃ、お兄ちゃん、今日は私が1番ね」
「それは駄目だな、1番、2番はリサか、セシ姉だよ…昨日リリは貸し切りだったんだから」
「お兄ちゃん酷い」
義妹か…本当に厄介だ。
勇者SIDE 愛があればいいんだよな!
今日もまた娼館に通っている。
勇者って凄く良いよな…普通の冒険者が苦戦する魔物も簡単に倒せるからお金に困らない。
ちょこっと半日、出てオーガでも狩って来れば普通の生活で1か月…毎日娼館に通っても1週間生活できる。
馬鹿じゃねーの…リヒトの言う犯罪なんてする必要は無いじゃねーか。
この程度で充分だ。
「これはこれは、カルラさん、いらっしゃい」
「はいチップだ」
「何時も、何時もすみませんね」
チップを渡すのがルールだと聞いた。
だから、銅貨1枚渡した。
「いや、良いんだ、それでまたロザリー指名で頼む、そうだな、トリプルで今日は入れようかな」
「それが、今日はロザリーはお休みなんです、明日は出勤してくるんですが…他にも良い子はいますよ」
「そうか…どうするかな?…まぁ良いや、また明日出直すよ! 明日の分の予約は良い?」
「勿論です」
「それじゃ、明日、泊りコースで入れてくれよ」
「解りました」
◆◆◆
久しぶりだな…夜を1人で過ごすのは。
ここの所、ずっと通っていたからな…今更他の女を抱きにくいよな。
まぁ、偶には1人の日があってもいいだろう。
だけど、やっぱりロザリーは良いわ~。
何時も良い臭いがするし、穴も清潔感がある。
貧相な汚らしい穴ぶら下げている雌豚と大違いだ。
なんで、あんなにも違うのかね…ロザリーの穴は凄く気持ち良いのに。
あの雌豚としても、いてーし…全然違うわ。
リヒトはあの三人しか知らねーだろうから….下手したら一生、貧乏穴しか、味あえねーのか…ぷっはははは、無茶苦茶かわいそーじゃねー…今度娼館連れていってやるか…。
◆◆◆
「そら、上手いだろう、たんと食いな」
「お母さん、このお肉…美味しいね」
「そうかい、そうかい、今日は特別な日だからね」
「解かった…とうとう、おじさんと結婚するんだ」
「こらっ、若いんだからお兄さんだよ」
「あはははっ、そこはパパかお父さんの方が嬉しいな」
「そうだね…うん、そうだ、あははははっ」
「パパ…これで良い」
なんだ、何処かで聞いた声だな…
「それで、良いのかな…私、娼婦だよ」
「仕方ないさ、僕はなんとも思わないよ…その子、育てる為に必死だったんだろう?」
「うん…コブツキで元娼婦なんて、最低なのに」
「僕にとっては、子供の頃のロザリーと何も変わらないさ」
「本当にありがとうね…本当に…私よい奥さんになるよ…仕事も明日でもう辞めるから」
「ほら、泣かないで、それじゃ僕と一緒に、そうだな田舎にでも行こうか? 独身が長かったからお金もあるし、家買って、田舎で冒険者をしようかと思うんだ」
「そうね、この街は良い事もあったけど…嫌な思い出が多すぎるから、うんそうしよう」
「わぁ~パパもママもラブラブ~」
ロザリーだと…
嘘だ…本当にロザリーじゃないか…
彼奴、俺という者がありながら。
「ロザリー、お前、そいつなに?」
「あっカルラさん..」
「これはどう言う事なんだ?」
「あんた、誰なんだ?」
「おれの名はカルラ、ロザリーの恋人だ」
「恋人…ロザリー?」
「違う、違うの…その人はお客さんなの、常連さん、そう…常連さんなの…」
「何だ、それなら仕方ないな、ごめん、もうロザリーはお店を辞めるんだ構わないでやってくれ」
「おい、そんな勝手な事を…」
「カルラさん、誑かすような事言ってごめんなさい…だけど、あれはお店の中での話だよ…私は娼婦なの、いえだったのよ…お客さんに愛している、好きだって言うのは当たり前じゃない」
「少年…君の気持は解かるよ…だけど君は若いんだ、次があるじゃないか? なぁ、俺達はそう言う関係だけじゃなく、心も繋がっているんだ、お互い、愛しているんだ…なぁ解ってくれ」
「ごめんなさい、勘違いさせちゃったなら謝るわ..ごめんなさい…幾らいわれても、貴方を愛してないわ」
「なぁ、ロザリーは愛してないんだ仕方ないだろう」
「ママを虐めないで、お兄ちゃん」
こいつ等、俺を馬鹿にしているのか?
一体幾ら使ったと思っているんだよ…ネックレスだって指輪だって…
「ネックレスも指輪も…」
「ごめん…返すわ」
なんだよ…欲しいって言うから態々買ってやったのに…
「俺からも謝る…この通りだ、だが、愛していない以上は仕方ないだろう…君も男なら」
謝ってなんになる…
「愛があればいいのかよ!」
「幾ら言われても、愛してない…貴方はただのお客だわ…いい加減にして」
「すまない少年」
こんなのは無い。
皆して俺を、俺を騙しやがって…良いぜ、それなら…
「なぁ、あんたさぁ、逆の立場だったら、俺の立場だったら、身を引くのか」
「ああっ、確かに悲しいが、俺だったら…愛した女の為に身をひくよ…これで良いか?」
「そうか、解ったよ」
リヒト、お前が言った事の意味が少しだけ解かったよ。
あはははは、本当にメンドくせ―わ。
最初からこうすれば良かったんだ…俺はロザリーを睨んだ。
見下した目しやがってよーっ『魅了』
「えっ…」
「なぁロ.ザ.リー、本当に好きなのは誰なんだ俺だよなーーーっ」
「おい、ロザリーどうしたんだ? おい」
「うふふふっ、私が好きなのはカルラよ、カルラを愛している」
「ロザリー?」
「ロザリー、俺はよう、ガキが凄く嫌いなんだよ! 俺が好きなら、そのガキ捨ててくれないか?」
「うふふっそうね…こんなガキ、捨てるわ」
「ママっ、ママっ 嫌だよ~」
「おい、ロザリー、お前何を言っているんだ」
「おやぁ、可笑しいな」
「お前、何をしたんだーーっロザリーが泣いている」
「うるせーよ、お前、さっき言ったじゃないか? 『愛した女の為に身をひくよ』ってな、なんだぁ~嘘かあれ…嘘かぁぁぁぁ、あん!」
「それは…だが可笑しいじゃ無いか? ロザリーは泣いているんだ」
「それは、お前が此奴を脅しでもしたんじゃないか? 無理やり好きって言わせていたんだろう?」
「そんな違う」
「ロザリー、ちゃんとしっかり言えよな!」
「私が愛しているのはカルラよ…そんなガキは要らないわ」
「お前も男なら女々しい事するなよな…ほら行くぞ」
「はいカルラ、それじゃ…バイバイ」
「ママっ、ママっママーーーっ」
「おい」
「とっととガキつれて消えやがれ…負け犬…行くぞロザリー」
「はい」
俺は泣いている男とガキを残して…その場を後にした。
旅の終わり
「教会に行かないか?」
「そうね、色々心配だから行った方が良いかもね、リヒト君行こうか?」
「ちょっと待ってリヒトなんで教会に?」
「お兄ちゃん、何か用事があるの?」
この間の事件で、リサは聖女のジョブを失っていた。
だったら、今のリサのジョブは何なのか知っておいた方が良い気がする。
此の世界に『ジョブが無い』そんな人間はいないのだから。
俺は、リサの時の経緯を二人にも詳しく話した。
「嘘、リサ、聖女のジョブが無くなっていたの?」
「リサお姉ちゃん…聖女じゃ無いんだ」
「いひひっ…今の私はリヒト君のお嫁さんに華麗にジョブチェンジしました」
「そんなことあるかーーっ それになんだ、その変な笑い方」
「リサお姉ちゃん気持ち悪い」
「嘘…リヒト君、私」
「うん、気にしなくて良いんじゃない? 俺には素敵な笑顔に見えるから」
「まぁリヒト君がそう言うなら…うん、別に良いや」
「ほうら…とっと教会に行くよ、さぁ行こう」
「そうだね」
◆◆◆
「おや、リヒト様、今日はまたどう言うお話ですか? 丁度良かった、此方も伝えたい事があったのです」
「そうですか? 俺の方は三人のジョブ鑑定をお願いしようと思いまして」
「あっ、リサ様にセシリア様にリリ様」
今現在の三人は清潔な服装はさせているが、ガイアの事があるから、少し野暮ったい恰好をさせている。まぁ気がつかないのも当たり前だ。
「お願いして良いかな」
「勿論です、この間、教皇様からのご連絡で力になる様に通達がありましたので無料で構いませんよ」
別室に行き、1人1人鑑定用の水晶で見て貰った。
普通の教会ではレベルなどは見る事が出来ず、名前とジョブ、スキル位しか見えない。
だが、それでも本来は銀貨3枚はとられる。
「私は…リヒト君、上級ヒーラーだって」
思ったより下がったんだな。
聖女じゃ無くなったのなら、その下のアークプリースト辺りだと思ったんだが違った。
最も、実際の所は解らないがアークプリーストじたい希少なジョブだからこれで良い。
「良かったな、これでもう魔王討伐に関わる事無い人生が送れる」
「そうだよね、アークプリーストだと駆り出される可能性はあるけど、上級ヒーラーならもう義務は無いから良かったよ」
リサは嬉しそうに笑っている。
義務を負わないと言う事の良さが今となっては解かる。
「私は…上級剣士だ…はぁ剣士だったらリヒトとお揃いだったのに」
やはりクルセイダーでも聖騎士でも無い。
かなり落ちたジョブだ。
クルセイダー辺りだとやはり貴重な戦力だから、何かと駆り出される可能性があるが、上級剣士なら義務とは言われないだろう。
「俺はただの剣士なんだから、それで良いじゃ無いか? もうそれなら義務はないんだから」
「そうだね、うん! これならもう旅なんてしないでいいもんね」
「そうだよ」
「嘘…私、魔導士…これじゃガイアに捨てられちゃう」
魔導士と言えば、聞こえはいいが、上にはアークウイザードや大魔道がいる。
勇者パーティに居るとは思えないジョブだ。
まぁ…ただの剣士なのに勇者パーティに入っている俺が言えた義理でも無いが。
「まぁ…リリ…ご愁傷様」
「何でお兄ちゃんは嬉しそうなのよ…私が悲しんでいるのに」
「そんな事無いよ」
とは言いながら、実はニマニマが止まらない。
ここ迄ジョブが下がってしまえば、もう魔王討伐に関わる必要も無い。
『俺たちの旅は終わった』
そう言える。
これで、魅了の件さえ解決すれば、もうガイアと今後の人生で関わる必要は無い。
もう初めてあうような人間や見知らぬ人間の為に戦う必要は無い。
「そんな…三職が…世界を救う三職が失われてしまったなんて…」
司祭はつらいだろうな…四職(勇者 聖女 剣聖 賢者)のジョブは失われてしまうと5年~10年は現れない。
しかも、四職はひとつの時代に同時に現れる。
そう考えたら…ガイアが死んで、そこから最低5年は待たないと現れない事になる。
まぁ、だからと言って人類が滅ぶわけじゃない。
精々が境界が魔族側に傾くだけだ。
魔国から遠くに行けば、影響など全然なく暮らせる。
「この事は、しっかり聖教国にも報告お願いします」
「あっ、それなら皆さんが教会に来ましたら、教皇様がお話ししたいと言う事なので、直接お願いします」
逃げたな…
◆◆◆
教会の応接室に通された。
「此処なら、誰にも聞かれません」
そう言うと、通信水晶を司祭がテーブルに置いた。
通信水晶は貴重品で数が少ないから、まず見かける事は無い。
教皇自らがこれを使うと言う事は…かなり重要な話の筈だ。
「本当にすまなかった、これは私の責任です…この通り」
記録水晶越しとはいえ、世界一の貴人とも言える教皇が頭を下げるなど前代未聞だ。
「そんな、頭をあげて下さい、これは教皇様のせいじゃ無いですよ」
「そうか、許してくれるのか…」
聖教国は教皇様を中心に今回の事を重く見ていた。
今後、俺達4人は教会の施設やポーションは全て無料で生涯使える権利を貰った。
それと同時に3人に対して多額のお金を払うという話があったがこれは辞退した。
あのガイアの事だ、何かの引き金で連れ戻そうとするかも知れない。
セシリアやリサは良い…まだリリの心は未だにガイアの元から切り離せていない。
お金欲しさに、何かされても怖いからだ。
辞退した結果、教会の保有の領地の権利を貰ってしまった。
田舎の方の、湖が近くにある小さな村だが、貴族から教会が寄付で貰い、持て余しているそうだ。
ガイアは多分、田舎が嫌いだし…静養するには最高だが…そんなに税金が手に入る様な場所じゃ無さそうだから欲しがらないだろう。
前世の記憶なら…観光地になっていない箱根って感じだ。
なんだか、もうし訳ない位の対応をして貰った。
それなのに教皇様は最後まで謝っていた。
俺とセシリアとリサは正直言えば晴れ晴れしていた。
これで、過酷な人生が終わりを告げたからな…魔王なんて、世界なんて関係ない。
自分だけの事を考えれば良い…『旅の終わりだ』
そんななかでリリだけはこの世の終わりみたいな顔をしていた。
魔王討伐の旅の終わり…ガイアとの繋がりがこれで切れてしまったからだ。
勇者SIDE 犯罪勇者
「ガイア様、教皇様から連絡が入っております」
ロザリーを気分よく物にしてこれからやりまくろう…そう思っていたのに…邪魔が入った。
これなら、家に帰る前に眼鏡を外すんじゃ無かった。
もう囲った状態だからと素顔を見せた途端これだ。
「悪いなロザリー、先に俺の宿屋に帰ってくれるか?」
「グリーンハウスって宿屋で良いのよね?」
「そうだ」
「それじゃ、私もちょっと、寄り道しても良い」
「ああっ構わない」
◆◆◆
しかし、教会が何の用だ。
あんな場所で俺を探す教徒に会うなんて…多分俺を探していたんだろう…
まさか『魔王絡み』か?
魔族が本格的に動き出した…そうで無ければありえない。
情報だけなら、ギルドの連絡だけで済む筈だ。
俺は男に連れられながら教会に向っていたが…不味いな。
今、戦えるのは『俺しかいない』
セシリアは…俺が壊して雌豚にしたせいで戦えない。
剣聖の癖に…オークの棍棒すら裁くのに苦戦していた。
リサももう駄目だ…俺が壊してしまったせいか、聖女が使う究極魔法、パーフェクトヒールは使えなくなった。
聖女は確かに弱い。
だが、それでも本来は自分の身位は守れる…だが今のあの雌豚はそれすら出来ない。
唯一使えそうなは、リリだけだ。
威力は弱まっていたが、それなりに使えていた。
まぁ3匹の雌豚のなかで、それなりに大切に使っていたから…完全には壊れていない。
だが、あれは今はリヒトの奴隷だ…あいつが壊して無ければ、まだ使えるな。
◆◆◆
教会に連れていかれると特別な部屋に連れていかれた。
「此処を使う位重要な話なのか?」
「私も詳しい事は聞いておりおません、ですが今回の話は教皇様と5大司祭様が直接話すそうです…これから通信水晶を設置して私は外に出ます…司祭の私が立ち入れないのですからかなり重要なお話しなのでしょう…それではこれで私は一旦席を外させて頂きます」
教皇に…五大教皇だと…間違いない重要案件だ。
不味い、不味い、不味い…今の俺には、それに対応するすべがない。
間に合わなかったのか…俺は、そろそろ『勇者の引退願い』を出す予定だった。
ある意味、これを出す事は勇者にとって屈辱だが….これさえ出せば..勇者を辞められる。
その代り、一般人になり『勇者保護法』や『勇者特権』『支援』は無くなる。
リヒトの言う通り、もう魔王と戦っても犬死にするだけだ。
だが、ヤバイ…これは…今回の一件だけはやらなくちゃいけない。
しかもこんな大事だ…
絶対に大きな話に違いない。
通信水晶が光り輝き、教皇と五大司祭が映し出された。
「勇者、ガイア、久しいのう…」
「はっ、教皇様には…」
「それは良い…本来、私は、貴方を尊敬し、貴方に寄り添いながら、支援するのが使命だ…だがな、貴方、いやお前は酷すぎる」
「教皇様、私には身に覚えが御座いません」
「白々しい、聖女リサは妊娠していた、これをどう説明する!」
あの雌豚、妊娠したら殺すと脅していたのに…迷惑かけやがって。
かってに自分で処分も出来ないのか…クズ女。
「それは…そうだ、リヒトの子だ、彼奴は仲間を奴隷にするような、クズだった、見破れなかった俺が悪い。済まない、俺の管理不足だ、その」
彼奴が奴隷にし事実と避妊紋…これがあるから…騙せるだろう。
「嘘を言うでない、水子に教会で鑑定を掛けた…司祭三人が鑑定をしたが、全員父親はガイアという結果がでておる…また嘘をつくのだな…確かに魅了は勇者に限っては犯罪ではない。それは勇者は、此の世界の運命の一部を背負う、その事への感謝から生まれた決まりだ。それが、落ち度のないリヒト殿を追放して、己の欲の為に三職をおもちゃにした…許される事じゃない」
糞っ、此処でもあの雌豚どもが俺の人生を壊すのか。
貧相な穴ぶら下げて使えない女の癖に。
こんな事になるなら、殺しておくべきだった…殺しておけばあと腐れなかった。
魔族と戦って死んでも可笑しくないんだからな…
糞っリヒトに温情を掛け追放にした事が…
彼奴らを壊した時点で殺さなかったから…チクショウ。
「私ではなく、雌豚たちとリヒトが、悪い…あっああああっ」
やべーっつい口にでてしまった。
「聞いたぞ、ガイア、それがお前の正体か…まぁ良い、もうお前をどうするかは決まっておる」
「一体、俺はどうなるのでしょうか?」
「お前は、今後『犯罪勇者』として生きる事になる」
犯罪勇者…なんだそれ、聞いた事が無いが、聞こえだけで良い話で無さそうだ。
「犯罪勇者とは何でしょうか?」
「基本的には今と何も変わらんよただ『何があろうと魔王との戦い』を辞める事は出来ない。倒した後の報奨金はそうだ『金貨2000枚』(2億円)は出そう、それで終わりだ」
俺は、絶対に魔王には勝てない、頼りの三職は壊れている。
そうだ…時間を掛けて治せば…
「そうだ、伝えておきたい事がある、今現在三職は既に居ない」
まさか、あの雌豚たち、死んだのか?
「まさか、死んだのでしょうか?」
「いや、生きておるが、お前が破瓜したせいか宿っていたジョブが下がり、二つ以上下のジョブになっていたと報告があった、もう三職ですら無いのだから、仲間に誘っても意味がない」
あの雌豚、本当に使えねーな。
待てよ…まさか…俺一人で魔王と戦えというのか?
確実に死ぬだろう。
「それは…まさか」
「なぁに、頼りの味方の三職を壊しても、魔王に勝てる勝算があるからの行動なのだろう。違うか? 違うと言わんよな」
違うとは言えない…
「ああっ、俺なら1人でも余裕だ」
「それを聞いて安心したぞ…三年だ、三年以内で倒せ。それじゃ頼んだぞ…もし逃げたら世界中に破門状を流すゆえ、生きれぬと思う事だ、これは私だけでない、五大司祭もう同意だ」
「解りました」
通信は切れた..
あの疫病神め…あいつ等に出会ってから不運続きだ。
まさか、貧相なだけじゃなく下げマンなんじゃねーか。
糞っ、ムカつく…
勇者SIDE 失った物 得た者
あはははっ、終わりだ。もう終わり。
疫病神に関わった為に、俺の未来はない。
下げマンの疫病神の雌豚のせいでもう俺には…死ぬ未来しかない。
しかも、何故あそこ迄俺が嫌われたのか、司祭に聞いたら理由が良く解ったよ。
「あの…もしかして婚約のお話しですか?」
「何の事だ?」
にこやかな顔で俺に話し掛けてきやがった。
こっちは最悪だと言うのに、ニコニコしやがって。
「えっ、その話じゃ無かったのですか? ロマーニ様がお話しをしまして、第二王女のマウリー様との婚約の話を進めていたんですよ…しかも結婚相手が王族だから、貰える爵位も侯爵以上というお話しでした」
初耳だ….何時の話だ。
「それはいつ頃の話だ」
「かなり前からですよ…多分、勇者様が旅立つ位にはもう話は始まっていた筈です」
そんな話があったのか?
「それを俺は聞いた事無いぞ」
「まぁ、王族を娶る話ですから、時間が掛かる話だからですから、ですが教皇様が動いているんです、時間の問題ですよ…まぁリサ様が王子の求婚を断ってリヒト殿を選んだのは驚きでしたが、まぁその分…ガイア様には是非王族と結ばれて貰いたかったのでしょう」
全部初耳だ。
俺は…王女を妻に出来たのか?
そんな人生を俺は、たかが雌豚3匹の為に捨ててしまったのか。
「あのよ…『魅了』について何か聞いていないか?」
「ああっ、聞いていますよ、勇者様が『魅了』持ちで使ったって。ですが勇者様なら犯罪じゃないし、多少のやんちゃは許されます。それこそ、三職にでも使わない限り罰なんてありません」
ここでも…あの雌豚…
多分、今日まで影響を考えて教会でも伏せられていたのか…
だが、あの怒り方だ…最低でも教会内部には伝えられるだろう。
多分、此奴も次回にあった時は、こんな笑顔で俺を見ないだろう。
雌豚、雌豚、雌豚…あんなおもちゃで全部無くしてしまった。
「そうだな…情報をありがとう」
俺は無理して笑顔を作り、教会を後にした。
◆◆◆
「帰ったぞ」
「お帰りなさい、ガイア」
どうしたんだ此奴…なんだか浮かれている気がする。
「どうしたんだ…なんだかうれしそうだな!」
ロザリーは嬉しそうに俺の前に紙をだしてきた。
「はい、これ…書いてくれるよね?」
「何だ、この紙は」
「うん、これはね、2人が愛し合っている証なの…ガイアは私の事が好きなんだよね?」
「好きだよ」
「愛しているよね」
本当に女ってめんどくせーな。
好きとか愛しているって言わねーとヤラしてくれないんだから。
「ああっ、愛しているよ…これで良いか?」
「だ~め、略奪までして好きだったんだから、これ書いてよ」
「解かった、寄こせ…ほらよ」
なんだ、この紙きれ。
「ありがとう」
「良いんだ..書いてやったんだ、ほらっその分頑張れよ」
「うん、今日は寝かせない位、頑張るからねガイア」
どうしたんだ…何で、今日は何時もみたいに気持ち良くならねーんだ。
何時もみたいに快感が込み上げて来ない。
貧相な雌豚よりはまだましだが…
何故か…何時もと違う。
ハァ~ 多分、精神的に疲れているのか…
なんとか、いったが…随分時間が掛かったな。
「ロザリー、ごめん」
「良いよ、こんな時もあるよ…これからも頑張ろう」
「そうだな」
そろそろ決着をつけるべきだ。
あの疫病神の雌豚やリヒトと別れた方が良い。
そうしないと…不運ばかりがのしかかる。
パーティリーダーは俺だ…正式に解散して二度と関わるか…
それには…もう一度会うしかねーのか。
何時ものような快感が無い状態でこの日の好意は終わった。
「どうしたの元気ないよ…何か考え事?」
「ああっ、全ての決着をつけに行ってくる…暫く待っていてくれるか?」
「待って居るよ、だから必ず帰ってきてね」
「ああっ、必ず戻るよ」
「待っているからね」
俺は、この不幸の元凶を終わらせる為に…リヒト達の元に向った。
ロザリーSIDE 私の勇者様 ガイア
私はガイアと別れた後、娘の元に向った。
ガイアに言われたとはいえ、娘だ…何か残してあげたかった。
ガイアへの愛の為に…もう会う事は出来ない。
娼館に顔を出した。
ちゃんと辞めるって伝えないといけないわ。
「どうしたんだ?」
「ごめん、明日まで入る約束だったけど…明日はいれない」
「そうか…結婚の話上手くいったんだな、良いぜ花嫁に娼婦をやれとまでは言わないぜ、今日で終わりで良い」
「あははっこんな歳だけどね…それでね、私が預けていたお金金貨80枚(約800万円)うちのガキに渡して欲しいんだよ」
「お前、確か今度の旦那さん、子煩悩で、あの子も懐いていただろう?」
「あの人とは…結婚しないんだ…私略奪されちゃったから」
「ぷっ、嘘だろう、あんなに仲良かったのにか…」
「あはははっ、私人でなしだよね。娘と婚約者捨てて他の男に走ったんだから」
「そうだな…お前の事情を知って受け入れてくれたんだろう…まぁ、気持ちが無いんじゃしかたねーんじゃねーか…だが、娘は…どうしたんだ、お前」
「仕方ないんだよ…好きになった男がガキが好きじゃ無いんだから…多分、自分の子じゃないから愛せないんだよ」
「お前の人生だ、俺は何も言わねーよ。金はちゃんと娘に渡してやるよ、それであんな優しい婚約者や大好きな娘を捨ててまで選んだ、相手は誰なんだ」
「勇者 ガイア…信じられないよね」
「幾ら何でも冗談は止めろ…冗談でも不味いって教会に怒られるぞ」
「あはははっまぁ良いや、頼んだよ」
「おい」
勇者が娼婦と結婚…だれも信じられないよね
◆◆◆
急いで冒険者ギルドに来ている。
「ぎぎぎ、ギルド婚の婚姻用紙下さい」
年甲斐もなく嚙んじゃったよ…
娼婦は教会に嫌われているからね…教会じゃ式を挙げられないから『ギルド婚』しかないよね。
「はい、婚姻用紙ですね…はいどうぞ、此方に二人のサインをして下さい…あと筆跡には鑑定を掛けます。嘘偽りがあった場合は罰されますので注意して下さいね」
「はい、ありがとうございます」
私は急いで、冒険者ギルドを後にした。
結構、忙しいな…
次に来たのは奴隷商だ。
私の場合は、誰かの物じゃない。
奴隷じゃないし、仕事の為に、避妊紋を刻んでいただけだから…解除も言えばいつでもできる。
略奪までして結婚したかったガイアの事を考えたら外すべきだよね。
きっと喜んでくれるよね…
子供が出来ないSEXなんてSEXじゃない..私を好きで略奪までしたんだから、解除して本当のSEXをしてあげるのが礼儀だよね。
「すみません」
凄く恥ずかしかったけど、お金を払って解除して貰った。
後は…怪しいお店に行かないと…
「おや、今日は快感薬入りのローションじゃ無いのかい?」
「オバサン、私結婚するんだよ…流石に若い子にあれを使っていたら毒でしょう?「」
「そうだね、あれ若い頃から使い続けると将来ローションを使わないと立たなくなるからね…というかあんたも若作りしているけど、余り私と変わらないだろう?」
「あはははっそうだね…それは置いといてお客じゃ無くちゃんとした旦那さんとするんだから、快感薬入りは怖くて使えないよ…だから普通のローション頂戴」
「ローションは使うんだね」
「まぁ、あんな商売していたからさぁ、濡れないから仕方ないよ」
「まぁね、そりゃ1000人単位の男に抱かれていればそうなるよね、まぁ娼婦を辞めてもローションは必要か、今日は結婚祝いだ2本無料であげるよ」
「ありがとん」
ローションOK。
婚姻届けOK。
奴隷紋は解除したし…うん、ガイア、早く帰って来ないかな。
◆◆◆
折角、娼婦じゃなく抱いて貰えた初日なのに…疲れていたな…お姉さん心配だよ。
しかも…暫く帰って来れないみたいだし…仕方ないよね、ガイアは勇者なんだから…
うん、寂しいけど、笑って送り出してあげた。
私の旦那様は勇者なんだから…我慢するしかないよ。
さてと…サインも貰ったし…これを出しに行こう。
まさか、勇者に略奪されるなんて思わなかった。
娼婦が勇者のお嫁さんになるなんて考えられないよね。
子供を捨てたのも、婚約者と別れたのは寂しいけど…
こんな少女時代の夢を叶えて貰ったんだから仕方ないよ。
この私が『勇者のお嫁さん』になれるなんて夢みたいだよ…ガイア。
ロザリーがギルドに婚姻届けを出すと冒険者ギルドは大騒ぎとなった。
審議官が3人掛かりで鑑定しても、本物のサインだった為に婚姻は認められた。
リリが居ない
え~と毎日が凄い事になっているな。
「あっああ、あああん、気持ち良いよ、リヒト君」
「うんぐっううんうううっ、ぷはっリヒト私、かなりキスも上手くなったでしょう?」
「くちゃくちゃペロペロ..ハァハァ、お兄ちゃん気持ちよいよね…はぁぁぁぁん」
確かに俺はSEXじたい嫌いじゃない。
だが、生活の全てをSEXにしたい訳じゃない。
朝起きて直ぐにこんな状態になっていた。
俺の上に跨り腰を振るっているリサ。
俺の口を舐め回すようにキスをしているセシリア。
リリに到っては俺のお尻に顔を突っ込んで舌をつかい舐め回している。
前世の俺は、自分を鍛え上げた末、此処までになった。
だが、三人は短期間でこれだ…
セシリアとリサは俺を愛しているからこうなっている。
元をいいように体を弄ばれた二人は、これが愛あるセックスなんだと愛を示すように体を合わせている。
その証拠に、どうしたら俺が喜ぶだろう…そう考えながらのSEXだ…
問題はリリだ。
此奴はとんでもない。
確かに心は愛の無い暴力的なSEXで傷ついていたのかも知れない。
だが、魅了は解けていない。
そんな中でこれだ…ある意味凄い天才なのかも知れない。
リサもセシリアも俺を1番何処じゃ無く、俺以外目に入らない位愛した結果がこれだ。
だが、リリの1番はガイア…それなのにこれが出来る。
つまり…前の世界でも一流の風俗嬢にすら手が届く才能がある。
俺は…SEXだけがしたい訳じゃない。
三人と普通の恋人や夫婦の様に人生を楽しみたい…だが魅了に勝った結果がこれだ。
しかも、この肉体関係は死ぬまで続ける必要があるかもしれない。
◆◆◆
「助けて…助けて…嫌、いやぁぁぁぁーーっ、怖い、気持ち悪いっリヒト助けてよー」
「ああっ、怖い、痛いし辛いよ…許してガイアやめてーーっリヒト君、リヒト君助けてーーっ」
夜中に二人は狂ったように夜泣きをする。
この状態になると、手を握った位じゃ収まらない。
抱き着いても無駄だ。
「うぐっうううんっうううっ、ぷはっ リヒトっ…ああっリヒトだ良かったよーーーっひくっひくっ」
「うぐっううんううんぷはぁ、リヒト君、リヒト君だぁぁぁぁぁぁーーっ居なくなっちゃったと思ったよーーっ、うえぇぇぇぇーーん」
濃厚なキスをして起きた二人がつかれて眠るまでSEXを続ける。
「リヒトむにゃむにゃえへへっ」
「リヒト君、大好きだよ、いひひひっ」
精子、愛液にまみれた二人の髪を撫でながら初めて俺は眠る事が出来る。
リリは…眠い時には無視して隣で眠るし、やりたい時には加わってくる。
多分、2人とはもう死ぬまでこの状態を続けないと駄目かも知れない。
まぁ、大好きだから幾ら抱いても、死ぬまで続けても飽きない位愛しているからいいんだけどなぁ。
そう考えると前世は…本当に愛した女性は居なかったんだな。
『幾ら抱いても飽きない』そんな事考えた事も無かった。
こんなに愛しいなんて考えた事も無かった。
◆◆◆
気がついたら、朝になっていた。
セシリアもリサもスヤスヤと眠っていた。
流石にベタベタで凄い状態だな…
あれっ..リリが居ない。
隣で寝ているのか…相変わらずマイペースだな。
シャワーを浴びて、取り敢えず服を着た。
まぁ二人が起きてきて暫くしたら脱がされるんだけどね。
リリの様子も見て見るか…嘘だろう…リリが居ない…
奴隷紋で縛っているから、此処からは簡単に出られない。
この部屋から出たら、それこそ苦しくなり、死ぬような激痛が走る筈だ。
そんな状態で行きそうな場所は一か所しかない…ガイアだガイアの所だ。
俺は部屋を飛び出し、ガイアの宿へ向かった。
※いよいよクライマックスが近くなってきました。
最後までお願い致します。
悲しくて 悲しくて 仕方が無い
ガイアの宿に来た。
「ハァハァ、ガイアはガイアは帰ってきているのか?」
「はい、先程お帰りになりました、そちらに使いをいかせたら、その、貴方の仲間が」
「解かった」
時間が惜しい…不味いこのままだと最悪リリが死んでしまう。
「リリ!」
「ヒューッヒューっお兄ちゃん..助けて」
「よう、リヒト、お前の所の雌豚がいきなり飛び込んできたぜ、躾がなってねーな」
リリはシャツだけ羽織りほぼ裸で顔を真っ青にして苦しそうに蹲っていた。
「リリ、今は此処に居ても良い」
これで大丈夫だ、奴隷紋による縛りが解けたはずだ。
「ハァハァ、お兄ちゃん」
「話しはあとだ.」
「リヒト、俺は悪くないぜ、その雌豚が勝手に飛び込んできたんだぜ」
解っている、魅了のせいで、リリはガイアが好きなんだ。
奴隷紋で苦しんだ状態でも、リリはここに来たんだ。
「解っている、それで今日はなんの、ようなんだ?」
「まぁ怖い顔すんなよ…お前達にとっては良い話だ…パーティを正式に解散する」
これは願ってもない話だが..裏が、きっとなにか裏があるのかも知れない..
「どうしたんだ急に…」
「教会から話を聞いた、お前達全員ジョブを失ったそうじゃないか? しかもゴミみたいなジョブなんだってな…もう要らねーよ」
そうか、確かに勇者であるガイアにはもう全員不要な存在だな。
裏は無さそうだ。
「そうか」
「ああっ、お前から貰った眼鏡も結構使えたしな…ただ、もう戦えないんだから、光翼の杖、灼熱の杖、魔剣イーグル、他の法具も返してくれ」
どれもこれも国宝クラスだ…だが、もう戦わない俺達には必要がない物だ…返してくれと言っても持っているのはガイアだ。
「ああっ、別に良いが、それを持っているのはガイアだろう?」
「まぁな…だがその所有権は三人にある..更に言うならその主人のお前が所有という事になるだろう?」
「手放しても良いぜ…その代わり俺たちはこの後、北に向かう、ガイアは魔王の討伐に向うんだよな?」
「まぁな」
「全部、手放すから、一生、北の大地に来ないで欲しい」
「おい、親友だろう?」
土下座でもするか…
「ガイア、この通りだ、お前にとってはただの肉便器で豚でも俺には大切な物なんだ…他の男に色目つかう所なんて見たく無いんだ」
「ちぇっ、仕方ねーな…行かねーよ、行かねー」
「ありがとう、なら今日中に誓約書を届ける、解散届けはどうする?」
「あはははっ、もうお前等、要らねーから出しておいたぜ」
此奴は相変わらず馬鹿だな…解散していたらリーダーで無いから、物品の引き渡しを拒めるんだぜ…まぁ揉めるから渡すけどな。
此奴真面に文字も読めないからそのうち騙されるんじゃないか? まぁ、もう親友でも何でもないから関係ないけどな。
「それじゃ」
ヤバイ、リリがシャツ1枚でほぼ裸じゃないか..さっきからリリの尻を見回していやがる。
「そう言えば、その雌豚、随分と尻がでかくなって肉付きが良くなったじゃねーか」
「ガイア、これは俺のだ渡さない、帰るぞリリ」
「嫌ぁお兄ちゃん…此処にいる、ぐはっうううっ」
「まぁまぁ、親友、今日で俺たちはお別れだ、最後に抱かせてくれてもいいだろう? これで最後だ、ちゃんと夕方には返すぜ」
「ハァハァお兄ちゃん…私此処に居たい」
ガイアの奴嫌な笑みを浮かべていやがる。
「だが…」
糞っ、リリが好きなのはガイアだ…魅了の為とはいえ俺じゃない。
奴隷紋に逆らってまで此処に来たんだ…無理やり奴隷紋の力で連れ帰ったら、最悪死ぬかも知れない。
「なぁ..セシリアやリサはお前の恋人なのは解る、だがリリはお前にとって妹の筈だ、なんで邪魔するんだ…この雌豚も俺としたそうだぜ」
「ハァハァお兄ちゃん、もうガイアに会えないんだよな..お願い、お願いですグスッ、思い出、思い出を下さい…これを叶えてくれたら…もう我儘は言わないから…すんすん、お願い」
リリは魅了に掛かる前から此奴が好きだった可能性が高い…
最悪、奴隷紋を使って命令したら死ぬかも知れない。
「解かった、夕方にまた来る…その時には返してくれ、此奴は俺の奴隷だ、れっきとした財産なんだぜ」
リリは人だ物じゃない…
「お兄ちゃんありがとう」
なんでだよリリ、なんでそんな顔するんだよ…
此奴はお前をおもちゃにして俺にゴミ同然として寄こした奴なんだぞ…
「ああっ返す、約束するぜ…もう雌豚にようは無いんだが…見てたらたっちまった…もう、俺にはもっと上等な雌が居るんだ…ただの性処理と、どんだけ此奴の穴が貧相かの味比べだ…此奴の不味さは知っているから、安心しろ」
「リリはそれで良いんだな」
「ガイアがしてくれるなら、ハァハァそれで良い」
こう言う顔を見るとリリがガイアを好きなのが解かる。
最低だ…
「解かった、夕方6時にもう一度来る、その時はもう二度と俺に付きまとうなとリリに命令してくれ、返してくれなかったら、誓約書を渡さないし、それぞれ全部の所有権を主張するからな」
「安心しろ、親友、あくまで借りるだけだ…便器の為に宝を俺が捨てるわけ無いだろう」
「そうだな」
嫌な顔でまたにやりと笑っている…
糞っ…俺は、嬉しそうなリリと笑い顔のガイアを見ながら立ち去るしか無かった。
糞…リリは妹だ…確かに恋人じゃない…だけど何で涙が止まらないんだ…
悲しくて悲しくて仕方が無い。
リリ 無惨
俺は寂しく一人で帰って来た。
リサとセシリアは俺を優しく慰めてくれている。
「うぐっううんぷはぁ…元気出してリヒト君」
「ちゅるっうぐぺろぺろ、仕方ない、リリは兄妹としか今は思って無いんだ、まぁこれ1回で終わるならそれで良いんじゃないか?」
確かにそうだ…悪人にかどわかされた妹を、半日だけで悪人側から別れてくれる…そう考えたらこれで良かったんだ。
そう考えるしかない。
だが、俺はリリが不憫でならない。
ガイアが好きであっても…普通ならデートしたり色々な事を得てからそういう関係になる。
それが最初からいきなり、体を奪われたんだ…これは違う。
もし嫌いならもっと酷い。
「リリは本当にガイアが好きだったのかな」
二人の顔色が変わった。
「あの、リヒト君は鈍感だよ」
「同感」
なんだ…いったい。
「どうしたんだ二人とも」
「あの、リリちゃんが好きだったのはリヒト君だよ」
「鈍感、あんなに解りやすいのに」
二人から話を聞いたら、リリが好きだったのは俺だった。
『妹にしか見て貰えない』と泣きながら相談した事もあったそうだ。
「あのさぁ、リヒト、本当に兄としか思ってないなら、SEXなんてするかよ」
「そうだよ、リヒト君…兄妹じゃ幾ら好きでもSEXなんてしないよ」
そうか…本当に兄としてしか好きで無いなら幾らなんでも、SEXなんかしてこない…
俺は1人で間違えて、空回りしていたんだ…もっと早く相談するべきだった。
ちゃんと相談するべきだった…
だが…駄目だ…幾ら本当はそうであっても、今好きなのはガイアだ。
どう考えても取り戻す方法が思いつかない。
これじゃリリが不憫すぎる…今も心を操られ、好きでも無い男に抱かれている。
あのガイアの事だきっと今もリリをおもちゃにする様なSEXをしているに違いない。
だが…俺にはどうする事も今は出来ない。
◆◆◆
時間が経つのが遅い…リリを置いてきてから、まだ1時間も経っていない。
リリ…
結局1回だけして…それからあとは三人して服を着てしまった。
リリが気になり、セシリオもリサも俺も気が気で無くなった。
三人で部屋に居ながらSEXもしないで服を着ているなんて久しぶりだ。
無事に時間が過ぎて欲しい。
今日という日が終わればもうガイアに関わる事は無い…早く、早く…
だが、心配は…現実になってしまった。
俺の部屋に男が駆けこんできた….
かなり、その表情は焦っている。
「勇者様を…勇者様を止めて下さい!」
顔は真っ青になり体を震わせていた。
「「リヒト(君)」」
何かが起こっている。
二人はついて来ようとしたが…ガイアに会わせたく無い..
「二人は此処で待機しててくれ、俺がいってくる」
「「解かった(よ)」」
俺はこれでもかと急ぎガイアの宿へと走った…
受付が何か言っていたが無視してガイアの部屋に向った。
ドアに鍵が掛かっていた…間髪入れずに蹴破った。
そこで俺が見た者は…リリらしいものだった…
一瞬リリに見えなかった。
可笑しい…リリなのに片手が無い
可笑しい…リリなのに足も片方無い。
可愛らしい顔が…3倍位に腫れていて、顔が潰れて見えるし、髪も千切れている…
よく見ると白いものが沢山散らばっていた…なんだあれ…あれは歯だ。
「リヒト…この雌豚が酷いんだ…いきなり汚い」
「黙れ..」
「リヒト…」
今争ったら不味い..そうだ、リリ、リリだ。
俺はリリの方に近寄った..ああっリリ…死んでないよな…リリ
「…助けて…死にたくない…私、ガイアに…気持ち」
良かったまだ生きている。
「大丈夫、大丈夫だから…兄ちゃんが、兄ちゃんが絶対助けるから」
俺は、リリを右に担いで、反対側の手でリリの手と足を抱え込んだ。
「ガイア、話はあとで聞く」
「違う、俺は悪く」
殺したい感情を押さえて走り出した。
「後で聞くっていっただろう」
返事を聞かずに俺は走り去った。
◆◆◆
「リサッーリサっ助けてくれーーーーっリリをリリをーーっ」
驚いた顔でセシリアとリサが振り向いた。
リサの顔色が変わる…
「リヒト君、そこへ寝かせて…セシリアとリヒト君…直ぐにお湯とシーツを貰ってきてくれるかな」
「「解かった」」
幾らジョブのランクが落ちてもリサは元聖女だ治療のエキスパートだ。
教会以上の治療が絶対に出来る。
自分の流産すら簡単に治したリサ…それが今慌てている。
それがリリがどれだけ危ないのかを物語っている。
「リヒト君、セシリア…お湯とシーツを置いたら悪いけど出ていてくれる…今は治療に集中したい」
「「解かった」」
あのリサが焦った顔をしていた。
あんな顔をしたリサを見たことが無い…だが、今はやれることが無い。
「行こうか…セシリア」
「ああっ」
俺とセシリアは隣の部屋に移動した。
俺が放心状態で座り込んでいると、セシリアが話し掛けてきた。
「なぁ、リヒト、あのクズがやったんだな…何故あんな事をしたんだ」
「解らない、だが俺が部屋に飛び込んだ時にはもう、あの状態だった」
「そうか…それじゃ…私はガイアを斬る」
表情からは死んでも斬る…そういう悲壮感が沸き上がってきていた。
「無理だな…以前のセシリアなら兎も角、今のお前じゃ無理だ…今の状態じゃ4人掛かりでも敵わないだろうよ」
「だが、それでも…」
「相手は勇者なんだ…例え斬れても重罪…その後、国から教会から追われて殺されるだけだ」
「だったら…」
「今はそんな事より…リリが助かる事を祈ろう」
「そうだね」
二人して祈った…誰に…糞女神でない誰かに…
◆◆◆
どれ位時間がたったのか解らない。
ようやく隣のドアが開いた…
「ごめんなさい…ごめんなさい…今の私は聖女じゃないから…」
嘘だろう…リサが謝りながら泣いている。
それは…失敗を現す…リサが、リサが…救えなかった。
リリを救えなかった..
「ああっああああああぁぁぁぁぁぁーーっ」
「そんな、リリが死ぬなんて….」
「….死んではいないよ…」
死んでいない? そうか助かったのか良かった…良かった。
だが、それなら、なんでリサは泣いているんだ…
「生きているのか…ならなんで、リサお前は泣いているんだ」
「…見て」
俺とセシリアの手を弱々しくリサがひいた。
俺達の目の前には…シーツで巻かれたリリが居た。
「ごめんなさい…命は助かったわ、だけどね、今の私は聖女じゃないのよ…聖女だったらこんなのパーフェクトヒールで治せた…だけど今の私はそれが使え無いの…ごめんなさい」
「それって」
「それってどう言う事だ…」
「手足は引き千切られていたわ、綺麗に斬れていたら繋げられたけどハイヒールじゃ千切れた手足は繋げられないの、だから左手、右足はごめんなさい」
だからか、だから、そこに手足が置いたままになっているのか…
「それにね、顔の骨も砕けていたわ、これはどうにかした…だけど潰れた右目はどうしようも無いからくり抜いた…そして無くなった歯はもうどうすることも出来ないし、髪も頭皮事無くなったから治せない…一応は治したのよ…もう痛みも無いし死にはしない…命は大丈夫…だけど…」
「無くなった物は帰ってこない…そういう事か?」
「ごめんなさい…私が聖女でなくなったから…ううっうううっ」
「リリが何したって言うんだよチクショウ、なぁ私悔しいよ」
なんであんな奴が…勇者なんだよ…
「リサが悪いんじゃない…リサが居なかったらリリは死んでいた…ありがとう、リサ」
「そうだな、リサのお陰でリリは助かった…リサはよくやったよ」
俺はリリの右手を握りしめた…死なないでくれてありがとう。
今の俺にはそれしか言えない。
それでもリリを買う。
「リリ…」
「リヒト君」
「リヒト」
俺は黙ってリリの右手を握っていた。
リリは偶に手を強く握り返してくる。
「助けて」「ごめんなさい」をうわごとの様に繰り返している。
俺が馬鹿だった…あんな最低の男に大切なリリを預けてしまった、
チクショウッ…リリごめんよ。
見れば見るほど…酷いな。
顔は綺麗だが、右目が無くなっている。
前髪の一部が頭皮事はぎ取られている。
可愛らしかった八重歯が無い…恐らく歯はほぼ全部無いと思った方が良いんだよな。
左手と右足は関節から先は無いが、綺麗に止血は終わり、もともと無かったかの様に見える。
前世なら大手術をして、痛みが取れるまでに、どの位掛かるか解らない。
それが魔法だけで、此処まで治り、もう痛みも無いのだから、リサの凄さが解る。
だが…それでも、もうこれは、女性としての人生は半分終わってしまっただろう。
ガイア…あいつは勇者だ。
しかも、リリはおもちゃ、便器、雌豚扱いだが、散々使い倒した存在だろう。
抱かせて貰った女、抱いた女に良くこんな事が出来るものだ。
一体、リリが何をしたって言うんだ…もしリリが何かしたのだとしても、此処まで残酷な事をする必要は無いだろう。
「うん、お兄ちゃん…あっ…あっ…ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーー嫌ぁぁぁぁぁーーー」
起きたリリが自分の体を見た瞬間大声をあげた。
当たり前だ…それと同時にリサの様子も可笑しい。
「リリちゃん…ごめん、ごめん…ごめんなさい…ハァ…ハァ..私が、私が..わたしがぁぁぁぁぁぁっぁぁーーーっ」
リサは悪くない。
「セシ姉っリサを隣の部屋に連れて行って…早く、それとお願い」
「解った…こちらは任せておいて」
そう言うとセシリアはリサを抑えながら連れて行った。
俺は、暴れるリリを抱きしめていた…力が強い。
「いやぁぁぁぁ、助けて、許して…私は私は…あっぐああああっ、嫌ぁぁぁぁぁ私の手がーーーっ足が」
「うんぐうううん、ううっううう」
このままでは舌でも噛みそうだったから..キスをして舌を潜り込ませた。
あとは、このままリリが落ち着くまで待つしか無いだろう。
◆◆◆
どの位経ったか解らない。
自分の中では1日抱きしめていた気がする。
だが、外は暗いままだから…実際はそこまでの時間は経っていないのだろう。
「うんぐっううん、お兄ちゃん、ぷはっもう大丈夫だよ、うぐううん」
「そうか」
俺はキスを止めて、きつく抱きしめていた手を離した。
「お兄ちゃん、私こんなになっちゃった」
「そうだな…」
「こんなんじゃ、もう…お兄ちゃんは私の事嫌いになったよね…」
甘い言葉を返してあげるのは簡単だ。
だけど、そんな上辺だけの言葉を返すべきじゃない気がする。
「別に嫌いにならないよ…リリはリリだから」
「嘘、私、もう目が片方無いんだよ…それに手足も一本しかない…こんなんじゃ奴隷としても誰も買わないよ」
「うん、絶対に買わないな」
「そうじゃない…お兄ちゃんだって、そう」
「だが、俺なら買う」
「ただでさえ、雌豚、便器、そう言われた女だよ、ぼろ雑巾みたいに扱われていた女の残骸だよ…」
「だけど俺は買う、金貨1000枚(1億円)なら即金で、それ以上なら頑張ってお金を貯めて買う」
「嘘は言わなくて良いよ、こんな私じゃなくてきっともっと可愛い奴隷を買うよ…私、なんか買っても介護するために買うようなもんでしょう」
「そうだな…エルフの方が綺麗で抱き心地ならダークエルフの方が良いなきっと、あっ気品なら元貴族令嬢の方が上だ、リリなんてただの村娘だ」
「最低…やっぱりそうじゃない! もうお兄ちゃん、私捨てて良いよ…そして」
「それでも、俺はリリを買う、俺が買うのはエルフでもダークエルフでもなくリリだ」
「嘘ばっかり」
「正直に言うよ、俺はパーティを追放された時に奴隷商を見に行った…どの子も凄く綺麗でさぁ、外見だけなら三人より可愛い子が沢山いたよ」
「それで? 馬鹿にしているの?」
「それで、どの子を買おうか、考えたけど結局は買えなかったよ」
「なんでかな?」
「幼馴染や妹は売ってないからな…お漏らししたリリ、蜂に刺されて泣いているリリ、そんな思い出はエルフとは無い」
「わざとかっこ悪い話、しているのかな?」
「そうじゃないよ…だけど、沢山の思い出があるから、どんな美女にもときめかないし、三人の方が遥かに良い」
「そこは三人じゃなくリリが良いでしょう?」
「そう? リリが良い」
なんだかリリが笑ったような気がする。
「全くしょうがないな…お兄ちゃんは変態でシスコンなんだから…自分からリリが良いって言ったんだからね…解ったよ、お兄ちゃんの物になってあげるから、ちゃんと介護しなさいね」
「解った…それで落ち着いたらで良いから、何があったか教えてくれないか?」
暫く考えた後…
「お兄ちゃん、手を握ってくれる」
俺がリリの手を握るとリリはポツリポツリと話し始めた。
こんな可愛いリリが解らないなんて馬鹿だ。
◆◆◆リリ◆◆◆
「さてと、邪魔者は居なくなったし、久々に使ってやるぞ、雌豚ぁぁぁ」
「うん、ガイア…だけどリリは凄くSEXが上手くなったからね、ガイアも喜ぶと思うよ」
「所詮は雌豚の便器だけどな…まぁ今日で終わりだ、やれば良い」
「それじゃいくよ…」
大丈夫…これがあればきっとうまくいく。
私は、シャワーも浴びない状態でガイアの物を咥えた。
「うんぐっううんううん、どうほ…リリのふぇらひお…きもひいい」
「何だ、これ…気持ちいいいな、こんな下品な事が出来るなんて、本当の家畜みたいだ…これは彼奴に仕込まれたのか…凄くいいぞ」
「ほう?よろひょんでくえて、ふわっありあうとう..うんうんうぐううっ…りひがんばううよ、あむ、うんぐうううん」
「おい、お前、なんで俺の顔の方に尻を向けようとしてるんだ..」
「えう、ぷはっあむ、ガうあにもぺろぺろふぃてほひいな」
「そんな気持ち悪い事できるか、元の状態でしろ」
「ほう、わかうったあむあむ…あぅ..あっうんあっうんぐ、ごくっ」
「その変態なのなんだ…凄く気持ち良いな」
「えへっ凄いでしょう…まだ凄いのがあるんだよ、まだリリがしてあげる…ほらっあああっ」
「何だ自分から入れるのか…なんだ相変わらず…貧相な…」
「ちゅっ、あむううん」
「この野郎…今、何をしたふざけんな」
「きゃぁぁぁぁーー痛い、痛いよーーーっ髪の毛離してよーーーリリは」
「豚の癖に、お前の口は俺の物を含んだ便器…汚いだろうがーーーっ」
ミシッ…
「いやぁぁぁぁーーーっ髪の毛が、私の髪――っ、嘘、皮事っ痛いよーーー」
「痛いじゃねーんだよ…便器口でキスしやがって、普通の状態でも気持ち悪くてキスなんてしたことねーだろうが、穴のくせに、オラよ反省しろよ」
バキ、ガキっボコっミシッ…ガキっボタッボタっ
「嫌ぁいあやぁぁぁぁぁっーーあがががっ、うえっぷうげえええっ」
「お前のせいで、手が血で汚れたじゃねーか、汚んねーな…なに吐いているんだ…この野郎…ただでさえ汚ねーのに…ふざけんなよ…これ」
バキっ、ドカっドカッ…グシャっ
「目が目が痛うようーーっ、リリがえあうっふかった、わふかうったよーーー」
嘘..目が見えない…歯が歯が…
「お前は人間じゃねーんだよ、豚、便器なんだよ、便器が人間とキスするなよ…しかも人がようたした状態でよ…キモイだろうがーーーっ」
「おうふっやめて、おうふはゆうひてゆうひて…」
「ハァ~家畜の言葉は聞こえねーなブヒブヒ言われても解んねーよ」
「たふけて、リリがわういこでした..たふけて」
私はガイアに許して欲しくて助けてほしくて縋りつきました。
「お前、ふざけんなよこのゴミ女よ…何でゲロだらけの手で触って来る訳? こんな手要らねーよな」
「ないすゆの….嫌ぁぁぁぁぁぁーーーーいたうっーーーー わたふの手、わたふの手…ああああっ」
「あっゴメン、余りにムカついたから、戦闘モードになっちまった…雌豚とはいえ手を千切っちまった…ごめんかえすわ(笑)」
「あああっああああっ」
私の手…私の手…
ボタっ
拾わないと…
「あはははっ折角、手を返してあげたのに…何で落とすんだよ、ああっ豚だから掴めないのか?」
「ああったふけて、たふけてよーーーっいやうあぁぁぁl―――」
「あっ、お前、なに逃げているの?…まだちゃんと謝ってないだろうが」
「ごめんなふぁい、ごめんなふぁい….」
「謝りながら何逃げようとしているわけ…反省が足りねーな」
ぐぎゃっーーーっ。ぶちっっぶちぶちっっっーーー
「わたひのあひっ、わたひのあひっ」
「ごめ~んつい力いれたから千切れちゃった」
あああっ、なんでよ…なんで…こんな事までされないといけないの..
足が千切れた私はもう逃げる事ができなかった。
「…たふけて」
ドガッ、バキどがっ…
「何だ此奴動かなくなったな..芋虫みてーーっ」
「…」
「つまんねーなっ」
「そうだ、刺してみるか?」
「…」
「此奴、刺すとてが動くのか」
「…もう殺して..」
「なんだ、便器」
「もうころひてーーーころひてーーーっ」
「勇者様、何か、何かしているんですか」
「たぐけてーーーーったふけてーーっ」
「お前、この…あっ違う」
「たふけてーーーーーっころさえるーーーーーっ」
「此処をあけて下さい、勇者様」
◆◆◆
「こんな事があったの、お兄ちゃん」
なんで、こんな冷静なんだ…
「あの…リリ、なんでそんな普通に話せるんだ?もう大丈夫なのか?」
「そんな訳無いよ? だけどねお兄ちゃん、私はこれでも元賢者なの…だから並列思考が出来るのよ…簡単に言うと自分を第三者の様に別から見る事ができる…勇者パーティで、誰よりもクールに状況判断する。それが私の存在」
すげーな。流石は勇者パーティだ。
「過ごいな…」
「まぁね…だけど魅了…あれは駄目ね…あれに掛かると、もう何も出来なくなるのよ」
「そうなのか?」
「ええっ、どんどん馬鹿になっていくの…あれで人を手に入れても、余り意味が無いんじゃないかな?」
「そうか」
「うん、しかし、ガイアは糞だよね。折角フェラして気持ち良くしてあげたのに、キスしただけでこれなんだから」
まぁ、敢えて本当の事を言わないで良いだろう。
「それは愛がないからだな」
「愛? なにか適当な事言ってない?」
「ないよ…だって本当の事だから」
「愛が何か関係しているの」
「キツイ言い方だけど…ガイアは愛してないから、キレた、それだけだよ」
「よく解らない」
「ハァ~、勘違いしているみたいだから、説明するけど俺もセシリアもリサも変態じゃない」
「どう考えても変態だよね」
「あのさぁ、ああいう事は誰にでも出来る訳じゃない、好きな相手だからできるんだ、実際は臭いし汚いし、やりたいかと言えばやりたい訳じゃない、だけど、それをする事で相手が喜こんでくれるし、気持ち良くなってくれるからできるんだ…俺がそういう事出来相手は、三人しか居ない」
「あっ、それ解かるよ…魅了が解けたからかな、さっきガイアにした事がうげぇぇぇぇーーっなる位気持ち悪い…今までされていた事も全部気持ち悪いよ…だけどね…お兄ちゃんだと気持ち悪くない…ううん、それ所か今もしてあげたい」
「そう…」
そう言いながら、リリは右手で俺の物を手に取るとパクっと口をあけて俺の物を咥えこんだ。
「あ~むぬぐうんううううん、あむあ、どうおきもちおいい?」
「ああ気持ち良いよ…そうだ、俺も..」
俺は体をひねりながらリリの体の下に潜りこんだ。
所謂69といういう奴だ。
「どうだ、あぐっぺろぺろぷはっううん、どうだ…」
「ぷはっ、お兄ちゃん気持ちよいよぉぉぉぉぉぉーーーっ」
「そう…よかったな、ねうろっと」
「ああっあああーーーっズルいずるいよーーっあああーーーっ」
ぷしゅーーっチョロチョローーっ
「あむ、おにいしゃんずううい、あむうぐううんううっううん、あうん、ゴクリ、ごくっぷはっ、お兄ちゃん気持ち良かった?」
「ありがとうリリ」
俺はリリの頭を撫でた。
「どうしまして」
こんな可愛いリリが解らないなんてガイアは馬鹿だ。
◆◆◆
「とっと行かないと不味いぞ」
「リヒト君、書類つくって持っていかないくて良いの、此処に彼奴が来るかも…」
「そうだ、忘れていた…急がないと」
俺は慌てて誓約紙に3つの書類を作るとガイアの宿に向った。
ガイア(厄災)去る
急いで書類を作らないと…
武器と法具の所有権の放棄、移転の書類。
北の大地から北の土地には何があろうと来ない。
リリの治療に必要な薬品をガイアの名の元に手を入れてよい。
こんな物か。
◆◆◆
「おめーおせーぞ」
今は我慢だ、もう此奴と縁は切れる。
殺意を隠し笑顔で答える。
「リリが死に掛けていたんだぞ…時間が掛かるのは当たり前じゃ無いか?」
「お前…あんな雌豚未だに好きなの? あんなのただのゴミじゃん…お前ならもっとちゃんとした奴隷買えるだろう?」
「俺はお前みたいに家族に恵まれてないんだ…あれでも家族なんだ」
「お前馬鹿なの? 俺は勇者になったんだぞ…家族、あんな爺や婆…要らないよ、良かったらあれもくれてやろうか?(笑)」
あの二人はガイアには優しいけど…俺にはなんの縁も無い。
欲しがるわけ無いだろう…
だが…此奴をあんなに甘やかしていた…両親ですら要らない、そう言うのか…
「要らねーよ、赤の他人だもの」
「まぁそりゃそうか」
「それで、書類をしっかり作って来たぞ、誓約紙だから3枚つづりだ、1枚はしっかりギルドに保管されるから安心してくれ」
「そうか…なんで、3枚あるんだ」
「1枚は武器や法具の譲渡の書類、2枚目は北の大地から北にガイアが来ないという書類だ」
「それで3枚目はなんだ? 約束はそれだけだよな!」
「それは、リリの治療に必要な薬品を教会から貰える様にする書類だよ…悪い」
「ふんっ! あの薄汚くて下品な豚の書類…あれもう捨てた方が良いんじゃないか…チンコ咥えた口でキスする様な気持ち悪い奴だぞ…」
此奴は思い出とか何も感じないのか。
子供の頃、皆で遊んだ楽しい思い出とか結構あっただろうが。
「そんな事言うなよ…あれでも俺には大切な…(ごめん)性処理道具なんだから…勇者パーティから抜けると薬が無料で貰えないんだ…頼むよ、この通りだ」
「そうだな…」
土下座だな…リリの為なら土下座位簡単に出来る。
「うわははははっ、お前あの便器好きすぎで笑える…良いぜ、土下座までたかが雌豚便器の為にするのかよ…良いぜ、サインしてやる」
「ありがとう…恩に着るよ」
「まぁ、お前に恩に着られてもなぁ…だってもう二度と会わねーんだからな」
「そうだな…確かにもう会う事も無いな」
「これで、あの貧相な穴をぶら下げた、雌豚便器の疫病神ともお別れだせいせいするぜ」
「そうか」
「まぁ一応は謝っておくか、俺は器が大きいからな、雌豚便器壊して悪かったな…はははっそれじゃーな」
此奴、何時からこんなに可笑しくなったんだ。
少なくとも、元は勇者だったのに…もう俺には此奴が幼馴染には見えない…
此奴だって、幼馴染だった…なのに…もうどうでも良い…いいや死んで欲しいとさえ思っている。
まぁ良い、これでお別れだ。
「じゃぁなガイア…達者でな、それで何時たつんだ」
「ああっ、もう出ていくさぁ、待たせている奴がいるからな」
「そうか、それじゃ書類は?」
「メンドクサイからお前が出しておいてくれ」
「解かった出しておく」
此奴…本当に馬鹿だな。
最大の厄災が去っていってくれるんだ…取り敢えずはこれで安心だ。
徴収
これで、全て終わった…
今、ガイアが酷い状況である事は知っている。
彼奴が…少しでも詫びるつもりがあるのなら…他の手を考えたかも知れない。
いや、その前にリリに暴力を振るわなければ…こんな事する必要は無かった。
一旦、部屋に戻り…ガイアと別れた事を伝えた。
そして…
「ちょっと出てくる」
「こんな時間から何処に行くんだ」
「リヒト君…まさか夜遊びに!」
「お兄ちゃん…こんな時間に出掛けるの?」
「直ぐに帰ってくるよ…ほらガイアから貰った書類、さっさと出して来た方が良いだろう?」
「あははっそうだね」
「確かにそうだよね…」
「お兄ちゃん行ってらっしゃい」
三人に見送られ、俺は外に出た。
さてと、此処から俺もクズになる。
本来は許される事ではない…そんなのこじつけだ。
誰もがそう言うだろう。
それで結構…あの馬鹿を勇者に選んだのは、女神イシュタスだ。
だから、そのつけをイシュタスに払って貰う。
俺は誓約書を冒険者ギルドに提出するとその足で教会に向った。
「これは、リヒト殿、こんな遅くにどうかされたのですか?」
「ええっ、リリが怪我しまして薬を貰いにきたんです」
「教皇さまより、話しは聞いています。薬や治療は無料で行えます、ご安心下さい、それでどんなお薬が必要ですか?」
「エリクサール」
「いま、何とおっしゃいました?」
「エリクサーを2本、寄こせって言っているんだよ!」
司祭が驚いている。
それも解かる、此の世界に8本しか存在エリクサール。
女神に愛されながら、自己を研鑽し続けた四代前の聖女オカリーナが15本だけ作れた、奇跡の薬…その効能は…死んでいなければどんな病、重傷も一瞬で治す。
その貴重性から、教会が管理して、例え王であっても簡単には使用はできない。
事実、王女が死に掛けて教皇に懇願した王が居たが…その時は許可が出なかった。
教皇、五大司教、三国の王…そのうち半数以上の許可が出て初めて使える秘薬。
それがエリクサール、それを2本も寄こせというのだ当たり前だ。
「何をおっしゃっているのです、その薬だけは渡せません…世界に」
俺は懐から誓約紙を出した。
「これは勇者ガイアの命令、徴収である、此処にはリリの治療に必要な薬を貰えるように書かれている」
1人だけ、それを無視して分捕れる可能性の存在がいる。
それが勇者だ。
「馬鹿な、例え勇者であっても、エリクサールだけは別です…お出しできません。例え教皇様が直接来ても渡せない…そういう物なのです」
これも想定済み。
多分、他の法律との関係を見ないで作ったんだなと思われる、馬鹿な法律がある。
「勇者支援法、第18条、勇者は誰の許可なくして自由に物品を徴収できる。 また、徴収を受けた者は速やかにその物品を差し出さなくてはならない。 勇者保護法 第6条 徴収の際に抵抗した者の生死を問わない…」
昔、聖剣や貴重な法具を手放さなかった人間や高値で売りつけようとした存在が居た。
実際に、黒竜王と勇者が戦う時に、ドラゴンキラーという武器を貴族が手放さなかった事件があった。その為、勇者が敗走して街が滅びる事態となった。
そこからこの理不尽な法律が出来た。
制限位はつけろ…と言いたいが法律は法律…利用させて貰う。
「待って下さい…教皇様に連絡をします…だから確認を」
「そうですか? じゃあ、貴方を斬って、次の責任者と交渉します….ああっ面倒くさいから皆殺しにして宝物庫から持っていくか?」
教皇に聞いたら駄目だって言われる。
可哀想だが…書類は本物だ。
腕位は斬り落として….決着つけるか。
「そんな…無法な事を」
「無法…許されるんだよね…勇者はさぁ…俺がどんな生活しているか解ってるだろう…なぁ此処までなってやっとだよ…教会が少しは動いてくれたのは…俺さぁ…腸が煮えくりかえっているんだ…勇者がやればどんな理不尽もお構いなしなんだろう? お前達は勇者の犬なんだから、さっさと寄こせ」
不味いなシスターに聖騎士迄もがき始めた。
「貴様ぁぁぁぁ我々を愚弄するのか? お前がどんな目にあったか知らんが…えっ…うがぁぁぁぁぁーーーっ」
ごめんな…
「勇者保護法 第6条違反…俺は優しいから命はとらない…これがガイアだったら殺していたよ…腕ですんで良かったな 聖騎士」
「貴様…殺してやる…」
「いいぜ~殺せよ! 俺は剣士だから、殺せるかもね…だけど、それをやったらさぁ、お前は罪人だよ…妻とか娘が居たら…生涯性処理奴隷、気に入らなかく成ったらポイ…うちの狂犬勇者ならやるよ..さぁ斬ればよい..ほら…そうだ、お前切腹しろ…そうしたら家族は助けてやる」
「解かった…約束は守れよ」
周りのシスターや衛兵がざわついている。
可哀想だが、此奴が死ねば…もう逆らわないだろう。
聖騎士でも逆らえない…そう解れば…な。
「待って下さい…エリクサール2本、お渡しします…だから、だからお怒りをお納めください」
「最初から寄こせば良いんだ!」
俺は司祭が持っているエリクサールの瓶を引っ手繰ると収納袋に詰めた。
「こんな事してタダで済むと思っているのですか?」
「さぁ…だけどすませてくれないと、俺や幼馴染が可哀想だと思わない? 俺に置き換えて考えろ…俺は何も奪っちゃいない…ただ被害にあった者を弁償させただけだ…もし教皇様が文句を言うなら、そう言っておけ」
「そのまま伝えます…私だって息子と娘がいる…充分気持ちは解かる…ですが」
「黙れ、あんたには解らねーよ…幸せそうなあんたにはな」
「すみません」
所詮は偽善者だろうが…
俺はこっちを見ている奴らを睨み返すと、そのまま教会を後にした。
ずらかろう
宿屋に帰ってきた。
「「「ただいま…お帰りなさい」」」
最高の笑顔で迎えてくれる。
これが俺が欲しかった物だ。
「そうだ、お土産があるよ…ほらリリ…」
「お兄ちゃん、これ何?」
リサだけが驚いた顔をしている。
「嘘…それはエリクサールじゃない…」
「ああっ、そうだよ」
「「秘薬」」
「うんちょっと教会に行って貰って来た」
「「「…どう言う事」」」
俺は経緯について教えた。
「あはははっ凄いなそれ…流石のガイアも詰むんじゃないか?」
「あれはゴミだから良いのよ…凄い事するね、リヒト君」
「あのさぁ..凄いけど、お兄ちゃんって私達が絡むと馬鹿になるよね? リサお姉ちゃんの時もそうだけど…はいリサお姉ちゃん」
そう言ってリリはリサにエリクサールを渡した。
「リリ?」
「本当にお兄ちゃんは私達、好き過ぎだよね? 冷静沈着で、貴公子なんて呼ばれているくせに…頭が回らなくなるんだから…まぁ…そこが可愛いというか嬉しいんだけど…リサお姉ちゃんが完璧に治れば『聖女』…そうしたら究極の回復魔法 パーフェクトヒールが使えるでしょう…ね、リサお姉ちゃん」
「リリちゃん、それは無理だよ…体は幾ら回復しても、ジョブまでは戻らないよ」
「「リリ」」
「あっゴメン、お兄ちゃん」
「良いよ、そういう馬鹿な面は俺達にしか見せないから…逆に嬉しいよ、リリ」
「うーっ、怒っていいのか、喜んでいいのか解らない」
「良いから飲んでくれ…あと二人も…はい」
「リヒト君、私も飲むの?」
「私もか?」
「ああっ、ジョブを失う程の事をされたんだ、一応は飲んだ方が良いだろう」
「そうかな…それじゃリヒト君も飲もうよ」
「そうだな、体に異常はないから、1/3でも充分だ」
話し合いの結果、リリが1本丸々飲んで俺たちは1/3ずつ飲む事にした。
リリが飲むのを三人して見ていたら凄いな…リリの毛根事、髪が再生されていった。
どんな理屈か解らないが、歯迄口から生える様に生えていき、無くなった目や手足も木々が育つように綺麗に生えてきた。
髪の毛が腰まで長くなった以外は完璧に元のリリだった。
「凄い…こんな薬、私じゃ作れない…流石、歴代最高の聖女…すごい」
「本当の奇跡だな…」
「どうかな? お兄ちゃん…目や手足が無いリリでも大好きなら、このパーフェクトリリちゃんは凄く好きでしょう」
「ああっそうだな」
「反応薄っ…」
「まぁ、まぁ、それじゃこっちも飲もう…」
あらかじめグラスにあけていたエリクサールを三人して飲んだ。
体が熱い…なんだかすごい力が漲ってくる…なんて事は無かったが。
「凄いわ、こんな古傷迄治るんだ」
「凄いな、体の傷が全部無くなっている」
良く考えれば二人も沢山傷があったもんな。
討伐や狩…あるいはガイアによってした小さな怪我があった。
ただ、傷は全部跡形も無く、無くなっていた。
「それじゃ、遅いけど行こうか?」
「行こうかって何処に?」
「結構遅いけど、何処に行くの?」
「お兄ちゃん?」
「折角貰ったんだから…北の大地にある貰った村に行かない? 一応領地だし」
「そうね、私はリヒト君がいればそれで良いし…元から結婚したら村で暮らそうと思っていたからそれで良いよ」
「そうだな、剣より鍬の方が私は似合うかもな、賛成」
「リリはお兄ちゃんさえいればそれで良いかな」
「それじゃ行こうか? この街の教会に酷い事したし…色々バレてガイアが来る前に…
「「「「ずらかろう」」」」
こうして彼等は…失った物を取り戻し…旅立っていった。
※ ここで終わっても良いのですが、ガイアのその後もあるので本編とサイドストーリーで少しだけ話は続きます。
閑話:教皇の死
緊急連絡が入った。
通信水晶を使った物だ…
「こんな遅くにどう言う事ですか?」
「教皇様…それがエリクサールを2本持っていかれてしまいました」
秘薬、エルクサール…ただ事じゃない。
人類の秘宝…その一瓶の価値は王城にも匹敵する。
それを2瓶だと…
「それを誰がやったと言うのだ」
「それが、リヒト殿です」
リヒト殿だと…ガイアでは無いのか。
「ガイアでは無いのか…」
「ガイア様が書いたという徴収の書類は持っていて、渡された書類を見た所、サインは間違いなくガイア様の物です」
「そうか、暫くしたら此方から折り返す」
◆◆◆
私は、ガイアを見張らせていた者から、詳しい状況を聞いた…
彼奴は本当に勇者なのか?
まさか元賢者のリリ殿にそんな事を…手足や目が無くなる様な状態なら…それしか助ける方法はないだろう。
あの腐ったガイアの事だ、そんな残酷な性格の奴が人助けの為にエリクサールを渡す書類を作るとは思えぬ。
サインが本物なら…事実を調べる必要は無い。
元はと言えばガイアの凶行が原因なんだからな…
もし、ガイアじゃ無くリヒト殿が勝手にしたとしても…事情から考えて悪いのは勇者ガイアであり…勇者を野放しにしている我らだ。
そのままガイアのせいにすれば良い…
だが、一つの疑問は、只の剣士のリヒト殿が何故、聖騎士の腕を斬る事が出来たのだ。
よくよく考えれば…何故勇者パーティについていけたのだ。
ジョブの差を覆せる何かがあるのか…それだけが気になる。
まぁ良い…どうせ、これ以上落ちない位までに落ちた勇者だ。
全部、彼奴のせいでそれで良い。
どんな事情でも、サインは本物なのだから…
結局、エリクサールの話をした所…全員一致で、普段から信頼が無かったせいか…全てガイアのせいになった。
「エリクサールの強奪を命じたのはガイア…それで良い、リヒト殿は命じられただけで罪は無し、腕を斬られた聖騎士には手厚い保証を…」
◆◆◆
それから暫くして、またガイアの話が私の元に上がってきた。
「冒険者ギルドへ娼婦との婚姻届けが出されたですって」
「はい」
勇者が娼婦と結婚…
女神イシュタス様は処女神。
それ故に『愛のないSEX』を嫌います。
必要悪なので咎めませんが…教義的には悪なのです。
勇者が尊いのは『女神の代行者』という側面があるからです。
あのガイアという言う存在は、本当に勇者なのでしょうか…
私は教皇なのです。
勇者様のジョブが宿った青年が現れた時には孫が生まれた時以上に感動しました。
女神の使いに会うのをどれ程楽しみにしていたのか…
だからこそ、かなりの悪行も許したし…
いつかは立ち直る…そう思っていたのです…
王族との婚約に将来は侯爵以上の爵位…豊かな領地…それらが手に入る様に裏でどれだけ動いたか…
それなのに…あの勇者は、魅了を使い…私が同じ様に愛する、三職を壊しました。
女神の代行者が…愛を壊し、無理やり手に入れ…好きなら愛しているなら兎も角、拷問に近い事をして愛すでもなくただ壊した。
過去に魅了を使った勇者の多くは、好きな者を手に入れる為にのみ使ったのです。
それですら、許される行為ではない…それなのに此奴は…欲望の為使った。
だが、それすらも…『犯罪勇者』で止めて、勇者討伐後の報奨金は保証した…
なのに…あいつはなんなんだ….
再び…リリ殿を傷つけ…エリクサールが絡む事件の元凶になり…
とうとう、娼婦と結婚ですか…
しかも勇者が教会でなくギルド婚…教会を舐めているのでしょうか?
しかも、母子程の年齢の差がある娼婦で、婚約者がいる相手にまたもや魅了迄使って手に入れた。
ここ迄、教会を蔑ろにした勇者等いません。
『もう良いでしょう』
「ガイアは破門…『廃棄勇者』とします。これを教皇権限で伝えて下さい」
「あの…五大司教に聞かなくても宜しいのでしょうか?」
「五大司教ならとうに見放しています…今迄私が庇っていたのです…ですがもう、甘い顔もできません…討伐を命じないのが最後の情けです」
「わ…解りました」
今迄、廃棄勇者になんてなった人物は1人しか居ません。
勇者を待ち望んだ私に…なんでこんな試練が来るのでしょう。
破門はそれを命令した教皇以外に解く事は出来ない。
だが、教皇ロマーニは、この数日後…自ら命を絶った…私財の殆どは教会に、そして一部のお金はリヒト達にという遺言を残して…
これが決して破門を解かないという意志かどうかは誰にも解らない。
昔に戻って
「それは…本当なのか?」
「本当なの? リサお姉ちゃん!」
「ええっ、流石はエリクサールって所ですね」
エリクサールを飲んだ後、皆の体を調べていた。
私は元聖女、こういう事は一応はプロだからね。
本当にあの薬は凄いなぁ~…傷が全部無いんだもん。
子供の頃に切った指の傷まで治っていた…そんな傷まで治るんだから…
そして問題なのは…そうなのよ。
膜まで再生されていたのよ。
「それじゃちょっと行ってくるね」
「リリ、何処に行こうとしているのかな?」
「だって折角処女になっているんだよ? お兄ちゃんに捧げに行くに決まっているじゃない!」
「リリ、ちょっとこっちに戻ろうか?」
「セシリアお姉ちゃんだってよく見たら枕もっているじゃない!」
「はっ、これはだな、あははははっただ抱えていただけだ」
「嘘ばっかり…それでリサお姉ちゃんはなんでドアの方に向おうとしているのかな?」
「私は2人が抜け駆けしない様にドアを押さえようとしただけよ? それに二人とも馬鹿なの? 先にたどり着いても、邪魔されるだけよ? この中にドア1枚壊せない存在は居ないわよ」
「「そうだね」」
「問題はどうするのかよ? 三人一度にしちゃうのか? それぞれが1日ずつリヒト君を借りきって楽しむのか? そこから考えないと」
「そうだな、私はやっぱり貸し切りが良いな…もう怨んじゃ無いけどさぁ、私のリヒトとの初めては悲惨だからな…」
「そうね、少しは同情するけど…それを言うなら私だって…そのかなりリヒトの心を傷つけていたと思うの、私も同じね1人が良いよ」
「私なんて最悪だよ、ガイアの為に抱かれている様な事を言っていたんだからさぁ、やっぱり私も貸し切りが良いな」
「だったら、順番どうする? まぁ気持ちの問題だけどさぁ…私達の体が処女って事はリヒトも知識は兎も角、童貞みたいな物でしょう? 私1番が良いわ」
「リサお姉ちゃん、私だって1番が良いよ」
「ああっ1度目のリヒトの初めては私だったけど、最低だったから…今度はラブラブしたい…私だって譲れない」
「セシリアお姉ちゃんはもう経験済みなら、ここは妹みたいな私に譲ってくれないかな?」
「あらららっ…妹ならここはお姉ちゃんに譲るべきだよ? 私は元からリヒト君の婚約者だったんだからね、義妹のリリちゃーーん」
「それなら、2人の姉貴分の私に譲るべきだよね? リサにリリは」
◆◆◆
「冷静になったら此処じゃ無理だよ」
ここは小さな村の宿屋。
薄壁の向こうには他のお客さんもいるし、下の階には宿屋の夫婦も住んでいる。
「そうだな.流石に此処じゃ難しいな」
「リリは気にしないから…それなら行ってくるね」
「「待て(ちなさい)」」
◆◆◆
「どうしたの? 三人とも目に隈作って」
「いや、色々あって眠れなかぁつたんだ」
「リヒト君、おはよう~」
「お兄ちゃん、むにゃむにゃおはよう~」
何だか三人とも眠れていないような気がする。
そういえば、ここ暫くは何時も一緒に寝ていたからな。
俺も少し寂しかった。
「次の泊る場所は街だから…少し豪華な宿屋に泊って4人一緒の部屋で寝ようか?」
「リヒト…大胆」
「リヒト君のエッチ」
「お兄ちゃん、三人一緒だなんて変態」
え~と、あそこ迄しているのに…なんで、今更。
でも、今日の三人、なんだかモジモジして凄く可愛いな。
「ああっ、俺は三人限定なら、確かにエッチだな」
「「「まったくもう」」」
何が何だか解らないけど…嬉しそうだから…良いや。
勇者SIDE 廃棄勇者
「ガイア、済まないが教会迄来てくれないか?」
いきなり、ロザリーの所に帰る途中、教会の人間に捕まった。
だが…可笑しい。
何時もなら、勇者様かガイア様と呼ぶのに今日に限って、呼びつけだ。
「おい、言葉に気をつけろ」
「はっ、すみませんガイア様」
此奴は田舎者なのか?
勇者を呼びつけるなんて…普通はしないぞ。
犯罪勇者だから馬鹿にしているのか?
今は揉めても仕方が無い。
まぁ、今は立場上強く出られない…これ以上は言わねーけどな。
「解かれば良い…次からは気をつけろ」
「はい、次からは気をつけます」
多分、犯罪勇者の件だろう…
俺の聞いた話では…殆どそこ迄落とされた者はいない…
多分、あれは脅しだ。
恐らくは…もう少し上の条件…もしくは解除条件のすり合わせでは無いだろうか。
教会に行くと、相も変らず通信水晶が待っていた。
使い捨ての高級な法具を良く使うな。
まぁ、俺が勇者だからか…
水晶が光り輝き…今日は教皇でなく五大司祭のジンムか。
「ジンム様」
「挨拶は良い…今日は決定のみを伝える」
これ以上落ちる事は無い。
恐らくはなんだかの譲歩案だ…
「ガイアお前は破門、そして勇者の地位は剥奪、これにてお前は『廃棄勇者』となる…以上だ」
破門だと…教会から見た俺はスラムの住人以下…炊き出しすら貰えぬ存在。
そして勇者の地位を剥奪…それこそあり得ない。
勇者のジョブをくれたのは教会じゃない…女神イシュタスがくれたギフト…そう言われている。
教会にも剥奪する権利はない筈だ。
「勇者のジョブは女神イシュタス様のギフトだ、何人とも奪う権利はないし出来ない筈だ」
「ジョブは奪えんよ…ただ『勇者』としてのい待遇は今後一切ない…それだけだ、何も優遇はしないし…万が一魔王を倒しても…誰も称えはしない、それが『廃棄勇者』だ」
「そんな話は聞いた事が無い」
「長い歴史の中で1人しか居ない…お前はそこ迄の事をしたんだ」
心当たりがない…本当に無い。
確かに、三職の雌豚を壊した。
だが、それ以降は…身に覚えがない…ロザリーの件なら、言っちゃなんだが娼婦だ。
俺が何かしたって罰されるわけが無い。
「身に覚えがないな」
「ハァ~仕方ない、教えてやる…エリクサール2本の強奪指示…母と子程の歳の離れた娼婦との結婚…これ程の事をしておきながら覚えが無いと?」
エリクサール? 結婚? 解らない。
「本当に身に覚えがない」
「そうか…そこ迄しらばっくれるのか? もう良い、自分の胸に手を当ててよく考えるんだな…これでお前との関係は終わりだ…」
「待ってくれ、本当に訳が解らない…教皇、ロマーニ教皇に」
「ロマーニ教皇なら、お前のせいで自害なさったよ…責任は全て自分にある…そう言ってな…兎も角、お前はもう勇者でもないし、信者でもない。 もう教会はお前が怪我しても治療も薬も渡さない…とっとと出て行け」
◆◆◆
「飯を頼む」
「すまないね…あんた破門されたんだろう? 悪いがスラムの方に行ってくれ」
「金ならある」
「悪いが、それでも付き合えない…貴方は破門されたんだからな…」
この辺りにはもう、俺の噂が広まっているのか…
仕方ない…ロザリーの待って居る宿まで、まずは急いで帰ろう。
そして…俺に何が起きたのか…知る必要もあるな。
貰った村は…
「あの…リヒト君..わたし..もう」
「最近、体がムズムズするんだ…なぁ」
「お兄ちゃん…お願い..」
エリクサールで…彼女達が処女に戻ったと言って突入してきた。
話しを聞いた俺は、元に戻るチャンスかも知れない。
そう思い、断SEXを少しだけする事にした。
今現在、四人で1日16時間以上SEXをしている。
好きな相手にするそれは最高で、凄く良いのだが将来が心配だ。
◆◆◆
「暫くSEXをするのを止めない?」
三人とも死んだような目をしていた。
確かに今の三人も嫌いじゃない。
だけど、こうなる前の幼馴染も俺は隙なんだ…
「あの…リヒト、まさか私に飽きたの…」
「リヒト君…私が嫌いになっちゃったの…そんな…そんな」
「お兄ちゃんが何を言っているのか解らない」
「いや、違うよ…この際だから、ちゃんと結婚しない?」
本来なら、プロポーズして婚約して…式を挙げて…そして初夜が正しい。
実際にリサと婚約期間中の俺はキス以上の事を当時はしていなかった。
「そうか、リヒト君、あの日のやり直しがしたいんだね」
「結婚かぁ~あの時は私は言い聞かせて諦めたんだ」
「お兄ちゃんと結婚、やったーっ」
と喜んでくれた。
「そう言う訳で、結婚初夜まで、SEXは無しで…」
「「「解かった(わ)(よ)」」」
と喜んでくれたんだけど….
◆◆◆
意味は無かった。
「あの..リヒト…最後の一線を越えなければ、良いと思う、あむうんぐううんうん、ぷはぁ、切ないからリヒトもねうんぐ…うんうん」
宿で寝ているといきなりセシリアに69をに持ち込まれていた。
「あ~っ、ズルいセシリア…そおういう事は結婚が終わる迄しないって…」
「私は最後の一線を越える気はないから、安心して」
「ああっ、そういう事ね…それなら…ハァハァペロレロレロ」
ネグリジェの様な寝間着をストンと落とすと、俺の肛門を舐め始めた。
「う~ん、煩いな…何をして…あっズルい…リリも、して…」
結局、『SEXはしない』そう約束をした筈だが…
「お兄ちゃん、お尻でするのはSEXじゃないよね?」
そう言いながら、リリはお尻の穴を自分で開き、俺にのしかかってきた。
「痛いっいた、いたあぁぁぁぁぁ痛い…すんすん…痛いっ」
そう言いながらも止める気配はない。
「リリ、それ止めたほうが、痛いだろう」
「ううん、痛っ…ほら根本まで入ったよ…ねぇこれでお尻の処女はお兄ちゃんのだね…うんああつ、痛い、あっあああっ」
此の世界でアナルSEXなんてしている、人間はいない…
ある意味普通のSEXをしているより凄い。
「大丈夫か?」
肛門の淵から血が出ていて凄く痛々しい。
「うん、もう大丈夫…お兄ちゃんも動いて..ハァハァ、ううん、痛いけど、熱くて気持ちもいいから」
「ああっ、リリちゃんズルい…リヒト君、次は私も~」
「私も…」
結局、最後の一線だけは越えなかったが…余り意味が無かった。
◆◆◆
「此処が貰った村か…景色も良いし、思ったより良い所だな」
「うん、凄いなこれ、のどかだし空気が美味しい」
「リヒト君、凄いね」
「お兄ちゃん…思ったよりお店もあるよ」
見た感じは観光地みたいな感じだ。
田舎でありながら生活もしやすそうだ。
村を見回していると…二人の男性と目が合った。
「貴方が、新しい領主のリヒト様ですか?」
「はい、そうですが…貴方は」
「私は村長のジャン、此方は司祭のアームです」
村長がいて…司祭も居るのか…
「出迎えてくれたのですか? 有難うございます」
二人に連れられながら、屋敷に向った。
「へぇ~凄く良い屋敷だなぁ」
「本当に凄いなぁ~」
「リヒト君、凄く豪華だよ
「本当にこんな大きなところに住めるんだお兄ちゃん」
どう見ても貴族が住むお屋敷にしか見えない。
「ははははっ、凄いでしょう? ここは元は貴族様のお屋敷を、教皇様が貰い受け直した物です…中も凄いですよ」
「「「「初めましてご主人様」」」」
凄いな、メイドまでいる…全部で5人。
「この使用人は」
「はい、この屋敷の使用人です….身の回りのお世話担当です」
「凄いな…リヒト」
「リヒト君、凄いね」
「お兄ちゃん良かったね」
使用人が全員、初老というか年寄り気味なのが良い。
全員が女性なのは俺に気を使ったからかも知れない。
「ああっ、本当に凄いな…」
「それで、お疲れの所申し訳無いのですが…少しだけお話をさせて下さい」
「解りました」
◆◆◆
「それでお話しと言うのは今後の事なのですが…」
今現在は、村長を中心に村が纏まっており、実質、村長とジャン、司祭のアームがこの村を回している。
勿論、それなりに報酬は貰っているらしいが、かなりの黒字らしい。
「そうなのですか? 詳しい金額はどんな感じなのでしょうか?」
今現在のままだと、年間 村長が金貨20枚、司祭が金貨30枚(200万と300万)を報酬としてとって、回しているそうだ。
それで教皇様に年間金貨4000枚(4億円)を納めていたそうだ。
「凄い金額ですね」
村としては凄いんじゃないかな?
「此処は教会管理だから、税金を納めなくても良く、利益は全て領主様の物です。また良いブドウが採れるので、良質のワインが作れます…この納税の義務が無い事はリヒト様にも引き継がれます」
まさか…何もしないで年間金貨4000枚が手に入ると言う事か?
「聞き間違いで無ければ、年間俺が金貨4000枚手にする…そういう事ですか」
「はい、勿論、多少の誤差はありますが…概ね、そんな感じです…それで現状で良いのか、それとも、領主様が..」
「いや、現状で良い、というか、悪いから二人の収入を年間金貨50枚にして多少は村人にも還元してそうだな…俺への支払いは年金貨3000枚で良い」
「あの…本当に宜しいんですか?」
「そんな事言われる領主様は普通は居ません」
いや、悪すぎるだろう。
ほぼ何もしないで年間3億円…しかも無税なんて…
「それで良い、だが…少し、俺の方は問題があってな…」
「どの様な問題ですかな?」
「恥を忍んで言うが…俺やその仲間は、かなり、その…」
今迄は街で暮らしていたから良いが…俺たちはかなりこの世界では変態だ。
『変態領主』とか後で言われても困るから、先に話すべきだろう。
「ちゃんと聞いておりますよ『魅了』を打ち破る手段として、かなり激しい性の営みをしているとか、誰にでも手を出すのなら困りますが、愛する者同士、問題はありません。幸い、皆様は勇者パーティなのです…複数婚が認められています…いずれはご結婚するのでしょう」
そうだ…結婚。
「勿論そうだ、実は結婚式もお願いしようと思っていたんだ」
「それはめでたい、出来るだけ早目に式の手配をしましょう」
「有難うございます」
「村民も領主様の事情は聴いておりますし、幸いこの村には妻帯者ばかりですので問題はありません」
話しを聞くと、この村はやや高齢者ばかりの村らしい。
なら問題はないな。
しかし…もっと貧乏な村で畑仕事でもしながら、生涯を終える筈だったのに…
思った以上に…裕福で驚いてばかりだ。
永遠に続く楽しい日々 【本編終了】
屋敷は思った以上に大きくて豪華だった。
メイドさん達の部屋は離れにある。
朝はゆっくりにして貰って、夜は早く帰って貰っている。
時間が短くなったので大変喜ばれた。
「あん、あんああああっーー、リヒト…気持ち良いよ~」
「リヒト君…今度は私だよ、むぐうううん、ぷはっ、ねぇ」
「え~お兄ちゃん、リリも~」
大きなベッドに大きなお風呂…壁が厚いから誰も気にしなくて良い生活。
結局、三人は我慢できずに、此処に来た夜には俺を押し倒してきた。
まぁ…待てなかったわけだ。
働かなくても収入がある…この環境なら…この爛れた関係でも問題はない。
俺は三人を好きだし…幾らやってもやり飽きない。
子供についてはこの先…作らない事に決めた。
真剣に話し合ったんだが…
「私はリヒトを好きになり過ぎて、子供が生まれてもリヒト以上に愛せる自信がない」
「私も同じ、リヒト君の為なら子供すら犠牲にしそう」
「妊娠して体が崩れてお兄ちゃんに嫌われるそうだから…リリも要らない」
通常レベル10を超える『好き』という思いは『俺だけを愛する』そういう状態の様だ。
最早子供すら、おれと同列には成らない。
「まぁな…俺も三人と同じようには子供は愛せないから、それでよいか」
俺は子供が欲しかった。
多分、欲しいと言えば作ってくれる…だがそれは子供が欲しいのではなく『俺が喜ぶから』に過ぎない。
作らない方が良いだろう。
◆◆◆
「領主様、そろそろ支度をしないと」
「奥様方も、そろそろお風呂にはいって準備して下さい。」
「「「「あっゴメン」」」」
今日は待ちに待った結婚式、そんな日にも構わず…今の今迄求めあっていた。
何時も栗の花の臭いのする部屋の始末をするメイドさんに申し訳ないから給料をあげてあげた。
そのせいか嫌な顔しないで、掃除をしてくれる。
三人で慌ててお風呂に入り着替えた。
花嫁姿の三人は…凄く綺麗だったが…
「どうしたんだリヒト」
「リヒト君」
「お兄ちゃん」
「いや、今が最高に嬉しいけど…式の後の感動する様な事は、もうやり尽くしてしまった気がする…」
「そうだな、まぁ、折角だから部屋に籠って1週間位…やろうか?」
「湖のほとりにある山小屋で湖を眺めながらとかも良いんじゃないリヒト君」
「いっそう、お外でしないお兄ちゃん」
俺が欲しかった者はこの三人以外無い。
何処までもエロくて楽しい三人の人生は…何処までも続く。
幼馴染と過ごした楽しい日々…それにはエルフも貴族令嬢も叶わない。
勇者…魔王…俺達には関係ない…
ただ楽しく4人で暮らせればそれで良い…
それだけで幸せなのだから…..
『幼馴染は最高だろう』誰か知らない声が聞こえた気がするが誰か解らない。
【FIN】
※本編は此処で終了します。
ここからは勇者を含むSIDEストーリやおまけ劇場が数話続きます。
【ただの妄想話:ただの遊びです】 勇者リヒト
まさかこんな事になるとは…
勇者ガイアが失踪して….すぐに魔王軍が行動を起こすとは…
「最早この国は終わりだ」
「だが、何処に逃げると言うのです…国全てが魔王軍に囲まれています」
「空は空の女王ハーバルの軍団が…」
「地上は剛腕のルーバルと死の王ハーデラが束ねる軍団が埋め尽くしています」
どう見ても数万単位の魔王軍に囲まれている。
人の世界の終わりがきた。
頼りの騎士団はもう全滅だ…
遠見の鏡を見ながら、我々は絶望を感じていた…
『終わりだ』
「待って下さい…魔王軍の後ろから凄い勢いで走って来る者が居ます」
「誰だ…まさかガイアか…だがあれは」
「違います、リヒト殿…リヒト殿です」
「確かに凄腕の剣士と聞く…だが、それでも剣士だ」
◆◆◆
俺には日本で売り専ホストをしていた記憶の他にもう一つの記憶がある。
それは『勇者リヒト』としての記憶だ。
いや、これは記憶でもない、ただの夢物語なのかも知れない。
そこでの俺はガイア程じゃないがクズだった。
だが、そんな俺がクズに落ち切らない様に…俺を救ってくれた男がいた。
そんな、夢をよく見る…顔も思い出せない親友は…そいつに酷い事したにも関わらず。
俺を救い…そして魔王なんて比べ物にならない敵にも挑んだ。
多分、これは記憶でもないのかもしれない。
ただの夢なのかも知れない。
だって、自分が死んだ場面を何回も見た。
死んだら終わりの人生の筈なのに蘇って…あり得ない。
だから、あれは記憶でもない…ただの夢。
だが、俺は顔も解らない…謎の男に憧れた。
ただの夢…だが『いつかあの夢の男の様になりたい』そう思って生きてきた。
幼馴染には嘘をついて出てきた。
一緒に死んでくれ…そういう戦いに連れてなどいけない。
『いつかみたあの男は何時も、何時も…恐ろしい敵にも1人で戦っていた』パーティと言いながら何時も頼らなかった。
隠れて訓練した…
此の世界の俺は勇者じゃない…
だが、武神と戦う事や天使長と戦う事をイメージして何時も1人訓練した。
やはり妄想だ…人が魔王ならいざ知らず、神や天使と戦うわけが無い。
だが、俺には…何故かイメージできた。
そして、何故か技が出せたんだ。
◆◆◆
「魔王軍、勇者リヒトが相手になる掛かって来い」
「ぶぁつははは、勇者はガイア…だが魔王様の情報では死んだと言う事だ」
「そうかもな…」
「この世界には今勇者は居ない…はったりだ」
「そうだな、確かに俺の妄想かもしれないな」
「此処には四天王が揃い踏みだ…例え本物でも死ぬだけだ…」
「それで、お前は誰だ」
「俺は魔族の幹部ガナ…」
「何だ雑魚か?」
俺は軽く剣を振った…やはり雑魚だ。
体はでかいが簡単に首が落ちた。
「馬鹿なガナル様が殺されただと…不味いぞ、相手は強敵だ…一斉にかかれーーーっ」
俺は意識を高めた。
今なら出来るそう思えた…
物語の中の俺が使っていた剣技。
「いくぜ、雑魚―――っ これが勇者の剣技、光の翼だぁぁぁぁぁぁーーーっ」
夢の中の俺が使った最強の技。
光が集まり大きな光の鳥となる…そしてその鳥が俺の剣の動きに合わせて飛んでいく。
光に巻き込まれた魔族は次々に絶命していった。
◆◆◆
「凄い、剣の一振りであれだけの魔族が倒された…あれが剣士だと? そんな訳あるか」
「綺麗」
さっき迄怯えていた、我が娘に笑みが戻った。
一瞬で恐怖から解放された。
聖騎士も騎士団も簡単に殺した集団、それを倒せる者が剣士な訳無い。
「お前等、あれが剣士に見えるのか? 宮廷騎士団団長ソルベ…お前なら出来るかどうだ?」
「それが出来るなら…討って出ています…出来ません。あれは剣士の訳がありません」
「宮廷魔法使いジルバ…あれは一体なんだと思う…」
「あんな事は勇者でも出来ない…もし出来る存在がいたとしたらそれは『ロード』もしくは『女神の騎士』いずれも伝説のジョブです」
「だが、目の前にいるでは無いか? これで我々は救われたのだな」
「御恐れながら」
「ソルベ…何かあるのか…」
「リヒト殿はそんなジョブではありません…ただの剣士です。それは多くの者が知っています…恐らくあれは何かを使って底上げをして戦っているのでしょう」
「確かに元三職の幼馴染を守る為に死に物狂いで魔法や剣術を学んでましたね。たしか、禁呪まで学ぼうとしたとか聞いた事があります」
「それでは…」
「動けなくなるのは時間の問題かと」
「そうか…だがこの戦いは見届ける、ただの剣士なら尚更だ…」
「「はっ」」
◆◆◆
「随分と雑魚は減ったな? さぁ早くかかって来いやーーーっ」
「こんな大技、そう多くは使えない…今こそチャンスだ斬り殺せーーーっ 魔法が使える奴は魔法をっーーー」
「ホーリーシールド…これで防げるな」
これは…誰が使っていたんだっけ…解らない。
だが、必死に覚えた…何時だっけ。
「馬鹿な、聖女が使う防御魔法まで…お前」
「掛かってこないならこっちからいく」
魔族とは言え、所詮は雑魚だ…簡単に斬れる。
「フェザーニードル」
空から鳥の羽が飛んできて俺のホーリーシールドにぶつかった。
「貴様何者だ?」
「空の女王ハーバル」
空の女王….空の女王の正体は天使長…だれだ、まぁ良い。
彼奴だったら一瞬で俺を殺せる…姿形が似ていたから一瞬恐怖じたじゃないか。
「空の女王?」
「そう、空を飛べない貴方には勝ち目がないわ、えっ」
俺は思いっきりジャンプをした。
やはり紛い物だ。
本物の空の女王なら音速。
俺が捕らえられるわけが無い。
思いっきりただ剣を振るだけで羽が2枚とも斬れて落ちて行った。
「そんなに遅ければ意味がない」
「馬鹿な魔族1早い私が…そんな」
「一応は女なんだな…消えな」
「糞っ覚えていなさい、次あったら殺す…えっ」
「そういう事は無事逃げてから言え..まぁ殺さないけど」
やはり紛い物、この俺が一瞬で詰められる。
「あはははっごめんなさいーーっヒィ」
まぁ良いや女いたぶっても仕方ねー。
「ほう…あのハーバルを簡単に倒すとは、我が名はルーバル、剛腕のルーバル相手致す」
そう言うと巌のような魔族が殴ってきた。
さぞかし、腕力に自信があるようだ…武神、あれ…武神の一撃すら耐えられる俺が、さぁ…
ボガァァァァ――
やっぱり痛くない。
武神の一撃で最初は首が千切れたよな…最後は三発迄気を失わなかった…ああっやはり妄想だ…そんなに何度も死んで蘇ったりするわけが無い。
「あのさぁ…それが何で剛腕なんだ…剛腕には程等いけど…シャイニングハンドーーっ」
カッコ良く言っているが、ただ手に光魔法を集めて全力で殴っただけだ。
ボガァァァァーーッ
「うがぁぁぁぁぁーーーっ」
「何だ此奴…伸びちゃったよ…だせーな」
「馬鹿な、四天王最強のルーバル様が一撃で…逃げろー殺されるぞーっ」
そう言えば彼奴は魔族にも手を差し伸べていたな…
あそこの骸骨は偉そうだな。
「おい、そこの骸骨」
「我こそは…」
「そんな御託は良い…もう少しさぁ、人間と仲良くなれないか?」
「人間と魔族はお互いが敵…」
「あのさぁ、だったら俺…これから残りの魔族皆殺しにするよ? だけど俺はそうしたくない….だから逃げる者は追わない…その代わり魔王に言って置いてくれ…仲良くなる道を探して欲しいと」
「撤退を認めてくれたお礼に伝えるだけ伝えてやる」
「悪いな」
「別に構わない…お前みたいな化け物とはもう二度と戦いたくないからな」
「そんじゃぁな」
あっという間に魔族は去っていった。
◆◆◆
「流石はリヒト殿だ、そうだ、爵位、伯爵の地位をやろう」
「爵位とか貰うと、大変だから要らない」
爵位をエサに酷い目に確かあっていた気がする。
「そうだ…姫を、姫をやろう」
「それも要らない、もう嫁さんが三人いるし、下手に増やすと殺されそうだからな」
俺は領主だし、あそこは王国と無関係な場所だ。
出来たら国とは関わりたくない。
「それでは儂の気が収まらない…何か欲しい物は無いか?」
何か貰わないといつまでたっても終わらないな。
「ハァ…それならエッチな下着を下さい! 思わず鼻血が出てしまう、エッチな下着を沢山、沢山くださぁ~い」
「はっ…下着、あの下着」
うん、お姫様も軽蔑の眼差しで見ている。
これで良い、流石に幾ら好きでもマンネリ化してきたから刺激が欲しい。
「それで良いなら…解った、下着デザイナーを派遣するから、好きな下着を好きなだけ作って良い、全て王宮持ち、それでどうじゃ」
「有難うございます…それではこれで失礼します。
俺は、城を後にした。
◆◆◆
リヒト殿…別の意味でも勇者だな…自分の股間を見つめて王様は溜息をついた。
◆◆◆
「という夢を見たのよ…夢のお兄ちゃんカッコ良かったな」
「リヒト君の方が勇者らしいものね」
「確かにリヒトが勇者ならそうかもな…だがその転生者みたいな話はなんだ」
「偶にお兄ちゃん寝言で話してから…そこから考えました」
「「まさか」」
※ これは妄想話…ただの冗談で本編とも他の作品とも繋がりません。
※ 遊びの一話です…ですがこれは当初、リヒトの秘密にしようとして止めたボツ話から出来ています。
勇者SIDE 何故悲しいか解らない。
不味い、不味い、不味い…
何処に行っても真面な対応はして貰えない。
だが、俺には運が良い事にリヒトの野郎から貰った眼鏡がある。
これでしのぎながらロザリーの所に帰っていった。
噂がこの街に届くよりも早く戻る事が出来た。
「ロザリー…今帰ったぞ…お前誰だ?」
「嫌ね~花嫁の顔を忘れたの? ロザリーよ、全くもう」
なんだ、このババアは…俺の田舎の母親と同い年位に見える…
そう言えば教会で言っていた『母と子程の年齢の離れた娼婦』と…
ロザリーは一体幾つなんだ。
「そう言えば、ロザリーって幾つなんだ?」
「あら、やだ女性に年齢を聞くなんて…まぁ結婚までしたんだから良いか?36歳のお姉さんよ」
嘘だろう…本当に俺のお袋に近い年齢じゃ無いか?
しかも…全然綺麗で無い。
お店で見た時はあれ程綺麗に見えたのに…今見ると、そこら辺に幾らでもいる女にしか見えない。
「どうかしたの?急に見つめて照れちゃうわ」
どうする…此奴ただのババアだ。
お化粧と暗い照明で綺麗に見えていただけだ…これならまだお袋の方が綺麗だ。
なんで、俺はこんなのを手に入れようとやっきになっていたんだ…
明るい所で見た…此奴は、あの三匹の雌豚よりも劣る。
香水がないせいかおばさん独特の臭いもある。
「そう言えば、ロザリーと俺が結婚した事になっているのは何故だ」
「嫌だなぁ、ガイアが婚約をしている私を攫う様に略奪したんじゃない? 私はそれを受け入れて結婚しただけよ」
「書類は?」
「ちゃんとサインしてくれたじゃない?」
「俺がか?」
俺が婚姻のサインをした?
そんな記憶は無い。
「うん、ほらあの時」
「あの時…」
そう言えば此奴に言われて書いた記憶がある。
あの時のあれか…
もう大事になっている…破門されて俺には行く場所がない。
離婚した所でなにも変わらない。
此奴は足手纏いだ…殺すか?
「なぁロザリー散歩でもいかないか?」
「散歩…そうね、今迄娼婦だから、外を出歩いた事は無かった。行こう」
◆◆◆
街を出て…森に入った。
時間は夕方…流石に人通りは無い。
「空気が美味しいわね」
「ああっ」
「ねぇ…ガイア私が邪魔なんでしょう?」
「何の事だ」
「嘘は良いわ、私は長い事、娼婦だったの…最初は親に売られて、初めての相手から抱かれた男は全てお客だったわ…借金はもうとっくに返し終わったけど、もう出来る事がこれしか無いのよ…だけどね、娼婦だからこそ解かる事があるの…ガイア、私は貴方が好き。だけど、多分今の貴方にとって…私は邪魔者でしょう?」
「そんな事は」
「あるわ、貴方の目、まるで犯罪者の目だわ…私を最後に抱いた時から様子が可笑しいもの」
「…」
「ガイア…私を殺したいんでしょう? 邪魔なんだよね」
「…」
「だんまり…解っていた…良いわ貴方は私の王子様、ううん勇者様…例えなにがあってもね…その手はきっと世界を救うためにあるのよ…私何かの為に汚す必要は無いわ」
「ロザリー、何を言っているんだ」
「嬉しかった…たった数日だけど、穢れた私が『勇者のお嫁さん』になれた、もう良いわ…さよなら…ぐふっごふごふっ」
「ロザリーーーっ」
「此処に来る時に毒を飲んでいたのよ…貴方はこのまま立ち去って、迷惑はかけたくない」
「ロザリーっ、ロザリーっ、ああああっあああーーーーっ」
「さ…よう…なら」
俺はロザリーを殺すつもりで此処に連れてきた。
だが…何で…俺は悲しいんだ…何故涙が止まらないんだ…
なんでなんだ…
解らない。
最終話: 狂愛
ロザリーは要らない存在だった。
殺すつもりだった…なのになんでこれ程悲しいんだ…
俺には解らない…
もうこの国には俺の居る場所は無い…
スラムにも俺の居る場所は無い…
だから、帝国にでも行くしかない。
あそこは亜人の血が混ざっている者が女帝だ。
大きな国の中で唯一『女神教』ではない。
勇者としての俺のキャリアは何も通用しないが…あそこならもう一度人生をやり直す事が出来る。
リヒト達は北の大地に居て、今頃幸せに暮らしているのだろうな…
だがな…俺だけ不幸なのは許せない。
なんで雌豚3匹と彼奴が幸せになれて俺が不幸にならなければならないんだ。
あの雌豚3匹…やはり殺しておくべきだった。
彼奴らに関わったせいで…俺は全部失った。
今となっては正解は解かる。
あんな雌豚を欲しがらずに、リヒトと一緒に殺せば良かった。
彼奴らを殺して、綺麗なエルフやセクシーなダークエルフとパーティを組めば良かった。
ただ、それだけだ。
あの下げマンの豚たちの貧相な穴を使った為に、こんな地獄の様な目にあっている。
そもそも、あんなジョブを除けばただの田舎臭い村娘の雌豚に『魅了』を使ったのが間違いだったんだ。
俺は何もしないでも王族と結婚して侯爵の爵位が約束されていた。
それを雌豚が奪いやがった。
たかが貧相な穴をぶら下げた女を抱いた為に、全部終わってしまった。
…間違っているのは、解っている。
雌豚たちが魅了を使う前にリヒトを好きだった理由…それも解る。
彼奴は俺程じゃないが…そこそこの美少年だ。
それが全てを使って尽くしてくれるんだ、好きにならないわけが無い。
彼奴が女だったら、俺は彼奴に一途になったかも知れない。
そこ迄の人間だ…それに比べて、あの三人は顔は良いが…本当はそんなに凄い奴じゃない。
ただの村娘。 そこでは可愛いが…王都の女給レベルで言うならまぁ普通だ。
『聖女』『賢者』『剣聖』そんなジョブに騙され、特別な存在だと思い…リヒトへの嫉妬から、魅了を使った。
大して好きでも無い雌豚三匹、それを手に入れた為に…全てを失った。
あはははは…あいつ等 話だと随分、幸せに暮らしているみたいじゃ無いか….
帝国への通り道に彼奴らの住んでいる村がある…最後に彼奴らを滅茶苦茶にしてやるよ。
誓約書もあるが…俺は破門された犯罪者…だから関係ない。
帝国と王国は仲が悪いから…あそこに行けば王国での過去は関係ない。
最後にあいつ等潰してやる。
犯して犯して犯しぬいて…壊して殺してやる。
◆◆◆
「やっぱり来たのか~馬鹿だな」
「来なければ、放って置いたのに…」
「馬鹿だよね」
「なんだリヒトは居ないのか…あいつの泣き叫ぶ顔が見たかったんだが..まぁ良いお前らを犯しぬいて殺してやる」
所詮は雌豚だ…それに壊れていて何も出来ないだろう。
今からこいつ等の絶望する顔が…えっ。
「お前にゴミ箱扱いされた恨みは忘れた事は無い…この剣を受けて見よ…斬鉄」
「うがぁぁぁぁぁーーーっ」
何故だ、俺の右腕が剣ごと宙に舞っている。
「あははははっガイア、私ね、ジョブは下がっているのに、何故か実力はそんなに落ちてないのよ…最も、リヒトの前ではか弱いふりしているけどね…こんな筋肉質の女がか弱い訳無いのに…全く、愛されるって怖いわ…私の腹筋まで好きなんだって」
「全くセシリアさん、なにのろけているのかな? 短小薄皮ウインナーぶら下げているゴミ男さん…可哀想だから治してあげる…ガイア…ヒール」
「止めろー、止めてくれーーーっ」
見る見るうちに俺の切断された面が塞がっていく。
「ぷっクスクス…これでその腕はもう繋がらないね」
「貴様~っ、繋がらなくのを解ってやったのかーーーっ」
腕が斬れた状態でヒールで治されると…傷は塞がり治るがもう切断された部分は繋がらない。
「バーカ、バーカ、会話していていいの? ウインドーカッターーーーっ」
光で出来た円盤が俺の足を襲った、そして、俺の両足が宙に舞った。
「俺の足が~俺の足がぁぁぁぁぁぁーーーーっ」
「ねえ、足が無くなるってどんな気分? どんな気分かなぁぁぁぁぁぁーーーっ、あの時の私の気持ち少しは解かったかな? なにそれ…もしかして漏らしたのかな?
ださぁぁぁぁーーーっ リサお姉ちゃん、またヒールお願い」
「もう人使いが荒いな…はいヒール」
この瞬間、俺の人生は終わってしまった。
両足を失い…利き腕を失った。
俺は馬鹿だった…先手を打てる状況だったのに…慢心したからこのざまだ。
「もう逃げらえないね、ガイア…私は目も失ったし…顔も潰されたし片手片足でボコボコにされたよね? ただ気持ち良くしてあげようとしただけなのに…まだ足りないよね? 賢者ってこう言う事が出来るんだ」
「うがゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっ、止めろ、止めてくれーーーっ顔が、顔が溶けるーーーっ」
俺の顔が、俺の顔が…嘘だろう、顔を触った左手も…溶けていく。
「これね王硫酸って言うの…凄いでしょう?」
「ハァハァ…いたいっ、痛ぁぁぁぁぁぁーーーーい、やめりょう」
なんだこれは…勇者の俺には痛覚軽減のスキルがある…それでも死ぬ程痛ぇーーーっ。
「あ~あっ、2人して無茶するから、私のする事が無くなっちゃったじゃない? 私はリヒト君の婚約者なのに…犯され続けてさぁ…」
「リサお姉ちゃん、まだ左手と目があるよ?」
「鼻でも削いでみたらどうかな?」
「う~ん、それじゃ遠慮なく…ホーリーカッターッーーー」
「….」
「あらら、気を失っているの? 折角最後の腕を斬り落としたのにつまらない」
「それで、これ..どうする?」
「気を失っているなら丁度良いわ…目をくり抜いて…最後は心臓でもくり抜きましょう」
「そうだな、勇者はしぶといから生き返って来られても困るからな」
「うわぁぁぁぁぁーーーーーーーっ」
「あははははっ、もう目も無いよ」
「鼻も無いわよ」
「もう口がきけるだけのただの肉だね」
「これでもう良いんじゃない?」
「そうね…心臓を一突きにして…後はバラバラにして終わり良い?」
「リサ…ごめん、私耳二つその前に切り落とすわ」
「それがあったね…」
「止めろ、止めてくれーーーっ」
「「「無理」」」
「俺は命まではとらなかったじゃないか…」
「今迄は…だが今日は殺しに来たんだろう」
「そうよね…」
「本当に馬鹿よね」
「悪かった…命だけは…助けてくれ…」
「お前は馬鹿だなぁ~」
「本当に馬鹿ですね…何で私達がリヒト抜きで此処に居ると思うの?」
「お兄ちゃんはお人好しだから、あんたを許しそうだから置いてきたんだよ」
「そうだな、リヒトの子供の頃の夢は5人で面白可笑しく暮らす事だからな」
「そうそう、リヒト君の夢だから、嫌いな貴方のパーティでも頑張っていたのよ」
「リヒトお兄ちゃんの友達じゃなければガイアなんてただのゴミだよね」
「本当に偉そうにして馬鹿みたい」
「それじゃ俺は….」
「「「元から友達でもない(わ)(よ)」」」
「そんな俺は、俺は…」
「あんたの友達はリヒト君だけ…誰1人貴方を好きな人間なんてこの世に居ない」
「そんな訳無い…そうだ両親や家族…両親や家族は俺を愛していた、そうだ俺を…」
「確かに愛していたよ」
「うん、あれは愛していたな」
「確かにガイアを愛していたよね…村人に命令してまで馬鹿だよね」
「…?」
「いやぁ~リヒトのお陰で正気に戻ったじゃない?」
「凄くムカついたんだよね、ガイアは勇者だから簡単には殺せない」
「散々ぱらおもちゃにされた怒りは誰に向うと思う?きゃはははははっ」
「まさか…お前達」
「うん、殺した…剣で八つ裂きにした時ガイアーーってポロポロおばさん泣いていたな」
「アンタのお父さん、殺されるとき息子だけは助けてくれって殺される寸前まで頭を下げていたよな…笑える」
「そう、賢者のつかう魔法でも往復2日間もお兄ちゃんに抱いて貰えなかったし、勝てもしないのに、村人総動員で挑んでくるからんだから頭来て」
「「「村ごと終わらせちゃった」」」
こいつ等…雌豚.なんかじゃない…まるで魔族みたいで…気持ち悪い。
こいつ等…今なんていっていたんだ…俺の家族を村を殺したって言ったのか…
「あのさぁ…勇者特権は三職にもあるんだよ」
「あれぇーっ あの時三職だったかな」
「もうどうでも良いじゃない…殺しちゃったんだからね、ははははっ」
なんだこいつ等…
「さてと、おしゃべりはもうおしまいだ」
「バラバラにしなくちゃね」
「バラバラ、バラバラ」
俺の人生はここで終わる…意識が薄れてきた。
「俺はどうなる…」
「バラバラにしてゴブリンのエサかな」
三人の薄気味悪い笑顔を見ながら…俺の意識は薄れていった。
多分、全てが終わりだ。
◆◆◆
「リヒト~ただいま~うんぐうっううん」
「セシリアずるい、リヒト君、それじゃ私はこっち、うんうぐううん」
「二人とともズルいよ~お兄ちゃん、そうだ、仕方ないから指で我慢してあげる….ああんお兄ちゃんの指気持ち良いよーーっ。
世界なんてどうでも良い…
何百万の人間が殺されようと私達には関係無い…
リヒト(君)(お兄ちゃん)がいればそれで良い。
「どうした? きょうは随分甘えてくるな」
「「「リヒト(リヒト君)(お兄ちゃん)愛している」」」
ただ、リヒトだけを愛している。
あとがき
最後まで読んで頂けて凄く感謝しています。
この作品は、実は凄く思い入れのある作品です。
私の名前『石のやっさん』を検索エンジンでひくと、アルファポリス様でなく、別のサイトの名前が表示されます。
実は元々は他のサイトで私は投稿していました。
そのサイトを離れるきっかけになったのが今回の作品の原型になった作品です。
『魅了』により幼馴染を奪われた主人公は他で新しいパーティを作りなりあがっていく。
そういう作品が多い中…幼馴染が救われる話しを書き始めたら…結構な方に嫌われました。
当時の私は入退院を繰り返して、何時死ぬか解らない状態でした。
その事もあって、沢山の悲しい感想が毎日の様に届き…心が折れ…一旦は筆を折りました。
ですが、サイトによって読者そうが違うよ。
心が折れるなら、感想の返信をしない。それで良いから書いて欲しい。
そして当時の私のファンの方からアルファポリス様を紹介され移ってきました。
この作品は読み手を選ぶと思います。
かなり人の嫌がる描写も多いと思います…ですが、あの時心が折れて未完で終わった作品を書く事に今回挑戦しました。
主人公の設定を売り専ホストにしたり、かなりエピソードを足して、ヒロインの悲しさを増すようにかきなおしました。
そしてエッチな表現を勉強する為にエロ漫画50冊かって勉強。
結局は別物になってしまいましたが、なんとか、あの時心が折れた作品を書ききる事が出来ました。
これも皆様のお陰です。
本当に有難うございました。
ちなみに、次の作品は…リクエストにお答えしまして…もっと悲惨なヒロインを書いて欲しいという事なのでチャレンジします。
恐らくは今日、投稿するかも知れません。
有難うございました。
pS 病気の方もおかげさまで年2回のMRIは生涯続きますが、余命宣告はなくなりました。
あの時は「5年生存率4割以下」と言われ辛かった時期です。
本当に有難うございました。